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3 月の訪日外国人客、349.8 万人 6 カ月連続で 300 万人超え

日本政府観光局は 16 日、3 月の訪日外国人客(インバウンド)が 349 万 7,600 人で、3 月として過去最多だったと発表した。 人気の高い桜の時期だったことなどから前年同月より 13.5% 増え、6 カ月連続で 300 万人を超えた。 1 - 3 月は計 1,053 万 7,300 人(前年同期比 23.1% 増)とこちらも過去最多で、最速で 1 千万人を突破した。 高い訪日需要が続いている。 3 月分を国・地域別にみると、韓国が最多の 69 万 1,700 人(前年同月比 4.3% 増)で、中国(66 万 1,700 人、同 46.2% 増)、台湾(52 万 2,900 人、同 7.9% 増)が続いた。 特に中国の伸び率が目立った。

観光庁が同日発表した 1 - 3 月の訪日外国人の旅行消費額は、前年同期比 28.4% 増の 2 兆 2,720 億円だった。 国別・地域別では中国が 5,443 億円で最も多く、全体の 24% を占めた。 次いで台湾(3,168 億円)、韓国(2,824 億円)の順だった。 2024 年のインバウンドは過去最多の 3,686 万 9,900 人、消費額 8 兆 1,395 億円で過去最高だった。 政府は 30 年には 6 千万人、消費額を 15 兆円とすることを目標に掲げている。 (大和田武士、asahi = 4-16-25)


2024 年の訪日客消費、初の 8 兆円超 円安追い風 訪日客数も最多

2024 年に日本を訪れた外国人(インバウンド)は前年比 47.1% 増の 3,686 万 9,900 人で、これまで最多だった 19 年の 3,188 万 2,049人を超え、過去最多となった。 訪日客による年間消費額は前年比 53.4% 増の 8 兆 1,395 億円で過去最高だった。 日本政府観光局と観光庁が 15 日、速報値を発表した。 政府は 25 年までに 19 年の訪日客数を超えることを目標に掲げているが、1 年前倒しで達成した。 30 年には 6 千万人、消費額を 15 兆円とすることを目指している。

24 年 12 月の訪日客は 348 万 9,800 人で、1964 年の統計開始以来、単月で初めて 340 万人を超えた。 クリスマスや年末年始にあわせた旅行客が多かったという。 24 年は円安を追い風に、直行便や地方路線の増便などで、高まる訪日需要を取り込んだ。 国・地域別では韓国からの訪日客が最も多く、コロナ前は最多だった中国からの客は 19 年比の 7 割程度にとどまった。 全体の約 66% を占めた東アジアだけでなく、米国や欧州、東南アジアからの客数が軒並み伸びた。

訪日客による年間消費額は国・地域別の構成比で、中国が 21.3% と最も大きく、台湾、韓国が続いた。 ただ 19 年と比べると、中国の占める割合は約 15 ポイント減り、欧米や東南アジアの客の消費が増えた。 訪日客の 1 人当たりの支出は 22 万 7 千円。 前年からは 6.8%、19 年からは 43.3% 増えた。 旺盛な消費意欲に加え、宿泊費の高騰も影響した。 買い物代や飲食費、テーマパークやスキー場など「娯楽等サービス費」の支出も増えた。

今後、政府目標の訪日客 6 千万人を達成するためには、受け入れ態勢を強化する必要がある。 大都市圏に偏る宿泊先の地方分散や、混雑や騒音など人気観光地のオーバーツーリズム(観光公害)対策は喫緊の課題だ。 ホテルなど観光業の人手不足も懸念される。 一方、同日発表された、24 年に日本から出国した日本人(アウトバウンド)の数は速報値で 1,300 万 7,300 人だった。 19 年比の約 65% で、インバウンドに比べて回復が遅い。 円安と海外の物価高の影響で、海外旅行を控える動きが続いていることが背景にある。 (益田暢子、asahi = 1-15-25)


訪日客、過去最多 3,337 万 9,900 人 … 1 - 11 月で 2919 年の年間記録を抜く

日本政府観光局が 18 日発表した 1 - 11 月の訪日外国人客数は、累計で 3,337 万 9,900 人となり、12 月の 1 か月を残して 2019 年の年間訪日客数(3,188 万 2,049 人)を上回って過去最高となった。

1 - 11 月の訪日客を国・地域別にみると、韓国が 19 年同期比 49.0% 増の 795 万 0,300 人と最多。 中国が 28.2% 減の 637 万 6,900 人で続いた。 台湾と香港を合わせた東アジアで全体の約 7 割を占めた。 11 月の訪日客数は、19 年同月比 30.5% 増の 318 万 7,000 人だった。 月別の訪日客数は 2 - 11 月の 10 か月連続で 19 年同月を上回っている。 特に 9 - 11 月は 3 割前後の伸び率となっており、訪日需要の拡大が顕著になっている。 (yomiuri = 12-18-24)


日本で爆買い続ける観光客、免税店の売り上げ 2.5 倍に - 中国メディア

2024 年 9 月 1 日、中国メディアの第一財経は、今年の訪日外国人観光客が過去最高のペースで増えており、日本政府が免税品購入ルールの緩和を検討していることを報じた。

記事は、日本の国家観光局 (JNTO) による統計で、今年 1 - 6 月に日本を訪れた外国人観光客は延べ約 1,778 万人で、同時期の過去最高を記録したと紹介。 このペースで行けば年間のインバウンド客数は 3,500 万人に達する見込みであり、日本政府が掲げた「2025 年までに訪日観光客を新型コロナ前のピークである 19 年の 3,188 万人以上にする」という目標を 1 年前倒しで実現することになるとした。

また、世界旅行ツーリズム協議会 (WTTC) の予測によると、今年の日本経済に対する観光業の貢献額が新型コロナ前のピークだった 19 年に比べて 5.7% 多い 44 兆 6,000 億円に達し、日本の国内総生産 (GDP) の 7.5% を占める見込みだとも紹介している。

そして、観光庁が先月末、来年より外国人観光客による消耗品購入の免税限度額を撤廃し、「一般物品」と「消耗品」の厳格な区分をなくす要望を打ち出したと紹介。 現行の免税制度では、化粧品や食品、飲料、酒類、薬品、タバコなどは「消耗品」に区分され、当日の同一店舗での購入では免税対象額の上限が 50 万円となっており、観光庁がこの制限によって外国人観光客のさらなる消費が妨げられているとの認識に至ったと解説している。

一方で、現行制度を利用した悪質な行為が後を絶たないことを鑑み、消耗品の免税対象額の上限を撤廃すると同時に、現在は購入時にその場で受けられる免税優遇を、購入時は消費税込みの金額を支払い、出国時に税関が持ち出しを確認した時点で免税販売が成立し税額分を返金する制度も盛り込まれる見込みだと伝えた。

記事は、訪日観光客の増加に伴いデパートでの免税販売業績も上昇しているとし、日本百貨店協会のデータとして、今年 1 - 7 月の百貨店の免税販売額が前年同期比 2.5 倍の 3,978 億円となり、過去最高を記録するとともにすでに昨年 1 年間の額を上回ったと紹介。 今年 1 - 6 月の実績から予測した今年のインバウンド消費額は 7 兆 2,000 億円に上り、自動車産業に次ぐ第 2 の支柱産業になる見込みだとしている。 (川尻、Record China = 9-3-24)


訪日外国人、医療費未払いの懸念 値切られることも「日常茶飯事」

昨年 5 月に新型コロナが感染症法上の「5 類」へ引き下げられ、病院に運ばれる訪日外国人が急増している。 東京消防庁によると、昨年 1 年間に東京都内(稲城市と島嶼部を除く)で搬送された訪日外国人は 3,283 人。 前年の 624 人の 5 倍超で、コロナ禍前の 2019 年の 2,620 人を超えた。 相次ぐ外国人の搬送によって、新たに生じている課題もある。 1 年間で 2 千件を超える外国人患者を受け入れる聖路加国際病院(東京)では、訪日外国人による医療費の未払いが年間 30 件ほど生じている。

値切られることは「日常茶飯事」

訪日外国人が日本の健康保険証を持たない場合は自由診療となり、医療費は患者側が全額負担する。 同病院は、こうした患者を受け入れた場合、病院の滞在中に何とか支払ってもらうよう働きかけているが、応じてもらえない場合は、患者が契約する保険会社に掛け合うこととなる。 しかし海外の保険会社も様々で、値切られることは日常茶飯事。 保険に入っていない患者については住所を聞き取って請求書を送るが、支払いに応じるケースはまれだという。 訪日外国人患者に特化した医療費の補?制度はなく、未払い分の多くは病院側が負担しているのが現状だ。

「不良債権化」のおそれ、対策は

同病院では未払い対策の一環として、多くの外貨や決済手段に対応したシステムを導入したり、事前に医療費の概算を伝えたりしている。 観光庁が昨年 10 月 - 今年 2 月に行った調査によると、訪日外国人の 3 割近くが保険に未加入のまま来日している。 同病院の担当者は「入国時に適正な保険に入ることを訪日外国人に義務づけるといった制度を整備してほしい」と話す。 厚生労働省の 22 年度の調査では、3 割近い医療機関が在留外国人を含めた外国人患者による医療費の未払いを経験していた。 その総額は日本人も含めた全体の 1.4% にとどまるとはいえ、約 8 億 8 千万円に上る。

今後も訪日外国人が増えれば、比例して医療費の未払いが増加する恐れがあり、そのまま帰国されれば回収が困難になり、「不良債権化」しかねない。 そこで国は、20 万円以上の医療費を支払わない訪日外国人について、未払いの情報を再入国の審査に活用する取り組みを 21 年 5 月から開始。 厚労省が未払いのある外国人患者の情報を医療機関から集め、出入国在留管理庁と共有している。 厚労省によると、これまでに外国人 52 人分の計約 8,900 万円の未払い情報が 27 の医療機関から寄せられたという。 (中野浩至、asahi = 7-22-24)


1 - 6 月の訪日外国人客、過去最多 年間で 3,500 万人も視野

日本を訪れる外国人の数が上半期で過去最多になった。 日本政府観光局が 19 日に公表した 1 - 6 月の訪日客は、累計で 1,777 万 7,200 人。 コロナ禍で落ち込んだが、円安を追い風に急回復した。 さらなる拡大を見据え、岸田文雄首相は同日、オーバーツーリズム(観光公害)などへの対策強化を関係閣僚に指示した。 6 月の訪日客は 313 万 5,600 人で、4 カ月連続で 300 万人を超えた。 同日、観光庁が発表した 1 - 6 月の訪日客による消費額も、3.9 兆円となり上半期の過去最高を更新した。 観光庁の試算によると、今の勢いが続けば、今年の年間訪日客は 3,500 万人、消費額は 8 兆円も視野に入る。

政府は 2025 年までに、19 年の訪日客(3,188 万人)を超え、30 年までに 6 千万人とすることを目標に掲げる。 19 日開いた観光立国推進閣僚会議で、岸田首相は「地方への誘客促進とオーバーツーリズムの未然防止と抑制に取り組むことが重要」と述べた。  その上で、航空燃料の不足で、海外の航空会社が新規就航できない事態が相次いでいることを懸念。 輸入や増産、輸送体制の強化などにより、アジア便に換算して週 150 便超の燃料を確保するよう指示した。 都市部に偏りがちな訪日客を地方へ誘客するため、国立公園 35 カ所に高級リゾートホテルなどの宿泊施設を誘致する方針も打ち出した。 (益田暢子、asahi = 7-19-24)


円安ニッポンは「別世界」、記録的な数の米国人が旅行へ - デルタ航空

米航空大手のデルタ航空は、円安で日本行き便の需要が急増していると指摘。 日本への旅行が突如大幅に割安になり、人気を集めていると述べた。 デルタ航空のグレン・ホーエンスタイン社長は 11 日、四半期決算を説明する電話会見で「実に記録的な数の米国人旅行者が日本に向かっている」と発言。 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が過ぎて出張需要が回復していたところに、レジャーとしての旅行ブームが最近加わった」と述べた。

このところの円安加速で、対ドル相場は一時 1986 年以来の円安水準に落ち込んでいた。 円安はインバウンド旅行者の購買能力を押し上げ、日本観光ブームを引き起こしている。 「日本は旅行先市場に変身した」とホーエンスタイン社長。 長年の円高で、日本旅行は高過ぎると多くの米国人が敬遠していた頃とは様変わりだという。 「米国人旅行客にとってはまさに別世界だ。 大いに円安を利用しているようだ。」と述べた。 (Mary Schlangenstein、Bloomberg = 7-12-24)


ホテル開業ラッシュの銀座 増える外国人観光客が背景、宿泊費は高騰

東京・銀座の一等地に 5 月末、「ザ ロイヤルパークホテル 銀座 6 丁目」が開業した。 観光客でにぎわうこの街では、昨年からホテルの開業ラッシュが続く。 その背景には、高い宿泊料もいとわない外国人観光客の存在がありそうだ。 開業したのは、地上 15 階、地下 1 階で 273 客室ある大型ホテル。 ロイヤルパークホテルズとしては銀座で 3 軒目のホテルになる。 昭和通りに面し、東銀座駅から徒歩 3 分という好立地に開業した。 歌舞伎座、築地にも近い。 宿泊料は 1 泊 1 室 3 万円 〜 と高価格に設定されている。

ホテルのコンセプトは「GINZA POP」。 レトロとモダンが共存する銀座の歴史を色合いやデザインで表現したという。 日本の文化や食を生かすため、宿泊者専用の大浴場をつくった。 1  階の「洋食屋 銀座ランプ亭」では朝食時間帯、10 種類以上の具をその場で注文して料理人が目の前で作ってくれる「おにぎりコーナー」もある。 最大の目玉が 2 階の角で、紫色のライトが光るスナック「木挽町クラブ」だ。 カウンターとソファの計 19 席があり、夜だけ営業する。 宿泊客だけではなく、一般の客も入れる。

木挽町クラブを運営するアクアプランネットの山崎剛常務は「イギリスにはパブ、スペインにはバールと各国独自のバー文化があるが、日本にはスナックがある。 スナックもホテルも人が集まる場所。 ならば、ホテル内に人が集まる仕掛けをつくりたかった」と話す。

ホテルにスナック その狙いは

スナックは一般的に「ママ」がカウンター越しに接客する。 客はお酒を飲んだり、カラオケで歌ったりすることができる。 木挽町クラブでは、多様性の時代にあわせて、男性スタッフもいる。 担当者は「スナックは日本ならではの酒場文化。 世界に発信したい。」と意気込む。 ママを務めるのは、西尾麻紗子さん (36)。 本業のモデルを休業してチャレンジすることを決めた。 「ホテルにあるスナックなら、ちょっとのぞいてみようかな、と入りやすいのでは。 気軽に立ち寄ってほしい。」と話す。

1 泊 12 万円の高級ホテルも

銀座ではこの 1 年で続々とホテルがオープンしている。 シンガポールに拠点を置くアスコットが展開する「lyf 銀座東京」は昨年 11 月に銀座に初進出。 全 140 室で、宿泊価格は変動制だが平均で 2 万円ほど。 シングルから最大 3 人まで宿泊できる部屋もある。 30 泊以上の長期滞在も可能で、共用部にはキッチンやランドリールームのほか、仕事などができる「コワーキングラウンジ」やジムもある。

アスコットジャパンによると、宿泊客の約 8 割が外国客で、平均 3 泊以上泊まる客が多い。 広報担当者は「様々な値上がりや円安の風潮を受けて、1 回あたりの旅行の期間が長くなっている。 泊まるためではなく、暮らすことができる施設への需要が高まっていると感じる。」と話す。 今年 3 月に開業したマリオット系列の「東京エディション銀座」は 1 室 12 万円(税・サービス料 15% 別)からだ。 スタンダードルームとしては銀座エリアで最大級の広さの 41 平米という。 担当者は「ゲストそれぞれが持つ憧れや興味関心、ライフスタイルに共鳴する、ユニークで魅惑的な思い出に残る体験を提供しているブランドのコンセプトやデザインが多くの方に受け入れられていると思う」としている。

開業を今年 9 月に控えるのは「三井ガーデンホテル銀座築地」だ。 1 室 3 万 570 円(消費税・サービス料込み、宿泊税は別途)からで、洗濯乾燥機や冷凍冷蔵庫、電子レンジを全 183 室に完備。 連泊する海外の観光客の取り込みを狙う。 三井不動産広報部は「銀座・築地エリアは多くの競合ホテルが集積する地域だが、立地の良さや館内施設の充実度などから多くの宿泊客に利用して頂けると考えている」とする。

都市未来総合研究所の主席研究員、下向井邦博氏は、銀座でホテルが増えている背景に、インバウンド(訪日外国人客)の回復と銀座というブランドがあると指摘する。 「銀座なら、インバウンド向けの格のあるハイブランドなホテルをつくることができる。 需要のある週末に価格を高くするなど宿泊料を変えられ、オフィスや住宅、商業施設より収益も得やすい。」と話す。 宿泊にお金をかける外国人は増えているといい、「ハイブランドやラグジュアリーホテルなど、『泊まる楽しみがある』特色のある個性的なホテルは今後も増えるのでは」とみている。 (野田枝里子、asahi - 6-6-24)


バス混雑に悩む京都市、観光特急バスの運行開始 運賃は通常の 2 倍

京都市は 1 日、京都駅と清水寺や祇園などの人気観光地を結ぶ「観光特急バス」の運行を始めた。 運賃は通常の 2 倍。 国内外から観光客が押し寄せるなか、「地元住民が市バスに乗れない」という苦情も多く、観光客と市民のすみ分けをめざす。 オーバーツーリズム(観光公害)対策として国の規制緩和を使った全国初の取り組みだ。 観光特急バスは土日祝日に通年運行する。 京都駅前と清水寺近くの五条坂を結ぶ便(1 日 16 便)と、京都駅前と五条坂、祇園、銀閣寺などを結ぶ便(1 日 24 便)の 2 系統。 特に混雑が激しい清水寺行きのバスの混雑を緩和する狙いで、五条坂への所要時間は通常 15 分から 10 分に短縮される。

運賃は大人 500 円、子ども 250 円で、通常(大人 230 円、子ども 120 円)の約 2 倍。 観光スポットに直行・急行するバスは届け出だけで運賃を変えられるよう、国土交通省が昨年 12 月に道路運送法の施行規則を改正したことを受けた設定で、京都市が全国で初の適用事例になるという。 運賃は通常より高いが、地下鉄・バス 1 日券(大人 1,100 円、子ども 550 円)で乗ることができる。 1 日券の利用者の 9 割は観光客が占める。 一方、市民が普段使う敬老乗車証や定期券などでは乗れない。 観光客に観光特急バスを利用してもらうことで、通常の路線バスの混雑を緩和して市民が使いやすくする。 松井孝治市長は出発式で、「この試みの成果を検証し、さらに前に進めていきたい」と述べた。 (武井風花、asahi = 6-1-24)


外国人の宿泊者数、2 カ月連続で過去最多 円安背景に滞在長期化

4 月に国内の宿泊施設に泊まった外国人は延べ 1,315 万人で、比較できる 2010 年以来で単月として過去最多だった。 31 日に観光庁が発表した。 円安などを背景に、訪日外国人が増加し滞在日数も長期化しているという。 同庁が毎月行う宿泊旅行統計調査によると、4 月の宿泊者数は前年同月比 11.9% 増の延べ 5,096 万人だった。 このうち、外国人は 25.8% を占めた。 外国人の宿数が過去最高となるのは、2 カ月連続。 前年同月より 38.1% 増、コロナ前の 2019 年同月と比べると 16.5% 増えた。

担当者は「3 月下旬にイースター休暇があったことや、桜の開花に合わせた来日が多かった」と分析する。 4 月の訪日客数は約 304 万人で、2 カ月連続で単月で 300 万人を超えた。 同日発表された 3 月の外国人宿泊者数を国・地域別にみると、最多は台湾で中国、米国が続いた。 米国や豪州、カナダなどは 2019 年比で 2 倍前後に増えたが、中国は 19 年比で 3 割程度少なかった。 (益田暢子、asahi - 5-31-24)


三越伊勢丹 HD、国内百貨店のインバウンド売上が初の 1,000 億円を突破

三越伊勢丹ホールディングスが 2024 年 3 月期(2023 年 4 月 - 2024 年 3 月)の通期決算を発表した。 総額売上高は前年比 12.5% 増の 1 兆 2,246 億円、営業利益は 2021 年 11 月に開示した当初の長期計画 500 億円を上回る 543 億円を達成。 また、国内百貨店計のインバウンド売上高は 1,088 億円(コロナ前の 2018 年度比で 45% 増)と過去最高を更新した。 インバウンド売上が 1,000 億円を突破したのは初めてだという。 インバウンド売上高は、これまでコロナ前の 2019 年 3 月期の 755.5 億円が過去最高だった。 1,000 億円を突破した背景として、伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店の 3 店舗では、中国本土除くアジア地域が大きく牽引。 地域別の売上高のシェアでは、中国本土の 40% を上回る 49% (コロナ前の 18 年度は 21%)に拡大した。

なお、基幹店の一つである伊勢丹新宿本店では売上高 3,758 億円を計上し、昨年に引き続き過去最高を記録。 同社広報担当者によると、特に「高付加価値」のあるモノに動きがあるといい、ファッションでもラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドに加え、インフルエンサーや顧客関心度の高い DtoC ブランドなどはイベントを行うと好調に推移しているという。 その他、三越銀座店でも売上高 1,047 億円を計上し、過去最高を更新した。 外商売上も好調で、単日ベースでの過去最高売上はこれまで初売り商戦などのイベントがある日が中心だったが、2023 年度は丹青会や逸品会といったグループ上位顧客向けのイベントが開催された日が最も売上が良く、2024 年 2 月開催時は過去最高の売上高を計上した。 これらのイベント売上にも海外外商顧客が寄与し、約 160 組が来場したという。

今期(2025 年 3 月期)は百貨店特有のマスを意識した "館" 業から、顧客一人ひとりに合わせた MD 戦略を目指す "個客" 業へのスイッチに向けて、総額売上高 1 兆 2,800 億円(前期比 4.5% 増)、営業利益 640 億円(同 17.7% 増)を予想。 当期純利益は前年度法人税等調整額の関係で、530 億円(同 5.6% 減)と減益を見込むが、実質増益を計画する。 伊勢丹新宿本店の売上高は、過去最高売上をさらに更新し 4,000 億円超えを目指す。 国内百貨店のインバウンド年間売上は、4 月に過去最高の月間売上高を更新するなど直近足元の実績を踏まえ、前年比 44% 増の 1,563 億円を計画。 この数字は、コロナ前の年間売上高の 2 倍強にあたるという。 (FashionSnap = 5-14-24)


「旅費の安さ」世界 4 位は東京、3 位は … 観光関連の記事に海外が注目

大型連休中は、多くの外国人旅行客が各地を訪れていました。 円安も相まって、海外からの日本旅行熱は高まる一方です。 朝日新聞のニュースを英語で配信しているサイト「AJW」でも、日本の旅行に関する記事は、よく読まれるジャンルの一つです。 4 月は桜の花見に関する記事が読まれたほか、「富士山撮影で人気の場所に黒い幕」というオーバーツーリズムの話題なども読まれました。

かつての日本は物価が高い国というイメージを持たれていましたが、1990 年代以降の物価低迷と昨今の円安で、今や海外では「安く旅行できる国」として認知されつつあります。 英国郵便局は 3 月、旅行費用が安い世界の主要観光地をランク付けした報告書で、東京を 4 位に選びました。 世界からは今、日本はどのように映っているのでしょうか。 朝日新聞の英語ニュースサイト「The Asahi Shimbun Asia & Japan Watch(AJW、https://www.asahi.com/ajw)」で読まれた記事や、海外メディアが注目した日本のニュースを紹介します。

このランキングは、コーヒーやコース料理など 8 品目の価格を元に算出して毎年発表しているもので、東京は前年の 5 位からさらに上昇しました。 ちなみに 1 位はホイアン(ベトナム)、2 位はケープタウン(南アフリカ)、3 位はモンバサ(ケニア)でした。

円安、在日外国人にも影響

外国人旅行客にとってはありがたい円安ですが、日本から海外に渡航する人たちには大きな打撃です。 政府観光局によると、今年 3 月の訪日外国人数はコロナ禍前の 2019 年 3 月から 11.6% 増え、単月としては初めて 300 万人を超えました。 しかし、同じ 3 月の日本人出国者数は、19 年 3 月比では 36.8% 減っています。 4 月末から 5 月上旬の大型連休中に AJW で配信した記事の中では、こうした円安の影響を受ける日本人の話もよく読まれました。 AJW の読者には海外だけでなく、日本に住む外国人も多くいます。 日本円で収入を得ている在日外国人にとっても、円安は里帰りや母国への仕送りに影響する、頭の痛いニュースです。

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「30 年間荷物紛失がない空港」に注目

日本を訪れる外国人旅行客が増えることで、旅行先としての日本が海外メディアで話題になる機会も増えました。 米国の人気トーク番組司会者のジミー・キンメル氏は 4 月、家族で日本に旅行した体験を自らの番組で話題にして、「東京や京都のトイレは私たちの国の手術室よりもきれいだ」とジョークを飛ばしました。

また、CNN やフォーブスは「30 年間一度もロストバゲージ(手荷物の紛失)がない空港」として関西空港を取り上げました。 これは、英国の航空サービス調査会社が 4 月に発表した世界の空港ランキングで、関空が手荷物取り扱い部門の 1 位になったことを報じたものです。 同空港によると、1994 年の開港以来、紛失ゼロの記録を続けているそうです。 (大島隆、asahi = 5-12-24)


海鮮丼 5 千円超も「高くない」 円安でインバウンド消費が過去最高

止まらない円安を背景に、外国人旅行者が押し寄せ、3 月は 308 万 1,600 人と単月で過去最高を記録した。 1 - 3 月の旅行消費額は 1 兆 7,505 億円に上り、四半期ベースで過去最高に。 観光地では高額の商品が続々と登場しているが、盛んに消費されている。 東京・豊洲市場に隣接し、50 以上の飲食店が並ぶ商業施設「豊洲 千客万来」。 17 日昼、多くの外国人客が海鮮丼に舌鼓を打っていた。

新婚旅行でイスラエルから来たオー・イスラエリ・ダヤンさん (28) とオメル・ダヤンさん (30) 夫妻は、大トロやサーモンがのった 5 千円超の海鮮丼と 3 千円ほどのすしを味わっていた。 「イスラエルだと 1.5 倍はする。 高いとは思わない。」と夫のオメルさん。 3 週間の滞在予定で、予算は約 100 万円。 「日本は旅行するのにちょうどよい国だ」と話す。 シンガポールから来たポーミン・クエックさん (52) と同僚のスーザン・リムさん (63) の男女 2 人は 2,900 円の海鮮丼を食べながら、「この値段で新鮮でおいしい魚が食べられるのはとてもいいね。」

コロナ禍前に日本に来たときよりも割安感が強く、今回は頻繁にタクシーを使う。 ポーミンさんはホテル代などを含め 6 日間で 60 万円以上を使ったという。 日本政府観光局によると、今年 3 月の訪日外国人客(インバウンド)は 308 万 1,600 人で、単月として過去最多を更新した。 さらに観光庁の統計では、今年 1 - 3 月の訪日外国人の旅行消費額は 1 兆 7,505 億円に上り、四半期ベースで過去最高に。 1 人あたりの消費額は 2019 年同期比で 41.6% 増の 20 万 8,760 円に上る。 千客万来で提供される高価格帯の海鮮丼は、SNS などで「インバウン丼」と揶揄されることもあった。

だが、施設に入る「魚々屋たかぎ」の総合責任者、高木雪男さん (61) は「まずは食べてジャッジしてほしい」と言う。 店で出す 10 種類以上の海鮮丼のうち、外国人の 6 割ほどが最高級品で 7,800 円の「極」を注文する。 酢飯にマグロの大トロ、中トロ、赤身、タイ、カンパチなどをのせ、ホタルイカや桜エビなど旬の食材を添えた一品だ。 「生本マグロを分厚く切り、あら汁もサービスしている」と高木さん。 原価率は 4 割ほどで、インバウンドに便乗して価格を上げているわけではない、という。 店では客の 7 割が日本人といい、「まずは地元の人に支持してもらわないと、続かないと思う」とも話す。

高価格化の波は地方にも及んでいる。 今年 3 月末に開店した京都市東山区の「アラビカ食堂」は、京都の人気コーヒー店「アラビカ京都」の新事業。 世界から訪れる人に向けて、日本の伝統的な朝食を 4,800 円で提供している。 メニューは一汁三菜。 主菜は産地や製法にこだわった銀ダラの西京焼きで、炊きたてのご飯やみそ汁、京都のしば漬けなどが付く。 提供する直前にみそ汁のみそを溶かし、副菜にのせるかつお節を削る。 完全予約制。

店長の小林圭一さん (52) は、「ドル換算にすると 31 ドル。 コーヒーが無料なので、食事は実質 26 ドル。 お客様の 8 割は外国人なので海外向けの価格設定をしている。」 山口市中心部の湯田温泉にある旅館「西の雅 常盤」は 4 月までに、1 人あたり 2 万 7 千円のすっぽんコースと、1 万 7 千円の「瓦焼き肉」コースなどを新たに提供し始めた。 円安で外国人旅行客が増えていたところ、今年 1 月に米紙ニューヨーク・タイムズの「2024 年に行くべき 52 カ所」に山口市が選ばれ、湯田温泉も紹介されたことで人気が加速した。

3 月の 1 カ月間で常盤を訪れた外国人客は 864 人で過去最多となり、宿泊客全体の約 22% を占めた。 これまでは多くても 10% 台だったという。 宮川和也社長は「これまで感じたことがない増え方。 来年は大阪万博もあるので、これからもどんどん伸びるだろう。」と期待を寄せる。

こうしたインバウンドのにぎわいの陰で、日本人からは「置き去り感」が漂う。 東京都品川区の地方公務員の男性 (55) は、「豊洲 千客万来」で海鮮丼の値段を見て、「『えっ』てなる。 インバウンド価格ですよね。」 一緒に来た福岡県朝倉市の酪農業の男性 (70) は、「福岡で食べたらこんな値段せんのに …。 東京やけん、しゃあない」とあきらめ顔。 「海鮮丼は海外から来た人向けやね。 私らには高すぎる。」と言いながら、500 円のビールを片手に 850 円のまぐろアボカドおにぎりをほおばった。 (小川聡仁、三宅梨紗子、島崎周、asahi = 4-24-24)


コロナ 5 類後、初の花見シーズン インバウンド効果は 1,130 億円

各地で桜の花が見頃を迎えている。 新型コロナウイルス感染症が感染症法上の 5 類に移行して初めてのシーズンで、「HANAMI」を楽しむ外国人観光客も多い。 大勢で楽しむだけでなく、1 人で花をめでる人の姿もある。

訪日客「はかないからこそ美しい」

約 373 万人が使うお金は約 1,130 億円 - -。 経済効果に詳しい関西大学の宮本勝浩名誉教授は、訪日外国人の花見への総支出額を試算し、3 月に公表した。 何が外国人を引き付けるのか。 小雨がぱらつく 5 日午前、東京都の目黒川沿い。 オーストラリアから 1 人で来たガブリエル・ムッサさん (26) は、かっぱを着てしきりに桜の写真やビデオを撮っていた。 「楽しめる時期が限られている。 はかないからこそ美しい。」 花店を営む母も一緒に来たかったが、高齢でかなわなかった。 動画や写真で一緒に花見を楽しむという。 「お土産に桜の香水を買って帰りたい。」

タイから来たワチャラポン・アリヤクリヤンクァイさん (36) によると、タイにも桜はあるが、多くが山の上で、気軽に桜を楽しめるわけではない。 「日本は天気予報のように開花予報がいつでも見られるからいい。 3 カ月前に日本旅行を決め、毎週のように予報をチェックして計画を立てた。」と話した。 6 日間の滞在で河口湖や富士山でも桜を楽しむ予定だという。 イギリスから新婚旅行で来たというルイーズ・スミスさん (31) とアレックスさん (32) は、混雑を避けるため早起きし、午前 9 時半すぎに花見を楽しんでいた。 「日本はどこを歩いていても桜があり、平和な雰囲気が感じられる。」

米国から来た男性 (34) は「立派な木がずらりと植えられ、花と花の間も密だから美しく見える。」 桜を美しいと思う気持ちには、犬夜叉、セーラームーン、ナルトなど日本アニメの影響もあるといい、「ロマンチックな出来事はいつも桜の下で起こる気がする」と話した。 10 日間の旅行の最終日にようやく満開の桜を見ることができ、「咲く期間が短いから特別感がある」と満足そうだった。

東京スカイツリーを望む台東区の隅田公園。 台湾から家族 8 人で来た 20 代男性が日本に来るのは 6 回目。 台湾にも花見の習慣はあるが、「台湾の桜は濃い紅色でしつこい感じ。 日本のは白くて背が高くていい。」 ベトナム人の団体ツアー客を引率していたガイドのヴ・ドゥック・タンさん (41) によると、ベトナムからの日本旅行は桜の時期が一番人気。 タンさんはこの 1 カ月で 11 団体をつきっきりでアテンドし、一日も休みがないという。 ツアーは午前中から上野公園と隅田川沿いを回り、午後は富士山近郊まで。目的は桜だ。 「日本と言えば桜、桜と言えば日本」と言った。

東京都台東区の上野公園。 香港から来ていた梁(ルン)ヒューゴさん (28) は、沿道でパートナーの馮(ファン)ティリーさん (27) の写真を撮っていた。 3 月末から 2 週間の休みを取り、ネットで見た桜を目当てに来日。 この日が最終日だった。 今年の桜は遅咲き。 3 日前に来た時は、満開ではなかったといい、馮さんは「帰る直前に満開の桜を見られて、幸運にめぐまれた気持ちです」と満足そうに話した。

都内で欧米の観光客向けのツアーなどを運営する会社を経営している黄健輔さん (25) が、インスタグラムで桜の名所を紹介すると、外国人から「どこがオススメ?」、「混雑を避けて花見をするには?」などとダイレクトメッセージが何件も届くという。 5 日も目黒川沿いで桜をバックに動画を撮影し、「ついに桜が咲いた!」、「桜を見るならどこがよいかって?」と呼びかけていた。 「観光客は花見をきっかけに、日本文化や食事も楽しんでいる印象。 今が一番のかき入れ時です。」と話した。 宮本名誉教授は、桜の開花時期に外国人がたくさん来日することで、「大きな経済効果を生み出し、世界に誇る観光資産になっている」としている。 (三宅梨紗子、黒田早織、平川仁、asahi = 4-5-24)


海外ツアー客ら 11 人搬送、食中毒か ホテル到着前の焼き肉が原因?

21 日午後 8 時ごろ、兵庫県西宮市内のホテルの従業員から「10 人ほどの利用客に食中毒の症状が出ている」と 119 番通報があった。 西宮市消防局によると、20 - 60 代くらいとみられる男女 11 人が腹痛や吐き気の症状を訴え、救急隊員が救急搬送にあたっている。 命に別条はないという。 11 人は台湾からのツアー客で、前日の 20日夕に京都府内で焼き肉を食べた後、21 日未明になって数人に腹痛などの症状が出始めたという。 21 日夜にホテルへ到着後、従業員に通報を依頼した。 市消防局は、ホテル到着前の食事が原因の食中毒の可能性が高いとみている。 (杉山あかり、asahi = 3-21-24)


昨年の訪日消費額、初の 5 兆円超え 円安追い風、コロナ禍前を上回る

2023 年の訪日外国人(インバウンド)の旅行消費額が 5 兆 2,923 億円となり、コロナ前の 19 年の 4 兆 8,135 億円を上回って初めて政府が目標とする 5 兆円を超えた。 観光庁が 17 日発表した。 訪日客数は 2,506 万 6,100 人で 19 年の 78.6% にとどまったが、円安を追い風に消費額は膨らんでいる。

インバウンド消費に街が沸く 着物一式 800 万円分買うカップルも …

日本政府観光局によると、訪日客数は韓国が 695 万 8,500 人(19 年比 24.6% 増)が最多で、次いで台湾が 420 万 2,400 人(同 14.1% 減)まで回復した。 一方、コロナ前は 3 割を占めていた中国は、日本への団体旅行の解禁が昨年 8 月となったことなどが響き、242 万 5 千人(同 74.7% 減)だった。 訪日客は、22 年 10 月にコロナの「水際対策」が大幅緩和されたことや、23 年 5 月の感染症法上の 5 類移行によって急増した。 23 年通年ではコロナ前に満たないが、単月ではコロナ前の水準に戻っている。

訪日客の旅行消費額は 1 人平均 21 万 2 千円となり、19 年より 5 万 3 千円増えた。 円安によって国内のサービスや商品の割安感が強まったことで、滞在日数が延び、宿泊やレジャーにより多くのお金が使われている。 訪日客全体では、宿泊費が 1 兆 8,289 億円 (34.6%) で最も多く、買い物代は 1 兆 3,954 億円 (26.4%)、飲食費 1 兆 1,957 億円 (22.6%)、交通費 6,024 億円 (11.4%) だった。 19 年は買い物代がトップだったが、「爆買い」に象徴される中国人客が減り、消費構造が変化している。 政府が昨年 3 月に決めた観光立国推進基本計画では、消費額を早期に 5 兆円にする目標を掲げていた。 (長橋亮文、asahi = 1-17-24)


滞在予定 3 か月超は入国前の結核検査を義務付けへ

政府は 2024 年度から、日本に中長期の滞在を予定し、アジア 6 か国から訪れる外国人を対象に、結核を発病していないかを入国前に調べる検査を義務づける方針を明らかにした。 海外から結核患者の流入を防ぐ狙いで、発病していないことを証明する書類がなければ入国を認めない。 当初は東京五輪・パラリンピックの開催に合わせ、20 年 7 月に導入予定だったが、コロナ禍で延期されていた。

対象国はフィリピン、ベトナム、インドネシア、ネパール、中国、ミャンマーの 6 か国で、日本滞在中に診断された外国人の結核患者の約 8 割を占める。 感染拡大のリスクが高い 3 か月超の滞在予定者に限定し、日本政府が指定する現地の医療機関で胸部エックス線などの検査を受け、発病していないことを示す証明書の交付を受けてもらう。提出しないと、ビザ(査証)は発給しない。 (yomiuri = 12-16-23)


日本に来る外国人観光客に "強気な営業"、韓国メディアが注目
韓国ネット「観光業界は学んで反省すべき」

2023 年 12 月 1 日、韓国メディア・韓国経済は「人口減少による人手不足で日本の観光政策にも変化が生じている」とし、外国人観光客・富裕層をターゲットとした「強気な営業」を紹介している。 日本ではコロナ後にホテルの供給が 1.3 倍に増えたが、価格も 1.5 倍に上がっている。 記事は「人手不足の中、割り引きなどで無理に稼働率を上げるより、単価を上げることを選んだ結果であり、日本を訪れる外国人が多いから可能なことだ」と伝えている。

青森ねぶた祭では昨年から、最大 8 人が地元の酒と料理を楽しみながらねぶたを観覧できる 100 万円の VIP シートが販売されている。 今年は用意された 6 席が連日完売、4 人で利用可能な 20 万円のボックスシート 16 席も完売した。 京都の祇園祭でも 1 席 40 万円というプレミアム観覧席が好評で、 84 席のうち 65 席が完売した。 愛媛県大洲市の大洲城に 110 万円で貸し切り宿泊できる「大洲城キャッスルステイ」も高額ながら人気となっている。 こうした高額観光商品は外国人観光客や富裕層を主なターゲットとしたもので、コロナ以降、体験型観光が人気を集めていることを受け登場したものだと、記事は説明している。

また、長野県佐久市の酒蔵、橘倉酒造では、敷地内に日本酒造り体験兼ホテル「KURABITO STAY (クラビトステイ)」を構えている。 狭い部屋が 8 つしかないが、2 泊 3 日 8 万 8,000 円というプログラムの予約は来年 3 月まで埋まっており、40% が外国人だという。 東京・銀座の呉服店「銀座もとじ」では、中国人の若いカップルが 800 万円相当の着物と帯を購入するなどしており、10 月に店を訪れた外国人観光客はコロナ前の 2 倍、売り上げは 10 倍以上で、過去最高を記録した。 コロナで危機に追い込まれていた大型百貨店も、外国人観光客のおかげで持ち直している。 三越伊勢丹ホールディングスの免税売り上げは 2023 年 7 月以降、毎月、過去最高値を塗り替えているという。

JR グループは、インバウンド向け鉄道周遊パス「ジャパン・レール・パス」の価格を 10 月から従来の 2 倍近くに引き上げたが、人気は衰えていないという。 ANA ホールディングスは今年上半期の国際線売り上げが前年同期比 2.2 倍に増え、半期ベースで過去最高を記録した。 利用者の数はコロナ前の 60 - 70% にとどまっているが、航空券の単価が 50% ほど上がったためだという。 観光庁によると、2023 年 7 - 9 月期の外国人観光客の消費規模は 1 兆 3,904 億円で、19 年の同期間より 17.7% 増加した。

この記事に、韓国のネットユーザーからは、

「日本の観光資源は最高だから日本に人が集まるんだ。 美しく整備された観光地、交通網、都心の開発などは観光客を魅了する。」
「高くても外国人が利用するには理由があるんだよね」
「日本は高くても内容が値段に見合っている。 韓国のようにただぼったくっているのとは訳が違う。」
「韓国を訪れた外国人観光客はみんな『特に見どころがない』と言う。 一方、日本は見どころやおいしい物にあふれている。」
「日本は韓国よりも選択肢が多様だ。 こういう強気な商売をする所がある一方、安価でいいものもたくさんある。」
「今でも東京の真ん中に清潔で安いビジネスホテルがあるし、安くておいし 100 年続く老舗のような飲食店も多い。 両方があってうまくいく。 本当の観光というものを日本に学ぶべきじゃないか?」

など、「韓国の観光業界は反省しなければいけない」といった内容のコメントが多数寄せられている。 (麻江、Record China = 12-3-23)


訪日客の免税品、374 人が 1 億円以上購入 転売か、制度見直し検討

訪日外国人(インバウンド)への消費税の免税制度をめぐり、免税品を 1 億円以上購入した人が 2022 年度に 374 人にのぼることがわかった。 その多くが免税店で買った商品を、日本国内で転売している可能性があるという。 制度の悪用を防ぐため、政府は商品購入時に消費税を課税し、出国時に商品を確認したうえで返金する制度への見直しを検討する。

外国人向けの免税制度は、免税店で買ったお土産などを国外に持ち帰る場合に、消費税が免税される。 国内で消費したり転売したりすることは認められていない。 こうした免税販売手続きは 21 年 10 月に完全電子化された。 政府がそのデータを元に 22 年度に出国した人の免税品の購入額について調べたところ、100 万 - 1 千万円の人が 5 万 1,726 人、1 千万 - 1 億円が 1,838 人、1 億円以上が 374 人だった。

1 億円以上の人の合計購入額は 1,704 億円にのぼり、1 人平均 4.5 億円となる。 税関は航空会社と連携して、1 億円以上の購入者のうち 57 人に検査を実施。免税品の持ち出しが確認できたのは 1 人しかいなかった一方で、多くは買った免税品を確認できなかったという。 政府関係者は「高額購入者の多くは国内で転売しているのではないか」とみる。

不正 56 人のうち賦課決定に従ったのは 1 人 滞納 18 億円

不正があった 56 人に対しては、消費税を払わせる「賦課決定」をしたが、納付したのは 1 人のみ。 残りの 55 人、計 18.5 億円分が滞納となっている。 そもそも免税品の購入者は出国時に税関に旅券を提示しなければいけないが、多くが税関の検査をすり抜けて出国しているのが実態だ。 検査も任意のため、出国を止めることはできない。

このため政府は、免税店でいったん課税したうえで、出国時に購入品の国外への持ち出しを確認できた場合に消費税相当額を返金する制度を検討する。 すでに欧州など多くの国で導入されている。 来年にかけて課題を洗い出して、25年度以降の導入をめざす。 今年の年末に向けては、免税購入品と知りながら仕入れた買い取り業者に対して、仕入れ分の消費税を差し引く「仕入れ税額控除」を認めない制度の導入を議論する方針。 免税品の購入者と買い取り業者が示し合わせて転売する可能性があるためだ。 与党の税制調査会で議論して結論を出す。

免税制度をめぐっては、22 年 12 月に米アップルの日本法人「アップルジャパン(東京都港区)」が「iPhone (アイフォーン)」などの免税販売をめぐって、消費税約 140 億円を追徴課税されたことが判明した。 訪日客が端末を大量に購入し、業者を通じて海外に転売されたとみられるケースなど、免税要件を満たさない取引が確認されたという。 他にも百貨店が購入者の本人確認が不十分だったことなどで追徴課税を受けている。 現場で転売目的かどうかを見分けることも難しく、制度の改善を求める声があがっていた。 (松山尚幹、asahi = 11-29-23)

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