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神戸空港で続発、ヒラタ学園の事故・トラブル 業務改善命令の矢先に 神戸空港で今年度に入り、小型機が胴体着陸したり、ヘリコプターが指定外の場所に着陸したりする事故・トラブルが続いた。 運航はいずれも、パイロットの養成事業などを運営する学校法人「ヒラタ学園(神戸市中央区)」。 空の安全を脅かす事態に、国土交通省の運輸安全委員会が原因究明を進めている。 5 月 31 日午後 2 時半ごろ、神戸空港の滑走路上に学園の小型機が胴体着陸した。 火災やけが人などはなかったが、航空機が欠航するなど乗客が足止めされた。 国交省は当初、深刻な事故につながりかねないケースに適用される「重大インシデント」と認定した。 だが胴体底部の損傷が激しく、より程度の重い「航空事故」に変更した。 学園によると、小型機は当時、連続して離着陸する「タッチ・アンド・ゴー」の訓練中で、機内には教官と学生 2 人の 3 人が乗っていた。 着陸時に車輪を出し忘れた可能性があるとしている。 ヘリポートへ指示されたのに 事故のわずか 3 日前。 学園は国交省大阪航空局から事業改善命令を受けていた。 同局の発表によると、3 月 27 日の随時監査で航空機整備などに不備が発覚。 その後、航空法に基づく立ち入り検査で、マニュアルに定められていない部品を使っていたり、整備記録を記入していなかったりといった組織的な不適切整備、運航が確認されたという。 さらに 8 月 8 日には、ヘリコプターが整備点検に伴うテスト飛行を終えて神戸空港に戻る際、管制官の指示と異なる場所に着陸した。 けが人や他の便への影響はなかったが、国交省は深刻な事故につながりかねない「重大インシデント」に認定した。 学園側は取材に対し「ヘリポートに降りるよう指示を受けていたが、滑走路に降りてしまった。 いったんは操縦士も指示を聞いていたが、直前に意識が薄れてしまったとみられる。」と説明した。 操縦士に身体的な異常はなかったという。 学校法人ヒラタ学園は 1986 年に創設された。 パイロット養成のほかにドクターヘリの運航や遊覧飛行、航空機の整備なども手がける。 神戸空港では 2010 年から飛行機やヘリコプターの操縦訓練を開始。 17 年 3 月に、ヘリコプターで離着陸の訓練中に横転する航空事故を起こしている。 国交省運輸安全委員会のホームページによると、学園はそのほか 09 年と 17 年 11 月に神戸空港以外の場所で重大インシデントを起こしている。 今年度に事故・トラブルが相次いだ原因について、学園側は取材に対し「運輸安全委員会の調査結果が出るまでは答えられない。」 再発防止策として、@ 外部講師による操縦士の教育、A 操縦時に動作を確認するチェックリストの改定、B 類似事案の周知、などを実施したという。 学園側は「地域の方にもご迷惑をおかけした。 同じような事案が発生しないよう、組織として再発防止策を確実に実行し、信頼回復に努めたい。」としている。 処分重くなる場合も 国交省によると、航空事故に対する行政処分には、事業者に対するものと整備士や操縦士個人に対するものがある。 事業者へは口頭処分から最も重い事業許可の取り消しまで、事案に応じて内容が決められる。 事故や重大インシデントが立て続いた場合、原因に関連性があれば処分内容が重くなることもあるという。 運輸安全委員会は二つの事故・重大インシデントについて原因を調べ、結果がまとまり次第公表する予定だ。 同省航空局安全部航空安全推進室は「安全運航体制が維持されるよう、引き続き指導、監督していく。 (学園側には)運輸安全委員会の調査結果を待たずに、再発防止策を徹底してほしい」とコメントした。 (宮坂奈津、asahi = 9-14-24) ◇ ◇ ◇ 神戸空港で小型機胴体着陸 国交省が「航空事故」に認定 機体が大規模な修理が必要と判明 5 月 31 日、神戸空港で小型機が胴体着陸したトラブルについて、国交省は航空事故に認定したと発表しました。 5 月 31 日午後 2 時半頃、神戸空港で「ヒラタ学園」の小型機が離着陸を繰り返す「タッチアンドゴー」と呼ばれる訓練中に滑走路へ胴体着陸しました。 当時、機体には教官 1 人、訓練生 2 人の合わせて 3 人が乗っていましたがけが人はいませんでした。 国の運輸安全委員会は「重大インシデント」と認定、事故調査官を派遣して、職員からの聞き取りや機体の損傷などの調査などを行っていました。 国交省は 18 日、機体が大規模な修理が必要なほど損傷していたことが判明したとして、航空事故に認定したと発表しました。 (MBS 毎日放送 = 6-18-24) ◇ ◇ ◇ 神戸空港滑走路に小型機が胴体着陸 国交省「重大インシデント」認定 5 月 31 日午後 2 時半ごろ、神戸空港(神戸市中央区)のオペレーションセンターから、「小型機が胴体着陸した。 火災は発生していない。 現在は詳細を確認している。」などと神戸市消防局に連絡があった。 小型機は学校法人「ヒラタ学園(神戸市中央区)」の所有で、学園によると、60 代の男性教官 1 人、いずれも 20 代の男性訓練生 2 人の計 3 人が乗っていたという。 消防局によると、けが人はなく、火災も確認されていない。 学園は取材に対し、当時は連続して離着陸する「タッチ・アンド・ゴー」の訓練中だったと説明している。 訓練前の点検では車輪などに異常は確認されなかったといい、学園の担当者は「着陸時に車輪を出し忘れた可能性がある」としている。 国土交通省大阪航空局神戸空港出張所によると、小型機は車輪が出ていない状態で滑走路上で停止した。 緊急着陸ではなく、同空港に着陸予定の機体だったという。 空港を運営する関西エアポートによると、同日午後 2 時 28 分から滑走路を閉鎖しているという。 国土交通省は深刻な事故につながりかねない「重大インシデント」と認定し、運輸安全委員会が同日、航空事故調査官 3 人を担当調査官に指名した。 (森直由、宮坂奈津、asahi = 5-31-24) 乗客約 500 人乗せた ANA 旅客機から煙が上がる 沖縄県の那覇空港から羽田に向かう全日空機から煙が上がりました。 消防が出動しましたが、炎は確認されず、けが人はいません。 那覇空港で撮影された映像では、航空機から煙が上がっているのが確認できます。 那覇空港事務所によりますと、1 日午後、那覇空港で乗客約 500 人を乗せ羽田空港に向かう予定だった全日空 474 便が、駐機場から誘導路に移動しようとした際、尾翼から煙が出ているのが確認されました。 管制の指示で機体はいったん駐機場に戻り、消防が出動しましたが、炎などは確認されず、けが人もいませんでした。 全日空によりますと、尾翼にある補助エンジンからオイルが漏れていたということです。 このトラブルによるほかの便への影響もないということです。 (FNN = 9-2-24) 成田空港着陸のシンガポール航空機から「白煙」の通報 けが人なし 成田市消防本部によると 12 日午前 7 時 45 分ごろ、千葉県成田市の成田空港で、着陸したシンガポール航空 638 便から白煙が上がっていると 119 番通報があった。 同航空によると、着陸時の摩擦熱で左タイヤから煙が出たと説明している。 乗客 260 人にけが人はいないという。 成田国際空港会社 (NAA) によると、同便はシンガポール発の旅客機。 機体を誘導路に停止させ、2 本ある滑走路のうち、B 滑走路を約 50 分間、閉鎖したという。 午前 8 時半ごろ、再開した。 (中村英一郎、asahi = 8-12-24) 成田空港で貨物機のタイヤが破裂 A 滑走路が 1 時間以上閉鎖 成田空港で 11 日、アゼルバイジャン行きの貨物機が離陸しようとしたところ、機体の不具合が見つかり、離陸を取りやめました。 このトラブルで滑走路は 1 時間以上閉鎖されました。 成田空港会社によりますと、アゼルバイジャンの首都バクー行きのシルクウェイウエスト航空の貨物機が離陸しようとしたところ、機体の不具合が見つかり、離陸を取りやめました。 タイヤが破裂し煙が出たということで、消防車両が放水作業を行いました。 このトラブルで成田空港の A 滑走路は午後 5 時 20 分ごろから午後 6 時 40 分ごろまで 1 時間以上閉鎖されました。 (テレ朝 = 8-12-24) ブラジルで航空機が墜落、乗員乗客 61 人死亡か 住宅街からは黒煙 ブラジル南東部サンパウロ州で 9 日昼、乗員乗客 61 人を乗せた航空会社・ボエパスの 2283 便が墜落した。 墜落現場の自治体によると、生存者はいない見込みだという。 事故原因は不明。 ボエパスの発表などによると、機体は午前 11 時 50 分過ぎ、同国パラナ州カスカベルを離陸。 約 700 キロ東にあるサンパウロ市近郊のグアルーリョス国際空港に向かっていたが、午後 1 時半ごろ、同空港から 70 キロ離れたサンパウロ州ビニェード市の住宅街に墜落した。 機内には乗客 57 人と乗員 4 人が搭乗していた。 ボエパスはサンパウロ州を拠点とする航空会社で、国内線を運航している。 機体は欧州航空機大手エアバスの傘下で、フランスに本社がある ATR 社製の「72-500」。 ターボプロップ双発機で最大乗客数 68 の飛行機だった。 航空機の飛行状況を提供する「フライトレーダー 24」によると、同機はこの日朝、サンパウロからカスカベルに飛行するなどしていた。 AFP 通信によると、初飛行は 2010 年 4 月だったという。 SNS で拡散されている動画では、機体は旋回した後ほぼ垂直に下降し、その後、黒煙が上がっている様子が映っている。 地元メディアによると、この事故で家屋が壊れたが、住民らにけがはなかった。 地元住民は「飛行機が紙切れのように落ちているのを見た。 ここに墜落するのだと察し、死ぬかと思った。」と述べたと伝えている。 ATR 社製の「72」型は 2023 年 1 月、ネパールで 70 人超が死亡する事故を起こしたことがある。 ルラ大統領は 9 日夜、犠牲者を悼んで国内で 3 日間の喪に服すことを宣言した。(サンパウロ・軽部理人、asahi = 8-10-24) 田んぼに米軍機ヘリが不時着、エンジントラブルか 神奈川県海老名市 3 日午前 10 時 55 分ごろ、神奈川県海老名市社家の田んぼに「ネイビーと記載されたヘリコプターが着陸している」と 110 番通報があった。 米海軍のヘリで、県警関係者によると、エンジントラブルの可能性があり、不時着したとみられる。 米海軍厚木基地によると、米海軍の MH53E ヘリコプターで、米バージニア州ノーフォーク海軍基地所属で機雷の掃海などを任務とする。 乗員 12 人にけがはなく、機体の損傷もなかった。 ヘリは午後 0 時 40 分ごろに飛び立ち、同 42 分に厚木基地に着陸したという。 厚木基地によると、午前 10 時 54 分ごろ、ヘリから「予防着陸する」という連絡が、防衛省南関東防衛局を通じて入った。 現場の近くに住む会社員の女性 (51) は、大きなプロペラ音が気になって自宅 2 階のベランダに出たところ、低空でヘリコプターが飛んでいるのが見えた。 「機体の後ろから灰色の煙が出ていた。 どんどん降りてきたので、家に落ちてくるんじゃないかと不安だった。」と話した。 田んぼに不時着後、しばらくすると 3 人ほどが降りてきて、プロペラの辺りを確認していたという。 周辺住民ら数十人ほどが集まってきたが、間もなく警察と消防が来て規制線を張ったという。 (編集委員・土居貴輝、根津弥、asahi = 8-3-24) 水田にヘリが墜落、炎上 中から 2 人の遺体見つかる 福岡・柳川 28 日午後 4 時 15 分ごろ、福岡県柳川市昭南町の水田で、「ヘリが墜落した。 煙があがっている。」と 119 番通報があった。 市消防本部によると、ヘリは炎上し、消防車など計 6 台が出動。 約 50 分後に火は消し止められたが、ヘリ内から 2 人の遺体が見つかったという。 佐賀空港によると、ヘリはエス・ジー・シー佐賀航空の所有。 28 日午前 8 時すぎに佐賀空港から乗客を乗せて離陸し、大分県内で遊覧飛行していた。 同県内で乗客を降ろした後の午後 4 時 20 分に、ヘリから「これから佐賀空港に着陸に向かう」と連絡があったが、その後途絶えたという。 佐賀航空によると、ヘリに乗っていたのは操縦士と整備士の 2 人だったという。 (asahi = 7-28-24) 「中身がスカスカで話にならない」 羽田航空機事故の「再発防止策」に「現場」が反論した切実な理由 1 月 2 日に羽田空港で発生した日本航空と海上保安庁の航空機同士の衝突事故を受け、国土交通省は有識者らによる事故対策検討委員会を開き、6 月 24 日、中間取りまとめを示した。 それに対し、7 月 10 日、現役パイロットや管制官ら約 1 万人が所属する日本最大の航空業界団体「航空安全推進連絡会議(航空安全会議)」が、「実効的な対策とならない可能性が高い」とする「見解」を公表した。 ☆ ■ 「とんちんかん」なまとめ 「取りまとめにある対策では事故は防げません。 中身がスカスカで話にならない。 実効性のない空論に、『またか』と思いました。」 航空安全会議の「見解」を取りまとめた牛草祐二事務局次長は、厳しい表情でこう語った。 「現場の意見を吸い上げずに議論するから、こんなとんちんかんなまとめが出てくる。 事故直後に国土交通省航空局が出した緊急対策もそうでした。」 牛草さんは日々ボーイング 787 型機を操縦する現役パイロットで、日本では数少ない滑走路誤進入対策の専門家だ。 諸外国で対策の取り組みを学び、航空局にも伝えてきた。 しかし、航空局はいまだに「現場の声を吸い上げる仕組みが希薄」という。 牛草さんが「またか」といった背景には、事故を受け、1 月 9 日に出された緊急対策への疑念がある。 管制官がパイロットに離陸の順番を伝える「ナンバーワン、ナンバーツー」といった情報伝達を、航空局の指示で取りやめることになったのだ。 ■ 現役パイロットは誰でも知っている 1 月 2 日の事故では、海保機が管制官の指示とは異なる動きをして滑走路に誤進入、着陸してきた日航機と衝突したことが明らかになっている。 事故が起こる前、管制官は海保機に「ナンバーワン。 C5 上の滑走路停止位置まで地上走行してください」と指示し、海保機は「滑走路停止位置 C5 に向かいます。 ナンバーワン。 ありがとう。」と応じていた。 事故後、複数の「専門家」は「管制官が被災地支援に向かう海保機の離陸を優先させたため、『ナンバーワン』という言葉を使ったかもしれない」とし、それが事故に結びついた可能性を指摘した。 しかし、これは牛草さんら現場の人間には「極めて不自然な推察」に思えたという。
■ 「緊急対策」に現場は混乱 だが、航空局は「航空機の離陸順番を示す情報の提供を当面停止」する緊急対策を打ち出した。 その結果、離陸準備で忙しいコックピット内のパイロットと管制官の間ではこんな「不毛なやりとり」が多発した。
「航空局が打ち出した対策は、現場にいたずらに負荷をかける愚策としか思えなかった。 現場の声を聞かないから、こんなことが起こるのです。(牛草さん)」 航空局は、今回の中間取りとりまとめで「管制指示の誤認などのリスク低減にもつながる」とされたことを受けて、7 月、ようやく離陸順序の伝達を再開する予定だ。 ■ RWSL の拡充に「明確に反対」 1 月 2 日の事故に関して、航空安全会議は 1 月 3 日に「緊急声明」を発表、「臆測や思い込みで航空機事故について語るべきではない」と呼び掛けてきた。 今回、発表した「見解」には、「社会の中で湧き上がった推測や思い込みに端を発して、単なる滑走路誤進入対策が論じられているだけ」など、厳しい文言が並ぶ。 取りまとめで提案された対策には、見当はずれなものもあるという。 「滑走路状態表示灯(ランウェー・ステータス・ライト = RWSL)」の拡充がそれだ。 RWSL とは、航空機が着陸するために滑走路に接近すると、滑走路に赤い灯が自動的に点灯し、滑走路に進入できない状態であることを地上の航空機や車両に伝えるシステムだ。 現在、RWSL は米国の 20 の空港や、日本では新千歳空港や伊丹空港など 5 つの空港に導入されているが、取りまとめは国内主要 8 空港の「全ての滑走路に導入を拡大することを検討すべき」としている。 「われわれは明確に反対です」と、牛草さんは言う。 RWSL は滑走路誤進入対策として万能ではないうえ、費用対効果が低いためだ。
■ RWSL では事故は防げなかった そもそも、「RWSL が事故発生時に導入されていたとしても、事故は防げなかった」と指摘する。 「RWSL が点灯するのは、着陸機が滑走路に約 2 マイル(約 3.7 キロ)まで近づいたときで、時間にしたら着陸の約 50 秒前。 事故の際、海保機が衝突の約 40 秒前にすでに滑走路で停止していたのであれば、衝突の約 60 秒前には滑走路に向けて動き出していたことになる。 RWSL が設置されていたとしても、衝突は避けられるかどうかはわかりません。」 ■ すでにある設備「RGL」を活用すべき 航空安全会議が対案として挙げるのは、現在すでに空港に設置されている「滑走路警戒灯(ランウェー・ガード・ライト = RGL)」の活用だ。 RGL は、誘導路から滑走路に出る場所の左右に設けられた黄色い 2 つの並んだライトのこと。 交互に点滅し、「ここから先が滑走路」と航空機や車両に伝える。 諸外国の空港では RGL が常時点灯しているが、日本では夜間や雨などの低視程時に限られている。 諸外国のように、常時点灯させてはどうか。 米国と中国では、誘導路の突端に埋め込む新型 RGL も併用されているという。 米運輸省によると、連邦航空局は低コストの滑走路誤進入対策として、従来型と新型の 2 つのタイプのRGLの使用拡大を検討しているという。
■ 「滑走路安全チーム」が形骸化 検討すべき対策はまだある。 国際民間航空機関 (ICAO) は、滑走路への誤進入を防止するため、空港ごとに「滑走路安全チーム(ランウェー・セーフティー・チーム = RST)」の運用を推奨してきた。 空港管理者、航空機オペレーター、パイロット、管制官などのメンバーが定期的に集まり、滑走路の安全運用について話し合うというものだ。 中間取りまとめでも「主要空港に RST を設置し、連携した取り組みを推進することも検討すべき」としている。 実は、成田、羽田、伊丹、那覇の 4 空港ではすでに RST が設けられてはいる。 けれども、「ICAO の RST マニュアルでは、規制当局の参加を『オブザーバーに限定する』としています。 ところが、日本では国土交通省航空局が RST の構成メンバーを決めるなど、本来の RST のかたちとはほど遠い仕組みになっている。」」という。 ■ 航空局は「コメント控える」 牛草さんは、中間取りまとめの「管制官の人員増などの点では評価できる」とした一方、「海保機のパイロットなどが滑走路誤進入対策の取り組みに参加することが明記されていない」ことも問題視する。 航空安全会議が挙げた「見解」を、事故対策検討委員会はどう受け止めるのか。 座長を務める早稲田大学理工学術院創造理工学部経営システム工学科の小松原明哲教授に取材を申し込んだところ、「座長立場となると、航空局の立場でのお答え」となるので、「辞退させていただきたい」と返事があった。 航空局は「見解文の詳細を承知しておりませんので、コメントを控えさせていただきます」とした。 重大な、痛ましい事故だった。 原因がまだ何も明らかになっていないなか、国主導で公表された「滑走路誤進入対策」に、現場から疑問の声が上がっているのだ。 「多額の国民負担を強いる、安易な対策が含まれています。 時間をかけた冷静な議論が必要です。(牛草さん)」 (米倉昭仁、AERA = 7-23-24) ◇ ◇ ◇ 管制官の「ナンバーワン」再開へ 羽田事故で停止、「有用」の声多く 羽田空港で 1 月に日本航空 (JAL) 機と海上保安庁機が衝突した事故で、国土交通省が、緊急対策として停止していた「ナンバーワン、ナンバーツー」といった出発順序の情報提供を再開させることが 21 日、関係者への取材でわかった。 事故では、管制官が滑走路手前の誘導路で出発を待つ海保機に対して「ナンバーワン」と出発順を伝え、海保機からは「ナンバーワン、ありがとう」という返答があった。 事故後、海保機の機長は海保の聞き取りに対し「進入許可が出ていると認識していた」などと話しており、国交省は、進入許可と誤認された可能性が否定できないとして、管制官からパイロットに対し出発順序の伝達をやめていた。 ただ、パイロットらへの聞き取りで、出発順序は有用な情報という声が多かったこともあり、管制官やパイロットに情報提供することの注意事項を周知徹底した上で、停止を解除する予定という。 「ナンバーワン」など出発順の情報提供の再開は、ほかの再発防止策とあわせ、24 日に開かれる第 7 回の有識者検討委員会で、中間とりまとめとして決定される見通し。 (角詠之、asahi = 6-21-24) 関連記事 (1-4-24) 羽田発釧路行きのエア・ドゥ便、女満別空港に緊急着陸 … オイル漏れの除去作業で滑走路を閉鎖 7 日午後 6 時頃、羽田発釧路行きのエア・ドゥ 73 便が、オイル漏れを理由に女満別空港(北海道大空町)に緊急着陸した。 女満別空港の関係機関によると、機内には乗客 143 人が搭乗していたが、けが人はいないという。 73 便の着陸後、女満別空港の滑走路は閉鎖され、7 日午後 9 時現在、誘導路とともに流れ出たオイルの除去作業が進められている。 (yomiuri = 7-7-24) 成田空港 ユナイテッド航空が一時緊急事態を宣言 けが人なし 7 日午後、グアムから成田空港に向かっていたユナイテッド航空の旅客機が、主翼の装置にトラブルがあったとして一時、緊急事態を宣言したあと、着陸しました。 けが人はありませんでしたが、航空会社が原因を調べています。 国土交通省成田空港事務所によりますと、7 日午後 2 時 10 分ごろ、グアムから成田空港に向かっていたユナイテッド航空の 840 便、ボーイング 737 型機のパイロットから「フラップにトラブルがあった。 緊急事態を宣言して着陸する」と連絡があったということです。 フラップは機体が浮き上がる力などを制御する主翼の装置で、誘導路などに消防車 15 台が出て警戒にあたりましたが、緊急事態の宣言は着陸直前になって取り消されて乗客 142 人と乗務員 6 人にけがはなかったということです。 この影響で、A 滑走路が数分間閉鎖されましたが、運航に大きな影響はありませんでした。 航空会社が機体のトラブルの原因を詳しく調べています。 (NHK = 7-7-24) 空自輸送機、またトラブルで緊急着陸 立て続けに近隣自治体強く抗議 愛知県営名古屋空港で航空自衛隊の C130H 輸送機がまた機体トラブルで緊急着陸し、名古屋市など近隣 4 自治体が 4 日、文書で空自側に抗議した。 緊急着陸は今年に入り 4、6 月に続いて 3 回目で、抗議には強い文言も目立った。 この輸送機は、民間機と同空港の滑走路を共用する空自小牧基地に所属。 基地の説明では、3 日午前、訓練のため飛行中、計器の不具合を確認したため引き返した。 エンジン関連のトラブルとみられるという。 立て続けの緊急着陸に、愛知県春日井市は「周辺住民に大きな不安と貴基地の安全飛行への取り組みに対する疑念を抱かせる」などと抗議。 「地域住民が理解・納得できる誠意のある回答」を求めたが、基地の鮫島建一司令は「引き続き、入念かつ確実な点検等を継続するとともに、飛行安全に万全を期してまいります」と従来通りのコメントを出した。 (寺沢知海、asahi = 7-4-24) ◇ ◇ ◇ 空自機またもや緊急着陸 何度も自治体が抗議しても … 改善見られず 愛知県営名古屋空港で航空自衛隊小牧基地(小牧市)の C130H 輸送機が緊急着陸する事案が 11 日にあり、名古屋市などの地元自治体が 12 日、空自側に文書で抗議した。 空自機は機体トラブルで名古屋空港に過去 10 年で少なくとも 19 回緊急着陸しているが、そのたびに行う自治体の抗議は空文化しているのが実情だ。 空自によると、輸送機は 11 日午前 9 時 20 分ごろに訓練のため離陸。 油圧系統の不具合を知らせる警告灯が点灯したため引き返し、同 10 時 40 分ごろに緊急着陸した。 乗員 6 人にけがはなかった。 県名古屋空港事務所によると、滑走路は約 8 分間閉鎖されたが、民間機への影響はなかった。 緊急着陸のたびに、空港に近接する名古屋、春日井、小牧の各市や豊山町が抗議し、原因究明と再発防止の徹底を空自側に申し入れている。 今回のトラブルを受け、空自小牧基地の鮫島建一司令は朝日新聞の取材に「引き続き、入念かつ確実な点検等を継続するとともに、飛行安全に万全を期してまいります」とコメント。 ところが同型機は 4 月 15 日にも名古屋空港に緊急着陸しており、改善は見られない。 空自機の緊急着陸は、エンジンや油圧系統の不具合でここ 2 年間に限っても 6 回発生した。 2007 年には F2B 支援戦闘機が離陸に失敗し、機体が炎上する事故も起こった。 名古屋市の河村たかし市長はこの日の申し入れで、空自にこう念を押した。 「いま一度、機体の点検・整備の徹底を図り、安全運航に万全を期すよう厳に申し入れます。」 (寺沢知海、asahi = 6-13-24) ◇ ◇ ◇ 航空自衛隊 C2 輸送機、新潟空港に緊急着陸 操縦室窓が意図せず開く 9 日午後 5 時 17 分ごろ、航空自衛隊入間基地(埼玉県)所属の C2 輸送機が新潟空港(新潟市東区)に緊急着陸した。 飛行中にトラブルがあったという。 同空港は一時滑走路を閉鎖したが、離着陸に問題は無いと判断し、約 3 分後に再開した。 けが人はなかった。 空港事務所によると、同日午後 5 時すぎ、「左の窓が外れた」と同機のパイロットから連絡があった。 航空幕僚監部によると、飛行中にコックピット席左側のスライド式の窓が意図せず開いたという。 落下物はないという。 同機には 8 人が乗っていた。 (asahi = 5-9-24) ◇ ◇ ◇ P3C 哨戒機が滑走路を逸脱 千葉の海自基地、原因調査中 8 日午後 4 時 35 分ごろ、千葉県柏市と鎌ケ谷市にまたがる海上自衛隊下総航空基地から「P3C 哨戒機が滑走路から逸脱した」と柏市に電話があった。 市防災安全課によると、火災や周辺地域への影響はないという。 防衛省は機体の運用中に何らかのトラブルがあったとみて原因を調べている。 防衛省によると、午後 4 時 10 分ごろ、着陸した際に滑走路から東側に逸脱したという。 12 人の海上自衛官が乗っていたが、けが人はいなかった。 下総航空基地の滑走路は 1 本で長さが 2,250 メートル、幅は 45 メートル。 パイロットや航空士を教育する部隊などが所属している。 (マハール有仁州、木村浩之、斎藤茂洋、asahi = 5-8-24) 医療 NPO 小型機墜落、低高度修正できず衝突の可能性 … 運輸安全委が調査報告書 沖縄県伊江村の伊江島空港で 2022 年 3 月、離島などの患者搬送を担う NPO 法人の小型機が墜落し、乗員 2 人が死亡した事故で、国の運輸安全委員会は 27 日、調査報告書を公表した。 滑走路への進入時の高度が低く、修正できずにフェンスなどに衝突した可能性が考えられるとした。 高度が低くなった理由は特定できなかった。 事故は、NPO 法人「メッシュ・サポート(那覇市)」が運用する小型機の離着陸訓練中に発生。 機長の男性(当時 61 歳)と、法人の男性(同 73 歳)が搭乗していた。 報告書では、小型機は通常よりも約 10 メートル低い高度で滑走路への進入経路に入り、高さ 1.8 メートルのフェンスに衝突したと考えられると指摘した。 機長は、伊江島空港での着陸経験がなく、同型式機の飛行はこの日が 2 回目だった。 高度が低かった理由について、滑走路手前が上り勾配で高度を正しく把握できず、不慣れな操作により上昇が遅れた可能性などを挙げた。 ただ、機体は炎上して損傷が激しく、飛行記録装置が搭載されていなかったため、機体に何らかの不具合が発生した可能性もあり、「明らかにできなかった」としている。 (yomiuri = 6-27-24) 移植用臓器運搬の福島県警ヘリが不時着、7 人重軽傷 機長を書類送検 移植用の心臓を運んでいた福島県警ヘリが 2020 年 2 月、郡山市の田んぼに落ちた事故で、県警は 24 日、機長で操縦士だった 40 代i警察官を業務上過失致傷容疑で福島地検に書類送検した。 捜査関係者によると、男性は同年 2 月 1 日午前 8 時ごろ、ヘリを同市三穂田町下守屋の田んぼに不時着させて横転させ、搭乗者らにけがを負わせた疑いがある。 7 人の搭乗者は当時 27 - 59 歳の男性の警察官や医師で、うち 4 人が胸や腕の骨が折れる重傷、3 人が軽傷を負った。 事故により移植手術は中止になった。 国の運輸安全委員会によると、ヘリは会津若松市の病院から福島空港に向かう途中で、1 千メートル以上の高度で異変が起きた。 JR 郡山駅の南西約 15 キロに落ち、周辺には集落もあった。 同委は今年 1 月の報告書で、ヘリが下降気流にあった際、機長の操作が原因で、メインローター(主回転翼)が「ドライブシャフト」と呼ばれる後部の駆動軸を切断し、操縦困難に陥った可能性が高いと結論づけていた。(波多野陽) 福島県警警備課によると、書類送検された 40 代の男性警察官はいまも県警航空隊に所属し、ヘリを操縦しているという。 同課の担当者は「必要な安全対策は講じている。 引き続き、県民の安全安心を守るためにヘリの安全運航に努めていきたい。」と話した。 県警はヘリの不時着事故を受け、2021 年 4 月末まで所有するヘリの運航を中止した。 当時、県警はヘリ 2 機を運用していたが、現在は不時着したヘリとは別の 1 機を運用している。 県警は、事故を受け、飛行計画のチェックシートの確認事項を増やし、気象情報をより丁寧に確認することにした。 シュミレーターを使った訓練の頻度を増やすなど再発防止に取り組んでいるという。 (滝口信之、asahi = 6-24-24) エンジンから火が出た可能性 日本航空 2154 便が青森空港へ緊急着陸 きょう午後、青森発大阪行きの日本航空の旅客機が青森空港へ緊急着陸しました。 関係者によりますと、機体のエンジンから火が出たとみられています。 青森県や日本航空によりますと、きょう午後 1 時 15 分に青森空港を離陸した日本航空 2154 便は、目的地の大阪・伊丹空港に向かっていたところ、エンジントラブルが起きたため青森空港へ引き返し、午後 2 時前に緊急着陸しました。 乗員・乗客合わせて 47 人にけがはなかったということです。 関係者によりますと、2154 便は飛行中に機体左側のエンジンから火が出たとみられています。 日本航空は、別の 2 便に乗客を振り替えて対応したということです。 機体は青森空港に駐機していて、職員がトラブルの原因を詳しく調べています。 (ATV 青森テレビ = 6-22-24) 離陸 1 時間半後に緊急着陸 コックピットに大きなヒビ 成田からオランダへの旅客機 16 日午後 1 時半ごろ、成田空港に旅客機が緊急着陸しました。 そのコックピット部分をよく見ると、左側のガラスにひびが入っています。 旅客機はオランダ航空の 862 便で、成田空港からオランダのアムステルダム空港に向かっていました。 離陸からおよそ 1 時間 20 分後、コックピットのガラスにひびが入り、引き返したということです。 乗客・乗員にけがはありませんでした。 (テレ朝 = 6-17-24) シンガポール航空、乱気流の軽傷者に 157 万円賠償 重傷 393 万円 シンガポール航空は 11 日、同航空の旅客機が今年 5 月に乱気流に遭い、乗客 1 人が死亡し、数十人が負傷した事故をめぐり、負傷者らへの賠償案を発表した。 軽傷者には 1 人 1 万ドル(約 157 万円)を支払い、長期の療養が必要な重傷者には、まず 2 万 5 千ドル(約 393 万円)を支給したうえで、最終的な賠償額を確定させるという。 同機は 5 月 21 日、乗客 211 人と乗員 18 人が搭乗し、ロンドンからシンガポールへ向かう途中、ミャンマー上空で乱気流に巻き込まれた。 高度が激しく上下するなか、機内にいた英国籍の男性 1 人が心臓発作とみられる症状で死亡。 多数が脊椎(せきつい)や脳を損傷するなどのけがを負った。 シンガポール航空はこれまでに、乗客全員に運賃を払い戻すとともに、1 人当たり 1 千シンガポールドル(約 11 万 6 千円)を当座の費用として支払ったという。 (バンコク・武石英史郎、asahi = 6-11-24) ◇ ◇ ◇ 「墜落したような感じだった」、緊急着陸のシンガポール機の乗客語る その時、トビー・パールさん (21) はロンドン発シンガポール行きの機内でエコノミークラス 43 列目の座席にいた。 次の瞬間、機内は地獄絵図と化した。 私物や食べ物、そして乗客までもが機内を飛び交い、頭上の荷物入れに激突したり、天井から酸素マスクが下りてきたりする大混乱が起きた。 シンガポール航空が運航していたボーイング 777 は、乱気流に巻き込まれ、1 人が死亡、多くの人が重傷を負った。 パールさんは、自身もすぐに応急処置に駆けつけたが、心臓発作の疑いで死亡した 73 歳の英国人を助けることはできなかったと語った。 パールさんは同機がバンコクに緊急着陸した後、書面による質問に対し、「シートベルト着用ランプが点灯し、乱気流に巻き込まれた直後、自分自身、そして他の多くの人が宙に放り出され、天井にぶつかった。 墜落したように感じ、航空機が落ちていくと思った」と答えた。 (Danny Lee、Shikhar Gupta、Siddharth Vikram Philip、Bloomberg = 5-22-24) 成田空港離陸の貨物機にトラブル、燃料を廃棄し緊急着陸 けが人なし 4 日午前、米ロサンゼルスに向けて成田空港を離陸したばかりの貨物機ポーラーエアカーゴ 752 便(ボーイング 777―200 型)がエンジントラブルで同空港へ引き返し、A 滑走路に緊急着陸した。 乗員 4 人にけがはなかった。 国土交通省成田空港事務所と成田国際空港会社 (NAA) によると、同便は成田を午前 10 時 16 分に離陸。 2 分後に「右エンジンの不具合」を理由に緊急事態を宣言したが、緊急着陸したのは 1 時間以上経った午前 11 時 26 分だった。 銚子沖で燃料を投棄後に引き返したためという。 航空関係者によると、燃料の投棄は機体を軽くし、着陸時の衝撃を小さくするのが理由。 航空機の着陸は車輪に相当な荷重がかかり、長距離便は大量の燃料を積んで機体が重くなっている。 緊急事態を宣言しても、そのままでは着陸できないため、通常は機長の判断で燃料を投棄するという。 緊急着陸した同便は車で牽引され、駐機スポットに移動。 エンジン部分に損壊がみられるが、バードストライクの痕跡は確認できなかった。 今後は国交省が調査を続け、重大事故に該当するか判断する。(小林誠一、asahi = 6-4-24) 国交省が JAL に厳重注意 誤進入など安全上の五つのトラブル受け 日本航空 (JAL) でトラブルが相次いだことを受け、国土交通省は 27 日、JAL に対して行政指導の一つである厳重注意をし、再発防止策をまとめるよう指示した。 JAL の鳥取三津子社長は「一つ一つの事案の重大性はもちろんだが、繰り返し類似事例を発生させてしまったことを、深くおわび申し上げます」と謝罪した。 JAL をめぐっては、福岡空港で 10 日、JAL 機が滑走路に誤進入。 23 日には羽田空港で、JAL 機同士の翼の接触事故が起きるなど、安全上の五つのトラブルが相次いでいた。 24 日には国交省が JAL に緊急の監査に入った。 同省航空局の平岡成哲局長は 27 日、JAL に対して「安全管理システムが、現場を含めた社内全体に対して有効に機能しているとは言えない」と厳重注意した。 鳥取社長は報道陣に対し、「最も大きな問題は、類似事例にもかかわらず、なかなか止まらず連続して発生していること。 しっかりと分析を進めて、責任をもって対策をとってまいりたい。」と話した。 (角詠之、asahi = 5-27-24) ◇ ◇ ◇ JAL 2 機が羽田空港で接触 けが人なし 503 便は欠航 23 日午前 7 時半ごろ、羽田空港の地上で、日本航空 (JAL) 機 2 機が接触した。 けが人はいなかった。 JAL によると、接触したのは、いずれも羽田発新千歳行きの 503 便と505 便。 出発するため特殊車両で機体を後方に押し出す「プッシュバック」という作業中だった 503 便の翼の左端と、隣の駐機場に入るために特殊車両に引っ張られていた 505 便の翼の右端が接触した。 503 便の乗客 316 人乗員 12 人にけがはなかった。 505 便は出発前のため、乗客は乗っていなかった。 503 便は欠航し、505 便は、機体を変更して遅れて出発予定という。 (角詠之、asahi = 5-23-24) 大統領ヘリだけ上昇できず交信絶つ イラン政府幹部、国営放送に証言 イランのライシ大統領を乗せたヘリコプターが墜落した問題で、別のヘリに乗っていた政府幹部が国営放送に当時の状況を証言した。 編隊を組んで飛行中、ライシ師のヘリだけが上昇できず、交信を絶ったという。 証言したのは、大統領府のエスマイリ長官。 国営放送が 21 日付電子版などで報じたところでは、ライシ師は隣国アゼルバイジャンとの国境付近であったダムの落成式に出席した後、ヘリに乗った。 編隊は 3 機で、快晴の下、イラン北西部タブリーズに向かったという。 約 45 分の飛行後、編隊の前に突如、薄く広がった雲が現れた。 ライシ師の乗るヘリの操縦士は他の 2 機に、雲上へと高度を上げるよう指示。 だが、ライシ師のヘリだけが上昇しなかったという。 エスマイリ氏らは、もう一度雲の下に下がって捜索することは困難だと判断し、数分後、離れた場所に緊急着陸。 その場でライシ師のヘリの搭乗者に連絡を試みた。 その結果、ライシ師のヘリに同乗していたタブリーズのイスラム法学者アレハシェム師が応答。 「谷に落ちた。 具合が悪くて苦しい.。」 「何が起きたのかわからない。 木のそばにいる。」と訴えたという。 エスマイリ氏によると、3 時間の間に 3、4 回、アレハシェム師と話せたが、その後は電話に出なくなったという。 エスマイリ氏は、ライシ師らが墜落の際に即死したとの見方を示した。 エスマイリ氏は墜落前の天候について「飛行中の状況は正常で、ごく一部の場所にだけ雲があった」と説明。 墜落の原因には言及していない。 墜落の原因をめぐっては、気候の急変や機体の不具合、操縦ミスなどの見方が語られている。 軍と革命防衛隊を束ねるバゲリ参謀総長が編成した特別チームが調べており、調査結果を公表するとしている。 (テヘラン・佐藤達弥、asahi = 5-22-24) ◇ ◇ ◇ 不明のイラン大統領ヘリ、機体の残骸発見 墜落炎上か イラン報道 イランメディアは 20 日、イランのライシ大統領 (63) を乗せて行方不明になったヘリコプターについて、捜索隊が機体の残骸を発見したと報じた。 ロイター通信が伝えた。 ヘリにはアブドラヒアン外相も同乗していた。 ライシ師らの安否は不明だが、イラン当局者はロイターに対し、生存の可能性は「低い」と述べた。 ヘリは墜落して完全に「炎上した」という。 AP 通信などによると、現場は首都テヘランから約 600 キロ離れたジョルファ付近とみられる。 ライシ師は隣国アゼルバイジャンとの国境地帯でアゼルバイジャンのアリエフ大統領と共にダムの落成式に参加した後、州都タブリーズに戻る途中だった。 ヘリは 3 機で飛行していたが、ライシ師らが乗ったヘリだけトラブルを起こしたという。 バヒディ内相は 19 日夕、「悪天候と霧のため強行着陸を余儀なくされた」と説明。 視界も悪く、捜索は難航していた。 現場付近は気温が下がっており、激しい雨も降ったという。 トルコのアナトリア通信によると、トルコの無人機がライシ師が乗っていた可能性がある機体の残骸の熱源を確認し、イラン当局と情報を共有したという。 事故を受け、最高指導者ハメネイ師は 19 日、ライシ師の無事を祈るとともに、国民に対して「国家運営には混乱はない」と呼びかけた。 また、直前までライシ師と会っていたアリエフ氏は「友好的な別れの後に不時着のニュースを聞き、心を痛めている」と語った。 ライシ師は保守強硬派の大統領として知られ、ハメネイ師の後継者とも目されている。 2017 年に大統領選に出馬したが、次点で落選。 再出馬した 21 年の大統領選ではハメネイ師の後押しを受け、事実上の優遇措置を受けて当選を果たした。 就任後は反米・反イスラエルの姿勢を貫き、パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスなどの親イラン武装組織を支援。 4 月には在シリアのイラン大使館空爆への報復として、イスラエルに対して 300 発以上のミサイルなどを発射した。 (カイロ・金子淳、mainichi = 5-20-24) |