中国でロボット産業ブーム、制御不能な地方債務を露呈

[蕪湖市(中国安徽省)] 長江が流れる中国安徽省蕪湖市 - -。 マッサージ屋や安ホテルの集まる脇道の奥にあるカフェでは、人間型の給仕ロボットがテーブルの周りを動き回っている。 目は、シンセサイザーの演奏によるクラシック音楽に合わせ赤く点滅している。 小雨の降る金曜日の朝、「ヒーロー」という名のこの給仕ロボットに接客する機会は訪れなかった。 しかし「彼」は、ロボット産業の一大中心地を目指す蕪湖市の希望を表すシンボルとなっている。 同時に、商業的に理にかなっているかは別として、債券発行による資金調達でその夢を実現する地方政府の能力も象徴している。

「ヒーロー」は、近隣のロボット工業団地で 6 カ月に及ぶ研究開発の末に誕生した。 この工業団地の建設には 22 億元(約 334 億円)が注ぎ込まれている。 さらにホテル、展示場、文化センターなどを新設する拡充計画のために、蕪湖市は地方政府の資金調達を担う融資平台 (LGFV) を通じて 12 億元の追加投資を募り、多彩な企業誘致作戦を展開している。 問題は、こうしたプロジェクトを試みているのが蕪湖市だけではないという点だ。 安徽省蕪湖市は上海の西に位置する人口 400 万人規模の中都市だが、中国の同規模の都市では次々とロボット工業団地の建設計画が持ち上がっている。

地方政府が LGFV に代表されるバランスシート外の特定目的会社を通じて、インフラ整備のための資金(必要な場合もあれば、そうではない場合も)を容易に調達できることで、すでに高水準に達している中国の債務負担は急増している。 一方、投資家側は、インフラ整備が経済成長の基盤であり続けるあいだは、中央政府が地方債の債務不履行(デフォルト)を許さないことに賭けており、LGFV 債の入札価格は最高値を更新している。 ロボット大国を目指して、中央政府は昨年「メイド・イン・チャイナ 2025 (中国製造 2025)」計画を発表。 これを契機に、多くの地方都市が国内のロボット産業中心地となるべくプロジェクトをスタートさせた。

こうした投資ブームの一方で、自動車・エレクトロニクス産業でロボットへの需要が増大しているにもかかわらず、ロボット産業はすでに生産能力過剰の注意信号が出始めている。 中国では 2015 年、産業用ロボットの需要伸び率は 17% となり、前年比で 3 分の 2 以上低下した。 しかし業界のデータによると、過去 2 年で、40 以上ものロボット工業団地が建設されている。 中国の毎日経済新聞は 6 月、工業情報化省 (MIIT) の辛国斌副部長は、中国のロボット産業には、過剰投資と「ハイエンド部門のローエンド化」の兆しが見えていると警告していると伝えた。 同省はロイターの取材に対し、コメントを差し控えた。

成長を支えた LGFV

LGFV はもともと、地方政府自身による起債を禁止する新規制に抵触せずに地方プロジェクトの資金調達を行う手法として、1990 年代に人気を集めた。 世界金融危機のさなかに経済成長を支える重要な役割を担ったが、同時に中国の債務負担を生み出す主因となった。 国際決済銀行のデータによると、2015 年末の残高は 26 兆 5,600 億ドルにも上り、中国の対国内総生産 (GDP) 比 255% に相当する。 そのわずか 2 年前は同 220% であった。 中央政府は 2014 年後半、LGFV を通じた債券発行の規制を試みたが、昨年に経済成長率が 25 年ぶりの低水準に落ち込んだことから、規制はすぐに有名無実化した。

中国の金融データ会社 WIND から入手した光大証券のデータによれば、中国全体でみると、2016 年 1 - 5 月の LGFV 債による資金調達は、前年同期比で 72% 増の 7,400 億元に達している。 現在、LGFV 債の未償還残高は約 5 兆元にもなるという。 「インフラに投資する企業の多くは、資金調達の手段を選んでいられなくなった」と、メインストリームの債券市場で資金調達が間に合わなくなった企業を対象に高金利融資を行う渤海国際信託の Li Yujian 氏は話す。

計画経済でも制御不能

中国は、計画経済国家のわりには財政の地方分権化が進んでおり、公的な財政支出の約 85% を地方が占めている一方で、地方に割り当てられる税収は 50%。 このため、地方政府はこのギャップを埋めるために地方債を発行する。 その結果、中央政府は地方政府の動きを明確に把握できないことが多い。 各都市で互いに信頼できるデータがほとんど入手できず、重複投資という危険な傾向が生まれる。 この傾向が特に顕著なのが、ロボット産業のように中央政府が大きな期待をかけて支援する分野である。 また、リスクが伴いがちな地方プロジェクトに資金を流すスキームは複雑に入り組んでおり、失敗したときの責任の主体をいっそう分かりにくくしている。

「うちは、ただ資金を調達して融資するプラットフォームだ」と、蕪湖市が出資する鳩江区建設投資有限公司の Yang Bin 氏は語る。 この法人は、ロボット工業団地の拡張資金調達のために債券発行を担当した。 この資金は、ロボット工業団地に参入する建設業者に使われる。 また、企業誘致のために地方政府と中央政府の補助金が用意されている。 しかし、こうした複雑な仕組みを支えているのは、やはり政府による公式・非公式のテコ入れである。 市場参加者は、LGFV への投資は、地方政府に対する円滑な信用の流れを維持する中央政府の意欲に賭けているのだと言う。

「こうした企業はどれも信用評価がとても低い。 それでも融資を得られるのは地方政府の支援のおかげだ。 そして、地方政府の支援は中央政府の方針次第だ。」と、中国大都市の LGFV にも投資するウエスタン・アセット・マネジメント(シンガポール)の Jie Peng 氏は言う。 昨年は 3 兆 2,000 億元に拡大された債務スワップなど、中央政府の支援があるために、LGFV は比較的高い利回りを提供しつつ、投資した事業が不振に陥っても手痛い目には遭わないだろうという安心感を投資家に与えている。 鳩江区建設投資有限公司の発行する 12 億元の債券の最終利回りは 3.8% であり、これは同じ地域の地方政府本体が発行する債券よりも約 0.5% ポイント高い。

多くの投資家にとっては、この利回りは魅力的に見える。 この 1 年、他の業界でデフォルトが増えるなか、LGFV 債利回りは大部分の社債を上回った。 しかし、地方債ブームは過剰投資の懸念を再燃させている。 中国の各都市では、ロボット産業以外の分野でも、必要以上に巨大なスポーツスタジアム、概して近隣都市の施設に対抗できるほどの魅力に欠ける遊園地、起業家の集まらないイノベーションセンターが次々と建設されている。

意欲的なベンチャー企業

現在、蕪湖にあるロボット工業団地の産業用ロボットの生産規模は年間約 1,000 体であり、年間 1 万体への増産を計画中だ。 この団地が成功を収めるかどうかは、今の時点ではまだ分からない。 団地の参入企業には、賃料補助、ローン補助、債務保証、優秀な人材を集めるための報奨金制度などの特典を受ける資格がある。 しかし、こうした支援策にもかかわらず、入居している大手企業は、自動車産業用ロボット製造の安徽埃夫特智能装備を含めてわずかだ。

工業団地に工場を構える約 20 のロボットメーカーの大部分は、意欲的なベンチャー企業か、安徽古コ納克科技有限公司をはじめとする、新しいニッチ市場を狙う機器メーカーだ。 同社は、農業機械、チェーンソー、芝刈り機なども製造している。 工業団地の当局者と蕪湖市鳩江経済開発地区委員会は、この記事の取材依頼を断った。 また、工業団地の広報担当者にコメントを求めたが、返事はなかった。

この工業団地で開発中の製品のなかには、オーケーロボットという会社が製造する「ヒーロー」など、アイデア商品に近いものもある。 同社は、給仕ロボットや軍用セグウェイのほか、空調付ヘルメット、病院向けの仰臥位(ぎょうがい)用シャワー設備、高齢者や障害者の歩行を助けるスーツ型ロボットなど、実にさまざまな製品を開発している。 ゼネラルマネジャーの Wang Lipeng 氏は、パワーポイントのプレゼンテーションを示しながら「75 歳のお父さん、お母さんも若者みたいに暮らせる。 それがわが社の夢です。」と語った。 スライドには、ロボット型スーツを着た男性が女性を抱え上げたり、炎の中から現れ出たりする姿が映し出されていた。

「この工業団地の政策はとてもありがたい。 おかげで、多くの企業から投資や製造の引き合いが来る。」と、Wang 氏は語った。 (Nathaniel Taplin、Reuters = 8-7-16)


中国の負債額「GDP の 2.5 倍」 政府系シンクタンク

中国全体の負債額が国内総生産 (GDP) の 2.5 倍にのぼるとの試算を、中国の政府系有力シンクタンクが発表した。 国際通貨基金 (IMF) も「切迫している」と警戒を強める借金問題に、中国政府が抜本的な対策を示せるかが注目を集めている。 借金の総額は 2015 年末時点で 168 兆元(約 2,650 兆円)。 GDP の 249% に達し、うち企業分が 156% を占める - -。 中国社会科学院国家金融・発展実験室の李揚理事長は先月、こうした試算を公表し、「企業の債務に問題が生じれば、銀行にも波及する」と警鐘を鳴らした。 (北京 = 斎藤徳彦、asahi = 7-18-16)


中国民間部門の借り入れ低迷

国有企業中心の重工業に傾斜している経済の転換を図る努力にもかかわらず、中国の民間部門は過去 8 年間の融資拡大の恩恵にあずかっていないことが研究で明らかなった。 北京大学の経済学者らによると、民間部門の負債は総資産に占める割合で 2008 年の 48% から 15 年の 35% に減っている。 一方、国有企業は収益性が民間企業の 3 分の 2 の水準にとどまるにもかかわらず、総資産負債比率は同時期に 53% へと微増している。

「良いレバレッジが減り、悪いレバレッジが増えている」と、北京大学国家発展研究院の黄益平教授は言う。 この傾向を逆にしないと、「さらに資金が高効率の部分から低効率の部分へ流れて資本配分のゆがみが増し、中国経済のリスクが高まる」と黄教授は警告する。 今年前半、国有企業による投資が急増した一方で、民間企業の投資は減少が続いた。 民間企業は銀行融資の代わりに内部留保を投資に充てている。 中国経済が減速するなか、この戦略が民間部門の投資減少につながっている。

民間部門の中小企業は、影の銀行(シャドーバンキング)からの融資に年 20% もの利息を支払っている。 「アジア・ポリシー」誌に掲載された李建軍氏らの研究によると、調査対象とした中小企業のほぼ 6 割が非公式な信用市場を利用していた。 中国政府は世界金融危機を受けて 4 兆元(約 62 兆円)の景気対策を打ち出し、鉄鋼など莫大な量の資材を消費するインフラ投資に拍車をかけた。 だが、経済成長が四半世紀ぶりの低水準に減速した現在、重工業の国有企業は過剰設備を抱え込み、銀行融資の返済に苦しんでいる。 公式統計によると、国有企業の利益は今年 1 - 5 月に前年同期と比べて 1 割減少した。

中国は不採算の国有企業を淘汰し、より規模が小さく生産性の高い民間部門の企業を育成して経済を再調整しようとしている。 だが黄教授によると、08 年以降に起きていることは正反対だ。 「国有部門が前進して民間部門は後退している。」

銀行、国有企業への融資に軸足

農業関連事業の大実業家で中国民生銀行の共同創業者でもある劉永好氏は、フィナンシャル・タイムズ紙に対し、中国の「金融部門は私たちが生きているこの時代に合っていない」と語った。 「我々の銀行と金融機関は国有部門と政府のために働いている」と劉氏は言い、民間企業が中国の経済生産の 6 割を担っていることを指摘した。 「中国の銀行は設立当初から、民間企業に資金を提供するという目的を持っていなかった。」 中国の国有銀行は従来、国家保証があると見なされる国有企業への融資を好んできた。 銀行と国有企業は長年の関係もあり、銀行側は民間企業への融資よりも規模が大きい国有企業への融資を収益の柱にしている。

「銀行職員になり代わって言えば、国有企業への融資なら焦げ付いても、上司に『すみません。 商業的な事情による間違いでした。』と言える」と、黄教授は話す。 「それが民間企業への融資だったら、どれほど説明が要ることか。」 今年第 1 四半期に中国の銀行貸し出しは過去最高の 4 兆 6,000 億元に達した。 格付け会社フィッチ・レーティングスは 6 月 30 日、中国鉄鋼業界の負債は 4 兆元で、資産の 7 割超に達していると警告した。 (Yuan Yang and Tom Mitchell、The Financial Times = 7-5-16)


香港で住宅差し押さえ急増、規制外ローンが直撃

[香港] 香港で住宅価格が下落し、規制対象外のノンバンクが実施した高金利住宅ローンの返済遅延と住宅差し押さえが急増している。 中央銀行に当たる香港金融管理局 (HKMA) のデータによると、住宅の資産価値がローン残高を下回る「アンダーウォーター(水面下)」の物件が増加。 3 月末時点の件数は 5 年ぶり高水準の 1,432 件に上り、当該住宅の総額は 49 億香港ドル(6 億 3,100 万米ドル)と、世界金融危機時の 2009 年以来で最大となっている。

昨年 12 月にはこれが 95 件、4 億 1,800 万香港ドルにとどまっていた。 昨年第 4・四半期以来、ノンバンクの金融企業が実行した住宅ローンで返済遅延が増えており、今では差し押さえも増加し始めた。 香港不動産金融協会 (HKPFA) のアルフレッド・ラム会長によると、協会の会員企業ではローン 100 件当たり約 10 件が返済遅延を起こしており、昨年の 5 - 6 件から増えた。 差し押さえも昨年の 100 件当たり 2、3 件から今では 4 件程度に拡大している。

香港は経済の約 5 分の 1 を不動産関連事業が占めており、住宅市場が激しく悪化すると経済全体が痛手を被る。 HKMA は今後、ノンバンクに対する取り締まり強化を迫られる可能性もある。 香港の銀行は既に厳しい規制を受けている。 2009 年以来、7 度にわたる不動産鎮静化策が実施された結果、居住用不動産では物件価格に対する融資比率 (LTV) の上限が 60% まで切り下げられた。 状況次第では 40% までに制限されるケースもある。

ところが銀行以外の金融企業や不動産デベロッパーにはこの規則が適用されない。 このため買い手は近年、銀行を避けてこうした借り手から不動産価値の 90 - 95% 相当ものローンを借り入れるようになった。 100% を超える借り入れを勧められる場合もある。 これは不動産価格が上昇している時なら良いが、少しでも下がると借り手はアンダーウォーターに沈む。 香港の住宅価格は 2015 年 9 月の高値から 11% 下げた。 国際決済銀行 (BIS) によると、家計の債務比率は過去最高の 70% 近くに達している。

担保の使い回し

状況の悪化に拍車を掛けているのが、担保のアパートをその他の規制外取引、例えば株式信用取引の担保にも使い回す慣行だ。 AA プロパティー・サービシズのマネジングディレクター、ツァン・キットチャン氏は「不動産を担保に使う人が増えている。 株式市場で損失を出した人々は住宅ローンを返せない」と語る。 同氏によると AA は今年これまでに、差し押さえ住宅の競売を約 80 件実施し、年末までにさらに 200 件の競売を予想している。 昨年は 1 年間で 100 件前後にとどまっていた。

公式統計には映らず

銀行の住宅ローンは通常、金利が 2% 程度、期間は 20 年ないし 30 年なのに対し、ノンバンクは 10 - 30% で 1 - 5 年と短い。 ノンバンクは、定期収入を持たないため銀行が貸してくれない人々に住宅ローンを提供することが多い。 HKMA の公式データではレバレッジの全体像がつかめない、との指摘もある。 HKMA のデータは 1 年 5 カ月前のもので、鮮度にも問題がある。

ブローカーのリカコープによると、市場の最大 10% は HKMA の規制の外で動いている可能性がある。 カンパニーズ・レジストリーによると、登録済み金融企業の数は 5 年前には 800 社強だったのが、今では 1,600 社を超えている。 HKPFA のラム氏によると、状況が厳しさを増したため、金融企業も最近では融資を絞り始めた。 「このところ、金融企業が不動産価値の 70% まで貸すことは珍しくなった。 なぜなら今日の 70% は来月には 75% に、3 カ月後には 80% になっているかもしれないからだ」という。 (Clare Baldwin、Reuters = 6-17-16)


中国高官の怒りで垣間見えた経済統制の限界

歴史に残る討論として「2016 年のルー(米財務長官) - 楼(継偉財政相)」が 1858 年のリンカーン - ダグラスや、1960 年のケネディ - ニクソンと肩を並べることにはならないだろう。 だが、見どころはあった。 北京で開かれた米中戦略・経済対話の冒頭、ルー米財務長官は、中国の過剰な生産能力が世界の市場に「ゆがみ」を引き起こしていると批判した。 今年、米欧でよく聞かれる言い分だ。 中国が鉄鋼を安値輸出しているせいで、西側では鉄鋼の町がますます斜陽化しているというのだ。 これに対し中国の政府当局者らは、債務にまみれた重工業の「供給側」再編が優先課題であると認めつつも、返答はほとんどしていなかった。

それが今週、ルー氏の主張に楼継偉財政相が怒りをあらわにした。 楼氏は、こう問い返した。 中国を批判している人たちは、7 年前にはどうだったのか。 世界経済を救った中国政府のインフラ投資の下でフル稼働したのが(今問題を抱えている)製鉄所だったのだ、と。 米国のタイム誌が、世界経済が中国から受けた恩義に報いようとしたほどだと、楼氏は指摘した。 同誌は 2009 年の「今年の人」の候補に「中国の労働者」を挙げ、最終的に当時のバーナンキ米連邦準備理事会 (FRB) 議長と僅差の次点に選んだ。

楼氏のルー氏に対する反論は、閣僚にもう少し本音を語らせたほうが中国のためになるということを改めて思い起こさせた。 そして同時に、統制を図る中国共産党幹部の経済システムの捉え方を浮き上がらせた点でも興味深かった。 昨夏、そして今年 1 月と、中国の株式市場と通貨市場に 3 度の混乱が生じた後、習近平国家主席率いる中国指導部は改革計画を全面的に掌握できなくなっているのではないかという認識が、世界に広がっている。

■ 「彼らは我々の指示は受けない

組織図を見る限り、共産党の指揮と統制は冷酷なまでに効率的に見える。 党総書記でもある習氏から末端の村の党幹部まで、階層は 5 つしかない。 理論上、習氏の命令は省、市、県、郷の党支部を速やかに経て、すべての村に伝わる。 しかし実際には、共産党の指揮系統は様々な支障を抱えていると楼氏は説明した。 過剰設備の問題に関して、党と中央政府は 2 つの制約を受けている。 民間企業が成長していることと、命令の遂行を地方政府に頼っていることだ。 民間企業は国有企業のように命令で簡単に動かせない。

「中国は中央計画経済ではなく、(民間)企業に(工場閉鎖の)計画を押しつけるすべはない」と、楼氏は語った。 「民間企業が製鉄部門の半分を占めている。 彼らは我々の指示は受けない。」 楼氏の主張には、米国と欧州連合 (EU) は中国を「市場経済国」に認定すべきだと訴える意図も絡んでいる。 認定されれば、中国をダンピング(不当廉売)で提訴することは難しくなる。 また、国有の金融部門など他のレバーも操作できることを考えれば、楼氏の主張はいささか不実でもある。 しかし、中央でなく地方政府系の国有銀行が市場シェアを伸ばすなか、そのレバーもかつてほど効果的ではなくなっている。

習氏と楼氏にとって、より根本的な問題は、地方の党幹部が矛盾する命令の下で働く状況が頻繁に生じていることだ。 彼らにとって第一の戒律は「安定を保て」だ。 この使命に、失業や社会不安につながりうる再編計画の実施がぶつかった場合、多くの地方政府が工場の存続を選ぶのも驚くにはあたらない。 楼氏とルー氏は来月、主要 20 カ国・地域 (G20) 財務相会議で再び相まみえる。 しかし、ルー氏は来年 1 月の政権交代で去ることになる。 その政権交代から、さらに見ものの顔合わせが生まれるかもしれない。 「2017 年の習 - トランプ」だ。 (Tom Mitchell、The Financial Times = 6-10-16)


中国株に大規模な空売り、再び - 昨年の相場大崩れ前のレベルに急増

中国株が再び、空売り投資家の標的となっている。 マークイットとブルームバーグが集計したデータによれば、中国本土株に連動する香港最大級の上場投資信託 (ETF) 「CSOP・FTSE チャイナ A59ETF」に対する空売りが今月に入って約 5 倍に膨らみ、1 年ぶりの高水準となった。 空売りが前回これほど増えた際は、その後に中国の強気相場が大幅な下げに転じ、慎重な見方に十分な根拠があったことが証明された。

先行きに悲観的な投資家は、人民元が下落する中で中国株にあらためて売り圧力がかかるとの予想に基づいてポジションを構築している。 人民元は今月このままいけば、昨年 8 月の実質切り下げ以降、月間ベースで最大の下落率で取引を終える。 中国経済の見通し悪化に加え、米金融当局が利上げ準備を進めていることを受けたドル上昇が元安につながっている。 USB グループの陸文傑ストラテジスト(上海在勤)は「一部のマクロファンドが通貨の動きから利益を得ようと指数先物を空売りする機会を探っている」と指摘。 「米利上げの可能性が高まっていることで、人民元に下落圧力がかかっている」と述べた。

「CSOP・FTSE チャイナ A59ETF」に対する空売り比率は 25 日に 6.1% と、2015 年 4 月以来の高水準となった。 昨年、中国株式相場がピークを付けたのは、その 2 カ月後。 同 ETF への空売り比率は今年 4 月末は 1.3% だった。 ブルームバーグとマークイットの集計データによると、米上場の「i シェアーズ中国大型株 ETF」に対する空売り比率は同じく今月 25 日に 18% と、2 年ぶりの高水準に急上昇した。 1 カ月前は 3% にすぎなかった。 (西沢加奈、Kyoungwha Kim、Bloomberg = 5-31-16)


過熱する不動産融資、中国主要銀に不良債権の長い影

[香港] 中国の主要銀行は住宅購入者や不動産デベロッパー向けの貸し出しを加速させ、少なくとも世界金融危機以降で最高の水準に達している。 相場過熱や企業の債務負担増を受けて不動産市場が悪化すれば、銀行は危機に瀕する可能性がある。 ロイターが財務諸表を分析したところ、中国の 5 大銀行の住宅ローンおよび不動産向け融資は、2015 年末に前年比 11% 増の 12 兆 4,000 億元(1 兆 9,000 億ドル)に達し、融資全体の 28% を占めた。

製造業や運輸業向けの融資を上回って最大の比率を占めており、これに不動産を担保にした融資を含めると全体の 40% 超と、7 年前の約 26% から増大している。 中国の 5 大銀行は中国工商銀行 (ICBC)、中国建設銀行、中国銀行、中国農業銀行、交通銀行。 中国工商銀行 (ICBC) や中国銀行など大手銀行が貸し出しを増やすなか、中国の大都市の不動産価格は急騰し、バブル崩壊が近いとの懸念が一部でささやかれる状況となっている。

格付け大手フィッチ・レーティングスの金融機関担当アソシエイトディレクター、ジャック・ユアン氏は「懸念は 2 つある。 融資の担保として不動産への依存が増していることと、不動産価格が過熱ともいうべき水準に達していることだ」と指摘。 「仮に価格が急落すれば、かなり深刻な結果をもたらす可能性がある」と話す。 多くのデベロッパーは、中国で 2013 年後半まで 8 年間続いた不動産バブルの影響ですでに重い債務を背負っている。 中国経済が四半世紀ぶりの成長鈍化に陥り、大都市以外では不動産市場がまだ停滞する中で、債務は膨らみ続けている。

陽光新業は借り入れに積極的なデベロッパーの 1 つ。 同社は先週、現在の 61 億元の負債に加え、新たに 3 億元を借り入れると発表した。 ただ、同社の売上高は 2015 年に半減しており、現在のキャッシュフローでは返済に 17 年かかることになる。 スタンダード・アンド・プアーズ (S & P) は今年 3 月、中国不動産デベロッパーの信用格付けに関するリスクを警告した。 収益低下にもかかわらず、土地や建設に投じる資本を増やし、レバレッジを高めているというのだ。 特に「一線都市」や「二線都市」で高騰した土地を購入した企業は、価格下落によって危険に陥りかねない、と同社は指摘した。

住宅ローンがもたらすリスクも高まっている。 仏投資銀行ナティクシスの調査によると、今年第 1・四半期の住宅販売総額 1 兆 6,000 億元に対し、1 兆元の新規住宅ローンが組まれたという。 ローン資産価値比率 (LTV) は 62% となり、前期の 28% から急上昇している。

デフォルト事例も

2014 年以来 6 度にわたる利下げと頭金比率の規制緩和を背景に、4 月には「一線都市」の平均住宅価格が 4 年ぶりの大幅上昇となった。 特に、深セン市と上海市の値上がりが目立っている。 政府統計によると過去 1 年にそれぞれ 62.4% と 28% の上昇率を記録した。 ルミナンス・グローバル・ファンド(シンガポール)の株式ファンドマネジャー、ロシャン・パドマダン氏は「放物線状の値上がりは崩壊の前触れだ。 実体経済を反映していない。」と指摘。 「不動産市場は中国銀行セクターに深刻な不安定要素をもたらす可能性がある」と述べた。

中国の商業銀行の資産の質にも大きな疑問符がつく。 不動産セクターの債務不履行(デフォルト)などかつては想定できなかったが、2014 年 3 月に浙江興潤置業投資が銀行融資を返済できなくなり、その 10 カ月後には不動産大手の佳兆業集団(カイサ・グループ)がドル建て債の金利を支払えず、デフォルトに陥った。 中国の銀行規制当局によると、銀行の不良債権はすでに 11 年ぶり高水準となり、全体の約 2% を占めている。 しかし多くのアナリストは状況はずっと深刻だとの見方をしている。

CLSA (香港)は、実際の数字は 15 - 19% だとみている。 英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド (RBS) はどんなに楽観的な試算でも15%はあり、おそらく最低 35% だろうとしている。 最大手の中国工商銀の場合、最新の年次報告書によると、2015 年に不動産デベロッパーに対する新たな減損処理が前年比で 3 倍に増えた。 工商銀は同セクターに対する「リスク管理を強化」し、未返済融資の監視と分析に力を入れたと報告書の中で説明している。 5 大銀行はコメントの求めに応じなかった。 中国人民銀行(中央銀行)からもコメントは得られていない。 (Sumeet Chatterjee、Reuters = 5-26-16)


中国指導部、経済巡り溝 金融・財政政策食い違い

李首相ら、景気の安定重視

【北京 = 原田逸策】 中国の指導部内でマクロ経済政策を巡る温度差が目立ってきた。 李克強首相ら政府高官が中国経済の現状を前向きに評価するのに対し、習近平国家主席に近いとみられる人物が反論。 景気・雇用の安定重視か、構造改革優先かで意見が割れているもよう。 異例の不協和音は、習氏への権力集中が進む中、来秋に開く共産党大会での最高指導部人事を巡る摩擦が背景にあるとみられる。

発端は中国共産党の機関紙、人民日報が 9 日付で掲載した匿名インタビュー。 中国経済を「権威人士」なる人物が語った内容が政府と食い違っていた。 中国では「権威人士」は習氏の経済ブレーン、党中央財経指導小組弁公室の劉鶴主任とその周辺とみられている。

異なる現状認識

まず異なるのが経済の現状認識だ。 1 - 3 月の成長率は 3 期連続で減速したが、3 月単月は経済指標も改善が目立った。 政府内からは「(16 年は)幸先良いスタートを切った(国家発展改革委員会の趙辰●(日へんに斤)報道官)」との声が相次ぎ、先行きに「短期的には(成長率が上振れする) U 字や W 字もありうる(国家統計局の盛来運報道官)」と楽観的な見通しが出た。

だが、「権威人士」は「固有の矛盾は解消せず『幸先良いスタート』では説明できない」と政府見解を否定し、先行きも「U 字やまして V 字でなく(成長率が上がらない) L 字だ」と強調した。 実際、工業生産など 4 月の経済指標は悪化したが、政府は 16 日に公式サイトで「4 月は昨年より営業日が 1 日少ない。 1 - 3 月と同じく安定する」と反論し溝が深まる。

個別の政策も食い違う。 中国は昨年から今春にかけて金利と預金準備率を度々引き下げた。 「権威人士」は「(債務を膨らませる)高いレバレッジで為替、株式、債券、不動産と銀行融資のリスクが上がっている」と指摘。 「コントロールできなければ金融危機を起こし、マイナス成長になる」と警鐘を鳴らした。 李首相は 16 日に「債務はコントロールできる水準」と反論した。 財政出動でも「権威人士」が「バラマキで経済にカンフル剤を打つのは避けるべきだ」と指摘すると、李首相は 9 日に「ここ数年、経済の下押し圧力に直面しても強い景気刺激策はとらなかった」と強調した。

市場も疑心暗鬼

両者の違いは過剰な生産能力を削減したりする「供給側構造改革」への姿勢から来る。 「権威人士」は「負けられない戦争」とまで表現して改革を最優先せよとの姿勢だが、政府側は景気腰折れや雇用悪化にも目配りすべきだとの立場だ。 市場も疑心暗鬼になる。 中国人民銀行(中央銀行)が 13 日発表した 4 月の企業や家計の資金調達額は 3 月より大幅に減り「『権威人士』の影響で金融政策が変わった」と臆測を呼んだ。 人民銀は翌 14 日に「地方政府の融資が債券に振り替わった特殊要因による」と釈明する発表をした。 (nikkei = 5-23-16)


中国マネー、米不動産への勢い鈍る 政府規制で

米国不動産への空前の中国マネー流入は減速している。 海外への資金移動を量的に制限する中国政府の動きを受けたものだ。 報告書が明らかにした。 ここ数年、中国マネーの波が世界の不動産市場に広がり、米国と英国、オーストラリアの住宅用不動産市場では中国の買い手が最大の海外投資家になっている。 しかし、米国のアジア協会と不動産コンサルタント、ローゼン・コンサルティング・グループがまとめた報告書によると、米国不動産市場には 2010 - 15 年に 1,100 億ドルが流入したが、今後 2 年は米国の住宅用不動産に対する投資は減少する見通しにある。

中国当局は、過去最大となった昨年の資本流出を受けて現行の資本規制の執行を強化し、中国企業の対外投資を難しくした。 中国では個人の外貨両替が年間 5 万ドル相当までしか認められていない。 それ以上を海外で使おうとする人々は他人の名義を借りたり、国内クレジットカードを海外で利用したりするなどの抜け道を使っていたが、国家外貨管理局がそのような慣行の取り締まりを強化した。 銀行も従来は顧客の海外送金の手助けを認められていたが、多額の送金については必要な当局の認可が得られにくくなった。

国内の不動産市場が過熱するなか、中国の富裕層は海外での資産多角化に目を転じている。 中国の一部地域では不動産価格上昇率が年間ほぼ 6 割に達し、もうバブルがはじけるのではないかとの不安が高まった。 深センや上海など、値上がりの激しい都市の政府が高騰を食い止める動きに出たことで、投資目的の住宅購入は難しくなった。 主要な海外市場へ流れるマネーは、一部の国で反動を引き起こしている。 たとえばオーストラリアとシンガポールの政府は、法外な不動産の値上がりに対する国民の不満を受けて海外の買い手に対する規制を導入した。

「価格上昇圧力、弱まる」と専門家

報告書は、米国の住宅用不動産に対する中国からの投資額は 2015 年の 286 億ドルから 20 年には約 240 億ドルまで減ると予測し、それにより価格上昇圧力が和らぐとみている。 「中国の買い手は、とても強気に買値を示す。 その強気の買い手がいなくなると、全体の応札状況が変わる。」とローゼン・コンサルティング・グループのパートナー、アーサー・マーゴン氏は言う。 「2 - 3 年の休止状態の間、不動産価格の上昇圧力が弱まることになる。」

個別的事例のレベルでは、中国人の投資パターンが他の海外主要市場でも変わっていることがうかがえる。 「昨年、中国の買い手が大々的に英国の住宅市場に入ってきた」と、ロンドンの不動産投資会社のマネジャーは話し、500 万ポンド超の物件価格がさらに押し上げられたと指摘する。 「しかし、年初から引き合いは頭打ち状態で、ロンドンとニューヨークにある高級物件の価格は落ち着いている。」

HSBC のアジア経済調査共同責任者フレデリック・ニューマン氏は、「中国の監督当局が取引を徹底調査していることには、無理がある投資への散財を防ぎたいという考えが絡んでいる。 当局者は、投資家が海外にお金を注ぎ込んだあげくにやけどした 1980 年代の日本に目を向けている。 中国は今も外貨保持モードで、資本流出を徹底的に洗い出している。」 (Yuan Yang、The Finabcial Times = 5-18-16)


謎の「当局者」発言で、中国株式相場が急落

人民日報が掲載する「当局者」発言がたびたび市場にダメージを与えている

5 月 11 日、中国共産党の機関紙、人民日報が掲載したある「当局者」の発言が株価急落を招いたとして非難されていることが分かった。 この人物は 9 日付のインタビューで、中国における過剰な信用拡大は景気後退につながりかねないと述べており、匿名の当局者の発言が金融市場に及ぼすダメージに関して批判が巻き起こっている。

多くの投資家は、記事が中国政府の内部に亀裂が生まれていることを示唆していると受け止めた。 第 1・四半期の新規の人民元建て融資は急増したが、政府は抑制策をほとんど講じなかった。 一方で、複数のインフラ構築計画を発表し、弱含む経済を刺激するための試みだと広く受け止められた。 インタビューに応じた人物は「経済成長の加速を目的に金融を緩和することで、レバレッジが縮小するという幻想を完全に捨てるべきだ」と述べた。 「景気刺激策主導の道に戻れば、懸念が高まり市場は戸惑う。 どうしたらいいのか分からなくなるだろう。」と加えた。

市場は戸惑わなかった。 株式相場はすぐさま下落した。 上海総合指数は 3% 近く値下がりし、ロイターの試算によると 2,110 億ドルを超える時価総額が吹き飛んだ。 損失を出した一般投資家の Ding Ou 氏は「これまでの政策と矛盾するため、はじめは(記事が)偽造されたものかと思った」と述べる。 「この記事は確実に相場に打撃を与える。 以前はかなり前向きだったが、今は悲観的になってきている。」と付け加えた。 アイビー・キャピタルのファンドマネジャー、Shen Weizheng 氏も同じ意見で「政策当局者の間で大きな亀裂があることを示すもので、投資家を混乱させる」と話す。 人民日報はコメントの要求に応じなかった。

株価を左右したとして人民日報が批判されたのは初めてではない。 政府系機関紙は広くこうした批判を浴びている。 上海の同済大学で金融学の教授を務める Shi Jianxun 氏は、自身のミニブログで「インタビューが報じられてから株価は 100 ポイント近く下がり、投資家は大きく痛手を被った。 この当局者はどのような責任を負うべきなのか。」と投稿した。

2015 年 5 月には人民日報は「上げ相場でもリスクを忘れてはならない」と題する署名入りの社説を掲載し、1 日で株価が 4% 下落した。 最も批判されたのは、長期的な上げ相場は始まったばかりだとの見方を示した 15 年 4 月の記事だろう。 アナリストらが既に相場の過熱を指摘していたにもかかわらず、記事を受けて個人投資家は資金をつぎ込んだ。相場は 2 カ月後に急落した。 (Reuters = 5-12-16)


中国バブル崩壊は「必ず起こる」 中国の著名大学教授が主張

「ゾンビ企業は淘汰されよ」とダボス会議で主張した中国の著名大学教授が、中国経済の行方にさらなる警鐘を鳴らしている。 その教授とは、上海交通大学高級金融学院副院長のジュー・ニン(朱寧)氏。 最近の著書『中国の避けられないバブル : 政府はどのように中国経済を行き詰まらせたか』で、中国政府が迅速な対応をしなければ、経済は破局的な結末を迎えると警告した。 ジュー教授は「現在はもはや中国バブルが弾けるかどうかを議論している場合では無い。 バブルは必ず弾ける。 問題はそれがいつになるかだ。 私は海外の投資家にも金融システム上のリスクについて警告したい。」と述べた。

著書では中国で 2015 年前半に住宅バブルと株価急騰を引き起こした政府の無能ぶりや、長期的視野を持たず、盲目的に高度成長を追求する地方政府の問題点も指摘している。 ジュー教授は、政府保証が中国の経済バブルを深刻化させているが、指導者層はそのリスクの大きさについて認識が乏しいままだと主張し、「中国政府は国有企業への低金利融資等の保証を段階的に廃止すべきだ」と述べている。

ジュー教授によると、政府高官は経済改革について口では言い始めたものの、この数年で意味のある改革はできておらず、問題と真剣に向き合っていないという。 「私は楽観主義者ではない。 現実に沿って、改革の必要性を訴えたい。 改革なしではこの国は立ち行かなくなるだろう。 中国の課題は複雑に絡み合っており、改革は困難を極める。 それは、言わば爆弾処理のような危険な任務だ。」 (Casey Hall、Forbes = 5-10-16)