はやぶさ 2、リュウグウで自撮り 着陸へリハーサル終了 宇宙航空研究開発機構 (JAXA) は 8 日、探査機「はやぶさ 2」の小惑星「リュウグウ」への着陸に向けたリハーサルを終了したと発表した。 今後、着陸の詳細な方法を検討し、年内にも着陸の時期を決めるという。 リハーサルはこれまで 3 回実施。 直近となる 10 月下旬のリハーサルでは、高度 12 メートルまで接近。 着陸候補地(半径 10 メートル)の中心をめざして落下させた目印の「ターゲットマーカー (TM)」は、中心点から 15.4 メートル離れた場所に落ちていることがわかった。 「本当は円内に落としたかったので少し残念」とミッションマネジャーの吉川真准教授は話す。 ただ、TM を目印にして円内に精度よく誘導させることも可能だといい、今後、予備の TM を落とすかどうかを含めて着陸方法を検討するという。 (石倉徹也、asahi = 11-9-18) ◇ ◇ ◇ 小惑星、巨大岩だけ新鮮な可能性 - 「おとひめ」と命名 ![]() 【ワシントン】 小惑星りゅうぐうの南極にある巨大な岩の表面は、他の部分と比べて宇宙空間にさらされた時間が短く、比較的新鮮な可能性があることを、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) などのチームが探査機はやぶさ 2 の観測で突き止めた。 米テネシー州で開かれた学会で 28 日までに発表した。 岩は後からりゅうぐうに付け加わったか、覆っていた表面部分がはがれ落ちたと推測される。 チームはこの岩に、竜宮城を舞台とするおとぎ話の登場人物にちなみ「おとひめ」と名付けた。 直径約 900 メートルのりゅうぐうの中でもおとひめは幅 100 メートル超とひときわ大きい。 (kyodo = 10-28-18) ◇ ◇ ◇ 新たな謎、小惑星に砂なし はやぶさ 2 チーム米で会見 【ノックスビル】 探査機「はやぶさ 2」のチームは 26 日までに、米南部テネシー州ノックスビルで記者会見し、小惑星りゅうぐうの表面は岩だらけで細かな砂地がなく「新たな謎が加わった」と述べた。 記者会見した宇宙航空研究開発機構 (JAXA) の藤本正樹教授は、はやぶさ 2 は来年 1 月の着陸を目指していると説明。 岩石を採れれば、りゅうぐうの全体像の理解に役立つとしている。 チームによると、小惑星には通常、ごく小さな天体が衝突して細かな粒が生まれ、表面に砂地ができることが多い。初代「はやぶさ」は調査した小惑星イトカワの砂を地球に持ち帰った。 表面に砂地が見られないのは、砂粒が上空に飛び散って失われたか、天体がぶつかった衝撃で「隙間の多いりゅうぐうの内部に落ちた」といった可能性があるという。 ![]() はやぶさ2が今月初めに放出、りゅうぐうに着陸した欧州の小型機「マスコット」が撮影した画像からは、表面の岩石の特徴が2種類に分けられるという。りゅうぐうは2つの天体がぶつかり合い、ばらばらになった破片の寄せ集めである可能性も考えられている。 (kyodo = 10-27-18) ◇ ◇ ◇ はやぶさ 2 の探査ロボ、リュウグウ着陸に成功 世界初 宇宙航空研究開発機構 (JAXA) は 22 日、探査機「はやぶさ 2」から分離した小型探査ロボット 2 台が、小惑星「リュウグウ」に着陸したと発表した。 小惑星の上を移動できる探査機が着陸に成功したのは、世界で初めて。 JAXA によると、2 台の探査ロボ「ミネルバ 2-1」は 21 日午後、リュウグウの高度 55 メートルで分離。 重力が極めて小さいため、着地した勢いで再び飛び去らないよう、秒速数センチでゆっくりと接近した。 リュウグウに着陸後、内蔵モーターを回転させた反動を使い、地表を跳ねて移動し、カラー画像を撮影した。 2 台とも機能は正常だという。 撮影した画像データは、はやぶさ 2 本体を経由して地球に送られたため、JAXA が着陸を確認できたのは 22 日の夜だった。 2 台は今後、移動しながら地表の温度を測ったり、画像を撮影したりして、10 月に予定されているはやぶさ 2 本体のリュウグウ着陸に備える。 ![]() 2005 年に小惑星「イトカワ」に到着した初代のはやぶさも、同様の探査ロボを積んでいたが、正常に分離できず着陸は失敗しており、今回が再挑戦だった。 吉川真・ミッションマネジャーは「13 年前のはやぶさの時に達成できなかった小惑星表面での移動探査が成功して感無量。 表面の至近距離から撮影された画像には感動した。」としている。 (小宮山亮磨、asahi = 9-22-18)
◇ ◇ ◇ はやぶさ 2、探査ロボ分離へ降下を開始 世界初の着陸挑む 地球から約 3 億キロ離れた小惑星リュウグウを探査中の「はやぶさ 2」は 20 日、小型探査ロボット「ミネルバ 2」を分離するため、降下を始めた。 ミネルバ 2 は 21 日午後にも小惑星表面へ着陸し、跳びはねながら表面の画像撮影などに挑む。 小天体で移動しながら観測するロボットは、成功すれば世界初となる。 はやぶさ 2 は 21 日午後、リュウグウの高度約 60 メートルまで降下。 そこから北半球側へ移動し、同午後 1 時ごろ、高度 50 - 55 メートルあたりでロボット 2 台を分離する。 ロボットはそこからリュウグウの重力に引っ張られて落下し、リュウグウ表面に着陸する計画だ。 計画通りに進めば、はやぶさ 2 は分離したミネルバ 2 の撮影を試みるほか、今月 11 - 12 日の着陸リハーサルで高度600メートルまでで降下を中止したため、これまでで最もリュウグウへ接近することになる。 より詳細なリュウグウ表面の画像を撮影できる可能性もあるという。 ミネルバ 2 には、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) が中心となって開発した「ミネルバ 2 の 1」 2 台と、東北大など 5 大学が開発した「ミネルバ 2 の 2」 1 台の計 3 台があり、今回はミネルバ 2 の 1 の 2 台を分離する。ロボットはそれぞれ直径 17 センチ、高さ 7 センチ、重さは約 1 キロ。 表面を覆う太陽電池で発電し、中に搭載したモーターを回転させ、その反動でジャンプして移動する。 先代の「はやぶさ」は同じような小型探査ロボット「ミネルバ」の分離に失敗し、小惑星表面に届けることができなかった。 地球から出した分離の指令のタイミングが遅かったためで、今回は、はやぶさ 2 が状況に応じて自律的にミネルバ 2 を分離し、リュウグウから宇宙へものが脱出してしまう速度(秒速約 30 センチ以上)よりも小さな速度での分離を目指す。 リュウグウ表面には多くの岩塊(ボルダー)が確認されているが、プロジェクトチームは「リュウグウは重力が非常に小さいので、ボルダーへの衝突はあまり心配していない。 一方、ロボットとリュウグウに電位差があると雷のように火花が散る恐れがあり、その点は警戒している。」と話す。 はやぶさ 2 は着陸リハーサルで、小惑星表面までの距離をレーザー光で計測する装置 (LIDAR) がうまく作動せず、降下を中断した。 原因は、リュウグウが真っ黒で反射率が想定より低く、高度に合わせて装置の調整をした際、反射して戻ってくるはずのレーザー光を検出できなくなったためだ。 吉川真・はやぶさ 2 ミッションマネジャーは「リハーサルでは、反射率の見積もりが甘かった。 高度 600 メートル以下は初めて到達する領域になるため慎重に運用を進めたいが、LIDAR の動作条件の数値を変更することで十分対応できると思う」と説明する。 (永山悦子、mainichi = 9-20-18) ◇ ◇ ◇ はやぶさ 2、小惑星への初着陸リハーサルがうまくいかず自己判断で中止に
地球から遠く 2 億 8 千万 km 離れたところにある直径 900 メートルの小惑星リュウグウ。 そのリュウグウへの着地とサンプル採取のために 2014 年の 12 月に日本を飛び立ったはやぶさ2ですが、2020 年にサンプルと一緒に地球に戻って来る予定です。 今年 6 月にリュウグウに到着したはやぶさ 2 は、接近して写真を撮ったりといろんなミッションをスムーズにこなしてきたのですが、先日の着地リハーサルがうまくいかず、途中で中止になってしまいました。 なんでもこなしてきたはやぶさ 2 も、ミッションで初めて壁にぶつかることに。 本着陸は 10 月下旬に予定されていて、それまでに何回か着陸リハーサルを行なうことになっています。 最初のリハーサルは 9 月 10 日と 12 日。 最初のタッチダウンリハーサル (TD1-R1 と略されています)は、リュウグウには着陸せずに高度 40m のところまで近づき再上昇するというもの。 JAXA によると、今回の TD1-R1 の目的は「探査機運用について確認をすることと、リュウグウ表面を至近距離から撮影することでタッチダウン候補地点の安全性を確認すること」だったそうです。 計画というのはいつだって完璧ではありません。 TD1-R1 の 3 日目に高度約 600m 地点で急にはやぶさ 2 が自動的に止まり、上昇したとのこと。 これは、はやぶさ 2 が自分で判断して起こしたアクションなんですって。 賢い … なんておこがましいですが、でもめちゃめちゃ賢いですね。 どうやら惑星の表面と探査機の間の距離を計るレーザ高度計 (LIDAR) の計測がエラーとなったのが理由みたいです。 原因はリュウグウの表面の光反射が弱く、高度計がうまく働かなかったからではないかと JAXA は話しています。 リハーサルは中止になってしまいましたが、はやぶさ 2 には異常もなく、現在はホームポジションに戻っているそうです。 JAXA は現在、2 回目のタッチダウンリハーサルを計画中で新しい降下手順や LIDAR の設定見直しなどをおこなっているとのこと。 前回はやぶさ 2 が送ってきたリュウグウの表面写真を見ると、表面はゴロッゴロの岩塊だらけでした。 (George Dvorsky、Gizmodo = 9-14-18) ◇ ◇ ◇ はやぶさ 2、リュウグウへの着陸リハ開始 30m まで降下 ![]() 小惑星探査機はやぶさ 2 が 11 日午後、小惑星リュウグウへの着陸リハーサルを開始した。 リュウグウの表面から 30 メートルまで降下し、運用手順のチェックや表面の状況の情報収集をする。 成功すれば、これまでで最も低い高度になる。 最低高度に到達するのは 12 日午後 2 時ごろの予定。 はやぶさ 2 は 6 月 27 日、リュウグウの上空 20 キロに到着。 高度を下げたり移動したりして、リュウグウ表面の撮影や重力の測定、表面物質の特徴の分析など、詳細な観測を続けてきた。 はやぶさ 2 の着陸地点は、直径 100 メートルの範囲内に高さ 50 センチ以上の岩などの障害物がないことが条件。 はやぶさ 2 は機体上部の左右に太陽電池パネルがあり、大きな物体があると着陸時にパネルが壊れる恐れがあるためだ。 ところが、観測の結果、リュウグウの表面にはまんべんなく岩塊(ボルダー)があり、着陸に理想的な「広くて平らな場所」がないことが明らかになった。 そこで、表面の傾斜、表面を撮影した画像などをもとに「まだまし」な場所を絞り込んだ。 さらにボルダーの量や分布を詳細に検討した結果、赤道付近の「L08」地点を候補地に決定した。 また「L08」の隣の「L07」、「M04」の 2 地点をバックアップの候補地とした。 リハーサルでは「L08」へ向けて降下する。 当初は、目標地点にはやぶさ 2 を導く運用の手順や機器のチェックが主な目的だったが、候補地にもボルダーが多くて着陸が難しくなる可能性が出てきたため、低い高度から撮影して情報収集することにした。 リハーサルの結果、着陸地点が変わる可能性もある。 現在、地球とはやぶさ 2 は約 3 億キロ離れており、地球からはやぶさ 2 へ通信し、その「返事」が戻ってくるまで約 35 分かかる。はやぶさ 2 がリュウグウの表面近くにいるときは、地球で危険を察知してからはやぶさ 2 へ指令を出しても間に合わない。 このため、低高度では、はやぶさ 2 が自ら障害物の有無を確認しながら降下し、危険を察知したら自ら判断して降下を中止して上昇する。 このような危険回避の運用が適切にできるかどうかもリハーサルで確認する。 (永山悦子、mainichi = 9-11-18) ◇ ◇ ◇ はやぶさ 2、小惑星リュウグウに到着 1 年半滞在し活動 宇宙航空研究開発機構 (JAXA) は 27 日、探査機「はやぶさ 2」が、地球から約 3 億キロ離れた小惑星「リュウグウ」の上空 20 キロの位置に到着したと発表した。 今後 1 年半にわたって滞在し、地表への着陸や、生命の元となる有機物が含まれていると見られる小惑星内部の砂の採取に挑む。 2020 年に地球に帰還する予定。 はやぶさ 2 は、小惑星「イトカワ」の試料を持ち帰った探査機「はやぶさ」の後継機。 トラブルや故障が相次いだ前回の経験を踏まえ、イオンエンジンや通信機器などが改良されている。 2014 年に種子島宇宙センターから打ち上げ後、地球の引力を使って軌道を変え、リュウグウに向けて約 30 億キロを飛行してきた。 今後、リュウグウの周囲を回って地形や重力などを詳しく調べた後、9 月ごろに初めて着陸して表面の砂を採取する。 来春には、金属片を高速で打ち込んでリュウグウの地表に穴を開け、史上初となる内部の砂の採取も目指す。 (asahi = 6-27-18) ◇ ◇ ◇ ソロモン攻略戦? はやぶさ 2 が撮影の小惑星画像を公開 ![]() 宇宙航空研究開発機構 (JAXA) は 19 日、探査機「はやぶさ 2」が約 240 キロ離れた距離から捉えた小惑星「リュウグウ」の画像を公開した。 金平糖のような形状で、表面には直径 200 メートル超のクレーターも確認できた。 赤道部分がふくらんだ形は、高速で自転する比較的小さな小惑星に見られるという。 この特徴的な形状について、アニメ「機動戦士ガンダム」に登場する、小惑星を利用した宇宙要塞「ソロモン」に似ているというネット上の書き込みもある。 はやぶさ 2 は、27 日にもリュウグウに到着する予定。 (浜田祥太郎、asahi = 6-20-18) ◇ ◇ ◇ はやぶさ 2、「極めて安定した運転」初号機を上回る
「ついに到着の日付が入った。 いよいよ近づいてきた。」 7 日に開かれた宇宙航空研究開発機構 (JAXA) の小惑星探査機「はやぶさ 2」に関する記者説明会で、吉川真・はやぶさ 2 ミッションマネジャーは資料の説明をしながらこう切り出した。 はやぶさ 2 は小惑星リュウグウに 6 月 27 日ごろ到着する。 はやぶさ 2 をリュウグウ近傍まで導いた主エンジン「イオンエンジン」について、担当する西山和孝・JAXA 准教授は「もはやイオンエンジンの実験ミッションではなく、与えられた計画通りにリュウグウへ到着することが求められていた。 自画自賛になるが、初号機(はやぶさ)に比べると極めて安定した運転ができた。」と語った。 イオンエンジンは、電子レンジでおなじみのマイクロ波を使って燃料のキセノンガスを加熱し、イオンと呼ばれる電気を帯びた粒子にしたものを静電気の力ではじき飛ばして、その反動で進む仕組みだ。 4 台あるエンジンのうち 3 台動かしても 1 円玉 3 枚を動かせる程度の小さな力だが、摩擦も空気抵抗もない宇宙で噴き続けることによって加速が可能になる。 はやぶさ 2 は 2016 年 3 月以降、3 回の連続運転に挑み、計 6,515 時間を計画通りに噴射できた。 最後の 3 - 4 週間は、1 台あたり 10 ミリニュートンというエンジンが出せる最大レベルの性能を達成でき、連続運転終了が予定された 6 月 5 日から 2 日前倒しになったという。 先代のはやぶさのイオンエンジンは、往復で当時世界最長となる 2 万 5,590 時間の運転を達成したが、打ち上げ直後に 4 台あるエンジンのうち 1 台が故障。 また、国内で初めて開発して宇宙へ打ち上げたイオンエンジンだったため、少しでも問題があれば運転が止まるようにエンジンにかかわる数値の基準を極めて厳格に設定した。 その結果、自動停止は往復で 68 回に上り、常にイオンエンジンを見守っている状況だったという。 さらに、地球への帰還直前には、運転に不可欠の装置が寿命を迎え、すべてのエンジンが動かなくなる絶体絶命の危機に陥った。 はやぶさ 2 はそれらの経験を教訓とし、不具合が起きた装置の徹底した改良に取り組むとともに、基準に余裕を持たせて必要以上の停止を防ぐなど運転方法も効率化した。 はやぶさ 2 は、往路のイオンエンジンの自動停止は 4 回で済んだ。はやぶさは 376 時間に 1 回止まるペースだったが、はやぶさ 2 は 1,629 時間に 1 回と、極めて安定した運転になっている。 また、地上のアンテナで探査機を追う時間、つまり探査機を「見守る」時間も短くした。 西山さんは「はやぶさの経験値が増え、順調な運転ができたと思う。 プロジェクトチームの中でも評価された。 また、はやぶさのエンジン運転中は毎日 7 - 8 時間かけて追跡していたが、はやぶさ 2 は週 1 回、8 時間程度かけて 1 週間分の計画を登録し、それ以外の日は追跡を 1 日 4 時間の『半パス』とするなど、運用の時間短縮が可能になった」と説明した。 なお、はやぶさ 2 では、A - D の 4 台のエンジンのうち接続できる電源が一つだけの A、D の 2 台を優先して使い、さらに太陽から遠い側にあり運転性能が B よりも高い C を合わせた 3 台が往路の運転を担った。 B は打ち上げ直後に性能確認をしただけで、使用せずに温存されている。 計画通りに往路を完走したことについて、西山さんは「B を使う状況は困ったものなので、A、C、D だけで地球帰還までやりきりたい。 完走については、とても自信があった。 『達成感がない』とまでは言わないが、『当然できるだろう』と冷静な気持ちだった。」と振り返った。 プロジェクトチームは「はやぶさで不具合があったところは絶対に直す。 地上でものを作るまでが勝負。」との思いで開発に取り組み、特に、はやぶさで致命的なトラブルを招いた中和器と呼ばれる装置の耐久性に関しては、打ち上げまでにはやぶさ 2 が想定するイオンエンジンの運転時間(1 万時間)の倍にあたる 2 万時間の耐久試験を終えた。 耐久試験が 4 万 8,000 時間を超えた現在も、問題は起きていない。 西山さんは「根拠のない自信ではなく、抽出された課題に取り組み、その裏付けを取ったことが自信につながったといえる。」 地球帰還についても西山さんは、「大丈夫だと思う」と断言した。 はやぶさ 2 は 3 日以降、リュウグウへ接近するため、カメラでリュウグウを撮影しながら化学エンジンで軌道を調節していく光学航法に移っている。 6 日には光学航法カメラでリュウグウの撮影に成功した。 5 月にリュウグウを撮影した際は 5 等級程度の明るさだったが、6 日はマイナス 5 等級と非常に明るくなった。 また、実際のリュウグウの軌道と計画上の軌道の誤差が、5 月段階は約 220 キロもあったが、既に約 70 - 80 キロまで縮小しているとみられる。 6 日に短い露光時間で撮影した写真を分析すると、リュウグウの大きさは直径 1 キロ程度とみられ、想定(直径 900 メートル)に近いとみられるという。 一方、リュウグウの形や自転軸の向きはまだ分からない。 このような撮影を連日続けて、探査機から見たリュウグウを確認しつつ、すでに軌道が分かっている背景の星々の位置と比較しながら接近していく。 到着には、これからの精密な誘導が不可欠であり、リュウグウに衛星があると探査機の運用に大きな影響を及ぼすため、その観測にも力を入れるという。 吉川さんは「是が非でもちゃんとしたリュウグウを見たいので、プロジェクト一同、全力で進めていきたい」と力を込めたうえで、「いよいよミッションの本番を迎える。 打ち上げから 3 年半の間に重要な運用はあったが、はやぶさ 2 の目的はリュウグウの探査だ。 相手(の姿)によっては対応策を考えなければならず、緊張して運用を進めている」と話した。 (永山悦子、mainichi = 6-9-18) ◇ ◇ ◇ 探査機はやぶさ 2、6 月 21 日にも小惑星リュウグウ到着 宇宙航空研究開発機構 (JAXA) は 19 日、小惑星探査機「はやぶさ 2」が目指している小惑星「リュウグウ」に、約 26 万キロまで近づいたと発表した。 6 月 21 日にも小惑星に到着し、本格的な探査を始める。 はやぶさ 2 は、1 月から最後のイオンエンジン連続運転を始めた。 6 月上旬には、より強力なエンジンに切り替え、軌道修正しながら小惑星に近づく。 6 月 21 日にも高度 20 キロに到着し、9 月ごろの着地を目指す。 プロジェクトマネジャーを務める津田雄一・JAXA 准教授は「接近するほど距離の調整が難しい。 慎重に運用する。」と話している。 JAXA は 19 日、はやぶさ 2 から地上局に送られてくる情報をリアルタイムで見ることができるサイト「はや2NOW (http://haya2now.jp)」を開設した。 エンジンの稼働状況や、どの地上局と通信しているかを見ることができる。 (浜田祥太郎、asahi = 4-19-18) 前 報 (12-3-17) イプシロン 4 号機、打ち上げ 小型衛星 7 基搭載 宇宙航空研究開発機構 (JAXA) は 18 日午前 9 時 50 分、小型ロケット「イプシロン」 4 号機を内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県)から打ち上げた。 民間企業や大学などが開発した 7 基の小型衛星を初めて搭載した。 打ち上げから 70 分後までに衛星を分離する。 民間企業の宇宙開発参入を促す宇宙活動法が 2018 年 11 月に施行されて初の打ち上げとなる。 小型衛星は価格が安くて開発期間が短いため、新興国や民間企業からの需要が見込まれる。 複数の小型衛星の打ち上げに成功すれば、商用打ち上げの実現に向けて追い風になりそうだ。 午前 7 時すぎ、機体を載せた発射台が整備塔から姿を現し、ゆっくりと発射位置まで移動した。 関係者や見学者らが見守るなか飛び立った。 イプシロンはパソコンによる管制システムなどを導入し、小型衛星を安価に打ち上げるために開発された。 これまでに 2013 年、16 年、18 年に打ち上げに成功したが、いずれも搭載した衛星は 1 基だけだった。 4 号機は全長 26 メートル、重さ 95.6 トン。 初めて複数の衛星を載せた。 52 分後、高度 514 キロメートルで小型衛星を分離した。 この衛星は JAXA が民間企業や大学などから公募した様々な実験装置を載せており、実際に宇宙で使えるかどうかなどを試す。 その後、小刻みに高度を変えながら、残りの 6 基を順次、軌道に投入する。 この中には、ベンチャー企業の ALE (エール、東京・港)が開発した人工的に流れ星を発生させる衛星がある。 (nikkei = 1-18-19) 宇宙実験の試料カプセル回収成功 日本初の独自帰還 国際宇宙ステーション (ISS) の実験で作成した試料を収納し、物資補給機「こうのとり」 7 号機から分離したカプセルを回収することに成功したと 11 日、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) が発表した。 日本が ISS の物資を独自に回収したのは初めて。 JAXA は、洋上に着水したカプセルを船で回収したことを午前 10 時 37 分に確認した。 南鳥島を経由して航空機で運ばれ、内部の試料が 13 日に JAXA の筑波宇宙センター(茨城県)に到着する。 こうのとりは ISS から離脱後に大気圏に突入して燃え尽き、物資を持ち帰れない。 このため、日本はこれまで試料の回収を米国とロシアの宇宙船に依存してきた。 試料は鮮度が求められるものもあるが、海外を経由して日本に運ぶため、研究者の手元に届くまで時間がかかった。 独自回収により短時間で届けられるようになる。 カプセルの回収能力は最大約 20 キロ。 米国の宇宙船の約 1.5 トンと比べごくわずかだが、JAXA には試料を回収する機会を増やす狙いがある。 宇宙実験の費用対効果が厳しく問われる中、ISS の運用は 2024 年にも打ち切られる可能性があり、成果の拡大を急ぐ必要があるからだ。 探査機「はやぶさ」は 10 年、小惑星の物質を地球に持ち帰ることに成功したが、カプセルは弾道のように降下するだけだった。 今回のカプセルはエンジンを噴射して姿勢を制御しながら減速し、試料への衝撃を和らげながら降下できる。 この方法は日本が将来、有人宇宙船を開発する場合、船内の飛行士を守るための基礎技術にもつながると期待される。 JAXA の担当者は「ふんわりと降りる技術は、有人宇宙船開発の最初のステップになるかもしれない」と話す。 カプセルは 8 日未明、こうのとりの機体の外側に取り付けられた状態で ISS を出発。 地球上空を周回後、地上からの信号を受けて 11 日午前にこうのとりから分離し、洋上に着水した。 収納した試料は、ISS の日本実験棟「きぼう」で作成されたタンパク質の結晶と金属酸化物で計約 1 キロ。 試料の鮮度を維持するため、内部を 4 度に保つ保冷剤も入れている。 JAXA は試料を研究者に引き渡すとともに、大気圏突入時の高熱に耐えるように開発したカプセルの構造や、鮮度保持の機能などを検証する。 カプセルは 2 年後に打ち上げが見込まれるこうのとり 9 号機にも搭載する可能性がある。 (sankei = 11-11-18) ◇ ◇ ◇ 初の試料回収へ ISS 離脱 こうのとり 7 号機 国際宇宙ステーション (ISS) に係留していた物資補給機「こうのとり」 7 号機が 8 日未明、宇宙実験で作成した試料を地上に回収するための小型カプセルを搭載して ISS を離脱した。 こうのとりは大気圏へ突入し大半が燃え尽きる一方、カプセルは洋上に着水する計画で、日本初の ISS の物資回収に挑む。 こうのとりはロボットアームで ISS の下方に運ばれ、8 日午前 1 時 50 分にアームから放出された。 カプセルは機体の外側に取り付けられており、順調にいけば 11 日午前に高度約 300 メートルで分離。 南鳥島周辺の太平洋に着水し、船で回収する。 カプセルに収納した試料はタンパク質の結晶と金属酸化物で計約 1 キロ。 13 日に宇宙航空研究開発機構 (JAXA) の筑波宇宙センター(茨城県)に運ばれる。 日本は従来、ISS からの物資回収を米国やロシアの宇宙船に頼っていた。 (sankei = 11-8-18) JAXA、「いぶき 2 号」搭載 H2A ロケット打ち上げ 三菱重工業と宇宙航空研究開発機構 (JAXA) は 29 日午後 1 時 8 分、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき 2 号」とアラブ首長国連邦の観測衛星などを載せた H2A ロケット 40 号機を、種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)から打ち上げた。 三菱重工によると、いぶき 2 号は予定軌道に投入されたことが確認された。 いぶき 2 号は、世界初の温室効果ガス観測専用衛星「いぶき(2009 年 1 月打ち上げ)」の後継機。 高度 613 キロから主要な温室効果ガスの二酸化炭素 (CO2) やメタンの濃度を観測する。 初号機から観測精度を大幅に向上させ、CO2 の場合、500 キロ四方で 0.5ppm (ppm は 100 万分の 1)の精度で測定できる。 (大場あい、mainichi = 10-29-18) JAXA、日本初の水星探査へ 20 日打ち上げ 古代から存在は知られているのに探査が難しく、どうやってできたか、何からできているのかがほとんど分かっていない水星。数多くの謎の解明を目指す日本初の探査機が 20 日、欧州の探査機とともに南米フランス領ギアナから打ち上げられる。 構想 21 年、到着までは 7 年の長旅だ。 日本の JAXA が開発した探査機「みお」は水星を取り巻く磁気圏や、ごく薄い大気の分布と運動を調べる。 鏡をまとって太陽光をはね返すなどの熱対策を施した。 欧州宇宙機関の「MPO」はカメラや高度計などを使い、表面の地形や含まれる鉱物を探る。 (kyodo = 10-13-18) ロシアのソユーズ、打ち上げ失敗 宇宙飛行士 2 人は無事 ![]() カザフスタンのバイコヌール宇宙基地で 11 日午前、ロシア人と米国人の男性宇宙飛行士 2 人を乗せたソユーズ宇宙船が打ち上げられたが、2 段目のエンジンが正常に点火できず、打ち上げに失敗した。 ノーボスチ通信などによると、宇宙船はカザフスタン国内に緊急着陸し、2 人にけがはないという。 宇宙船は午前 11 時 40 分に打ち上げられ、国際宇宙ステーション (ISS) に向かっていた。 打ち上げから 119 秒後、1 段目のロケットの分離に問題が起こり、緊急避難システムが作動。 宇宙飛行士の乗ったカプセルのパラシュートが開き、同宇宙基地から北東に約 400 キロの平原に着陸した。 ロシア政府は同日、事故の原因が解明されるまで、有人宇宙船の打ち上げを中止する考えを表明した。 2011 年に米国のスペースシャトルが引退し、ISS への宇宙飛行士の往復は現在、ソユーズ宇宙船が頼りだ。 今年 12 月にも宇宙飛行士 2 人を ISS に運ぶ計画があった。 (モスクワ = 石橋亮介) ソユーズロケット、近年はトラブル続出 ソユーズ宇宙船は 1967 年以降、半世紀以上にわたって使われ続けている宇宙船で、これまでに約 140 回の有人飛行をしてきた。 死亡事故は 1967 年の 1 号と 71 年の 11 号の 2 回で、いずれも地球帰還時に計 4 人が死亡している。 その後は重大な事故はなく、基本構造はそのままで、計算機器などを少しずつ改良しながら高い信頼性を誇ってきた。 ただ、2000 年代以降は、ソユーズ宇宙船を宇宙に運ぶロケット側の失敗が増えていた。 貨物や人工衛星の打ち上げでトラブルが発生する例が相次ぎ、2016 年には国際宇宙ステーション (ISS) に物資を届ける補給船の打ち上げが失敗。 昨年 11 月にはエンジン制御の失敗で気象衛星を軌道に投入できなかった。 単純なミスが原因のことも多く、技術継承が進んでいないことが背景にあるとも指摘されていた。 (asahi = 10-11-18) H2B ロケット打ち上げ成功 兄弟機とあわせ 40 回連続 国際宇宙ステーション (ISS) に物資を運ぶ無人補給船「こうのとり (HTV)」を載せた H2B ロケット 7 号機が 23 日午前 2 時 52 分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。約 15 分後に高度約 290 キロで HTV を切り離し、打ち上げは成功した。 H2B は全長 56.6 メートル、重さ 531 トンで、国産最大のロケット。 2009 年の 1 号機以降、今回を含めて 7 回全ての打ち上げに成功している。 兄弟機の H2A と合わせると、2005 年から 40 回連続の成功となる。 HTV には、ISS に滞在している宇宙飛行士の衣服や食料のほか、地上に実験試料を持ち帰るために宇宙航空研究開発機構 (JAXA) が開発した小型回収カプセルなどが積まれている。 27 日に高度約 400 キロで、ISS の飛行士がロボットアームを操作してキャッチする予定。 打ち上げを予定していた 15 日、直前の点検で 2 段目のエンジンに推進剤を送る際に圧力を調整する部品に異常が見つかり、延期になっていた。 三菱重工業によると、バネのような働きをする部品が 0.1 ミリほど変形していたことが原因とみられる。 同型部品と取り換えて対応したが原因は不明で、10 月に予定されている H2A の打ち上げに影響する可能性もあるという。 二村幸基・執行役員フェローは「また新たな課題が見つかった。 今後の活動に反映したい。」と語った。 (浜田祥太郎、asahi = 9-23-18) ◇ ◇ ◇ H2B ロケット打ち上げ中止 4 時間前の点検で異常発見 三菱重工業と宇宙航空研究開発機構 (JAXA) は 15 日、鹿児島県の種子島宇宙センターで同日午前 5 時 59 分に予定していた H2B ロケット 7 号機の打ち上げを中止したと発表した。 2 段目のエンジンに推進剤を送る部品に異常が見つかったため。 打ち上げには 1 週間以上かかるという。 H2B は、国際宇宙ステーション (ISS) 向けの物資や小型衛星を積んだ補給船「こうのとり (HTV)」を打ち上げる予定だった。 三菱重工によると、打ち上げ 4 時間前の点検で、2 段目のロケットエンジンに液体酸素を送り込む際に圧力を調整する「ベントリリーフバルブ」で異常が見つかった。 酸素が必要な圧力に達しないため、燃焼に必要な酸素を供給できない可能性があるという。 詳しい原因は不明で、同じ部品を使っている H2A、H2B シリーズで初めてのトラブル。 バルブを愛知県小牧市の同社工場に持ち帰って原因を調べる。 打ち上げまでに最短 1 週間かかり、追加の試験が必要になればさらに時間がかかるとしている。 会見した二村幸基・打上執行責任者は「かなり重大な課題。 手前でチェックはできたが、(予定通りに打ち上げる)期待に応えられなかったことは残念」と話した。 JAXA によると、ISS の食料や燃料には数カ月分以上の余裕はあるが、H2B の打ち上げが 1 カ月以上遅れると、こうのとりの電池などの再点検が必要になるという。(浜田祥太郎、竹野内崇宏、asahi = 9-15-18) ◇ ◇ ◇ JAXA、帰還カプセルを ISS へ 有人宇宙船開発期待 宇宙航空研究開発機構 (JAXA) は、種子島宇宙センターから 11 日に H2B ロケットで打ち上げる無人補給船「こうのとり (HTV)」 7 号機で、大気圏に再突入して地球に帰還できる小型カプセルを国際宇宙ステーション (ISS) に送る。実験試料を入れて帰還させる予定で、将来の有人宇宙船開発にもつなげたい考えだ。 HTV はこれまで、ISS に食料や衣料品を届けた後は、ゴミを積んで大気圏に再突入して燃やしていた。 実験試料を地球に持ち帰るのは、米国やロシアに頼ってきたため、時間やコストが課題になっている。 JAXA は今回、縦 65 センチ、横 84 センチの円錐形のカプセルを作製。 内部の魔法瓶のような容器に、実験試料約 5 リットル分を入れることができる。 再突入時、カプセルの表面温度は最高 2 千度に達するが、内部は 4 度に保たれるという。 (浜田祥太郎、asahi = 9-8-18) 日本初の有人月面着陸機 JAXA が構想 米アポロ以来 60 年ぶり 宇宙航空研究開発機構 (JAXA) が日本初の有人月面着陸機を開発する構想が 16 日、明らかになった。 米国が 2020 年代に建設を目指す月基地への参加を念頭に置いたもので、欧州と連携し 30 年ごろに着陸を目指す。 実現すれば米国のアポロ計画以来、約 60 年ぶりの月面着陸を日本が担う歴史的なプロジェクトになる。 構想によると、着陸機は 4 本脚のテーブルのような形状で、上部に欧州が開発する離陸船を連結させる。 月の上空を周回する基地に係留し、飛行士 4 人が船内に乗り移り降下。 エンジンを逆噴射して月面に軟着陸する。 カナダの探査車に乗って 2 日程度滞在し、月面を探査。 帰還時は着陸機を月に残し、離陸船だけが上昇し基地に戻る。 基地出発から帰還まで 4、5 日の予定で、ほぼ年 1 回、計 5 機程度の着陸を見込んでいる。 機体は米国のロケットで打ち上げる。 1960 年代に人類初の月面着陸に成功したアポロ(2 人乗り)と比べ、離陸船と合わせた重さは 2 倍の約 35 トン、大きさは約 1.3 倍の見込みだ。 米国は 2022 年にも月基地の建設を開始する。 国際宇宙ステーション (ISS) に続く宇宙基地と位置付け、各国に協力を呼びかけており、日本政府も参加を検討している。 米国はここを拠点に、30 年代に有人火星飛行を目指す。 月面着陸機は米航空宇宙局 (NASA) など各国の宇宙機関が共同で作成した宇宙探査の工程表に盛り込まれており、今後は国際的な調整が進むとみられる。 JAXA は昨年 6 月、日本人の月面着陸を目指す考えを公表したが、着陸機の構想は初めて。 3 年後に打ち上げる無人月面着陸機「SLIM (スリム)」で実証する高精度の着陸技術を有人でも生かす。 (sankei = 8-17-18)
情報収集衛星レーダー 6 号機の打ち上げ成功 北朝鮮や中国の監視強化 政府の情報収集衛星レーダー 6 号機を搭載した H2A ロケット 39 号機が 12 日午後 1 時 20 分、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。 衛星は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。 北朝鮮の核ミサイル施設や、積極的な海洋進出を続ける中国艦船の監視強化に役立つ。 レーダー 6 号機は設計上の寿命を超えて運用している 4 号機の後継衛星。 電波を使って夜間や曇りでも地上を撮影できる。 識別可能な物体の大きさは運用中の 5 号機とほぼ同じ 50 センチ程度とみられ、性能は 4 号機の約 2 倍に向上。車の種類が判別できるレベルで、高精細の白黒画像をより高い頻度で撮影できるようになる。 開発費は 242 億円、打ち上げ費は 108 億円。 情報収集衛星はレーダー衛星と、デジタルカメラのようなセンサーで日中の晴天時にカラー撮影できる光学衛星で構成。 計 4 基がそろうと、地上のどこでも 1 日 1 回撮影できる本格運用が可能になる。 現在はレーダー 4 基と光学 3 基の計 7 基が稼働している。 政府は撮影回数の増加に向け、レーダー、光学 4 基ずつとデータ中継用の静止衛星 2 基の計 10 基体制を目指している。 (sankei = 6-12-18) |