昨年の経常黒字、過去最高 29 兆円 海外で収益、一部は国内に戻らず 海外との貿易や投資によるお金の出入りを示す 2024 年の経常収支は、29 兆 2,615 億円の黒字だった。 黒字は前年より 29.5% 増え、17 年ぶりに過去最高を更新。 海外への投資によるもうけが円安で膨らんだ。 ただ、もうけの一部は海外にとどまり、海外の巨大 IT 企業への支払いによる「デジタル赤字」も重なって、円安が解消されにくくなっている。 財務省が 10 日に 24 年の国際収支(速報)を発表した。 経常黒字の最大の要因は、経常収支のうち、海外投資のもうけを示す第 1 次所得収支の黒字が、過去最高の 40 兆 2,072 億円になったことだ。 海外で稼いだドルなどの外貨が、円安によって円換算で膨らんだ。 一方、モノの輸出入を示す貿易収支は 3 兆 8,990 億円の赤字で、3 年連続の赤字だった。 貿易収支は 07 年までは 10 兆円以上の黒字だったが、製造業の多くが海外に製造拠点を移し、エネルギーの輸入も増加。 もうけの源泉が輸出ではなく、投資に変わったことが鮮明となった。 ただ、投資によるもうけの一部は、国内に戻ってきていない。 第 1 次所得収支のうち、海外子会社のもうけにあたる直接投資収益は、24 年に過去最高の 24 兆 5,518 億円だった。 しかし、その約半分の 12 兆 1,215 億円は、海外子会社の内部留保だ。 国内への投資に回らず、巨額の外貨が円に交換されていない可能性が高い。 また、ネット上でのデータ管理や動画配信といったデジタルサービス関連の収支は、米国の巨大 IT 企業への支払いが増え、過去最大の 6 兆円超の赤字となった。 こうしたデジタル赤字や貿易赤字は、海外への支払いのために、円を売ってドルを買う動きが強まっていることを意味する。 みずほ銀行の唐鎌大輔氏は「昔よりも円が流出しやすい経済構造になり、国内で円安による物価高が収まりづらくなっている。 国内に投資を増やし、価値の高い製品を生産、輸出できる構造に変えていく必要がある。」と指摘する。 (徳島慎也、asahi = 2-10-25) 貿易赤字、昨年は 5 兆 3,326 億円 … 前年の 9 兆 5,220 億円から大幅減少 財務省が 23 日発表した 2024 年の貿易統計(速報)によると、全体の輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 5 兆 3,326 億円の赤字だった。 貿易赤字は 4 年連続だが、赤字幅は前年(9 兆 5,220 億円)から 44.0% 減となった。 円安の影響などで、輸出額は前年比 6.2% 増の 107 兆 0,913 億円となり、比較可能な 1979 年以降で最大となった。 増加は 4 年連続で、100 兆円超えは 2 年連続となる。 中国向けなどの半導体製造装置が 27.2% 増と大きく伸びたほか、米国向けのハイブリッド車 (HV) を中心に自動車も 3.7% 増えた。 輸入額は 1.8% 増の 112 兆 4,238 億円で、2 年ぶりに増加に転じた。 米国からのパソコンなど電算機類が 31.7% 増、チリからの銅など非鉄金属鉱が 14.7% 増だった。 一方、エネルギー関連は価格が下落したことで減少が目立った。 オーストラリアなどからの石炭が 22.9% 減、サウジアラビアなどからの原粗油は 4.4% 減だった。 24 年の平均為替レートは 1 ドル = 150 円 97 銭で、前年(140 円 17 銭)より 10 円以上の円安だった。 この影響で、輸入は数量ベースで 2.5% 減となったが、金額は前年を上回った。 財務省が同日発表した 24 年 12 月の貿易収支は 1,309 億円の黒字となった。 黒字は 6 か月ぶり。 輸出額は前年同月比 2.8% 増の 9 兆 9,106 億円、輸入額は 1.8% 増の 9 兆 7,797 億円だった。 (yomiuri = 1-23-25) 貿易収支、8 月は 6,953 億円の赤字 赤字幅は市場予想下回る [東京] 財務省が 18 日発表した貿易統計速報によると、8 月の貿易収支は 6,953 億円の赤字だった。 赤字は 2 カ月連続。 ロイターの予測中央値は 1 兆 3,800 億円の赤字で、赤字幅は予想を下回った。 貿易収支のうち、輸出は前年同月比 5.6% 増の 8 兆 4,419 億円だった。 半導体等製造装置や半導体等電子部品、科学光学機器などの輸出が伸びた。 プラスは 9 カ月連続となる。 地域別ではアジア、中国向けの輸出額がいずれも前年同月を上回った。 一方、米国向けは前年同月比 0.7% 減の 1 兆 6,066 億円と、35 カ月ぶりの減少となった。 欧州連合 (EU) 向けは同 8.1% 減だった。 輸入は前年同月比 2.3% 増の 9 兆 1,372 億円で、5 カ月連続の増加だった。 医薬品や石油製品などがプラスに寄与した。 ( 山口貴也、Reuters = 9-18-24) 経常黒字 3 兆 1,930 億円 7 月で過去最大、配当好調 財務省が 9 日発表した 7 月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支の黒字額は前年同月比 15.1% 増の 3 兆 1,930 億円だった。 18 カ月連続の黒字で、比較可能な 1985 年以降では 7 月として最大の黒字額となった。 海外からの投資の利子や配当といった第 1 次所得収支の黒字幅が伸びた。 輸出から輸入を差し引いた貿易収支の赤字額は 4,827 億円だった。 輸出は 9.7% 増の 9 兆 4,171 億円。 輸入は 16.8% 増の 9 兆 8,999 億円となった。 (sankei = 9-9-24) 貿易収支、6 月は 2,240 億円の黒字 市場予想に反して黒字 3 カ月ぶり [東京] 財務省が 18 日発表した貿易統計速報によると、6 月の貿易収支は 2,240 億円の黒字だった。 黒字は 3 カ月ぶり。 ロイターの予測中央値は 2,400 億円の赤字で、予想に反して黒字となった。 貿易収支のうち、輸出は前年同月比 5.4% 増の 9 兆 2,086 億円だった。 半導体等製造装置や非鉄金属、プラスチックなどの輸出が伸びた。 プラスは 7 カ月連続となる。 地域別では、米国やアジア、中国向けの輸出額が前年同月を上回った。 一方、欧州連合 (EU) 向けは前年比 13.4% 減と、3 カ月続けて減少した。 輸入は同 3.2% 増の 8 兆 9,846 億円で、3 カ月連続の増加だった。 電算機類や原動機、通信機がプラスに寄与した。 同時に発表した 2024 年 1 - 6 月の貿易収支は、前年同期比 53.7% 減の 3 兆 2,345 億円の赤字だった。 (山口貴也、Reuters = 7-18-24) 貿易収支、5 月は 1 兆 2,213 億円の赤字 市場予想とほぼ一致 [東京] 財務省が 19 日発表した貿易統計速報によると、5 月の貿易収支は 1 兆 2,213 億円の赤字となった。 赤字は 2 カ月連続。 ロイターがまとめた民間調査機関の予想中央値は 1 兆 3,137 億円の赤字で、公表された赤字幅は予想とほぼ一致した。 貿易統計のうち、輸出は前年同月比 13.5% 増の 8 兆 2,766 億円だった。 自動車や半導体製造装置、半導体電子部品などの輸出が伸びた。 プラスは 6 カ月連続となる。 地域別では、米国やアジア、中国向けの輸出額が前年同月を上回った。 一方、欧州連合 (EU) 向けは前年比 10.1% 減と、2 カ月続けて減少した。 輸入は、前年同月比 9.5% 増の 9 兆 4,979 億円で、2 カ月連続の増加だった。 石油製品や原粗油などがプラスに寄与した。 (山口貴也、Reuters = 6-19-24) 経常黒字、過去最大 25 兆円 貿易赤字縮小、旅行収支も最高 - 23 年度 財務省が 10 日発表した 2023 年度の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支は、25 兆 3,390 億円と過去最大の黒字となった。 貿易収支の赤字幅縮小が主因で、黒字額は比較可能な 1985 年度以降で最高だった 07 年度の 24 兆 3,376 億円を上回った。 経常黒字額は前年度と比べ 2.8 倍となった。 訪日客の増加で旅行収支の黒字額が最高だったことも寄与した。 輸出は、半導体の供給制約が緩和した自動車が好調で 2.1% 増の 101 兆 8,666 億円。 輸入は、石炭や液化天然ガス (LNG) 、原油の価格高騰が一服した影響で 10.3% 減の 105 兆 4,391 億円だった。 輸出から輸入を引いた貿易収支は 3 兆 5,725 億円の赤字で、前年度と比べ赤字幅が 8 割縮小した。 輸送や旅行などのサービス収支は、2 兆 4,504 億円の赤字。 訪日客数が前年度比 3.4 倍に増え、旅行収支は 4 兆 2,295 億円と、過去最大だったコロナ禍前の 19 年度を上回った。 一方、ネット広告などのサービスの取引を示すデジタル関連収支は 5 兆 5,714 億円のマイナスと、最大の赤字幅を更新した。 (jiji = 5-10-24) 2 月経常黒字、2.6 兆円 貿易赤字が縮小 - 財務省 財務省が 8 日発表した 2 月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引、投資収益の状況を示す経常収支は 2 兆 6,442 億円の黒字だった。 黒字は 13 カ月連続で、前年同月比 20.2% 増。 自動車の輸出額が伸びて貿易赤字が縮小したことが経常黒字額を押し上げた。 輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 2,809 億円の赤字で、赤字額は前年同月の 5,8660 億円から半減した。 輸出額は、自動車や自動車部品などが増えて 5.5% 増の 8 兆 0,971 億円。 輸入額は、石炭や液化天然ガス (LN) が減った一方、衣類などの増加で 1.4% 増の 8 兆 3,780 億円だった。 (jiji = 4-8-24) 経常収支、1 月は 4,382 億円の黒字 貿易赤字縮減でプラス転換 [東京] 財務省が 8 日発表した国際収支状況速報によると、1 月の経常収支は 4,382 億円の黒字となった。 ロイターが民間調査機関に行った事前調査の予測中央値は 3,304 億円程度の赤字で、予想に反して黒字に転じた。 経常収支のうち、貿易・サービス収支は 1 兆 9,638 億円の赤字だった。 貿易収支は 1 兆 4,427 億円の赤字で、前年同月に比べて赤字幅を縮減した。 一方、第 1 次所得収支は 2 兆 8,516 億円の黒字だった。 第 2 次所得収支は 4,496 億円の赤字。 (山口貴也、Reuters = 3-8-24) 1 月の貿易収支 1 兆 7,583 億円の赤字 輸出の伸び鈍く 財務省が 21 日公表した 1 月の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 1 兆 7,583 億円の赤字だった。 赤字幅は前年同月に比べて 49.9% 縮小した。 2 カ月ぶりに貿易赤字となった。 全体の輸入額は 9 兆 909 億円で、9.6% 減った。 減少は 10 カ月連続だ。 輸出額は 7 兆 3,326 億円で 11.9% 増え、2 カ月連続で増加した。 数量ベースでも 2.3% 増えた。 輸入は資源関連が全体を押し下げた。 原油が 9,162 億円で 9.2% 減、液化天然ガス (LNG) が 6,224 億円で 28.8% 減、石炭が 4,299 億円で 43.2% 減となった。 原油はドル建て価格が 1 バレルあたり 85.8 ドルと前年同月から 2.9% 下がった。 円安傾向となった影響で、円建て価格は 1 キロリットルあたり 7 万 7,647 円と 5.9% 上がった。 地域別では米国が 1 兆 83 億円で 6.0% 増、アジアが 4 兆 4,820 億円で 7.0% 減だった。 輸出は鉱物性燃料が 1,220 億円と 32.7% 減った。 米国向けの自動車や、中国向けの IC 製造用など半導体等製造装置は伸びた。 地域別にみると米国向けが 1 兆 4,233 億円で 15.6% 増えた。 アジア向けが 3 兆 8,964 億円で 13.5% 増、中国向けは 1 兆 2,502 億円で 29.2% 増だった。 1 月の貿易収支は季節調整値でみると 2,352 億円の黒字となった。 輸入が前月比で 10.5% 減の 8 兆 5,299 億円、輸出が 3.6% 減の 8 兆 7,652 億円だった。 (nikkei = 2-21-24) 23 年の経常黒字、2 年ぶりの 20 兆円台 資源高一服、訪日客増も 2023 年の国際収支(速報)は、貿易や投資による海外とのお金の出入りを示す経常収支の黒字が前年より 92.5% 増の 20 兆 6,295 億円だった。 20 兆円台になるのは 2 年ぶりで過去 5 番目の水準となった。 資源高が一服し、貿易赤字が大幅に圧縮された。 財務省が 8 日発表した。 モノの輸出は自動車などが好調で 1.5% 増の 100 兆 2,743 億円、輸入は 6.6% 減の 106 兆 9,032 億円だった。 その結果、貿易赤字は 6 兆 6,290 億円となり、過去最大だった前年(15 兆 7,436 億円)から縮小した。 一方、海外子会社から企業が受け取る配当などの「第 1 次所得収支」の黒字は前年比 0.3% 増の 34兆 5,573 億円で、過去最高を更新した。 円安の影響も大きかった。 コロナ禍が落ち着いて訪日外国人客が大幅に増え、旅行収支は過去最高の 3 兆 4,037 億円(前年比 5.45 倍)の黒字になった。 一方、海外の巨大 IT 企業へのネット広告料の支払いなどがかさみ、旅行を含むサービス収支全体では 3 兆 2,026 億円の赤字だった。 同時に発表した昨年 12 月の経常収支は 7,443 億円の黒字(前年同月は 95 億円の黒字)で、11 カ月連続の黒字となった。 (高木真也、asahi = 2-8-24) 23 年貿易赤字は 9 兆 2,914 億円、過去最大の前年から半減 … エネルギー価格の高騰一服 財務省が 24 日発表した 2023 年の貿易統計(速報)は、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支が 9 兆 2,914 億円の赤字だった。 貿易赤字は過去最大だった 22 年(20 兆 3,295 億円)から 54.3% 縮小した。 輸出額が初めて 100 兆円を超え、エネルギー価格の高騰が一服して輸入額が減ったことが主な要因だ。 貿易赤字は 3 年連続だ。 輸出額は 2.8% 増の 100 兆 8,866 億円だった。 半導体不足の解消もあり、自動車の輸出額が 32.7% 増えた。 輸出数量も 17.9% 増の約 597 万台だった。 自動車を含む輸送用機器全体の輸出額も 24.0% 増だった。 輸送用機器以外の主要項目では輸出額の減少が目立ち、半導体製造装置が 13.0% 減、化学製品が 6.5% 減などとなった。 国・地域別では、米国向けが 11.0% 増の 20 兆 2,668 億円だった。 比較可能な 1979 年以降で最も多く、4 年ぶりに中国を上回って最大の輸出相手国になった。 経済の減速感が強まっている中国向けは 6.5% 減の 17 兆 7,647 億円だった。 鉄鋼や自動車部品などの減少が目立った。 輸入額は 7.0% 減の 110 兆 1,779 億円で、3 年ぶりに減少した。 原粗油が 16.1% 減となるなどエネルギー関連が減少したが、円安の影響もあって 2 年連続で 110 兆円を超えた。 第一生命経済研究所の大柴千智氏は「23 年は自動車生産の回復が輸出を牽引したが、基調として輸出は弱い。 停滞感の強い状況が続くのではないか。」と指摘した。 財務省が同日発表した 23 年 12 月の貿易収支は 621 億円の黒字で、3 か月ぶりの貿易黒字だった。 (yomiuri = 1-24-24) 10 月の貿易赤字 6,625 億円、前年比 7 割縮小 資源高一服 財務省が 16 日発表した 10 月の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 6,625 億円の赤字だった。 赤字は 2 カ月ぶり。 赤字幅は前年同月比で 70.0% 縮小した。 資源高が一服して輸入額が減った。 輸入額は 9 兆 8,096 億円で 12.5% 減少した。 輸出額は 9 兆 1,470 億円で 1.6% 増えた。 輸入を見ると、原油が 1 兆 0,146 億円で 16.8% 減、液化天然ガス (LNG) が 4,955 億円で 37.6% 減、石炭が 4,231 億円で 45.7% 減と資源関連が押し下げた。 原油はドル建て価格が 1 バレルあたり 92.7 ドルと前年同月から 12.6% 下がった。 円建て価格は 1 キロリットルあたり 8 万 6,808 円と 10.3% 下落している。 地域別では中国からの輸入が 2 兆 3,255 億円で 2.9% 減った。電算機類や半導体など電子部品が落ち込んだ。 米国は 1 兆 134 億円で 4.5% 減だった。 航空機類や液化石油ガスの減少幅が大きかった。 輸出は半導体等製造装置が 2,858 億円で 18.2% 減少した。 船舶や自動車などは増えた。 地域別では中国向けが 1 兆 6,512 億円で 4.0% 減少した。 半導体など電子部品や鉄鋼が落ち込んだ。 米国向けは 1 兆 9,286 億円で 8.4% 増えた。 ハイブリッド車など自動車の輸出が 5,536 億円と 37.9% 増加した。 10 月の貿易収支は季節調整値で見ると、4,620 億円の赤字だった。 輸入が前月比で 0.7% 減の 9 兆 2,616 億円、輸出が 1.2% 減の 8 兆 7,996 億円だった。 赤字幅は9.9%拡大した。 (nikkei = 11-16-23) 上半期の貿易赤字 2.7 兆円、赤字幅は 7 割減 自動車輸出は半期最高 財務省が 19 日発表した 2023 年度上半期(4 -9 月)の貿易統計(速報値)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 2 兆 7,184 億円の赤字だった。 赤字基調が続くものの、10 兆 9 千億円と半期ベースで過去最大だった前年度と比べれば、赤字幅は 7 割以上縮んた。 輸入額は前年同期比 12.4% 減の 52 兆 9,602 億円となる一方、輸出額は同 1.4% 増の 50 兆 2,418 億円だった。 輸入の品目別では原油が 28.1% 減、石炭が 37.2% 減、液化天然ガスが 37.9% 減と資源・エネルギー関連が大きく減った。 ロシアのウクライナ侵攻で加速した価格高騰の影響が和らいだ。 輸出では、半導体不足が解消した自動車は 37.9% 増の 8 兆 7,406億円。 半期として過去最高だった。 同日発表された 9 月の貿易統計(同)は貿易収支が 624 億円の黒字だった。 黒字は 3 カ月ぶり。 魚介類を含む中国向け食料品の輸出額は前年同月比 58.0% 減の 98 億円だった。 (東谷晃平、asahi = 10-19-23) 8 月の経常収支、7 カ月連続で黒字 2.2 兆円 財務省が 10 日発表した 8 月の国際収支統計(速報)によると、海外とのモノやサービスなどの取引状況を示す経常収支は 2 兆 2,797 億円の黒字だった。 黒字は 7 カ月連続で、前年同月のおよそ 3 倍になった。 資源高の一服で輸入額が減少し、貿易赤字の縮小が経常黒字を下支えした。 経常収支は輸出から輸入を差し引く貿易収支や、外国との投資のやり取りを示す第 1 次所得収支、旅行収支を含むサービス収支などで構成する。 8 月は原油高などが落ち着いていたことから貿易収支が改善した。 インバウンド(訪日外国人)の増加で旅行収支が 2,582 億円の黒字と比較可能な 1996 年以降で同月としては最大だった。 貿易収支は 7,495 億円の赤字で、赤字幅は前年同月から 1 兆 7,113 億円縮んだ。 輸入額が 18.2% 減の 8 兆 6,430 億円、輸出額が 2.6% 減の 7 兆 8,935 億円だった。 輸入額の減少はエネルギー価格の低下が要因で、商品別に見ると石炭が 48.6% 減、液化天然ガス (LNG) が 43% 減、原油を含む原粗油が 24.2% 減だった。 8 月の原油の輸入価格はドルベースで 1 バレルあたり82 ドル 8 セントと 27% 下落していた。 第 1 次所得収支は 3 兆 6,387 億円の黒字で 8% 減少した。サービス収支が 3,029 億円の赤字だった。 季節調整値で見た経常収支は 1 兆 6,349 億円の黒字で前月比 40.9% 減だった。 貿易赤字は 4,360 億円で前月から拡大した。 (nikkei = 10-10-23) 8 月貿易収支 2 か月連続の赤字 中国経済減速で輸出額減少 先月の貿易収支は中国経済の減速の影響で中国向けの輸出額が減少したことなどから、2 か月連続の貿易赤字となりました。 財務省が発表した貿易統計によりますと、輸出から輸入を差し引いた先月の貿易収支は 9,305 億円の赤字となりました。 貿易収支の赤字は 2 か月連続で、赤字額は去年の同じ月より 66.7% 減り、大幅に縮小しました。 内訳を見ますと、輸入額は原油や LNG = 液化天然ガスといったエネルギーの輸入価格が下落したことで、8 兆 9,248 億円と去年の同じ月と比べて 17.8% 減りました。 これに対し、輸出額はアメリカ向けの自動車などが伸びた一方で、台湾や東南アジア向けの半導体製造装置が落ち込んだことなどが影響して、7 兆 9,943 億円と去年の同じ月より 0.8% 減りました。 また、国別では、最大の貿易相手国である中国向けの輸出額が去年の同じ月より 11% 減っていて、中国経済の減速が貿易収支の赤字に影響する形となっています。(NHK = 9-20-23) 7 月の旅行収支、過去最大の 3,368 億円黒字 訪日客の回復が順調 財務省が 8 日に発表した 7 月の国際収支(速報)で、訪日外国人の消費額から日本人が海外で使った金額を引いた「旅行収支」が 3,368 億円の黒字となった。 コロナ禍で低迷していた訪日客の回復によって前年同月から 3,117 億円増え、比較可能な 1996 年以降で過去最大の黒字となった。 旅行収支のこれまでの最大は 2020 年 1 月の 2,962 億円。 その後はコロナ禍で 200 億円前後の黒字に減っていたが、政府の水際対策の緩和などで昨年 12 月以降は 2 千億円台に回復していた。 日本政府観光局 (JNTO) によると、今年 7 月の訪日外国人客は 232 万 600 人で、コロナ禍前の 2019 年 7 月の 8 割近くに回復。 一方で日本人の出国数は 89 万 1,600 人で 5 割余りの回復にとどまったため、旅行収支の黒字幅が拡大した。 旅行収支の黒字も影響し、貿易や投資を含めた海外とのお金の出入りの全体を示す「経常収支」は 2 兆 7,717 億円の黒字となった。 前年同月から 1 兆 8,831 億円増え、7 月としては過去最大の黒字。 海外子会社から企業が受け取る配当金など、海外投資からのもうけを示す「第 1 次所得収支」が 7 月として過去最大の 3 兆 5,781 億円の黒字だったほか、貿易収支も 682 億円の黒字となった。 (松山尚幹、asahi = 9-8-23) 7 月貿易収支 787 億円の赤字 半導体製造装置など輸出額減少で 7 月の貿易収支は原油などの輸入額が減る一方で、半導体製造装置などの輸出額も減少したことが影響して、2 か月ぶりの貿易赤字となりました。 ただ、赤字額は 787 億円の赤字と、去年の同じ月より 90% 以上減って大幅に縮小しました。 財務省が発表した先月の貿易統計によりますと、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は 787 億円の赤字でした。 貿易収支は 2 か月ぶりの赤字となりましたが、赤字額は去年の同じ月より 94.5% 減って、大幅に縮小しました。 内訳を見ますと、輸入額は原油や LNG = 液化天然ガスなどの輸入価格の下落が続いたことが影響し、8 兆 8,037 億円と、去年の同じ月と比べて 13.5% 減りました。 一方で、輸出額も半導体関連の製造装置や電子部品が落ち込んだことが影響し、8 兆 7,250 億円と 0.3% 減りました。 また、国別に見ますと、最大の貿易相手国である中国向けの輸出額が去年の同じ月より 13.4% 減少し、中国経済の減速が影響した結果となっています。 (NHK = 8-17-23) 貿易収支 23 カ月ぶり黒字 6 月、資源高一服で輸入額減少 財務省が 20 日発表した 6 月の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 430 億円の黒字だった。 黒字は 23 カ月ぶり。 資源価格の高騰が一服して原油などの輸入額が減少し、半導体不足の緩和で自動車などの輸出額が増えた。 輸入額は 3 カ月連続で前年同月を下回った。 2023 年上期(1 - 6 月)の貿易収支は 6 兆 9,603 億円の赤字だった。 赤字額は前年同期比で 12.9% 減少した。 半期ベースの赤字は 4 期連続。 自動車の生産が勢いを増し、輸出の総額が 47 兆 3,539 億円と 3.1% 伸びた。 6 月単月の輸入は 8 兆 7,010 億円で前年同月比で 12.9% 減少した。 原粗油が 36.2% 減の 7,399 億円、液化天然ガス (LNG) が 33.2% 減の 3,943 億円で輸入額を押し下げた。 サウジアラビアやオーストラリアからの輸入が減った。 原粗油はドル建て価格が前年同月を 29.8% 下回った。 為替レートは 6.8% の円安になっているものの、円建て価格も 25.0% 下がった。 世界銀行によると、2023 年 6 月の WTI (ウエスト・テキサス・インターミディエート)の月平均価格は 1 バレルあたり 70.2 ドルで、前年同月の 114.5 ドルから 38.7% 下がっている。 輸出は 8 兆 7,440 億円で前年同月比で 1.5% 伸びた。 増加は 28 カ月連続。 自動車が 49.7% 増の 1 兆 5,677 億円で、額は単月で過去最大となった。 半導体等製造装置は 2,881 億円で 17.7% 減った。 輸出を地域別で見ると、米国向けが 1 兆 7,387 億円で前年同期比で 11.7% 増えた。 増加は 21 カ月連続。 自動車が 5,231 億円と 56.5% 増え、全体を引き上げた。 中国向けは 1 兆 5,183 億円で 11.0% 減少した。 減少は 7 カ月連続。 鉄鋼が 405 億円で 30.2% 減っている。 欧州連合 (EU) 向けは 9,181 億円と 15.0% 増加した。 自動車が 1,883 億円と 78.8% 伸びた。 EU との貿易収支は 262 億円の赤字で、赤字幅は 81.3% 縮小した。 6 月単月の貿易収支を季節調整値で見ると、5,532 億円の赤字だった。 輸入が前月比で 0.5% 増の 8 兆 8,224 億円、輸出が 3.3% 増の 8 兆 2,692 億円だった。 貿易収支の赤字幅は 28.2% 縮小した。 (nikkei = 7-20-23) 経常黒字 2.4 倍の 1 兆 8,624 億円 5 月の国際収支 財務省が 10 日発表した 5 月の国際収支統計(速報)によると、海外とのモノやサービスなどの取引状況を表す経常収支は 1 兆 8,624 億円の黒字だった。 黒字は 4 カ月連続で、前年同月の 2.4 倍になった。 資源高の一服により輸入額は減少。 貿易赤字が縮小し経常黒字を下支えした。 経常収支は輸出から輸入を差し引いた貿易収支や、外国との投資のやり取りを示す第 1 次所得収支、旅行収支を含むサービス収支などで構成する。 貿易収支は 1 兆 1,867 億円の赤字と、前年同月から赤字幅は 7,514 億円縮小した。 輸出額は 2.8% 減の 7 兆 2,412 億円と、27 カ月ぶりに減少に転じた。 景気回復の勢いが鈍化する中国など海外経済の減速が響いた。 輸入額は 10.2% 減の 8 兆 4,279 億円だった。 商品別にみると原油を含む原粗油が 21.7% 減、液化天然ガス (LNG) が 31.6% 減だった。 エネルギー価格の低下が影響した。 5 月の原油の輸入価格はドルベースで 1 バレルあたり 86 ドル 33 セントと 19.9% 下落。 円ベースで 1 キロリットルあたり 7 万 3,504 円と 16.1% 下がった。 第 1 次所得収支の黒字は 17% 増の 3 兆 6,319 億円だった。 5 月としては比較可能な 1985 年以降で最大だった。 製薬や自動車といった産業で海外子会社からの配当金といった直接投資収益が伸びた。 海外の金利上昇を受けて債券利子の受け取りも増えた。 サービス収支の赤字は 2,409 億円と赤字幅が 590 億円拡大した。 インターネット広告などのマーケティング費用の支払い増加などにより「その他サービス収支」の赤字幅が拡大した。 訪日外国人の消費額から日本人が海外で使った金額を引いた旅行収支は 2,744 億円の黒字と前年同月の 8.5 倍に達した。 (nikkei = 7-10-23) 経常黒字 76% 増の 1 兆 8,951 億円 4 月、貿易赤字が縮小 財務省が 8 日発表した 4 月の国際収支統計(速報)によると、海外とのモノやサービスなどの取引状況を表す経常収支は 1 兆 8,951 億円の黒字だった。 黒字は 3 カ月連続で、金額は前年同月比で 76.3% 増えた。 原油などのエネルギー価格が下がり、輸入額の減少で貿易赤字が縮んだ。 経常収支は輸出から輸入を差し引いた貿易収支や、外国との投資のやり取りを示す第 1 次所得収支、旅行収支を含むサービス収支などで構成する。 貿易赤字は 1,131 億円で、赤字幅は前年同月から 5,710 億円縮小した。 輸出額は 8 兆 2,234 億円で 2.6% 増加し、輸入額は 8 兆 3,366 億円で 4.1% 減少した。 輸入額を商品別に見ると、原油を含む原粗油が 25% 減、液化天然ガス (LNG) が 24.8% 減だった。 エネルギー関連の価格低下が影響した。 4 月の原油の輸入価格はドルベースで 1 バレルあたり 83 ドル 42 セント(約 1 万 2,000 円)と前年同月に比べて 22.6% 下がった。円ベースでは 1 キロリットルあたり 6 万 9,356 円と 16.7% 低下した。 第 1 次所得収支の黒字は 3 兆 663 億円で 3.1% 増えた。 4 月としては比較可能な 1985 年以降で最大だった。 債券利子などの受け取り増加で証券投資収益の黒字幅が拡大した。 サービス収支は 6,465 億円の赤字で、赤字幅は 3,563 億円縮んだ。 訪日外国人の消費額から日本人が海外で使った金額を引いた旅行収支は 2,941 億円の黒字で、前年同月の 11 倍に膨らんだ。 新型コロナウイルス対策の水際措置の緩和や円安を背景に訪日客が増加した。 季節調整値で見た経常収支は 1 兆 8,996 6億円の黒字で前月から 88.3% 増えた。 貿易赤字は 3,804 億円と前月から縮小した。 (nikkei = 6-8-23) 昨年度の経常収支 9 兆 2,256 億円 黒字額は前年度の半分以下に 日本が海外との貿易や投資でどれだけ稼いだかを示す昨年度 1 年間の経常収支は、黒字額が前の年度の半分以下に落ち込みました。 エネルギー価格の高騰や記録的な円安で輸入額が膨らんだことが要因です。 財務省が発表した国際収支統計によりますと、昨年度 1 年間の経常収支は、9 兆 2,256 億円の黒字でした。 黒字額は、前の年度よりも 10 兆 9,265 億円減りました。 減少幅は過去 2 番目で、黒字額は前年度の半分以下の水準まで落ち込みました。 原油などエネルギー価格の高騰に加えて記録的な円安で円に換算した輸入額が大幅に増加したのが要因で、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は 18 兆 0,602 億円の赤字と、過去最大の赤字額となりました。 一方、日本企業が海外の子会社から受け取った配当や利子などの収支状況を示す「第一次所得収支」は 35 兆 5,591 億円の黒字となりました。 黒字額は前の年度よりも 6 兆 5,508 億円増え、過去最大となりました。 エネルギーや資源価格の上昇で総合商社の子会社の業績が好調だったことなどが要因です。 また、合わせて発表された、ことし 3 月の経常収支は 2 兆 2,781 億円の黒字でした。 黒字額は去年の同じ月よりも 9,573 億円減りました。 ことし 3 月の旅行収支 過去 2 番目の黒字 外国人旅行者が国内で宿泊や買い物に使った金額から、日本人旅行者が海外で使った金額を差し引いた、ことし 3 月の「旅行収支」は過去 2 番目の黒字額となりました。 財務省が 11 日発表した国際収支統計によりますと、ことし 3 月の旅行収支は 2,820 億円の黒字でした。 黒字額は、国内で新型コロナの感染が拡大する直前の2020 年 1 月に記録した 2,962 億円の黒字に次ぐ過去 2 番目の水準です。 新型コロナの影響で落ち込んでいた外国人旅行者の数が、大幅に増えていることに加え、円安で日本での消費が割安になったこともあり、外国人旅行者 1 人当たりの消費額がコロナ前より増加傾向にあることが要因です。 一方で、燃料費の高騰などにより、日本から海外への旅行者の数は回復が遅れていることも、旅行収支の黒字の増加につながりました。 松野官房長官 "国内投資 拡大の取り組み実行していく" 松野官房長官は、午後の記者会見で「経常収支はさまざま要因で影響を受けるもので、今後の確たる見通しを申し上げるのは困難だが、輸出を通じた成長は引き続き重要で、政府としてもしっかり支援していく。 かぎは生産基盤強化のための国内投資であり、経済界からの要望も骨太の方針などに反映することで、さらなる投資拡大の取り組みを実行していく。」と述べました。 (NHK = 5-11-23) 2022 年度の貿易赤字 21.7 兆円、過去最大 資源高騰や円安で 財務省が 20 日に発表した 2022 年度の貿易統計(速報)で、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支はマイナス 21 兆 7,284 億円となった。 赤字幅は比較できる 1979 年以降で過去最大。 資源価格の高騰に記録的な円安が重なり、輸入額が大きく膨らんだ。 輸入額は前年度比 32.2% 増の 120 兆 9,549 億円で過去最大。 原油が 70.8% 増、石炭が 139.5% 増、液化天然ガスが 77.6% 増とエネルギー関連が輸入額を押し上げた。 一方、輸出額は前年度比 15.5% 増の 99 兆 2,264 億円。 自動車の 28.0% 増などが輸出額を押し上げて過去最大となったが、輸入額の伸びが上回った。 同時に発表された 23 年 3 月分では、輸入額は前年同月比 7.3% 増の 9 兆 5,787 億円、輸出額は同 4.3% 増の 8 兆 8,242 億円。 貿易収支は 7,545 億円のマイナスで、20 カ月連続の赤字だった。 (松山尚幹、asahi = 4-20-23) 対ロ貿易赤字 1.2 兆円 制裁下でも資金流出拡大 財務省が 20 日発表した 2022 年度の貿易統計速報(通関ベース)によると、ウクライナ侵攻を続けるロシアとの貿易収支は 1 兆 2,006 億円の赤字(前年度 9,701 億円の赤字)だった。 輸出額は大幅に減少する一方、資源価格高騰により輸入額は小幅な減少にとどまった。 経済制裁下でも日本からの資金流出が拡大した。 (jiji = 4-20-23) |