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貿易黒字 9 割減 4 月 604 億円、中国向け輸出 6.3% 減

財務省が 22 日発表した 4 月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 604 億円の黒字だった。 黒字は 3 カ月連続だが、前月からは 9 割減少した。 QUICK がまとめた民間予測の中央値は 2,219 億円の黒字だった。 輸出額は前年同月比 2.4% 減の 6 兆 6.588 億円、輸入額は 6.4% 増の 6 兆 5,983 億円だった。 中国向け輸出額は 6.3% 減の 1 兆 2,329 億円だった。 減少は 2 カ月連続。 (nkkei = 5-22-19)


3 月の輸出 2.4% 減、対中は 9.4% 減 電子部品落ち込む

財務省が 17 日発表した 3 月の貿易統計速報(通関ベース)は輸出が前年同月比 2.4% 減の 7 兆 2,013 億円となった。 4 カ月連続で減った。 中国向けの金属加工機械や電子関連部品の輸出が減った。 2018 年度の貿易収支は 1 兆 5,854 億円の赤字で、3 年ぶりの赤字となった。 3 月の輸出額を地域別にみると、全体の 2 割弱を占める中国向けは前年同月比 9.4% 減の 1 兆 3,046 億円となった。 米国向けは 4.4% 増、欧州連合 (EU) 向けは 7.3% 増だった。 中国は春節の直前から経済活動がいったん休止し、明けてから需要が戻る傾向がある。 3 月になっても中国向け輸出はマイナス圏のままで、基幹産業が利用する部品や機械類が落ち込んでいる。

3 月の輸入は前年同月比 1.1% 増の 6 兆 6,728 億円だった。 フランスからの航空機輸入などが押し上げた。 輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 5,285 億円の黒字だった。 18 年度の輸出は前年度比 1.9% 増の 80 兆 7,088 億円だった。 輸入は 7.1% 増の 82 兆 2,943 億円となった。 (nikkei = 4-17-19)


2 月の輸出は 3 カ月連続のマイナス - 貿易収支は黒字転換

輸出 1.2% 減、輸入 6.7% 減 - いずれも市場予想を上回る減少
中国減速の影響でアジアの戻り鈍い、日本に波及 - 農林中金の南氏

財務省が 18 日発表した 2 月の貿易統計(速報)によると、輸出は 3 カ月連続で前年実績を下回った。 自動車や鉄鋼などの輸出が鈍化した。 一方、原粗油や石油製品などの輸入も減少したため、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は 5 カ月ぶりに黒字に転じた。

キーポイント

貿易収支は 3,390 億円の黒字(ブルームバーグ調査の予想中央値は 3,051 億円の黒字) - 前月は 1 兆 4,156 億円の赤字
輸出は前年比 1.2% 減(予想は 0.6% 減)の 6 兆 3,843 億円と 3 カ月連続減少−前月は 8.4% 減
輸出数量指数は 0.6% 減と 4 カ月連続の減少
輸入は 6.7% 減(予想は 6.4% 減)の 6 兆 453 億円と 2 カ月連続減少 - 前月 0.8% 減

詳細

中国向け輸出は 1 月の 17.4% 減から 2 月は 5.5% 増に反転、1 - 2 月の合計では前年同期比 6.3% 減 - 財務省担当者
春節に限らず、輸出入の動向はさまざまな内外の経済情勢や価格動向によって決まる。 特定の要因として断定できるものはない - 財務省
米国向け輸出は 2.0% 増と 5 カ月連続のプラス、EU 向けは 2.5% 増で 2 カ月ぶりプラス、アジア向けは 1.8% 減で 4 カ月連続のマイナス

背景

中国の 2 月の輸出はドルベースで前年同月比 20.7% 減少、春節休暇や米国との貿易摩擦が影響、輸入は 5.2% 減だった
2 月の工作機械受注額は 5 カ月連続の前年実績割れ、外需は前年同月比 29.8% 減少

日銀は 15 日、「景気は緩やかに拡大している」との見方を維持する一方、海外経済と輸出、生産について現状判断を下方修正した (占部絵美、Bloomberg = 3-18-19)


1 月貿易収支は 4 カ月連続の赤字 - 中国向け輸出が大幅鈍化

輸出額は前年比 8.4% 減と 2 カ月連続減少、輸入は 0.6% 減
米中貿易戦争による間接的な影響が明確に - 東海東京調査・武藤氏

輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は 1 月速報で 1 兆 4,152 億円の赤字と、4 カ月連続の赤字となった。 中国向け輸出が大きく減少する中、赤字幅は市場予想を上回った。  財務省が 20 日発表した。

キーポイント

貿易収支は 1 兆 4,152 億円の赤字(ブルームバーグ調査の予想中央値は 1 兆 291 億円の赤字) - 前月は 567 億円の赤字
輸出は前年比 8.4% 減(予想は 5.7% 減)の 5 兆 5,742 億円と 2 カ月連続減少 - 前月は 3.9% 減
輸出数量指数は9.1%減と3カ月連続の減少
輸入は 0.6% 減(予想は 3.5% 減)の 6 兆 9,895 億円と 10 カ月ぶりの減少 - 前月は 1.9% 増
輸出の伸びがさらに鈍化

エコノミストの見方

  • 東海東京調査センターの武藤弘明チーフエコノミスト :
    輸出は異常な弱さ。 中国の減速が一番大きな要因で、そこに米中の貿易戦争が重しとなり悪化している。 貿易戦争が日本にも間接的に影響を及ぼしていることが明確になってきている。
    輸出の弱さは企業のマインドを冷やし、収益も悪化させる。 そうなると設備投資に影響が出る。 市場には米中貿易交渉に楽観的な見方が出始めているが、マクロ経済はいったん調整が始まると元に戻るまで時間がかかる。
    今日の数字を見ると第 1 四半期の実質年率成長率は 1% %を割る可能性が十分ある。 景気後退に入るとは思わないが、結構深刻な踊り場がしばらく続くとみておいた方が良い。

  • バークレイズ証券の前田和馬エコノミスト:
    中国の貿易統計でみる中国の輸入の落ち込み幅は 1.5% 減。 それに比べると、日本の輸出がここまで大きく落ち込んだのは想定外。 昨年度の半導体製造装置の輸出拡大の裏の影響が出たことと、全体の景気の落ち込みによる資本財関連の弱含みが影響。
    春節に中国側は工場を止めることになるので、IC チップや半導体部品の輸入を抑制する動きの影響が出ている部分もある。 今月の結果に関しても下振れリスクや不確実性は大きい。 基本シナリオとしては横ばい圏でみながら、先行き不透明感から米中貿易戦争のリスクに警戒が必要。

詳細

12 月の輸出額は 17 年 1 月以来の低水準、世界的に半導体関連の輸出が減少している - 財務省担当者
貿易赤字幅は 14 年 3 月(1 兆 4,501 億円)以来の大きさ - 財務省
国・地域別輸出額では、中国向け(17.4% %減の 9,581 億円)が 17 年 1 月以来の低水準 - 財務省
1 月の中国貿易は旧正月の影響を受けやすい - −財務省
1 月の月例経済報告では中国景気が緩やかに減速していると認識、その影響もあるのかもしれない - 財務省

背景

12 月の機械受注は、民間設備投資の先行指標となる船舶・電力を除く民需の受注額が 2 カ月連続減少、特に外需は 21.9% 減と落ち込みが大きい。 基調判断は従来の「持ち直しの動きに足踏みがみられる」から「足踏みがみられる」に変更された。 (占部絵美、Bloomberg = 2-20-19)


対中輸出 12 月 7% 減、中国景気減速で 昨年は貿易赤字

財務省が 23 日発表した 2018 年 12 月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出は前年同月比 3.8% 減の 7 兆 240 億円だった。 中国向けの輸出が 7% 減の 1 兆 4,026 億円。 米中貿易戦争による中国経済の減速の影響が顕在化してきており、液晶製造装置や携帯電話部品、半導体などが大きく落ち込んだ。 輸出額から輸入額を差し引いた 2018 年の貿易収支は 1 兆 2,033 億円の赤字だった。 赤字は 3 年ぶり。

18 年 12 月の貿易収支は 553 億円の赤字だった。 前年同月は 3,562 億円の黒字。 原油価格の低下が通関単価にも反映され輸入額の増加が抑制されたが、中国向けなどの輸出減が影響した。 米国向け輸出も自動車や鉄鋼が減った。 18 年の輸入額は前年比 9.7% 増の 82 兆 6,899 億円だった。 原油の通関単価が 17 年よりも 3 割程度高い水準で推移した影響が出た。 一方、18 年の輸出額は 4.1% 増の 81 兆 4,866 億円だった。 17 年に伸びをけん引した半導体製造装置が 18 年秋以降に伸び悩んだ。

半導体製造装置の輸出では、韓国向けが 18 年 10 月以降に前年同月を下回って推移し、12 月は前年同月比で 39.5% の大幅減となった。 中国向けは 11 月に減少に転じ、12 月は 34.3% 減だった。 12 月の対中輸出は携帯電話部品などの通信機も 67.1% と大きく減った。 台風などの自然災害で物流に影響が出たほか、設備投資が鈍ったことも響いたようだ。

18 年の中国向け輸出は 6.8% 増の 15 兆 9,018 億円。 17 年は前年比で約 2 割増えたが、伸びが鈍った。 IT (情報技術)分野の輸出が失速した背景には、米中貿易戦争に端を発する中国経済の減速や世界的な景気減速への懸念があるとみられる。 財務省の担当者は「輸出入は様々な要因の影響を受ける」として、貿易戦争の具体的な影響は不明だとした。 企業が業績見通しを引き下げるといった動きも出てきており、世界景気の先行きは不透明感が強まりつつある。 (nikkei = 1-23-19)


11 月の貿易収支、7,373 億円の赤字 原油高で輸入増

財務省が 19 日発表した 11 月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 7,373 億円の赤字だった。 赤字は 2 カ月連続。 輸出入ともに増加したが、原粗油を中心に輸入の増加が上回った。 QUICK がまとめた民間予測の中央値は 5,796 億円の赤字だった。 輸出額は前年同月比 0.1% 増の 6 兆 9,276 億円だった。 増加は 2 カ月連続。 船舶の大幅な増加がけん引したほか、有機化合物も伸びた。 半導体等製造装置や通信機は減少した。

輸入額は 12.5% 増の 7 兆 6,649 億円。 8 カ月連続で増加した。 サウジアラビアから原粗油の輸入が増加した。 液化天然ガス (LNG) や石油製品も増えた。 11 月の原粗油の円建て輸入単価は 40.8% 上昇した。 11 月の対米国の貿易収支は 6,234 億円の黒字で、黒字額は 5.4% 減少した。 減少は 5カ 月連続。 輸出は 1.6% 増、輸入は 8.1% 増だった。 対中国の貿易収支は 5,031 億円の赤字だった。 11 月の為替レート(税関長公示レートの平均値)は 1 ドル = 112 円 99 銭。 前年同月に比べて 0.5% 円高・ドル安に振れた。 (QUICK、nkkei = 12-19-18)


10 月の貿易収支、4,493 億円の赤字 2 カ月ぶり赤字

10 月の貿易統計(速報、通関ベース)で、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、4,493 億円の赤字だった。 赤字は 2 カ月ぶりだ。 財務省が 19 日発表した。 輸出額は前年同月より 8.2% 多い 7 兆 2,434 億円、輸入額は 19.9% 多い 7 兆 6,927 億円だった。 (asahi = 11-19-18)


9 月の輸出 1.2% 減 マイナスは 22 カ月ぶり

財務省が 18 日発表した 9 月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 1,396 億円の黒字だった。 黒字は 3 カ月ぶり。 QUICK がまとめた民間予測の中央値は 528 億円の赤字だった。 輸出額は前年同月比 1.2% 減の 6 兆 7,266 億円だった。 輸出が減少となるのは 22 カ月ぶり。 輸入額は 7.0% 増の 6 兆 5,871 億円だった。 (nkkei = 10-18-18)


8 月の貿易収支、4,446 億円の赤字 対米黒字は 2 カ月連続 2 桁減

財務省が 19 日発表した 8 月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は 4,446 億円の赤字だった。 赤字は 2 カ月連続。 アジア向けの半導体製造装置などの輸出が好調に伸びたが、原油価格の高騰で輸入額が大きく膨らんだ。 対米国の黒字額は前年同月比 14.5% 減の 4,558 億円。 自動車の輸出などが伸び悩み、2 カ月連続で 2 桁の減少となった。

8 月の輸出は 6.6% 増の 6 兆 6,916 億円で、21 カ月連続の増加。 中国向け液晶デバイス製造装置やベルギー向けの自動車などが好調だった。 一方、輸入は 15.4% 増の 7 兆 1,362 億円。 5 カ月連続の増加で、8 月としては過去 2 番目の高水準となった。 原油価格が前年同月に比べ約 1.5 倍に高騰したことに加え、各地域からの輸入が増加した。

対米国は、輸出が 5.3% 増の 1 兆 2,459 億円で 3 カ月ぶりの増加。 主力の自動車の輸出額が 1.5% 減少したが、財務省は「米国経済が好調で原油価格も安かった前年の反動減が理由」と分析している。 また、米国が輸入制限に踏み切った鉄鋼の対米輸出額も 15.8% 減少。 財務省は「国内外の経済状況や資源価格の影響も大きく、輸入制限による減少か分析するのは困難」としている。 半面、航空機や液化石油ガス (LNG) の輸入が増え、輸入は 21.5% 増の 7,901 億円だった。

米国以外の地域別では、対中国が 1,810 億円の赤字。 赤字は 5 カ月連続だが、液晶デバイス製造装置の輸出が 2 倍以上増えたことなどで、赤字幅は 25.1% 減少した。 対欧州連合 (EU) は 874 億円の赤字。 赤字は 2 カ月連続。 ドイツからの航空機の輸入などが拡大し、輸入額は 6.5% 増の 8,066 億円で 8 月として過去最大となった。 (sankei = 9-19-18)


7 月の貿易収支、2,312 億円の赤字 輸出の伸び悩み響く

財務省が 16 日発表した 7 月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 2,312 億円の赤字だった。 赤字は 2 カ月ぶり。 輸出の伸びが限定的だったうえ、中東からの原油の輸入が増え、輸入額の増加が上回った。 QUICK がまとめた民間予測の中央値(500 億円の赤字)に比べて赤字額が大きかった。

輸出額は前年同月比 3.9% 増の 6 兆 7,474 億円だった。 20 カ月連続で増加した。 韓国向けの重油に加え、アジア向けの半導体製造装置や半導体部品の輸出が好調だった。 輸入額は 14.6% 増の 6 兆 9,786 億円だった。 アラブ首長国連邦 (UAE) からの原油や、アイルランドからの医薬品が大幅に増加した。 原油の円建て輸入単価は 56.2% 上昇した。

7 月の為替レート(税関長公示レートの平均値)は 1 ドル = 110 円 78 銭。 前年同月に比べて 1.5% 円高・ドル安に振れた。 7 月の対米国の貿易収支は 5,027 億円の黒字で、黒字額は 22.1% 減少した。 減少は 2 カ月ぶり。 2 カ月連続で輸出額が減ったことが響いた。 前年に好調だった反動で、自動車や自動車部品の輸出が減った。 鉄鋼の輸出も減少した。 半面、航空機エンジンや液化石油ガス (LPG) の輸入が増えた。 (nikkei = 8-16-18)


1 - 6 月輸出、10 年ぶり 40 兆円 アジア・中国向け最高

財務省が 19 日発表した 1 - 6 月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額は前年同期比で 6.2% 増の 40 兆 1,305 億円と 2 年連続で前年同期を上回った。 上期に 40 兆円を超えるのは 2008 年以来、10 年ぶり。 特に半導体関連製品の中国向け輸出が伸びた。 輸出から輸入を引いた貿易収支は黒字を確保したが、原油などの資源高で黒字幅は縮小した。

地域別の輸出で伸びが目立ったのはアジアで、6.6% 増の 21 兆 8,499 億円と上期で過去最高だった。 半導体などの製造装置や自動車の輸出が堅調で、中国向けも上期で過去最高。 金属加工機械や電子部品も伸びた。 米国向け輸出は 7 兆 4,230 億円と 2.4% 増。 建設や鉱山用の機械や自動車が伸びた。 欧州向けは自動車がけん引し、8.9% 増の 4 兆 6,118 億円だった。

1 - 6 月の輸入額は 7.5% 増の 39 兆 5,238 億円。 資源高に伴い原油や液化天然ガス、石油製品などの輸入額がかさんだ。 貿易収支は 6,067 億円の黒字と上期では 3 年連続の黒字だが、前年同期の実績は 2 年連続で下回った。 18 年 6 月の輸出額は 7 兆 524 億円と前年同月比 6.7% 増。 19 カ月連続で前年同月を上回った。 貿易収支は 7,214 億円と 2 カ月ぶりの黒字だった。 アジア向けに半導体関連の輸出が伸びた。

一方、6 月の米国向け輸出額は 0.9% 減と 17 カ月ぶりに前年同月を下回った。 自動車や半導体などの製造装置、鉄鋼などの輸出が鈍った。 財務省は「(輸出入の動向は)様々な要因の影響を受ける」と説明。 米トランプ政権による保護主義の影響が出ているかは不透明としたが、「今後は注視する」との方針を示した。 米国からの輸入も 6 月は 16 カ月ぶりに減少した。 (nikkei = 7-19-18)


「世界最大債権国」日本、直接投資急拡大の必然

「円」が最強通貨である理由と代償

イタリア危機が冷めやらぬ中、例によって為替市場における「安全資産としての円」を求める動きは健在である。 この論点に関しては賛否からいろいろな議論がありうるが、最も説得的なデータが 5 月 25 日、財務省から発表されているので取り上げておきたい。 財務省が明らかにした 2017 年末の「本邦対外資産負債残高の状況」によれば、日本の企業や政府、個人が海外に持つ資産から負債を引いた対外純資産残高は、前年比マイナス 2.3% の 328 兆 4,470 億円と 3 年連続で減少したものの、27 年連続で世界最大の対外債権国という座を維持している。

海外投資家による対内証券投資が急増したため負債項目が膨らんだことが純資産を押し下げたが、資産側もクロスボーダー M & A や海外株式投資を中心として対外直接投資や対外証券投資が前年比で大きく増加している。 政府債務が先進国中最悪の状況にあっても「安全資産としての円」の地位が揺らいでいないのはこうした対外債権国としての盤石のステータスが評価されているからにほかならず、まさに本領発揮ともいえる計数である。 だが、日本の抱える対外純資産をめぐってはそれを構成する項目と主要国と比較した際の相対的地位に近年大きな動きが見られるので、この点を詳しく議論してみたい。

変わる対外純資産の構造

項目別に見れば、対外資産残高は前年比プラス 2.7% の 1,012 兆 4,310 億円だった。 本邦企業によるクロスボーダー M & A が旺盛な勢いにあるのは周知の通りであり、直接投資は同プラス 10.0% の 174 兆 6,990 億円へと増加した。 これに次いで証券投資が同プラス 5.0% の 463 兆 4,170 億円と増加しており、これは特に株式・投資ファンド持分の増加にけん引された動きであった(一方、債券は同マイナス 1.1% とむしろ減少しており、これは為替要因、即ち円高に引きずられた模様である)。

後述するように、純資産ベースでは直接投資の存在感が近年増しているが、対外資産残高だけに着目すれば最も大きいのは引き続き証券投資であることには注意されたい。 これは単純に為替市場で頻繁に指摘される「本邦勢によるレパトリ(自国内への資金還流)」を念頭に置いた場合、余地が大きいのは依然として直接投資よりも証券投資という事実を示唆している。 とはいえ、上述したように 2017 年は直接投資が証券投資の倍のペースで増加しており、その勢いの差は感じられる。

片や、海外から日本への投資などを示す対外負債残高は同プラス 5.2% の 683 兆 9,840 億円だった。 こちらは主に海外投資家による対内証券投資にけん引されたものであり、同プラス 16.1% の 377 兆 6,870 億円と対外負債残高の過半を占めている。 とりわけ債券への投資が膨らんでおり、中長期債を中心として同プラス 9.9% の 157 兆 8,460 億円まで積み上がっている(このほとんどが取引要因であり新規投資がそれだけ増えたものと理解される)。 ちなみに直接投資はわずか 28 兆 5,550 億円であり、残高で見れば証券投資とは比較にならない。 海外企業が日系企業に食指を動かすような動きは相変わらず盛り上がっていない。

以上を差し引きした結果である対外純資産残高は直接投資が同プラス 11.9% 増の 146 兆 1,440 億円、証券投資が同マイナス 26.2% 増の 85.7 兆円であり、ネットで見れば直接投資の存在感が際立っている。 純資産残高に占めるシェアで見れば直接投資の 44.5% に対して証券投資は 26.1% に止まっており、これで 3 年連続、直接投資が最大の対外純資産項目という構図になる。 また、両者の差がここまで拡大したのも初めてであり、「世界最大の対外債権国」というステータスこそ 27 年間不変だが、その中身は確実に「証券投資から企業買収へ」という構造変化が起きている。

証券投資よりも「儲かる」直接投資

こうした構造変化の背景には世界的な低金利傾向を受けて「証券投資に勤しむよりも事業機会を拡げるべく企業買収に注力した方が高い収益率を実現できる」という事実があるのだろう。 実際にそれを裏づけるデータもある。 直接投資の収益率に関しては「対外直接投資残高/直接投資収益(受取)」で、証券投資の収益率に関しては「対外証券投資残高/証券投資収益(受取)」で試算したものを過去 10 年間について平均した場合、証券投資の約プラス 4.2% に対し直接投資は約プラス 6.7% であった。

先進国の潜在成長率がもはや危機前を回復できないと仮定した場合、これと平仄が合う各国の政策金利も恐らく高まらないことが想定され、必然的に両者の収益率格差も埋まるのが難しいと推測される。 なお、直接投資の収益率を国・地域別に見ると、やはり中国や ASEAN (東南アジア諸国連合)などアジアを対象とした投資の収益率が欧米のそれを凌駕しており、全体平均も上回っている。

一方、証券投資に関して同様の視点で見ると、むしろアジアよりも欧米を対象とした投資の方が高い収益率を稼いでいることがわかる。 また、対外純資産残高に関し主要国比較をすると、日本に次いで大きいのがドイツの 261 兆円 1,848 億円、中国の 204 兆 8,135 億円であった。 この上位 3 カ国の顔ぶれは例年通りだが、ドイツと中国の差は 2015 年にかけてほぼ消滅し、2016 年もほぼ同じとなった後、2017 年にはかなり開いている。 さらに日本との比較で見ても、2014 年以降、ドイツの対外純資産残高は日本に徐々に、しかし確実に肉薄していることが分かる。

2014 年といえば、ECB がマイナス金利導入に踏み切った年であり、これに応じて一方的なユーロ安が(昨年 4 月まで)続く端緒となった年だ。 そうしてもたらされた「永遠の割安通貨」を背景にドイツの経常黒字は 2011 年から 2014 年まで 4 年連続で世界最大を記録した後、2015 年にわずかながら中国を下回り世界 2 位となったが、2016 年から 2017 年にかけてはやはり 2 年連続で世界最大を記録している。 しかも IMF (国際通貨基金)の予測に従えば、両国の差は徐々に広がっていく見通しだ。

日本と比較した場合はよりドイツの優位が鮮明であり、2011 年以降、7 年連続でドイツの経常黒字が日本のそれを凌駕しており、しかもその差は常に 1,000 - 2,000 億ドルと大きい。 このような経常収支に基づく「フロー」の差は自ずと「ストック」である対外純資産の差へとつながる。 実際にドイツの対外純資産残高の増加は著しいものがある。

為替の調整が働かないドイツの帰結は?

円が安全資産としての需要を引きつける理由が「世界最大の対外純資産国」としてのステータスにあるとすれば、本来、ドイツが保有する通貨も同種の需要を引きつけなければなるまい。 今後、そうした文脈に即して「リスク回避のユーロ買い」が出てくることもあるかもしれない。 しかし、足元の相場状況からも明らかなように、ユーロがドイツのファンダメンタルズのみを反映して強くなることは今後もあり得ない。 対外純資産残高と足元の相場の現状を照らし合わせ浮かび上がってくる事実は「共通通貨ユーロのおかげでドイツは不意の通貨高を食らわないで済んでいる」という特異な立場であろう。

しかし、本来修正されるべき不均衡が一方向に拡大し続けることが果たして可能なのかどうかは大いに議論の余地がある。 ドイツの不動産価格は世界的に見ても騰勢が目立つという指摘は多く、例えば 2016 年から 2017 年にかけて不動産価格が最も高騰した世界の 10 都市のうちトップのベルリンを含む 4 都市(ベルリン、ハンブルク、ミュンヘン、フランクフルト)がドイツの都市だったという 。 ECB がこうしたシステミックリスクの芽を如何にして摘んでいくのかは非常に興味深いテーマである。

日本は「世界最大の対外純資産国」というステータスと引き換えに慢性的な通貨高に病むようになり、そのたびに景気が減速した。 そのステータスに手がかかりつつあるドイツは為替レートの調整機能が働かない代わりに、どのような展開をたどるのだろうか。 不動産価格に象徴される資産価格のブーム & バーストだとしたら、その根は非常に深いものである。 この点については別途、機会を設けて論じてみたい。 (唐鎌 大輔 : みずほ銀行チーフマーケット・エコノミスト 、東洋経済 = 6-4-18)


4 月貿易収支 2 カ月連続黒字、予想上回る - 自動車の対米輸出増加

⇒ 貿易収支は前年同月比 30.9% 増の 6,260 億円の黒字
⇒ 輸出は 7.8% 増の 6 兆 8,223 億円、輸入は 5.9% 増の 6 兆 1,963 億円

輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は、4 月速報で 2 カ月連続の黒字となった。 市場予想も上回った。 財務省が 21 日発表した。 (占部絵美、Bloomberg = 5-21-18)


経常収支、21 兆 7,362 億円の黒字 2017 年度

財務省が 10 日発表した 2017 年度の国際収支(速報)で、貿易や投資による日本と外国のお金の出入りを示す「経常収支」は前年度より 7,174 億円多い 21 兆 7,362 億円の黒字だった。 2 年続けて 20 兆円を超え、過去 3 番目の高水準となった。 貿易黒字は 4 兆 5,818 億円と前年度から 1 兆 2,033 億円減った。 輸出は前年比 10.6% 増の 78 兆 3,060 億円、輸入は 13.4% 増の 73 兆 7,242 億円だった。 また、3 月の経常収支は 3 兆 1,223 億円の黒字だった。 黒字は 3 年 9 カ月連続。 輸出は前年同月比 3.7% 増の 7 兆 4,479 億円、輸入は 0.9% 減の 6 兆 2,572 億円。 (asahi = 5-10-18)


貿易収支、2 カ月連続の黒字 3 月は 7,973 億円

財務省が 18 日発表した 3 月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 7,973 億円の黒字となった。 黒字は 2 カ月連続。 輸出額は前年同月比 2.1% 増の 7 兆 3,819 億円、輸入額は同 0.6% 減の 6 兆 5,845 億円だった。(asahi = 4-18-18)


2 月の貿易収支、2 カ月ぶり黒字に 輸出底堅く

財務省が 19 日発表した 2 月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 34 億円の黒字だった。 貿易黒字は 2 カ月ぶり。 米欧向けの輸出が堅調で、前年同月を上回った。 中国向け輸出は春節(旧正月)休暇の影響で伸びが鈍った。 輸入額は原油価格の上昇などで膨らんだ。 事前の市場予想(QUICK 調べ、中心値)は輸入が 6 兆 5,653 億円、輸出が 6 兆 3,694 億円。 996 億円の貿易赤字を見込んでいた。

輸出額は前年同月比 1.8% 増の 6 兆 4,630 億円だった。 15 カ月連続で増加したものの、輸入に比べると伸びは小さかった。 米国向けは 4.3% 増。 自動車の輸出が 1 割増で、3 カ月ぶりに前年同月比でプラスだった。 欧州連合 (EU) 向けは 11.5% 増だった。 自動車や金属加工機械が 4 割近く増えた。 中国向け輸出は 9.7% 減少した。 品目別では液晶デバイスを含む科学光学機器などが減った。 中国向けの輸出が減少したのは 16 カ月ぶりで、春節による現地の工場停止の影響が出たとみられる。

輸入額は 16.5% 増の 6 兆 4,596 億円だった。 14 カ月連続で増加した。 国際的な資源価格の上昇で液化天然ガス (LNG) が 18.8% 増、石油製品が 36.2% 増えた。 原粗油は数量で 13.8% 減ったものの、金額では 2.5% 増えた。 輸入を地域別に見ると伸びが目立つのは中国で、39.2% 増の 1 兆 5,052 億円だった。 衣類が 55.2% 増、パソコンなど電算機類が 18.6% 増だった。 財務省は「春節で工場が停止する前に、中国からの輸入が増える傾向にある」とした。 昨年は春節が 1 月下旬に始まったのに対し、今年は 2 月中旬から始まったため、2 月の輸入額が大きくなったとみられる。 (nikkei = 3-19-18)


1 月の経常黒字 3 カ月ぶり増加 6,074 億円

財務省が 8 日発表した 1 月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は 6,074 億円の黒字だった。 前年同月の約 6.4 倍に上り、3 カ月ぶりに黒字幅が拡大した。 黒字は 43 カ月連続となった。 経常収支のうち、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は 6,666 億円の赤字だった。 赤字は 8 カ月ぶりだが、前年同月に比べると 21.6% 減少した。 輸出は 12.7% 増の 6 兆 2,264 億円、輸入は 8.1% 増の 6 兆 8,930 億円だった。 (kyodo = 3-8-18)


経常収支、21 兆 8,742 億円の黒字 2017 年

財務省が 8 日発表した 2017 年の国際収支(速報)によると、貿易や投資による国内外のお金の出入りを示す「経常収支」は前年比 7.5% (1 兆 5,321 億円)増の 21 兆 8,742 億円の黒字だった。 海外の投資先からの収入や訪日外国人が増えたことで、黒字幅は 07 年に次ぐ過去 2 番目の高水準となった。 全体を大きく押し上げたのは、海外でのもうけを示す「第 1 次所得収支」で、黒字額は同 9.1% (1 兆 6,386 億円)増の 19 兆 7,397 億円と、過去 2 番目の大きさになった。 世界的な好景気を受け、日本企業の海外子会社からの配当金などが増えたためだ。

また、訪日外国人数が過去最多を更新し、旅行に関するもうけを示す「旅行収支」の黒字が同 32.9% (4,360 億円)増の1 兆 7,626 億円と、過去最大となった。 この結果、旅行を含むサービス関連のお金の出入りを示す「サービス収支」全体では、赤字額が 7,061 億円と過去最少に縮小した。

一方、ものの出入りを示す「貿易収支」の黒字は同 10.8% 減の 4 兆 9,308 億円に減少した。 輸出は半導体関連などが伸び、11.9% 増の 77 兆 1,955 億円と好調だった。 しかし、輸入は原油高でエネルギー関連が増え、同 13.9% 増の 72 兆 2,647 億円に膨らみ、輸出の伸びを上回った。 企業の海外移転が進み、貿易よりも海外で稼ぐ流れが強まっており、17 年の海外への直接投資額も、同 0.5% 増の 18 兆 4,905 億円に上った。 (栗林史子、asahi = 2-8-18)


貿易収支、2 年連続で黒字 アジア向け輸出、過去最大に

財務省が 24 日発表した 2017 年の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 2 兆 9,910 億円の黒字となった。 黒字は 2 年連続だが、黒字額は前年より 25.1% 減った。 輸出は世界的な好景気で、リーマン・ショック以前を含む 08 年に次ぐ過去 3 番目の高水準だったが、原油高などで輸入も増え、黒字額を押し下げた。

輸出額は前年比 11.8% 増の 78 兆 2,897 億円と、2 年ぶりに増加した。 好調な海外経済を受け、モノのインターネット (IoT) やスマートフォンなどの需要増に対応した韓国・中国向けの半導体製造装置などが増え、中国や中国を含むアジア向けの輸出はいずれも過去最大になった。

輸入額も同 14.0% 増の 75 兆 2,986 億円と、3 年ぶりに増加した。 石油輸出国機構 (OPEC) が 17 年 1 月から減産を始めたため、原油の輸入価格は前年より 34.7% 上昇。 原油や石炭、液化天然ガス (LNG) など、エネルギー関連の輸入が大幅に膨らんだ。 OPEC は 18 年末までの減産を決めており、原油価格は今後も上昇する可能性がある。

一方、対米貿易収支は 7 兆 356 億円の黒字で、黒字額は同 3.1% 増えた。 黒字額の増加は 2 年ぶりで、対日貿易赤字を問題視する米トランプ政権からの圧力が強まる可能性もある。 輸出は自動車関連が増え、同 6.8% 増の 15 兆 1,110 億円。 輸入は同 10.3% 増の 8 兆 755 億円。 液化石油ガスや 17 年 1 月から輸入が始まった LNG などが増えた。 (栗林史子、asahi = 1-24-18)


11 月の貿易収支、1,134 億円の黒字 6 カ月連続黒字

財務省が 18 日発表した 11 月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 1,134 億円の黒字となった。 黒字は 6 カ月連続。 ただ、資源価格の上昇で輸入額がふくらみ、黒字幅は前年同月比 22.6% 減となった。

輸出額は前年同月比 16.2% 増の 6 兆 9,204 億円。 中国向け液晶デバイス製造用の半導体製造装置や、米国向けの自動車などが伸びた。 中国向けの輸出は同 25.1% 増の 1 兆 3,797 億円と過去最大。 スマートフォンなどの電子機器製造関連の品目が牽引した。 輸入額は同 17.2% 増の 6 兆 8,071 億円だった。 原油の輸入単価が円建てで同 27.0% 上昇したことが影響し、サウジアラビア産の原油などエネルギー関連の輸入がふくらんだ。 中国産の携帯電話の輸入も増えた。 (栗林史子、asahi = 12-18-17)


10 月の貿易統計、5 カ月連続で黒字

財務省が 20 日発表した 10 月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 2,854 億円の黒字だった。 黒字は 5 カ月連続。 輸出額は前年同月比 14.0% 増の 6 兆 6,931 億円、輸入額は同 18.9% 増の 6 兆 4,077 億円。 (asahi = 11-20-17)


9 月の経常収支、2.2 兆円の黒字 3 年 3 ケ月連続

財務省が 9 日発表した 9 月の国際収支(速報)は、貿易や投資による日本と外国のお金の出入りを示す「経常収支」が 2 兆 2,712 億円の黒字だった。 黒字は 3 年 3 カ月連続。 輸出は前年同月比 14.4% 増の 6 兆 7,253 億円、輸入は同 12.7% 増の 5 兆 8,731 億円だった。 (asahi = 11-9-17)


今年上半期の貿易収支、1 兆 9,190 億円の黒字

財務省が 19 日に発表した 2017 年度上半期(4 - 9 月)の貿易統計(速報)で、輸出から輸入を差し引いた貿易収支(通関ベース)は 1 兆 9,190 億円の黒字だった。 半期では 4 期連続の貿易黒字だが、エネルギー関連の輸入額がふくらみ、黒字幅は前年同期比 20.3% 減となった。 輸入はオーストラリア産の石炭や液化天然ガス、サウジアラビア産の原油などが伸び、同 15.3% 増の 36 兆 4,549 億円だった。 1 キロリットルあたりの原油価格が円建てで同 23.1% 増となったことも影響した。

輸出は米国向けの自動車や中国向けの半導体部品などが好調で、同 12.8% 増の 38 兆3738億円。米国向けは 4 半期ぶりの増加で、貿易赤字の削減を掲げるトランプ政権が問題視する可能性がある。 9 月単月の貿易収支は 6,702 億円の黒字。 黒字は 4 カ月連続。 輸出額は前年同月比 14.1% 増の 6 兆 8,110 億円、輸入額は同 12.0% 増の 6 兆 1,408 億円だった。 (asahi = 10-19-17)


7 月輸出額 13.4% 増の 6 兆 4,949 億円 黒字幅は縮小

財務省が 17 日発表した 7 月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額は前年同月比 13.4% 増の 6 兆 4,949 億円だった。 8 カ月連続で前年同月を上回った。  米国向けの自動車や自動車部品が堅調に伸び、けん引役になった。 輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 4,188 億円の黒字。 エネルギー価格上昇の影響で輸入の伸びが大きく、黒字幅は縮小した。 QUICK がまとめた民間予測の中央値は、輸出が前年同月比 13.2% 増、輸入が 17.2% 増だった。

輸出を地域別に見ると、米国や欧州連合 (EU)、アジアといった主要地域でそろって増えた。 米国向け輸出は 11.5% 増の 1 兆 3,187 億円だった。 大型の多目的スポーツ車 (SUV) など自動車や自動車部品が伸びた。 半導体製造装置や航空機用エンジンも増加に寄与した。 アジア向け輸出は 14.8% 増。 韓国向け IC のほか中国向けの液晶など、スマートフォン(スマホ)関連部品が好調だった。 中国国内メーカーが生産するスマホは高機能化しており、使う部品の性能も高くなっていることが背景にある。 EU 向けは 8.3% 増えた。 ドイツ向けの自動車部品や、自動車部品を製造するための金属加工機械が伸びた。

輸入額は 16.3% 増の 6 兆 761 億円だった。 米国からシェールガス由来の液化天然ガス (LNG) の輸入が始まったことで、LNG の輸入額が 5 割近く増えた。 石炭はオーストラリアのサイクロンの影響で価格が上昇し、輸入額も約 7 割増えた。

財務省は「昨年 7 月と比べると為替相場は円安基調だったため、輸出入ともに円換算額が膨らんだ」としている。 昨年の同じ時期は、英国の EU 離脱を決めた国民投票の影響で、ドルやユーロなど主要通貨に対して円が上昇。 一方、今年 7 月は対ドルで前年同月比で 9% の円安となった。 2 カ月連続で貿易黒字を確保したが、黒字額は 17% 減った。 米国のトランプ大統領が問題視する日本の対米黒字額は 9.1% 増の 6,470 億円で、2 カ月ぶりに増えた。 米国からの輸入は液化石油ガス (LPG) や LNG が増えた影響で 13.9% 増と大きく伸びたが、輸出の増加額が上回った。 (nikkei = 8-17-17)


経常黒字、10.5 兆円黒字 上半期、リーマン後最高に

財務省が 8 日発表した 2017 年上半期(1 - 6 月)の国際収支(速報)によると、貿易や投資による国内外のお金の出入りを示す経常収支は前年同期比 300 億円増の 10 兆 5,101 億円の黒字だった。

上半期としては 2 年連続で 10 兆円を超え、リーマン・ショックがあった 08 年以降では過去最高となった。 貿易黒字が大きかった 07 年以前と違い、海外投資などによる黒字が拡大した。 海外子会社からの配当などによる「第 1 次所得収支」は前年同期比 2,096 億円増の 9 兆 7,622 億円の黒字だった。 訪日外国人旅行者の増加で旅行収支が 7,903 億円の黒字と上半期としては過去最高だったことも寄与した。

一方で、モノの出入りを示す貿易収支は 2 兆 531 億円の黒字と前年同期比で 2,713 億円減った。 原油価格が同 1.5 倍に上昇し、輸入額が増えたことが影響した。 同時に発表した 6 月単月の経常収支は 9,346 億円の黒字だった。 黒字は 36 カ月連続。 輸出は前年同月比 9.0% 増の 6 兆 3,709 億円、輸入は同 15.1% 増の 5 兆 8,524 億円だった。 (asahi = 8-8-17)


3 期連続で貿易黒字 幅は 41.1% 減 17 年上半期

財務省が 20 日発表した 2017 年上半期(1 - 6 月)の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 1 兆 444 億円の黒字だった。 黒字は 3 期(1 年半)連続。 原油価格上昇で輸入額が増え、黒字幅は前年同期より 41.1% 減った。

輸出額は前年同期比 9.5% 増の 37 兆 7,873 億円で、アジア向けの半導体製造装置や自動車部品が伸びた。 輸入額は同 12.2% 増の 36 兆 7,429 億円で、原油や石炭価格上昇が影響した。 日米間の貿易収支は 3 兆 2,223 億円の黒字で、黒字幅は同 5.4% 減った。 6 月単月の貿易収支は 4,399 億円の黒字だった。 黒字は 2 カ月ぶり。 輸出額は前年同月比 9.7% 増の 6 兆 6,076 億円、輸入額は同 15.5% 増の 6 兆 1,676 億円だった。 (栗林史子、asahi = 9-20-17)


5 月貿易赤字、2,034 億円 = 資源価格高騰で 4 カ月ぶり

財務省が 19 日発表した 5 月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 2,034 億円の赤字だった。 赤字は 4 カ月ぶり。 液化天然ガス (LNG) など資源・エネルギー価格が高騰し、輸入の伸びが輸出を上回った。 貿易収支のうち対米国は 4,111 億円の黒字。 輸出額は前年同月比 14.9% 増の 5 兆 8,514 億円。 米国向け自動車やメキシコ向け鉄鋼製品が伸びた。 輸入は 17.8% 増の 6 兆 547 億円。 豪州で 3 月に発生した自然災害の影響などで資源・エネルギー価格が高騰し、カタール産 LNG やインドネシア産石炭の輸入がそれぞれ膨らんだ。 (jiji = 6-19-17)

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