輸出で稼ぐ構造変化 14 年の経常黒字、最小の 2.6 兆円 財務省が 9 日発表した2014 年の国際収支速報によると、モノやサービスなど海外との総合的な取引状況を表す経常収支は 2 兆 6,266 億円の黒字だった。 黒字額は前年比で 18.8% 減り、現行統計が始まった 1985 年以降で最小。 輸出から輸入を引いた貿易赤字が過去最大になった分を企業の海外子会社の稼ぎを映す第 1 次所得収支の黒字で賄った格好で、日本の稼ぐ構造の変化を鮮明に表している。 常収支の黒字額は東日本大震災があった 11 年から縮み続けており、14 年はピークだった 07 年のわずか 1 割まで落ち込んだ。 黒字額の縮小は 4 年連続で、3 年連続で過去最小を更新した。 経常収支のうち、貿易収支の赤字は 10 兆 3,637 億円と、前年比で 1 兆 5,903 億円膨らんだ。 赤字は 4 年連続で、赤字額は比較可能な 1996 年以降で最も大きい。 輸出は前年比 9.3% 増の 74 兆 1,225 億円。 2 年連続の増加で、自動車や科学光学機器が好調だった。 輸入は 84 兆 4,862 億円と前年比で 10.3% 増えた。 原子力発電の代替電源になる火力発電向け液化天然ガス (LNG) の輸入が 11.2% 増えた。 14 年 4 月に消費税率を引き上げる前の駆け込み需要に対応するため、1 - 3 月に企業が輸入を大幅に増やしたことも影響した。 旅行や輸送などのサービス収支は 3 兆 932 億円の赤字だった。 赤字額は前年比で 3,854 億円縮小した。 赤字が縮んだのは、訪日外国人が国内で使う金額から日本人が海外で支払う金額を引いた「旅行収支」と、日本企業が海外企業から受け取った特許使用料などの「知的財産権等使用料」の影響だ。 旅行収支は 1,251 億円の赤字。 赤字額は前年比で 5,294 億円縮んで過去最小になった。 14 年の訪日外国人旅行者数が前年比で 29.4% 増え、過去最高の 1,341 万人になった影響が大きい。 このまま訪日外国人が増え続ければ、15 年は黒字に転じる可能性がある。 知的財産権等使用料は過去最大の 1 兆 6,948 億円の黒字だった。 一方、企業の海外子会社の稼ぎを反映する第 1 次所得収支の黒字は 18 兆 712 億円と前年比で 1 兆 5,957 億円増え、比較可能な 85 年以降で過去最大になった。 直接投資や証券投資の収益で貿易赤字を賄う構図が一段と強まっている。 足元で原油価格が下落しており、「15 年は輸入額が減り、経常黒字は再び拡大に転じる」との声もある。 ただ一方で、製造業を中心に海外の生産拠点を拡大し、現地から販売する構図は変わりそうになく、経常黒字の縮小傾向は今後も続くとの指摘も出ている。 同日発表の 14 年 12 月の経常収支は 1,872 億円の黒字だった。 黒字になるのは 6 カ月連続。 輸出額が 7 兆 1,005 億円と前年同月比で 19.3% 増えた。 財務省は「原油価格や金利、為替相場などが影響するため、今後の傾向は見通しにくい」と説明している。 (nikkei = 2-9-15) 12 月実質輸出は前月比 +3.3%、実質輸入は同 +1.4% = 日銀 [東京] 日銀は 26 日、財務省が発表した 2014 年 12 月の貿易統計を受け、実質輸出入速報値(季節調整済み)を発表した。 実質輸出は前月比 3.3% 上昇の 103.8 で、2 カ月ぶりの上昇となった。 実質輸入は前月比 1.4% 上昇の 113.1 で、2 カ月連続の上昇。 実質貿易収支はプラスとなった。 日銀の実質輸出入は、財務省「貿易統計」で調査されている財の輸出(入)金額を、日銀作成の輸出(入)物価指数で割ることにより実質化したもの。 2010 年暦年平均を 100 として指数化している。 実質貿易収支は、2010 年価格で表される実質輸出と実質輸入(2010 暦年平均 = 100 に指数化される前の値)の差額を取り、2010 暦年平均を 100 として指数化したもの。 (Reuters = 1-26-15) 貿易赤字、過去最大の 12 兆 7,813 億円 2014 年 財務省が 26 日発表した 2014 年の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた「貿易収支」は 12 兆 7,813 億円の赤字で、赤字幅は過去最大となった。 昨秋以降は原油価格の下落を受けて赤字幅が縮小したものの、消費増税前の駆け込み需要で輸入が増えた 1 月に月ベースで過去最大となる赤字になったことなどが響いた。 14 年の輸出額は前年より 4.8% 増の 73 兆 1,052 億円、輸入額は 5.7% 増で過去最大となる 85 兆 8,865 億円だった。 (asahi = 1-26-15) 5 カ月連続の経常黒字 11 月の国際収支 財務省が 13 日発表した 2014 年 11 月の国際収支(速報)によると、貿易や投資による日本と海外のお金のやり取りを示す「経常収支」は、4,330 億円の黒字だった。 前年同月の 5,969 億円の赤字から大幅に改善し、5 カ月連続の経常黒字となった。 原油価格の下落で貿易赤字が縮小したほか、日本企業の海外での稼ぎが増えた。 輸出額から輸入額を差し引いた「貿易収支」は、赤字幅が前年同月から 42.4% 縮小して、6,368 億円の赤字だった。 原油の輸入額が、価格下落や輸入量の減少で、同 21.6% 減だったことが影響した。 企業の海外子会社の稼ぎなどを反映する「第 1 次所得収支」は、同 44.4% 増の 1 兆 2,760 億円の黒字だった。 比較できる 1985 年以降、11 月として過去最大となった。 これで第 1 次所得の黒字は 14 年 1 - 11 月で 17 兆円超となり、前年の 16.5 兆円を上回った。 (asahi = 1-13-15) 貿易収支 11 月で 29 カ月連続の赤字、輸入は 3 カ月ぶりの減少 [東京] 財務省が 17 日に発表した 11 月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は 8,919 億円の赤字となった。 赤字は 29 カ月連続。 輸出は前年比 4.9% 増の 6 兆 1,889 億円。 3 カ月連続で増加した。 半導体等電子部品(14.7% 増)、科学光学機器(12.6% 増)、金属加工機械(17.6% 増)などが増加した。 輸入は同 1.7% 減の 7 兆 807 億円。 3 カ月ぶりに減少した。 液化天然ガスや通信機は増加したが、原粗油(21.5% 減)、石油製品(15.9% 減)、石炭(21.2% 減)などが減少した。 地域別では、米国向け輸出が前年比 6.8% 増となり 3 カ月連続で増加、中国向け輸出は同 0.9% 増と 3 カ月連続で増加した。 欧州連合 (EU) 向けは同 1.3% 減と 18 カ月ぶりに減少した。 貿易赤字(季節調整値)は前月比 6.1% 減だった。 (Reuters = 12-17-14) 経常黒字 4 カ月連続、10 月は 8,334 億円 財務省が 8 日発表した 10 月の国際収支(速報)によると、貿易や投資による日本と海外のお金のやり取りを示す「経常収支」は、8,334 億円の黒字だった。 経常黒字は 4 カ月連続。 日本企業の海外でのかせぎが大幅に増えたことに加え、原油価格の下落などで貿易赤字幅が縮んだためだ。 前年同月は 1,543 億円の経常赤字だったため、9,878 億円改善した。 海外子会社のかせぎなどを反映する「第 1 次所得収支」は、前年同月と比べ 48.3% 増の 2 兆 186 億円。 10 月としては比較できる 1985 年以降で最大の黒字額となった。 また、特許権など知的財産による収支や、旅行者によるお金の出入りを示す収支の黒字額も過去最大だった。 (細見るい、asahi = 12-8-14) 10 月貿易赤字、7,100 億円 = 輸出増で 35.5% 減 - 財務省 財務省が 20 日発表した 10 月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 7,100 億円の赤字だった。 赤字は 2 年 4 カ月連続だが、円安を背景に輸出額が増えた結果、前年同月の 1 兆 1,004 億円から 35.5% 縮小した。 輸出は自動車や船舶、鉄鋼が伸び、前年同月比 9.6% 増の 6 兆 6,885 億円と 2 カ月連続で増加。 輸入も 2.7% 増の 7 兆 3,985 億円と 2 カ月連続で増加した。 米アップルの新型「iPhone (アイフォーン)」の発売を受け通信機の輸入が 29.6% 増だった。 (jiji = 11-20-14) 上半期の経常黒字 2 兆 239 億円 過去最少、巨額の貿易赤字響く 財務省が 11 日発表した 2014 年度上半期(4 - 9 月)の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資などの取引状況を示す経常収支の黒字額は 2 兆 239 億円だった。 巨額の貿易赤字が響き、比較可能な 1985 年度以降で、上半期としては過去最少の経常黒字となった。 円安で火力発電の燃料輸入額が高止まりする一方で、輸出額は国内企業の生産拠点の海外移転で伸びにくくなっている。 13 年度下半期の経常赤字から脱したものの、経常黒字は前年同期と比べて約 1 兆円も縮小し、依然低水準だ。 輸出から輸入を差し引いた貿易収支は 4 兆 3,974 億円の赤字。 (kyodo = 11-11-14) 14 年度上半期、過去最大の貿易赤字に 5 兆 4 千億円 財務省は 22 日、2014 年度上半期(4 - 9 月)の貿易統計(速報)を発表した。 輸出額から輸入額を差し引いた貿易統計は 5 兆 4,271 億円の赤字で、年度の上半期では過去最大の赤字額になった。 9 月の貿易収支は 9,583 億円の赤字になり、27 カ月続けての赤字になった。 9 月は輸出額が前年同月より 6.9% 増の 6 兆 3,832 億円、輸入額は 6.2% 増の 7 兆 3,415 億円だった。 (asahi = 10-22-14) 貿易赤字、過去最長の 26 カ月連続 8 月は 9,485 億円 財務省が 18 日発表した 8 月の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた「貿易収支」は 9,485 億円の赤字だった。 貿易赤字は 26 カ月連続で、過去最長を更新した。 輸出額は前年同月より 1.3% 減の 5 兆 7,060 億円。 輸入額は 1.5% 減の 6 兆 6,545 億円だった。 (asahi = 9-18-14) 7 月の経常黒字は 4,167 億円 黒字は 2 カ月ぶり 財務省が 8 日発表した 7 月の国際収支(速報)によると、海外とのモノやサービスの取引や投資の状況を示す「経常収支」は 4,167 億円の黒字だった。 黒字は 2 カ月ぶり。 輸出額は前年同月より 8% 増の 6 兆 2,474 億円、輸入額は 7.6% 増の 7 兆 755 億円だった。 (asahi = 9-8-14) 「輸出頼み」ビジネスから転換進む 貿易赤字最長の背景 輸入額が輸出額を上回る貿易赤字が 7 月まで 25 カ月連続となり、過去最長を更新した。 円安で火力発電に使う原油や液化天然ガス (LNG) の輸入額が膨らむ一方、円安が追い風になるはずの輸出額が伸び悩んでいるためだ。 背景には日本企業が「輸出頼み」のビジネスモデルからの転換を図っていることがある。 財務省が 20 日発表した 7 月の貿易統計(速報)によると、輸出額は 6 兆 1,886 億円(前年同月比 3.9% 増)、輸入額は 7 兆 1,526 億円(同 2.3% 増)で、差し引きでは 9,640 億円の貿易赤字だった。 2 年以上も貿易赤字が続くのは、日本の輸出入の構造が、2008 年のリーマン・ショックや 11 年の東日本大震災を経て変わったことが響いている。 リーマン前の 06 年 7 月は 8,511 億円の貿易黒字で、当時は円安が輸出増に直結していた。 その後、日本企業は海外生産を増やしたため、最近は円安でも輸出は伸びない構造になった。 今年 7 月の自動車の輸出台数は 52 万台と、8 年前と比べて約 2 割減った。 一方、携帯電話やスマートフォンなど通信機の中国からの輸入額はこの 8 年で 5.4 倍に膨らんだ。 中国が様々な最終製品をつくり出す「世界の工場」となった結果、日本は中国で使う機械や部品の輸出元としての性格が強まった。 今年 7 月の輸出額は中国への「金属加工機械」の輸出額が大きく伸び、3 カ月ぶりの増加になった。秋に米アップルが売り出す見込みの iPhone (アイフォーン)と iPad (アイパッド)の新製品の生産を見越した動きとみられている。 こうした変化に加え、震災後は原発停止で火力発電の燃料輸入が増加。 円安がその輸入価格を押し上げて貿易赤字が膨らむ構図が定着している。 ■ 海外生産にシフト、部品調達も 貿易収支は赤字でも、自動車や電機などメーカー各社の利益は伸びている。 かつては国内から最終製品を輸出して「貿易立国」を支えていたが、最近は稼ぎ方が変わったためだ。 「メード・イン・ジャパン」の家電の代名詞でもあったテレビ。 シャープが三重県亀山市の工場で作るテレビ用液晶パネルは 60 インチ以上の大型をのぞけば、輸出はしていない。 逆に国内で売るテレビも 32 インチ以下の小型テレビはマレーシアや中国で作り輸入している。 ほかの家電メーカーも国内でのテレビ生産はほとんどやめた。 各社は 1 ドル = 75 円台の超円高に苦しんだ経験から、海外での生産を増やした。 さらに円安が進んだときに採算が悪くなるという弱点もある。しかし、現地での部品調達の体制を整えた社も多く、国内生産を増やす動きは少ない。 円安で各社とも好業績の自動車業界は、いまも国内で作る車の半分を海外に輸出している。 ただ、「次の円高に備える(マツダの小飼雅道社長)」との狙いから、国内の工場を増強しようという動きはほとんどない。 人口減少で日本市場は縮小が見込まれるという側面も大きい。 むしろ輸出していた車を海外生産に切り替える動きが活発だ。 ホンダは 2 月からメキシコ工場で「フィット」を生産し、米国で販売。 マツダも 1 月にメキシコの新工場を立ち上げ、「アクセラ(マツダ 3)」を作り始めた。 これまではいずれも日本から輸出していた。 (asahi = 8-21-14) 貿易収支、9,640 億円の赤字 25 カ月連続マイナス 財務省が 20 日発表した 7 月の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 9,640 億円の赤字だった。 貿易赤字は 25 カ月連続で、過去最長を更新した。 輸出額は前年同月より 3.9% 増の 6 兆 1,886 億円、輸入額は 2.3% 増の 7 兆 1,526 億円だった。 (asahi = 8-20-14) 1 - 6 月、経常赤字 5,075 億円 上半期で初めて 貿易赤字が拡大 財務省が 8 日発表した 2014 年上半期(1 - 6 月)の国際収支状況(速報)によると、海外とのモノやサービスなどの総合的な取引状況を示す経常収支は 5,075 億円の赤字だった。 上半期の経常赤字は現行基準で比較可能な 1985 年以降で初めて。 燃料輸入額が高水準で推移しているうえ、製造業の海外生産が進み、貿易赤字が巨額になっていることが経常赤字の背景にある。 半期ベースの経常赤字は 13 年下半期(13 年 7 - 12月)に続き、2 半期連続で、赤字額は 788 億円から拡大した。 前年の上半期は 3 兆 3,131 億円の黒字だった。 貿易収支は輸送の保険料や運賃を含まない国際収支ベースで 6 兆 1,124 億円の赤字。 前年同期と比べ 2 兆 6,855 億円拡大し、赤字額は下半期を含む半期ベースでみると、現行基準で比較できる 96 年以降最大となった。 輸出額は自動車や科学光学機器を中心に増加し、前年同期比 8.1% 増の 35 兆 7,627 億円となった。 液化天然ガス (LNG) や原粗油など燃料輸入の高止まりなどで、輸入額は 14.7% 増の 41 兆 8,752 億円だった。 旅行や輸送動向を示すサービス収支は 1 兆 5,780 億円の赤字。 企業が特許などの見返りとして受け取る知的財産権等使用料の項目が 7,855 億円と過去最大の黒字となった。 旅行収支も 1,279 億円の赤字と、前年同期(3,261 億円の赤字)から縮小した。 ただ「その他サービス」の赤字拡大でサービス収支全体が悪化し、貿易・サービス収支は 7 兆 6,904 億円の赤字となった。 一方、第 1 次所得収支は 8 兆 3,226 億円の黒字で、前年同期(8 兆 6,878 億円の黒字)を下回った。 証券投資などで得る利子など証券投資収益は増加したが、海外への直接投資で受け取る配当金が前年同期に大きく伸びた反動があった。 同時に発表した 6 月の経常収支は 3,991 億円の赤字となり、5 カ月ぶりの経常赤字。 貿易収支は 5,371 億円の赤字(前年同月は 165 億円の黒字)で、貿易赤字は 12 カ月連続となった。 (nikkei = 8-8-14) 6 月貿易収支は 8,222 億円の赤字、24 カ月連続 [東京] 財務省が 24 日に発表した 6 月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は 8,222 億円の赤字だった。 輸出が 2 カ月連続で減少したことなどから、24 カ月連続で赤字となった。 2014 年上半期の貿易収支は、7 兆 5,984 億円の赤字となった。 赤字額は 13 年下期の 6 兆 6,558 億円を上回り、半期ベースでは現行統計が始まった 1979 年以降で最大を記録した。 6 月の輸出は前年比 2.0% 減の 5 兆 9,396 億円で、2 カ月連続で減少。 輸入は同 8.4% 増の 6 兆 7,619 億円で、2 カ月ぶりに増加した。 米国向け輸出は前年比 2.2% 減、中国向け輸出は同 1.5% 増だった。 貿易赤字(季節調整値)は前月比 25.5% 増だった。 ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、予測中央値は 6,429 億円の赤字。 輸出は前年比 1.0% 増、輸入は同 8.4% 増だった。 (Reuters = 7-24-14) 知財使用料、大幅黒字 2,754 億円 5 月経常収支に貢献 財務省が 8 日発表した 5 月の国際収支(速報)によると、貿易や投資による海外とのお金のやりとりを示す経常収支は 4 カ月連続で黒字となり、経常黒字額は 5,228 億円だった。 海外から日本に入ってくる特許使用料が増えたことが、日本の稼ぎを押し上げる大きな要因になった。 特許権、著作権など「知的財産権等使用料」で、5 月に海外から日本が受け取った額は 4,810 億円。 前月から 84% 増えた。 日本から海外に払った使用料を差し引いた収支額の黒字は 2,754 億円で、2 年 2 カ月ぶりの高水準となった。 日本企業の海外展開が進み、自動車や医薬品などの分野で、海外子会社から受け取る特許使用料が増えているとみられる。 SMBC 日興証券の宮前耕也氏は「日本の技術の優位性を保てれば、稼ぐ力につなげられる」という。 海外子会社からの配当収入などを反映した「第 1 次所得収支」も 1 兆 4,779 億円の黒字で、5 カ月続けて 1 兆円を上回った。 (細見るい、西尾邦明、asahi = 7-9-14) 5 月の経常黒字 5,228 億円 前月比 7.7% 減 財務省が 8 日発表した 5 月の国際収支(速報)によると、海外とのモノ、サービスの取引や投資の状況を示す「経常収支」は 5,228 億円の黒字だった。 4 カ月連続で黒字だったが、日本企業の海外でのかせぎが減ったため、黒字額は前年同月より 7.7% 減った。 輸出額から輸入額を差し引いた「貿易収支」は 6,759 億円の赤字だった。 輸入額が 19 カ月ぶりに減ったため、赤字額は前年同月よりも 1,379 億円縮小した。 4 月の消費増税後、国内消費の減速を背景に、原油やスマートフォンなどの輸入が減ったためだ。 海外旅行などによるお金の出入りを示す「サービス収支」は 682 億円の赤字。 海外への日本人旅行者数が 0.9% 増えたのに対し、日本を訪れた外国人旅行者数は 25.3% 増えたため、赤字幅は縮小した。 日本企業の海外でのかせぎを示す「第 1 次所得収支」は 1 兆 4,779 億円の黒字ながら、3.2% 減だった。 海外子会社からの配当収入が減ったことが響いた。 2 カ月続けて前年を下回ったものの、所得収支の黒字で貿易赤字をカバーする状況が続いている。 (asahi = 7-8-14) 貿易赤字、9,090 億円 = 2 カ月連続で減少 - 5 月 財務省が 18 日発表した 5 月の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 9.090 億円の赤字だった。 赤字は 23 カ月連続で、過去最長。 ただ、4 月の消費税や環境税(石油石炭税)の増税で原油の輸入が駆け込みで増えた反動で大きく減少したことから、赤字額は前年同月比 8.3% 減と 2 カ月連続で縮小した。 輸出額は 2.7% 減の 5 兆 6,076 億円で、15 カ月ぶりに減少に転じた。 自動車が主に米国向けを中心に 4.3% 減と低迷したことが響いた。 輸入額は 3.6% 減の 6 兆 5,165 億円となり、19 カ月ぶりに減少した。 原油は 15.1% 減、石炭は 24.4% 減で、ともに数量ベースでも減少した。 (jiji = 6-18-14) 旅行収支、44 年ぶり黒字 4 月、経常黒字 1,874 億円 財務省が 9 日発表した4月の国際収支(速報)によると、外国人旅行者が日本で使ったお金から、日本人旅行者が海外で使ったお金を差し引いた「旅行収支」が約 44 年ぶりに黒字になった。 日本を訪れる外国人旅行者の急増を反映した。 旅行収支が黒字になるのは、大阪万博が開かれた 1970 年 7 月以来だ。 近年は中国や東南アジアからの旅行者へのビザの発給要件を緩め、アジアからの観光客が増えている。 円安傾向も追い風となり、昨年の訪日外国人数は初めて 1 千万人を突破した。 日本政府観光局のまとめでも、4 月は訪日外国人旅行者が前年同期比 33.4% 増の 123 万人だったのに対し、出国した日本人は、ゴールデンウイーク前半の祝日が土日と離れていたこともあり、4.4% 減の 119 万人にとどまった。 訪日外国人の数が出国日本人を上回ったのは、70 年 9 月以来だ。 4 月の国際収支で、海外とのモノやサービスなどの取引や投資の状況を示す「経常収支」は 1,874 億円の黒字だった。 消費増税前の駆け込み需要の反動で輸入の増加にブレーキがかかり、3 カ月連続で経常黒字となった。 輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 7,804 億円の赤字、日本企業の海外での稼ぎを示す「第 1 次所得収支」は 1 兆 8,3331 億円の黒字だった。 (細見るい、asahi = 6-9-14) 経常収支、14 年度は改善の兆し 輸入増一服の見方 2014 年度の経常収支は緩やかながらも黒字幅が拡大する公算が大きい。 消費増税前の駆け込み需要で膨らんだ輸入が一服する上に、海外からの配当など所得収支の黒字幅が拡大傾向にあるためだ。 ただ燃料輸入が高止まりし、貿易赤字の解消は遠い。 経常黒字の厚みが乏しい局面は続くとみられ、財政の健全化とともに投資を呼び込む構造改革が急務になる。 日本の貿易収支は東日本大震災直後の 11 年度に約 2 兆 2 千億円の赤字となった後で膨らみ続け、13 年度は 10 兆円を超えた。 貿易赤字が定着したとの見方が強まっている。 背景には生産体制の変化がある。 製造業を中心に中期的な成長を見込める新興国に投資の重点を置く企業は多い。 震災を機に進んだ世界的な供給網の見直しも日本からの輸出には逆風になった。 こうした流れは円安傾向が定着しても大きく変わっていない。 日本からの輸出品は高品質品に特化する例が多く、円安でも現地で価格を引き下げず輸出量は増えない。 14 年 3 月期決算で輸出型の企業は好決算が目立ったが、日本全体の輸出量はほぼ横ばいだった。 自動車各社は海外の消費地に近い場所で生産する体制づくりに取り組み、円高修正後も生産を国内に戻す動きはみられない。 国内生産の割合が大きい富士重工業は 20 年度をめどに米国を中心に海外生産比率を現在の 23% から 4 割に高める計画。 吉永泰之社長は「輸出をこれ以上増やそうとは思っていない」と話す。 今後の経常黒字を押し上げそうなのは輸入の減少だ。 増税前の駆け込みがなくなり、製品輸入が落ち着いて貿易赤字が縮小するとの見方がある。 13 年度は海外企業からの配当など第 1 次所得収支の黒字が最大になった。 海外子会社が稼いだ利益を国内に戻して配当や設備投資に使う日本企業が増えている。 14 年 3 月期の連結最終損益が過去最高の 836 億円の黒字(前の期は 100 億円の赤字)となったセイコーエプソンは、新興国向けプリンターの販売好調や円安を背景に海外子会社からの配当が増加した。 三菱自動車はタイの連結子会社ミツビシ・モーターズ(タイランド)から 14 年 3 月期に 446 億円の配当金を受け取り、単独決算の営業外収益に計上した。 今期も 366 億円を計上する。 こうした動きが 14 年度の経常黒字を増やす公算が大きい。 円安で観光客ら訪日外国人が増えていることもサービス収支の赤字縮小を通じて、経常黒字を押し上げる要因になる。 ただ経常黒字は 14 年度に増えたとしても低水準にとどまる見通しだ。 海外経済の情勢によってはこうした流れは一気に変わる。 巨額の財政赤字を抱える日本は経常赤字になると金利の急騰などを招く懸念がある。 第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは「経常収支の水準とは関係なく、日本が投資をしたくなる国かどうかが重要」と語る。 規制改革の推進など国内外の企業の投資を呼び込む環境整備が重要になる。 (nikkei = 5-12-14) 経常黒字、過去最少 13 年度、7,899 億円 財務省が 12 日発表した 2013 年度の国際収支(速報)によると、海外とのモノやサービスの取引や投資の状況を示す「経常収支」は 7,899 億円の黒字だった。 比較できる 1985 年度以降で、最少の黒字額となった。 火力発電に使う燃料やスマートフォンなどの輸入が高止まりしたことで、貿易赤字が 10 兆 8,642 億円と過去最大にふくらんだことが大きい。 (asahi = 5-12-14) 貿易赤字、最大の 13 兆 7,488 億円 13 年度 総務省が 21 日発表した 3 月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 1 兆 4,463 億円の赤字だった。 前年同月は 3,568 億円の赤字だった。 貿易赤字は 21 カ月連続。 3 月としての赤字額は比較可能な 1979 年以降で最大となった。 輸出額は前年同月比 1.8% 増の 6 兆 3,826 億円、輸入額は 18.1% 増の 7 兆 8,289 億円だった。 併せて発表した 2013 年度の貿易収支は 13 兆 7,488 億円の赤字。 年度ベースの赤字は 3 年連続で、赤字額は 79 年度以降で最大。 輸出額は前年度比 10.8% 増の 70 兆 8,564 億円、輸入額は液化天然ガス (LNG) や原粗油の輸入が高水準で 17.3% 増の 84 兆 6,053 億円だった。 (nikkei = 4-21-14) 経常収支、5 カ月ぶり黒字 = 6,127 億円 - 2 月 財務省が 8 日発表した 2 月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引状況を示す経常収支の黒字額は前年同月比 5.7% 減の 6,127 億円だった。 黒字は 5 カ月ぶり。 輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 5,334 億円の赤字、旅行や物流などのサービス収支は 1,934 億円の赤字。 一方、海外投資からの配当・利子収入と外国への支払いを差し引きした第 1 次所得収支の黒字額は 3.6% 増の 1 兆 4,593 億円となり、貿易・サービス収支の赤字を穴埋めした。 (jiji = 4-8-14) 貿易赤字、過去最長の 20 カ月連続 2 月、8,003 億円 財務省が 19 日発表した 2 月の貿易統計(速報)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は 8,003 億円の赤字で、比較できる 1979 年以降、2 月としては最大の赤字幅になった。 原油や液化天然ガス (LNG) などの輸入額が円安で押し上げられる構図が続いている。 貿易赤字は 20 カ月連続で、過去最長を更新した。 ただ、単月で過去最大の赤字となった 1 月の 2 兆 7,900 億円からは赤字幅が縮んだ。 最大の貿易相手国である中国が 1 月末から旧正月の大型連休に入った影響で、全体の輸入数量が 5 カ月ぶりに減ったためだ。 ただ、輸入額は円安で押し上げられ、前年同月と比べ 9% 増の 6 兆 6,003 億円だった。 (細見るい、asahi = 3-19-14) 経常赤字が過去最大、1 月は 1 兆 5,890 億円 年度ベース赤字転落の懸念も [東京] 経常収支の赤字拡大が止まらない。 財務省が 10 日発表した 1 月の国際収支状況(速報)は経常収支の赤字が 1 兆 5,890 億円となり、現在の算出基準となった 1985 年以降で最大だった。 年度を通して赤字に転落する懸念も広がりそうで、長期金利の指標となる 10 年最長期国債利回り の動向にも今後、注目が集まる可能性がある。 経常収支の赤字は 4 カ月連続。 1 月は赤字幅が前年同月の 1 兆 2,406 億円から広がった。 東日本大震災以降、高水準の燃料輸入が続いたほか、正月休みで日本から海外への輸出が伸びず、貿易収支の赤字が 2 兆 3,454 億円に膨らんだことが響いた。 ロイターが民間調査期間を対象に行った事前調査では、予測中央値が 1 兆 4,109 億円で、今回の赤字はそれを上回った。 財務省によると、ドルベースで過去に算出した基準の異なる参考統計では、第 2 次オイルショック前後の 1979 年度と 80 年度にそれぞれ 3 兆 2,000 億円程度、1 兆 5,000 億円程度と、年度ベースで経常収支が赤字になったが、現行基準では例がない。 国の借金が 1,000 兆円を超える厳しい財政状況でも、これまでは潤沢な個人金融資産と経常収支の黒字で乗り切ってきただけに、市場で赤字転落の思惑が強まれば、国債売りを誘発しかねない情勢だ。 今後の動向について、財務省幹部は「内外の経済情勢や為替の動向などを注視する」としている。 (山口貴也、Reuters = 3-10-14) 経常赤字リスク、円安進行なら14年度にも 国内ファイナンス不足間近に [東京] 1 月経常収支が 4 カ月連続の赤字となり、2013 年度には現行統計で初めて赤字転落する可能性が出てきた。 同時に政府債務の国内ファイナンスが盤石とも言えないとの声が浮上している。 経常黒字に裏打ちされてきた国内貯蓄超過は、政府総債務残高が家計の純資産を間もなく上回る状況となり、怪しい雲行きとなってきた。 国内貯蓄の大半は高齢者が保有し、金利の急上昇は起こりにくいとされているが、大幅な円安進行や、財政信認の崩壊に直面した場合、資産の海外流出が加速するリスクに注意を促すべきとの指摘も出ている。 <現実度増す 13 年度の経常赤字転落、円安進行なら連続赤字も> 今年 1 月が過去最大の経常赤字となり、13 年度に経常黒字を維持するには 2、3 月合わせて 1,300 億円強の黒字を確保する必要がある。 しかし、円安による輸入金額の上昇や消費増税前の内需拡大により、今後 2 カ月は経常黒字どころか、貿易赤字幅が拡大しそうなことを背景に、13 年度の経常赤字転落の現実度が増している。 4 月以降、消費の落ち込みを背景に輸入が減少し、市場関係者の間ではいったん経常収支は黒字に戻ると見通されている。 だが、最盛期に年間 10 - 20 兆円規模だった経常黒字幅は、東日本震災以降は 3 - 4 兆円がせいぜいとなっている。 4 月以降は駆け込み需要による輸入拡大という言い訳も通らなくなり、黒字幅縮小が続けば、経常赤字化リスクの高まりを否定できなくなる。 少なくとも貿易収支については、 今後もエネルギー輸入に加えて、高齢化による医薬品や医療機器といった値のかさむ輸入の増加が加わる。 一方で輸出は、自動車や電機といった空洞化が進む主要品目のすう勢的な減少傾向により、元に戻る見込みは小さい。 クレディスイス証券・チーフエコノミスト、白川浩道氏は「15 年以降については、高齢化・空洞化の進展による輸入数量のすう勢的増加と交易条件悪化傾向を背景に、経常黒字が構造的に縮小を続ける」とみている。 さらにぜい弱性を抱えることになった経常収支の行方は、今後の外為市場次第で赤字化のリスクもはらむことになりそうだ。 日本総研副理事長・湯元健治氏の試算では、ドル/円 が 120 円を超える円安となった場合、14 年度にも経常赤字になるとしている。 <政府債務のファイナンス、家計金融資産で賄えず> 経常黒字の縮小と赤字化リスクは、国債消化と金利上昇への不安につながりやすい要因でもある。 財務省は 10 日の財政制度等審議会分科会で、懸念すべき事項として、財政赤字と経常赤字の「双子の赤字」に直面するリスクに言及。 国債消化への懸念材料になり得る点を指摘した。 これまで巨額の財政赤字にもかかわらず、日本の長期金利が安定している背景には、国内の貯蓄超過の源泉となる経常黒字の存在や、家計の金融純資産が政府債務を上回っている状況があった。 この点を根拠に国内債の大多数を保有している銀行やその他の投資家は、日本国債を投げ売りして来なかった。 しかし、家計の純資産は足元で 1,205 兆円、一般政府総債務は 1,122 兆円とその差はごくわずかまで縮小。 間もなく逆転することは確実な情勢だ。 株価の上昇などで家計純資産が増加したとしても、高齢化による家計貯蓄率の基調的な低下は免れず、政府債務の増加の勢いは止まりそうになく、そう遠くない時期に政府総債務が家計の純資産残高を上回る事態に直面しそうだ。 <高齢者が支える金利安定> もっとも、経常赤字が続き、政府債務が家計金融資産を上回っても、財政への信認が毀損されない限り、直ちに金利が急上昇するというわけではないとの見方も根強い。 国債金利の急上昇がそう簡単に起こらないと見られている根拠として、湯元氏は、家計の金融資産の 6 割を 60 歳以上の高齢者が占めていることを挙げる。 その結果として安全志向が強まり、現預金や保険などの保有比率が 8 割を超え、海外シフトも起こりにくくなっている、と同氏は指摘する。 日本の高齢化が貿易赤字や家計金融資産の減少を招き、本来ならば上昇するはずの国債金利だが、それを抑制しているのもまた、高齢者の貯蓄行動であるというわけだ。 <最終的な要因は、財政への信認> 国際収支や国内ファイナンスの状況が悪化する中で、金利上昇へのカギを握るのは、やはり財政への信認が維持できるかどうかにかかっている。 第一生命経済研究所は「経常赤字であっても、日本の成長性に対する期待が持て、財政の信認が保てるのであれば、海外からの資金を引き付け、国債の円滑な消化を続けることは可能だ」と分析する。 だが、逆に「財政に対する信認が欠けた状態のまま経常収支の赤字が続けば、長期金利が上昇する可能性も出てくる」とみている。 重要なのは、経常赤字国に転じても、金融市場からの攻撃の対象にならないような頑健な経済基盤と財政再建への努力を継続することであることは言うまでもない。 三菱総研チーフエコノミストの武田洋子氏は「貿易赤字に伴う経常黒字縮小や、高齢化により家計の金融資産の減少傾向といった環境を変えることが難しいなら、財政への信認維持に取り組む努力が必要。 家計や企業の資産と、政府の負債とのバランスが悪化しないよう、財政改革に努めることが必要。」と指摘している。 (中川泉、Reuters = 3-10-14) 貿易赤字、1 月は輸入の大幅増で過去最大 初の 2 兆円台 [東京] 財務省が 20 日に発表した 1 月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は 2 兆 7,900 億円の赤字となった。 初めて 2 兆円台を突破し、1979 年の統計開始以来最大の赤字を記録した。 輸出が停滞する一方、鉱物性燃料輸入の高止まりや 4 月の消費税率引き上げ前の駆け込み需要で輸入が大幅増加したことが要因。 赤字は 19 カ月連続。 貿易赤字が 1 兆円を超えるのは今回を含めて 7 回目だが、これまでの過去最大は 2013 年 1 月の 1 兆 6,335 億円で、3 兆円に迫る今回の赤字幅は突出した。 財務省では、背景として日本の正月や中国の春節で輸出が停滞する季節要因も否定できない、としている。 例年 1 月は日本の正月で輸出が停滞する傾向にある。 加えて、今年は中国の春節が 1 月 31 日で特殊要因が重なった。 2 月以降も春節の影響が続くかについては「わからない(財務省筋)」としている。 貿易赤字(季節調整値)は前月比 44.5% 増で、赤字幅が拡大した。 <輸出は 11 カ月連続増加も伸び鈍化、数量ベースでは 4 カ月ぶり減少> この結果、輸出は大幅に鈍化した。 輸出は前年比 9.5% 増の 5 兆 2,529 億円。 11 カ月連続で増加したが、伸び率は 1 桁に沈んだ。 数量ベースでも前年比 0.2% 減と 4 カ月ぶりに減少した。 品目別では自動車(13.9% 増)、有機化合物(25.1% 増)、鉱物性燃料(55.1% 増)などが増加した。 地域別では、中国向けが同 13.1% 増と 10 カ月連続で増加した。 有機化合物(39.6% 増)、自動車(115.7% 増)、鉄鋼 (37.6%) などが増加した。 米国向け輸出は前年比 21.9% 増で 13 カ月連続で増加。 欧州連合 (EU) 向けは前年比 20.2% 増で、8 カ月連続で増加した。 為替レート(税関長公示レート平均)は 1 ドル 104.53 円で、対前年比 20.2% の円安だった。 <輸入は過去最大> 輸入は同 25.0% 増の 8 兆 429 億円で、統計開始以来の過去最大に膨らんだ。 増加は 15 カ月連続。 増加品目は、原粗油(28.1% 増)、液化天然ガス(21.4% 増)、半導体等電子部品(57.3% 増)などだった。 輸入原粗油単価は前年比 21.7% 上昇の 7 万 4,600 円/キロリットルで、ドルベースでは同 1.2% 上昇の 113.5 ドル/バレルだった。 ロイターが民間調査機関を対象に行った調査では、予測中央値は 2 兆 4,890 億円の赤字。 輸出は前年比 12.6% 増、輸入は同 21.8% 増だった。 (Reuters = 2-20-14) 経常黒字 3.3 兆円、過去最少 昨年、貿易赤字膨らみ 財務省が 10 日発表した 2013 年の国際収支(速報)によると、海外とのモノやサービスの取引や投資の状況を示す「経常収支」は前年よりも 31.5% 減の 3 兆 3,061 億円の黒字となった。 黒字幅は、比較できる 1985 年以降で最少となった。 火力発電に使う燃料輸入額が円安で押し上げられた影響が大きい。 経常黒字は 2 年続けて最少を更新し、黒字額はピークだった 07 年(24.9 兆円)の 7 分の 1 以下に減った。 経常黒字が大きく減ったのは、輸入額が輸出額を上回る「貿易赤字」が 10 兆 6,399 億円と過去最大に膨らんだためだ。 燃料のほか、中国からのスマートフォンの輸入なども大きく増え、輸入総額は前年比 15.4% の大幅増となった。 一方で、円安が追い風になるはずの輸出は 9% 増と伸び悩んだ。 (asahi = 2-10-14) 貿易赤字、過去最大の 11 兆 4,745 億円 2013 年 財務省が 27 日発表した 2013 年の貿易統計(速報)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 11 兆 4,745 億円の赤字で、過去最大だった。 火力発電のための燃料の輸入量が増えたことに加え、円安で輸入額が押し上げられたことが大きい。 輸出を引っぱってきた製造業の多くが海外に生産拠点を移すなどして、円安がすぐに輸出増につながらなくなっていることも背景にある。 輸出額は 69 兆 7,877 億円、輸入額は 81 兆 2,622 億円だった。 (asahi = 1-27-14) 経常赤字継続の可能性 = 燃料輸入が重し、揺らぐ貿易立国 財務省が 14 日発表した 2013 年 11 月の経常収支は、過去最大となる 5,928 億円の赤字を記録した。 赤字は 2 カ月連続。 円安で輸入品の価格が上昇している上、原発の稼働停止により液化天然ガス (LNG) など火力発電用燃料の輸入は膨らんだままで、経常収支が赤字になりやすい状況が当面続きそうだ。 経常収支は、海外とのモノやサービスの取引状況を示し、「国の稼ぐ力」のバロメーターとなる。 甘利明経済再生担当相は同日の記者会見で「貿易立国の原点が揺らいでいる」と危機感をあらわにした。 円安を受けて 11 月の輸出は前年同月比 17.6% 増えたが、輸入はそれを上回る 22.1% 増加。 貿易赤字が 1 兆 2,543 億円に大幅拡大した。 過去の円高局面で製造業の生産拠点の海外移転が進んだ結果、「円安による輸出の押し上げ効果が出にくくなっている(第一生命経済研究所の星野卓也エコノミスト)」との見方が出ている。 (jiji = 1-14-14) |