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コロナ禍の 3 連休は大混雑「キャンセル料もったいない」

新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか迎えた 3 連休初日の 21 日、各地の高速道路や新幹線のホームは、行楽地などへ向かう人たちで午前中から混雑した。 日本道路交通情報センターによると、午前 10 時半現在、名神高速道路上り線の蝉丸トンネル(滋賀県)付近で約 26 キロの渋滞に。 首都圏では、東名高速道路下り線の都夫良野トンネル(神奈川県)を先頭に約 19 キロ、中央自動車道下り線の日野バス停(東京都)付近で約 18 キロ、東北自動車道下り線の蓮田サービスエリア(埼玉県)付近で約 16 キロの渋滞となっている。 JR 東京駅の新幹線ホームでは午前 9 時ごろ、旅行かばんやスーツケースを持った人々が列をつくり、次々と新幹線に乗り込んでいった。 団体旅行客や家族連れの姿もあった。

東京都の 40 代女性は夫と母、子ども 2 人を連れて函館に旅行に向かうという。 新型コロナウイルスの感染者が急増する北海道に向かうのは心配もあったが、「キャンセル料がもったいないので、家族で話し合って今回は予定通り行くことにした。 マスクをつけて小まめに消毒して、気をつけながら楽しみたい。」と話す。 新型コロナウイルスの国内の新規感染者は 20 日に 2,400 人を超え、3 日連続で過去最多を更新。 政府は 21 日午後に対策本部を開き、「Go To キャンペーン」事業の運用見直しなどを検討する。

「Go To」が見直される可能性があることについて、女性の 40 代の夫は「判断が遅いのでは。 3 連休が始まってから今更自粛と言われても …。」と戸惑いを見せた。 仙台に一人旅に行く千葉市の会社員の女性 (25) は「大阪や北海道だったらキャンセルしたと思うけど、宮城は今のところ大丈夫だと思った。 手洗いを心がけ、人が少ない飲食店を選んで感染に気をつけようと思う。」と話した。 仕事のためやむを得ず移動する人もいた。 名古屋市で IT 企業を経営する男性 (51) は、東京駅で乗り換え、新潟に向かうという。 「感染が怖いので本当は行きたくないが …。 (感染拡大が)落ち着いていたころに予定を立てた出張なので、今更キャンセルできなかった。 でも今回の仕事が終わったら、しばらく出張はやめるつもり。」 (伊藤和行、池上桃子、asahi = 11-21-20)


「感染急増の地域、GoTo 見直しを」政府分科会提言案

政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は 20 日、一部の都道府県が感染急増段階の「ステージ 3」に入りつつあるとし、これらの地域で「Go To トラベル」の運用見直しを求める方針を決めた。 移動の自粛なども求める。 ステージ 3 にあたるかは地元知事が判断するが、より強力な対策を迫る。 国内の新たな感染者はこの日、2,400 人を超え、過去最多を更新した。

分科会は、感染状況を、

  1. 感染者が散発的に発生
  2. 漸増
  3. 急増
  4. 爆発的に感染拡大

という 4 つに分け、ステージが上がるごとに感染対策を強める考えを示してきた。 ステージ 4 では「緊急事態宣言など強制性のある対応を検討せざるを得ない」とし、ステージ 3 では、夜間や酒類を提供する飲食店への外出自粛や、感染予防が徹底できない場合に感染拡大地域との行き来の自粛などを求めていた。 政府の「Go To トラベル」や「Go To イート」もステージ 2 以下で実施するよう 9 月に提言していた。 人の移動や会食を促すため、感染拡大につながる恐れがあるためだ。

これまで、どの都道府県もステージ 2 以下とみなされてきた。 11 月に入って北海道や東京都などでは、分科会が示したステージ 3 の 6 つの指標のうち多くで上回るが、判断は知事に委ねられ、分科会のステージに即した対策の議論は進んでいなかった。 この日の分科会の提言案によると、いくつかの都道府県では一部地域でステージ 3 相当の強い対策が必要な状況と指摘。 「トラベル」の一部区域の除外を含めて、政府に早急な見直しを求め、「イート」も、感染状況を踏まえて、食事券発行の一時停止などの検討が必要との考えを示した。

提言案では、どの都道府県がステージ 3 相当かは示していない。 ただ、19 日に会合があった厚生労働省の専門家組織は、「北海道の一部の地域では、接触機会の削減・行動制限などの強い対策が求められる状況」と評価。 東京都、大阪府、愛知県もこの状態に「近づきつつある」とし、これらの地域を念頭に置いているとみられる。 分科会は 20 日夜に提言を正式に決め、政府は 21 日に対策本部を開く。 地方に検討を委ねていた営業時間の短縮要請を政府からも求めることや、3 週間程度は感染が拡大している地域への移動の自粛を求めることなどで検討と調整を続けている。 分科会後、記者会見した西村康稔経済再生相は「早急に対応を検討したい」と述べた。(asahi = 11-20-20)

分科会がまとめた政府への提言案の骨子

  • ステージ3に入りつつある都道府県がある。 その一部の地域では、既にステージ 3 相当の強い対策が必要な状況に達したと考えられる。
  • 強い対策を打つためには短期間(3 週間)に集中し、感染リスクが高い状況に焦点を絞る。 以下の 5 点が特に重要。
  1. 営業時間の短縮
    当該自治体はできるだけ迅速に、3 週間程度の期間限定で、酒類の提供を行う飲食店に対し、夜間の営業時間の短縮要請または休業要請を行う。

  2. 地域の移動にかかわる自粛要請
    感染予防を徹底できない場合は感染が拡大している地域との移動を自粛

  3. 「Go To キャンペーン」事業の運用見直しの検討
    • 「Go To トラベル」は、都道府県知事の意見も踏まえ、一部区域の除外を含め、運用の早急な見直しの検討
    • 「Go To イート」は、プレミアム付き食事券の新規発行一時停止、発行済み食事券やオンラインで飲食予約したポイントの利用を控える呼びかけ

  4. 人々の行動変容の促進
    • 「五つの場面(飲食を伴う懇親会など)」の回避を今まで以上に順守
    • 職場でのテレワークを今まで以上に推進

  5. その他
    • 年末年始の休暇分散
    • 小規模分散型旅行の推進

企業の 9 割、忘年会・新年会開催せず 飲食業界に打撃か

新型コロナウイルスの感染が広がるなか、企業の約 9 割が忘年会や新年会を開かないことが東京商工リサーチの調べでわかった。 飲食業界にとっては、年末年始の「稼ぎ時」が失われそうだ。 今月 9 - 16 日に調査し、大企業 1,584 社、中小企業 8,475 社の計 1 万 59 社が回答した。 昨年は開いたが今年は見送るは 67%、昨年に続いて今年も開かないが 21% で、計 88% が開催を見送る方針だ。 昨年は開かなかったが今年は開くのは 0.5% にとどまった。

開催を見送る企業の割合が都道府県別で最も高いのは奈良の 96% で、北海道の 93% が続いた。 最も低いのは秋田の 66% で、東京は 90% だった。 規模別では、大企業が 93%、中小企業は 87% と大差はなかった。 商工リサーチの担当者は「忘年会・新年会は参加者が多く単価も高いので、減ると飲食店などにダメージが大きい。 あきらめて廃業するところが相次ぐ可能性もある。」と話す。 (箱谷真司、asahi = 11-19-20)


観光以外は GoTo 対象外 出張もダイビング免許もダメ

観光需要の喚起策「Go To トラベル」について、赤羽一嘉国土交通相は 30 日の閣議後会見で、補助対象の線引きを見直し、観光をおもな目的としない旅行を対象外にすると明らかにした。 出張での利用は原則対象外になり、英会話の講習やダイビング免許の取得が付いたプランも対象外とする。 11 月 6 日の販売分から適用される。 トラベル事業は、旅費の 50% 分、1 人 1 泊 2 万円(日帰りは 1 万円)を上限に補助する仕組み。 国交省はこれまで「換金性の高い金券類を含む宿泊プラン」、「宿泊施設が自らポイントやマイルの設定を行う宿泊プラン」を対象外とする一方、それ以外は個別に判断するとし、ダイビング免許付きプランや出張も補助の対象にしていた。

事業開始から 3 カ月がたって旅行者が増える一方、不適切と思われる新たな旅行商品も多く販売されるようになり、基準をより明確にした方がいいと判断。 ▽ 観光をおもな目的としている、▽ 感染拡大防止の観点から問題がない、▽ 旅行商品に含まれる商品やサービスの額が宿泊料金の水準を超えない、▽ 旅行者が期間中に購入・利用する、などの新たな判断基準を示したうえで、運用を変更し、これまでは認めていた一部の旅行を対象外とした。 29 日夜ホームページで公表した。

旅行業者が売り出す「出張プラン」などは対象外にする。 また個人が出張でトラベル事業を利用した場合も、原則対象外とする。 出張での利用をしないよう呼びかけるという。 コンパニオンの接待付き宿泊を対象外にするほか、ダイビングや船舶の免許取得付きプランも対象外にする。 サービス料金を切り離した交通費・宿泊費は割引の対象とする方針。 国交省は、旅行業者向けの相談窓口をつくり、新たな旅行プランが補助の対象になるかの相談を受け付ける見込みだ。 相談なしに販売を始め、事後に対象外と判断された場合は補助はしない。

赤羽氏は、「国家予算を投じて、コロナ禍で厳しい状況に置かれている観光関連産業に対する支援であり、また地域経済の再活性化への大きな支援でもある。 一般的に社会通念上の観点も含めて問題があるものについては、割引の対象にしないことを周知徹底する」と述べた。 (贄川俊、高橋尚之、asahi = 10-30-20)

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コンパニオン付きは GoTo 除外 観光庁、販売停止要請

観光支援策「Go To トラベル」をめぐり、観光庁は 29 日、コンパニオンの接待付きの宴席が含まれているツアーが補助の対象外であることを明確にした。 こうしたツアーを販売する旅行業者には、同日中に割引価格での販売をやめるよう求めた。 ただ、11 月 6 日以降の宿泊を対象外と明示する一方、同 5 日までの宿泊分については「感染対策がとられているのか調査をして補助対象かどうかを判断する」としている。 こうしたツアーが補助対象として認められれば、公金の使い道として不適切だとの批判が出そうだ。 宴席でのお酌やカラオケでのデュエットといった接待が、感染拡大の防止策を求める事業の趣旨にあわないと判断したという。 今後はコンパニオンのサービス料金を切り離した宿泊料金の部分についてのみ、割引の対象とする方針。

旅館「あまりに急すぎる」

事業の開始から約 3 カ月たって除外を決めたことについて、観光庁の担当者は「旅行の種類は千差万別で、事前にすべてをチェックすることは難しい。 通報などがあり、最近になって実態がわかってきたため対応した。」と釈明している。 コンパニオン付きプランを扱う静岡県の旅館の担当者は「Go To での割引は 8 月ごろから始めていたが、なぜ今になってだめなのか。 あまりに急すぎる。」と話す。 補助対象の線引きをめぐっては、観光庁は「QUO カードなどの換金性の高い金券類を含む宿泊プラン」、「宿泊施設が自らポイントや航空マイルの設定を行う宿泊プラン」は対象外にすることを明示していた。 一方でそれ以外は「個別のプラン内容で判断する」とするにとどまっていた。

そのため 23 日には、当初は支援対象と認めていた運転免許合宿ツアーを一転して対象から外すことも決めた。 ▽ 合宿代の大半を免許の取得費用が占めていることがわかった、▽ 国家資格である運転免許の取得が主目的であることから、「旅行需要を喚起するという本事業の趣旨に沿ったものとは言い難い」ことが理由だという。 ただ、講習費を明確に区別できるものは、宿泊・交通費のみ補助対象にするという。 他方、船舶免許やダイビングライセンスの取得やスキーの講習などは対象のままだ。 観光庁の担当者によると、「観光と密接に関わっていると言える」ことが理由という。

トラベル事業は、旅費の 50% 分、1 人 1 泊 2 万円(日帰りは 1 万円)を上限に補助する仕組み。 35% 分を旅費の割引にあて、15% 分は旅先で買い物や飲食に使えるクーポン券を配る。 観光地での様々な活動をツアーに組み込めば、その分も補助対象と認めている。 (高橋尚之、贄川俊、asahi = 10-29-20)


GoTo トラベル、のべ 2,518 万人利用 開始 2 カ月で

政府の観光支援策「Go To トラベル」事業について、赤羽一嘉国土交通相は 20 日の閣議後の記者会見で、事業が始まった 7 月 22 日から 9 月末までの約 2 カ月強に、少なくとも延べ 2,518 万人が利用したと明らかにした。 8 月末までは延べ 1,339 万人としており、9 月の 1 カ月間で 1,179 万人が利用したことになる。 2,518 万人に対する割引総額は 1,099 億円。 予算枠は 1.1 兆円あり、1 割が使われたことになる。 価格別では 1 泊 1 万 5 千円未満の利用者が 8 割程度を占めるという。 10 月には東京発着の旅行も対象に追加されたほか、お土産を買ったり食事をしたりできる地域共通クーポン券も始まったため、利用者はさらに増えそうだ。 (asahi = 10-20-20)


迷走する GoTo トラベル 「不公平」噴出で予算枠追加

国の観光振興策「Go To トラベル」をめぐり、大手旅行予約サイトなどで割引額が減額されたことを受け、赤羽一嘉国土交通相は 13 日、すべての旅行業者が最大 35% 分を割り引けるよう、追加で予算を配分すると発表した。 既存の予算の中から割り当てる。 これを受け、すべての予約サイトが 14 日午前中までに元の割引額に戻す見通しという。

国交省は当初、参加する事業者間の公平性や早い時期に予算を使い切らないようにすることも考慮し、おもに各社が出した販売計画にもとづいてそれぞれの予算配分を設定。 販売状況も加味し、時期を数回に分けて配分していく方針だった。 だが、政府内で「予算がまだあるのに、割引が制限される利用者がいるのは不公平だ」などと問題視する声があり、予算が不足した事業者には積極的に配分していくことにした。

トラベル事業は、国内旅行代金の 50% 相当を、1 人 1 泊 2 万円(日帰りは 1 万円)を上限に利用者へ補助する仕組み。 50% のうち、35% 分(最大 1 万 4 千円)は旅行代金から割り引き、残る 15% 分は旅先での買い物に使えるクーポン券を配る。 国交省が最初の割り当てをしたのは 9 月だった。 しかし、10 月からの東京発着旅行の追加やクーポンの配布開始で、「Yahoo! トラベル」や「じゃらん」などの一部の大手サイトに予約が集中。 最初に割り当てた予算が上限に達しそうになったため、各サイトは 1 万 4 千円だった割引上限額を 3,500 円に引き下げるなどの対応をとった。

「いらぬ心配をおかけした」と陳謝

国交省は当初、「多くの人に利用してもらうための各社の工夫で、上限を下げること自体は問題がない」としていた。 赤羽氏は、大手サイトで当初の販売計画と実際の予約や販売がかけはなれていた状況があったことを認めた。 そのうえで、予算が足りないという情報を事務局や国交省が把握して適切に対処していれば、今回の問題は防げた可能性が高いとの見方を示し、「可能な限り機動的に予算枠の追加配分を行う仕組みに改める」と述べた。 今後、各社に割引額の上限を 1 万 4 千円にすること徹底させるとした。

また、赤羽氏は、事業が始まった 7 月から 9 月 15 日までのおもな利用実績をもとにした試算で使われた予算は全体の約 6% だったことを示し、「予算が直ちに枯渇するような状況ではない」と強調。 「国民に混乱を生じさせ、いらぬ心配をおかけした」と陳謝した。そのうえで、「(事業者の)営業的な努力は認めなければいけない」とも述べ、予算が足りなくなった場合は積極的に配分していくとした。

いずれ予算が尽きる。その時は …

これを受け「Yahoo! トラベル」は、13 日正午以降の予約受付分から割引の上限を戻した。 担当者は「(割引の原資となる)国からの給付金追加のめどがたったため」と説明した。 ただ、11 月以降の予約受付分の割引上限は、国からの割当額が見通せないために未定とした。 野村総研の木内登英氏は「国の政策による割引額が突然変わることは、普通あってはならない。 国と事業者側の意見調整ができておらず、不要な混乱を招いた印象だ」と話す。 今後の混乱を避けるためにも、「いずれ全体の予算が尽きる時が来る。 その時にどう対応するのか、国が事前に方針を示すべきだ。」と指摘する。

一方、売り上げの多い事業者に積極的に予算を配分する方針を明確にしたことで、「一部の事業者に恩恵が偏る」、「事業期間を待たずに予算が枯渇する」といった懸念が残りそうだ。 赤羽氏は「機会は平等というのは大原則だ。 大手に偏るとか、そういう意図はない」として、各社が利用者を集めやすい環境は整えているとした。 予算については、「ご指摘のリスクというのはあるが、そこ(事業期間)までは基本的にはこの制度を維持したい」と述べるにとどめた。

これについて木内氏は「金額に応じて割引額が上がる仕組みになっている以上、高額の宿に需要が偏るのは止められない」と指摘。 「消費者の動きを予算枠でコントロールするには限界がある。 Go To の恩恵が行き渡らない宿に対しては、直接給付など別の枠組みでの支援を検討すべきだ。」と述べた。

     

公明党の山口那津男代表は 13 日の会見でトラベル事業について触れ、「この需要が今後も大きく、継続するという傾向が見てとれれば、やはり延長や予算額そのものの増額、これも検討すべきだ」と話した。 (高橋尚之、贄川俊、asahi = 10-14-20)

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GoTo トラベル、予約サイト割引枠に異変 予算が壁?

国の観光振興策「Go To トラベル」をめぐって、大手旅行予約サイトで割引枠の縮小が相次いでいる。 「旅行代金が最大半額に」とうたい、今月 1 日に東京発着も対象になったばかり。 これまで通り目玉の半額割引を続けている旅行会社も多いが、消費者にとっては分かりにくい事態になっている。 宿泊予約サイト「Yahoo! トラベル」は 10 日午前 0 時以降の予約について、それまで最大 1 万 4 千円割引だった割引上限金額を 1 人 1 泊あたり最大 3,500 円に引き下げた。 ヤフーの担当者は「申し込みが殺到し、このままの割引条件を続けると、キャンペーンの維持が難しいと判断した。 今後もより多くの方に利用してもらうための措置。」と話す。

「じゃらん」と「一休.com」も同日未明に、それぞれ割引上限額を最大 3,500 円に改めた。 「楽天トラベル」は 9 日までに利用条件を変更し、1 会員につき 1 回(国内宿泊 = 1 予約 1 部屋、国内ツアー = 1 予約)までという制限を設けた。 広報は「(国から)いただいた予算に上限があり、多くの人に使ってもらうための措置」と話している。 国の「トラベル」事業は、国内旅行代金の 50% 相当を、1 人 1 泊 2 万円(日帰りは 1 万円)を上限に補助する観光支援策。 50% のうち、35% 分は旅行代金から割り引き、残る 15% 分は旅先での買い物や飲食に使える地域共通クーポン券を配る。 新型コロナウイルスの感染拡大で冷え込んだ観光需要の刺激が目的だ。

利用には事前の予約が必要で、制度に登録している旅行業者や予約サイトを利用するか、宿泊施設に直接予約する。 国土交通省は、トラベル事業による恩恵が一部の事業者に偏らないようにするため、おもに前年の売り上げや今後の販売計画に応じて予算枠を決めて配分している。 大手旅行会社関係者は「枠の上限に達した会社がサービス変更を迫られているのでは」という。 旅行大手の JTB と日本旅行は 12 日時点でも、販売内容に変更の予定はないという。

国土交通省によると、7 月からの開始後、9 月 15 日までに、宿泊旅行で少なくとものべ約 1,689 万人が利用し、割引支援額は約 735 億円だった。 予算枠のうち、約 6% しか使われていない計算という。 大手旅行サイト関係者は「今後の国からの予算配分に応じて、割引幅は元に戻る可能性がある」と話した。 (西村悠輔、伊藤嘉孝、川村貴大、asahi = 10-12-20)


GoTo イート、少額飲食対象外 農水省、ポイント稼ぎ防止

農林水産省は 8 日、飲食業界の支援事業「Go To イート」で今月 1 日に始めたポイント付与事業について、千円未満の夕食など付与額より低い飲食を対象から外すと発表した。 下限設定などの対応を取るよう、インターネットの予約サイト運営会社を通じて飲食店側に求めた。 ポイント目当てに少額の食事を注文する利用がネット上で話題になり、開始 1 週間で制度の見直しを迫られた。 新型コロナウイルスに対応した政府の需要喚起策「Go To キャンペーン」を巡っては「トラベル」のスタート時にも東京除外に絡んで問題が生じた経緯があり、混乱が相次ぐ形となった。 (kyodo = 10-8-20)


「これほど個人客が回復するとは」 GoTo 東京追加、「お得感」で高級旅館人気

政府の観光支援事業「Go To トラベル」に東京都発着の旅行が追加されて初の週末となった 3 日、山梨県内も東京などから訪れた観光客でにぎわった。 富士吉田市新西原の富士急ハイランドに隣接するホテル「ハイランドリゾートホテル & スパ」では同日午後、チェックインをする宿泊客らで混み合った。 東京都発着の旅行商品の販売が始まった先月 18 日以降、都民による予約が相次ぎ、今月は土曜日がほぼ満室に。 稼働率は前年の同時期を上回る見込みだという。 山口明夫・総支配人は「東京が追加された効果は大きく、これほど個人客が回復するとは思わなかった。 感染対策を万全にして迎えたい。」と話した。

笛吹市の石和温泉街の旅館「ホテル甲子園」でも 3 日、全 19 室が東京を含む首都圏などからの予約で埋まった。 森田結里恵マネージャーは「多くの方が事業を利用するおかげで宿泊客の数は例年並みに戻った。 このままの調子が続いてほしい。」と話した。 旅館が軒を連ねる河口湖畔の駐車場でも、キャリーバッグなどの大きな荷物を持って歩く観光客の姿や、「練馬」や「足立」といった都内ナンバーの乗用車が目立った。

一方、1 人 1 泊あたりの旅行代金が最大 35% 割り引かれる事業では、割引額が大きくなる高級旅館に人気が集中する傾向があり、手頃な価格の宿泊施設では落胆の声も上がった。 富士吉田市のホステル「Hostel SARUYA」の八木毅代表は「元々の宿泊料が安いので事業の効果は薄く、客は河口湖など周辺の高級旅館に流れてしまう」とこぼした。 (yomiuri = 10-4-20)


口閉ざす体験者たち、まるで「都市伝説」 コロナ感染、伝えられる世の中に

「コロナって都市伝説だと思っていた。 感染者は周りにいないし、テレビでも数字しか出ないし …。」 この春に新型コロナウイルスに感染した飲食店経営の女性 (46) は退院後、お客の一人からそんな言葉をかけられた。 店を再開し、体験を話した時のことだ。 「あんなに苦しんだのは何だったんだろう。」 女性は感染体験をできるだけ話したいと思っているが、気軽にそうできないのがもどかしい。 治ったと伝えたのに連絡が途絶えた常連客もいる。 最近は「話して大丈夫な相手か見極めて話すことにしている」という。

本人の意志と関係なく、周囲から話すことを止められた人もいる。 学童保育施設で働く女性は、感染の事実を隠すよう上司に言われ、半年たった今も同僚に伝えていない。 「ウソをつき続けるのがつらい」と打ち明ける。 感染の体験を発信し続けてきたツイッターを「やめる」と宣言した人もいる。 21 歳の大学生、「イオ」さんだ。 退院後も長びく後遺症についても積極的に投稿しており、記者の私もメッセージ機能を使ってやりとりしていた。

なぜ発信をやめてしまったの? 先日、ビデオ通話で聞いてみた。 イオさんの返事は「コロナを信じたくない人たちに『うそつき』と言われたり、個人情報をさらされそうになったりして、怖くなったんです。」 フォロワー数は一気に 10 倍に増え、たくさんの人に関心を持ってもらえたと喜んでいたのもつかの間、「誹謗中傷が千件も来るようになった」のだという。 周りに感染者がいないのではない。 実際は「言いづらいから言えない」という人が多いのではないだろうか。

私も感染した一人だ。 4 月に感染がわかって入院し、幸い無事に退院できた。 症状や自宅隔離の大変さを署名記事で伝えてきたが、「誹謗中傷されるのでは」と気遣う声も周囲にはあった。 結果的に多くの励ましをいただいたが、口を閉ざさざるを得ない人もきっと多いに違いないと思う。 このウイルスは未知の部分が多く、症状も個人差が大きい。 「自分はこうだった」と気兼ねなく伝えられる世の中になることを願う。 新型コロナは決して都市伝説などではないのだから。 (今村優莉、asahi = 9-30-20)


感染者に「おかえり」を 差別のない社会願うリボンの輪

結んだリボンを胸などにつけて、新型コロナウイルスに感染した人たちへの差別に反対する意思を示そうという「シトラスリボン運動」が広がっている。 コロナに感染しても、「おかえり」、「ただいま」と言い合える社会の実現が目標だ。 8 月上旬、福岡市内の小学校の帰りの会で、黄緑やオレンジ、ピンクのリボンが児童に配られた。 紙のひもを結んで三つの輪をあしらった、5 センチほどのストラップ。 手に取って不思議そうに眺める子どもたちに、教員が語りかけた。 「新型コロナに感染した人への差別が起きたことを知っていますか。 差別をなくそうという思いを込めたのがシトラスリボン。 家でも思いを共有しましょう。」

シトラスリボン運動は、リボンを胸元や持ち物につけることで、感染者や医療従事者への差別に反対する意思を示すというものだ。 愛媛県の市民グループが「シトラスリボンプロジェクト」として 4 月から始めた。 愛媛特産のかんきつ類(シトラス)にちなんで黄緑やオレンジといった色を使い、感染した人や医療従事者が「地域」、「家庭」、「職場や学校」で安心して過ごせることへの願いを三つの輪に込めている。

今回、この小学校にリボンを贈ったのは、福岡市東区の専門学校「福岡和白リハビリテーション学院」の学生や教員たちだ。 この学校では 4 月、学生約 300 人のうち 8 人が新型コロナウイルスに感染し、直後から「感染したのは誰か」、「うちの子が感染したらどう責任を取るんだ」といった電話が学校に相次いだ。 SNS でも、誹謗中傷する言葉が飛び交った。 当時、対応に追われた作業療法学科の教員、太田研吾さん (42) は「感染への不安は理解できるが、学生や学校を追いつめるだけの言葉も多かった。 学生を守り、教訓を社会に生かせる方法を考えました。」と振り返る。

同校はこうした経験から、シトラスリボンの運動に賛同。 感染が落ち着いて学校を再開した 5 月下旬、教員が学生たちに「おかえりなさい」と声をかけ、手作りのシトラスリボンを配った。 小学校などにリボンを贈る活動も続けていくという。

陽性と伝えると、態度が一変

当時感染した学生もリボン作りに参加している。 ある学生は 4 月、学校が休校になったため寮を出て福岡市内のホテルに滞在中、別の学生のコロナ感染が判明し、自身も検査で陽性が確認された。 ホテルに事情を説明すると態度が一変。 従業員が他の客の前に立ちはだかるように手を広げ、「汚いものを見るような目で見られた」とショックを受けた。 「病気の不安よりも周囲の目の方が怖かった。 シトラスリボンを通じて差別に苦しむ人が減ってほしい。」

リボンの作り方は、インターネットで公開されている。 シトラスリボンプロジェクトによると、授業や PTA 活動での活用や、リボンをあしらったマスク作りなど、賛同する学校や団体は全国で約 230 に広がっているという。 九州・沖縄を中心に展開する航空会社・ソラシドエア(宮崎市)も、7 月から客室乗務員やパイロットらが胸元にシトラスリボンのブローチを装着。 接客の機会がコロナ禍で減るなか、言葉を使わず伝えられるメッセージとして差別防止に賛同した。

プロジェクト共同代表の甲斐朋香・松山大学准教授は「差別や非難の言葉が飛び交うことに胸を痛めている人はたくさんいる。 言葉では言い出しづらい人も、差別に反対する気持ちをリボンで表現してもらえれば。」と話す。 (竹野内崇宏、asahi = 9-24-20)


羽田に戻るにぎわい 4 連休初日、ANA はほぼ満席

4 連休を迎え、航空業界の旅客需要が戻り始めた。 19 日は全日本空輸 (ANA) の国内線予約数が 8 万 7 千人で今年度の最高を更新、日本航空 (JAL) も約 8 万人に達した。 新型コロナウイルスの感染拡大のペースが緩やかになり、利用者心理の改善が追い風になっている。

連休初日の 19 日の羽田空港は朝から旅先に向かう人々でごった返した。 夫 (43) と長女 (1) の 3 人で宮崎県の実家に帰省するという千葉県野田市の会社員の女性 (42) は「お盆は旅行していいか分からなかった。 コロナとは長い付き合いになりそうだし、冬はインフルエンザも流行する。 行くなら今だと思った。」と話す。 感染リスクが高まる「3 密」を実家で避けるため、「Go To トラベル」を利用し宮崎県内のホテルや旅館で親と過ごす予定という。

福岡市内に単身赴任する夫に約半年ぶりに会いに行くという横須賀市の看護師の女性 (58) は「7 月ごろから行ける時期を探っていた。 今月に入り感染者数が 2 桁や 100 人位になったので、行けるうちに行こうと思った。 空港に人が多く驚いた。」と話した。 ANA によると 1 日の旅客数が 8 万 7 千人を超えるのは 2 月 28 日以来約 7 カ月ぶり。 お盆のピーク(1 日当たり 6.2 万人)も大幅に上回った。 需要の盛り上がりに合わせ機材の大型化を中心に供給座席数を増やした。 4 日間で約 2 万 3,000 席と小型機換算で約 140 便分の席数を確保。 連休初日は羽田発の下り便の利用率が 97.2% と、ほぼ満席だった。

同日取材に応じた ANA の井上慎一専務は「8 月中旬以降徐々に予約が右肩上がりで来たところで、9 月 11 日に(Go To トラベルの)東京追加の方針が示され勢いがついた」とした上で「この動きを確実にするためにも、感染防止に気を引き締めていきたい」と話した。 19 日は JAL もグループ全体で予約数が約 8 万人、予約率は約 7 割と好調だ。 羽田 - 新千歳線などは満席便がみられ、連休最終日の 22 日も 19 日と同程度の予約状況という。 (井沢真志、nikkei = 9-19-20)

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東京発着、きょう正午から販売 GoTo トラベルで追加

政府の観光支援策「Go To トラベル」で、10 月 1 日から新たに割引対象になる東京発着の旅行商品の販売が 18 日正午から始まる。 7 月 22 日に始まったトラベル事業では、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に、東京都内を目的地とした旅行や都民の旅行が対象から外れていた。 東京で感染が収まってきたため、政府が追加を決めた。 18 日午前の閣議後会見で、赤羽一嘉国土交通相が正式に発表した。 販売開始前に予約した旅行で割引を受けたい場合は、振り替えや予約の取り直しが必要になるという。

ただ、9 月末までに東京で感染が再び拡大すれば、除外が見送られる可能性もある。 その場合、18 日以降に予約した旅行のキャンセル料がかからないようにすることも決まった。 7 月の東京を除外した時と同様に、事業者が被った損害分を事務局が支払うという。 トラベル事業は、1 泊あたりの補助額 2 万円を上限に、旅行代金の 50% を補助する仕組み。 35% 分の宿泊割引は 7 月 22 日から始まっており、10 月 1 日からは 15% 分を補助する地域共通クーポン券の発行も始まる。 国交省によると、事業を始めた 7 月 22 日から 8 月末までに少なくとも延べ 1,339 万人が利用したという。 (贄川俊、asahi = 9-18-20)

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小池都知事、GoTo 東京追加方針を歓迎「回復に弾み」

観光支援策「Go To トラベル」の対象に、東京都民の旅行と都内への旅行を 10 月 1 日から加える方針を政府が示したことについて、東京都の小池百合子知事は 11 日の定例会見で「経営が厳しい都内の観光関連事業者にとって、事業回復に弾みがつくのではないかと考えている。 都民も待ち望んでいると思う。」と述べ、歓迎する姿勢を示した。 東京都内の新型コロナウイルスの感染者は減少傾向にあるが、9 月に入っても高止まりが続いている。 小池知事はこの日の会見で、都民向けに「外出される際は、くれぐれも感染防止策に万全を期していただきたい」と求め、「東京の方々が各地に出られる際に、迎え入れる地域の皆さまにしっかりとご理解いただけるよう、国にもご協力を賜れればと思う」と話した。 (asahi = 9-11-20)


「感染ゼロ県」で 1 例目に 中傷の嵐の後に届いた赤い花

全国で唯一、新型コロナウイルスの感染者が「ゼロ」だった岩手県で、初めて確認されたのは 7 月末。 県内一例目として発表された男性が勤める会社には直後から、中傷の電話が相次いだ。 だが次第に、応援や励ましのメッセージが多く届くようになった。 社員の感染がわかったのは 7 月 29 日の夜。 どう発表するか、社内で話し合った。 生活インフラのガスを扱う企業として、日頃の感染症対策や社員が感染した際の対応は、2 月から準備していた。

社員のプライバシーを守りながら、地域住民の不安を和らげるにはどうすればいいか - -。 最終的に、社員の感染と、顧客とは接触がなかったことなどを説明する文書をその日深夜、会社のホームページで公表した。 中傷の声があれば、会社が盾になる覚悟だった。 31 日朝に一部のテレビや新聞で会社名が報じられ、バッシングの電話が相次いだ。

「感染者はクビにしたのか。」 「社員教育がなってないんじゃないか。」

同じ人から何度もかかってきたり、30 分以上話し続けられたりした。 どう対応していいかわからず、ひたすら相手の話を聞いた。 電話を取るのが怖いと言う社員もいた。 顧客に安心してもらうため、8 月 1 日に県内の数千世帯へ説明の文書を送った。 感染した社員は発症してから顧客との接点が一切ないこと、濃厚接触者の社員も全員陰性であることなどを記した。 土曜日だったが、社員の多くが出社して作業にあたった。

その 2 日後だった。 営業所に匿名でアレンジメントフラワーが届いた。 小ぶりな赤い花が咲いていて、添えられたカードに「勤め先に届くのは中傷の言葉ではなく、花だと思いました」と書かれていた。 社員を気遣い、励ます手書きの手紙やメール、説明の文書を受け取った顧客からの電話が増えていったのは、そのころからだった。

「ちゃんと眠れていますか。 とても心配です。」 「従業員の方が回復され、(中略。 中傷に妨げられずに)正常に業務ができるようになる日が早期に訪れることを、切に願っております。」 「御社の誠意を確信しました。 『我が家のガス屋さん』と胸を張ってゆきます。」

県内だけでなく、関西や関東などからも励ましのメールがあった。 スイカや手作りのさつまあげ、「疲れただろう」と甘いお菓子を差し入れてくれる人もいた。 幹部は「震災などの災害時もガスや灯油を届け続けた社員の努力が届いていたんだ」と感じたという。 届いた手紙の文面は、社員が見られるよう社内に掲示してある。 中傷の電話やメールは、社員の感染を公表してからの 2 日間がピークで約 100 件。 応援メッセージも贈り物や手紙、電話やメールを合わせると、これまでに約 100 件あった。

励ましが増えたのは、達増拓也県知事が「厳格に臨む意味で、(中傷に対しては)鬼になる必要がある」と発言したことや、中傷を受けていることが報道を通じて広く知られたこともあったのではないか。幹部はそう考えている。 感染した社員は、順調に回復へ向かっている。 検査で陰性だった濃厚接触者の社員 10 人も、健康観察の 14 日間を経て職場復帰した。

濃厚接触者の社員は「自宅待機中は孤独で、今まで通りの日常に戻れるのか不安だった。 メッセージが励みになった。」 幹部は「誹謗中傷に注目が集まっているが、地域の方々を中心とした温かい励ましが、感染した本人や社員を支えてくれた。 私たちの経験が、コロナへの向き合い方の参考になれば。」と話す。 (御船紗子、asahi = 8-25-20)


感染は避けたい、でも旅行は行きたい その結果、人出は

各地の感染者数は増え続けているのに、国が「Go To トラベル」事業を進めるというちぐはぐな状況が続いている。 ソフトバンクの子会社アグープがスマートフォンの位置情報をもとに集計したデータを分析して各地の人出を比べると、人々の行動にも、感染への警戒と、旅行の後押しという「ダブルバインド(二重拘束)」な状況が反映されているようだ。

東京駅も、大阪駅も …

西村康稔経済再生相が「在宅勤務 7 割の再徹底を」と経済界に求める中、ビジネス客が多く利用する東京、大阪、名古屋・栄、博多の 4 主要駅の平日の人出は、7 月中旬以降、ゆるやかに減りつつある。 東京駅では、新型コロナが国内で感染拡大する前の 1 - 2 月の平日の平均を 100% とすると、3 月は 77% に減少。 4 月 7 日 - 5 月 25 日の緊急事態宣言中には 30% にまで落ち込んだが、6 月下旬 - 7 月上旬には 59% まで戻った。

だが都内の感染者は 7 月上旬以降、連日 100 人を超えるようになった。 23 日からの 4 連休前には小池百合子知事が「不要不急の外出はできるだけ控えて」、8 月に入ると「旅行、帰省はお控えを」と求めた。 8 月以降の人出は、1 - 2 月の平日平均の 56% ほどだ。 大阪駅も同じ傾向で、緊急事態宣言中の 28% から 6 月下旬 - 7 月上旬には 67% に上昇したが、8 月に入ると 60% に減った。 栄駅や博多駅も同じ傾向だ。

分かれる観光地

一方、観光地では休日の人出が増えているところもある。 1 - 2 月の休日平均の人出を 100% とすると、静岡県の熱海温泉や京都・嵐山では 4 - 5 月は半分ほどに落ち込んだが、6 月下旬から 7 月上旬に 7 - 9 割まで回復。 8 月は 8 - 10 割に増えた。 だが、Go To 開始後に感染者が急増した沖縄県は様相が異なる。 那覇・国際通りの人出は、4 - 5 月に 4 割に下がった後、6 月末から 7 月にかけて 7 割まで戻ったが、8 月以降は半分以下に落ち込んだ。

玉城デニー知事が 7 月 31 日に県独自の緊急事態宣言を出し、県外からの渡航に「慎重な判断」を求めたこともあるが、8 月以降の人口 10 万人あたりの直近 1 週間の感染者は全国最多レベル。 「観光は楽しみたいが、感染はしたくない」という板挟みの心理状況が影響しているのかもしれない。 (合田禄、asahi = 8-16-20)

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