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中国、アメリカの半導体規制巡り WTO に提訴 … 「世界の供給網の安定脅かす」と主張

【北京 = 山下福太郎、ワシントン = 田中宏幸】 中国商務省は 12 日、バイデン米政権による半導体の対中輸出規制が「貿易ルールに違反している」として、世界貿易機関 (WTO) に提訴したと発表した。 ハイテク分野を巡る両国の対立は一段と深まっている。 商務省は 12 日深夜、「米国は世界のサプライチェーン(供給網)の安定を脅かし、国際経済と貿易を混乱させている」とする提訴理由をホームページに掲載した。 米国が 10 月に発表した対中規制は、半導体製造装置や関連部品の輸出に加え、米国の技術が使われていれば、ほかの国で製造する場合も対象となる。

軍事利用の防止が主な狙いとされ、ハイテク分野の対中規制を大幅に強化することになる。 中国は、半導体の多くを外国企業の製品や技術に頼っており、スマートフォンやパソコンの生産など、幅広い産業に影響が出る可能性がある。 11 月中旬の米中首脳会談で、両国は閣僚を含む高官級対話の再開で合意した。 半導体規制は、中国側が繰り返し撤回を求めているが、米国側は応じていない。

米国のジェイク・サリバン国家安全保障担当大統領補佐官は 12 日の記者会見で、半導体製造装置を手がける日本やオランダと対中輸出規制について協議したことを明らかにした。 米ブルームバーグ通信は、日本とオランダは、米国と足並みをそろえ、先端技術や半導体関連製品などに関して中国への輸出規制を強化すると報じた。 数週間以内に発表する可能性があるという。 (yomiuri = 12-13-22)


中国への半導体輸出規制、米国が拡大 先端技術を広範に

【ワシントン = 飛田臨太郎】 バイデン米政権は 7 日、半導体の先端技術をめぐり、中国への輸出規制を拡大する新しい措置を発表した。 米国企業が人工知能 (AI) やスーパーコンピューター向けの先端技術を中国向けに開発・輸出する場合、事実上の許可制とする。 一部企業への輸出管理にとどまっていた措置を広範に広げる。 米中のハイテク分野を巡る覇権争いの一環だ。 中国の産業競争力を弱め、米国の優位性を高める狙いがある。 経済活動の分断が一段と深まる可能性がある。

中国企業と半導体の先端技術や製造装置を取引する場合には、新しいライセンスが求められる。 米商務省は「(中国が)高度なチップを入手し、高度な半導体を製造する能力を制限するものだ」と説明した。 安全保障上の脅威になる場合には、商務省が申請を拒否する可能性がある。 企業活動の混乱を防ぐため一定の猶予期間を設ける。 2023 年春までは現状と近い取引が続けられる公算が大きい。

これに加え、中国の 31 企業・団体を米技術を使った半導体を軍事や兵器開発に転用している恐れがあるとし、懸念先リストに加える。 懸念が消えない場合は輸出禁止が視野に入る。 対象には、中国半導体メーカーの長江存儲科技 (YMTC) を含む。 同社は中国政府系ファンドから多額の資金を受け、メモリー量産で急成長を遂げたとされる。 米議会は YMTC を禁輸対象にするよう要求していた。

米政府はすでに華為技術(ファーウェイ)や半導体受託生産の中芯国際集成電路製造 (SMIC) などへの製造装置の輸出を厳しく規制している。 今回の措置は半導体技術の流通をさらに制限する可能性があり、米国以外の関連企業にも影響を及ぼしかねない。 半導体の先端技術は次世代の高速計算機「量子コンピューター」や音速の 5 倍以上の速度で飛ぶ「極超音速ミサイル」に使われる。 米政府は輸出管理の強化によって、軍事面での中国の脅威を抑える意図もある。

米商務省は声明で半導体の先端技術について「中国が大量破壊兵器を含む高度な軍事システムを製造し、人権侵害を行うために使用されている」と断じた。 米半導体の業界団体は「国家安全保障を確保するという目的は理解し、米政府が的を射た方法で規則を実施すると求める」と発表した。 米インテルの広報担当者は「規制を検証中だ。 すべての国際貿易法および関連する要件を順守する」と述べた。 (nikkei = 10-8-22)


中国メディア、米国に上場する中国企業の監査巡る米中協定を称賛

[上海] 中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は 27 日、米国に上場している中国企業の監査状況を米当局が検査することを認める協定を両国が結んだことについて、両国に「有益な教訓」をもたらしたと称賛した。 協定によって電子商取引大手、アリババ・グループ・ホールディングなどの中国企業が米市場から締め出されるリスクが回避された。

環球時報の論説記事は、米中間に意見の相違があることは正常だが、それを「全面的な対立に向かう口実にすべきではない」ことを今回の合意が示していると論じた。 米国は企業への監督を強化する必要がある一方で、中国は国家安全保障を維持しなければならないとした上で「双方の懸念が互いに理解、尊重されるとともに、賢明な取り決めによって双方のニーズが満たされたことは称賛に値する」とした。 (Reuters = 8-29-22)


米国の「CHIPS 法」成立に断固反対 中国商務部

【北京】 中国商務部の束カクテイ報道官は 18 日のオンライン定例記者会見で、米国が自国の半導体産業に巨額の補助金と税制優遇を提供する「CHIPS and Science Act (CHIPS法)」を成立させたことについて、「中国は断固反対する。 その実施状況を引き続き注視し、必要に応じて強力な措置を講じて自らの合法的権益を守る。」と表明した。

束報道官は次のように強調した。 米国で成立した「CHIPS 法」は、典型的な差別的産業支援策だ。 その一部条項は関連企業の中国における正常な経済・貿易・投資活動を制限しており、明らかな差別的性質を持っている。 これは市場の法則と国際的な経済・貿易ルールに著しく違反し、世界の半導体サプライチェーン(供給網)にねじれを生じさせ、国際貿易に混乱をもたらすものだ。 (中国・新華社 = 8-19-22)

〈編者注〉 つい最近、中国・国有大手企業の NY 証取からの撤退を表明したばかり。 その上、企業内容の明瞭性向上を避けるのが真の理由です。 結局は、中国の基準が世界の基準に合っていないのが底辺にあるのを忘れてはいけません。


中国国有大手 4 社、米上場廃止申請へ 取引減や事務負担指摘

[上海/香港] 複数の中国国有企業が 12 日、ニューヨーク証券取引所 (NYSE) からの上場廃止を自主的に進める計画を発表した。 計画を発表したのは、中国人寿保険、中国アルミ(チャルコ)、中国石油化工(シノペック)、中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)。 NYSE の米預託株式 (ADS) を上場廃止にする計画をそれぞれ発表した。 中国証券監督管理委員会 (CSRC) は「これらの企業は米国での上場以来、資本市場の規則と規制を厳格に守ってきたが、ビジネス上の判断で自ら上場廃止の選択をした」との声明を発表した。

米中は上場企業の監査問題を巡って以前から協議を続けており、米国に上場する中国企業が米国の監査規則を順守できない場合、米国内の取引所から上場廃止になる恐れがある。 各社の声明は監査問題を巡る対立には直接言及せず、米国での取引量が他の主要市場と比べて少ないと指摘した。 ペトロチャイナは、市場によってルールが異なるため、NYSE での上場を維持するために必要な開示義務を果たすことが「かなりの事務負担」となっていると説明した。 中国人寿とチャルコは 22 日に上場廃止を申請し、10 日後に上場廃止となると明らかにした。 シノペックとペトロチャイナは 29 日に申請するとしている。 (Reuters = 8-12-22)

参照記事 (〜1-26-21)


ファーウェイ、売上高 28% 減 21 年、米制裁でスマホ苦戦

【北京】 中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)が 28 日発表した 2021 年 12 月期決算によると、売上高が前年比 28.6% 減の 6,368 億元(約 12 兆 4 千億円)だった。 米国による半導体輸出規制が続き、スマートフォン事業が落ちこんだ。 約 10 年にわたる拡大路線にストップがかかった。 決算発表会には、孟晩舟副会長兼最高財務責任者 (CFO) が出席した。 中国メディアによると、拘束されていたカナダから昨年帰国して以降、初めて公の場に姿を見せた。 (kyodo = 3-28-22)



ファーウェイ CFO 孟晩舟氏、中国への帰国の途に

|中国通信機器大手・華為技術 (Huawei) の孟晩舟最高財務責任者 (CFO) は 24 日、米司法省との司法取引が成立したことを受けて自由の身となり、中国への帰国の途に就いた。 カナダのテレビ局は同国の裁判所が釈放を決定した後間もなく、中国南部・深セン行きの旅客機に乗り込む孟氏の姿を報じた。 (AFP/時事 = 9-25-21)


中国、カナダ人に懲役 11 年判決 トルドー首相が反発

中国遼寧省丹東市の中級人民法院(地裁に相当)は 11 日、国家機密を探って国外に提供したとして、カナダ人被告に懲役 11 年と 5 万元(約 85 万円)の没収、国外追放を言い渡した。 中国では 10 日にも別のカナダ人被告の死刑判決を維持する司法判断が出たばかり。 カナダ側は、カナダで逮捕された華為技術(ファーウェイ)幹部の裁判が影響しているとして反発している。 被告はマイケル・スパバ氏。 中国と北朝鮮を仕事で行き来していたとされる。 審理は非公開で、中国側は起訴内容の詳細を明らかにしていない。

スパバ氏が拘束されたのは 2018 年 12 月で、カナダ政府が米国の要請を受けて華為幹部の孟晩舟氏を逮捕した直後だった。 同時期にカナダ外務省を休職中のシンクタンク職員マイケル・コブリグ氏も拘束され、カナダ政府は中国側の圧力との見方を強めていた。 スパバ氏の判決についてカナダのトルドー首相は 11 日、「判決は全く受け入れられない不当なものだ。 司法手続きは透明性に欠け、裁判は国際法が求める最低基準も満たさぬものだった。」との声明を発表した。

カナダでは、米国が銀行詐欺罪などで起訴した孟氏を米国へ引き渡すかどうかの審理が最終弁論に入っている。 AFP 通信によると、カナダのバートン駐中国大使は報道陣に対し、前日の死刑判決の確定を含めて「(孟氏の)裁判が続いている間に二つの判決を聞いたことを偶然とは思わない」と述べた。 (瀋陽 = 平井良和、ニューヨーク = 中井大助、asahi = 8-11-21)



ファーウェイ輸出規制、米国が本格化へ 逃げ場失う中国

米トランプ政権による中国通信大手、華為技術(ファーウェイ)に対する半導体の輸出規制が、15 日に本格適用される。 経済・軍事両面の競争力の決め手となる中核部品で米中の「デカップリング(切り離し)」が進み、華為に部品を供給する日本企業にも影響が広がりそうだ。 トランプ米政権は今年 5 月と 8 月、華為に対する半導体の規制強化策を発表した。 いまは「猶予期間」だが、15 日から本格的に導入される。 米国側が「中国軍に所有または管理されている」とみる華為への高性能半導体の供給を、事実上絶つ狙いがある。

半導体産業では、受託メーカーは自ら設計せず、顧客からの設計データに基づいてつくるケースが多い。 5 月の規制では、華為の設計に基づいて、「米国製の半導体製造装置や設計ソフトウェア」を使ってつくる半導体について、華為への輸出を禁止した。 華為は自社で設計した高性能半導体の製造を、世界最大の受託メーカー、台湾積体電路製造 (TSMC) に委託しており、規制の対象となった。

さらに 8 月の規制では、米国製の半導体製造装置を使って製造した半導体は、華為が設計していない汎用品についても、規制の対象とした。 半導体を華為に供給してきた台湾の半導体大手メディアテックなども「規制の対象になる(米商務省高官)」としており、抜け穴が封じられた。 高性能半導体は、スマートフォンや高速通信規格「5G」の通信網などで幅広く使われており、人工知能 (AI) など最先端技術の開発でもカギを握る。

米ボストン・コンサルティング・グループによると、米国は世界の半導体製造装置市場の 52% を占める。 半導体メーカーで米国製の装置を使っていないところは少ないとされ、華為は半導体を手に入れる手段が大きく損なわれる。 華為は 4 - 6 月、スマホの出荷台数で韓国サムスン電子を抜いて初めて世界首位に立った。 だが、米国の規制強化で、スマホや 5G 基地局などで、競争力のある製品がつくれなくなる可能性がある。 韓国の朝鮮日報は、サムスンと SK ハイニックスも、華為に対する半導体メモリーの供給を停止せざるを得なくなると報じている。

中国税関総署によると、8 月の集積回路の輸入額は 311 億ドル(約 3.3 兆円)で、18 年 9 月に次ぐ過去 2 番目の大きさに膨らんだ。 華為に対する制裁を受けて、駆け込みで在庫を積み増す動きとみられる。 半導体調達の道が閉ざされるなか、中国は国内で半導体の「内製化」を急ピッチで進めている。 華為は、中国半導体製造大手の中芯国際集成電路製造 (SMIC) からの調達を増やしているが、米政府が SMIC も制裁対象に加える検討をしているとの報道もあり、逃げ場は失われつつある。 (ワシントン = 青山直篤、北京 = 福田直之)

日本企業「努力が水の泡になることも想定」

年間約 1 兆円分の部品を華為に納入する日本企業への影響も必至だ。 キオクシアホールディングス(旧東芝メモリ HD)は、データの記憶に使うフラッシュメモリーの製造工程で米国製の製造装置を使っており、「影響の大きさの確認を急いでいる(広報担当者)」とする。 ただ、ハードディスク駆動装置 (HDD) を納める富士通は「取引量も多くなく、事業への大きな影響はない(広報)」とするなど、今のところは様子見といった企業が多い。

米中摩擦が激化するなか、華為はスマホ部品の国産化を進めるが、日本企業の存在感は大きい。 スマホ部品の 3 割超を日本から調達しているとされる。 日本企業が小型・軽量化に強みをもつ電子部品を手がける村田製作所や TDK などだ。 半導体業界に詳しい SMBC 日興証券の花屋武氏は「短期的には日本企業にはマイナスの影響が出る。 だが、競合他社が華為のシェアを奪ってスマホ市場が縮小しないのであれば、中長期的には影響はあまりないだろう」と話す。

とはいえ、一部の企業では懸念が高まっている。 ソニーはデジタルカメラやスマホのカメラに使う画像解析用の半導体「イメージセンサー」で、世界シェアの 5 割を握るが、その売上高の 8 割をスマホ向けが稼ぎ出している。 華為とも年数千億円規模の取引があるとみられている。 19 年度の半導体事業の売上高は、前年比 22% 増の 1 兆 706 億円。 カメラの性能は、スマホの売れ行きを左右するため、各メーカーが 1 台のスマホに複数のカメラを装着した機種を増やしていることが、ソニーの追い風になっている。

ソニーは昨年 10 月、21 年 3 月までにイメージセンサーの月産の生産量を約 1.4 倍に増やす計画を発表。 だが、華為との取引が不透明感を増す中、足元では生産ペースを緩めている。 20 年度まで 3 年間で累計 7 千億円としてきた設備投資額も 6,500 億円に引き下げる。 「顧客の拡大と分散に注力していく。」 ソニーの十時裕樹副社長は 8 月の記者会見で、米中摩擦への対応策を問われ、そう話した。 「いずれ華為の取引が消え飛び、関係を築いてきた努力が水の泡になることも想定しないといけない。」 ある電機メーカー関係者は、危機感をあらわにする。 (小出大貴、鈴木康朗、asahi = 9-11-20)


ファーウェイ過去スマホ、Android アップデート不可に? 米政府ライセンスが期限切れ
延長がある可能性も

米商務省によるファーウェイおよび関連企業に対する事実上の禁輸措置が課されてから 1 年以上が経過しました。 それによりファーウェイの新機種に Google サービスを搭載できなくなりましたが、一時的一般許可証 (TGL) の有効期限が繰り返し延長されることで、同社の Google サービス搭載済み Android 製品はアップデート可能であり続けていました。 しかし 13 日(米現地時間、以下同)に TGL が期限切れとなり、今後は従来製品もアップデートできなくなる可能性があると報じられています。

米商務省は 2019 年 5 月、ファーウェイおよび 68 の関連会社を、米企業が政府の許可なく取引を禁じられる「エンティティーリスト」へと正式に追加。 その直後に TGL を発行したことで、ファーウェイによる既存の通信ネットワーク維持や、発売済みのスマートフォン向けにソフトウェア更新が引き続き可能となっていました。

上記のように延長が重ねられた TGL ですが、5 月に米商務省は「Expected Final 90-Day Extension (おそらく最後の 90 日間の延長)」と付け添えて 8 月 13 日まで延長。 そして 8 月 14 日に何の声明もなく、米 The Washington Post 紙には商務省からライセンスの有効期限が切れているとの声明が送られてきたとのことです。

商務省は電子メールで、同ライセンスは「ファーウェイ製品のユーザーや通信プロバイダが代替サプライヤーへの移行を急ぐ一方で、一時的にそれらデバイスや既存のネットワークを運用し続ける機会」を提供していたと述べています。 ファーウェイ製品の使用禁止という最終目標は揺るがず、そのための猶予期間は十分用意したと示唆しているもようです。 かたや Google の広報担当者も、同社がこれまでアップデート配信を許可したのは TGL に基づいていたと回答。 それ以上のコメントは拒否しています。

Google は 2 月に Android の公式ヘルプにて、無資格のファーウェイ製デバイスにアプリをサイドロード(Google Play など正規ストアを経由せずに野良アプリをインストールすること)しないように推奨しています。 今後はこの「無資格」に Google サービス搭載済み端末が含まれる恐れもあるわけです。 今回確認が取れたのは「TGL が期限切れ」という事実と、Google が「TGL がある限りアップデート配信を許可する」大原則のみ。 後日、商務省があらためて延長を発表する可能性もあり、Google サービス入りファーウェイ端末愛好者は希望を繋ぎたいところです。 (Kiyoshi Tane、Engadget = 8-17-20)


ファーウェイ、スマホで世界首位に サムスン抜く

調査会社のカナリスは 30 日、中国の華為技術(ファーウェイ)が 4 - 6 月にスマートフォンの四半期ベースの出荷台数で初めて世界首位に立ったと発表した。 前年同期比 5% 減だったが 5,580 万台を出荷した。 新型コロナウイルスから回復した中国で 8% 伸びた一方、感染が広がる中国外での出荷は 27% 減だった。 華為の中国依存が強まっている。

2 位の韓国サムスン電子は 30% 減の 5,370 万台となって首位を陥落した。 主要市場の米国、インド、欧州などでコロナ禍が続いているうえ、中国市場では地元勢に押されてシェアは 1% に満たない。 首位交代についてカナリスのアナリストは「新型コロナがなければ起こらなかった。 華為は中国経済の回復を最大限利用した。」とリポートの中でコメントしている。 (北京 = 福田直之、asahi = 7-31-20)


中国政府系サイト、ファーウェイめぐり英 HSBC に警告

[北京] 中国政府系のウェブサイトは 28 日、中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟副会長兼最高財務責任者 (CFO) の逮捕に「悪意を持って」関与したとして、英金融大手 HSBC ホールディングスに警告するコラムを掲載した。 孟氏はイランで操業している企業とファーウェイとの関係について HSBC を誤った方向に導いたとして、米国で銀行詐欺などの罪に問われ、カナダで逮捕された。 米国は引き渡しを要請しているが、孟氏は抵抗を試みている。 HSBC は、米国の対イラン制裁違反で罰金を科されるリスクに直面している。

中国国務院新聞弁公室と中国国際出版グループが支援する「中国網」は署名入りのコラムを掲載し、「孟晩舟事件における HSBC の役割は既に一目瞭然だ。 HSBC の信用も失墜した。」とした上で、「米政府のファーウェイに対する政治的追求で、HSBC は『ナイフを手渡した』」と論評した。 HSBC は 25 日、米司法省がファーウェイを捜査すると決定したことに関与しておらず、同社に「悪意」はなかったとする声明を発表した。

中国網のコラムは、こうした HSBC の否定を「何の意味もない」と一蹴。 「今や自重せず堕落し、信用が失墜した HSBC」が中国で引き続き受け入れられようとしても、それは困難かもしれないとの見方を示した。 HSBC の収益の大半は香港と中国本土に依存している。 同社は通常は政治的中立の姿勢を維持しているが、先月には中国政府の「香港国家安全維持法」施行に支持を表明した。 (Reuters = 7-29-20)

〈編者注〉 国際金融や貿易業界では、「ホンシャン」と呼ばれている HSBC は、英領香港の時代に、香港を国際金融都市になさしめた主人公であったのは間違いありません。 中国に返還後も、中国は香港のこの機能を有効に活用し、飛躍的な経済成長を遂げました。 その陰の主人公も、この HSBC であったのも、これ又、事実でしょう。 しかしながら、英本国が、明らかに「反中」施策に舵を切った今、もはや HSBC の使命も終わりつつあると感じます。


英国、5G 通信網からファーウェイを排除 - 2027 年までに完全撤去

来年以降、英通信業者は 5G 用ファーウェイ製品の購入が禁じられる
既存の 5G 用ファーウェイ製品も 27 年までの撤去が求められる

英国は、第 5 世代 (5G) 移動通信網から中国の通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)を排除する。 これにより英国の 5G 開始は遅れ、多くの企業が巨額の追加経費を迫られることになる。 ジョンソン首相が合意した政府計画によれば、英通信事業者は来年から 5G 向けにファーウェイ製品を購入できなくなるだけでなく、すでに導入済みのファーウェイ製品についても 2027 年までに 5G のインフラから撤去しなければならない。 この内容について、ブルームバーグ・ニュースは 13 日報じていた。

政府によると、ファーウェイ製品の排除に伴い英通信事業者が被るコストは最大で 20 億ポンド(約 2,680 億円)に上るほか、5G の開始は 2 - 3 年遅れる見通しだ。 英通信網からのファーウェイ排除はジョンソン首相にとって大きな方向転換であり、非常に慎重さが求められるこの時期に英中間の対立を一段とあおる恐れがある。 中国はジョンソン首相に対し、英国が中国を「敵対するパートナー」として扱うのであれば、「その報い」を受けることになると警告している。

ジョンソン首相や閣僚、安全保障担当責任者らが、14 日の国家安全保障会議 (NSC) 会合で同計画に署名した。 ダウデン英デジタル・文化・メディア・スポーツ相は会合後に計画の詳細を説明し、5G は英国にとって「変革をもたらす」一方で、「基盤となるインフラの安全性や耐性に対する信頼感」は重要だと指摘した。 トランプ米政権は今年 5 月、米国の技術を使っていれば米国外で生産した半導体製品でもファーウェイへの販売を禁止すると決定。 これにより英当局は、5G 通信網で同社製品を利用する安全性と持続可能性を再評価せざるを得なくなった。 (Thomas Penny、loomberg = 7-15-20)


ファーウェイ、鈍る成長 影落とす米中対立

中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)は 13 日、2020 年上半期の業績を発表した。 売上高は前年同期比 13.1% 増の 4,540 億元(約 7 兆円)で、前年から伸びが半減した。 米国は競争力の要となる高性能半導体の華為への輸出規制を強めており、同社の今後の業績に影響が出そうだ。 高速通信規格「5G」基地局などの通信事業、クラウドなどの法人事業、スマートフォンなどのコンシューマー事業の主要 3 事業で、売上高はいずれも前年を上回った。 純利益は前年同期比 19.6% 増の 418 億元だった。 今年 1 - 3 月期の売上高は前年同期比 1.4% 増にとどまっており、4 - 6 月期だけで 22.7% と大幅な伸びを果たした計算になる。

ただ、先行きは厳しい。 米国が 5 月に強化した輸出規制で、華為は自社設計の高性能半導体の生産を委託していた台湾積体電路製造 (TSMC) からの調達が制限された。 香港の調査会社カウンターポイント・リサーチによると、TSMC が製造した半導体は華為のスマートフォンや 5G 基地局、データセンターなど主要製品に使われており、競争力が損なわれる可能性がある。 (北京 = 福田直之、asahi = 7-14-20)

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