ファーウェイ、一夜にして独自 OS : グーグルは米政府に包囲網解除を要求か 米国から締め出されアンドロイド提供も断られたファーウェイは一夜にして独自 OS を発表し、中国ネットは燃え上がった。 かえって安全を脅かすことを理由にグーグルは米政府のファーウェイ包囲網解除を要求している。 一夜にして独自 OS 「華為鴻蒙 (Huawei Hongmeng)」を商品登録 5 月 15 日に米政府からエンティティ・リスト(貿易を行うに好ましくない相手と判断された企業などのリスト)に挙げられたファーウェイは、5 月 21 日に中国の中央メディアの集中取材を受けた。 今回は、このとき任正非 CEO が言った以下の二つのことに注目したい。
全体として任氏は、ともかく「これまで 30 年間、共に歩んできたアメリカの企業に感謝している」と、ひたすら米企業への感謝の思いと「市場を支え合う仲間」としての友情を強調していた。 まず「1」に関して述べよう。 ファーウェイの頭脳である半導体メーカー(正確には理念設計)のハイシリコンは、任氏の取材に先駆けて「ハイシリコンにはスペア・タイヤがある」とネットで書簡を公開していたが、任氏も取材で「スペア・タイヤ」に関して言及した。 それによれば、ファーウェイは米大手半導体メーカーのクァルコムなどから半導体の一部を輸入はしていたものの、「それは世界の市場に融け込むためであって、ファーウェイ自身は実は早くから同じレベルの半導体を準備している。 だから半分は自社の半導体を使い、半分はわざと他社から輸入していたのだ。 これは、いざという時の孤立を防ぐためだった。」と語っている。 OS (Operating System) に関しても同様のスペア・タイヤは早くから準備していると言っていた。 そんな強がりを言ったところで、「さすがに OS に関してはお手上げだろう。 どうせ出来やしないさ。」と日本人の多くは「ファーウェイの失敗」に期待したようだが、その期待はすぐさま裏切られたようだ。 取材から 3 日後の 5 月 24 日、中国の「国家知的財産権(知識産権)局商標局」はファーウェイが「華為鴻蒙」というファーウェイ独自の OS の商標登録を終えたと発表した。 それによれば、ファーウェイは 2018 年 8 月 24 日にすでに独自 OS 「華為鴻蒙」を商標登録すべく申請を出していて 、登録公告をしたのは 2019 年 5 月 14 日だとのこと。 米政府がエンティティ・リストを発表する 1 日前のことだったことが分かる。 事前に準備していたようだ。 だからインタビューを受ける任氏の態度には余裕さえ感じられたということか。 特許期間は 2019 年 5 月 14 日から 2029 年 5 月 13 日まで 任氏は「スペア・タイヤは早くから準備していた」と言っていたが、なんと、2012 年から独自 OS 「華為鴻蒙」に着手していたというから、「いつ、何が起きてもいいように」周到に準備されていたものとみなしていいのだろう。 燃え上がる中国ネット 現在、ファーウェイは 100 万台のスマホを用いて、独自の OS をさまざまな端末に搭載した時の適応性、安全性などの測定を行なっている。 その測定に中国中の大手 IT 企業が支援を申し出た。 アリババ、テンセント、バイドゥ … などが次々と応援の手を差し伸べ、中国のネットはファーウェイとそれを応援する大手企業に対して賛美の声を上げ、まさに「真っ赤に燃え上がっている」ようだ。 特にアリババの馬雲が、トランプ大統領に「アメリカに 300 万人の就職先を提供する」と約束したことを取り消したために、「馬パパ、偉いぞ、よくやった!」と賛辞を惜しまない。 中国のネットは「華為加油(ファーウェイ、頑張れ) !」の応援歌に満ち、ファーウェイと人民の一体化が過熱している。 グーグルがファーウェイ側に寝返ったか? 慌てたのがグーグルのようだ。 トランプ政権がファーウェイに対して半導体などの輸出禁止を発表すると、グーグルは直ちにファーウェイに対してアンドロイドのライセンス剥奪措置を宣言。 完全にトランプ政権の方針と歩調を合わせていた(かに見えた)。 これは本来ならファーウェイに致命的な打撃を与えるはずだった。 だというのに、ファーウェイの任氏は 5 月 21 日のインタビューで「グーグルは良い仲間だ。 いろいろと方法を考えてくれている。」と余裕の表情を見せていた。 それもそのはず。 グーグルは既にファーウェイが OS を独自開発していることを知っていたのだろう。 そして任氏とは「話ができていた」としか思えない。 ネットには、
など、さまざまなショッキングな言葉が溢れているが、要はグーグルは米政府(商務省)に「トランプ政権によるファーウェイへの攻撃包囲網を解除するように求めた」というのである。 理由は、「米政府はファーウェイに安全上の問題があると言うが、しかしオープンソースを用いてアンドロイドに類似した OS をファーウェイが作れば、かえって米政府の安全を脅かす危険性がある」とのこと。 なぜなら、AOSP (Android Open Source Project) として公開されると、オープンソース・ソフトウェア・ライセンスが適用され、自由に閲覧もしくは再利用できるようなルールになっている(らしい)。 だからファーウェイに、それはルール違反だと言えなくなってしまう(らしい)。 グーグルは自由に改良できる Linux をもとに作っているため、スマホなどを開発するメーカーによって積極的にカスタマイズされて発売されている。 だから大丈夫なのだろう。 素人目には、知財権に関して大丈夫なのかと思ってしまうが、グーグルもそういった批判は発表しておらず、むしろバグ(プログラム上の欠陥)が発生して安全が保証できないスマホが蔓延するので、ファーウェイ包囲網は、かえって米国に安全上のリスクをもたらすという論理で、グーグルは米政府に抗議している。 しかし、これは「ファーウェイにしてやられた」ということではなく、最初から仕組まれていたのではないかと、筆者には映る。 シリコンバレー精神か? なぜなら、かつて『ネット大国中国 言論を巡る攻防(2011 年、岩波新書)』でグーグルの中国撤退に関するプロセスをつぶさに追いかけたことがあるが、グーグルには常に「良心」がある。 だからこそ中国政府の言論弾圧と統制に抗して、グーグルは中国市場を撤退したのだ。 そのとき多くの中国の若者は民主を求めてグーグルとの別れを涙で惜しんだものだ。 グーグルの理念「邪悪になるな(Don't be evil)」に関しては、最近では 3 月 25 日付のコラム<グーグルよ、「邪悪」になれるのか? - 米中 AI 武器利用の狭間で>でも触れたが、そのグーグルの魂は彷徨い続けているようにも見える。 一方、筆者は『中国がシリコンバレーとつながるとき(2001 年、日経 BP 社)』に書いたように、長年にわたってシリコンバレーの企業家たちと接触し、シリコンバレー精神とは何かを学んだつもりだが、彼らには母国アメリカに対する「反骨精神」のようなものがあり、常に「グローバルの世界」の中に命を見出して生きているように映った。 その彼らがトランプ政権の「一国主義」あるいは「保護主義」に共鳴するはずがない。 企業として生き延びるために一定程度は米政府に従うだろうが、彼らの魂は「グローバル」にある。 それは中国政府に「いつ倒されるか分からない」として、全世界に拠点を広げていったファーウェイの運命に、一脈通じあうものがあるにちがいない。 いずれにせよ、グーグルは「ファーウェイ包囲網の解除」を米政府に求めたことだけは確かなようだ。 このニュースを最初に伝えたのは Financial Times のようだ。 但しこのサイトは全文が読めたり読めなかったりして、不安定だった。 現時点では "Subscribe to the FT to read : Financial Times / Google warns of US national security risks from Huawei ban." という見出しの所で読めるはずだが …。 「Hongmeng OS」搭載のスマホ発売日 中国のネット情報ではあるが、「Hongmeng OS」を搭載したスマホの発売は、今のところ、今年の 9 月 22 日になるだろうとのこと。 新たに「方舟 OS」と命名し、MATE 30 PRO という形で登場するらしい。 任氏は 5 月 21 日のインタビューで、「少し遅れる」と言っていたが、9 月 22 日であるなら、それほど遅れたとも言えないのではないか。 任氏の言葉によれば、米企業と 30 年間にわたって培ってきた「友情」があるらしいので、今後、一つ一つ注意深く考察していく必要があるだろう。 (遠藤誉、NewsWeek = 6-11-19)
フェイスブック、華為製スマホへのアプリ事前提供を停止 米政府による中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への禁輸措置を巡り、米交流サイト大手フェイスブック (FB) が、ファーウェイ製スマートフォンへの FB アプリの事前提供を停止したことが 7 日、分かった。 既存のスマホ保有者は引き続き、利用できる。 出荷時にファーウェイのスマホは、FB のほか、傘下の写真共有アプリ「インスタグラム」や通信アプリ「ワッツアップ」が搭載されない。 現行モデルは購入後にアプリをダウンロードすることはできるとみられる。 FB の広報担当者は「米商務省の法令を順守するための措置を講じている」とコメントした。 (kyodo = 6-8-19) 孤立したファーウェイ、中国政府の保護下に入る可能性も [香港] 米国のトランプ政権が中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)との取引を原則禁じる制裁措置を打ち出したことを受け、半導体などハイテク業界で世界的にファーウェイとの取引を停止する動きが広がっている。 これを受け、飛ぶ鳥を落とす勢いだったファーウェイは孤立。 最終的には中国政府の保護下に入る可能性も否定できない。 トランプ大統領は、米中通商合意の一環でファーウェイ問題が解決される可能性があるとの認識を示したが、ファーウェイはすでにダメージを受けている。 米国の知的財産がサプライチェーンでいかに重要か、また海外の提携先・取引先・顧客がいかに重要かが浮き彫りになった形だ。 ファーウェイは多大なコスト負担を強いられる可能性がある。 米国製部品に依存しているネットワーキング機器は、再設計が必要だ。 グーグルのアプリストアへのアクセスを拒否されれば、スマートフォン向けの新たな基本ソフト (OS) の投入を迫られる可能性もある。 ファーウェイの売上高 1,000 億ドルの半分は海外での売り上げだ。 市場から締め出されれば、国内でもライバル企業にシェアを奪われかねない。 ファーウェイは、昨年末時点で 390 億ドルに上るキャッシュを保有しており、債券保有者がパニックに陥ることは当面ないだろう。 ただ米政府が方針を転換しない限り、事態は悪化する運命にある。 創業者の任正非氏は、一部事業の売却を検討するかもしれない。 同社の携帯端末部門は昨年 500 億ドルの売り上げを計上しており、通常の環境であれば、魅力的な投資対象となる。 ネットワーキング機器部門にも同様の価値がある。 ただ、事業売却で米政府が制裁を解除するとは限らない。 米国の目的は中国から譲歩を引き出すことだ。 国内でも、ファーウェイが分割されれば、米国への降伏と受け止められ、習近平国家主席の威信に傷がつく。 資金を節約するために人員を削減しても同じことになる。 同社は昨年末時点で 18 万人を雇用。 海外従業員は全体の約 2 割だ。 こうした選択肢に依存できないとなれば、ファーウェイは主に国内に活路を見いだすしかない。 国有企業への発注要請や優遇税制などの支援要請も行われるかもしれない。 中国政府のスパイだと批判されてきたファーウェイが、最終的には中国政府の保護下に入ることも考えられる。 (Pete Sweeney、Reuters = 5-27-19) ソフトバンクと KDDI、華為技術スマホ発売延期 ドコモ予約停止 [東京] ソフトバンクと KDDI (au) は 22 日、5 月下旬に予定していた中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)製スマートフォンの発売を延期すると発表した。 NTT ドコモも夏に発売予定の「P30 Pro」の予約受付を停止した。 米政府によるファーウェイ排除の動きが日本にも波及した格好で、今後、日本企業への影響がさらに広がる可能性がある。 ソフトバンクは格安ブランド「ワイモバイル」向け「P30 lite」の発売を延期した。 KDDI も au 向け「P30 lite Premium」とグループの格安スマホ会社 UQ コミュニケーションズ(東京都港区)向け「P30 lite」の発売をそれぞれ延期した。 発売延期の理由についてソフトバンクの広報担当者は「安心してお客さまに販売できる状況かどうか影響を確認中のため、発売の延期を決定した」と説明。 KDDI 広報担当者も「(米政府による規制の)経緯や影響範囲など事実関係の確認を行っており、現時点で発売を判断するまでの確認には至っていないことから、総合的に判断して発売を延期した」とコメントした。 (志田義寧、Reuters = 5-22-19) グーグル、ファーウェイの既存端末にはサービス提供を継続へ 米政府の措置に見解 米トランプ大統領が事実上、ファーウェイに対する米国製品の提供を禁止したことを受けて、グーグルがファーウェイとの一部取り引きを停止したと、Reuters が 5 月 20 日に報じた。 今後、ファーウェイには「Android」OS のアップデートが提供されなくなり、中国国外で今後登場するファーウェイのスマートフォンでは、「Gmail」や「Google Play」などのアプリやサービスにアクセスできなくなるという。 さらに、Google はファーウェイへの技術サポートの提供を停止するとしている。 これに対して、グーグル広報は「私たちはその命令を順守し、影響を検討している」とコメント。 また、Android の公式ツイッターは以下のように見解を投稿し、ファーウェイの既存端末ではサービス提供を継続する意向を示した。 「ファーウェイのユーザーから、最近の米国政府の措置に関する質問があった。 私たちが米国政府の要件に準拠している間は、Google Play や Google Play Protect といったセキュリティーサービスが既存のファーウェイ端末で機能し続けることを保証する。」 (藤井涼、cnet = 5-20-19) ◇ ◇ ◇ ファーウェイのスマホで「Android」のサポート停止か 「Gmail」、「Google Play」も対象に 米国で華為技術(ファーウェイ)を事実上締め出す Trump 政権の決定を受けて、Google はオープンソースライセンスの対象になっていないファーウェイとの取引を停止したという。 Reuters が米国時間 5 月 19 日に報じた。 この件に詳しい情報筋が Reuters に述べたところによると、ファーウェイには「Android」OS のアップデートが提供されなくなり、中国国外で今後登場するファーウェイのスマートフォンでは、「Gmail」や「Google Play」などのアプリやサービスにアクセスできなくなるという。 さらに、Google はファーウェイへの技術サポートの提供を停止するという。 Donald Trump 大統領は先週、通信ネットワーク、テクノロジー、およびサービスに対する敵対的な外国勢力の脅威は国家の緊急事態であると宣言する行政命令に署名した。 この命令により、米国のキャリアーネットワークへの外国の関与が制限される。 これと並行して、米商務省はファーウェイを貿易ブラックリストに追加した。 ファーウェイ問題の核心にあるのは、同社の中国政府との親密な関係に対する懸念と、同社の機器がほかの国や企業に対する諜報活動に使われるのではないかという不安だ。 ファーウェイは今後も、オープンソースライセンスで利用可能な Android のバージョンにはアクセスできるようだ。 Reuters によると、Trump 大統領の行政命令を受けて、ファーウェイは米国での 5G の展開に悪影響が及ぶと即座に主張したが、同社の最高経営責任者 (CEO) である任正非氏は 18 日、米国政府の決定を受けて、ファーウェイの成長が「鈍化する可能性もあるが、その度合いはごくわずかだ」と語ったという。 (Natalie Weinstein、cnet = 5-20-19) 米国の一撃、華為の経営難に現実味 日本企業も不安視 中国に対する追加関税で攻勢を続けてきた米トランプ政権が 15 日、中国を代表する通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への制裁に踏み込んだ。 グローバルに絡み合った部品調達網(サプライチェーン)への影響は必至で、日本企業にも不安感が広がっている。 米、ファーウェイへの部品輸出規制発表 米中対立激化も トランプ政権に成功体験 「敵対国が米国の通信インフラを(安全保障のリスクをもたらす)負債にするのを防ごうと、大統領は信じられないような決意を示した。」 華為などに対し、米市場からの排除を徹底する大統領令に署名したトランプ氏の狙いについて、政権高官は電話会見で強調した。 その直後、米商務省が、華為を輸出規制の対象リストに加えると発表。 多くの高性能部品を米国から調達する華為のサプライチェーンの切り崩しに踏み込んだ。 「官報で公示された時点で発効する」という。 米政権にとって、この手法には成功体験がある。 昨年 4 月に同様の輸出規制をかけられた中国通信機器大手、中興通訊 (ZTE) は米国製の半導体チップを輸入できずに一時、経営危機に陥るほど苦しんだ。 今回も経営を揺さぶり、米中通商協議の交渉カードにしようとする狙いが透ける。 華為が強みを持つ次世代通信規格「5G」や人工知能 (AI) は米中の軍事的な覇権争いに直結する。 米国内では華為が中国共産党や人民解放軍の影響下にあり、有事にデータを盗むなどして安全保障上の脅威になるとの見方が根強い。 米中経済や産業の「分断(デカップリング)」を求める声すら出ている。 トランプ氏の最近の対中強硬姿勢も、与野党から歓迎の声が上がっている。 5 日に対中関税の第 3 弾の税率引き上げをツイートすると、政敵の民主党上院トップ、シューマー院内総務が「頑張れ」と異例のエール。 15 日の大統領令にも、共和党内のライバル、ルビオ上院議員が「強くたたえる」と声明を出した。 だが、サプライチェーンがグローバルに絡み合う中、中国企業の排除と米中経済の分断を進めれば、米経済にも跳ね返る。 華為の米国法人のドナルド・パーディー最高セキュリティー責任者は朝日新聞の取材に、2017 年の実績として「華為は世界の部品供給の 32% を米国から調達し、半導体など高性能部品の調達で 120 億ドル(約 1.3 兆円)を米企業に支払った」と述べ、「米国で多くの雇用を生み、米企業を支えてきた」と強調した。 影響が大きいだけに「完全な輸出禁止には踏み切らないのではないか(米ユーラシアグループ)」との見方もある。 米国にはモバイル通信インフラで華為に対抗できる企業はなく、競争力の高い中国勢の完全排除は、米情報通信産業の弱体化や、消費者へのコスト転嫁にもつながりかねない。(ワシントン = 青山直篤) 中国、「反撃」を示唆 中国側も反発を強める。 「国家の安全保障の概念を乱用してはならない。(商務省の高峰報道官)」 「必要な措置をとり、中国企業の合法的な権益をしっかりと守る。(外務省の陸慷報道局長)」 商務、外務両省は 16 日午後、ほぼ同時刻に開いた会見で相次いで米国を批判。 「反撃」も示唆してみせた。 先端分野で技術力を高め、「製造強国」を目指す中国にとって、華為は群を抜いた存在だ。 2018 年には世界で最多の国際特許を申請し、スマホのシェアは世界 2 位。 5G に使う通信機器では、品質と価格面で世界をリードしている。 華為自身も「有事」に備え、スマートフォン用半導体など中核的な部品については、米企業に依存せずに製造できるよう準備を進めてきた。それでも、まだ 3 割は米国に依存したままだ。 代替調達先を探そうにも、米国の輸出規制の網は、米国製部品を多く使う日本など第三国にも及ぶ。 米国が許可を出さなければ、多くの製品を製造できなくなる恐れが現実味を帯びてくる。 売上高で約 12 兆円、18 万人以上を雇用する巨大企業が米国の一撃で経営難に陥れば、習近平(シーチンピン)指導部の権威に傷がつきかねない。 中国メディアは米国による輸出規制や華為の反論は報じたものの、経営への影響については口をつぐんでいる。 (北京 = 福田直之) 日本企業への悪影響、懸念する声 日本政府関係者によると、日本企業の華為へのスマートフォン向け部品などの納入額は年々増えており、2018 年は約 7 千億円。 19 年は 8 千億円を上回るとの見方も出ている。 米商務省の規制は、日本企業が米国から部品を輸入し、加工して再輸出する場合にも適用されるケースがあるとみられるが、条件など詳細はまだ分からない。 電機大手のパナソニックは 16 日、細かな内容は確認している段階だが規制には従う、との方針を示した。 商社大手の双日の藤本昌義社長は 8 日の決算会見で華為との取引を念頭に「今後、日本から中国に出す半導体技術を含む機器の輸出に(米国が)どういう網をかぶせてくるのかを非常に懸念している」と話していた。 政府関係者は「日本企業の世界的なサプライチェーンへ大きな悪影響が出るかもしれない」と心配する。 華為製スマホの生産が落ち込めば、幅広い日本製部品の出荷にブレーキがかかりかねない。 液晶大手のジャパンディスプレイや素材大手の住友電工は影響があるかどうかを測りかねており、半導体メモリー大手の東芝メモリも「状況を確認している(広報)」という。 影響は携帯電話会社にも及びかねない。 NTT ドコモは 16 日の新商品発表会で華為製の高機能スマホを披露。 吉沢和弘社長が輸出規制にふれ、「影響が分かった時点で適切に対応していく」と述べた。 (asahi = 5-17-19) 中国ファーウェイ狙い撃ち、米政権が排除措置を相次ぎ発表 [ワシントン] トランプ米政権は 15 日、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)が米政府の許可なく米国の重要な技術を購入することを禁止するとともに、国家安全保障を理由に米国の通信ネットワークから同社の製品を事実上排除する措置を発表した。 ファーウェイは部品調達を米国のサプライヤーに頼っているため、今回の 2 つの措置によって多くの製品の販売を継続することが難しくなる可能性がある。 米国は現在、中国と関税強化の応酬を繰り広げており、今回の発表は米中関係にとって微妙なタイミングとなった。 米政府はファーウェイ製の携帯電話や通信機器が中国政府によるスパイ行為に利用されると懸念している。 ファーウェイは声明を発表し、「当社の米国での事業を制限する措置は米国をより安全で強い国にはしない。 むしろ、米国はより高額ながら質の劣る製品しか使用できず、次世代通信規格『5G』整備で後れをとるだろう。」と指摘。 さらに「非合理的な規制はファーウェイの権利を侵害するものであり、他の深刻な法的問題を提起する」とした。 ファーウェイへの措置は、クアルコムやブロードコムなど同社の主要な米サプライヤーの株価に影響する可能性がある。 トランプ米大統領はこの日、国家安全保障上にリスクをもたらす企業の通信機器を国内企業が使用することを禁止する大統領令に署名した。 大統領令は、非常事態を宣言して商取引を規制する権限を大統領に与える国際緊急経済権限法を発動するもの。 発令を受け、商務省は他の政府機関と協力し、150 日以内に実施計画を取りまとめる。 ロス商務長官は、大統領令の発令は米国の情報通信技術やサービスの供給網を「外国の敵対勢力」から守ることを目的としていると説明。 「トランプ大統領の指導力の下で、米国のデータとインフラが安全であると国民は信頼できるようになる」と述べた。 米議会の議員らは大統領令について、中国の情報収集活動に利用される可能性を米情報当局が指摘しているファーウェイのような企業をまさに標的にしていると強調。 共和党のベン・サス上院議員は「中国の主要輸出品目はスパイ行為で、中国共産党とファーウェイのような中国『民間』企業との区別は想像の上でしか存在しない」と皮肉った。 ロイターは 14 日に、トランプ大統領が今週中に同大統領令に署名する見通しと報じていた。 特定の国や企業を名指ししていないが、米当局者らはこれまでにファーウェイが「脅威」であるとの認識を示しており、同盟諸国に対し、5G 網に同社製の機器を使用しないよう呼び掛けてきた。 ホワイトハウスによる大統領令発表後間もなく、米商務省は、米政府の許可なく米企業から部品などを購入することを禁止する「エンティティーリスト」にファーウェイと関連 70 社を追加すると発表した。 措置は数日中に実施される。 米当局者によると、ファーウェイは部品調達を米国のサプライヤーに頼っているため、一部製品を販売することも難しくなるという。 ロス商務長官は声明で「外国企業が米国の安全保障や外交政策上の利益を損ないかねない形で米国の技術を利用することを阻止」する決定をトランプ大統領が支持したと明らかにした。 今後、米企業が米輸出管理規制の対象をファーウェイに提供するためには、米政府にライセンスを申請することが必要になる。 米商務省の元輸出管理担当者はこのライセンスについて、米国の安全保障に有害とならないことを示す必要があり、取得は困難だとの見方を示した。 商務省は今回の決定について、米司法省が開示したファーウェイと一部関連企業に関する起訴状を受けたものと説明。 ファーウェイが「米国の安全保障や外交政策上の利益に反する活動に関与した」と結論付ける正当な根拠があるとした。 米司法省は 1 月、ファーウェイと同社の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者 (CFO) が、イランで事業を展開する企業とファーウェイの関係を巡って金融機関を欺いたとする起訴状を明らかにしていた。 孟氏は 18 年 12 月、米国の要請を受けてカナダで逮捕された。 (Reuters = 5-16-19) まるで巨大テーマパーク 華為技術、研究施設を建設中 ![]() 華為技術(ファーウェイ)が中国の広東省東莞郊外にテーマパークのような研究施設を建設している。 今回、日本メディアに公開された施設は欧州の有名都市をモデルにしたという。 敷地は東京ドーム約 26 個分に匹敵。 広大な敷地内には社員の移動のために電車も走る。 施設のデザインは、日本の日建設計が手がけた。 2019 年内の完成を目指しているという。 完成すると、2 万人以上がここで働く予定だ。 施設が都市部から離れて建設されたのは、「静かな環境で研究を」という会社の願いからでもある。 ただ、華為自体が、通商摩擦や知的財産権の保護をめぐる米国と中国の対立の中で厳しい立場に置かれており、静かな環境が訪れるのはいつになるのか。 (asahi = 3-10-19) ファーウェイ、米政府を提訴 製品の使用禁止めぐり 中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)は 7 日、米政府機関が自社製品の使用を禁止しているのは不当だとして、米政府を提訴した。 同社の郭平・副会長兼輪番会長は声明で、「米連邦議会は一貫して、ファーウェイ製品の使用規制の裏づけとなる証拠を一切提示していない。 そのため我々は、適切かつ最後の手段としてこの法的措置をとらざるを得ない」とコメントした。 「この使用禁止決定は違法なだけでなく、このためにファーウェイは公正な競争に参加できず、究極的にはアメリカの消費者に不利益を与えている」とファーウェイは強調した。 米政府は自国だけでなく、友好国政府に対しても、国家安全保障を理由にファーウェイ製品を使わないよう働きかけている。 これまでに、アメリカのほかニュージーランドとオーストラリアが、5G 通信網からファーウェイ製品を排除した。 これとは別に、ファーウェイ最高財務責任者 (CFO) の孟晩舟副会長は 1 日付で、昨年 12 月にカナダ当局がアメリカの要請で自分を逮捕したことについてカナダ政府を提訴した。 (BBC = 3-7-19) 米司法省、ファーウェイ起訴 イラン制裁での詐欺罪など 米司法省は 28 日、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)や華為の孟晩舟(モンワンチョウ)・副会長兼最高財務責任者 (CFO) をイラン制裁をくぐり抜けようとした詐欺など 13 の罪状で起訴した、と発表した。 猛氏は昨年 12 月 1 日、米国の要請に基づいてカナダ当局に逮捕されていた。 米政府は猛氏の引き渡しを求めており、中国政府が猛反発している。 (ワシントン = 園田耕司、asahi = 1-29-19) ポーランド当局、ファーウェイ幹部を逮捕 スパイ容疑 【ベルリン = 宮下日出男】 ポーランド情報当局は 11 日、同国に対するスパイ活動を行っていた疑いで、中国人 1 人とポーランド人 1 人を逮捕したと明らかにした。 ポーランドの国営テレビによると、中国人は中国通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」の現地支店の幹部で、当局は 2 人が中国情報機関のために活動していたとみている。 現地報道では、2 人は 8 日に拘束された。 華為の幹部は現地の販売担当責任者で、過去に現地の中国領事館で働いていたとも伝えられる。 逮捕されたポーランド人はかつて同国の情報機関に所属し、最近はポーランドの通信会社に勤務。 現地当局はすでに華為の事務所などを家宅捜索し、関連文書などを押収した。 2 人は有罪の場合、最大 10 年の禁錮を科せられる。 AP 通信によると、中国大使館側は 11 日、ポーランド外務省担当者と面会し、説明を要請。 大使館報道担当者は「公正な事件の取り扱いを求める」と述べた。 華為をめぐっては、機密情報漏洩(ろうえい)の懸念から米国が製品の政府調達を禁止し、昨年 12 月には米国の要請でカナダが孟晩舟副会長兼最高財務責任者 (CFO) を逮捕。 欧州でも欧州連合 (EU) やチェコが華為製品の使用は治安上の脅威となると表明するなど警戒が強まっている。 (sankei = 1-11-19) カナダ人、中国で 13 人拘束 ファーウェイ事件以降 カナダ外務省の報道官は 3 日、カナダが中国の通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)幹部を逮捕した先月 1 日以降、中国で拘束されたカナダ人が 13 人に上っていると明らかにした。 うち少なくとも 8 人はすでに釈放された。 これまでに拘束が表面化していたのは 3 人だけだった。 これまで拘束が分かっていた 3 人のうち休職中の外交官ら 2 人は「中国の安全を脅かした」とされ、中国最高人民検察院の張軍・検察長は 3 日の会見で「2 人が中国の法律に違反したことに何ら疑いもない」とし、司法手続きを進める考えを示した。 不法就労に問われた残る 1 人は釈放され、カナダに帰国した。 外交官らの拘束は、中国による華為事件への報復措置との受け止めが強い。 ただ、釈放されたケースについては関係が薄いと見られる。 中国ではさまざまな理由で拘束され、司法手続き下にあるカナダ人が全体で 200 人いる。 多くは保釈されるなどしているが、この数年は人数に目立った増減はないという。 (ニューヨーク = 鵜飼啓、asahi = 1-4-19) カナダ外相「中国で 2 人目拘束の可能性」 【ニューヨーク = 中山修志】 カナダのフリーランド外相は 12 日の記者会見で、中国で 2 人目のカナダ人男性が拘束された可能性があると明らかにした。 男性からカナダ政府に「中国当局の取り調べを受けた」と通報があった後、現在は連絡がつかなくなっているという。 カナダ政府が安否確認を急いでいる。 地元メディアによると、行方不明になったのはビジネスマンのマイケル・スパバ氏。 遼寧省丹東を拠点に中国と北朝鮮の文化交流を手掛け、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と面会したこともあるという。 中国メディアは 13 日、丹東市国家安全局が国家安全に危害を加えた容疑でスパバ氏を 10 日から取り調べていると報じた。 カナダ司法当局は 1 日、米国の要請を受けて中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者 (CFO) を逮捕した。 中国政府は「釈放しなければ深刻な事態を招き、カナダがすべての責任を負う」とカナダ政府に警告していた。 フリーランド外相は孟氏の米国への引き渡しについて「政治的な干渉なく手続きを進める」と強調した。 11 日にはカナダ人の元外交官、マイケル・コブリグ氏が中国で拘束されたことが明らかになったばかりだった。 フリーランド外相は「中国当局に問い合わせているところだ」と述べた。 (nikkei = 12-13-18) ファーウェイ幹部逮捕で中国が報復? 観測浮上 【北京 = 永井央紀】 中国によるカナダ元外交官の拘束は、中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)幹部がカナダで逮捕されたことへの報復措置との見方が浮上している。 過去にも外交問題を抱えた相手国民を中国当局が拘束したケースがあるためだ。 中国はカナダが米国の要請に基づいてファーウェイの孟晩舟・副会長兼最高財務責任者 (CFO) を逮捕したことに猛反発している。 王毅国務委員兼外相は 11 日の講演で「中国国民の正当な権利を侵害するいじめを決して座視しない。 全力で中国国民の合法な権利を守る。」と強調した。 さらに中国外務省の陸慷報道局長はカナダが孟氏を拘束した際、領事協定に違反して中国側に直ちに連絡しなかったとも主張。 中国が第一報に接したのは「別ルートだった」としてカナダの対応に不快感を示した。 中国外務省は 8 - 9 日にカナダと米国の駐中国大使をそれぞれ呼び出して抗議した。 米国に対しては「米国の行動を見極めたうえでさらなる対応を取る」と出方を見極める構えを見せた一方、カナダには「釈放しなければ重大な事態を招く。 その全ての責任はカナダが負う。」と強く警告した。 北京の外交筋で「カナダ人が拘束されてもおかしくない状況だ」と危惧する声が出ていた直後、カナダ元外交官の拘束が明らかになった。 香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(電子版)は 12 日、中国がカナダの元外交官を拘束したことについて、カナダのマルロニー元駐中国大使が中国による報復措置と分析していると伝えた。 マルロニー氏は「邪推はしたくないが、歴史をみれば(報復だと)懸念するだけの理由がある」と説明。 2014 年にカナダが今回と同様に米国の要請に基づいて中国人を逮捕した 1 カ月後、中国で暮らしていたカナダ人夫妻がスパイ活動の疑いで拘束された事件を先例として挙げた。 カナダ人の安全への懸念が広まった背景には、10 年に沖縄県・尖閣諸島近海で海上保安庁の巡視船と中国漁船が衝突した事件がある。 日本に逮捕された中国人船長の勾留が長引くなか、中国当局は河北省にいた 4 人の日本人会社員を唐突に拘束した。 軍事管理区域内を無許可で撮影したとの理由だった。 この 4 人が解放されたのは漁船の船長が釈放された後。 しかも最後の 1 人が自由を得たのは、ちょうど船長の勾留と同じ日数が経過した日だった。 漁船衝突との関係は明らかになっていないが、船長勾留への報復措置とみなされた。 今回のカナダ人も拘束された直接の理由は別にあるとしても、背景にはファーウェイ問題があるとの見方が広がっている。 中国共産党は米国に対しては「新たな貿易交渉を控え、真正面から対抗するのは避けたい(中国外交関係者)」のが本音だ。 それに対して、カナダにそこまで遠慮する必要性は見当たらない。 カナダに最大限の圧力をかけ、米国への引き渡しを防ごうとしているとの分析が報復説を後押しする。 ファーウェイなどを政府調達から事実上排除する方針を決めた日本に影響が及ぶ可能性があるとの懸念も出始めている。 中国の裁判所は 7 日と 10 日、15 年にスパイ活動に関わったとして中国当局に相次いで拘束された日本人 2 人に対し、それぞれ懲役 6 年と 12 年の実刑判決を言い渡した。 拘束から 3 年以上が経過したこの時期に立て続けに厳しい判決が出たのは「日本に対する間接的な圧力ではないか」との不安が広がりつつある。 (nikkei = 12-12-18) ファーウェイ逮捕と「天才科学者」自殺 中国ネット、陰謀論で大揺れ 2018 年 12 月初め、米中間の貿易戦争休戦が決まり、中国側は総じてひと安心した。 それも束の間、12 月 6 日、中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長兼最高財務責任者 (CFO) がカナダで逮捕され、続いて米スタンフォード大学の張首晟教授が自殺したニュースが伝えられると、中国のネット世論はまたたく間に大揺れになった。 ファーウェイが強い第 5 世代移動通信 (5G) を中心とした対中封じ込めに向けて、米国は手段を択ばなくなったという意見がネット上で沸騰している。 逮捕は挑発? 日本の大企業経営者の多くが 60 歳以上なのと違って孟氏は 1972 年生まれ。 70 年代生まれの大企業トップは中国で一般的な現象ながら、孟氏は他のトップと違って、ファーウェイ創業者、任正非・最高経営責任者 (CEO) の娘。 大学卒業後、父の会社に入り、タイピストや電話交換の仕事から始め、父と共にファーウェイを築いてきた。 報道によれば、カナダ当局が孟氏を逮捕した理由は「対イラン制裁に違反した」というもので、身柄を米国に引き渡す可能性もあるという。 だが容疑の詳細は明らかにされておらず、逮捕は挑発のように見える。 中国外務省スポークスマンは、ただちに声明を出し、孟氏の即時釈放や正当な権利を守るよう強い調子で要求した。 孟氏逮捕の衝撃度を、もちろん外務省も十分理解しているのだ。 片や、日本メディアはあまり報道していないが、中国のネット上では、孟氏逮捕のニュースと共に、12 月 1 日に米スタンフォード大学の張首晟教授が大学構内で飛び降り自殺したことも大きな話題を呼んでいる。 将来のノーベル賞候補が … 1963 年生まれの張教授は、15 歳で上海の名門、復旦大学物理系に入学した天才児だった。 大学 2 年でドイツに留学し、その後米国で物理学博士号を取得。 32 歳で早くもスタンフォードの物理学終身教授の地位に。 トポロジカル絶縁体と量子スピンホール効果で画期的な成果をあげ、将来のノーベル賞受賞の有力候補と目されていた。 1999 年には、理科系の最高峰、清華大学(北京)高等研究院の招へい教授となった後は、中国の名門大学、企業、政府との関係は非常に緊密となり、中国の半導体産業発展のために、学術的観点から重要なアドバイスを続けていたとされる。 それが、特に兆候がなかったのに、突然の自殺。 それは、5G 時代に向けて一層の技術革新が必要な半導体分野での貴重な頭脳を、中国が失ったことを意味する。 このため、中国のネット界は孟氏逮捕と張氏自殺とを、米国の「陰謀論」で結びつけて語る論調が花盛りとなったのだ。 トランプ大統領は、今年 8 月、政府などと取引する企業にファーウェイなどの機器利用を禁じる国防権限法を成立させた。 それ以前にも 4 月には通信機器大手、中興通訊 (ZTE) に、米企業との取引を禁じる制裁を科し、事業を続けられなくした。 中国封じ込めといえる流れが続いた年の終わりの、慌ただしい動き。 中国のネット上で、「陰謀論」が収まる気配は見えない。 (陳言 = 在北京ジャーナリスト、J-cast = 12-11-18) 「不正行為の認識はない」 ファーウェイ、孟晩舟 CFO 逮捕で声明 中国 Huawei は 12 月 6 日、同社の孟晩舟 CFO (最高財務責任者)がこのほどカナダ当局に逮捕されたと発表した。 一部報道によれば、米国の対イラン貿易制裁に違反した疑いがあるといい、米国から送還を求められているという。 カナダの日刊紙 The Globe and Mail の報道によれば、米国の要請に応じたカナダ当局が 1 日、孟氏をバンクーバーで逮捕した。 保釈の審理は 7 日に予定されているという。 Huawei は 6 日、「現時点で逮捕に関する情報は少しもないが、不正行為の認識はない」との声明を出した。 同社は「カナダと米国の司法制度が最終的には公正な判断を下すことを信じている」としている。 (ITmedia = 12-6-18) |