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中国製造業 PMI、10 月予想に反して 50 割れ 景気回復の兆しに影

[北京] 中国国家統計局が 31 日発表した 10 月の製造業購買担当者景気指数 (PMI) は 49.5 と 9 月の 50.2 から低下し、景況拡大・悪化の分かれ目となる 50 を予想外に下回った。 景気回復の兆しを示していた最近の経済指標に影を落とした。 市場予想は 50.2 だった。 10 月の非製造業 PMI は 50.6 と、前月の 51.7 から低下。 サービス部門と建設部門が鈍化していることが浮き彫りになった。

エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのシニアエコノミスト、Xu Tianchen 氏は「弱い PMI データは、住宅市場の落ち込みとインフラ支出の鈍化に関連した需要低迷を一部反映している可能性がある」と指摘。 「輸出に底入れの兆しが出ているが、外需の力強い回復は難しいだろう」と述べた。 新規の輸出受注と輸入注文は 8 カ月連続で縮小。 製造部門が海外からの受注獲得に苦戦し、完成品の再輸出向けの部品発注を減らしたとみられる。

ハンセン銀行(中国)のチーフエコノミスト、Dan Wang 氏は「PMI は前月比の指標だ。 10 月の低下は需要の大幅な変化ではなく、供給の調整を反映している。」と指摘。  「9 月の生産は内需拡大で前月比で目に見えて改善したが、工業品の価格は下がった。 10 月は利益率低下に対処する取り組みが製造業で広がった」と述べた。 アナリストは今年の経済成長目標である 5% 前後を達成するには追加の政策支援が必要ではないかとの見方を示している。

政策当局者は 6 月以降に小幅利下げや流動性供給の拡大、積極的な財政出動など一連の景気刺激策を打ち出しているが、アナリストは「5% 前後」という政府の成長率目標達成にはさらなる措置が必要とみている。 中国全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は先週、 1 兆元(1,370 億ドル)の新規国債発行を承認した。 人民銀行は今月に入り短期政策融資枠を通じて 2020 年終盤以降で最大となる資金支援を行い、銀行の信用供与と低金利の維持を可能にした。

中国経済は第 3・四半期に予想を上回るペースで拡大し、9 月の消費と産業活動も上振れした。 野村証券や JP モルガン、ムーディーズは第 3・四半期統計が予想を上回ったことを受け、23 年の成長率見通しを上方修正している。 ただ、長引く不動産市場の低迷が景気の足かせとなっており、世界経済の成長鈍化も当局にとって課題となっている。 エコノミスト・インテリジェンスの Xu 氏は「1 兆元の国債増発は 11 月と 12 月の支援要因になる」と述べた。 (Reuters = 10-31-23)


中国経済に安定化の兆し、9 月製造業 PMI が 6 カ月ぶり 50 超え

[北京] 中国国家統計局が 30 日発表した 9 月の製造業購買担当者景気指数 (PMI) は 50.2 と、景況拡大・悪化の分かれ目となる 50 を 6 カ月ぶりに上回った。 中国経済が底を打ち始めたとの見方を強める結果となった。 市場予想の 50.0 も上回った。 前月は 49.7 だった。 中国経済は年初に新型コロナウイルス抑制策が解除された直後は好調だったがその後失速。 このところようやく安定化の兆しが見え始めた。 国泰君安国際のチーフエコノミスト周浩氏は「製造業 PMI と堅調な工業利益率は景気が徐々に底を打ちつつあることを示している」と指摘した。

非製造業 PMI も 51.7 と 8 月の 51.0 から上昇した。 製造業と非製造業を合わせた総合 PMI は 52.0。 前月は 51.3 だった。 ピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミスト張智威氏は「不動産部門の政策緩和などにより中国経済は安定した」と分析した。 「今後の重要な問題は財政政策がより景気支援にシフトするかどうかだ。 そうなると予想するが、財政政策スタンスの変更は今年ではなく来年になるかもしれない」との見方を示した。 (Ryan Woo、Tina Qiao、Reuters = 10-1-23)


財新の中国サービス部門 PMI、9 月は 50.2 需要低迷で今年最低

[北京] 財新/S & P グローバルが 1 日発表した 9 月の中国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) は 50.2 と昨年 12 月以来の低水準となった。 一連の政策支援にもかかわらず需要が依然として低迷している。 8 月は 51.8 だった。 財新智庫のシニアエコノミスト、王哲氏は「9 月のサービスの需要と供給は伸びが鈍化した。 市場環境が予想よりも改善しなかった。」と指摘した。 向こう 1 年間の景況感は 10 カ月ぶりの低水準となった。

サービス企業も人件費や燃料費の高騰に直面していることが示された。 その一方で 8 月に縮小した海外受注が外国人旅行客の増加もあって拡大するなど、明るい動きも見られた。 製造業とサービス業を合わせた総合 PMI は 8 月の 51.7 から 50.9 に低下し、12 月以来の低水準となった。 野村はリポートで夏の旅行需要が一巡したことでサービス業が勢いを失った可能性があると分析した。 (Reuters = 10-1-23)


財新の中国サービス部門 PMI、6 月は 53.9 5 カ月ぶり低水準

[北京] 財新/S & P グローバルが 5 日発表した 6 月の中国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) は 53 .9 と、5 月の 57.1 から低下した。 新型コロナウイルス対策の厳しい規制解除後に感染が拡大した今年 1 月以来 5 カ月ぶりの低水準となった。 PMI は 50 が景況改善・悪化の分岐点となる。

需要鈍化でコロナ禍後の景気回復が圧迫されている。 中国国家統計局が先週発表した 6 月の非製造業 PMI もサービス部門の活動鈍化を示していた。 財新のデータでは、事業活動と新規受注の伸びが 5 月より顕著に鈍化した。 新規輸出事業の伸びも鈍化したが、それでも好調なペースを維持した。 投入コストの上昇ペースは 5 月からほぼ変わらず、サービス企業の平均請求価格は小幅に上昇した。 向こう 1 年の見通しに対する楽観度は予想外に高まり、企業は経済状況の改善や新規業務の増加を見込んだ。 雇用創出のペースも小幅に加速して 3 カ月ぶり高水準となったが、全体としてはなお緩慢だった。

製造業とサービス業を合わせた総合 PMI は 52.6 と、6 カ月連続で 50 を上回ったが、5 月の 55.6 からは低下した。 財新智庫のシニアエコノミスト、王哲氏は「製造業では雇用が縮小してデフレ圧力が強まり、楽観姿勢が後退した」とする一方、「サービス部門はコロナ禍後の回復が続いているが、勢いは鈍っている」と述べた。 野村の中国担当チーフエコノミスト、ティン・ル氏は 3 日のリポートで、下半期が始まる中で経済の二番底の兆候が増えつつあると指摘した。 中国は今月中旬に第 2・四半期の国内総生産 (GDP) や 6 月の主要経済指標を発表する。 (Reuters = 7-5-23)


財新の中国製造業 PMI、5 月は予想外の 50 超え 生産と需要が改善

[北京] 財新/S & P グローバルが 1 日発表した 5 月の中国製造業購買担当者景気指数 (PMI) は 50.9 と、4 月の 49.5 から上昇し、景況悪化と改善の分かれ目となる 50 を予想に反して上回った。 生産と需要が改善した。 ロイターがまとめた市場予想は 49.5 だった。 中国国家統計局が 5 月 31 日に発表した 5 月製造業 PMI は 48.8 に低下したため、官民の指標で対照的な内容となった。

財新 PMI は沿岸地域の比較的輸出志向で小規模な企業に焦点を当てているとされる。 サブ指数を見ると、生産拡大ペースが 11 カ月ぶりの速さとなったほか、輸出を含む新規受注は増加した。 半面、世界経済への懸念を背景に向こう 1 年の企業信頼感を測る指数は 7 カ月ぶりの低水準となった。 採用に慎重な企業の姿勢は変わらず、雇用指数は 3 カ月連続で 50 割れ。 アナリストがデフレリスクの高まりに言及する中、投入と産出の価格指数も引き続き 50 を下回っている。

財新智庫のシニアエコノミスト、王哲氏は「現在の経済成長は国内の原動力が欠けており、市場参加者の信頼感も十分ではなく、需要拡大・回復の重要性を示している」と指摘した。 一部エコノミストはさらなる金融緩和を見込んでいる。 国泰君安国際のエコノミストは「改善が続くか見極める必要があるが、中国経済にとっては朗報だ。 内需を喚起するため、依然として追加の政策支援が必要だ。 6 月に中期貸出制度 (MLF) 金利が 10 ベーシスポイント (bp) 引き下げられると予想している」と述べた。

ANZ はリポートで「中国人民銀行(中央銀行)は金融の安定を維持するため、預金準備率を 25bp 引き下げる可能性が高い。 利下げを前倒しする可能性も高まっている」と述べた。 PMIが予想を上回ったことを受けて、中国・香港株式市場は約 0.6% 上昇している。 (Reuters = 6-1-23)


中国の製造業活動が予想外の縮小 - 景気回復への懸念くすぶる

→ 4 月の製造業 PMI は 49.2 に低下、50 下回る - 予想 51.4
→ 非製造業 PMI は 56.4 に低下、エコノミスト予想は 57

中国の製造業活動は 4 月に、予想に反し縮小した。 景気回復の勢い持続が困難に直面していることが浮き彫りになる。 国家統計局が 30 日発表した 4 月の製造業購買担当者指数 (PMI) は 49.2 と 3 月の 51.96 から低下し、活動拡大・縮小の境目である 50 を下回った。 ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は 51.4 だった。 建設業とサービス業を対象とする非製造業 PMI は 56.4 と前月の 58.2 から低下。 エコノミスト予想は 57 だった。

中国経済は 1 - 3 月(第 1 四半期)に、新型コロナウイルス関連制限の終了に伴う個人消費の活発化により、1 年ぶりの高成長となった。 複数の銀行が年間成長率見通しを約 6% 以上と政府目標の 5% 前後を上回る水準に引き上げた。 しかし、回復が持続するかどうかについては不確実性が残る。 不動産セクターの回復は始まったばかりで、投資の減少は続いている。 工業会社は利益を出すのに苦戦し、若者の失業率も過去最高水準で推移している。

中国共産党指導部は 28 日、内需がまだ不十分だと警告し、国内の景気回復には強力な財政・金融支援の継続が必要との認識を示した。 国営の新華社通信が伝えた声明によれば、習近平総書記(国家主席)率いる党中央政治局はこの日開いた会議で、財政政策を「より力強く」し、「的を絞った力強い」金融政策を講じると説明。 昨年 12 月に開いた経済会議と同様の言い回しを採用した。 (Bloomberg = 4-30-23)


中国景況感 4 カ月ぶり改善 1 月は 50 超、ゼロコロナ終了で

中国国家統計局が 31 日発表した 2023 年 1 月の製造業購買担当者景気指数 (PMI) は 50.1 だった。 前月より 3.1 ポイントの大幅改善となり、好調・不調の境目である 50 を 4 カ月ぶりに上回った。 22 年 12 月に都市部で一気に広がった新型コロナウイルスの感染が落ち着き、経済活動が正常化に向かい始めた。 PMI は製造業 3,200 社を対象に調べる。 新規受注や生産、従業員数など項目ごとに調査する。 50 を上回れば前月より拡大、下回れば縮小を示す。 1 月の改善幅は新型コロナ流行初期の 20 年 3 月 (16.3) 以来の大きさとなった。

内訳をみると、柱の新規受注は 50.9 だった。 7.0 ポイント上昇し、22 年 6 月以来の 50 超えとなった。 生産は 49.8 で、前月を 5.2 ポイント上回ったが節目には届かなかった。 気がかりなのは海外需要だ。 3 - 6 カ月後の輸出を占うとされる海外からの新規受注は 1.9 ポイントの改善にとどまり、水準も 46.1 と低い。 企業の規模別では大企業、中堅企業、中小零細企業のいずれも前月から改善した。 ただ節目の 50 を上回ったのは大企業のみで、改善幅も大企業が最も大きかった。 政府の景気対策の恩恵が大手の国有企業などに偏っている可能性がある。

同時に発表した 1 月の非製造業のビジネス活動指数は 54.4 だった。 22 年 12 月から 12.8 ポイント上昇し、4 カ月ぶりに節目の 50 を上回った。 都市部で感染拡大がピークを越えたとみられ、外食や娯楽など接触型消費が持ち直した。 春節(旧正月)休暇で帰省や旅行を楽しむ人が増えたことも、サービス業の景況感を改善させた。 中国政府は新型コロナの封じ込めを狙った「ゼロコロナ」政策を事実上終わらせた。 4 年ぶりに行動制限がない春節休暇を迎えた。 中国文化観光省によると、春節に伴う大型連休(21 - 27 日)の国内旅行者数が前年比 023% 増で、観光収入は同 30% 増となった。 (nikkei = 1-31-23)


財新の 11 月中国製造業 PMI、4 カ月連続 50 割れ コロナ規制が重し

[北京] 財新/S & P グローバルが 1 日発表した 11 月の中国製造業購買担当者景気指数 (PMI) は 49.4 と前月の 49.2 から小幅に上昇したが、景況改善・悪化の分岐点となる 50 を 4 カ月連続で下回った。 広範な新型コロナウイルス関連規制で生産に混乱が生じた。 ロイターがまとめたアナリスト予想の 48.9 は上回った。 国家統計局が前日発表した 11 月の製造業 PMI も、長引くコロナ規制が響いて 7 カ月ぶりの低水準となった。

中国当局は銀行の預金準備率引き下げや低迷する不動産部門への支援など一連の措置を打ち出しているが、アナリストは第 4・四半期成長率の下振れリスクが高まっていると指摘する。 財新の 11 月 PMI では生産、雇用、新規輸出受注の指数がいずれも低下した。 特に、コロナ規制で一部労働者が職場に戻れず、生産面の制約で人員数が圧迫される中、2020 年 2 月以来の速いペースで雇用削減が進んだ。

財新智庫のエコノミスト、王哲氏は「雇用を促進し内需を安定させる政策が緊急に必要だ」とし、当局は内需拡大と貧困層の所得拡大に向けて財政・金融政策をさらに調整すべきだと述べた。 納期を示す指数は、上海でロックダウン(都市封鎖)が敷かれた今年 5 月以来の水準に低下。 調査対象企業はコロナ規制に絡む遅れを理由に挙げた。 世界的な景気後退リスクや物価高騰を背景に中国製品の外需が弱まる中、新規輸出受注の指数もさらに低下し、輸出の急回復の可能性が低いことを示唆した。 一方、調査対象企業はコロナ禍が落ち着けば生産能力や需要が回復すると見込み、今後 1 年で生産が増加すると総じて前向きな見通しを示した。 (Reuters = 12-1-22)


中国 7 月製造業 PMI は 49.0、新型コロナ再流行で再び 50 割れ

[北京] 中国国家統計局が 31 日発表した 7 月の製造業購買担当者景気指数 (PMI) は 49.0 と予想外に悪化し、景況改善・悪化の分岐点となる 50 を再び割り込んだ。 新型コロナウイルスの新たな感染拡大と世界経済の見通し悪化が需要を圧迫した。 6 月は 50.2、ロイターがまとめたアナリスト予想では 50.4 への改善が見込まれていた。 国家統計局高官の趙慶河氏は声明で「中国の経済繁栄の水準は低下しており、回復のための基盤を強化する必要がある」とした。 ガソリン、原料炭、鉄鋼などのエネルギー集約型産業が引き続き低迷し、7 月の製造業 PMI を押し下げる主な要因となったと分析した。

生産、新規受注、雇用を示す指数がいずれも 50 を下回った。 生産を示す指数は 3 ポイント、新規受注は約 2 ポイント低下し、雇用は 0.1 ポイント低下した。 ジョーンズ・ラング・ラサールのチーフエコノミストで調査部門トップのブルース・パン氏は調査リポートで、需要の弱さが回復を制約していると指摘。 「回復はペースが遅く脆弱なため、第 3 四半期の成長は予想以上に大きな課題に直面する可能性がある」と予想した。

非製造業 PMI は 53.8 と前月の 54.7 から低下した。 製造業と非製造業を合わせた総合 PMI は 52.5。 前月は 54.1 だった。 キャピタル・エコノミクスは政策の抑制、ロックダウン(都市封鎖)への懸念、消費者心理の低迷により、中国経済の回復への道のりはより長くなる恐れがあるとの見方を示した。 ワールドエコノミクスによると、中国企業の 41% は 7 月にロックダウンの影響を受けたが、製造業の景況感指数は 6 月の 50.2 から 7 月には 51.7 へと大幅に上昇した。 (Reuters = 7-31-22)


中国製造業、3 カ月連続で「景況感悪化」の憂鬱
「財新中国製造業 PMI」、5 月は前月比では改善

中国では新型コロナウイルスの再流行が各地で続き、製造業の景況感を押し下げている。 しかし 1 カ月前に比べると、先行きに対する悲観がいくぶん和らいできたようだ。 6 月 1 日に発表された 5 月の財新中国製造業購買担当者指数(製造業 PMI)は 48.1 と、好不況の判断の目安とされる 50 を 3 カ月連続で割り込んだものの、前月比では 2.1 ポイントの上昇を記録した。

製造業の 5 月の事業活動は、供給側と需要側の双方で収縮が続いた。 ただし(供給側の指標である)生産指数と(需要側の指標である)新規受注指数は前月比ではそろって上昇に転じ、改善幅は需要サイドのほうが相対的に大きかった。 生産活動の停滞に関しては「新型コロナの防疫措置に伴う制約が、生産計画や物流に及ぼす影響が大きい」との声が、調査対象企業から広く聞かれた。 また、一部の企業からは「5 月の需要は(全体的には) 4 月より改善したものの、海外からの新規受注の落ち込みが目立った。 (国際物流の混乱で)商品を期日通りに運べないことがネックだ。」との声が寄せられた。

雇用と物流が最重要課題

事業活動はいくぶん回復した一方で、雇用は悪化が続いている。 製造業の 5 月の雇用指数は前月よりも低下し、過去 10 カ月のうち(2022 年 3 月を除く) 9 カ月にわたって拡大基調と縮小基調のボーダーラインを割り込んでいる状況だ。 新型コロナの流行と新規受注の減少に対応するため、 調査対象企業の多くが新規雇用を絞らざるをえなくなっている。

さらに原材料費、燃料費、物流費などの高止まりが、企業のコスト管理の困難に拍車をかけている。 5 月の製造業の(仕入れ価格の指標である)購買価格指数は 24 カ月連続でボーダーラインを上回った。 その一方、(販売価格の指標である)工場出荷価格指数は需要低迷を背景に 2020 年 5 月以降の最低値を記録、多くの企業が利ザヤの縮小に直面している。

「新型コロナの再流行が中国経済に及ぼす負の影響は、2020 年(の最初の流行時)を上回るかもしれない。 中国政府にとっては、雇用の維持と物流の円滑化が最重要課題だ。 サプライチェーンの寸断や詰まりを改善して、企業活動の正常化を後押しすることが、市場の安定を支え、雇用を確保することにつながる。」 財新グループのシンクタンク CEBM のシニアエコノミストを務める王侮≠ヘ、そうコメントした。 ((程思●(= 偉の人偏の代わりに火偏)、中国・財新/東洋経済 = 6-6-22)


中国の景況感、4 月は一段と悪化 厳格なコロナ規制が打撃

[北京] 中国の景況感を示す 4 月の購買担当者景気指数 (PMI) は、政府と民間が発表したいずれの数字も一段と悪化した。 厳格な新型コロナウイルス対策で上海など多くの都市がロックダウン(都市封鎖)を実施しており、経済活動に深刻な影響が出ていることが鮮明になった。 中国国家統計局が 30 日に発表した 4 月の購買担当者景気指数 (PMI) は、製造業が 47.4 と 3 月の 49.5 から予想 (48.0) 以上に低下した。 非製造業は 2 カ月連続の悪化で、41.9 で 3 月の 48.4 から 41.9 に低下した。

製造業と非製造業を合わせた総合 PMI は 48.8 から 42.7 に低下した。 統計局は声明で、製造業の需要、供給双方の大幅減少をコロナ規制に関連付け「一部企業は主要原材料や部品の調達や完成製品の販売に苦労し在庫が積み上がっている」と述べた。 PMI の生産指数は 49.5 から 44.4 に、新規受注指数は 48.8 から 42.6 に低下した。

物流に制約、新規受注減少

財新が同日発表した 4 月の中国製造業購買担当者景気指数 (PMI) も 46.0 で、2 年 2 カ月ぶりの低水準となった。 前月の 48.1 から低下し、予想の 47 を下回った。 コロナ対策の強化が事業活動やサプライチェーン(供給網)、需要に影響し、指数の低下につながった。 生産指数はコロナの流行が始まった 20 年 2 月に次ぐ 2 番目の大幅な低下となった。

新規受注は 2 カ月連続で減少し、2 年超ぶりの低水準。 物流の制約が新規の受注を困難にしたり、解約につながった。 新規輸出受注指数も 20 年 6 月以来の水準に落ち込み、経済で数少ない明るい分野にも陰りが出ていることをうかがわせた。 投入コストは高止まりしたが 3 月の 5 カ月ぶり高水準からはやや緩和した。 雇用指数は小幅低下。 コロナ規制で職場への復帰が困難な企業もある。 財新智庫のシニアエコノミスト、王哲氏は「直近の感染拡大局面で多くの会社員、(単発で仕事を請け負う)ギグワーカー、低所得層の収入が減少し生活が苦しくなっている。 当局が無視すべきでない事態だ。」と述べた。

冷え込む消費、景気後退のリスク

政府は感染を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ政策」を取る。 このため上海をはじめとする数十の主要都市が完全または部分的なロックダウン(都市封鎖)下にあるとみられる。 数億人が外出を制限され消費は落ち込んでいる。 アナリストからは、リセッション(景気後退)リスクが高まっており政府が 5.5% 程度という今年の成長目標を達成するには一段の景気刺激措置が必要との声も出ている。 中国共産党の最高意思決定機関、党中央政治局は 29 日、経済安定化に向け、中小企業支援などの支援措置を講じるとしたが、ゼロコロナ政策は維持する方針を示した。

アナリストは、ゼロコロナ政策を緩和しなければ、当局の景気テコ入れは困難さを増すと指摘する。 ロックダウンによる経済活動の落ち込みに、金利引き下げや流動性供給拡大といった伝統的な政策措置の効果は限られるとみている。 ピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミスト、Zhiwei Zhang 氏は、政治局の発表について「メッセージは前向きだが、具体的な政策や実行が鍵だ」と述べた。 (Reuters = 4-30-22)


上海ロックダウンが中国経済に打撃 景況感節目割れ

【北京 = 三塚聖平】 「ゼロコロナ」政策が中国経済に与える打撃が鮮明になっている。 中国国家統計局と中国物流購買連合会は 31 日、景況感を示す製造業購買担当者指数 (PMI) が、3 月は前月より 0.7 ポイント低い 49.5 だったと発表。 好不況を判断する節目の「50」を 5 カ月ぶりに下回った。 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、上海市など大都市が事実上のロックダウン(都市封鎖)に陥ったことが景況感を悪化させている。

PMI は「50」を上回れば生産や受注の拡大を、下回れば縮小を意味する。 内訳では、柱となる生産、新規受注の指標がともに節目割れした。 需要低下が進み、サプライチェーン(供給網)の混乱も足を引っ張ったとみられる。 統計局は「今回のコロナ禍の影響を受け、一部地域の企業は臨時的な減産、生産停止を行っている」と指摘した。 非製造業の景況感を示す指数は、前月より 3.2 ポイント低い 48.4 だった。 移動制限で旅行や飲食など外出型の消費産業が落ち込んだ。

中国各地では、3 月に入ってからオミクロン株の感染が急拡大。 習近平政権が掲げるゼロコロナ政策の下で感染拡大を徹底的に押さえ込むため、ハイテク企業が集まる南部の広東省深セン市や、トヨタ自動車が合弁工場を置く東北部の長春市などが厳しい移動制限措置に相次ぎ踏み切った。 懸念されるのが、3 月 28 日から続く上海の都市封鎖だ。 中国最大の経済都市であり、製造から金融まで幅広い業種の国内外の大企業が拠点を持つ。 中国メディアによると、米電気自動車 (EV) 大手テスラが上海の工場の稼働を 28 日から 4 日間停止。 取引を休むことができない金融機関では、オフィスに寝袋を持ち込んで帰宅せずに業務を続ける様子も伝えられている。

帝国データバンクによると、上海に進出する日系企業は 2020 年 1 月時点で 6,300 社と中国全土で最多。 ゼロコロナ政策が日本企業にどこまで影響を与えるか注視される。 3 月に開かれた全国人民代表大会(全人代)の政府活動報告では、2022 年の国内総生産 (GDP) 実質成長率の政府目標が「5.5% 前後」に設定された。 ただ、ゼロコロナ政策に基づく厳しい感染対策に加え、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻で原油など原材料価格のさらなる上昇も見込まれる。 経済の下押し圧力が増しており、目標達成は容易ではないとみられる。 (sankei = 3-31-22)


中国製造業が活動拡大に転じる、雇用低迷続く - 昨年 12 月の財新 PMI

→ 製造業 PMI、50.9 に上昇 - 11 月は 49.9 だった
→ 項目別の雇用指数は 48.7 - 昨年 2 月以来の低水準

中国の製造業が先月、活動拡大に転じたことが財新伝媒と IHS マークイットが 4 日発表した最新の購買担当者指数 (PMI) で分かった。雇用は引き続き弱い。 2021 年 12 月の中国製造業 PMI は 50.9 に上昇。 11 月は 49.9 だった。 エコノミストらは活動拡大・縮小の分かれ目である50と見込んでいた。

発表資料によれば、生産の伸びは過去 1 年で最もハイペースとなった。 インフレが和らぐ一方で、市場環境の改善や消費者需要の強まりが支えになったという。 雇用は 5 カ月連続で落ち込み、項目別の雇用指数は 48.7 と、昨年 2 月以来の低水準となった。 新型コロナウイルスの感染再拡大がおおむね抑え込まれたことから、全体的な新規受注は増加。 ただ、外需は低調。 生産者物価指数の伸びがピークを過ぎ、12 月の平均投入コストは 1 年 7 カ月ぶりの低い伸びにとどまったとしている。 (Bloomberg = 1-4-22)


中国景況感、7 カ月連続で下落 10 月、1 年 8 カ月ぶり低水準

|【北京】 中国国家統計局と中国物流購買連合会は 31 日、景況感を示す製造業購買担当者指数 (PNI) が 10 月は 49.2 だったと発表した。 前月から 0.4 ポイント下落した。 好不況を判断する節目の 50 を 2 カ月連続で割り込み、新型コロナウイルスの流行で過去最低を記録した昨年 2 月以来、1 年 8 カ月ぶりの低水準。 下落は 7 カ月連続。 各地で続く停電や原材料価格の高騰が響いた。 生産、新規受注ともに苦戦が続いた。 輸出向けも低迷している。 一方で、原材料の購入価格は上昇に歯止めがかからないでいる。 物流購買連合会は、早急な対策が必要だと強調した。 (kyodo = 10-31-21)


中国、9 月の製造業の景況感の指数 1 年 7 か月ぶり「50」を下回る

中国の 9 月の製造業の景況感を示す指数は、国際的な原材料価格の高騰や国内での電力供給の制限などを背景に、景気判断の節目となる「50」を、1 年 7 か月ぶりに下回りました。 回復が続いてきた中国経済の減速を示しています。 中国国家統計局が製造業 3,000 社を対象に調査している、製造業 PMI = 購買担当者景況感指数によりますと、9 月の指数は 49.6 と、8 月を 0.5 ポイント下回り、6 か月連続で前の月より低下しました。

指数が景気のよしあしを判断する節目となる「50」を下回るのは、新型コロナウイルスの感染拡大で経済が打撃を受けた去年 2 月以来、1 年 7 か月ぶりで、回復が続いてきた中国経済の減速を示しています。 これは石炭や原油などの国際的な原材料価格の高騰のほか、国内の幅広い地域で電力の供給制限が行われ、工場の操業に影響が出ていることなどが要因です。 特に中小の企業の景況感が悪化していて、国家統計局は「企業の生産活動と市場の需要が弱まっている」としています。 一方、非製造業の 9 月の景況感指数は 53.2 となり、新型コロナウイルスの感染が再拡大した影響で「50」を下回っていた 8 月と比べて回復しました。 (NHK = 9-30-21)


中国の 7 月景況感、4 か月続けて前月下回る … 景気回復ペースはさらに鈍化

中国国家統計局が 7 月 31 日発表した 7 月の製造業購買担当者景気指数 (PMI) は、前月より 0.5 ポイント低い 50.4 だった。 景況感の改善・悪化の分岐点となる「50」は上回ったものの、4 か月続けて前月を下回った。 原材料価格の高騰などが響き、景気の回復ペースは前月よりさらに鈍化した。

生産の指数は 51.0 と前月を 0.9 ポイント下回り、今後の生産に影響する輸出向けの新規受注は 0.4 ポイント低い 47.7 と、節目の「50」を下回った。 企業規模別では中小企業が 1.3 ポイント低い 47.8 と、景況感が一段と悪化した。 中堅企業も 0.8 ポイント低い 50.0 だった。 国家統計局の担当者は「一部の中堅・中小企業は原材料コストの上昇や受注の減少、借金の返済圧力の高まりなどの問題が際立ち、生産や経営が圧迫されている」と分析した。 (中国総局・小川直樹、yomiuri = 7-31-21)


中国製造業 PMI、2 月は 9 カ月ぶり低水準 - サービス業も低迷

→ 製造業 PMI は 50.6、予想の 51 にも届かず - 1 月は 51.3
→ 非製造業 PMI、51.4 に低下 - 予想中央値は 52 だった

中国の製造業活動を測る政府の指数が 2 月も低下した。 春節(旧正月)の連休に伴う生産の中断があったほか、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための旅行自粛でサービス業向けの支出が減少した。 国家統計局が 28 日発表した 2 月の製造業購買担当者指数 (PMI) は 50.6 と、9 カ月ぶりの低水準。 1 月は 51.3。 ブルームバーグのエコノミスト調査で見込まれていた 51 (中央値)にも届かなかった。 建設業とサービス業の活動を反映する 2 月の非製造業 PMI は 51.4 に低下。 予想中央値は 52 だった。 活動拡大・縮小の分かれ目は 50。

製造業活動を示すデータは、年ごとに時期が異なる春節の連休でゆがみが生じるのが一般的。 今年の春節は 2 月だった。 ただ今年は旅行や帰省を控えるよう求められたことから、早めに生産を再開する製造業もあった。 サービス業も連休の影響を受けたが、状況はより複雑だ。 旅行が急減する一方で、連休中は主要都市での大型小売店・レストランでの支出がロックダウン(都市封鎖)されていた前年同月と比べ増えた。 映画館の興行収入も好調だった。 製造業の項目別では、2 月の新規輸出受注指数が 48.8 と、50 を割り込んだ。 前月は 50.2。 新規受注指数は 51.5 に低下、雇用指数は 48.1 に軟化した。 (Bloomberg = 2-28-21)


中国 1 月景況感 51.3 続落 製造業の購買担当者景気指数 (PMI)

中国の国家統計局が発表した 1 月の製造業 PMI = 購買担当者景気指数は、前の月より 0.6 ポイント低い 51.3 でした。 中国で局地的に新型コロナウイルスが再び流行している影響で、2 ヵ月連続の減少となりました。 景気の拡大と縮小を判断する節目となる50は、11 ヵ月連続で上回りました。 (テレ東 = 1-31-21)


中国製造業 PMI、12 月に低下 - 景気回復傾向は変わらず

→ 12 月の製造業 OMI は 51.9 - 前月は 52.1 と 3 年ぶりの高水準
→ 中国経済は 20 年に主要国で唯一プラス成長へ - 約 2% の成長率見通し

中国の製造業活動を測る 12 月の政府の指数は前月から低下した。 11 月は 3 年ぶりの高水準を記録していた。 景気回復は安定化している。 国家統計局が 31 日発表した 12 月の製造業購買担当者指数 (PMI) は 51.9。 11 月は 52.1 だった。 ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値の 52 をやや下回った。 項目別では新規輸出受注指数が 51.3 と 11 月の 51.5 から低下。 新規受注も 53.6 へと小幅に下がった。 一方、建設業とサービス業の活動を反映する非製造業 PMI は 12 月に 55.7 と前月から低下した。 活動拡大・縮小の節目は 50。

クリスマスシーズンを迎えて中国製品の需要が国外で高まり、国内の活動も持ち直す中で、中国の景気回復は12月も続いた。新型コロナウイルスの感染拡大をほぼ抑え込んだ中国の経済は、2020年に主要国で唯一プラス成長を確保する見通し。 エコノミスト予想では約 2% の成長率が見込まれている。 国家統計局の趙慶河エコノミストは、12 月の PMI が若干低下したものの、「製造業は全般的に着実な回復の良好な勢いを維持している」と分析。 バンガード・グループのアジア太平洋担当チーフエコノミスト、王黔氏はブルームバーグテレビジョンで、今回の PMI について「非常に底堅い成長となお整合的な水準だ」と指摘した。 (Bloomberg = 12-31-20)


中国 10 月の景況感は 51.4 小幅下落も節目上回る

【北京=三塚聖平】 中国国家統計局と中国物流購買連合会は 31 日、景況感を示す 10 月の製造業購買担当者指数 (PMI) 前月より 0.1 ポイント低い 51.4 だったと発表した。 2 カ月ぶりに小幅に低下したが、好不況を判断する節目の「50」は 8 カ月連続で上回った。 新型コロナウイルス禍からの経済再開の動きを受けて輸出が伸びるなど需要の改善を受け、大企業を中心に回復傾向を維持している。

生産に関する指数は 53.9 で前月から 0.1 ポイント低下し、新規受注は 52.8 で前月から横ばいだった。 輸出に限った新規受注は 51.0 で 6 カ月連続で改善。 統計局は、主要国の製造業で改善傾向が出ていることで「中国の輸出入はさらに回復している」と分析した。 一方で、海外での感染再流行で原材料の輸入に時間がかかっているほか、輸送コスト増加といった影響が一部で出ていると指摘した。

また、企業規模により景況感にばらつきもある。 大企業は 52.6、中規模企業は 50.6 だったが、小規模企業は 49.4 と水面下にある。 統計局は「小規模企業に関する需要が特に不足している」と見ており、景気回復の恩恵を大企業よりも受けていないとみられる。 PMI は「50」を上回れば生産や受注の拡大を、下回れば縮小を意味する。 今年 2 月には、中国での新型コロナの感染拡大による打撃を受けて 35.7 と過去最低の落ち込みを記録したが、その後は経済活動再開の動きを受けて改善が進んでいる。 (sankei = 10-31-20)


中国製造業「コロナ後」の雇用がようやく改善
「財新中国製造業 PMI」、拡大基調は 5 カ月目に

中国の製造業はコロナ禍からの堅調な回復が続いている。 9 月 30 日に発表された 2020 年 9 月の財新中国製造業購買担当者指数(製造業 PMI)は 53.0 と、前月の 8 月の 53.1 から 0.1 ポイント低下したものの、好不況の判断の目安とされる 50 を上回る水準がこれで 5 カ月連続となった。 なお、同じ日に発表された中国国家統計局の調査に基づく製造業 PMI は 51.5 と、8 月の 51.0 より 0.5 ポイント上昇した。 財新と国家統計局の PMI を総合すれば、製造業は依然穏やかな景気拡大の過程にあると言える。

財新 PMI の関連指数では、9 月の新規受注指数は 2011 年 2 月以来の高水準を記録し、4 カ月連続で拡大基調を維持した。 また、海外では新型コロナウイルスの流行が続くなかで経済活動の再開が進んでいる。 それに伴って外需が持ち直し、9 月の新規輸出受注指数は 2 カ月連続の拡大基調となった。

好循環が定着するかは予断を許さず

新規受注の増加とともに、中国の製造業はようやく雇用にも前向きになってきた。 9 月の雇用指数は 8 カ月に及んだ縮小基調に終止符を打ち、拡大基調へと転換した。 とはいえ改善幅はまだ小さい。 調査対象企業からは「採用を増やしている」との回答と同じくらい、「自主退職した従業員の補充をしていない」という回答があった。 今後 12 カ月間の楽観度を示す指数は 3 カ月ぶりの高水準に上昇し、先行きに対する製造業の自信が高まっていることを示した。 顧客の需要が新型コロナの打撃による落ち込みから回復を続けるとの見方が広がり、調査対象企業のほとんどが生産の増加を予想した。

「外需の大幅な持ち直しが、中国の国内景気に相乗効果をもたらしている。 とはいえ新型コロナの再流行リスクや 11 月のアメリカ大統領選挙の行方など、将来は非常に不透明だ。 内需と外需の好循環が定着するかどうかは、まだ予断を許さない。」 財新グループのシンクタンク CEBM のシニアエコノミストを務める王侮≠ヘ、そうコメントした。 (沈凡・財新/東洋経済 = 10-5-20)

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中国製造業 PMI、9 月は上昇 - 底堅い景気回復を示唆

→ 製造業 PMI は 51.5、非製造業が 55.9 - いずれも 8 月から上昇
→ 景気回復に力強さ、刺激策への慎重姿勢を維持する余地 - 舒暢氏

中国の製造業活動を測る 9 月の政府の指数は前月から上昇した。 生産と受注が堅調だった。 サービス業も活発で、景気回復の勢いが引き続き強固であることを示唆した。 国家統計局が 30 日発表した 9 月の製造業購買担当者指数 (PMI) は 51.5。 8 月は 51 だった。 ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値 (51.3) より良かった。 活動拡大・縮小の節目は 50。

項目別では新規輸出受注指数が 50.8 に上昇し、今年初めて 50 を上回った。 新規受注も 52.8 と前月に比べて高かった。 雇用指数は 49.6 に小幅ながら上昇した。 9 月の非製造業 PMI は 55.9 と、前月の 55.2 から上昇。 予想の 54.7 を上回った。 雇用指数は 49.1 に改善した。 9 月の着実な指数改善は、世界の段階的な経済活動再開による業務再始動や堅調な輸出が要因だ。 移動や娯楽施設を巡る制限措置解除が進み、消費も持ち直し始めている。

ブルームバーグ・エコノミクスの舒暢氏はリポートで、「中国 PMI は 9 月も堅調で経済回復の力強さを印象付けた」と指摘。 「景気持ち直しがなお進んでいることをあらためて示しており、政府には刺激策への慎重なアプローチを維持する余地が生まれる」との見方を示した。 この日発表された財新の 9 月製造業 PMI は 53。 8 月と市場予想はいずれも 53.1 だった。 (Bloomberg = 9-30-20)


中国製造業 PMI、5 月は 50.6 に低下 - 緩慢な回復ペース改めて示唆

→ 製造業 PMI は 4 月の 50.8 から低下、予想は 51.1
→ 非製造業 PMI は 53.6 に上昇、予想は 53.5 だった

中国の製造業活動を測る 5 月の政府の指標は前月から低下した。 新型コロナウイルス感染拡大の影響で低迷した 1 - 3 月(第 1 四半期)からの回復ペースが緩慢なことが改めて示された。 国家統計局が 31 日発表した 5 月の製造業購買担当者指数 (PMI) は50.6。 4 月の 50.8 から低下した。 ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は 51.1 だった。 一方、5 月の非製造業 PMI は 53.6 (4 月は 53.2)に上昇。 予想は 53.5 だった。 同指数は 50 が活動拡大・縮小の分かれ目。

5 月の新規輸出受注指数は 35.3 に上昇したが、製造業の雇用指数は 49.4 に低下。 非製造業の同指数は 48.5 だった。 シティグループの余向栄エコノミスト(香港在勤)は指数発表前のリポートで、「世界的なリセッション(景気後退)は必然的に輸出セクターに影響を与える。 生産と需要の伸びに生じるずれが今後の活動拡大への足かせになる可能性を懸念している」と指摘していた。 (Bloomberg = 5-31-20)