イチゴが赤くならない原因は? 相談に答える「農業特化型」生成 AI

農業の分野で AI (人工知能)の導入が本格化している。 農業に特化した生成 AI が開発され、画像認識 AI を搭載した収穫ロボットの販売も始まっている。 昨年 12 月下旬、三重県農業研究所はイチゴの収穫期を迎えていた。 主任研究員の杉村安都武(あとむ)さんがスマートフォンのアプリに、県が開発した品種「かおり野」の苗が育つ時期に必要な注意点を教えてと質問を入力すると、数分で回答が文章で示された。

吸水力が高い品種なので乾燥すると生育が止まりやすく、県内で広く栽培される別の品種「章姫(あきひめ)」より多めの水やりが必要なこと。 さらに 8 月中旬以降は窒素が多くなりすぎないようにすることや肥料管理の注意点などを、360 字で教えてくれた。 このアプリは、農研機構(茨城県つくば市)が開発した国内初の農業特化型生成 AI。 チャットツールとして三重県でのイチゴ栽培で昨年 10 月に試験運用を始めた。 生産者から農業技術や経営の相談を受ける県の職員  9 人が使う。 質問を受けて持ち帰り、回答の準備にあてる時間をこれまでより 3 割減らすのが目標だ。

農林水産省の調査では、農業指導にあたる職員の活動時間は月 155.5 時間で、4 割弱の 57.5 時間を準備にあてていた。 現場作業の 48 時間を上回った。 使う前後での業務の負担感のほか、生成 AI を利用していない職員とも比較することで効果を検証する。 農業 AI は、各地の生産現場で蓄積された栽培マニュアルや栽培暦など、ネット検索では出てこないようなデータが盛り込まれるのが特長だ。

一般の AI ではあいまい回答 農業の知識を学習

農研機構によると、農業は品種や栽培方法、環境など地域特性が強い。 対話型 AI 「ChatGPT (チャット GPT)」や「Google Gemini (ジェミニ)」などの汎用モデルでは、抽象的で一般的な情報にとどまるという。 誤った情報を出してしまう「ハルシネーション」も悩みだった。 特化型は、まず農業の一般知識について新聞や書籍など数十万文書を読み込ませた全国モデルを開発。 さらに自治体が持つ作業記録やマニュアル、地域ごとの農業暦などを学習させたローカルモデルを作った。 汎用モデルより正答率が 40% 高いという。

品種ごとに異なる特性や栽培技術について、より具体的に答えられるのも強みだ。 イチゴの形が悪いのはなぜか。 赤くならない原因は。 そうした疑問に対し、温度や水の管理、肥料の使い方、受粉させるハチの動きなど、解決につながる可能性がある情報を出典とともに複数示す。 杉村さんは「栽培マニュアルにあいまいな経験則や複数の可能性は載せられず、栽培方法の基礎の基礎しか残せない。 この AI は解決策の可能性があるものが複数出て、生産者に伝える現実的なヒントをくれる。」と話す。

ローカルモデルで産地の「技術」を守る

一方で、地域がもつ栽培の記録は「お宝情報」であり、ブランド化した品種の栽培方法は門外不出とする向きもある。 三重県では独自に開発したイチゴの新品種「うた乃」が 2024 年本格デビューした。 ブランド化をめざす上で、高い品質を保ち、栽培上の注意点を早く反映できると杉村さんは歓迎する。 この農業 AI はローカルモデルとして使用範囲を限定できるため、栽培技術が漏れないという。 杉村さんは「管理する上で安心感がある」と話す。

農研機構は昨年 10 月までにローカルモデルの作成を 26 の県に打診した。 同機構のスーパーコンピューター「紫峰」の能力を 4 倍に増強し、機能を強化する。 昨年 10 月の記者発表会で、中川路哲男理事は「農業は変動要素が大きく、情報が大事。 実用化を進め、現場で使ってもらえるような AI をめざしたい。」と話した。 将来的には作物の画像などをもとに回答できるようにしたいという。

画像認識 AI がトマトの熟度を見極め 自動収穫ロボ

画像認識 AI も、現場で活用されている。 大手自動車部品メーカーのデンソーは、ミニトマトの収穫時期を AI が画像で識別し、自動で収穫するロボット「Artemy (アーテミー)」を開発。 昨年 5 月から欧州で受注販売を始めた。 ビニールハウス内を自動走行し、撮影した画像からトマトの熟れ具合と収穫に適した範囲を AI が判定。 はさみを使って収穫し、刃先の消毒もする。 箱がいっぱいになると、空の箱に取り換える。 デンソーは 2026 年までに 300 台以上の販売をめざし、日本国内での販売も検討している。 (川原千夏子、asahi = 12-31-24)


米オープン AI、新たなモデル「o3」発表 コードや数学で性能改善

対話型 AI(人工知能)「ChatGPT (チャット GPT)」を運営する米オープン AI は 20 日、生成 AI の新たな基盤モデル「o3 (オースリー)」を発表した。 オープン AI は今年 9 月、「考える」ことに時間を使うよう訓練し、論理的に考える能力を高めたモデル「o1 (オーワン)」を発表。

今回発表したオースリーは、コーディングや数学の問題での性能を改善させた。 この日は、オースリーを軽量化して処理速度を高めた「ミニ」も発表。 いずれも外部の研究者を募って安全テストをしたうえで、来年 1 月以降の一般公開をめざす。 オープン AI は今月、12 日間にわたり新たなサービスなどを発表しており、この日が最終日だった。 (サンフランシスコ・五十嵐大介、asahi = 12-21-24)


グーグル、最新 AI 「ジェミニ 2.0」発表 スマートグラス試作版も

米グーグルは 11 日、最新の生成 AI (人工知能)の基盤モデル「Gemini (ジェミニ) 2.0」を発表した。 文章や画像、動画などを扱う性能を改善させ、人間の代わりにさまざまな作業をこなす「エージェント機能」の向上につながるとしている。 グーグルは昨年 12 月に「ジェミニ」を発表し、性能を改善させてきた。 新しい「ジェミニ 2.0」は、従来のモデルより処理速度を高め、数学、コーディング、推論などの性能を高めたという。 まずは開発者向けに試験的に提供し、来月から一般提供を始めるとしている。

AI 開発企業では、文書の分析やメールの送付などさまざまな作業を AI がこなすエージェント機能の拡充を競っている。 グーグルは今回、同社が開発を進めるエージェント機能「プロジェクトアストラ」に最新のジェミニを活用した事例も示した。 同社のデモでは、ロンドンの街中を歩く男性がスマホのカメラで路線バスを映し、「このバスは中華街に行く?」と音声で話しかけると、AI が「行きますよ」と答えた。

デモでは、AI 機能を搭載したスマートグラスの試作版も紹介。 めがね型の端末をかけて自宅玄関のドアロックの前に立ち、「ドアのコードを教えて」と話しかけると、AI が記憶していた番号を音声で伝えた。 グーグルは以前、めがね型端末「グーグルグラス」を開発していたが、AI の進化を受けて再び検討を進めている。 カメラや AI 機能つきのスマートグラスは米メタがすでに販売している。

AI を活用したスマートグラスをめぐっては、盗撮や顔認識といったプライバシー面での問題が指摘されている。 グーグルは「アストラ」について、利用者がデータを削除しやすくするプライバシー保護策を導入しているとしたうえで、「利用者が意図せず機微に触れる情報を共有しないための対策を模索している」としている。 (サンフランシスコ・五十嵐大介、asahi = 12-12-24)


オープン AI、チャット GPT 「プロ」を発表 月 3 万円で使い放題

米オープン AI は 5 日、対話型 AI (人工知能)の Chat GPT (チャット GPT)で、新たな有料サービス「プロ」を提供すると発表した。 月額 200 ドル(約 3 万円)で、様々な AI モデルが無制限で使える。

オープン AI、新たなモデル「o1」発表 数学や物理に強み

チャット GPT では現在、月額 20 ドル(約 3 千円)の有料サービス「プラス」を提供している。 新たな「プロ」は数学や科学などの難解な問題を手がける研究者向けで、最新の基盤モデル「o1(オーワン)」や「GPT - 4o (フォーオー)」のほか、音声でやりとりできる機能を無制限で使える。 数学の問題を解いたりプログラムのコードを書いたりする際の推論に強みを持つ「o1」の改良版もこの日発表し、「プロ」向けに提供するとした。

2022 年 11 月の公開から 2 年たったチャット GPT について、サム・アルトマン最高経営責任者 (CEO) は 4 日の米紙との対談で、1 週間あたりの利用者が 3 億人を超えたと明らかにした。 アルトマン氏は「25 年には、(AI の)進化に懐疑的だった人でさえ『ワオ』と驚くようなシステムが出てくるだろう」と話した。 ープンAIは 4 日、米防衛企業アンドゥリルとの提携も発表。 オープン AI の技術を使い、無人航空機に対抗する防衛システムの改善などにつなげるという。 同社は 5 日から 12 日間にわたり新サービスなどを連日発表するとしており、事業の拡大を急いでいる。 (サンフランシスコ・五十嵐大介、asahi = 12-6-24)


米アマゾン、AI 新興企業アンソロピックに 6,200 億円を追加出資

米アマゾンは 22 日、生成 AI (人工知能)技術を開発する米新興企業アンソロピックに 40 億ドル(約 6,200 億円)を追加出資すると発表した。 アマゾンは昨年 9 月に同社に 40 億ドルを出資しており、さらなる出資で連携を深める。 対話型 AI 「クロード」を開発するアンソロピックはこれまで、自社が開発する AI の基盤技術をアマゾンのクラウドサービス「AWS」の顧客向けに提供してきた。 アンソロピックは追加出資を通じて、アマゾンが自社開発する半導体を将来の AI モデルの訓練や運営に使うという。

最新の AI 技術の開発や運営には、膨大な計算をこなすためのデータセンターの整備などに巨額の投資が必要となる。 資金力のない新興企業ではまかないきれず、米マイクロソフト (MS) が米オープン AI に出資するなど、IT 大手と連携する動きが広がっている。 一方、IT 大手による新興 AI 業への出資には、独禁当局が警戒を強めている。 米連邦取引委員会 (FTC) は今年 1 月、MS やアマゾン、アンソロピックなど 5 社を対象に、投資や提携の実態を調査すると発表した。 (サンフランシスコ・五十嵐大介、asahi = 11-23-24)


MS チームズ、本人の声で同時翻訳も 「AI エージェント」続々登場

人間に代わって様々な作業を自律的にこなす人工知能 (AI) の「エージェント機能」をめぐり、テック企業の競争が激しくなっている。 メールの送付や文書の分析などに活用し、仕事の効率化につなげるもので、需要の急拡大が見込まれている。 米マイクロソフト (MS) は 19 日のイベントで、AI エージェントの新たな機能を紹介した。 ビデオ会議システム「チームズ」で、AI が進行役をこなす機能や、参加者の音声をリアルタイムで翻訳する機能を発表。 日本語を含めた 9 言語で、本人の声に似せた音声でやりとりができるという。 来年から試験提供を始める。

「コーパイロットスタジオ」と呼ばれるツールによって、プログラミングをしなくても自然な言葉で独自のエージェントをつくることができる。 対話型 AI 「クロード」を提供する米新興企業アンソロピックも 10 月、利用者の指示に基づいて、AI がパソコンを自律的に操作する機能を発表。 取引先の情報を探し出し、入力画面に自動で情報を埋めるデモを紹介した。 米クラウドサービス大手セールスフォースや米データ管理大手ボックスなどもエージェント機能を手がける。

文章だけでなく、音声や動画などさまざまなデータを扱う「マルチモーダル」の動きも広がる。 米オープン AI は、音声でリアルタイムのやりとりができる生成 AI の機能を使い、AI が電話をかけて商品を発注するデモを公開した。 オープン AI のノーム・ブラウン氏は 10 月のプレゼンテーションイベント「TED」で、複数の AI エージェントが連携して作業をこなす「マルチエージェント」に向けたチームを立ち上げたと言及。 米ブルームバーグ通信は今月、オープン AI が来年 1 月に新たな AI エージェント機能を発表すると報じた。

こうした機能は、メールや文書の整理など日々の煩雑な作業の効率化につながるとされ、需要の高まりが期待されている。 調査会社マーケッツ・アンド・マーケッツは、今年 51 億ドル(約 8 千億円)規模と見込む AI エージェント市場が、2030 年までに 471 億ドル(約 7.3 兆円)に成長すると予測する。 ただ、ネット上の膨大なデータをもとに訓練している生成 AI は、間違った回答をすることがある。 より多くの作業や業務上の重要なデータを AI に委ねるようになると、間違った際のリスクも高まる。 19 日の MS のデモでも、AI による回答の近くに「AI が生成したコンテンツは不正確なことがあります」との表記がそえられていた。

オープン AI のブラウン氏は「エージェント機能は自動運転車と同様、信頼性が極めて重要になる」と話した。 (サンフランシスコ・五十嵐大介、asahi = 11-20-24)


AI 追い風、米 IT 大手 4 社が最高益 巨額の投資、収益化は課題

米 IT 大手 5 社の 2024 年 7 - 9 月期決算は、生成 AI (人工知能)への需要の高まりを受け、アップルを除く 4 社は純利益が過去最高となった。 各社が AI 分野への巨額投資を続けるなか、投資に見合った収益につながるかが試されている。

マイクロソフト (MS) が 10 月 30 日発表した決算は、売上高が前年同期比 16% 増の 656 億ドル(約 10 兆円)、純利益が 11% 増の 247 億ドル(約 3.8 兆円)で、いずれも過去最高となった。 MS は出資先の米オープン AI の技術を幅広く取り込み、企業向けのクラウド事業が好調だった。 AI サービスがクラウドの売上高を 12% 幅押し上げた。 サティア・ナデラ最高経営責任者 (CEO) は電話会見で、AI 関連サービスの売り上げが年間で 100 億ドル(約 1.5 兆円)を超える見通しだとして「我々の歴史で最速で節目を超える事業だ」と訴えた。

グーグル親会社のアルファベット、メタ(旧フェイスブック)も売上高、純利益が過去最高を記録。 グーグルは、主力の広告事業が 2 ケタ成長を維持したほか、様々な生成 AI のサービスを提供する企業向けクラウド事業も好調だった。 メタは、利用者が関心を持ちそうな投稿や広告を表示するために AI 技術を活用し、フェイスブックや写真投稿アプリ「インスタグラム」などのアプリでの利用者の滞在時間が増えたほか、対話型 AI 「メタ AI」は月間利用者が 5 億人を超えたという。 アマゾンもクラウド事業が好調で、最高益となった。

アップルは、9 月に最新機種「16」を発売した iPhone (アイフォーン)の売り上げが 3 四半期ぶりにプラスに転じ、売上高は 7 - 9 月期としては過去最高に。 だが、欧州連合 (EU) から巨額の追徴課税の支払いを命じられた影響で、純利益は 36% 減った。

生成 AI 分野で将来の需要を取り込むため、各社はデータセンターなどへの巨額の投資を続けている。 9 月までの 3 カ月間の設備投資額は、グーグルが130 億ドル(約 1.9 兆円)、MSは 149 億ドル(約 2.3 兆円)にのぼり、各社とも引き続き投資を増やす姿勢を示している。 AI 分野の競争が過熱するなか、将来的に投資に見合う収益が稼げるかを疑問視する見方もある。 好決算にもかかわらず、発表翌日の 31 日、MS の株価は前日比約 6% 下落、メタの株価も約 4%  下がった。

主要国で広がる規制強化の動きも逆風要因だ。 米司法省がグーグルを相手に起こした独禁法訴訟では、一審で政府側が勝訴しており、同社の事業分割も検討している。 スンダー・ピチャイ CEO は電話会見で「(司法省側の主張は)予期せぬ結果を生みうる。 積極的に我々の主張を擁護していく。」と話した。(フェニックス・五十嵐大介、asahi = 11-1-24)


米メタ、生成 AI の記事活用でロイターと提携 回答にニュースの要約

米メタは 25 日、生成 AI (人工知能)を使ったサービスへの記事活用でロイター通信と提携したことを明らかにした。 メタが AI 関連で報道機関と提携するのは初めて。 メタはフェイスブック (FB) や写真投稿アプリ「インスタグラム」などで対話型 AI 「メタ AI」を提供しており、文字や音声でさまざまな質問ができる。 今回の提携で、ニュース関連の質問の回答にロイターの記事の要約やリンクを表示させるという。 メタは「今回の提携で、最近の出来事についての情報を探す利用者により便利な体験を提供できる」と声明を出した。

生成 AI は間違った答えを出すことがある。この対策として、AI 運営企業は「ボット」と呼ばれる自動プログラムを使って報道機関などのサイトの情報を収集し、AIを訓練したり AI 検索に活用したりしている。 AI 企業と報道機関の提携の動きが広がる一方、報道機関の記事を「ただ乗り」で使っているとして報道機関が提訴する動きもある。

AI 検索の米新興企業パープレキシティは、米ウォールストリート・ジャーナル紙 (WSJ) を傘下に持つ米通信社ダウ・ジョーンズなどに著作権侵害で提訴された。 パープレキシティは 24 日、提訴について「ミスリーディングだ」と反論。 「AI 検索やパープレキシティは消えてなくなることはない。 メディア企業と協力して、革新的なツールの提供に集中できる時を楽しみにしている。」と訴えた。 (サンフランシスコ・五十嵐大介、asahi = 10-26-24)


AI がパートナーになる日 食卓も運動も深層心理も、技術が映す未来

国内最大級の先端技術の見本市「CEATEC (シーテック)」が千葉市の幕張メッセで 15 日、開幕した。 最大のテーマは AI (人工知能)で、出展した 808 社・団体の約半数が AI 関連技術を展示。 AI が私たちの「パートナー」となり、暮らしをどう変えてくれるのか。 最新の技術から探ってみた。

骨格の動きを解析、正しいフォーム確認

富士通は、バスケットボールのシュートを放つ動きや能楽の所作をカメラで撮影し、AI を用いてデジタル化する仕組みを紹介した。 動きを四方に置いたカメラがとらえ、AI がその場で解析。 体験者と「お手本」となるバスケ選手や能楽師の骨格の動きが並んでディスプレーに表示される。 「プロ」の体の使い方との違いを知ることで、効率よく上達できるという。

今回の展示は簡易版といい、より精密な解析もできる。 体操競技の国際大会では 2019 年からこの技術が採点の補助に使われているという。 富士通は出展テーマに「AI がバディ(相方)になる未来」を掲げている。 開発プロジェクトを率いる藤原英則さんは「AI は人の価値を下げるものではなく、能力を高めたり、新しい経験を促したりするものであってほしい」と話す。

いつでもどこでも ChatGPT

AI と食卓を結ぶ技術を披露したのはパナソニックだ。 同社が出展した冷蔵庫は、上部についたカメラを通じて AI が野菜室の「在庫管理」をする。 AI がキャベツなど 45 種類の野菜の種類を認識し、それぞれいつ庫内に収められたのかを把握。 消費の期限が近い野菜を使ったレシピを提案してくれる。

いつでもどこでも AI にサポートしてもらえる - -。 そんな未来を感じさせる製品も登場した。 香港などに拠点を置くソロステクノロジーは提携先と共に、多くの機能を持たせためがね「スマートグラス」を初出品した。 スマホを手に持たずに ChatGPT (チャット GPT)とのチャットなどができる。 チャットはひとたび起動させれば、フレームを触っている間は発言ができる。

特売チラシ「分析」しておすすめ料理提案も

JVC ケンウッドは、AI 機能を持つ小型カメラを内蔵したイヤホンを展示した。 画像認識が加わればチャット GPT との会話も高度化する。 スーパーマーケットの特売を知らせるチラシを見ながら、「おすすめの料理は」と話しかけると、3 秒も経たないうちに「タマネギと豚肉で炒め物を作り、付け合わせにホウレン草のおひたしはいかが」と返答があった。 ブースには脳波を測定する機器も置かれていた。 機器を頭に装着すると、AI が深層心理を分析して、それに応じた映像を画面に映し出した。(田中奏子、高橋豪)

初めて併催のモビリティショー、その狙いは

シーテックと同じ幕張メッセで 15 日、ジャパンモビリティショー (JMS) も開幕した。 併催するのは初めて。 自動車関連企業とベンチャー企業のマッチングに重きを置く。 その場で商談できるスペースも設けられた。 昨年、「東京モーターショー」から改め、自動車以外にも鉄道や通信などの異業種やスタートアップを集めるイベントに衣替えしていた。 従来は隔年開催だが、一般客向けではないビジネスマッチングのイベントも開催することになった。 併催としたのは、シーテックに来場した企業関係者とも新しいビジネスの創出や商談をするきっかけにしようとの狙いがある。

今回のJMSでは200超の企業や団体がブースを構え、自動車関連だけでなく、蓄電システムや水素、AIなど様々な自社の技術を説明していた。 JMS を主催する日本自動車工業会の片山正則会長は「(シーテックには)我々が思いつかない大事なものがいっぱいある。 ぜひ今後も続けていきたい。」と話した。 (西山明宏、asahi = 10-19-24)


AI センサーがリアルタイムで「見守り」 デンマークのテクノロジー

ロボットや ICT (情報通信技術)などの先端技術を、介護や福祉に導入する「ウェルフェア・テクノロジー」を掲げるデンマーク。 ある新たなシステムが注目されているという。 首都コペンハーゲンから小一時間。 フレデンスボーにある施設は、主に認知症の高齢者など約 30 人が暮らす。 すべて個室だ。 この施設は 7 月から、新システムを試験的に導入した。 2020 年に設立されたベンチャー企業「Teton.ai」社のシステムだ。

「いま、それぞれが何をしているのか。 リアルタイムで見ることができます。」

同社のセシリエ・カウストゥロップさんが、パソコン画面の表示を説明する。 個室の天井に設置されたセンサーが、常時、室内の様子を把握。 床に横たわっている、床に座っている、いすに座っている、ベッドで横になっている、立っているなど、10 種類以上のアイコンで入居者の現状を表示する。 呼吸時の胸の動きなどから、ただ横になっているのか、睡眠しているのかも見分ける。

床に横たわっているときなどは、施設のスタッフが持つ機器のアラームが鳴り、スタッフが駆けつける。 立っている時間が長い場合にも鳴らすなど、どのような場合にアラームを鳴らすかは人それぞれで設定できる。 睡眠時間、トイレに行った回数なども精密に記録する。 施設長のビヤギテ・ピーターセンさんによると、導入したことで「介護の質が上がった」という。 以前は、夜間には 3 回、夜勤のスタッフが全個室をまわり、状況を確認していた。 いまはその必要がなくなった。 ただ、使用は強制ではなく、常にセンサーで把握されることに同意しなかった人の部屋では使っていない。

デンマークでは従来、緊急事態を把握するために床のセンサーが使用されていたという。 ただ、お尻が床についている場合に一律に「倒れている」と判断するなど、「間違いが多かったのです」とカウストゥロップさん。 同社のシステムは、体の多くの点の位置関係などに着目しており、さらに人工知能 (AI) も搭載して入居者それぞれの身体や動きの特徴などを学ぶこともできるという。 同社によると、このシステムはデンマークで複数の高齢者向け施設や病院で使われているほか、英国やスイスなどでも使用しているところがあるという。(フレデンスボー・山田史比古、asahi = 10-19-24)


文字から動画や音声を生成、メタが AI で新技術 インスタに来年導入

米メタは 4 日、動画を生成する新たな人工知能 (AI) 技術「Movie Gen (ムービー・ジェン)」を発表した。 文字で指示した内容にあわせた動画や音声が生成できるという。 マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者 (CEO) によると、写真投稿アプリ「インスタグラム」に来年導入する予定という。 米オープン AI も同様の技術を公表しており、新技術で対抗する。 メタの新技術では、文字で指示した内容の高画質の動画や音声を生成できるほか、利用者自身の画像に基づいた動画の生成や、動画の編集もこなすことができる。 動画は最大 16 秒間、音声は最大 45 秒間の内容が生成できるという。

同社のデモでは、ペンギンが雪の上を歩いている動画に「ビクトリア調のドレスを着せて」、「ビーチパラソルと砂浜を加えて」などと文字で指示すると、内容にあわせて背景などが修正された。 音声生成では、バイクの音や草の茂みを進む音なども指示にあわせて生成された。 動画や音声などを生成する AI 技術は、偽情報などに悪用される可能性があるほか、アーティストの仕事を奪うなどの懸念もある。 メタは「これらの基盤モデルは多くの活用事例があるが、生成 AI はアーティストやアニメーターの仕事を代替するものではない」として、クリエーターからの意見を採り入れていくと強調した。

米オープン AI は今年 2 月、入力した文章に合わせてリアルな動画を生成する AI 技術「Sora (ソラ)」を発表。 ただ、いまのところ一部の専門家やアーティスト向けの限定的公開にとどまっている。(サンフランシスコ・五十嵐大介、asahi = 10-5-24)


「1 千万円を 1 億円にして返して」 孫氏が AI に聞いてわかったこと

AI (人工知能)は恐ろしい武器になるのではなく、思いやりや慈しみを持ち人間を幸せにする - -。 ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は 3 日、取引先など法人向けの自社イベントに登場し、同社がいま事業として最も注力する AI について持論を展開した。 「1 千万円を持っている。 1 億円にして返して。」 孫氏はこの日朝、米オープン AI の対話型 AI 「ChatGPT (チャット GPT)」の最新モデル「o1 (オーワン)」にこんな質問を投げかけたという。 回答に 75 秒ほどかかり、「止まったか心配だったが、考えているプロセスが見えた」と語った。

孫氏によると、AI の進化はすでに「考える」段階に入ったという。 チャット GPT は事前学習による「知識」が基本で、「理解はしているものの、考えてはいなかった。」 数学の難問やプログラミングで、すでに人間の能力を大きく超える性能を備えたとし、「速さではなく、深さを自慢するステージにきた」と話した。 日本語に特化した大規模言語モデル (LLM) や、パラメーター数の小さい AI などが出ていることについて、孫氏は「省電力でチップが少なくて済むと主張する人も多い。 ただ、それは言い訳だ。 GPU が買えない、電気が買えない、予算がないから仕方なく小さくしているようだ」と指摘。 最も優れた AI にアクセスできない企業は淘汰されていくため、規模を大きくしていくべだと主張した。

AI は人の気持ちをわかり、思いやりや慈しみなどのほか、自己認識も持つことになると述べ、「AI の最大のゴールは人々の幸せ。 人間の 1 万倍の人工知能を恐れる必要はない。 この超知性の時代は 10 年以内に来る。」と語った。 孫氏は最先端の半導体やデータセンターなどの AI 事業に注力すると打ち出してきた。 ただ直前に報道された、グループ傘下の投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」によるオープン AI への出資合意について、この日は言及しなかった。 (奈良部健、asahi 10-3-24)


AI が電話をかけて注文も オープン AI、音声機能を企業向けに提供

米オープン AI は 1 日の開発者会議で、生成 AI (人工知能)を使ってリアルタイムに音声でやりとりできる技術を開発者向けに提供すると発表した。 開発企業は、AI が人間の代わりにさまざまな仕事をこなす「エージェント機能」に力を入れており、音声を使ったアプリが広がりそうだ。 オープン AI は 9 月、対話型 AI 「ChatGPT (チャット GPT)」の有料利用者向けに、「人間並み」の速さで音声でやりとりができる機能を提供すると発表した。 英語のほか日本語や韓国語など 50 言語以上で使える。

「電話でイチゴを注文して」と頼むと …

このリアルタイムの音声機能を、「アプリケーション・プログラミング・インターフェース (API)」と呼ばれるしくみを通じて、新たに開発者向けにも提供する。 オープン AI の技術を自社のアプリに組み込むことができ、発表では、語学を学ぶアプリでリアルタイムで会話ができる活用事例などが紹介された。 旅行アプリやコールセンターなどにも活用が広がりそうだ。 オープン AI のチャット GPT の利用者は 2 億人超いるほか、300 万以上の企業が同社の技術を活用して独自のサービスを開発している。 AI 分野で競争が激化するなか、企業向けサービスの重要性は増している。 発表に先立ち、こんなデモも一部報道陣に披露された。

「この店に電話をかけて 400 個のイチゴを注文して。 予算は 1,500 ドル以下に抑えて。」

オープン AI の担当者が音声アシスタントにそう話しかけると、アプリが店に電話をかけはじめた。 アプリが「400 個のイチゴはいくらですか」と聞くと、店員役のオープン AI の担当者が「1,200 ドルですよ」と回答。 アプリは「では注文をお願いします」と話し、配達時間まで確認して電話を切った。 同社の技術を使ってこうしたアプリも作れるという。

エージェント機能、「来年は主流に」

AI 技術が音声や画像など様々な種類のデータを扱えるようになるなか、人間に代わってメールを送ったり電話をかけたりする「エージェント機能」の開発が広がっている。 オープン AI のケビン・ウィール最高製品責任者 (CPO) は朝日新聞などの取材に「2025 年はついにエージェント機能が主流になる。 正しく使えば、人間にとって大事なことにより多くの時間を使え、電話をながめる時間を減らすことができる」と話した。

ただ、AI は間違った回答をするほか、音声機能はなりすましや詐欺などに悪用される可能性もある。 報道陣からは安全対策についての質問が相次いだ。 オープン AI は、同社の技術を詐欺などに使うことを禁じているほか、AI とやりとりしていることがわかるよう開発者に規約で義務づけているとしている。 オープン AI は近く、非営利団体から営利団体に組織変更し、新たに 65 億ドル(約 9,400 億円)の資金調達に踏み切ると報じられている。 最近では技術部門トップのミラ・ムラティ最高技術責任者 (CTO) ら幹部の退任が相次ぐなど、大きな転機を迎えており、開発のスピードと安全性のバランスが問われる。 (サンフランシスコ・五十嵐大介、asahi = 10-2-24)


最高峰の米大学と連携、慶大に AI 研究センター NEC など 9 社参加

慶応大は 24 日、世界最高峰の AI (人工知能)研究機関として知られる米カーネギーメロン大(CMU)と連携した研究拠点「慶応 AI センター (KAI)」を新設した。 NEC やソフトバンク、三菱 UFJ フィナンシャル・グループなど大手 9 社から研究者が参加し、共同で世界最先端の AI 開発をめざす。 日吉キャンパス(横浜市)を主拠点とするセンターでは、カメラの画像と言語の両方を使って実空間の情報を理解する「マルチモーダル」、自ら次の行動を判断できる「自律型」、材料開発など「科学発見のための AI」の 3 分野を中心に研究を進める。 米マイクロソフトも協力し、AI 研究用のクラウド環境を提供する。

参加する KDD Iは、研究成果を三菱商事やローソンと進める「未来のコンビニ」事業にも活用したい考えだ。 例えば、店舗内を移動する AI 搭載ロボットの映像をもとに顧客の表情を読み取って分析したり、離れた場所の店員に助言したりできれば、快適な買い物や人手不足の解消にもつながると見込む。 センター長の杉浦孔明教授は 24 日の開所式で「最高峰の CMU にいるような環境を慶応大で実現して、社会にインパクトを与えるような研究を進めたい。」 KDDI の松田浩路常務は「人と AI が共生する社会の実現は当社のビジョンとも一致する。 AI が進化する中、(悪用を防ぐような)守りの研究も進めたい。」と話した。 (竹野内崇宏、asahi = 9-25-24)


AI が分析、認知症の人に最適化 「奇跡の瞬間」めざすプログラム

音楽などのさまざまな活動を通じて、不安や暴言などの認知症の周辺症状を抑え、認知症の人が「自分らしく」暮らし続けることをめざす「非薬物療法」。 そこに、AI (人工知能)などのデジタル技術をいかす動きがある。 重度認知症の母 (86) が、タブレットの画面に映った自分の息子である兄を見て、にっこりほほえんだ。 「母が母に戻った。 奇跡の瞬間でした。」 木南治子(なおこ)さん (48) は、1 年半前をこう振り返る。 グループホームで暮らす母は、前頭側頭型認知症で要介護度は最も重い「5」。 発話するのは単語の羅列で、会話は成り立たない。

目の前の人や物が何かを認識することも難しく、「怒っているか、寝ているか、うつ状態か」という状況が続いていた。 笑顔はほとんど見なくなっていた。 「目も合わず、意思の疎通ができなくなっていくことが一番つらかった。」  変化があらわれたのは、木南さんがコンテンツ開発を担当する、認知症ケアプログラムの利用を始めてからだ。 株式会社Aikomi が 2021 年から提供する「Aikomi ケア」。 タブレットを使い、20 分程度のコンテンツの鑑賞を通じて、認知症の本人と家族らのコミュニケーションを豊かにすることをめざす。

木南さんは母の介護を経て、2019 年に同社に入社した。 母が兄を認識したのは、使い始めて4 回目のことだった。 ほかにも、好きだった俳句を見せると指で追って読もうとするなど、感情の動きが見られるようになった。 「共感できる瞬間があることで、私の気持ちも全然違うんです。 こんな瞬間をたくさん作りたい。」

プログラムの仕組みはこうだ。 認知症の本人と家族ら、それぞれに専用のタブレットを貸与する。 オンラインでつないで、同時に同じコンテンツを鑑賞。 画面にはお互いの様子も表示され、離れて暮らしていても鑑賞しながら会話ができる。 利用にあたっては、事前に家族にカウンセリングし、家族構成や歩んできた人生、趣味などを聞いて、関連したコンテンツを表示する。 手芸、書道などの趣味や、おはじき、あやとりなどの懐かしい遊びの動画。 「きょうは何の日?」などのクイズも。 童謡などの音楽にあわせて「一緒に歌いましょう」と呼びかけ、「秋に食べたい食べ物はなんですか」などの問いかけが表示されることもある。 季節感も大切にしているのだという。

動画や写真、クイズなどは 2 万 4 千種類以上あり、ボランティアの協力も得て更新している。 本人や家族の写真、動画を盛り込むこともできる。 最大の特徴は、利用者の同意が得られた場合には鑑賞している本人の様子を録画し、表情の変化や発話などの反応を AI で分析することだ。 反応がよかったコンテンツと、次回の「おすすめ」がわかる。 それを参考に、個別に最適化したプログラムを編成する。 回数を重ねるごとに、よりその人の好みに合わせた内容になる。 関心がなさそうなコンテンツもあえて交ぜることで、思いも寄らない好みがわかることもあるという。 「認知症の人が自らの思いを言葉にできる状況を、どうやって提供するかを重視しています」と木南さんは話す。

これまで利用したのは延べ約 150 人。 「会話が増えた」、「コミュニケーションのきっかけになるのが楽しい」との感想が届く。 東京都健康長寿医療センターと共同研究も実施した。 3 回使うことで、暴言などの周辺症状が有意に少なくなった認知症の人もいたという。 同社はもともと、製薬会社の武田薬品工業の社内ベンチャーだった。 きっかけは、同社で認知症の薬の創薬に携わっていた研究者が、薬に限界を感じたことだったという。 薬は興奮状態を鎮める、眠れない人を眠らせるなど、症状を抑えることはできる。 一方で無気力などの副作用もある。

「その人らしく暮らし続けるには、暴言などの周辺症状を抑え、コミュニケーションを豊かにする『非薬物療法』が大事なのではないか。」 非薬物療法には、昔の記憶を思い出すことを促す「回想法」や、音楽や園芸といった活動などさまざまな種類があるが、デジタル化でより効果をあげることをめざした。 2018 年に独立し、神戸学院大学などと共同研究を進め、2021 年から「Aikomi ケア」の提供が始まった。 より多くの人に利用してもらおうと、昨年 7 月からは「Aikomi ケア」で開発したプログラムをいかした、介護施設向けのサービスの提供にも力をいれている。

いまは「見る」、「聴く」コンテンツが中心だが、将来的には「五感でケアをする」ことをめざすという。 映像とともににおいを再現するシステムの試作や、触れた時に振動で刺激を与えるプログラムの検討などを進めている。 取締役の平田知弘さんは「離れて暮らす認知症の人を心配する家族は多い。 地域での暮らしを続けられる一助になると考えている」と話す。(石川春菜、asahi = 9-23-24)


国連に専門家の「国際 AI パネル」設置検討 未来サミットで議論へ

人工知能 (AI) の進化が急速に進むなか、国連の諮問機関が、AI のリスクに関する理解や適切な対応を促す専門家パネルを国連に設置することなどを含む提言をまとめた。 22 日から始まる国連の「未来サミット」で議論し、実現を目指す。 昨年 10 月に設置された研究者らによる諮問機関が 19 日に最終報告書を公表。 そのなかで、世界の地域バランスなども考慮した AI 専門家らによる独立した「国際科学パネル」の創設を勧告した。 パネルの具体的な枠組みは今後議論を進めるが、「証拠に基づく影響やリスク、可能性の評価を通じた科学的な理解の促進」を目指すとしている。

国際科学パネル設置を含む提言は、未来サミットの成果文書に付属する「グローバル・デジタル・コンパクト」の柱の一つで、成果文書との一括採択を目指して交渉が続けられている。 グローバル・デジタル・コンパクトはまた、各国政府や民間を含めた利害関係者が最新情報を議論できる場の必要性をうたい、「AI ガバナンスに関するグローバル対話」を国連に設けることを提唱している。

未来サミットは、国際協力の強化や多国間主義の再活性化を目指して国連総会一般討論を前にした 22 日に米ニューヨークの国連本部で開幕する。 国連のグテーレス事務総長は、国際科学パネル創設への全面的な支持を表明している。 サミット前日の 21 日には国連本部で演説し、グローバル・デジタル・コンパクトは世界で広がるデジタル格差解消への青写真になるとしたうえで、「AI に関する初の普遍的合意でなければならない」と述べた。 (ニューヨーク・遠田寛生、asahi = 9-22-24)