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企業が SEO 対策に捧げる「祈り」 グーグル検索順位が経営リスクに

「検索順位を上げるためにできる施策はやったので、どんと構えている。 でも、半分くらいはグーグルに祈りを捧げている。」 契約書の審査サービスを手がけるリーガルフォース(東京都)の梅村玲司さんは 9 月中旬、ネット検索大手の米グーグルを「神」に例えてこう話した。 梅村さんの仕事は「検索エンジン最適化 (SEO)」だ。 企業の法務担当者らが、グーグル検索で「契約書 法令改正」といった語句で調べた際、自社サイトが検索順位の上位に表示されるように、サイトの構成や記事などを調整する。

グーグルはこの日、検索結果の表示順などを決める計算手順である「アルゴリズム」の大規模な変更を発表した。 年に数回実施するこの変更によって自社サイトの検索順位が大きく変わる可能性があり、梅村さんは変化を注視していた。 世界のネット検索市場でシェア 9 割超を持つグーグルは、日本でもほぼ「1 強」状態にある。 そのアルゴリズムは、企業にとって業績が左右されるほどの大きな存在だ。 自社サイトの検索順位が下がれば訪問者が減り、売り上げにも影響を及ぼしかねない。 企業は SEO 担当を置いたり、外部の SEO 専門家に依頼したりしてグーグル対策を取っている。

グーグルは、データベースに保存している数千億ものウェブページなどから、検索された語句との関連性やソース(情報源)の専門性、利用者の位置情報といった数百の指標などで情報を評価し、順位を付けて表示する。 ただ、検索順位が不正に操作されることなどを防ぐため、アルゴリズムの評価指標や変更点など詳細は公表しておらず、外部からは推測することしかできない。

梅村さんは、他社サイトの順位変動や、国内外の専門家が発信する情報などを分析。 自社サイトの専門性や信頼性を高めようと、弁護士らに記事執筆を依頼し、掲載後は弁護士事務所のホームページなどに自社サイトに飛ぶリンクを設置してもらうなど、日々対策を講じている。 だが、苦い経験もあるという。

アルゴリズム変更で COO が辞任

グーグルが昨年 6 月、アルゴリズムの大規模な変更を行うと、複数ある自社サイトのうち、契約業務の基礎知識を学べるサイト「契約ウォッチ」の順位が下がり、サイトへの訪問回数が 15% 減少した。 翌月はサイトからの資料のダウンロード (DL) 数が 3 割超も減った。 「資料 DL はその後の受注につながる確率が高く、大きな痛手だった。」 その後、対策を施したこともあり、昨秋には順位が回復。 最近は過去記事にも新しい要素を加えたり、タイトルなどを変えたりして、コンテンツを最新の状態にする施策にも力を注ぐ。

その影響力の大きさから、株式上場時の資料などにアルゴリズム変更を経営上のリスクとして記載したり、決算発表で業績悪化の要因にアルゴリズム変更をあげたりする企業は少なくない。 ネット広告事業を営む都内のある会社では、グーグルのアルゴリズム変更が引き金となり、経営首脳の責任問題に発展した。 今年 2 月、この会社は COO (最高執行責任者)の辞任を発表した。 昨年のアルゴリズム変更を受けて、買収したばかりの子会社が運営するサイトの検索順位が下降。 サイトの主な収益源は、サイト上の広告掲載で報酬を得るアフィリエイト収入だったといい、売り上げが大幅に減り、数億円の「のれん代」を減損処理した。

企業から対策を請け負う著名な SEO 専門家である辻正浩さんは、グーグルのアルゴリズムと 15 年以上向き合ってきた。 1 日平均 20 時間弱、パソコンの前に座り、数十万の検索語句を追いながら多種多様な企業のサイトの順位変動などを観測し、顧客企業のサイトに対策を施している。 辻さんは、グーグルの検索品質自体は高く評価する。 「グーグル検索は多くの人に使いやすく、安全な検索結果を作り続けている。 日本語検索において、現状、他の選択肢は考えられない。」と言う。

一方で、ネット検索市場での力の偏在には懸念も示す。 辻さんは、検索順位が 1 位や 2 位だった企業のサイトが、グーグルのアルゴリズム変更で崖から転がり落ちるように順位を落とすのを見てきた。 例えば、19 年 9 月の変更では、「サプリ」や「サプリメント カルシウム」といったサプリ関連の語句で検索結果の上位に表示されていた大手数社が、たった数日で 30 位内に入れなくなる現象が相次いだ。

辻さんは「31 位以降はほとんどクリックされず、売り上げにも大きな影響があったはずだ。 (グーグルという)いち民間企業の検索アルゴリズムが多くの企業の収益に影響を与えている」と独占に近い状態による弊害を懸念し、第三者が検索結果などを分析してアルゴリズム運用に問題がないかチェックする必要性を訴える。

グーグルはアルゴリズムを変更する理由について、朝日新聞の取材に対し、「ウェブ上のコンテンツが増加し、変化し続ける中、検索クエリ(検索語句)に対する検索結果の品質を向上させるため」と説明する。 最新技術を用いて、利用者の検索意図をより正確に理解するなどし、関連性や信頼性の高い情報を届けられるように検索サービスの改善に取り組んでいるという。 サイトの管理者らに向けて、公式ブログでアルゴリズムの最新情報を発信したり、ユーチューブで寄せられた質問に社員が答える動画を配信したりして、できるだけ多くの情報提供も目指しているという。

信頼性か、情報の多様さか

グーグルは昨年だけで検索サービスに約 5 千の変更を実施した。 世界に 1 万人以上いる外部の検索品質評価者が、専門性、権威性、信頼性の英語の頭文字をとった「E-A-T」と呼ばれる基準などをもとに、適切な検索結果を表示できているか検証する仕組みもある。 「Your Money or Your Life (YMYL)」。 グーグルは、検索品質評価者向けのガイドラインで、健康や金融など人々の生活に大きな影響を与える領域をこう呼び、情報の信頼性や正確性をより重視する。

例えば、医療や健康に関する語句を検索すると、上位には公的機関や病院、大手企業のサイトが並ぶ。 米大統領選で誤情報や偽情報に注目が集まった 16 年、日本でも不正確な情報などを掲載した医療情報サイト「ウェルク」が問題となった。 当時は企業側が SEO 対策をとれば、誤情報などを含んだサイトであっても、検索で上位にたくさん表示されることがあった。 グーグルは 17 年、日本語検索で信頼性が高い情報が上位に表示されるようにアルゴリズムを何度か変更した。

SEO コンサルティング会社、アユダンテの江沢真紀さんは「YMYL の領域では『E-A-T』をしっかり担保しないと、(アルゴリズムの)アップデートで順位が落ちやすい。 特に医療や健康への影響は大きく、どんなにコンテンツを作り込んでも、公的機関や病院など信頼性や歴史があるサイト以外は評価されづらくなった」と分析する。 信頼性を重視するグーグルの方針のもとで、誤った情報が私たちに届きづらくなった一方で、闘病記や育児日記のような個人ブログにたどり着くのは以前より難しくなり、ブログ数も減ってきているという。

辻さんは「信頼性を重視するグーグルの方針は納得できるが、(ブログなどが)誰にも読まれなくなれば書く人は減る。 ネット上のコンテンツがグーグルによって方向づけられてしまう」と情報の多様性の点を心配する。 こうした懸念について、グーグルは取材に対し、「検索者の特定の意図は判断できないため、グーグルはシステムが最も有用で信頼できると判断し、虚偽または誤解を招く情報の可能性が低いコンテンツを上位にランク付けするというアプローチをとっている」と説明している。 (平井恵美、asahi = 10-1-22)

《アルゴリズム》 コンピューターが膨大なデータをもとに問題を解いたり、目標を達成したりするための「計算手順」のこと。人工知能 (AI) などで使われており、様々なデータを入力し、目的に合わせた予測や結果などを出力する。 たとえば、通販大手アマゾンがサイト上で消費者が関心を持ちそうなおすすめ商品を表示する際や、フェイスブック (FB) が投稿の表示順を決める際などに使われている。 スマホの地図アプリの目的地検索から、病気の診断、企業の採用活動や自動運転まで幅広い分野で利用されている。


アマゾンが 7 年ぶりの赤字に転落 … なぜ IT 大手で「想定外の業績悪化」が次々と起きているのか
既存のビジネスモデルは、「web3」という大変化に耐えられるか

各社のビジネスモデルが限界を迎えつつある

GAFA などが運営する、いわゆる "サブスクリプション型" と呼ばれるビジネスモデルが限界を迎えつつある。主に IT などのチャネルを通じて、特定のサービスを提供することに対して課金するサブスク型ビジネスに関しては、とりあえず需要が一巡したことに加えて、類似のサービスを提供する企業が増えて競争が激化している。 ここへきて、従来のペースで収益を獲得することは難しくなっている。

4 社の 2022 年 1 - 3 月期決算を確認すると、アマゾン・ドット・コムは最終損益が赤字に転落した。 赤字は 15 年 1 - 3 月期以来 7 年ぶりだ。 過去 2 年程度の間に積極的な設備投資を進めた結果、需要を上回る物流設備を抱え込んだ。  グーグルの持ち株会社とメタも前年同期比で減益となり、アップルのみが 1 - 3 月期の最高益を更新した。 一人勝ちのアップル含め、どの企業も世界的な物価の高騰や人件費の急騰などに直面している。 人員の削減など GAFA のコストカットが加速する可能性は高まっている。

一方で、クラウド・コンピューティング(クラウド)系のビジネスには、まだ伸びる余地がある。 目先は物価高騰と世界的な景気後退の同時進行、金融政策の大転換による金融市場の大幅な不安定化などによって一時的に世界各国で設備投資は減少するだろう。 ただ、やや長めの目線で考えると、世界経済のデジタル化関連の投資は増える可能性が高い。

メタは手数料を「2023 年までゼロ」にすると決めたが …

ビッグデータの保存、収集、分析などのためにクラウドサービス需要は増加するだろう。 GAFA 各社が、需要が飽和しつつあるサブスクリプション系のビジネスから、中長期的な成長期待が高いクラウド系の分野に事業展開の軸足を移し、どのようなビジネスモデルを構築するかが注目される。 GAFA 各社の事業運営状況を確認すると、企業が顧客に継続的に課金して特定のサービスの利用権を提供するサブスクリプション(サブスク)・ビジネスは成長の限界を迎えているようだ。 ポイントは、サブスクは GAFA が高い成長を実現する基礎的要素の一つであることだ。 メタの事業運営を確認するとそれがよく分かるだろう。

2021 年 11 月に、メタはサブスクの手数料を 2023 年までゼロにすると発表した。 メタはフェイスブックのユーザーが、気に入ったクリエイターのコンテンツをサブスクするサービスを提供してきた。 ユーザーがアップルのプラットフォームを経由してサブスクすると、クリエイターに一定の手数料がチャージされた。 フェイスブックがシェアを急拡大していた環境下、アップルに依拠したサブスク・ビジネスはメタが有力なクリエイターとの関係を強化し、より多くのユーザーを獲得して広告プラットフォーマーとしての競争力を高めるために重要な役割を果たした。

ユーザーを増やし、広告収入を得るやり方はもう限界

その後、SNS 業界に参入した TikTok などがクリエイターの育成に注力し、より多くの収益機会を提供した。 競争が激化し、メタやアップルの手数料は高いと批判が増えた。 メタは、アップルのプラットフォームを経由しないサブスクサービスを提供し、手数料を引き下げてクリエイターが収益を獲得しやすくした。 それによってフェイスブックの魅力を高め、ユーザーを獲得し、広告収入を増やそうとした。

しかし、その後の株価の推移を見る限り、メタの成長期待は低下している。 他の企業が提供するプラットフォームを用いてサブスク・ビジネスを運営し、ユーザーを増やして広告収入を得るビジネスモデルが行き詰まっている。 それがサンドバーグ COO の退任に与えたインパクトは大きいだろう。 グーグルも "Google Play" にて開発者向けの手数料を引き下げた。

アップルとアマゾンに関しても音楽や動画などのサブスク系事業で競合するサービスは多い。 また、アマゾンは人件費やエネルギー資源価格の高騰によって事業運営コストが増えるなどし、2022 年 1 - 3 月期決算の最終損益は赤字に転落した。 その責任をとってアマゾンでは物流網の拡大を主導した消費者部門のトップが辞任した。

ネット業界は「巨大サービス」から「個々人」の時代に

サブスク系事業の成長が鈍化する一方で、ネット社会のインフラと呼ぶべきクラウド系のビジネスは成長力を維持している。 1 - 3 月期のアマゾンでは通販事業の苦戦とは対照的にクラウドサービスの収益が堅調に増加した。 コロナ禍の発生によって世界経済のデジタル・トランスフォーメーションが加速し、テレワークやビッグデータの分析などのためにクラウドコンピューティングサービスの需要は増えている。

さらに、世界のネット業界は大手の IT 企業がサービスを提供する "ウェブ 2.0" の時代から、ブロックチェーン(分散型元帳技術)など新しいネットワーク・テクノロジーを活用して個々人がより能動的にネット空間で活動する "ウェブ 3.0" の時代に移行し始めた。 デジタル空間において個々人がアバターとして活動するメタバース関連の取り組みも加速している。 メタバース社会の本格到来を睨にらみ、オンラインゲーム事業の強化に取り組む企業が世界的に増えている。 いずれにも当てはまることは、クラウドコンピューティング技術の向上が欠かせない。

クラウド事業の拡大を急ぐアップル

同じことは、アップルにも当てはまる。 アップルは iPhone などのデバイスで収益を獲得しつつ、ユーザーに App Store や iTunes、iCloud などのサービスを提供することによって高い成長を実現してきた。 ただし、足許では世界的な半導体不足の深刻化によって iPhone の生産に支障が出るなど収益の下押し圧力が強まっている。 その状況下、アップルは中国のゼロコロナ政策などのリスクに対応するためにインドで iPhone の生産体制を強化する。

さらにアップルは演算処理能力を高めた次世代チップの "M2" を発表した。 それは、デバイスの性能に磨きをかけ、自社のクラウドなどのサービスの利用を増やすことによってエコシステムを拡大するという同社の決意の表れだ。 ウェブ 3.0 の時代を迎える中でアップルがどのようにデバイスとクラウド事業の競争力向上を目指すかは注目に値する。 グーグルも広告などの規制強化に対応して収益を伸ばすためにクラウドビジネスの強化を進めている。 米中の対立やウクライナ危機によってサイバー攻撃のリスクが大きく高まったことを踏まえると、安全性の高いクラウドサービス需要は高まるだろう。

GAFA であっても「想定外の業績悪化」はありえる

今後、GAFA を取り巻く事業環境は一段と急激に変化する。 世界全体で物価高騰と景気の後退が同時に進む恐れが増している。 特に、ウクライナ危機などをきっかけに世界全体で物価が急騰していることは深刻だ。 その状況下、インフレ退治のために連邦準備制度理事会 (FRB) や欧州中央銀行 (ECB) は利上げやバランスシート縮小を急がねばならない。 金利が上昇し、金融市場は大きく不安定化する恐れが高まっている。 GAFA のような有力企業であっても想定外に業績が悪化し、クラウドサービスの強化やメタバースの取り組みが一時的に鈍化する展開は排除できない。

そうした懸念が高まる状況下、各社はコスト削減を強化しつつ、新しい取り組みを進め始めた。 メタはマイクロソフトとクラウド分野での戦略的な提携を強化し、関連する分野でのビジネスチャンスをより多く獲得しようとしている。 アマゾンやグーグルもコストの削減を進めつつ、クラウド関連分野の事業運営体制を強化している。アップルは既存デバイスと自動車の新しい結合を実現するために自動車用アプリケーション "CarPlay" の開発も強化している。

守りを固めつつ、成長期待の高い分野を伸ばせるか

やや長めの目線で考えると、世界経済全体でデジタル技術の実用化に向けた取り組みは増えるだろう。 自動車の電動化は加速し、自動運転技術の研究開発と実用化をめぐる競争が熾烈化する。 メタバース関連の事業機会に加えて、世界の企業のサプライチェーン再編も加速する。 各国の企業が中国からインド、ASEAN 地域などに生産拠点をシフトし始めた。

サプライチェーンの様相が大きく変化する中で、企業が発注した品物がどこにあり、いつ最終目的地に到着するかを効率的に把握するシステム開発は急務だ。 いずれもクラウド需要を押し上げる要因になるだろう。 GAFA 各社は守りを固めつつも、クラウドなどより成長期待の高い分野での取り組みを加速しなければならない。 各社のトップに求められるのは、あきらめずに変化に対応し、新しいビジネスモデルを迅速に確立することだ。 それが実行できるか否かが、各社の中長期的な成長に決定的なインパクトを与えるだろう。 (真壁昭夫、President = 6-13-22)


EU、巨大 IT 規制に合意 自社の製品・サービス優遇を制限、罰金も

欧州連合 (EU) は 24 日、巨大 IT 企業が独占的地位を利用してオンラインビジネスを行うことを制限する「デジタル市場法 (DMA)」の制定で合意したと発表した。 公正な競争環境を整え、消費者の利益を保護する狙い。 市場に大きな影響力を持つプラットフォーマー (PF) をめぐる規範作りが今後、加速する可能性がある。 法案を提出した EU 行政府の欧州委員会と立法府の欧州議会、欧州理事会の三者が同日合意した。

規制対象は、時価総額 750 億ユーロ(10 兆円)以上または EU 内の年商 75 億ユーロ(1 兆円)以上で、月間 4,500 万人以上の利用者を域内で抱える企業。 GAFA (ガーファ)と呼ばれるグーグル、アップル、フェイスブック(FB、現メタ)、アマゾンや、マイクロソフトなど IT 企業のほか、大手通販や旅行予約サイトも対象になる見込み。

これらの企業は、アプリ配信やネット通販、SNS、検索サービスなどを手がけながら、他社がサービスを運用する基盤にもなっている。 その際に、自社商品を優先的に表示したり、得たデータを自社サービスの向上に使ったりすることが制限される。 配信アプリの課金方法を指定することも制限される。 EU は問題が起きた後に競争法違反などで罰するなどの対応をとってきたが、DMA で違反行為を明示することで事前規制に転換。 違反すれば、世界の売上高の最大 20% の罰金が科せられる。 (パリ = 和気真也、asahi = 3-25-22)

DMA案の骨子

制限される事例

  • 自社製品やサービスの優遇
  • PF 企業として得たデータの流用
  • アプリ内課金の強制
  • OS 上で自社アプリを優先搭載

義務になる事例

  • 利用者による簡単なサービス解除
  • アプリ開発者がマーケティングや広告効果のデータに触れられるようにする

ロシア当局、Facebook へのアクセスを制限 規制に対抗

【シリコンバレー = 奥平和行】 米メタ(旧フェイスブック)は 25 日、ロシアで当局が同社の SNS (交流サイト)へのアクセスを制限したと明らかにした。 メタが第三者のファクトチェックに基づいてロシア国営メディアの投稿を規制しているのに対し、ロシア側は違法と主張している。 サイバー空間をめぐる攻防が激化してきた。 渉外などを担当するニック・クレッグ社長がツイッターで明らかにした。 クレッグ氏は 24 日にロシア当局から国営メディアの投稿に対するファクトチェックや、問題がある投稿に警告を付記するといった規制を中止するように命じられたが、これを拒否したと説明した。

メタはロシア側が SNS を通じて偽情報を流すといった事態を懸念している。 ウクライナにおける投稿監視を強めるため、24 日に特別チームを立ち上げたと説明し、25 日には国営メディアによる広告出稿を世界で禁止した。 一方、ロシア側はメタによるファクトチェックなどが市民の権利を保護する連邦法に違反すると主張している。 通信監督庁の 25 日の発表によると、メタは国営のテレビ局や通信社などが運用する 4 つの公式アカウントを規制した。 フェイスブックを「基本的人権などの侵害に関与する SNS」として認定し、通信速度を低下させたという。

ロシアの通信監督庁は 2021 年 3 月、「違法」な投稿の削除に応じなかったとして、米ツイッターにも同様の制限を課している。 通信速度を低下させたうえで、すべての「違法」投稿を削除しなければサービスの遮断も検討すると警告した経緯がある。 調査会社のスタットカウンターによると、ロシアの SNS 市場におけるフェイスブックの直近のシェアは 17%。 ロシア企業が運営する「フコンタクテ」に次ぐ 2 位につけている。 (nikkei = 2-26-22)


有害投稿、インドで横行 イスラム教徒を標的、削除されず

世界最大の SNS であるフェイスブック(FB、現メタ)が、新興国や途上国での有害な投稿に十分な対応が出来ていなかったことが、朝日新聞が入手した FB の内部文書からわかった。 結果として国家権力の側に加担している状況も浮かんだ。 インドでは、与党を支持する組織が、FB を差別的な投稿を拡散する手段として活用していた。 「彼らは、売り物の野菜や果物、ミルクにつばを吐いてコロナ・ジハード(聖戦)を繰り広げている。 彼らの店で買い物をしてはいけない。」

FB など SNS 上には、インドに暮らすイスラム教徒を標的にした事実無根の投稿が、大量にある。 ある組織が連日、差別的な投稿を繰り返しているのを見つけ、取材を試みた。 「ヒンドゥー・アーミー(ヒンドゥー教軍)」。 インド北部ラクナウに住むスシル・ティワリ代表 (42) が電話取材に応じた。 「我々の目的は、ヒンドゥー教徒にジハーディスト(聖戦主義者)による悪行の真実を知らしめること。 そして、ヒンドゥー教国家を築き上げることだ。」とティワリ氏は語る。 組織には IT チーム員が 150 人ほどいて、連日、イスラム教徒への憎悪をあおる投稿を組織的に続けている。

若い世代への周知には SNS が欠かせないという。 「インドで FB の利用者はツイッターよりはるかに多い」とし、特に FB を重視している。 ヒンドゥー教軍が信奉するのは、モディ首相が率いる与党インド人民党や、その支持母体である「民族奉仕団 (RSS)」だ。 多数派ヒンドゥー教の文化や伝統による国家統合を目指す「ヒンドゥー至上主義」を掲げる。 RSS 幹部は取材に「イスラム教徒は侵略者だ」と繰り返す。

人口約 14 億人のインドでイスラム教徒は約 14%。 「少数派」とはいえ 2 億人近い。 FBの内部文書によると、RSS のメンバーがイスラム教徒を「犬」や「豚」と呼ぶ差別的な投稿を広げているとも報告。 だが、FB にはヒンディー語やベンガル語の有害投稿を検知するシステムがなく、「これらの大半の投稿は検知されず、対応もされていない」と指摘していた。

首都ニューデリーで昨年 8 月、ティワリ氏はインドで問題となっている若者の高い失業率について演説し、SNS で広めた。 「人口が増え続けて職にあぶれる若者が出るのは、4 回も 5 回も結婚し、10 人以上の子を産む彼らのせいだ。」 ティワリ氏は宗教間の対立をあおったとして警察に拘束された。 ユーチューブではティワリ氏やヒンドゥー教軍による投稿がブロックされた。 だが FB では削除されなかった。

「FB、政府に配慮」と指摘

FB の内部文書には、SNS に対する圧力を強めるインド政府に対し、FB が投稿の扱いで配慮をしている様子も記されていた。 インド政府は昨年 2 月、500 万人以上の利用者がいる SNS に対し、法令順守担当の幹部をインドに置くことや、どんな苦情が寄せられ、どう対応したのかを記した報告書を毎月提出することを命じている。

「敵対的で有害なネットワーク インドの事例」と題した FB の内部文書によると、与党インド人民党の支持母体 RSS の投稿が、「扇情的で誤解を与える反イスラムの内容であふれている」としながらも、「政治的にセンシティブ」なことを理由に、FB が RSS を制限対象の団体に指定できていないと指摘していた。 米紙ウォールストリート・ジャーナルは、与党インド人民党の議員によるヘイトスピーチ投稿を FB 側が削除せずに放置した背景として、FB 幹部に政権・与党への配慮があったと報じた。 人口 14 億人のインドは FB の利用者が 4 億人以上いるとされ、同社にとって最大の市場と言われる。(ニューデリー = 奈良部健)

ベトナム、政権が市民監視か

FB の内部文書からは、権威主義的な国家による SNS への圧力に抗しきれないでいる状況も浮かぶ。 ベトナム中部のダナンで 1 月、フォー屋を営むブイ・トアン・ラムさんに会うため記者が店に向かっていた時だ。 「今は来ないで。」 約束の 10 分前、ラムさんからスマホのメッセージアプリで連絡が来た。 店を見通せる場所まで歩くと、公安警察が入り口を塞いでいた。

実はラムさんは昨年 11 月から当局の要注意人物になっていた。 同月、トー・ラム公安相が国際会議出席のため訪れた英国で金箔に包まれた高級レストランのステーキを食べたとされる動画が FB で拡散し、「国民の恥」などの批判が起きた。 ラムさんはレストランのシェフをまねてフォーを作るパロディー動画を制作。 「店の宣伝のつもりだった」が、6 日後には警察が店に来た。

ベトナムでは、政府が FB を活用し、市民を監視しているとの指摘がある。 FB の内部文書では、ベトナム政府や軍との関連が疑われる団体が FB 上でグループを作って、ジャーナリストや活動家の投稿を組織的に監視していたことが明らかになった。 時期は不明だが 36 グループが連携し、政府側が問題だとみなす投稿を 90 日間で 15 万 3 千件、FB 側に通報している。 この通報活動は虚偽によるものでルールに違反しているため、FB 側は問題のグループを削除したとしている。 一方、内部文書は、こうしたグループが高い確率でジャーナリストらの投稿の抑え込みに成功したと明記。 活動は「中程度 - 高い確度」で政府や軍組織の指示を受けているとの見方を示していた。

ベトナムでは 20 年、国営通信会社 2 社が 7 週間、FB への接続を妨害。 ベトナム政府は FB に「反国家的で違法」と政府が判断する投稿の閲覧制限に応じるように指示した。 FB はそれを受け入れた。 FB は当時、朝日新聞の取材に「指示に同意していないが、利用者のすべての声を沈黙させないための最良の選択だ」としていた。 実際には、ベトナム国内で政府の関与が疑われる言論の監視・制限への対応が後手に回っている可能性がある。 昨年 2 月の共産党大会の前後から、FB で政府に批判的な投稿をする人権活動家やジャーナリストの拘束が相次ぐようになった。 FB のアカウントを閉鎖する人たちも増えている。(ハノイ = 宋光祐)

ヘイト対策、新興国遅れ

FB 文書のなかでも、内部告発者のフランシス・ホーゲン氏がもっとも問題視したのが、新興国や途上国での有害投稿への対応の不備だった。 6 千ページ超にのぼるテーマ別の文書のうち、インドと途上国での有害投稿対策の文書だけで 2 千ページ近くを占める。 ホーゲン氏は昨年 10 月、報道陣に話した。 「世界で最も脆弱な場所に、最も危険なバージョンの FB がある。 これこそ一連の告発をおこなった理由だ。」 広く新興・途上国全般を念頭に置いた発言とみられる。

FB は、アフリカやアジアで通信回線への投資を進めている。 若者の人口が多く成長が見込めるからだ。 FB の欧米の月間利用者は約 7 億人で、過去 2 年間で 7% しか増えていない。 アジアとその他地域は 22 億人。 約 2 割増えた。 内部文書では、今後の成長市場と見込む新興・途上国での目先の利益を優先させて、安全対策が置き去りにされている状況が浮かぶ。

19 年 8 月の内部文書によると、言語別のヘイトスピーチ対応のための費用の割合は、英語(米国)が 38% と最も多い。 一方、英語以外の言語への対応は極端に少ない。 21 年の別の文書によると、FB の 20 年度の誤情報対策の予算は、米国が 87% を占めている。 メタの広報担当者は朝日新聞の取材に、内部文書について「我々は毎年、担当者がヘイトスピーチ対応にかける時間数を増やしてきた」と反論した。

FB は 10 年末の中東での「アラブの春」で若者が軍政に対抗する手段として使われるなど、民主主義を後押しするツールとして広がった。 いまでは権力者がその機能を巧妙に使い、FB は彼らに「配慮」を示す状況が浮かぶ。 今年 2 月に発表された直近の決算では、FB の世界の 1 日あたりの利用者数が創業以来、初めて減少に転じた。 「メタ」に社名を変え、巨額をつぎ込んで仮想空間「メタバース」に突き進むなか、本業で信頼を取り戻せるのか。世界最大の SNS が試練にさらされている。 (サンフランシスコ = 五十嵐大介、asahi = 2-20-22)

キーワード

フェイスブック (FB) 文書> 元従業員のフランシス・ホーゲン氏が集めた大量の内部文書。 テーマ別のファイルだけで 6 千ページ以上にのぼる。 ホーゲン氏の支援者によって米証券取引委員会 (SEC) に開示され、一部を黒塗りにするなどの修正を経て米議会に提供された。 議会向けに修正された文書について、朝日新聞など世界の報道機関が提供を受けた。


原因はフェイスブック離れだけではない … 「メタ株の暴落」で市場関係者が本当に恐れること

リスクオフに動く投資家が増えている

2 月 3 日、株式市場の急落を受けて、メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック、メタ)の株価が前日比 26% 安と暴落した。 この 1 日で吹き飛んだ時価総額は、2,370 億ドル(約 27 兆 2,000 億円)と米国の株式史上で最大だ。 昨年 10 月から 12 月期の同社の業績発表が市場の事前予想を下回ったことに加えて、米国の金融政策変更の予想により市場緩急の悪化が重なった結果だった。

これまで同社株価の上昇を支えた大きな要因は、これからも金融緩和が続くとの楽観だった。 2020 年 3 月中旬以降、コロナの再感染対策として金融緩和策が継続し "カネ余り" が続くと考える投資家が急増した。 彼らは成長への期待が高い IT 先端企業の株を好んで買った。 "買うから上がる、上がるから買う" という動きが強まった。 一時は SNS 上で個人投資家が結託して特定の銘柄をゲーム感覚で買う "マネーゲーム" も起きた。 メタはそうした銘柄の代表格の一つだった。

ところが、今年 1 月の連邦公開市場委員会 (FOMC) の後、3 月以降に連邦準備制度理事会 (FRB) が金融政策を転換する可能性が急速に高まっている。 特に、利上げとバランスシート縮小による流動性の吸収が同時に進むインパクトは大きい。 その展開を警戒して、リスクオフに動く投資家が増えている。

余った資金が IT 先端銘柄に集中

3 日のメタ株の急落は、緩和的な状況が続いた世界の金融環境が大きく変化し始めたことを示唆する。 メタのように、期待先行で買い上げられた銘柄への売り圧力は高まるだろう。 2020 年 2 月以降、新型コロナウイルスの感染拡大によって世界の経済と金融市場は大混乱に陥った。

それを落ち着かせたのが、米 FRB による強力な金融緩和だ。 ドル資金供給、利下げ、および量的金融緩和策の実施が投資家心理の悪化を食い止めた。 3 月中旬に米国などの株式市場は底を打った。 その後は、ナスダック市場に上場する IT 先端銘柄などが急速に上昇した。 感染再拡大によるサプライチェーンの寸断などによって世界的に物価は上昇し始めた。 その状況下、FRB は "物価上昇は一時的" との認識を維持した。 その結果、超低金利と過剰流動性が続くという主要投資家の楽観が膨張した。

個人投資家の間でマネーゲームの様相に

それに加えて、感染再拡大によって世界全体で動線の寸断が長期化するとの見方が増えた。 動線が寸断された中での経済活動に IT 先端企業が果たす役割は多い。 成長への期待は大きく高まり、メタなどの株価上昇が勢いづいた。 先行きへの期待が幻想のように大きく膨らみ、市場の阻害要因をコントロールできるという "コントロール・イリュージョン" の心理に浸る投資家が増えた。

特に、米国政府の失業保険の特例措置によって一時的に収入が増えた個人は、"ステイホーム" の時間を使ってゲーム感覚でメタなどの身近な銘柄を買い始めた。 財務内容や事業戦略などを精査することなく株を買い、たまたま大きく上昇したことに自信を深めた人は多かった。 彼らは SNS に自分の投資手法を投稿し、周囲の行動をまねる個人投資家が急増した。

そうした投資家の存在が町を練り歩く "チンドン屋" のようなにぎやかな雰囲気を醸し出し、米国の株式市場に "バンドワゴン効果(本当は関心がなかったが音楽隊のにぎやかな雰囲気につられてしまう心理)" が広がった。 その結果、ゲーム感覚で株を買う個人が増えてマネーゲームが鮮明化した。 2020 年 3 月中旬から 2021 年 11 月中旬までの間にメタの株価は 2.3 倍上昇した。

FRB の金融政策転換のインパクト

しかし、いつまでも資産の価格が上昇し続けることはあり得ない。 歴史を振り返ると、米国の金融政策の転換が株価上昇トレンドを終わらせたことが多い。 2021 年 11 月下旬、FRB のパウエル議長が物価上昇は一時的との認識が誤りだったと認めた。 それを境に、米国の利上げと量的金融緩和の縮小への警戒が急速に高まった。 米金利は上昇した。

無リスクの資産である国債の流通利回り上昇によって、投資家はリスクのある株式に資金を投じることに慎重になる。 さらに 1 月の FOMC にて FRB は金融政策を転換する意思を表明した。 3 月以降は、超低金利と過剰流動性の維持から、利上げと流動性吸収へ金融政策が変わる。 期待先行で株価が上昇したメタなどが売られ、米国の主要株式インデックスの中でも先端銘柄が多く組み入れられているナスダック総合指数の下げ幅が大きい。

タイミング悪く重なったメタの決算

その状況下、メタの決算が投資家を失望させた。 過度に先行きに強気になった多くの投資家が、米金利の上昇とメタの事業内容が想定よりも悪かったことに慌てふためいた。 "コントロールの欠如" というにふさわしい事態が起きた。 自信を失った投資家がわれ先にメタ株を売った。 それが、さらなる売りを誘った。 その結果として 1 日で 27 兆円もの時価総額が吹き飛んだ。 逆に言えば、1 月の FOMC の後も先行きを楽観する投資家はかなり多かったといえる。 メタ株急落の意味は重い。

FRB の金融政策の転換の詳細が明らかになるにつれて、メタへの期待、楽観はさらに剥落するだろう。 特に、流動性吸収のインパクトは大きい。 前回 2017 年 10 月のバランスシート縮小が始まる前、FRB の保有資産残高はピークで約 4.5 兆ドルだった。 足許、資産残高は倍増し約 9 兆ドルだ。 パウエル議長は流動性吸収が前回よりも早期かつ急速に進む可能性を示した。 世界のサプライチェーン寸断やエネルギー、穀物などコモディティー価格の上昇などによって世界的に物価が一段と上昇するリスクは高まっている。 米国以外の中央銀行も利上げに着手している。

メタが再浮上する可能性はあるのか

巨額のマネー供給が膨張させた投資家の過度な楽観は崩れる可能性が高まっている。 それによって、メタへの売り圧力は強まるだろう。 特に、ユーザー減少は深刻だ。 メタは SNS のフェイスブックを運営する。 ユーザーは静止画などを投稿し、他人とつながる。 メタはデータ(ビッグデータ)を獲得し、それを活用することで広告収入を得る。 ユーザー増加が、メタの成長に不可欠だ。 しかし、動画をシェアする TikTok の急成長など SNS 業界の競争は激化している。 メタの個人情報保護体制にも不安がある。 依然として、フェイクニュースやヘイトスピーチ摘発への取り組みは十分ではない。 米欧では個人情報への保護が強化され IT 先端企業への規制が強まる。

世界的に、メタバース分野の成長を目指して拡張現実 (AR) や仮想現実 (VR) などの専門家人材の争奪戦も起きている。 メタが技術開発を加速させつつ規制にしっかりと対応できるか不確定な要素は多い。 どのような成長戦略を提示して多様なステークホルダーからの信頼を獲得するか、メタの実力が試される。

期待先行型の銘柄の下落リスクは高まる

米金融政策の転換が、メタの事業運営体制への不安を一気にあぶりだし始めた。 事業運営面に不備や懸念があるにもかかわらず期待先行で株価が上昇した銘柄は多い。 例えば、個人投資家によるマネーゲームの対象となったゲームストップなどの "ミーム銘柄" がそうだ。 その一つである AMC エンターテインメント・ホールディングスの株価は、2020 年末の 2 ドル台から 2021 年 6 月には 60 ドル台まで急騰した。 2 月 9 日の引け値は 18 ドル台と高い。 特別買収目的会社 (SPAC) に買収されて新規株式公開 (IPO) を果たしたスタートアップ企業の中にも、同じことが当てはまるものがある。

事業内容を精査するよりも、"乗り遅れるな" という焦りの心理に影響されてリスクの高い(ハイ・ベータ)銘柄を選好した投資家は多い。 2 月 3 日の急落によってメタ株の割高感が解消されたとの見方はある。 しかし、そう論じるのは早計だ。 金利が上昇すれば、期待先行で株価が上昇した銘柄の下落リスクは一段と高まるだろう。 (真壁 昭夫、President = 2-15-22)

真壁昭夫(まかべ・あきお) : 法政大学大学院 教授 1953 年神奈川県生まれ。 一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現 みずほ銀行)入行。 ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。 みずほ総研主席研究員、信州大学経済学部教授などを経て、2017 年 4 月から現職。

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