コロナで明暗、「百貨店」は訪日客の影響で売上減、「コンビニ」は衛生・紙製品で売上増 新型コロナの影響で、百貨店の 2 月の売上が大きく減少する一方、コンビニはマスクやトイレットペーパー不足などで売上が増加した。 日本百貨店協会が 3 月 24 日に発表した「2 月の全国百貨店売上高概況」によると、2 月の売上高総額は前年同月比 12.2% 減の 3,661 億円(店舗数調整後・以下同じ)で、5 か月連続でマイナスとなった。 新型コロナの影響が拡大し、2 月は顧客の集客・売上ともに苦戦した。 国内の売上は外出自粛による消費マインドの低下が見られたほか、暖冬により冬物商材の動きが鈍かった。 インバウンドでは 1 月 27 日以降、中国政府が団体海外旅行を禁止したほか、昨年は 2 月だった春節が今年は 1 月にずれたことから売上が大きく減少した。 地区別では、インバウンド比率の高い 10 都市(札幌・仙台・東京・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸・広島・福岡)の売上高は前年同月比 14.6% 減となり、全国平均を上回った。 中でも札幌が同 25.8% 減、大阪が同 21.0% 減、京都が同 18.4% 減など大きく落ち込んだ。 仙台のみ同 0.2% 増でプラスを確保した。 10 都市以外の地区の売上高は同 6.0% 減となった。 プラスとなったエリアはなく、四国の同 12.9% 減、九州の同 10.9% 減などの落ち込みが目立った。 一方、日本フランチャイズチェーン協会が 3 月 23 日に発表した「JFA コンビニエンスストア統計調査月報 2020 年 2 月度」によると、2 月のコンビニ売上高は、全店ベースが前年同月比 2.8% 増の 8,490 億 6,400 万円で 5 か月連続のプラス、既存店(調査月において、当月と前年同月でともに営業中の店舗)ベースが同 2.6% 増の 8,026 億 8,200 万円で 2 か月連続のプラスとなった。 店舗数は同 0.3% 減の 5 万 5,460 店。 2 月は新型コロナの影響でマスクなどの衛生用品やトイレットペーパーなどの紙製品の売上が増加したほか、パン類・惣菜・冷凍食品・デザートなどの中食の需要が増加したことから前年を上回った。 閏年で1日多かったことや、キャッシュレス還元の効果もあった。 2 月の来店客数は、全店ベースが前年同月比 2.4% 増の 13 億 3,348 万 4,000 人、既存店ベースが同 2.3% 増の 12 億 5,706 万人で、ともに 5 か月ぶりのプラス。 平均客単価は全店ベースが同 0.5% 上昇して 636.7 円、既存店ベースが同 0.3% 上昇して 638.5 円となり、ともに 5 か月連続のプラスとなった。 2 月の小売は、百貨店が消費マインドの低下やインバウンドの減少の影響を大きく受けた一方、コンビニは新型コロナウイルスの影響で不足が目立つマスクやトイレットペーパーなどの売上が増え、大きく明暗が分かれる結果となった。 (サイトウ イサム/加藤 秀行、Moneyzine = 4-4-20) 三越伊勢丹、今週末と来週末は臨時休業 首都圏の 6 店で 新型コロナウイルスの感染拡大で、三越伊勢丹ホールディングスは 31 日、首都圏の 6 店(三越日本橋本店、三越銀座店、三越恵比寿店、伊勢丹新宿本店、伊勢丹立川店、伊勢丹浦和店)を 4 月 4 - 5 日と 11 - 12 日の週末に臨時休業すると発表した。 同社は東京都などの外出自粛要請があった先週末(3 月 28 - 29 日)は休業しなかった。 今週末と来週末を休業する理由について「今回は告知期間を十分設けることができ、入学式の準備などの要望にも十分対応できると判断したため(広報)」と説明した。 (asahi = 3-31-20) ◇ ◇ ◇ 百貨店売り上げ 15% 減 コロナ影響「休む店出るかも」 日本百貨店協会は、全国各地の百貨店で 2 月 1 - 17 日の売上高が前年同期に比べて 15% 減ったと 21 日発表した。 新型コロナウイルスの感染拡大が響いた。 中国人ら訪日外国人客の売上高が 7 割減っただけでなく、大多数を占める日本人客の売り上げが 1 割ほど減ったことが影響した。 国内での消費の手控えが、日本人にも広がってきた。 会員企業 75 社のうち数十社に聞き取り調査した。 協会の山崎茂樹専務理事は日本人の消費行動について「外出を控える人や、混雑している場所に出たくない人が増えた」と話した。 今後の見通しについて、山崎氏は「全く立たない」、「これ以上、感染が広がれば、店を休むことを視野に入れる店も出てきかねない」などと指摘。 「百貨店は不要不急の商品が多いが、食品や必需品も扱っているので営業を続けていきたい」と話した。 加盟する大手百貨店からも「街の人出は明らかに減っており、日本人客自体が少なくなっている」との声が上がる。 先立つ 1 月の全社ベースの売上高は、前年同月比で 3.1% 減の 4,703 億円だった。 こちらの主因は、記録的な暖冬で主力の衣料品が振るわなかったことという。 (佐藤亜季、asahi = 2-21-20) ◇ ◇ ◇ 高級ブランド購入、9 割以上が中国人なのに … 嘆く百貨店 中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の拡大を受け、中国政府の指示で中国からの団体ツアー旅行が 27 日から一時禁止とされ、日本国内の観光関連業界に不安の声が広がっている。 インバウンド(訪日外国人客)による消費はホテルや百貨店の収益の柱になっており、なかでも中国は最大の顧客だ。 稼ぎ時の春節(旧正月)時期のツアー中止は各社の売り上げにも打撃になりかねない。 団体旅行などの禁止が決まり、中国人宿泊客が多い大阪・難波のビジネスホテルでは 26 日、キャンセルの連絡が相次いだ。 従業員の一人は「うちは中国人客がメインなので困る。 早めに収まってほしい。」 中国人が宿泊客の約 4 分の 1 を占める別の関西中心に展開するホテルチェーンでもキャンセルの連絡が入っているといい、広報担当者は「状況を見守るしかない」と話した。 東京都内のある高級ホテルは宿泊客の 1 割強を中国人客が占めるという。 大半が個人客で今のところ目立ったキャンセルはないが、「規制対象が団体客以外に広がればどうなるかわからない。(広報)」 中国の旅行会社からの依頼で日本での宿泊やバスなどを手配している大手旅行会社の広報担当者は、「(週明け)月曜からはより取り消しの連絡が増えそうだ」という。 訪日中国人の購買力に支えられてきた小売業界にも戸惑いが広がる。 大丸松坂屋百貨店を運営する J フロントリテイリングは、訪日外国人客の 85% は中国人客という。 直近の訪日客向け売り上げは好調で、1 月は 25 日までで前年同期比 3 割以上も伸びていた。 その矢先の団体ツアー禁止に「間違いなく業績に影響を受ける。 手の打ちようがない。(広報)」 大丸心斎橋店では売り上げの 3 - 4 割を訪日外国人が占め、うち 9 割以上は中国人による高級ブランドや化粧品などの購入だ。 個人客も増えてはいるが、まだバスなどで来る団体客が多く、団体ツアーの禁止は「影響が大きい(広報)」と嘆く。 イオンは中国人客の割合などは把握できていないとし、「目に見えた影響はまだないが、状況を見守るしかない。(広報)」 日本政府はビザの取得緩和などを通じて、中国人をはじめ外国人観光客を増やし、東京五輪・パラリンピックがある 2020 年は「訪日客 4 千万人」の目標を掲げる。 日韓関係の悪化で韓国からの訪日客が減る中、昨年まで 6 年連続で増えていた中国からの訪日客への期待は大きかった。 特に春節時期は、年間の中国からの 1 割弱を占め、その時期の団体ツアー禁止は打撃だ。 政府関係者は「今まさに中国からの誘客を頑張ろうとしていたところだった。 水際対策として感染が世界に広がるのを防ぐことが第一。 今後の影響はわからない。」と話した。 日本政府観光局によると、かつて新型肺炎 SARS が流行した 03 年と 19 年で比較すると、中国からの訪日客数は 20 倍以上に膨らんでいる。 当時も中国からの訪日客は一時激減したが、訪日客への経済的な依存度が高まる今、影響は段違いに大きい。 新型肺炎が今後も拡大し、訪日客の減少や購買などへのブレーキとなれば、SARS の流行時よりも日本経済へのマイナスの影響が大きくなる可能性がある。 (asahi = 1-26-20) 日本百貨店協会 / 12 月の売上高 3 カ月連続減、暖冬で冬物衣料苦戦 日本百貨店協会が 1 月 22 日に発表した 12 月の全国百貨店売上高概況によると、全国の百貨店(調査対象 76 社・208 店)の売上総額は約 6,404 億円(前年同月比 5.0% 減)、3 カ月連続マイナスとなった。 消費増税後の反動が残る中、一部商材に回復傾向が見られたものの、暖冬で主力の重衣料など冬物商材が苦戦した。 土曜・祝日 2 日減、円高によるインバウンドの不調などマイナス与件が重なった。 結果、減少幅は前月より 1.0 ポイント改善したが前年実績には届かなかった。 顧客別では、国内市場(5.2% 減、3 カ月連続、シェア 95.3%)、インバウンド(0.8% 減、3 カ月連続、シェア 4.7%)ともにマイナスとなったが、インバウンドはほぼ前年並みまで戻してきている。 地区別では、大都市(10都市、4.6% 減)・地方(10 都市以外の地区、5.9% 減)とも、マイナス幅は縮小したものの、全都市・地区で前年に届かなかった。 商品別では、主要 5 品目全てで前年割れとなったが、年末商戦では、クリスマスケーキ、手土産需要、生鮮などに動きが見られた。 WEB 受注が伸長したおせちも好調だった。 衣料品は、天候与件からコートなどアウターの動きが鈍かった。 2019 年年間売上高は、既存店ベース(店舗数調整後)で 2 年連続減の 5 兆 7,547 億円(1.4% 減)と前年実績を下回る結果となっている。 インバウンドは客数減を購買単価でカバーする形で、3 年連続増加の 3,461 億円(2.0% 増)と前年実績を上回り、過去最高額を更新した。 (流通ニュース = 1-22-20) 百貨店 12 月度も重衣料不振で全 5 社が前年割れ 初売りも出足鈍る 百貨店主要 5 社の 12 月度の売上高(既存店ベース)は、各社 5% 前後のマイナスになった。 増税の反動で 10 月から 3 カ月連続の全社減収。 ただ、「着実に回復傾向にある(高島屋広報)」という声も目立つ。 一方、月の上旬から中旬にかけて前年よりも気温が高い日が続いたことで重衣料の販売が苦しんだ。 前年に比べて休日が 2 日減ったこともマイナス要因となった。 12 月の各社の既存店売上高は、三越伊勢丹が前年同月比 5.3% 減、高島屋が同 4.9% 減、大丸松坂屋百貨店が同 4.4% 減(心斎橋店を除く)、そごう・西武が同 4.5% 減、阪急阪神百貨店が同 4.6% 減(19 年 10 月に屋号変更の神戸阪急、高槻阪急を除く)。 ボリュームゾーンの婦人服では、各社とも 11 月に引き続き、気温の高止まりによる重衣料の不振に苦しんだ。 高島屋は婦人服が同 4% 減で、うちコートなど重衣料の売り上げが同 12% 減。 そごう・西武は婦人服全体で同 8% 減。 阪急阪神百貨店も、12 店中 9 店でファッションの売上高が前年を割り込んだ。 免税売上高の失速にも歯止めがかかっていない。 特に、大きな割合を占める化粧品の購買動向の変化が影響している。 高島屋は免税売上高が同 13.8% 減。 「基礎化粧品のまとめ買いが減った一方、カウンセリングをしっかり受けて吟味するお客さまが増えている。(高島屋広報)」 三越伊勢丹の免税売上高も前年割れで、化粧品は 2 ケタのマイナス。 伊勢丹新宿本店本館は 19 年 11 月に化粧品フロアを増床したが、メイクアップの 1 階は堅調な一方、2 階は計画を下回る。 「化粧品は 1 階というイメージは根強い。 2 階の認知拡大と導線作りを進めていく。(三越伊勢丹広報)」 なお、1 月の初売りは各社やや低調な結果。 長い休みでレジャーなど消費者の過ごし方が多様化し、集客に苦戦した。 三越伊勢丹は客の要望に応える形で、今年は初売りを 1 日前倒して 2 日に変更したものの、開始からの 3 日間で比較すると売上高は前年割れ。 大丸松坂屋も開始からの 4 日間比較で売上高は前年比 6% 減。 「クリアランス対象の冬物が苦戦する一方で化粧品やラグジュアリーなどの定価販売が好調だった。(同社広報)」 「お客さまがファッションから日用品へ流れている。 お客さまの消費マインドの変化を感じる。(高島屋広報)」 (本橋涼介、WWD = 1-6-20) ◇ ◇ ◇ 伊勢丹新宿店の初売りに 1 万 1,600 人が行列、日程前倒しで周辺商業施設との買い回り狙う 伊勢丹新宿本店が 1 月 2 日、2020 年の初売りを開始した。 今年は 2015 年以来 5 年ぶりに初売りの日程を 3 日から 2 日に変更し、クリアランスセールも同時開催。 2 日に初売りを開始する周辺商業施設との買い回りをしやすくするなど購買環境の利便性向上に努めたという。 三越伊勢丹ホールディングスでは、2016 年から三越日本橋本店を除く首都圏の主要店舗で元日と 1 月 2 日を休業日にしていたが、これに対して顧客から「他施設と初売り日程を合わせて欲しい」といった要望があがっていたという。 同社の広報担当者は「初売りの日程を前倒して周辺施設と合わせると競争率は上がるが、買い回りの期待ができる」と日程変更についてコメント。 2019 年の初売りではクリアランスセールを 7 年ぶりに同時開催し、初の試みとして新春福袋をオンラインで先行販売したことにより館内の混雑を比較的回避できたという。 今年もオンラインで新春福袋の先行販売を実施したほか、例年混み合うメンズ館 2 階や本館 1 階の化粧品フロアを中心にリモデルに伴いブランド間の通路を拡張したことで混雑を回避できると考慮し、同時開催を決めた。 新宿エリアは新宿高島屋や新宿ルミネ、新宿マルイなどが 1 月 2 日に初売りを開始。 周辺施設との日程被りの影響もあってか、伊勢丹新宿店の入店前の行列は例年と比較して緩やかに列が伸びたものの、開店前には本館とメンズ館で合わせて約 1 万 1,600 人が列を作り、概ね例年通り。 近年は開店時間を 20 分ほど早めることが多かったが、通常営業通りの 10 時に開店した。 本館に早朝 5 時頃から並んだという 20 代の女性は「ファミリア(ベビー・子ども服のブランド)の商品を狙っている。 昨日西武池袋店にも行ったが目当ての商品が売り切れていたのでリベンジする予定。」とコメント。 新宿高島屋にも買いまわる予定で、「初売り日程の前倒しで他の施設と回りやすくなり、便利だと思う」と話した。 メンズ館の入店待ちをしていた 60 代の男性は「毎年初売りには参加している。 今年は大きいサイズの紳士服売り場『スーパーメンズショップ』でスーツを買うつもり。」と語った。 開店後は、本館 1 階で今日から 7 日まで展開しているイベント「ディオール グロウ ガーデン」に入場待ちの列ができ、「パルファム ジバンシイ」は限定セットが開店後約 10 分で完売。 婦人服は例年通り 3 階の「トゥモローランド」と「サカイ」、4 階の「シャネル」、5 階の「マリメッコ」などが賑わった。 メンズ館では 2 階 = メンズクリエーターズに出店している「サカイ」や「ヨウジヤマモト」に人気が集中した。 昨今商業施設や飲食店、コンビニエンスストアなどで、従業員の働き方改革の観点から元日営業の取り止める企業も多い。 来年以降の初売りとクリアランスセールの実施日程について同社の広報担当者は、「今年の商況や従業員からのヒアリングをもとに柔軟に対応していく」と話した。 (FashionSnap = 1-2-20) 10 月の百貨店売上高は 17% 減 景気刺激策の恩恵なく他業態と明暗 日本百貨店協会が 22 日発表した 10 月の全国百貨店売上高は、既存店ベースで前年同月比 17.5% 減と 3 カ月ぶりのマイナスだった。 台風などによる店舗休業の影響に加え、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減が響き、高額品を中心に販売が低迷した。 前回の消費税率引き上げ時(平成 26 年 4 月)の売上高は 12.0% 減で、下げ幅が拡大した。 一方、多くのコンビニエンスストアは、税率引き上げに併せて実施された政府の景気刺激策でキャッシュレス決済時に 2% を即時還元。 この結果、主要コンビニの 10 月売上高は 1.8% 増と増税による落ち込みを避けられた。 軽減税率で主力商品である食料品の税率が一部を除き 8% に据え置かれたスーパーは 4.1% 減とマイナス幅が百貨店より大幅に抑えられ、小売り業態で明暗が分かれた。 百貨店協会の山崎茂樹専務理事は「税率の引き上げ幅は前回より小さいが、同じような傾向をたどった」と声を落とした。 商品分野別では、食料品が 5.1% 減にとどまった一方、9 月に前年同月の 2 倍以上を売り上げた美術・宝飾・貴金属などの高額品は 31.3% 減。 これを含む雑貨全体も 9 月の 51.2% 増から、10 月は 24.3% 減に落ち込んだ。 大手百貨店の役員は「駆け込み需要が思ったより大きく、その分、反動減もあった」と話す。 11 月も中旬まで(店頭ベース)で約 7% 減と苦戦が続く。 前回増税の翌月(4.2% 減)と比べても減少幅が大きく、年末商戦を前に「各社ともクーポンやカード会社と連携したポイントアップで巻き返しを図ろうとしている(関係者)」という。 食料品の商品構成比が低く資本規模も大きい百貨店は、政府の景気刺激策の恩恵をほとんど受けられず、山崎氏は「平等(な施策)ではなかった」とこぼした。 (sankei = 11-22-19) 9 月全国百貨店売上高は前年比 23.1% 増、増税前の駆け込み需要で [東京] 日本百貨店協会が 23 日発表した 9 月の全国百貨店売上高は、店舗数調整後で前年比 23.1% 増と大幅な伸びとなり、5,153 億円を売り上げた。 前年比プラスは 2 か月連続。 10 月からの消費税増税が目前に迫ったことで、駆け込み需要が盛り上った。 商品別にみても、高額品や化粧品をけん引役に雑貨が前年比 51.2% 増となったほか、身のまわり品は 32.6% 増、家具・家電を含む家庭用品は 30.7% 増。 いずれも、前回の消費増税前だった 2014 年 3 月に次ぐ高い伸びを示した。 主力の衣料品も、コートなど重衣料や呉服が、19.2% 増と売り上げを伸ばした。 訪日外国人向け売り上げは 2.7% 増の 253 億円と、2 カ月ぶりにプラス転換した。 調査対象の百貨店は 78 社・212 店舗。 東京地区は前年比 20.7% 増と、2 カ月連続プラスとなった。 (Reuters = 10-23-19) 百貨店売上高 2.2% 減 中国 5 県の 6 月、夏物鈍く 中国四国百貨店協会が 23 日発表した 6 月の中国地方の百貨店売上高は、前年同月比 2.2% 減の 201 億 2,700 万円だった。 前年割れは 8 カ月連続で、マイナス幅は前月(1.5% 減)から拡大した。 日曜日が 1 日多かったが、天候が不安定で主力の夏物衣料の販売が鈍かった。 2018 年末の山口井筒屋宇部店(山口県宇部市)の閉店も、引き続き影響した。 品目別では、全体の約 3 割を占める衣料品が 3.8% 減。 うち婦人服・洋品が 3.6% 減、紳士服・洋品は 1.8% 減だった。 ただ、マイナス予算ながら目標をクリアした店舗は多く、岡山高島屋(岡山市)では「高級ブランド衣料が 2 桁増で推移し、紳士服も 10% 近く伸びた」という。 食料品は 2.3% 減。 化粧品は 1.8% 減だった。 美術・宝飾・貴金属は 1.9% 増で、広島三越(広島市)では「催事販売の効果などで高額な品が売れた」という。 間もなく終了する中元商戦に関して、同協会は「消費者の送料への関心度が高く、設定によって売り上げに差が出ている」と分析している。 (nikkei = 7-24-19) 百貨店各社、夏セール開始 不振の衣料品販売てこ入れ 百貨店大手が 28 日、消費を喚起する夏のセールを一斉に始めた。 従来は 1 回だったが、6 月下旬と 7 月下旬の 2 回に分けて開催する取り組みで、今年が 2 回目となる。 ネット通販が存在感を増す中、各社は伸び悩む衣料品を中心に販売をてこ入れする狙いだ。 伊勢丹新宿本店(東京・新宿)は、人気ブランドの靴やバッグのセール品を充実させた。 夏に合うロングスカートや正装にも合うワンピースなど着こなしの提案に力を入れる。 今回は横並びではなく、独自の販売手法を取り入れる動きも出てきた。 そごう・西武の西武池袋本店(東京・豊島)は同日、夏物を中心に 20% から 40% 値引きした衣料品を売り出した。 2 回目のセールは 7 月下旬に実施するが、7 月 5 日から赤い食材や雑貨などを販売する「RED フェス」、7 月 17 日からは体験型イベントを中心とした催事を開く。 そごう・西武は「消費サイクルが短くなっており顧客を飽きさせない(西武池袋本店)」ことを狙っており、テーマごとに多様なセールを重ねて来店頻度を高める。 (nikkei = 6-28-19) 阪急百貨店が中国に直営店 H2O、アジアに活路 ![]() 阪急、阪神両百貨店などを傘下に持つエイチ・ツー・オー (H2O) リテイリングが、本格的に海外事業に乗り出す。 今秋、中国・浙江省に初の直営店として阪急百貨店を開く。 台湾では年内に、現地のスーパーと共同で、パンの製造を始める。 鈴木篤社長は朝日新聞の取材で、「国内の人口は減っていく。 次のステージではどこか海外へ行かないといけない」と述べた。 同社が拠点を置く大阪は、訪日客ブームに沸いている。 阪急阪神百貨店では、海外からの買い物客の大半はアジアからで、リピーターも増えている。 海外展開は、日本製品や日本食に親しみがある近隣国を視野に入れている。 阪急百貨店を開くのはタワーマンションやオフィスビルが立ち並ぶ新興都市の中心部。 鈴木社長は「地域の一番店にならないといけない」と強調した。 一方で鈴木社長は「実店舗以外も考えないといけない。 いろんな実験を始めつつあるところだ。」 パンの製造販売もその一つ。 2016 年に提携して、日本風のパンを試験販売していた台湾の最大手スーパーと今月、共同出資会社を設立。 11 月には現地に工場も完成予定だ。 その後、アジアを中心に、さらに海外事業を伸ばしていく考えだ。 (橋本拓樹、asahi = 5-21-19) 10 連休、百貨店は「期待外れ」 売り上げの伸び鈍く 10 連休の売り上げは「期待外れ」 - -。 百貨店大手 4 社が 7 日発表したゴールデンウィーク (GW) の売上高は、前年の同時期に比べて伸び率が 1 割に満たず、想定を下回った。 例年になく長い GW だったが、百貨店は追い風を生かし切れなかったようだ。 大丸松坂屋百貨店を傘下に持つ J フロントリテイリングの売上高は 7% のプラス。 4 千円前後の高額な弁当や「令和」と焼き印されたお菓子といった食品が好調だったが、全体では想定を下回った。 「休日が昨年より 3 日増えたことを考えれば、売り上げはもっと上がったはず。 連休前半は客足も好調だったが、休みが長すぎたのか後半まで続かなかった。」と広報担当者。 連休中は外商が営業活動をしないため、富裕層による消費も伸びなかった。 3% 増だった三越伊勢丹ホールディングスは、伊勢丹新宿本店などに地方からの新規客がめだった半面、天候が崩れた連休前半に夏物衣料品が不振だった。 広報担当者は「連休の売り上げはもう少し上がると期待していた」とこぼす。 そごう・西武は、売り上げの伸びが 1% に満たなかった。 連休後半に売り上げが伸びるとのもくろみが外れた。 広報担当者は「旅行などで連休をぎりぎりまで楽しむ人が多かったのが要因だと思う」と分析する。 高島屋は入店客数が 1 割前後増えたものの、売り上げの伸びは数 % にとどまったという。 (高橋末菜、asahi = 5-7-19) 電子決済導入で免税品好調 松坂屋名古屋店 4 年ぶり増収 松坂屋名古屋店の 2019 年 2 月期は、売上高が前年比 1.3% 増の 1,191 億円で、4 年ぶりの増収だった。 訪日外国人客の取り込みが奏功し、全体の入店客数は前年より 2.9% 多い 1.924 万人だった。 免税品の売上高は 48.7% 増の 35 億円で、大丸松坂屋百貨店の全店で最大の伸び率となった。 化粧品などが好調だったという。 中国で普及している電子決済サービスを導入したほか、免税カウンターも拡大したことが外国人客に受けた。 20 年 2 月期の売上高は、外商強化などによって実質 2.0% 増の 1,203 億円を見込む。 一方、親会社 J フロントリテイリングの 19 年 2 月期決算(国際会計基準)は売上高が前年比 2.1% 減の 4,598 億円、営業利益は 17.5% 減の 408 億円。純利益は 4.0% 減の 273 億円だった。 (asahi = 4-11-19) 全国百貨店売上高、1 月は 2.9% 減 免税売上高が 26 カ月ぶり減 日本百貨店協会が 21 日発表した 1 月の全国百貨店売上高は 4,927 億円(全店ベース)だった。 既存店ベースでは前年同月比 2.9% 減と、3 カ月連続で前年を下回った。 中国の景気減速や免税品規制の強化で、訪日客向けが減少に転じた。 米中貿易摩擦による景気の先行き懸念や株式相場の変調で消費者心理が冷え込み、初売りも振るわなかった。 商品別では構成比の高い衣料品が既存店ベースで 5.2% 減となった。 食料品は同 1.2% 減となった。 地区別では東京地区の売り上げが既存店ベースで 2.9% 減と、2 カ月連続で減少した。 神戸や広島の落ち込みも目立った。 訪日客向けの免税売上高は 7.7% 減の 262 億円で、2016 年 11 月以来 26 カ月ぶりマイナスとなった。 客数は増えたものの、1 人当たりの購買単価が前年比 8.4% 減少したことが響いた。 同協会の山崎茂樹専務理事は免税売上高の落ち込みについて「中国国内への免税品持ち込みに対する規制がより厳格化しているほか、転売規制の影響も出た」と分析した。 (nikkei = 2-21-19) 百貨店の衣料品売上高が 10 年間で 35% 縮小 日本百貨店協会が発表した 2018 年の全国百貨店売上高は、前年比 0.8% 減の 5 兆 8,870 億円で 2 年ぶりにマイナスに転じた。 引き続きインバウンド(訪日客)や富裕層によるラグジュアリーブランド、また若い客層も増えている化粧品は活発に売れたものの、衣料品は精彩を欠いた。 大型台風や地震による臨時休業も痛手になった。 衣料品の売上高は同 3.1% 減の 1 兆 7,725 億円だった。 08 年の 2 兆 7,133 億円と比べて、10 年間で約 1 兆円も減収したことになる。 売上高構成比でも 08 年の 36.7% に対して 18 年は 30.1% になった。 販売苦戦だけでなく、この数年の間に加速した衣料品売り場の縮小も影響している。 一方で急速に存在感を増しているのが化粧品だ。 化粧品の売上高は同 9.5% 増の 5,604 億円だった。 08 年の 3,594 億円と比べると 1.5 倍に成長した。 売上高構成比でも 08 年の 4.8% に対して 18 年は 9.5% とほぼ 2 倍になった。 百貨店各社は化粧品売り場の増床を次々に進めており、今後も拡大は続きそうだ。 訪日客による免税売上高は同 25.8% 増の 3,396 億円と過去最高を更新した。 東京オリンピックに向けて訪日客は今後も増加が見込まれるが、年明けから中国で旅行客が持ち帰る商品の免税範囲の規制が強化されており、転売を目的とした爆買いにブレーキがかかりつつある。 百貨店の 1 月半ば時点での免税売上高は失速している店舗が多く、先行きは不透明だ。 (林芳樹、WWD = 1-24-19) 百貨店 12 月度は引き続き暖冬で衣料品が苦戦 1 月のセールは旅行に押され低調 百貨店大手 5 社の 2018 年 12 月度の売上高(既存店ベース)は、5 社中 3 社が前年を上回った。 ラグジュアリーブランドなどの高額品は変わらず好調ではあるものの、上旬まで高気温が続いたことでボリュームゾーンの衣料品は苦戦という声が大勢だ。 1 月の初売りとクリアランスは、長期休暇で旅行に出てしまう消費者が多かったためか、前年並かやや苦戦という館が多い。 阪急阪神百貨店は前年同月比 4.0% 増と伸ばした。 「婦人衣料が同 9% 増とけん引した。 オケージョン用のドレスが動いた他、"自分へのご褒美" として高額コートなども売れた」という。 高島屋の単体(13 店舗)は同 0.5% 増だったが、婦人服売り上げは前年に届かなかった。 「高気温が続いた 11 月ほどの落ち込みではなかったが、防寒アイテムが苦しかった。」 大丸松坂屋百貨店は同 0.2% 増。 「ラグジュアリーブランドは同 8.5% 増と伸ばしたが、ラグジュアリーを除く婦人服は 4.9% 減だった」という。 三越伊勢丹は同 1.2% 減で、暖冬とセール待ちの買い控えが響いた。 そごう・西武は 1.3% 減。 「ラグジュアリーブランドは好調だが、婦人衣料、紳士衣料ともに前年を下回った。」 1 月の初売りとクリアランスは、多くの地域で天候に恵まれたものの、やや低調に推移している。 三越伊勢丹の基幹 3 店、阪急阪神百貨店、そごう・西武が前年並、高島屋、大丸松坂屋百貨店が前年をやや下回った。 海外旅行などに出かける消費者が多かったと見て、「12 - 14 日の3連休までを含めて売り上げを期待したい」という声が各店からあがった。 また、「連休が大型になると売り上げが伸び悩むのならば、ゴールデンウイークや秋の連休も不安」といった声も聞かれた。 (WWD = 1-8-19) 12 月の百貨店売上高、2 社が減少 衣料伸び悩み 大手百貨店 5 社が 4 日発表した 2018 年 12 月の売上高(既存店ベース、速報値)は 2 社が前年同月を下回った。 訪日外国人による免税売上高は堅調だったが、例年よりも気温が高くコートなどの冬物衣料が伸び悩んだ。 19 年 1 月の初売りでも衣料品を中心に苦戦しており、各社は 1 月のセール強化や国内店舗の刷新を進めて、売り上げの回復を目指す。 三越伊勢丹が 1.2% 減、そごう・西武が 1.3% 減だった。 大丸松坂屋は 0.2% 増とほぼ横ばいだった。 12 月後半から気温が例年並みに下がりセーターやコートが売れ始めているが、補えなかった。 高級ブランドの雑貨や化粧品は、富裕層や訪日外国人などの関心が高く売り上げを伸ばした企業が多かった。 初売りでも 12 月の商況を引きずり伸び悩んでいる。 ボーナスが増えた企業が多かったこともあり、来店客は前年を上回った店舗が目立った。 食料品や子供服など定番商品に加え紳士の肌着や靴下、化粧品などの福袋を手に取る人が多かった。 ただ、宝飾品やコートなどについては目立った伸びがなかった。 ボーナスが増えても依然として節約志向は根強い。 衣料品通販サイト「ゾゾタウン」の 19 年元日の取扱高が前年比 26% 増の 39 億 6,865 万円と過去最高を更新するなど、初売りでもネット通販を利用する人が増えている。 こうした傾向を受けて、各社は堅調な訪日外国人向けの対応や他の商業施設との違いを打ち出す。 三越伊勢丹は 19 年春にも資生堂など百貨店で取り扱う約 180 ブランドを集めた化粧品専用の通販サイトを立ち上げる。 三越伊勢丹ホールディングスの杉江俊彦社長は「汎用品ではなく、百貨店にしかない商品を充実させる」と意気込む。 訪日観光客に対しても成長を期待する声が根強い。 J・フロントリテイリングの山本良一社長は「日本のインバウンドは緒に就いたばかり」と、今後も安定的な成長を期待する。 サイトの言語や決済対応を加速し、受け入れ体制を整える。 (nikkei = 1-4-19) 10 月の全国百貨店売上高は 4 カ月ぶりの前年比プラス、婦人衣料や食品が好調
■ 4 カ月ぶりの前年比プラス 21 日、日本百貨店協会が 10 月の百貨店売上高概況を発表した。 売上高総額は 4,717 億 5,691.2 万円で、前年同月比 1.6% 増(店舗数調整後)となり、4 カ月ぶりの前年比プラスだった。 昨年と比較して日曜日が 1 日少なかったものの、気温の低下により秋冬商材が活発だったことに加え、改装効果や各社が展開した物産展等食品催事も集客に寄与したという。 ■ 大阪と福岡が好調 10 都市では、札幌(店舗数調整後前年同月比 : 1.4% 減、以下同じ)と仙台(0.6% 減)の 2 都市のみ前年比マイナスだったが、大阪(4.6% 増)、福岡(4.7% 増)を始め、東京(2.6% 増)、名古屋(2.4% 増)など他の 8 都市では前年比プラスだった。 10 都市以外の地区では、近畿(3.9% 増)、四国(3.3% 増)、九州(1.3% 増)の 3 地区が前年比プラス、それ以外の北海道(2.1% 減)、東北(5.0% 減)、関東(1.6% 減)、中部(3.5% 減)、中国(0.4% 減)は前年比マイナスとなっている。 ■ 婦人服や食料品が好調 化粧品が前年同月比 9.4% 増で 43 カ月連続の前年比プラスと好調が続いているとともに、商品別の構成比で大きな割合を占める婦人服・洋品(構成比 : 21.4%)が同 0.5% 増と 4 カ月ぶり、食品(同 24.6%)が同 2.5% 増と 17 カ月ぶり、身のまわり品(同 13.2%)が同 3.9% 増と 2 カ月ぶりにそれぞれ前年比プラスとなったことが、10 月売上が好転した要因のようだ。 ■ 婦人以外の衣料品や家庭用品が不振 一方、婦人以外の紳士服・洋品(前年同月比 : 3.2% 減、以下同じ)、子供服・洋品(7.0% 減)、その他衣料品(2.2% 減)は前年比マイナスだった。 また、家庭用品では家具(0.2% 減)、家電(13.5% 減)、その他家庭用品(5.0% 減)の全てにおいて前年比マイナスとなっている。 (県田勢、財経新聞 = 11-22-18) 三越伊勢丹、郊外 3 店舗閉鎖へ 役員「今後もありうる」 三越伊勢丹ホールディングス (HD) は 26 日、伊勢丹相模原店(神奈川県相模原市)、同府中店(東京都府中市)、新潟三越(新潟市)の 3 店舗を閉鎖すると発表した。 都心の店舗は訪日客や富裕層の顧客が多く好調だが、地方では郊外型の大型店に押されて苦戦が続く。 三越伊勢丹はかねて郊外店の閉鎖や早期退職募集などのリストラを進めてきており、さらなる閉鎖で業績の立て直しを図る。 同日の取締役会で正式に決めた。 伊勢丹の 2 店舗は来年 9 月 30 日、新潟三越は 2020 年 3 月 22 日に営業を終える予定。 伊勢丹府中店は閉店後、テナントに売り場を貸し出す商業施設への転換を検討している。 記者会見した白井俊徳常務執行役員は閉鎖の理由について「特に赤字幅が大きく、今後投資をしても回収の見込みがないため」と説明した。 各店の従業員の雇用はグループ内で再配置するなどして維持する方針。 (高橋末菜、asahi = 9-26-18) そごう・西武だけマイナス … 8 月の百貨店売上高 百貨店大手 5 社が 3 日発表した 8 月の売上高速報(既存店ベース)は、そごう・西武を除く 4 社が前年実績を上回った。 猛暑の影響で日傘やサングラスなどの夏物雑貨がよく売れた。 訪日外国人向けの免税品販売も好調を維持した。 前年同期と比べた伸び率が最も大きかったのは、阪急阪神百貨店の 6.7% 増。 都市部の店舗を中心に好調な海外ブランドの衣料品に加え、猛暑で夏物衣料や紫外線対策の化粧品なども貢献した。 三越伊勢丹ホールディングスは 2.9%、大丸松坂屋百貨店を傘下に持つ J・フロントリテイリングは 2.7%、高島屋は 0.9%、それぞれ売り上げが増えた。 一部の店舗で台風による営業時間の短縮などの影響もあったが、高級ブランド品や化粧品が底上げした。 一方、そごう・西武は台風の影響などによる落ち込みを補えず、0.4% 減だった。 (yomiuri = 9-3-18) 百貨店売上高 2.0% 減 = 気温低下で衣料低調 - 5 月 日本百貨店協会が 22 日発表した 5 月の全国百貨店売上高は 4,505 億円で、既存店ベースでは前年同月比 2.0% 減と 3 カ月ぶりのマイナスとなった。 訪日外国人の免税品売上高は好調に推移したが、気温の低下で夏物衣料が低調だったことなどが響いた。 商品別では、気温が上昇し夏物衣料が伸びた 4 月の反動もあり、衣料品が 5.9% 減。訪日外国人に人気がある化粧品(10.9% 増)や、美術・宝飾・貴金属(7.3% 増)は引き続き堅調だった。 大手百貨店各社は大阪北部地震が発生した今月 18 日、大阪府内の店舗休業などを余儀なくされた。 全国の免税品販売をけん引している地域だけに、来月発表される 6 月売上高は「厳しい状況(百貨店協会)」も予想される。 (jiji = 6-22-18) 百貨店・スーパーの衣料品の移り変わりをさぐる
かつては百貨店の商品の中でも主役の座にあったものの、今では食料品にその座を奪われている衣料品。 そのセールスの実情を経済産業省の商業動態統計調査の公開データから確認する。 百貨店とスーパーの主要品目別売上を商業動態統計調査で見ると、1990 年代前半をピークに、衣料品の売上は減少。 直近 2017 年では金額にしてピーク時の大よそ半額、店舗売上全体に占めるシェアは 20% ポイント以上減っている。 今回精査をする衣料品における詳細商品区分は次の通り。
この区分を確認した上で、衣料品における、各種細部項目の構成比の動向を確認していく。 元々「婦人・子供服・洋品」の比率が高かったものの、近年においては 1980 年比で 5% ポイント強の増加が見られる。 それとともに「身の回り品」も少しずつ上昇を見せている。 紳士服・洋品(男性向けの衣料品)の割合が継続して減っているのは、紳士服チェーン店などの進出が大きな要因と考えられる。 この数年では「比率の上では」やや戻しを見せて、2004 年がもっとも縮小した年 (16.6%) となっているが、全体額が減っている以上、男性向けの売り上げが伸びているわけでは無い。 むしろ他の項目の減少度合いがより大きく、相対的なシェアが伸びているに過ぎない。 この 7、8 年ほどに限ればシェアでもみ合い、額面では実質的に漸減といったところ。 注視すべき動きとして挙げられるのが、「身の回り品」。 シェアだけで無く金額面でも増加傾向にあった。 該当する商品は他店舗では取得が難しく、あるいは専門店が身近にあるとは限らない。 そしてインターネット通販では実物を精査できないが、直に手に取ってその内容を確認したいものが多く、必然的にデパートが選択されているものと考えられる。 さらには景況感の回復も一因だろう。 ただしここ 1、2 年ではシェアこそ増加しているものの、金額は減少の傾向に転じてしまっている。 リーマンショック(2008 年秋)以降において急激な減少、特に「婦人・子供・洋品」の金額面での縮小ぶりが著しく、目に留まる動きが生じている。 紳士服などはデパート以外では代替が利かない事例もあるが、婦人服や子供服は容易に廉価店への切り替えができる。 可処分所得の減少から、(割引率に期待できない)百貨店において婦人向け・子供向けの購入者が足を遠のかせてしまった流れがうかがい知れる。 そしてまた、先の「デパート全体としての売上構成の変化」と同様、1990 年代前半が一つのターニングポイントだったことがつかみ取れる。 衣料品部門における売上総計はもちろんだが、「紳士服・洋服」の項目で特にその流れが強く出ている。 上記にあるように紳士服チェーン店の展開など競合の登場・躍進はもちろん、そしていわゆる「バブル崩壊」が大きな構造変化の引き金となったことは容易に想像できる。 無論金額面では「リーマンショック」が、さらなる構造変化における第二の引き金となった感は否めない。 衣料品における売買動向流れとしては、男性関係用品全般、そしてその他衣料品関連が先行して大きな客の減少があり、現在は女性や子供関係、「身の回り品」が続いているとまとめることができよう。 (不破雷蔵、yahoo! = 6-13-18) 4 月大手百貨店 4 社、衣料好調で増収 大手百貨店 4 社が 1 日発表した 4 月の既存店売上高(速報)は全社で前年同月の実績を上回った。 平年より気温が高くなり、初夏用の衣料品の売れ行きが好調だったほか、訪日外国人客による化粧品や食品などの免税品の売り上げも伸びた。 大丸と松坂屋を運営する J. フロントリテイリングは 5.1% 増と 13 カ月連続で前年を上回った。 ブラウスやワンピースなど初夏に使う衣料品や絵画など高額な美術品が牽引した。 三越伊勢丹ホールディングスは、1.1% 増で 9 カ月連続のプラスだった。 大都市の店舗で化粧品や高級時計といった高額品が伸びた。 高島屋はバッグなどの海外の高級ブランド品や晴雨兼用の傘や帽子が好調で 2.6% 増だった。 そごう・西武は化粧品や食品などの免税品が伸び、子供服や紳士服といった衣料品も好調で 0.4% 増となった。 (sankei = 5-2-18) |