トヨタ、ブロックチェーンの導入を検討 … 自動運転技術の開発に

トヨタ・リサーチ・インスティテュート (TRI) は 5 月 22 日、ブロックチェーンを自動運転技術の開発に導入することを検討していると発表した。 ブロックチェーンとは、分散暗号化台帳テクノロジー。 安全でデータやプロパティに対する所有権が保護されることを保証するために、独立したコンピュータのネットワークを介して情報を送信する。

TRI は、ブロックチェーンがユーザー間で透明性と信頼性を生み出し、第三者機関によって適用される手数料や課徴金などの取引詐欺のリスクを低減させる可能性があると見込む。 また TRI は、ユーザーコンソーシアムを作り出しており、自動運転車を開発し、モビリティサービスを提供する他の企業が、ブロックチェーンをより迅速に採用することに期待を寄せる。

TRI のクリス・バリンジャー CFO (最高財務責任者)は、「安全で信頼性の高い自動運転車を開発するには、何十億マイルもの人間の運転データが必要になるかもしれない。 ブロックチェーンは、車両所有者や自動車メーカーからのデータを蓄積して、開発時間を短縮し、自動運転技術の安全性、効率性、利便性を向上させる可能性がある。」と述べている。 (森脇稔、Response = 5-24-17)


ドコモ、自動車分野に本格参入 7 月、社内に新組織

NTT ドコモの吉沢和弘社長は 11 日、産経新聞のインタビューに応じ、高速・低遅延などが特徴の第 5 世代移動通信方式 (5G) を活用し、自動車分野に本格参入する意向を明らかにした。 車両をインターネットに接続してさまざまなサービスを提供する「コネクテッドカー(つながる車)」の推進組織を 7 月、社内に設置。従来の携帯電話のビジネスだけでは今後、大きな成長が見込めないため、新しい事業分野を積極的に開拓する方針だ。

吉沢社長は、「新しいことに挑戦するため、リソース(経営資源)を集中する」と強調。 中期経営計画「beyond 宣言」で掲げた 9 分野のうち、4、5 分野で「推進室」のような組織をつくる。 コネクテッドカーのほか、IT を使った金融サービス「フィンテック」、スポーツ観戦やコンサート鑑賞の次世代型ライブ体験などが対象だ。 コネクテッドカーについては、車内に情報や娯楽を届けるほか、ネットを使って車両を管理するシステムを検討。 また、「運転を支援する技術を確立していく」と述べ、5G を使った将来の自動運転に意欲を見せた。 NTT グループはトヨタ自動車とコネクテッドカー分野で提携している。

スマートフォン料金では今月下旬、無料通話を家族内に限定し、基本料を月 980 円に抑えた「シンプルプラン」を導入する。 吉沢社長は、「今秋までに数百億円規模の還元策を打ち出す」と追加値下げ方針を強調。 対象は今後決めるが、高齢者や長期利用者らが候補になっているという。 (sankei = 5-12-17)


トヨタ、自動運転システムに NVIDIA の AI 技術を採用 数年で市場導入へ

Apple と Google は自動運転車技術を開発する際、トヨタ自動車の車両を使うことを好んだが、トヨタ自動車自体はこの話題に関して、あまり多くを語ってこなかった。 しかし、米国時間 5 月 10 日、同社が自動運転システムに NVIDIA の人工知能 (AI) 車載コンピューティングプラットフォーム「DRIVE PX」を採用することが発表され、トヨタ自動車の取り組みに対する注目が集まった。

NVIDIA の最高経営責任者 (CEO) を務める Jensen Huang 氏は、カリフォルニア州サンノゼで開催された同社の「GPU Technology Conference」で基調講演を行い、トヨタ自動車との提携を発表した。 さらに、トヨタ自動車が「数年後」の市場導入を目指して NVIDIA の技術を採用する予定であることも明かした。 そのタイミングは、2020 年 - 2021 年に自動運転車を公道で走らせることを目指す、他の自動車メーカー各社の意向とも合致する。

トヨタ自動車と NVIDIA の提携は、世界中で自動運転車技術を開発する取り組みが行われる中で発表された。 この取り組みには、自動車メーカーだけでなく、自動車機器サプライヤーやテクノロジ企業も参加している。 自動運転車は、米国の公道で毎年何万件も発生する交通死亡事故を削減、または根絶すると期待されている。 (Wayne Cunningham、Cnet = 5-11-17)


自動運転車テスト、600 台に拡大 グーグル関連会社

米グーグルから分社化した自動運転車の関連会社「ウェイモ」は 24 日、自動運転機能付きのミニバンを使った走行実験を一般市民に拡大すると発表した。 CEO のジョン・クラフチック氏は「様々な人に毎日自動運転車を使ってもらってフィードバックを得ることで、早期の実用化を目指したい」としている。

クラフチック氏がブログに投稿した。 ウェイモは、欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズと共同で自動運転機能付きのミニバンを開発し、試験走行を重ねてきたが、これを拡大する。 アリゾナ州フェニックスやその周辺地域で、新たに 500 台の自動運転車を追加し、すでに実験に使っていた 100 台と合わせて計 600 台の自動運転車を走らせる。 フェニックスや周辺地域の住民が応募でき、選ばれれば 1 世帯全員が無料で自動運転車を利用できるという。 ウェイモは利用者から集まったデータなどを、今後の開発に役立てる計画だ。(サンフランシスコ = 宮地ゆう、asahi = 4-26-17)


指定場所、時間に配達 = 「ロボネコヤマト」実験開始 - ヤマト

ヤマト運輸とディー・エヌ・エー (DeNA) は 16 日、利用者が指定した場所と時間に配達するオンデマンド配送サービスの実証実験を始めると発表した。 自動運転社会を想定し「ロボネコヤマト」の名称でサービスを行い、検証内容を将来の無人サービスの実現に生かしていく。 DeNA はシステム面などで協力する。

実験は 17 日から来年 3 月末まで、国家戦略特区になっている神奈川県藤沢市の一部地域で行う。 車内に保管ボックスを設置した専用車 3 台を午前 8 時から午後 9 時まで運行。 利用者はスマートフォンを通じ、受け取る場所と、時間を 10 分刻みで指定できる。 阿波誠一ヤマト運輸常務執行役員は「屋外で待ち合わせしている感覚で荷物を受け取れる」と話した。 無人サービスを想定し、ドライバーは荷物の受け渡しには関わらず、利用者自身が保管ボックスから荷物を取り出す。 来年の実験期間中には一部の配送区間に自動運転車を導入する。 地域の約 3 万人が利用でき、新サービスの料金は無料。 (jiji = 4-16-17)


無人の自動運転車、公道実験解禁へ 警察庁が基準案公表

車の自動運転の実現に向け、無人の車が遠隔操作で公道を走行実験できることになった。 警察庁が 13 日、開発者が実験するための基準案を公表した。 ▽ 一般の通行に支障がない時間や場所で実施する、▽ 事故が起きた場合の態勢を備える、▽ 実験車両であることを表示 - - といった内容になっている。 同庁は 14 日から 5 月 7 日まで基準案に対する意見を募集。 5 月中に正式に基準を定め、早ければ今夏にも開発者側の申請が始まる。

道路交通法は車の走行には運転者が必要としている。 自動運転の実用化に向けた公道での実験も、現在は免許を持った人が運転席に乗るなどの条件下で認められている。 一方、政府は東京五輪までに、無人の自動運転による移動サービス実現を目標に掲げ、開発者側も技術開発を進めている。 道路交通に関するジュネーブ条約の作業部会も昨年 3 月、「車をコントロールできる人がいれば、車中にいるかどうかは問わない」との見解を示した。 このため警察庁はどういう条件を備えれば公道での無人自動運転の実験が認められるか、専門家を交えて検討を重ねてきた。

基準案はまず、無人車を遠隔で操作する人が運転者と同じ法的義務を負うと明示。 その上で、無線通信システムが途絶えない場所で実施する、事前にテストコースなどで安全を確かめる、実験する地域の住民らにあらかじめ説明する、などの条件を課している。 不測の事態への対応も開発者に求める。 緊急時に現場へ急行できる態勢の整備、賠償能力の確保、記録の保存などだ。 (浦野直樹 木村聡史、asahi = 4-13-17)


乗合いタクシーの最適ルートを AI で自動計算、NTT ドコモと未来シェアが共同開発へ

タクシードライバーは、長年の経験と勘を頼りに乗客を探しているだろう。 しかしそう遠くない未来には、人工知能が乗客のいる場所を予測し、最適な運行ルートを提案するようになるようだ。 本日 NTT ドコモは未来シェアと「AI 運行バス」の実現にむけた共同開発を行うと発表した。 交通事業者が運行する「AI 運行バス」では、AI が事前に移動需要、時間、乗車人数を予測し、それに応じて最適な走行ルートや配車数を決定するという。

未来シェアは公共交通や移動をスマート化する SAV (Smart Access Vehicle) 技術の実用化を目指し、公立はこだて未来大学から 2016 年 7 月に発足した大学発ベンチャーだ。 彼らが手がける SAV は、同じ方角に向かう乗客をバスのように複数人乗せ、それぞれを目的地まで送り届けるためのシステムだ。 乗客が専用アプリで乗車位置と降車位置を指定すると、ドライバーはアプリで迎車と行き先、運行ルートなどの指令を受け取る。 この仕組みは、タクシー配車サービス Uber が提供する uberPOOL のライドシェアと似ている。

一方、NTT ドコモでは以前よりタクシーの移動需要予測技術の開発に着手している。 2016 年 5 月には、東京無線協同組合、富士通、富士通テンと協力して、リアルタイムでの「移動需要予測技術」の商用化を目指した実証実験を開始すると発表した。 この技術では、ドコモの携帯電話ネットワークから得られるエリア毎、属性毎の集団の人数といった人口統計と東京無線が持つタクシーの運行データ、時間や季節での変動傾向、エリア特性を組み合わせて解析することで、30 分後のタクシー需要を予測する。

今回 NTT ドコモと未来シェアが協力し、互いの持つノウハウを組み合わせることで、2018 年度中にも「AI 運行バス」によるモビリティサービスプラットフォームの実現を目指すという。 2016 年 12 月には、NTT ドコモが主催したデマンド乗合い車両の実証実験に未来シェアも参加し、東京お台場での実証実験を行っている。 「AI 運行バス」の提供を通じ、交通事業者利用者の更なる利便性の向上や交通サービス事業者の高効率な経営の一助となる「技術」、「ノウハウ」を確立することにより、社会課題である「少子高齢化」、「人口減少」から生じる交通課題の解決に貢献する。

今のところ、この「AI 運行バス」は人間のドライバーに対して最適な運行データを提供することを想定しているようだ。 けれど、グーグルやテスラをはじめ、各自動車会社が研究を進めている自動運転車にも組み込まれる日が来るのもそう遠くないかもしれない。 (Nozomi Okuma、TechCrunch = 3-9-17)


トヨタ、新たな自動運転の実験車両を米国で公開

トヨタ自動車の子会社で、米国において人工知能等の研究開発を行う Toyota Research Institute (トヨタ・リサーチ・インスティテュート、TRI)は 3 日(現地時間)、カリフォルニア州ソノマで同社が開催したイベント「プリウス・チャレンジ」にて、新たな自動運転実験車を展示・公表した。 今回の実験車は、2013 年の米国家電見本市「CES」で公表した自動運転実験車を改良したもので、ベース車両であるレクサス LS600hL のドライブ・バイ・ワイヤ技術のインターフェースを実装。 センサーの付け替えなど柔軟に改良を加えることが可能な実験車両とした。 今後は、自動運転の様々な可能性を模索するべく、TRI での実証研究に使用する予定だ。

車両は、高い演算能力を備えており、マシンビジョン(ソフトウェアも含めた機械による周辺認識システム)や機械学習能力も強化。 当面は高精度の地図情報が存在しないエリアでも自動運転を使用することも想定されるため、ライダー(光検出・測距)、レーダー、カメラなどのセンサー能力も拡充し、高精度地図に過度に依存しないシステムも構築する。,/p>

TRI のギル・プラット CEO は、実験車について「TRI が手がけた初の自動運転実験車のプラットフォームとして、これまでの自動運転研究の成果を織り込んだ」と語り、「ドライバーの運転習慣を学ぶだけでなく、データ収集やコネクティッド技術の進展に応じて他の車両から共有される情報を活用するなどして、徐々に賢くなっていく」と述べた。 今後 TRI では、実験車の走行試験から得られる技術データを蓄積し、トヨタが開発している「ショーファー(完全自動運転)」と「ガーディアン(高度運転支援)」の研究開発に役立てていく方針。 (財経新聞 = 3-6-17)


特区内で自動運転、自由に実験 戦略特区諮問会議

政府は 21 日、国家戦略特区諮問会議を開き、企業が革新的な技術の実証実験を自由に手掛けられるよう、特区内で現行規制を一時的に停止する新制度の創設を決めた。 まず自動車の自動運転や小型無人機「ドローン」を対象とし、範囲の拡大も視野に入れる。 訪日客の急増に対応してサービス業で外国人の働き手を増やす方針も示し、この日決めた新たな規制改革方針に盛り込んだ。 安倍晋三首相は会議で「安全性を確保しつつ事前規制や手続きを抜本的に見直す。 イノベーション(技術革新)を爆発させてほしい。」と述べ、必要な措置を盛り込んだ特区法改正案を今国会に提出する方針を示した。 (Reuters = 2-21-17)


トラック、高速道で隊列組み自動走行 政府が実験へ

政府の成長戦略をつくる「未来投資会議(議長・安倍晋三首相)」は 16 日、運転手が不要な自動運転車の一部を 2020 年度に実現するための実行計画をまとめた。 自動運転の開発競争は国際的に激しくなっていて、政府は実証実験を急ぐことで世界で優位に立ちたい考えだ。

計画の柱は二つ。 一つは高速道路でのトラックの隊列走行だ。 先頭車両だけドライバーが運転し、無人の後続車が自動走行で追走する。 物流業界の運転手不足を解消する狙いがある。 新東名高速道路で 18 年 1 月にすべての車両に人が乗った実証実験をスタートさせ、19 年 1 月から後続車を無人に切り替える。 22 年度以降に東京 - 大阪間での商業化をめざす。

もう一つは、電車やバス路線が廃止された過疎地などでの移動支援。 管制センターを設け、無人の車を遠隔操作し、住民が買い物や通院などに活用できるようにする。 17 年度から沖縄県などモデルとなる全国 10 カ所以上で実証実験を展開する。 ニーズや課題などを検証しながら 20 年度の実現につなげる。 (中村靖三郎 青山直篤、asahi = 2-17-17)


日産、NASA と技術開発へ ホンダは AI 試作車

日産自動車は 5 日、米航空宇宙局 (NASA) と協力して、運転者が操作しない「完全自動運転車」の事故を、遠隔操作で防ぐ技術を開発すると発表した。 米ラスベガスで開催中の家電・技術見本市「CES (セス)」でカルロス・ゴーン社長が明らかにした。 ゴーン氏は講演で「自動運転はより安全で、より信頼性の高いものになる」と話した。

飛行機に指示を出す管制塔のように自動運転車の監視役の人を置き、難しい状況判断の際には車に指示を出して制御することなどを想定する。 NASA が持つ惑星探査機の遠隔操作技術を応用して開発する。 また日産は IT 大手の DeNA とともに、2020 年の東京五輪に向けて、完全自動運転車の商用利用の実証実験を進めると発表した。 国家戦略特区で実験を重ねる予定だ。

また、ゴーン氏は講演後記者団に、トランプ米次期大統領がトヨタ自動車のメキシコ工場計画を批判していることについて、「我々はどんな政策が行われるか注視するだけだ。 今は NAFTA (北米自由貿易協定)のルールに従っているが、ルールが変えられるようなことがあれば、それに合わせていく。」と述べた。 ホンダも同じ展示会で、人工知能 (AI) を積む自動運転の試作車を発表した。 AI がドライバーの感情を読み取り、会話したり、寄り道を提案したりする。 AI 技術で先行するソフトバンクと協力して開発した。 完全自動運転で注目される、 移動中のサービスに重点を置いた技術だ。 (ラスベガス = 友田雄大、新田哲史、asahi = 1-6-17)


未来のクルマ、開発競争を追う ホンダは米基地跡で実験

米西海岸シリコンバレー郊外にある人気のない広大な敷地に、白いペンキがところどころはげ落ちた建物や弾薬庫跡が立ち並ぶ。 東京都港区とほぼ同じ広さの敷地に残る「街」で、大きなカメラや大量のセンサーを積んだ車が走り回っていた。 交差点に立つと、時速 40 キロほどで近づいてきたホンダの黒いセダンが減速し、停止線の前でぴたりと止まった。 赤信号を認識したのだ。 屋根の上に三つのカメラ。 運転席に人の姿はあるが、機器のデータ確認に忙しく、ハンドルは気に掛けていない。 すぐに車はひとりでに発進。 ハンドルが勝手に回り、右折して走り去っていった。

「ゴーメンタム・ステーション」と呼ばれる米海軍基地跡。 ここでいま、最先端の自動運転技術を磨く実験が繰り返されている。 管理する地元自治体は立ち入りを厳しく制限しているが、11 月中旬、一部メディアに許可が出た。

ホンダは昨年、ここで実験を始めた。 実験車を何度も走らせ、運転者に代わる人工知能 (AI) の性能を磨く。 例えば、交差点での右折時に左から別の車が来たら、7 秒の余裕があれば自らの車を先に右折させ、ないと判断すれば譲る。 並走する自転車をセンサーで捉え、巻き込まないように曲がる。 そんな微妙な判断を AI に学ばせている。 現地責任者の藤村希久雄氏は「何百もある技術で採用できるのは一つか二つ。 ここでは、実際に試し、失敗を重ねながら確かめられる。」

ホンダのような自動車大手だけではない。 中国のネット検索最大手の百度(バイドゥ)、米配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズ傘下のオットー、フランスのベンチャー企業 …。 業界の枠を超えた開発競争が、この基地跡で繰り広げられている。 (榊原謙、青山直篤、asahi = 12-27-16)


デンソーと NEC、自動運転の技術開発で包括提携

自動車部品世界大手のデンソーと NEC が自動運転や先進運転支援システム (ADAS) の技術開発で提携することが 24 日、分かった。 NEC が持つ AI (人工知能)技術やソフトウエア開発のノウハウを活用し、危険を予測して走行を制御する技術などを共同で開発していく。 両社は週明けにも提携を発表する。 デンソーの顧客である自動車メーカー各社は自動運転や ADAS の技術開発を急いでいる。 デンソーは部品供給だけでなく、歩行者や車両の検出に向くカメラと AI、運転制御ソフトを組み合わせるなど自動運転関連のソリューション提案を強化して競合との差異化を図る。

NEC は IoT (インターネット・オブ・シングズ)関連事業を将来の収益の柱に据え、自動運転につながる技術開発を進めてきた。 例えば、道路の障害物や歩行者をセンサーなどで確認してからブレーキをかけるのではなく、ビッグデータ解析を基に「歩行者が飛び出してくるかもしれない」と予測して運転に反映させる技術などを研究している。 今回の包括的提携では取り組みの応用・強化に加え、通信機能を備えた「コネクテッドカー」の実現や、サイバーセキュリティー対策などに包括的に取り組む方針だ。

NEC がデンソーと協業するのは今回が初めてではない。 2016 年 5 月には傘下の NEC 通信システムを通じデンソーや車載ソフト開発企業と共同で、センサー類を制御する電子制御ユニット (ECU) のソフト開発会社を設立している。 (高槻芳、ITPro = 12-24-16)


ホンダ、グーグルと自動運転で共同研究 米で実走実験へ

ホンダは 22 日、人がまったく運転する必要のない「完全自動運転」について、米ネット検索大手グーグルと共同研究を始める、と発表した。 ホンダが提供する車にグーグルの人工知能 (AI) などを搭載。 米国内で実走実験を繰り返し、自動運転のノウハウを共有する。

ホンダの開発子会社、本田技術研究所と、グーグルの持ち株会社傘下で自動運転の開発を担う子会社のウェイモが、共同研究を始める覚書を交わした。 ウェイモの自動運転用のセンサーや AI をホンダ車に搭載。 ワシントン、カリフォルニア、テキサス、アリゾナの 4 州で走らせ、AI の開発に必要なデータなどを集める。 どんなデータを共有するかなど、詳細は今後、両社の技術チームで詰める。

ホンダは、高速道路に限った自動運転を 2020 年ごろに実現させる目標を掲げているが、トヨタ自動車などに比べると開発資金に限界がある。 自動運転用 AI の開発で先行するグーグルと組むことで、研究開発の一部を補う狙いがある。 グーグルは、走行実験で自動運転を学ばせた AI を核にした完全自動運転システムを、自動車メーカーなどに売り込むことを狙っているとみられる。 今年 5 月には、フィアット・クライスラー・オートモービルズ (FCA) とも提携し、同様の共同研究を進めている。 (榊原謙、asahi = 12-22-16)


Uber の自動運転試験サービス、許可取得求められるも反論

Uber は、カリフォルニア州サンフランシスコの路上で自動運転車の走行を継続するつもりだという。 同社が適切な許可を取得していないとして、州規制当局は繰り返し警告している。 AP が入手した書簡の中で、カリフォルニア州司法省は、Uber が自動運転車の特別許可を取得しなければ、法律顧問が適切な措置を求めると述べた。 Uber は許可を取得するために 150 ドルを支払う必要がある。

Uber は、米国時間 12 月 14 日から路上を走行している「Volvo XC90」を改造した試験車両は、カリフォルニア州の法律の範囲内で運営しており、許可は不要との認識を示している。 カリフォルニア州司法省は、Uber が許可を取得する期限を設けていないが、広報担当者は先週 AP に対し、Uber が従わなければ「早ければ翌週にも」措置を講じると述べた。 カリフォルニア州車両管理局 (DMV) はこれに先立ち、Uber は公道での「自動運転車」サービスを停止するべきだと述べていた。

Uber の自動運転部門を統括する Anthony Levandowski 氏は、Volvo の運転席には補助ドライバーが同乗して運転を監視しており、Tesla の「Autopilot」機能のような完全自動運転ではないため、Uber は許可を取得する必要はないと述べた。 Levandowski 氏は、報道陣らとの電話会議で「車両は現在、路上を走行している」と述べた。 「サービスを続行するつもりだ。(Levandowski 氏)」 Uber は、「Volvo XC90」にライダーなどのセンサ技術を搭載してカスタマイズした車両を使用している。

「正しい行為を行っていないと理解するまでに何人の人々を殺害するつもりなのか」と米消費者保護団体 Consumer Watchdog のプライバシープロジェクトディレクターを務める John Simpson 氏は述べた。 「一般道路を私的な実験施設のように使用するつもりならば、規則に従う義務がある。(Simpson 氏)」 Google、Tesla、BMW、Ford、ホンダなど自動運転試験を実施している 20 の企業がこれまでにカリフォルニア州の許可を得ている。

Uber は、自動運転プロジェクトを開始した直後に、同社の Volvo が赤信号を無視して走行したことが車載カメラによって捉えられ、非難を浴びた。 Uber は、信号無視の原因はドライバーのミスであり、自動運転システムのエラーではなかったと述べた。 (Jake Smith、Cnet = 12-19-16)


米グーグル、自動運転車部門を社内で独立 開発競争激化に対応

[サンフランシスコ] 持ち株会社アルファベット傘下の米グーグルは 13 日、自動運転車部門を「Waymo」として社内で独立させることを明らかにした。 グーグルの自動運転車プロジェクトを率いるジョン・クラフチック氏によると、「Waymo」には「A new way forward in mobility」の意味がこめられている。 同プロジェクトはこれまでは社外秘の研究部門「グーグル X」の傘下に置かれていた。 クラフチック氏は記者会見で「ライドシェア(相乗り)サービス、交通機関、輸送のほか、個人が保有する車両など、自動運転技術がさまざまな分野で適用されていることを想像することができる」と述べた。 (Reuters = 12-14-16)


ソフトバンク 自動運転の通信システム 中国企業と共同開発へ

大手通信会社のソフトバンクは、スマートフォンメーカーとしては世界第 3 位の中国のファーウェイと提携し、車の自動運転に使われる通信システムの共同開発に乗り出すことが明らかになりました。 関係者によりますと、ソフトバンクはファーウェイと提携し、車の自動運転の分野で車の位置情報や信号などの交通インフラとデータをやり取りする通信システムの共同開発に乗り出すことで合意しました。

この通信システムは、「5G」と呼ばれる次世代の携帯電話の通信方式を活用するもので、共同開発には東京大学発のベンチャー企業なども参加します。 両社は、携帯電話との干渉を防ぐ自動運転専用の電波帯域を設けることや、安全対策として遠隔操作で車を停止させる技術などを開発する計画です。 日本の大手通信会社がこの分野でグローバル企業と提携するのは初めてとなります。

ソフトバンクはことし 4 月、グループ内に自動運転の開発会社を設立するなど本格参入し、今後も、ほかの企業との提携を拡大していく方針です。 自動運転をめぐっては、アメリカのグーグルが開発を進めているほか、自動車メーカー各社が実用化に向けた開発を急いでいて、この分野の競争は世界的に激しさを増しています。

提携の狙いは開発スピード

ソフトバンクとファーウェイの提携には、世界各国の企業がしのぎを削る自動運転の分野で共同開発によって開発スピードを速める狙いがあります。 共同開発する通信システムは、次世代の携帯電話の通信方式「5G」を活用するもので、現在の方式よりも通信速度がおよそ 100 倍速く、世界各国の通信事業者が採用する見通しです。 ソフトバンクは、2020 年の実用化に向けて 5G の通信設備の開発を進めてきた一方、ファーウェイはさまざまな通信機器に搭載する半導体製品の製造を得意としています。 両社はそれぞれを補う形で開発のスピードを速める狙いがあります。

また、ファーウェイは主力のスマートフォンの出荷台数が去年、1 億台を超え、世界的なシェアは韓国のサムスン電子とアメリカのアップルに次ぐ第 3 位で、ソフトバンクとしては、すでに世界市場で存在感のある地位を築いているグローバル企業との提携は、自動運転の分野で日本国内だけでなく海外市場へ進出する足がかりにもなります。 (NHK = 12-3-16)


自動運転、米も指針参加 日欧とサイバー対策

日米欧の交通当局が自動運転車への不正アクセスを防ぐための対策で合意する。 外部との通信とハンドルやエンジンなど制御機能を切り離し、自動車をハッカーに乗っ取られないようにするのが柱。 危険を検知した場合は自動で停止する安全機能も搭載する。 これまで国際的な自動運転の規制づくりに慎重だった米国が方針を変え、日欧に加わる。

国連では「自動車基準調和世界フォーラム」で自動車の規制を協議している。 この中の自動運転分科会が 11 月中旬にサイバーセキュリティーの指針を採択する。 分科会は日本と英国が共同議長を務め、ドイツや米国なども参加する。 指針に法的拘束力はないが、国連の公式文書として各国の規制づくりの基礎となる。

背景にあるのは自動車のサイバーリスクの高まりだ。 自動運転でない現行車でもインターネットに接続するものが増え、米ゼネラル・モーターズ (GM) など無線を通じて遠隔操作される危険性が判明した例がある。 ハンドルやエンジンをシステムが操作する自動運転では、乗っ取りの危険性が高まっており、対策が急務となっている。

米国はテスラモーターズの車の死亡事故などもあり、自動運転の安全性に関心が高まっている。 9 月には米運輸省が開発に関する指針を公表。 各国との知見の共有にも前向きになっているという。 グーグルなど自動車メーカー以外も開発に参入しているうえ、国内自動車市場も大きい。日欧にとっても米国が国際的な規制づくりに参加する意味は大きい。

国連が採択する指針ではデータや通信を暗号化することや、外部機関がデータ保護や安全性を証明することを盛り込む。 システム障害時には自動運転をやめて手動モードに切り替えることも規定に入れる。 ハッカーの不正な操作を検知した場合、ドライバーに警告して自動で路肩に停止する機能も求める方針だ。 通常のサイバー攻撃は情報流出など経済的な打撃を与えるのが主な狙いだが、自動車の乗っ取りは人命に直結する。 このため指針では高いレベルのセキュリティー対策を求める。

自動車の国際基準は、それぞれが国内に有力なメーカーを抱え、新車認証の仕組みも違う日欧と米国では意見が異なるケースが多かった。 米国が加わるのはサイバー対策だけだが、今後、自動運転の基準の国際的な調和に向けたきっかけになる可能性がある。 国連は今後、今回まとめる指針を法的拘束力のある国際的な基準に格上げすることも議論する。 欧米では 2020 年ごろに人間が関与しない完全自動運転をめざす動きが出ている。 急速な技術の発達に安全基準や事故が起きた場合の責任の所在などの議論が追いついていないのが現状だ。 (nikkei = 11-5-16)


自動車向け AI 技術、共同開発へ デンソーと東芝

デンソーと東芝は 17 日、自動車向けの人工知能 (AI) に関する技術を共同で開発すると発表した。 AI が人間のように自ら学ぶ「深層学習(ディープラーニング)」という最新技術を画像認識システムに取り込み、精度の高い自動運転技術を確立するねらいがある。

深層学習は、人間の脳の神経回路をモデルとしたもので、大量のデータを学び、分析することで進化する。 囲碁の AI 「アルファ碁」に応用されたところ、世界トップ級のプロ棋士を負かし、注目を集めた。 自動運転の分野では、歩行者や障害物を正確に認識することが欠かせず、両社は深層学習の共同開発に乗り出すことを決めた。 年内に本格始動し、2020 年以降の実用化をめざす。 (友田雄大、asahi = 10-17-16)


グーグル自動運転、公道で 200 万マイル突破

米アルファベット傘下のグーグルは 5 日、自動運転車の公道での試験走行距離が延べ 200 万マイル(約 322 万キロメートル)を突破したと明らかにした。 同じく自動運転車の開発に取り組む他の大手自動車メーカーにかなりの差を付けた格好だ。 グーグルは 8 月の時点で、米国の 4 州に 60 台近い自動運転車を配置していた。

グーグルは、都市部では工事現場や自転車に乗った人の手によるしぐさなどの情報をどう処理するかといったハードルがあるため、高速道路での走行時間より都市部での走行の方が意義深いと考えている。 カメラやセンサーを多数搭載したグーグルの自動運転車はその過程で、幅広い詳細データの収集も行っている。 同社の自動運転車プロジェクトでソフトウエア担当責任者を務めるディミトリ・ドルゴフ氏はインタビューで、「走行の距離や時間だけを問題にするのでなく、外界と相互作用する機会の回数やその相互作用の深みや複雑さについて考える方がより優れた方法だ」と話した。

同社では、自動運転車の走行距離を 100 万マイルから 200 万マイルに伸ばすため 1 年余りを要した。 その間、自動運転車開発のペースは劇的な変化を遂げ、輸送において新時代の幕開けが近いことを予感させた。 同プロジェクトが 100 万マイル走行の節目を超えた 2015 年 6 月には、米電気自動車 (EV) メーカー、テスラ・モーターズの運転支援機能「オートパイロット」についての兆しが見え始めていた。 この機能は同 10 月に導入され、自動運転車の可能性に対する関心を高めた。

ゼネラル・モーターズ (GM) は今年に入り、自動運転システムを開発する新興企業クルーズ・オートメーションを 10 億ドルで買収したほか、配車サービスの米リフトに 5 億ドルを投資した。 そのほか、フォード・モーターなど他の自動車メーカーもそれぞれ自動運転車の開発計画を明らかにした。 米配車アプリ大手ウーバー・テクノロジーズは先月、ピッツバーグの路上で自動運転試験走行を開始。 米アップルも自動運転車の開発に入っていると言われる。

ウーバーと競合する米リフトの共同創業者、ジョン・ジマー氏は先月、「自動運転車は急速に普及し、5 年以内にはリフトが扱う車両の大半を占めるようになるだろう」との見方を示した。 グーグルが自動運転車プロジェクトを立ち上げたのはもう 7 年半前になるが、一般客を乗せた走行の開始時期や同技術に関する詳細な事業戦略を明かすには至っていない。 同社は自動運転技術を巡る公共政策の策定を求め、人間による制御をまだ必要とする漸進的な技術進歩よりも完全自律運転の方が安全だと主張している。

グーグルはシリコンバレーのほか、アリゾナ州フェニックス、テキサス州オースティン、ワシントン州カークランドの路上で走行試験を行った。 8 月にはレクサスのスポーツタイプ多目的車 (SUV)、「RX450h」をベースにした自動運転車と 34 の試作車を公道で走らせたとも明らかにしている。 (Tim Higgins、The Wall Street Journal = 10-6-16)


「自動運転機能が原因ではない」 バス追突事故でテスラが釈明

[フランクフルト/サンフランシスコ] 米電気自動車 (EV) 大手テスラ・モーターズは、同社製の乗用車を運転中の男性がドイツで起こした観光バス追突事故について、バスが車線からはみ出してきたため、追突は不可避だったと釈明した。 事故当時作動中だった自動運転支援機能「オートパイロット」について、運転者の男性は事故とは無関係だったと話しているという。

ドイツの警察によると、事故は 28 日にラッツェブルクで発生した。 テスラは声明で、「オートパイロットは正常に作動しており、その使用と事故は無関係ということの確認が運転者本人から取れた」と説明した。 ロイターは運転者の男性から、テスラへの説明内容や事故当時の状況について確認は直接取れていない。 (reuters = 9-30-16)

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米テスラ、自動走行中に新たな事故か 当局が調査開始

米電気自動車ベンチャー「テスラ」の車が自動走行中に死亡事故を起こした問題で、調査をしている米高速道路交通安全局 (NHTSA) は 6 日、新たに別のテスラ車の事故について調査を始めたことを明らかにした。 欧米メディアが伝えた。 ロイター通信などによると、事故があったのは 1 日、ペンシルベニア州の高速道路。 テスラのスポーツ用多目的車 (SUV) 「モデル X」が走行中にガードレールに衝突し、反動で中央分離帯に突っ込んで横転して止まった。 この事故で運転手ら 2 人がけがをした。 運転手は「自動走行を使っていた」と話したというが、事故の原因だったのかは不明だ。 (サンフランシスコ = 宮地ゆう、asahi = 7-7-16)

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米当局がテスラ車事故調査、「オートパイロット」使用めぐり

米道路交通安全局 (NHTSA) は 6 日、米ペンシルベニア州で 1 日に起きた米電気自動車 (EV) メーカー、テスラ・モーターズの「モデル X」の事故で、同社の自動運転支援機能「オートパイロット」が使用されていたかどうかを調査していると明らかにした。 5 月 7 日には、オートパイロット機能を使用していたテスラの「モデル S」で死亡事故が発生、NHTSA が調査を進めている。 テスラは声明で「現在保有する情報に基づけば、オートパイロットがこの事故に関係があると信じるに足る根拠は全くない」と発表した。 NHTSA は州警察やテスラ、運転手から情報を集めていると公表した。 (Reuters = 7-7-16)

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米テスラ、自動走行で初の死亡事故 相手車の色が原因か

米電気自動車ベンチャー「テスラ」は 6 月 30 日、同社製の自動車で自動走行中に死亡事故が起き、米高速道路交通安全局 (NHTSA) が調査を始めると明らかにした。 AP 通信によると、自動走行中の車としては初の死亡事故という。 NHTSA によると、事故があったのは 5 月 7 日、フロリダ州の高速道路上。 テスラの「2015 モデル S」が自動走行モードで走行中、側道から入ってきたトレーラーが目の前を横切るように左折。 テスラはそこに突っ込むように衝突し、運転手は死亡した。

自動走行は完全な自動運転の前段階の技術で、自動で車線変更をしたり、周囲との車間距離を測って自動で減速したりする。 完全な自動運転ではなく、事故の責任は運転手にある。 テスラによると、トレーラーの車体が高かったことに加え、当日は晴天でトレーラーの車体の白い色をセンサーが感知できず、ブレーキが作動しなかった可能性があるという。 (サンフランシスコ = 宮地ゆう、asahi = 7-1-16)