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午後 3 時のドルは一時 140 円台へ急落、米利下げ観測前倒し

[東京] 午後 3 時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤からドル安/円高の 141 円半ばで取引されている。 前日の米連邦公開市場委員会 (FOMC) を受けて、米国の利下げが従来想定より前倒しされる可能性が高まったとの見方が広がり、ドルが広範に売られた。 海外市場で 145 円半ばから 142 円前半まで売られたドルは、東京市場でも売りが優勢となった。 アジア時間の取引で、米 10 年債利回りが 4 カ月ぶりに 4% 台を割り込み、2 年債利回りも半年ぶり水準までさらに低下したことなどが、手掛かりとなった。

ドルは対円で一時 140.95 円まで下げ幅を拡大し、7 月 31 日以来 4 カ月半ぶり安値を更新した。 さらに、対豪ドルでも 0.67 ドル前半、対ニュージーランドドルで 0.62 ドル半ばとともに 7 月以来の安値を付け、対ユーロでも 1.09 ドル前半と半月ぶり安値を更新する全面安となった。 FOMC 声明とパウエル米連邦準備理事会 (FRB) 議長の会見内容は、事前予想より「ハト派的な内容(みずほ証券チーフ為替ストラテジストの山本雅文氏)」との受け止めが大勢だった。 「ドルは 10 月以降の下落基調が強まった形。 しばらくこの流れが続くだろう。(山本氏)」との指摘が相次いだ。

市場では、米国の利下げ予想時期の前倒しや、来年の利下げ予想回数を増やす動きも増えている。 これまで第 3・四半期を含めて 2 度の利下げを想定していたゴールドマン・サックスは、3 月と 5 月、6 月と 3 度の連続利下げへ変更した。 「その後は四半期ごとに 0.25% 利下げし、3.25 - 3.5% に到達したところで終了する(エコノミストのデビッド・メリクル氏)」という。 バークレイズ銀行も、来年 12 月の 1 度のみだった利下げ予想を大きく変更。 6 月から引き下げを開始し、その後 1 会合おきに、あと 2 度の利下げを行うとした。 パウエル議長が会見で、市場の利下げ期待を押し戻さなかったことに着目したとしている。 (基太村真司、Reuters = 12-14-23)


円急騰、一時 141 円台後半 金融政策「正常化」の観測、急速に浮上

日本銀行の金融緩和が正常化に向かうとの観測から、外国為替市場が大きく動いている。 米ニューヨーク市場では 7 日(日本時間 8 日未明)、円相場が一時、1 ドル = 141 円台後半まで急伸し、1 日で 5 円超も円高ドル安が進んだ。 ただ、市場の過剰な反応という見方もあり、このまま円高が進んでいくかは不透明だ。 市場の関心は日銀の金融政策に集まっている。 日銀は 10 年超も大規模緩和を続けてきたが、マイナス金利解除などの正常化に近く踏み出すとの観測が市場で浮上していた。 そうした見方を補強する形となったのが、連日の日銀首脳の発言だ。

氷見野良三副総裁は 6 日の講演で、緩和が「出口」を迎えた場合、家計や企業にとって「良い結果につなげることは十分可能」と発言。 翌 7 日には、植田和男総裁が参院財政金融委員会で今後の取り組みについて問われ、「チャレンジングな(困難だが挑戦のしがいがある)状況が続いているが、年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」と答弁。 その後、岸田文雄首相と会談した。 市場の一部は、一連の発言が金融政策の正常化が近いことを示唆したと受け止めた。 米長期金利の低下もあり、ドルを売って金利上昇が見込まれる円を買い戻す動きが広がった。

日本時間 7 日朝に 1 ドル = 147 円台だった円相場は、8 日未明に瞬間的に 141 円台をつけた直後、143 円前後に戻すなど荒い値動きに。 8 日午後 5 時時点では、前日同時刻より 1 円 60 銭ほど円高の 1 ドル = 144 円 08 - 1 0銭だった。 植田発言について日銀幹部は「仕事一般について述べただけで、政策変更のタイミングについてではない」とクギを刺す。

三井住友 DS アセットマネジメントの市川雅浩氏も「政策変更を意図するものでなかったと思われる。 市場の反応は過敏だった」とみる。 12、13 日に控える米連邦公開市場委員会 (FOMC) や、18、19 日の日銀の金融政策決定会合の結果次第では「小幅ながら、円安方向に戻ってもおかしくない」としている。 円高を受け、8 日の東京株式市場は日経平均株価が前日比 550 円 45 銭 (1.68%) 安の 3 万 2,307 円 86 銭で取引を終えた。 (多鹿ちなみ、土居新平、asahi = 12-8-23)


日経平均、一時 33 年ぶり高値 円相場は円高方向、一時 148 円台に

20 日の東京株式市場で、日経平均株価が取引時間中に 3 万 3,853 円をつけ、バブル期だった 1990 年 3 月以来、約 33 年 8 カ月ぶりの高値となった。 米国の利上げをめぐる懸念が和らいだことや、好調な企業業績を材料に株が買われた。 ただ、その後は利益を確定させる売りも出たとみられ、終値は前週末比 197 円 17 銭 (0.59%) 安い 3 万 3,388 円 03 銭だった。 10 月末に 3 万 1 千円を割っていた日経平均が押し上げられたのは、米国の利上げに対する見方の変化が大きい。

雇用や物価など金融政策に影響を与える米経済統計が相次ぎ市場予想を下回り、米国が追加利上げをするとの見方が後退。 高止まりしていた長期金利が低下した。 一方、前週末に発表された米住宅統計などは堅調で、米景気が大きく落ち込むとの懸念も和らいだ。 日本でも、円安やコロナ禍からの回復により、9 月中間決算で最高益をたたき出す企業が続出。 業績の見通しも堅調で、投資家が積極的に株を買っている。

円相場は今月、約 33 年ぶりの円安水準(1 ドル = 151 円 95 銭)に迫っていたが、米金利低下を受けて足元では円高方向に振れている。 20 日の東京外国為替市場では一時、1 ドル = 148 円台まで上昇した。 午後 5 時時点では先週末同時刻より 1 円 50 銭ほど円高の 1 ドル = 148 円 91 - 92 銭。 大和証券の細井秀司氏は「今後、株高・円高となる可能性が大きい。 米金利と為替次第だが、日経平均は 3 万 4 千円を超えてもおかしくない。」とみる。 (多鹿ちなみ、asahi = 11-20-23)


円安再び、151 円 40 銭台 迫る 33 年ぶり水準、株・債券も安く

10 日の東京外国為替市場で円安ドル高が進み、一時 1 ドル = 151円 45 銭をつけた。 米国での利上げが想定以上に長引くとの見方が広がり、円を売って金利の高いドルを買う動きが強まった。 約 33 年ぶりの円安水準となる 1 ドル = 151 円 95 銭が再び近づき、市場は財務省・日本銀行による為替介入に対する警戒感を強めている。 午後 5 時時点では前日同時刻より 48 銭円安ドル高の 1 ドル = 151 円 38 - 39 銭。 円相場は今月 1 日に約 1 年ぶりに 151 円 70 銭台をつけて以降、やや円高に振れ、一時は 149 円台まで上がっていた。

再び円安が進んだ要因の一つは、米連邦準備制度理事会 (FRB) のパウエル議長の発言だ。 9 日の講演で、物価上昇を抑え込もうとしているが「(金融政策が)そうした水準に到達したか確信していない」と述べた。 市場はこれを、追加の金融引き締めに前向きだと受け止めた。 米国債の入札が低調だったこともあり、米長期金利が上昇(債券価格は下落)。 金融緩和を続ける日本との金利差が広がり、9 日のニューヨーク外国為替市場で円安が進んだ。 10 日の東京市場もこの流れを引き継いだ。

米長期金利が上がった影響で、日本の長期金利も上昇した。 代表的な指標となる新発 10 年物国債の利回りは一時、前日より 0.025% 幅高い 0.860% をつけた。 株式市場では、金利上昇による景気悪化懸念から日経平均株価が 10 日、一時、前日より 400 円近く値を下げた。 その後は買い戻す動きも出て、終値は前日より 78 円 35 銭 (0.24%) 安い 3 万 2,568 円 11 銭だった。 (土居新平、asahi = 11-10-23)


1 ユーロ = 160 円台に 対ユーロで約 15 年ぶりの円安水準

31 日の外国為替市場で円安が進み、ユーロに対して一時 1 ユーロ = 160 円台をつけ、2008 年 8 月以来、約 15 年ぶりの円安ユーロ高水準になった。 日本銀行がこの日、金融緩和策の柱の一つである長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)の修正を決めたが、市場では大きな修正とは受け止められなかった。 逆に大規模な緩和が当面続くとの見方から、円を売ってユーロを買う動きが強まった。 欧州中央銀行 (ECB) は 26 日の会合で、昨夏から 10 会合続けてきた利上げを停止し、金利を据え置いたが、当面は高い政策金利を維持することを示唆している。 (ベルリン = 寺西和男、asahi = 10-31-23)


円安さらに 150 円 70 銭、債券・株も … トリプル安で政策修正は?

26 日の東京外国為替市場で円安ドル高が進み、円相場は 1 ドル = 150 円 77 銭まで下落した。 昨年 10 月以来、1 年ぶりの円安水準。 日本銀行が 30、31 日の金融政策決定会合で緩和策を修正するとの観測が浮上し、長期金利は上昇(国債価格は下落)した。 日経平均株価も前日比 668 円 14 銭 (2.14%) 安い 3 万 0,601 円 78 銭で終え、円・債券・株式が「トリプル安」に沈んだ。

米国経済の想定外の強さが金融市場を揺さぶっている。 前日発表の米経済指標が底堅く、物価高を抑える利上げが長引くとの見方から米長期金利が上昇。 日本との金利差が意識され、円売りドル買いの動きが加速した。 東京債券市場でも長期金利の指標となる新発 10 年物国債の利回りが前日比 0.035% 幅高い 0.885% まで上がった。 約 10 年 3 カ月ぶりの高水準。 米金利上昇のほか、「日銀が金利上昇を許容する方向で緩和修正に踏み切るのではないか」という観測の強まりも影響したとみられる。

日銀は来週の決定会合で、3 カ月ごとの経済・物価情勢の展望(展望リポート)をまとめる。 物価上昇率の見通しを、2023 年度は前回 7 月時点の 2.5% から 3% 程度に、24 年度は 1.9% から 2% 台に上方修正する見込み。 そうなれば、日銀が目指す「2%」を 22 年度から 3 年連続で上回ることになり、大規模緩和からの「出口」も意識されやすくなる。 日銀は 7 月、低く抑え込んでいる長期金利の上限を 0.5% 程度から 1.0% に事実上、引き上げたが、実際の金利が上限に近づいている。 物価見通しの上方修正に合わせ、日銀が上限再引き上げなどの修正に動くとの見方が、市場ではじわりと強まっている。 (多鹿ちなみ、土居新平、asahi = 10-26-23)


円安進行、11 カ月ぶり 149 円台 日米金利差拡大、介入に警戒感

26 日の東京外国為替市場で円安ドル高が進み、円相場は一時、昨年 10 月以来、11 カ月ぶりの安値水準となる 1 ドル = 149 円台をつけた。 米国の利上げが長引くとの観測から、高金利のドルを買って円を売る動きが続いている。 心理的な節目となる 150 円が迫り、金融市場では、為替介入への警戒感が強まっている。 午後 5 時時点では、前日の同時刻より 43 銭円安の 1 ドル = 148 円 86 銭で取引されている。 円安が進んでいるのは、日米の金融政策の違いが大きな要因だ。 米連邦準備制度理事会 (FRB) は 20 日、来年末まで年 5% 超の政策金利が続くとの見通しを示した。 一方、日本銀行は 22 日、金利を低く抑える金融緩和の継続を決め、市場で浮上していた早期の緩和修正観測も打ち消した。

市場では、米国の金利の高止まりと、日本の低金利が想定より長引くとの見方が拡大。 25 日の米ニューヨーク市場では、米国の長期金利が 4% 台半ばまで上昇した。 日米金利差が意識され、26 日の東京市場では午後 4 時前に 1 ドル = 149 円 18 銭まで下がった。 財務省と日銀は、1 ドル = 145 円後半まで下がった昨年 9 月 22 日、24 年ぶりに円買いドル売りの為替介入に踏み切った。 すでにその水準を超え、さらに節目となる 150 円に近づいていることで、市場では再介入への警戒感が強まっている。

鈴木俊一財務相は 26 日午前の記者会見で、「米国をはじめ、海外当局とも意思疎通を図っており、過度の変動は好ましくないということについては共有をしている」と発言。 「過度な変動については、あらゆる選択肢を排除することなく、適正な対応を取っていきたい」と円安の動きを強く牽制した。 みずほ銀行の堀尭大(たかひろ)氏は「日銀の金融政策は早期に変わらないとの見方が強く、米国が利下げ局面に入るのはまだ先になりそうだ。 こうした金融政策の違いに加え、日本の輸出の伸び悩みや原油高などもあり、構造的に円が売られやすい」と指摘。 「為替介入に動いても、市場がさらなる円安を試す可能性があり、財務省もタイミングを考慮しているのだろう」とみる。 (土居新平、asahi = 9-26-23)


ドル・円は 147 円台前半、米 CPI 待ち - 上振れ警戒がドルの支え

13 日の東京外国為替市場のドル・円相場は 1 ドル = 147 円台前半で推移。 日本時間夜に公表される米国の消費者物価指数 (CPI) を控え、やや模様眺めムードになりやすい。 CPI は上振れが警戒されており、ドルの下値を支える一方、日本の通貨当局による介入警戒や日本銀行の金融政策を巡る思惑が重しとなっている。

12 日は東京時間に付けた 146 円 44 銭を安値に、海外時間に一時 147 円 23 銭まで上昇

大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは、米 CPI や 14 日発表の米小売売上高の上振れ警戒や原油価格上昇からドル・円相場は底堅いとみる。 指標が上振れた場合、米連邦公開市場委員会 (FOMC) 参加者の金利予測を示す「ドット・プロット」で来年以降が上方修正される可能性があり、「ここでドルの買い持ちを手じまう理由もない。 米 CPI を前に 147 円台半ばに上値を伸ばす可能性はある。」と話す。

前日からのドル・円の推移

日銀の早期政策修正観測を受けた円金利の動向も引き続き注目されている。 石月氏は「12 日に金利上昇が止まったが、市場全体のコンセンサスとして金利上昇が止まったと言っていいかは微妙」と指摘。 臨時オペが実施された場合に円売りが強まるリスクが警戒されている。一方、円安が進む局面では日本の通貨当局による介入警戒感が高まりそうだ。 (酒井大輔、Bloomberg = 9-13-23)


NY 外為市場 = 円急伸、日銀総裁発言で ドル指数下落

[ニューヨーク] 終盤のニューヨーク外為市場では、円が対ドルで大幅に上昇した。 前週に報道された植田和男日銀総裁の発言を受け、マイナス金利政策からの脱却観測が高まった。 ドル/円は一時約 1.3% 下げ、9 月 1 日以来の安値となる 145.89 円を付けた。 終盤は 0.89% 安の 146.50 円となった。 ドル/円の 1 日の下落率としては 7 月 12 日以来最大となる見通し。 植田日銀総裁は、9 日付読売新聞が掲載したインタビューで、賃金上昇を伴う持続的物価上昇に確信を持てれば、マイナス金利解除含め「いろいろなオプションがある」と述べた。 「マイナス金利の解除後も物価目標の達成が可能と判断すれば(解除を)やる」とした。

オアンダのシニアマーケットアナリスト、エドワード・モヤ氏は「過去の日銀の介入を踏まえると、弾薬を無駄にしたくないのだろう。 そのため、日銀は再び口先介入をせざるを得なかった」との見方を示した。 米連邦準備理事会 (FRB) は来週の米連邦公開市場委員会 (FOMC) で利上げを一時停止するとの見方が優勢となっている。 ただ、経済とインフレ鎮静化が十分でないことを示すデータが出れば、年内の追加利上げの可能性は残されている。 CME のフェドウォッチによると、FRB が来週金利を据え置くとの見方は 93%。 11 月の会合で 25 ベーシスポイント (bp) の利上げが実施される可能性は約 38% となっている。

トレーダーは、1 ドル = 145 円を超えて円安が進行して以来、日本の介入する兆しがないか注視してきた。 昨年、日本の当局はこの水準で 1998 年以来の円買い介入を実施した。 ドル指数は一時、9 月 5 日以来の安値となる 104.41 まで下落した。 終盤は 0.32% 安の 104.52 だった。 英ポンドは 0.37% 高の 1.2512 ドル。 先週付けた 3 カ月ぶり安値 1.2445 ドルからの回復を見せた。 ユーロは 0.46% 上昇し 1.0748 ドルとなった。 (Reuters = 9-12-23)


円安進み、一時1カ月半ぶり145円台 昨秋に介入した水準迫る

11 日の米ニューヨーク外国為替市場で円安ドル高が進み、一時、1 ドル = 145 円台をつけた。 145 円台は 6 月末以来、約 1 カ月半ぶり。 この日に米労働省が発表した 7 月の卸売物価指数が市場の予想を上回って伸び、物価高(インフレ)が長期化するとの見方が拡大。 長期金利が上昇し、円安ドル高が進んだ。 円相場は、昨秋に日本政府と日銀が円買いドル売りの為替介入をした 145 円台後半に迫っている。 米東部時間 11 日午後 5 時(日本時間 12 日午前 6 時)時点では、前日の 同じ時刻より 18 銭円安ドル高の 1 ドル = 144 円 90 銭 - 145 円 00 銭で取引されている。

日銀は 7 月末、長期金利の上限を「0.5% 程度」から 1.0% へと事実上、引き上げた。 しかし市場では、日銀が当面は大規模な緩和策を維持するとの見方が強く、日本の長期金利は 0.6% 台と上昇幅は限定的だ。 一方で、米国では賃金の急速な上昇や旺盛な消費など、インフレの長期化を示唆する経済指標の発表が相次ぎ、長期金利が上昇傾向にある。 このため日米の金利差拡大が意識され、金利の高いドルを買い円を売る動きが広がっている。 (ニューヨーク = 真海喬生、asahi = 8-12-23)


東京円、一時 138 円台前半 … 1 か月半ぶり円高水準

13 日の東京外国為替市場の円相場は、円買い・ドル売りが加速し、一時、1 ドル = 138 円台前半をつけた。 5 月下旬以来、約 1 か月半ぶりの円高水準となる。 12 日に発表された 6 月の米消費者物価上昇率が鈍化し、日米の金利差縮小が意識された。 米消費者物価の発表前、円相場は 1 ドル = 139 円台半ばで推移していた。 市場予想を下回る発表を受けて、円買い・ドル売りは加速した。 13 日午前の東京市場は、12 日午後 5 時に比べて、1 円ほど円高・ドル安となる水準で推移している。

6 月の米消費者物価上昇率は前年同月比 3.0% で、2 年 3 か月ぶりの低水準となった。 米連邦準備制度理事会 (FRB) はインフレ(物価上昇)抑止を目指しており、物価上昇が鈍化すれば、金融引き締めの長期化が後退するとの見方が強まった。 大規模な金融緩和を続けている日本銀行が 27、28 日に開く金融政策決定会合で、政策の一部を修正するのではとの観測が広がっていることも円買いに拍車をかけている。 FRB は 25、26 日の連邦公開市場委員会 (FOMC) で利上げを行うことが見込まれている。 (yomiuri = 7-13-23)


NY円、反発 1 ドル = 144 円 25 - 35 銭 米指標がインフレ鈍化の兆しみせ

【NQN ニューヨーク = 稲場三奈】 6 月 30 日のニューヨーク外国為替市場で円相場は 4 日ぶりに反発し、前日比 50 銭円高・ドル安の 1 ドル = 144 円 25 - 35 銭で取引を終えた。 朝発表の米経済指標がインフレ鈍化の兆しをみせたと受け止められた。 米連邦準備理事会 (FRB) による過度な利上げ観測が後退したことから、円買い・ドル売りが優勢となった。 日本政府・日銀による為替介入への警戒も円相場を支えた。

5 月の米個人消費支出 (PCE) 物価指数の上昇率は前年同月比 3.8% と、前月 (4.3%) から伸びが鈍化した。 変動の大きいエネルギーと食品を除くコア指数の伸び率も同 4.6% と、前月と市場予想(ともに 4.7%)を下回った。 同日ミシガン大学が発表した6月の消費者態度指数(確報値)は市場予想を上回った。 一方、消費者が予想する 1 年先のインフレ率は 3.3% と前回 (4.2%) から低下した。

30 日の東京市場では一時 1 ドル = 145 円 07 銭と昨年 11 月以来、およそ 7 カ月ぶりの円安・ドル高水準を付けていた。 鈴木俊一財務相は、日本時間同日午前の記者会見で「急速で一方的な動きもみられる。 市場の動向を高い緊張感を持って注視している。」と述べた。 円安をけん制したと受け止められたことも、円買いを誘った。 前日までに円安・ドル高が進んでいた後で、上半期末と月末の持ち高調整や決済需要の円買いも支えとなった。

ニューヨーク市場の円の高値は 144 円 20 銭、安値は 144 円 73 銭だった。 円は対ユーロで反落し、前日比 10 銭円安・ユーロ高の 1 ユーロ = 157円 40 - 50銭で取引を終えた。 ユーロは対ドルで 3 日ぶりに反発し、前日比 0.0045 ドルユーロ高・ドル安の 1 ユーロ = 1.0905 - 15 ドルで取引を終えた。 上半期末となる月末に加え、前日に堅調な米経済指標を受けたユーロ売り・ドル買いが進んでいた後で、持ち高調整目的のユーロ買い・ドル売りが入った。 ユーロの高値は 1.0931 ドル、安値は 1.0853 ドルだった。 (nikkei = 7-1-23)


日本と中国、通貨安の恩恵共通 引き下げ競争始まるか

[オーランド(米フロリダ州)] 日本と中国は、通貨下落が行き過ぎるのは食い止めたいというシグナルを送っているのかもしれない。 しかし現実には、この通貨安こそが、両国が求めているインフレと輸出競争力向上という 2 つの要素を届けている。 さらに両国の貿易関係が深まり続ける一方、製造業のサプライチェーン(供給網)でシェア争いを繰り広げる中で、どちらも自国通貨が相手通貨より強くなるのを望みはしないだろう。

ある面で日本と中国は共通の立場に置かれている。 両国とも、世界的な潮流に逆らって超緩和的な金融政策を維持。 30 年にわたってデフレと格闘してきた日本は何とかしてインフレを生み出し、中国は「ゼロコロナ」政策で沈滞した経済を活性化させ、デフレの脅威を払しょくしたいという目的がある。 アジア全域で近隣窮乏化につながる通貨切り下げ競争の気運が高まるとともに、通貨安の魅力も増大してくる。 日中の二国間貿易の見地からしても、通貨安は同様に妙味を持つ。

今週は人民元と円がいずれも対ドルで昨年 11 月以来の安値を記録。 実質実効為替レート (REER) ベースでは、人民元は 9 年ぶりの低さだし、円に至っては 50 年ぶりの安値より 1% 弱ほど高いだけの水準だ。 他の全ての条件が等しければ、通貨安が輸出を拡大させる。 もちろん、サプライチェーンの統合が進み、世界全体で需要が弱く、急激な物価高と金利上昇が起きている世界では、そうしたメリットはかすみがちになるだろう。

それでも何か有利になるのであれば、追い求める価値は出てくる。 アジア開発銀行 (ADB) によると、東アジアは、コンピューターや通信機器、エネルギー、自動車などさまざまな産業で重要部品として利用される半導体の供給能力の 75% 前後が集中する地域でもあるのだ。 スタンダード・チャータードの G10 通貨戦略責任者スティーブン・イングランダー氏は「競技の性質がこの経済圏で自国通貨を最も安くするというものになっているなら、日本は勝利を収めつつある。 ただしこの競技が行うに値するかどうかは不明だ。」と述べた。

重要な相対価値

円の年初来の対ドル下落率は 9% と、アジア主要通貨の値動きとして最弱。 昨年 9 月と 10 月に政府・日銀による過去最大規模のドル売り介入を招いた際に付けた 1 ドル = 145 円のラインに再び迫ろうとしている。 日本の財務省は、円売りの動きが不当なほど勢いを増す事態に懸念を示しているものの、明確な金融引き締めが実施されない状況で、一体いつまで口先ないし実弾での介入で円を支えられるだろうか。

中国政府も成り行きを注視するだろう。 日本にとって中国は最大の貿易相手国であり、日本も中国の第 3 位の貿易相手。 二国間貿易の規模は年間約 3,700 億ドル(約 53 兆 3,000 億円)に上る。 そこで大事な意味を持つのが円と人民元の相対的な価値だ。 国際決済銀行 (BIS) のデータに基づくと、人民元の実効為替レートに占める円のウエートは 11.5% で、円の実効為替レートでは人民元のウエートは約 33%。

注目すべきことに円は過去 3 年で人民元に対して 25% も下落しており、日本企業は中国企業よりも競争力の面ではかなり優位に立っている。 中国当局が今週人民元の下落を阻止するために行動したが、そうした動きが今後頻繁かつ強力にならないだろうと思われる理由の 1 つに、この人民元と円の関係がある。 一方人民元は対ドルでは、昨年終盤に付けた 2007 年以来の安値(1 ドル = 7.30 元)が指呼の間にある。 REER は 14 年以降の最安値水準にあり、下落率は昨年 3 月以降で 15% 、年初来でも 7% に達する。 完全フロート制ではなく厳しく値動きを管理されている通貨としては相当な振れ幅と言える。

外交問題評議会 (CFR) のブラッド・セッツァー上席研究員は、中国は消費主導型の成長モデルへの転換がうまくいかずに景気が停滞し、従来の輸出依存を選択せざるを得なくなっていると指摘。 「中国の内需の弱さが、パンデミック期間に獲得した輸出市場のシェア保持を目指す姿勢につながっている」と 27 日にツイートした。 実際のところ中国は輸出市場での優位を得たがっている。 また経済の勢いが弱まってインフレが消えてしまったため、通貨急落に伴う資本流出のリスクを避けながらも、人民元安を誘導して物価を押し上げたい。

ただ中国政府は、通貨安政策が万能薬でないとの自覚もある。 REER が昨年 3 月以降で 15%、年初来で 7% 下落しているのに輸出は減り、今年の国内総生産 (GDP) 成長率見通しも切り下がっているからだ。 中国が人民元のさらなる下落を容認すれば、他のアジア諸国も気兼ねなく秩序を伴った形での自国通貨安を推進し、競争力を維持しようとするだろう。 とりわけ日本はそうするに違いない。 (Jamie McGeever、Reuters = 6-29-23)


円が 144 円台に下落、年初来安値 - 米国債利回り上昇で円売り・ドル買い

27 日午前のニューヨーク外為市場では円がドルに対して年初来安値を更新した。 堅調な米経済指標を受けて、米国債利回りが上昇し、投機筋などから円売りが出た。 ドルは対円で一時、0.5% 高の 1 ドル = 144 円 17 銭を付けた。 ユーロは対円で 0.8% 上昇し、1 ユーロ = 157 円 79 銭と、2008 年 9 月以来の高水準。 (Robert Fullem、Bloomberg = 6-28-23)


今年の円安、景色は昨年と異なる

22 日のニューヨーク市場で円安が 143 円台まで進行した。 しかし、その円安を誘発した経済環境は昨年と異なる。 2022 年は、米連邦準備理事会 (FRB) が 0.75% 刻みという大幅な利上げを連発するなかで、急速にドル円の金利差が拡大していた。 対して、23 年は、FRB の利上げが最終局面に達している。 世界的には主要国の中央銀行がインフレ抑制のために利上げを連発する状況のなかで、日銀が新総裁のもとでも大規模緩和を維持しているので、外為市場での売り圧力が円(そして人民元)にかかっている。

22 日の円安の要因も欧州諸国のサプライズ利上げにあった。 まず、イングランド銀行(中央銀行)が 0.5% という大幅な利上げに踏み切った。 更に、スイス国立銀行(同)が利上げを決め、更なる利上げも示唆した。 ノルウェーの中央銀行も利上げを決めた。 同時進行的に、米国議会ではパウエル FRB 議長が、追加利上げ 2 回の可能性に言及していた。 既に欧州中央銀行 (ECB)、スウェーデン、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドも利上げを決めており、さながら、世界の中央銀行が利上げ競争を演じるかのごとき印象を市場に与えているのだ。

そのなかで、日本と中国だけが、緩和の道を選択している、あるいは、選択せざるを得ない。 従って、今年の円安要因のほうが、グローバルで根は深い。 特に、インフレがエネルギー価格下落などで一服したかと思えば、ここにきてぶり返し、想定よりしつこい。 各国ともに、サービス産業の人件費が下がりにくいという状況に手を焼いている。 とはいえ、今年の円安は、日銀からの政策修正のメッセージひとつで、一気に市場のセンチメントが変わる可能性も秘める。 口先介入が効くので、市場介入という強硬手段は温存できる。

実際に、昨年は投機的な円売り攻撃を仕掛けた国際通貨投機筋も、新日銀総裁の記者会見での「サプライズも」との発言ひとつで、模様眺めを決め込んでいる。 ここから昨年のように一足飛びに 145 円超え、150 円台を積極的に狙う姿勢は見えない。 FRB の金融政策も中期的には景気後退、銀行不安が強まれば、利下げへの転換も視野に入る。 22 年の円安とは景色が異なることを見極めるべきであろう。 (豊島逸夫、nikkei = 6-23-23)


進む円安「必要あれば適切に対応」 財務省・金融庁・日銀が会合

外国為替市場で円安ドル高が進んでいるなか、財務省と金融庁、日本銀行の幹部は 30 日、国際金融市場に関する情報交換会を開いた。 会合後、財務省の神田真人財務官は為替相場について「過度な変動は好ましくない。 必要があれば適切に対応していく考えに変わりはない。」と記者団に話した。 円相場は 30 日に一時、昨年 11 月以来の円安水準となる 1 ドル = 140 円 92 銭をつけた。 だが 3 者会合が夕方に開かれると伝わると、一転して円が買い戻され、140 円台前半まで円高に振れた。 市場では、3 者会合が急激に進む円安を牽制する動きと受け止められたようだ。

神田氏は「為替相場はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を反映して安定的に推移することが重要だ」と強調した。 また、米国の債務上限問題などのリスク要因を挙げて「金融為替市場の動向や、わが国経済への影響を十分に注視する必要があるとの認識を共有した」とも明らかにした。 円安の背景にあるのは、日米の金融政策の違いだ。 米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会 (FRB) は昨年 3 月以降、インフレを抑えるための利上げを継続。 一方、日銀は金利を低く抑え込む大規模な金融緩和策を維持している。 日米の金利差が広がり、より金利の高いドルを買う動きが強まっている。

この春に 10 年ぶりに新たな日銀トップに就いた植田和男総裁も「粘り強く金融緩和を続ける」との考えを表明。 就任後すぐに緩和策の修正に動くとの市場の見方を打ち消し、一段と円安の流れが強まった。 (松山尚幹、asahi = 5-30-23)


黒田総裁、金利幅の拡大「必要なし」 国債大量購入も「リスクなし」

日本銀行は 18 日に開いた金融政策決定会合で、現在の大規模な金融緩和の枠組みを続けることを決めた。 市場では今回の会合で、長期金利の変動幅の上限を引き上げるのではとの観測もあったが、黒田東彦(はるひこ)総裁は会合後の記者会見で「変動幅をさらに拡大する必要があるとは考えていない」と述べた。

日銀は昨年 12 月、これまでの大規模な緩和策を修正し、長期金利の上限を 0.5% 程度に引き上げた。 だが、国内の物価上昇が続く中、日銀が金融緩和を修正するとの観測から、国債を売る動きが続き、日銀は金利を抑えるために大量に国債を購入する状況となっている。 月間の国債購入額は今月、過去最高になる見通しだが、黒田氏は大量購入について「何か特別なリスクがあるとは考えていない」と強調した。

市場では日銀が長期金利の上限をさらに引き上げるのではとの観測も広がっていたが、黒田氏はその必要性を否定。 「運用の見直しからさほど時間が経っていない。 市場機能への影響を評価するには時間を要する。」としたうえで、「今後、市場機能は改善していくと見ている」と話した。

また、日銀は 24 年度までの生鮮食品を除く物価上昇率の見通しを、前回 10 月時点よりも一部引き上げた。 22 年度は 10 月時点より 0.1 ポイント引き上げ 3.0%、23 年度は前回の 1.6% で据え置き、24 年度は 1.6% から 1.8% に変更した。 黒田氏は「24 年度の引き上げは、政府のエネルギー価格負担緩和策の押し下げの反動」だと説明。 日銀が目指す、賃金上昇を伴い、物価も上がっていく好循環の達成については「目標を持続的、安定的に達成できる状況が見通せるようになっていない」として、引き続き緩和を続けるとした。

黒田総裁「後任のためではない」

一方、賃金上昇率については、経済界などから今春闘への前向きな意見が出ており、企業収益も好調なことから「これまでとはやや異なり、かなり上昇のテンポが強まっていくと思う」と期待感を示した。 黒田氏は 4 月で任期を終える。 昨年 12 月の政策修正は緩和引き締めへの地ならしとの見方も市場であるが、「後任のためにというのは大変僭越で、そういう考えはない」と語った。

昨年急激に進んだ円安は、足元では円高方向に振れている。 16 日の外国為替市場では円相場が一時 1 ドル = 127 円 20 銭台をつけたが、18 日に日銀が金融緩和の維持を決めたことで、一時 1 ドル = 130 円台に円安が進んだ。 円相場の動きが激しくなっていることについて、黒田氏は「為替政策は政府の権限と責任のもとにある」と述べるにとどめた。 (山本恭介、asahi = 1-18-23)


今週の日銀会合とインフレ報告を前に日本の生産者物価指数が上昇

12 月の日本の生産者物価は前年比 10.2% 上昇し、予想の 9.5%、前回の 9.7% を大きく上回った。 これは 1980 年以来 2 番目に高い数字で、9 月に記録した 10.3% をわずか 1 ポイント下回っただけである。 消費者物価も上昇傾向にあり、金曜日には 4% に上昇すると予想されているため、予想を上回る高い数値には警戒が必要だ。

また、日銀が超低金利金融政策から脱却するための圧力も強まっている。 日銀会合は水曜日に開かれ、金利を -0.1% に据え置くと予想されているが、何らかの形で QT (量的引き締め)を発表する可能性は十分にある。 1 月の会合では、イールドカーブコントロールを調整し、市場を驚かせた。 何か月も前からそのような行動の意図を否定していたのにである。 ここでは 10 年物国債を ±0.25% - ±0.5% の間で取引できるようにした。 (Matt Simpson、Forex = 1-17-23)


NY 市場、円高進む 約 7 か月ぶり 127 円台まで値上がり

13 日のニューヨーク外国為替市場では、日銀の金融政策を決める会合が来週、開かれるのを前に、日銀が金融緩和策をさらに修正するのではないかとの観測から、日米の金利差の縮小が意識されて円高が進み、円相場はおよそ 7 か月ぶりに一時、1 ドル = 127 円台まで値上がりしました。 1 ドル = 127 円台となるのは去年 5 月末以来、およそ 7 か月ぶりです。 市場関係者は「日本の長期金利が上昇したことや、FRB = 連邦準備制度理事会による利上げのペースが落ちるとの見方が広がっていることもあってドル売り円買いが加速する展開となった」と話しています。 (NHK = 1-14-23)


円高進み一時 1 ドル 129 円台、7 か月ぶり水準 … 日銀緩和策修正との観測で

【ニューヨーク = 小林泰裕】 3 日の外国為替市場で、円相場は一時、1 ドル = 129 円台まで円高・ドル安が進んだ。 昨年 6 月上旬以来、約 7 か月ぶりの円高水準となった。 日本銀行が大規模な金融緩和策を修正するとの観測から、円を買い、ドルを売る動きが優勢となっている。 (yomiuri = 1-3-23)


日銀が金融緩和を縮小、事実上の利上げ 長期金利上限 0.5% 程度に

日本銀行は 20 日、金融政策決定会合を開き、大規模な金融緩和の大幅な修正を決めた。 緩和策の一つとして抑えてきた長期金利の上限を、これまでの「0.25% 程度」から「0.5% 程度」へ引き上げた。 事実上の利上げとなる。 「市場機能の改善を図り、より円滑にイールドカーブ全体の形成を促す」としている。

日銀はこれまで、長期金利の指標となる 10 年物国債の利回りの上限を「0.25% %程度」とし、これを超えないように、市場で国債を買い入れてきた。 今回、日銀が「0.5% 程度」まで上昇を認める方針に転じたことで、日本の長期金利が上昇するとともに、日米の金利差が縮まり、円高に振れる可能性がある。 円相場は日銀の発表後に一時 4 円ほど円高が進み、1 ドル = 133 円台をつけた。

見直しの主因となったとみられるのは、市場機能の低下だ。 日銀が長期金利の上限を 0.25% 程度に抑え込むため大量の国債を買い入れてきた結果、国債市場で流動性が低下した。 日銀は声明文で「国債金利は社債や貸し出しなどの金利の基準となるもので、こうした状態が続けば、企業の起債など金融環境に悪影響を及ぼすおそれがある」としている。 (asahi = 12-20-22)


NY 円、8 日続伸 1 ドル = 134 円 30 - 40 銭で終了、ドルの買い持ち縮小で

【NQN ニューヨーク = 横内理恵】 2 日のニューヨーク外国為替市場で円相場は 8 日続伸し、前日比 1 円ちょうど円高・ドル安の 1 ドル = 134 円 30 - 40 銭で取引を終えた。

11 月の米雇用統計が労働市場の強さを示し、発表直後は円売り・ドル買いが優勢だった。 次第に積み上がった対円でのドルの買い持ちを巻き戻す動きが強まり、円は上げに転じた。 朝方には 135 円 98 銭まで上昇する場面があった。 米雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比 26 万 3,000 人増と市場予想(20 万人増)を上回った。 平均時給も前月比 0.6% 増と市場予想(0.3% 上昇)以上に伸び、労働需給が引き締まった状態が続いていると受け止められた。 米長期金利が 3.6% 台に上昇し、日米金利差の拡大を受けて円が売られた。

売りが一巡すると、次第に円買い・ドル売りが優勢になった。 米雇用統計前の欧州市場の時間帯には 133 円台と 8 月中旬以来の水準まで円高・ドル安が進んでいたため、「(ニューヨーク市場で)ドルが上がった場面が円売り・ドル買いの持ち高縮小の好機と捉えられた(クレディ・スイスのアルビーズ・マリノ氏)」という。 米雇用統計を受けても米連邦準備理事会 (FRB) が 12 月会合で利上げ幅を 0.75% から 0.5% に縮小するとの観測は後退しなかった。 雇用統計後に上昇した米長期金利が 3.4% 台と前日終値を下回る水準に下がったのも円買いを誘った。 ニューヨーク市場での円の高値は 134 円 05 銭だった。

円は対ユーロで続伸し、前日比 90 銭円高・ユーロ安の 1 ユーロ = 141 円 50 - 60 銭で取引を終えた。 ユーロは対ドルで 3 日続伸し、前日比 0.0015 ドル高い 1 ユーロ = 1.0535 - 45 ドルで終えた。 米雇用統計の発表直後にはユーロ売り・ドル買いが優勢になったが、その後は円と同様にユーロにも買い直しが入った。 ただ、欧州中央銀行 (ECB) が利上げを減速するとの見方も浮上しており、ユーロの上値は重かった。 ユーロの高値は 1.0542 ドル、安値は 1.0430 ドルだった。 (nikkei = 12-3-22)


1 日で 7 円の円高、一時 1 ドル = 138 円台に 米の利上げ減速期待で

11日の外国為替市場で円相場が一時、1 ドル = 138 円台をつけ、約 2 カ月ぶりの円高水準となった。 10 日に発表された 10 月の米消費者物価指数 (CPI) が市場予想を下回り、米連邦準備制度理事会 (FRB) が物価高(インフレ)を抑えるための利上げペースを減速させるとの期待が拡大。 日米の金利差が縮み、ドルを売り円を買い戻す動きが広がり、1 日で 7 円以上円高に動いた。

10 月の CPI は前年同月より 7.7% 上昇し、市場予想の 8.0% を下回った。 この結果を受け、市場では次回 12 月の会合で FRB が 0.75% 幅から、0.50% 幅に利上げ幅を縮小するとの予想が増加。 その後の利上げペースも鈍化するとの見方から、米国の金利が急低下した。 外国為替市場では、米国の金利が低下したことで日本との金利差が縮み、ドルを売り円を買い戻す動きが出た。 CPI 発表前は 1 ドル = 146 円台前半だった為替相場は、1 ドル = 140 円台に急騰。 11 日のロンドン外国為替市場では一時、1 ドル = 138 円台まで円高が進んだ。 1 ドル = 151 円台後半をつけた 10 月 21 日から 20 日間ほどで約 13 円円高に振れたことになる。 (山本恭介、asahi = 11-11-22)

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NY 市場、円急騰 140 円台に 株高も進む CPI 市場予想下回る

10 日の米ニューヨーク市場は、この日に発表された米国の 10 月の消費者物価指数 (CPI) の伸びが市場予想を下回ったことを背景に、円高と株高が急激に進んだ。 激しい物価高(インフレ)がピークを超えたとの見方が広がり、円相場は一時、1 ドル = 140 円台と 6 円近く急騰し、約 2 カ月ぶりの水準をつけた。 主要企業でつくるダウ工業株平均は 1,200 ドル値上がりした。

10 月の CPI は前年同月より 7.7% 上昇。 8 カ月ぶりに 8% 台を下回り、市場予想の 8.0% も下回った。 市場では、次回 12 月の会合で米連邦準備制度理事会 (FRB) がこれまで 4 会合連続で行った 0.75% 幅から、0.50% 幅に利上げ幅を縮小するとの予想が増えた。 その後の利上げペースも鈍化するとの見方から、米国の金利が急低下した。

外国為替市場では、米国の金利が低下したことで日本との金利差が縮み、ドルを売り円を買い戻す動きが出た。 円相場は一時、1 ドル = 140 円台に急騰。 CPI 発表前の 146 円台から 6 円近く円高に傾いた。 株式市場では、金利低下で景気減速への懸念が後退。 ダウは前日より 1,201.43 ドル(3.70%) 高い 3 万 3,715.37 ドルで取引を終えた。 上げ幅は 2020 年 4 月以来、約 2 年 7 カ月ぶりの大きさだった。 (asahi = 11-11-22)

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