「地球防衛」の世界初実験 小惑星に探査機衝突、NASA が成功 将来、地球に衝突する可能性がある小惑星が確認された時に備え、米航空宇宙局 (NASA) などは米国東部時間 26 日夜(日本時間 27 日朝)、地球から打ち上げた探査機を小惑星に衝突させることに成功した。 今後、軌道が変わっていくかどうか調べる。 SF 映画さながらの実験で、このような試みは世界で初めてだ。 地球から約 1,100 万キロ離れた宇宙で、米国の探査機 DART (重さ約 570 キロ)を直径約 160 メートルの小惑星「ディモルフォス」に衝突させた。 NASA がライブ中継した探査機からの映像では、小惑星に近づいていき、衝突直前には地表が映し出された。 その後、映像は途絶えた。 この小惑星は、実際には地球に衝突する心配はなく、別の小惑星「ディディモス」を 11 時間 55 分の周期で回り続けていた。 NASA などは今後、この周期がどう変わるかを観察する。 また、衝突の瞬間を近くで撮影していた別の探査機からの映像も分析する。 (ワシントン = 合田禄、asahi = 9-27-22) ◇ ◇ ◇ 探査機が小惑星に体当たり、軌道ずらして地球守れ … NASA が初の実験へ 【ローレル(米メリーランド州) = 冨山優介】 米航空宇宙局 (NASA) は 26 日(日本時間 27 日)、無人探査機 DART (ダート)を小惑星に体当たりさせて軌道を変える世界初の実験に挑む。 将来地球に衝突する小惑星が現れた際、地球を守る手段となりうるのかを確かめるのが目的だ。 DART は全長 1.9 メートルで、長さ 8.5 メートルの太陽光パネル 2 枚を持ち、重さは約 550 キロ・グラム。 2021 年 11 月、今回の実験のために米カリフォルニア州から打ち上げられた。 DART をぶつけるのは、地球から約 1,100 万キロ・メートル離れた位置にある小惑星ディモルフォス(直径約 160 メートル)だ。 ディモルフォスは別の小惑星ディディモスの周囲を約 12 時間の周期で回っている。 DART を約 900 万倍の重さのディモルフォスに秒速 6.6 キロ・メートルでぶつけ、周回軌道を少しだけ内側へ変えられるかを確認する。 チームは衝突実験によって周期が 10 分ほど短くなると予想している。 ディモルフォス自体は地球へ衝突する恐れはないという。 天体の衝突から地球を守る取り組みは「プラネタリー・ディフェンス(惑星防衛)」と呼ばれる。 NASA によると、地球に近付く小惑星のうち約 2,200 個は、大きさが 140 メートルを超え、衝突時に深刻な被害が起きかねない「潜在的に危険な小惑星 (PHA) 」に分類されている。 13 年には、推定直径約 17 メートルの小惑星がロシア中部チェリャビンスク州に落下し、衝撃波で約 1,500 人が負傷した。 (yomiuri = 9-24-22) ◇ ◇ ◇ 宇宙船を小惑星にぶつけて軌道をずらす地球防衛技術の実験を NASA がいよいよ実施 地球に接近する小惑星や彗星に、制御した宇宙船をわざと衝突させて軌道をずらし地球を守る技術に関する世界初のミッション「DART」が行われることになりました。 DART は 2017 年に承認を受け、2022 年に実験を行うスケジュールで進められてきました。 NASA が最終的に目指しているのは地球の脅威となる小惑星や彗星の軌道をずらす技術の確立ですが、テストミッションである DART では、地球に脅威を与えない小惑星の軌道をずらせるかどうかの検証が行われます。 DART の対象は、地球近傍小惑星の 1 つで直径約 780m の「Didymos (ディディモス)」の周囲を回っている直径約 160m の「Dimorphos (ディモルフォス)」です。 DART がディモルフォスに衝突することでずれた連星の軌道と、シミュレーションの結果を比較することで、DART の有効性の評価と、将来的な地球防衛シナリオにどのように適用するのが最善なのかという検討、そしてシミュレーションが実際の挙動をどれぐらい反映しているのかという正確性の評価が行われます。 宇宙船のディモルフォスへの衝突は現地時間 2022 年 9 月 10 日 19 時 17 分の予定です。 (Gigazine = 8-24-22) NASA 火星探査車「Perseverance」 火星で合計 50 グラムの酸素生成に成功 マサチューセッツ工科大学 (MIT) は 8 月 31 日付で、アメリカ航空宇宙局 (NASA) の火星探査車「Perseverance (パーシビアランス、パーセベランス)」に搭載されている酸素生成実験装置「MOXIE (Mars Oxygen In-Situ Resource Utilization Experiment)」について、時間帯や季節をほぼ問わずに、火星の大気からの安定した酸素生成に成功したことを明らかにしました。 MOXIE の成果は MIT ヘイスタック観測所の Michael Hecht さん(MOXIE の主任研究員)を筆頭とする研究チームが論文にまとめ、学術誌「サイエンス・アドバンシス」に同日付で掲載されています。 ■ 合計約 50g の酸素を実際に火星で生成することに成功 火星探査は無人の探査機や探査車によって行われてきましたが、現在 NASA は半世紀ぶりに有人月面探査を行う「アルテミス」計画を推進するとともに、将来の有人火星探査を検討しています。 有人探査では宇宙飛行士が生存したり地球へ帰還したりするために酸素・水・食料・燃料などが必要となりますが、こうした物資を地球から持ち込むにはコストが掛かります。 そこで注目されているのが、現地の資源を利用する「その場資源利用 (ISRU : In-Situ Resource Utilization)」技術です。 たとえば、月の永久影や火星の地表下には水の氷が埋蔵されているとみられており、これらを採掘することで有人探査に必要な水を確保することが検討されています。 また、月の砂「レゴリス」を月面基地の建材として利用する方法も研究されています。 こうした「その場資源利用」の一環として、現地で酸素を確保する技術についても研究が進められています。 酸素を得るには水を電気分解する方法がありますが(燃料として利用できる水素も同時に得られます)、火星の場合は大気の主成分である二酸化炭素を分解して酸素を得る方法も検討されています。 NASA のジェット推進研究所 (JPL) によると、4 人の宇宙飛行士を火星から飛び立たせるには 7 トンの燃料と 25 トンの酸素が必要であり、それだけの量の酸素を地球から運び込むことに比べれば、1 トンの酸素生成装置を輸送するほうがずっと経済的で実用的だといいます。 MOXIE は火星大気中の二酸化炭素を利用して酸素を生成する技術を実証するために、MIT のヘイスタック観測所と航空宇宙工学科の研究者、および JPL の技術者によって開発されました。 MOXIE の稼働時間は 1 時間で、その間に最大 10g の酸素を生成する能力があります。 MOXIE は 2021 年 4 月 20 日に初めて稼働し、約 5.4g の酸素を火星の大気から得ることに成功していました。 研究チームによると、MOXIE による酸素生成は 2021 年 11 月 29 日までに 7 回実施されており、2 回目以降は 1 時間あたり 6g の酸素を生成するという目標が毎回達成されました。 1 回あたりの最大生成量は 8.9g で、これまでに合計 49.9g の酸素が火星で生成されています。 さまざまな大気条件に対応できることを確かめるために、MOXIE を作動させるタイミングは異なる時間帯や季節が選ばれています。 MOXIE によって時間帯や季節をほぼ問わずにいつでも酸素を生成できることが 7 回の実験を通して確かめられており、まだ実証されていないのは気温が大きく変化する夜明けや夕暮れの時間帯だけだといいます。 MOXIE の副主任研究員を務める MIT 航空宇宙工学科教授の Jeffrey Hoffman さんは「火星の大気は地球よりもはるかに変わりやすく、空気の密度は 1 年を通して 2 倍、(昼夜の)気温は摂氏 100 度も変化します。 すべての季節で(酸素生成を)実行できることを示すのが目標の一つです。」とコメントしています。 MOXIE のチームは酸素の生成量を増やすために、次は火星の大気密度と二酸化炭素の濃度が高くなる春の季節 (*) 実施することを計画しています。
MOXIE は Perseverance に搭載されているさまざまな科学装置の 1 つであり、搭載できるスペースや利用できる電力が限られているため、1 回の稼働で生成できる酸素の量は限られています。 また、MOXIE が酸素を生成する際には摂氏 800 度の高温が必要となるため、稼働前に数時間かけてウォームアップしなければなりません。 しかし、MOXIE によって実証された火星での酸素生成技術は、将来の火星探査に活かされることになります。 MOXIE はサイズが約 31 x 24 x 24cm、重量が 17.1kg という小さな装置ですが、"酸素工場" として火星に持ち込まれるのはより大型化し、理想的には連続稼働する本格的な酸素生成装置になるはずです。 NASA のビル・ネルソン長官は、有人火星探査に関連して「人類が 2040 年までに火星を歩けるようにするのが我々の計画だ」と 2022 年 3 月に発言しています。 アメリカのスペース X が開発を進めている大型再利用宇宙船「スターシップ」も、火星入植が大きな目的の一つです。 火星での酸素生成がごく当たり前に行われる日が訪れるのも、そう遠くないのかもしれません。 (松村武宏、sorae = 9-17-22) ロシア、国際宇宙ステーション撤退へ 国営企業社長が表明 ロシア国営宇宙企業ロスコスモスのボリソフ社長は 26 日、プーチン大統領と面会し、ロシアが日本や欧米などと共同で運用する国際宇宙ステーション (ISS) に関し、2024 年までの共同運用終了後の撤退は「決定している」と述べた。 ロシアと日米欧などは 24 年までは ISS を共同で運用することで合意しているが、ボリソフ氏は、宇宙開発担当の副首相を務めていた昨年、撤退の方針を表明していた。 ボリソフ氏はプーチン氏との面会で「もちろんパートナーに対するすべての義務は果たす」とした上で、共同運用終了後に撤退すると説明。 その頃までにはロシア独自の宇宙ステーションが展開されていると主張した。 プーチン氏は「了解した」と応じた。 タス通信によれば、ペスコフ大統領報道官は 26 日、ISS 撤退の決定は「以前に行われていた」と語った。 (jiji = 7-26-22) 米ボーイング、新型宇宙船を打ち上げ 無人試験飛行で ISS へ 米航空大手ボーイングは米東部時間 19 日午後 7 時前(日本時間 20 日午前 8 時前)、米フロリダ州のケープカナベラル空軍基地で新型宇宙船「スターライナー」を打ち上げた。 今回は無人の試験飛行で、約 24 時間後に国際宇宙ステーション (ISS) へのドッキングをする予定。 スターライナーはアトラス V ロケットで打ち上げられた。 約 15 分後に切り離され、約 30 分後に地球の軌道に入った。 順調にいけば ISS にドッキングし、宇宙に滞在中の飛行士らに食料などを届ける予定。 その後、再び地球に戻ってきて、米西部の砂漠地帯に着陸する計画だ。 ボーイングは 2019 年にこの宇宙船の無人試験に挑んだが、自動操縦のためのタイマーに不具合があり、軌道投入に失敗。 ISS へのドッキングを断念し、地球に帰還させた。 昨年にも打ち上げ試験をしようとしたが、燃料バルブに不具合が見つかって延期された。 米航空宇宙局 (NASA) はかつて宇宙を往復していたスペースシャトルの後継機を民間企業の開発に託した。 その期待に応え、イーロン・マスク氏が率いるスペース X は宇宙船ドラゴンを開発し、20 0年から ISS を往復する運用飛行を開始。 NASA や宇宙航空研究開発機構 (JAXA) の宇宙飛行士が搭乗するだけでなく、民間人を乗せた商業飛行も実施している。 宇宙船を開発する意図は 11 年のスペースシャトル退役後、スペース X の宇宙船が開発されるまでは、NASA の宇宙飛行士が ISS へ行く場合、ロシアのソユーズ宇宙船に搭乗していた。 ロシアのウクライナ侵攻後も NASA の宇宙飛行士がソユーズで地球に帰還するなど協力関係は続いているが、米国が再び宇宙を往復する手段を手にしていることは外交の観点からも大きな意味を持つ。 ボーイングがスターライナーの開発に成功すれば、米国は宇宙飛行士の移動手段の選択肢を増やすことができる。 同社は NASA などからの依頼で宇宙飛行士を ISS へ運ぶほか、自ら宇宙旅行を提供することも視野に入れている。 (ワシントン = 合田禄、asahi = 5-20-22) 国際宇宙ステーション引退へ 31 年に南太平洋に落下、NASA 計画 日米欧ロなどが建設した国際宇宙ステーション (ISS) の運用を 2030 年で終える計画を米航空宇宙局 (NASA) が発表した。 31 年 1 月に南太平洋上に落下させて廃棄する構想という。 民間が建設する新たなステーションに役割を引き継ぎ、NASA は月や火星の探査に注力する方針だ。 NASA は 1 日、米バイデン政権が昨年末に決めた 30 年までの運用延長に基づく計画を公表。 計画では、民間に協力して 20 年代のうちに新しいステーションを建設させ、NASA や各国の宇宙機関は顧客として、民間のステーションを利用する。 ISS は、地上約 400 キロ上空の現在の軌道から徐々に高度を下げ、最終的に南太平洋の上空で大気圏に再突入させるという。 NASA は、米宇宙企業アクシオムやブルーオリジン、ナノラック、米航空宇宙企業ノースロップ・グラマンと民間ステーション建設で合意している。 ISS は 1998 年、15 カ国が参加して建設が始まり、2000 年からは飛行士が滞在を始めた。 近年は老朽化が目立っていたほか、巨額の維持費も問題になっていた。 宇宙ステーションは、ロシアがミールを運用していたが、2001 年に廃棄された。 現在は ISS のほか、中国が独自のステーションを建設している。 (asahi = 2-3-22) 史上最大の宇宙望遠鏡打ち上げ 「第 2 の地球」観測に期待 【ワシントン】 米航空宇宙局 (NASA) などは 25 日、史上最大の宇宙望遠鏡「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」を南米フランス領ギアナのクールー宇宙基地からアリアン 5 ロケットで打ち上げた。 約 30 分後に望遠鏡は予定通り切り離され、打ち上げは成功した。 生命が存在しうる「第 2 の地球」や、135 億年前にできた最初の銀河などの観測が期待されている。 技術的問題などから打ち上げ延期を繰り返し、開発費は 1 兆円を超えた。 1990 年打ち上げのハッブル宇宙望遠鏡の後継で、最大 10 年間の稼働を見込む。 ガスやちりに邪魔されず、遠い宇宙の姿を見られるのが特長だ。 (kyodo = 12-25-21) 宇宙港から離陸したスペースシップ いよいよ幕を開けた宇宙旅行元年 米南部ニューメキシコ州の、低い木がぽつぽつと生える広大な大地の中に、空港ならぬ「宇宙港」がある。 見た目は通常の空港と似ているが、飛び立つのは宇宙船だ。 モダンな流線形のターミナルビルと、南北に 3 キロ以上にわたって伸びた滑走路が目を引く。 7 月 11 日早朝、宇宙企業ヴァージン・ギャラクティックの試験飛行があった。 米国メディアの取材陣たちとともに、同州南部の街ラスクルーセスのホテルに午前 3 時に集合し、大型バスで向かった。 「宇宙産業にとって画期的な瞬間だ。 今日、すべての人が宇宙へアクセスできるように励んでいる。」 宇宙港では、地上の大型スクリーンの前で数百人の招待客らが見守るなか、マイケル・コルグラジア CEO が語りかけていた。 そして、二つの胴体が主翼でつながった「双胴型」の飛行機がするすると動き出した。 真ん中に全長約 18 メートル、翼の幅約 8 メートルの小型飛行機のような宇宙船「スペースシップ 2」をつり下げ、滑走路を加速して、普通の飛行機の離陸と同様に飛び立つ。 約 40 分後、地上の会場のはるか頭上の高度約 1 万 4 千メートルで宇宙船が飛行機から切り離された。 ロケットエンジンを点火し、オレンジ色の激しい炎をあげ、一直線にさらに上空へと駆け上がる。 雲を引き、どんどん高度を上げていく。 雲一つない快晴だったが、いつしか地上からは肉眼で追えなくなった。 ライブ中継の大型スクリーンに、高度が 80 キロを超え「宇宙空間」に達したことが表示されると、大歓声が上がる。 乗り込んだ 6 人のうち一人は、英ヴァージン・グループを設立し、破天荒な実業家として著名な創業者のリチャード・ブランソン氏だ。 船内の様子が中継されると、映像や音声は途切れ途切れだったが、ブランソン氏が興奮気味にまくし立てた。「まさに一生に一度の経験だ。」 「宇宙から見えたのは、信じられない青色」 会場は大歓声に包まれた。 食事や飲み物が振る舞われ、ステージでは人気歌手のカリードさんのコンサートも。 まるでスポーツ観戦を楽しんでいる雰囲気だ。 スペースシップ 2 が宇宙空間に滞在したのは数分間。 宇宙空間から再突入するとき、「バン、バン」という音速を超えて飛ぶ際に生じる大きな衝撃音が会場に響いた。 無事に地球へ戻ってきたことを告げる音だ。 離陸から約 1 時間 10 分後、再び宇宙港へ戻ってきた。 実はこの試験飛行、実施が発表されたのは打ち上げから約 10 日前だった。 7 月 20 日には、同じ米国の大富豪でアマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が手がける宇宙企業ブルーオリジンの初めての有人宇宙旅行が控えていたため、ライバルより先に「創業者の宇宙旅行」を実現して、話題をさらおうという意図が透けてみえた。 招待客にはヴァージン社の宇宙旅行のチケットを購入した人たちもいた。 当初 1 席 20 万ドル(約 2,200 万円)で売り出された後、25 万ドル(約 2,800 万円)に値上げされ、さらに現在は 45 万ドル(約 5 千万円)。 日本人購入者もいる。 帰還したブランソン氏は観客の前のステージへ駆け上がり、「宇宙から見えたのは、すばらしく暗い空。 信じられない青色。生涯の夢がかなって感激している。」と語った。 創業者が自ら搭乗して安全性をアピールするねらいもあるのだろう。 様子を見守りながら、こう実感した。 民間企業が、ビジネスとして、宇宙旅行を提供する時代がいよいよやってきた - -。 チケットを買えば宇宙へ行ける時代 60 年前の旧ソ連軍人ガガーリンによる世界初の有人宇宙飛行、アポロ 11 号による人類初の月面着陸、宇宙ステーションでの長期滞在と、有人宇宙飛行は各国の威信をかけた国家プロジェクトだった。 ロケット打ち上げは、主に米航空宇宙局 (NASA) やロシアの宇宙機関ロスコスモスなどが担ってきた。 1986 年のスペースシャトル・チャレンジャーの打ち上げ直後の爆発、2003 年のスペースシャトル・コロンビアの空中分解など多数の犠牲も払った。 そんな歴史を経ていま、チケットを買えば宇宙へ行ける時代が幕を開けた。 ガガーリンが残した言葉「地球は青かった」を自ら体験できる時代だ。 ビジネスとしての宇宙旅行には拠点となる地域の期待も大きい。 ヴァージン・ギャラクティックの打ち上げの翌日、ニューメキシコ州のラスクルーセスから約 3 時間車を走らせ、テキサス州南西部のメキシコ国境の小さな街、バンホーンに入った。 翌週にブルーオリジンの初めての有人宇宙旅行が控えていたからだ。 人口約 1,800 人。 長距離トラックの運転手や車で長旅をする人たちが宿泊したり、車を整備したりするのに立ち寄ることが多く、モーテルやガソリンスタンド、車の整備工場が主な産業だ。 そこに約 15 年前、ブルーオリジンが広大な牧場地を買収してロケット打ち上げ拠点を建設した。 平屋建ての市庁舎を訪ね、入り口にいた女性に市長との取材アポイントがある旨を伝えると、その女性がベッキー・ブリュースター市長 (63) だった。 ブリュースター市長は「いまやブルーオリジンのような企業は地元経済に不可欠。 もしやって来なければ衰退し続けていた。」と話す。 1970 年代には 3 千人弱だった人口も減り続けてきた。 ブルーオリジンがやってきて、250 人ほどの従業員が滞在するようになり、100 人ほどがこの街の住民になった。 市長は「街には楽しみにしている人も無関心の人も両方いる。 けれど私はとても興奮している。 小さいころにスタートレックを見て、大学生のころにスターウォーズを見ていたから。」と笑った。 ブルーオリジンは 7 月 20 日、ベゾス氏ら 4 人を乗せた初めての商業宇宙旅行を成功させた。 宇宙滞在は数分間、打ち上げから着陸までは 10 分ちょっとの弾丸旅行だ。 同社は 10 月にも 2 回目の宇宙旅行を成功させ、12 月には 3 回目の打ち上げも控える。 打ち上げの度に多くの人が集まり、地元経済にも貢献しているようだ。 衝撃的な内部告発も とはいえ、各社が言うようなバラ色の話題ばかりではない。 ブルーオリジンの 2 回目の宇宙旅行の直前、衝撃的な内部告発があった。 同社の社員や元社員ら 21 人が 9 月末、同社の安全性に対する意識の問題を指摘する内部告発をネット上に掲載したのだ。 社内会議で幹部が「リチャード(・ブランソン)やイーロン(・マスク)はいつ打ち上げるのか」と頻繁に問い、競合他社に先駆けることを重視し、安全性が軽視されているとした。 「(21 人の)多くはブルーオリジンの機体には乗らないと言っている」とも指摘した。 安全性の懸念はヴァージンにもある。 同社は 2014 年、パイロットら 2 人が死傷する墜落事故を起こした。 米メディアによると、今年 7 月の飛行では機体が予定ルートを外れていた。 米連邦航空局 (FAA) は飛行許可を一時停止した。 次の有人飛行は秋に予定されていたが、機体の一部の強度の問題が発覚し、後ろ倒しに。 現在商業飛行は 2022 年第四半期から始めるとしていて、計画は遅れ気味だ。 ブルーオリジンの内部告発で言及された「イーロン」は、米電気自動車メーカーのテスラを創業したイーロン・マスク氏だ。 世界の宇宙企業で先頭を走る「スペース X」を手がけ、火星移住プロジェクトも視野に入れている。 NASA や JAXA の宇宙飛行士を国際宇宙ステーション ISS に運ぶミッションを 3 回成功させた。 NASA のミッションを実質的に引き継いだ。 スペース X も 9 月、初めての民間宇宙旅行を実施した。 同社の宇宙旅行は、宇宙船が 3 日間にわたって地球の軌道をぐるぐる回り続ける旅程だ。 宇宙旅行はいま、安くて数千万円、国際宇宙ステーション (ISS) まで行くなら数十億円。 現状ではお金持ち限定の新しい「遊び」に過ぎない。 だが、関係者は一様に「航空業界も最初はそうだった」と口をそろえる。 海外旅行は旅客数が増え、航空会社が増え、便数が増えるとともに格段に安くなった。 宇宙への旅がビジネスになれば、同様になるのか - -。 宇宙旅行と航空産業を比べるのは正しい比較なのかは、疑問もある。 ただ、ブランソン氏やベゾス氏、マスク氏と別々の分野で新たな産業を切り開いてきた人たちが、こぞって宇宙産業に投資し、宇宙を大きなビジネスチャンスだと見ていることは確かだ。 実際、ベゾス氏は 7 月に自ら宇宙へ飛び立って帰還した後の記者会見で「(宇宙旅行のチケットの)売り上げはすでに 1 億ドル(約 110 億円)に近づいている。 需要は非常に多い」と明かしている。 さらに、自身が創業したアマゾンを巨大企業に成長させたことを例にして、「私たちがしていることは、大きな何かの最初の一歩だ。 約 30 年前にアマゾンでやったことがある。」と語った。 実際、1990 年代にベゾス氏が 6 畳間ほどの自室をアマゾンの本社としていたときに、いまの同社を想像できた人はほとんどいなかっただろう。 いったん宇宙空間に出ると、超高速で移動できる。 帰ってくる場所を変えれば、宇宙空間経由で地上の別の場所へ移動する「宇宙旅客機」にもなりうる。 実際、宇宙空間を飛ぶことで東京とニューヨークを 1 時間で結ぶような旅客機の構想もある。 まだ現状では構想の域で、大きな事故が起きれば関連産業の発展は停滞を余儀なくされるだろう。 「宇宙旅行元年」とも言うべき今年は、これから何年後かに、新しい産業が花開く最初の瞬間だったと振り返ることになるのかもしれない。 それだけに、無理な競争や拙速な成果を求めることで、安全が軽視されることだけは、避けて欲しいところだ。 (合田禄、asahi = 12-16-21) ZOZO 創業の前澤さん、宇宙ステーションに到着 日本の衣料品通販大手 ZOZO (ゾゾ)創業者の前澤友作さん (46) が 8 日、ロシアの宇宙船で国際宇宙ステーション (ISS) へと出発し、宇宙空間に到達した大富豪の仲間入りをした。 同日夜(日本時間 9 日未明)に ISS 内に入り、滞在を開始したと報じられている。 ISS を旅行者が訪れることは、ここ 10 年以上なかった。 前澤さんは 12 日間過ごす見込み。 宇宙では、ゴルフをする、風船をふくらませる、紙飛行機を飛ばすなど、一般から募集した 100 種のアイデアを試すという。 かつてパンクロックバンドのドラマーだった前澤さんは、ZOZOTOWN (ゾゾタウン)などのオンライン通販などで財産を築いた。 昨年、一緒に宇宙に行く新たなガールフレンドを募集したが、その後に取りやめた。 前澤さんは 2023 年に、米電気自動車メーカー、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者が設立したスペース X の宇宙船で月を旅行する、最初の一般人となる予定だ。 今回の ISS 訪問は、月旅行の前段階となっている。 (BBC = 12-9-21) NASA、小惑星に衝突させて軌道を変える探査機「DART」の打ち上げに成功 NASA は、初の「惑星防衛」の技術実証をする探査機を打ち上げました。 このミッションは「DART (Double Asteroid Redirection Test : 二重小惑星方向転換試験)」と呼ばれ、探査機を小惑星へぶつけることにより、軌道変更を行う実験を実施します。 探査機を搭載したスペース X 社のファルコン 9 ロケットは、日本時間 11 月 24 日午後 3 時 21 分、カルフォルニアにあるヴァンデンヴァーグ宇宙軍基地第 4 番発射台から打ち上げられました。 その後、発射から約 55 分後にロケットからの分離に成功し、数分後には地球と最初の通信や探査機に設置されている太陽光パネルの展開も確認されました。 なお、お馴染みとなったファルコン 9 ロケットの再帰還にも成功。 このミッションでは、3 回目の機体を使用し、太平洋上に待機するドローン船「Of Cource I Still Love You」へ着陸しました。 DART は、直径 780m の小惑星ディディモス (Didymos) の衛星であるディモルフォス (Dimorphos) に探査機を衝突させて、軌道変更を行います。 ミッションは、ジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所がリードして実施されます。 また、探査機にはイタリア宇宙機関 (ASI) が開発したキューブサット「LICIA Cube」が搭載され、探査機の衝突前に切り離され、衝突の瞬間を撮影する予定です。 さらに 4 年後、ヨーロッパ宇宙機関 (ESA) の Hera ミッションが、両方の小惑星について詳細な調査を行う予定にもなっており、「国際的な」プロジェクトといえます。 探査機は、2022 年 9 月 26 日から 10 月 1 日の間に、秒速 6.6km でディモルフォスに衝突する予定です。 そして軌道の変更は、地上にある精密な望遠鏡により観測が可能であるとしています。 地球への天体衝突は私たちにとって脅威です。 2013 年にはロシアで隕石が落下し、1,000 名以上の負傷者が発生しました。 また一方で、天体衝突を想定した SF 映画や SF 小説が古くから作られてきました。 NASA 長官のビル・ネルソン氏は「DART は科学小説を科学的な事実に変えるでしょう」と述べています。 地球に接近する軌道を描く小惑星は「地球接近天体 (Near Earth Object)」と呼ばれ、特に衝突の危険性が高いものは「潜在的に危険な小惑星 (Potentially Hazardos Asteroid)」として追跡観測の対象となっています。 万が一、小惑星が地球へ衝突する確率が高くても、衝突体をぶつけて軌道を変える「キネティック・インパクト」により回避できるとされており、DART はこれを初めて実証するミッションです。 (出口隼詩、Sorae = 11-26-21) 星出飛行士、半年ぶり帰還 民間宇宙船「クルードラゴン」で海に着水 国際宇宙ステーション (ISS) に長期滞在して日本人として 2 人目となる船長を務めた星出彰彦飛行士 (52) が日本時間 9 日午後 0 時半ごろ、半年ぶりに地球に帰還した。 滞在中には自身 4 回目となる船外活動もこなした。 船外活動時間は計 28 時間 17 分となり、これまで最長だった野口聡一飛行士を上回って日本人最長を更新した。 星出さんら 4 人を乗せた民間宇宙船「クルードラゴン」はこの日午前 4 時過ぎに ISS から分離。 昼ごろに大気圏に再突入し、パラシュートで海に着水した。 星出さんは半年を過ごした ISS を離れる前、ツイッターに「名残惜しさを感じつつ、地上の風を感じることを楽しみにしている」と投稿した。 帰還は 5 日の予定だったが、交代する飛行士の打ち上げが遅れた影響で延期され、その後も悪天候のため延期になっていた。 (小川詩織、asahi = 11-9-21) 韓国、初の純国産ロケット打ち上げ 模擬衛星の軌道投入失敗 韓国は 21 日、重さ 1.5 トンの模擬人工衛星を搭載した初の純国産宇宙ロケット「KSLV-II」、通称「ヌリ号 (Nuri)」を打ち上げた。 だが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、模擬衛星の軌道投入には失敗したと発表した。 韓国は宇宙先進国の仲間入りを目指しており、成功すれば世界で 7 例目だった。 文氏によると、打ち上げと 3 段階の切り離しには成功し、衛星を搭載する先端部の切り離しもうまく行ったが、「模擬衛星の軌道投入は未成功のままに終わった」という。 高興の打ち上げ場から炎を上げながら上昇したヌリ号は、数分以内に当初の目標高度 600 キロに達した。 ヌリ号は 3 段式で、10 年をかけ 2 兆ウォン(約 1,940 億円)を投じて開発された。 重量 200 トン、全長 47.2 メートルで、液体燃料のエンジン 6 基を備える。 韓国の宇宙開発計画はトラブルの連続だった。 2009 年と 2010 年に一部ロシア製のロケットで初の打ち上げを目指したが、2 回とも失敗に終わった。 2010 年は打ち上げの 2 分後にロケットが爆発し、韓国、ロシア間で非難合戦が起きた。 2013 年には打ち上げに成功したものの、1 段目のエンジンはロシア製だった。 (AFP/時事 = 10-21-21) 民間人 4 人を乗せた宇宙船「クルードラゴン」が地球に帰還 米国の実業家ら民間人 4 人を乗せ地球を周回していた米スペース X 社の宇宙船「クルードラゴン」が日本時間 19 日午前 8 時過ぎ、米フロリダ州沖の海に着水し、地球に帰還した。 乗員は、米決済情報処理企業を経営するジャレッド・アイザックマン氏 (38) ら 4 人。 ミッションは、小児がん治療で有名なセント・ジュード小児研究病院への寄付金集めが目的で、宇宙では同病院と中継をつなぎ、子どもたちと交信するなどの活動を行った。 (yomiuri = 9-9-21) ◇ ◇ ◇ 民間初、3 日間の地球周回旅行始まる スペース X が 4 人を打ち上げ 米宇宙企業スペース X は米東部時間 15 日午後 8 時ごろ(日本時間 16 日午前 9 時ごろ)、民間人 4 人を乗せた宇宙船を打ち上げ、民間のみによる世界初の地球周回旅行を始めた。 宇宙船は 3 日間にわたって地球を回り、米東部時間 18 日にフロリダ沖の海上に着水する予定だ。 米国では 7 月、宇宙に数分だけ滞在する宇宙旅行が始まったが、民間企業が地球周回軌道に有人宇宙船を飛ばすのは初めて。 4 人が乗るのは、野口聡一飛行士が国際宇宙ステーション (ISS) を往復するのに乗ったドラゴン宇宙船。 旅行用に展望窓が取り付けられ、フロリダ州のケネディ宇宙センターからファルコン 9 ロケットで打ち上げられた。 ロケットは宇宙船を切り離した後、地上に戻って再利用される。 今回飛行する男女 4 人はいずれも宇宙滞在が未経験で、米実業家で店舗向けの支払いシステム会社の創業者ジャレッド・アイザックマン氏と、小児がんで片脚を失った義足の医療専門職員ヘイリー・アルセノー氏、米空軍を退役したクリス・センブロスキー氏、地球科学者のサイアン・プロクター氏。 アイザックマン氏が費用を負担し、他の 3 人を招待した。 支払った金額は非公表。 今回の飛行は、小児がんを多く手がけるセントジュード小児研究病院へのチャリティーも兼ねており、宇宙を飛んだ記念品などをオークションで販売して寄付を募る。 飛行中に 4 人の生体データも採取し、今後の宇宙飛行に生かすという。 宇宙飛行をめぐっては、米アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏がつくった米ブルーオリジンが 7 月、乗客を乗せた初の宇宙旅行を実現。 英実業家が創業した米ヴァージン・ギャラクティックも飛行機型の宇宙船で来年から本格飛行を始める予定だ。 ただ、これらは宇宙に飛び出してすぐに帰ってくる「サブオービタル」と呼ばれる飛行だった。 スペース X は、電気自動車のテスラを創業したイーロン・マスク氏が創業した宇宙企業。 独自のロケットと宇宙船で日米の飛行士を ISS へ運んでおり、今回、地球を回る宇宙旅行を始めた。 さらに大型の宇宙船も開発しており、衣料品通販サイト運営会社 ZOZO の創業者で実業家の前沢友作氏が月を回る旅行を契約している。 (ケネディ宇宙センター〈フロリダ州〉 = 合田禄、asahi = 9-16-21) 国際宇宙ステーション、一時制御不能に ロシア実験棟が想定外のエンジン噴射 ワシントン DC : 米航空宇宙局 (NASA) は 29 日、国際宇宙ステーション (ISS) にドッキングしたロシアの新しい実験棟「ナウカ」が想定外のエンジン噴射を行って ISS との間で「綱引き」状態となり、一時的にISSの姿勢が制御できなくなったと発表した。 ナウカはロシア国営宇宙企業ロスコスモスが先週打ち上げた実験棟。 米国時間の 29 日午前、ISS にドッキングした後に誤ってエンジンを噴射した。 この影響で 1 時間ほど ISS の姿勢が制御できなくなり、ISS に滞在している宇宙飛行士 7 人と地上の管制塔との通信が 11 分間にわたって途絶。 NASA は「宇宙船非常事態」を宣言した。 現在は NASA とロスコスモスが共同で捜査を行っている。 NASA の ISS 計画責任者ジョエル・モンタルバーノ氏は、宇宙飛行士が危険にさらされる事態にはならなかったと強調し、ISS のダメージも確認されていないとした。 しかし、テキサス州ヒューストンにある NASA 管制塔が ISS の乗員に対し、窓の外を見て残骸や ISS の損壊がないか確かめるよう促す場面もあった。 この影響で、30 日に予定していた無人飛行実験機「ボーイング・スターライナー」の打ち上げは延期になった。 ISS 乗員はこの間に、「新たに到着したロスコスモスのナウカモジュールの点検を続け、スターライナーの到着準備ができていることを確認する」と NASA は説明している。 (CNN = 7-30-21) 大型宇宙船やっと着陸成功 挑戦 5 回目、初めて爆発せず 米宇宙企業スペース X が開発している大型宇宙船スターシップの試験機 SN15 が 5 日(日本時間 6 日)、5 度目の試験飛行に挑み、高度 10 キロから着陸に成功した。 過去 4 回は、着陸に失敗したり、着陸後に爆発したりしたが、初めて完全な形で成功した。 年内に無人で宇宙まで試験飛行する計画。 完成すれば月周回旅行に使われ、衣料品販売サイト「ZOZO」の前沢友作元社長が乗る予定だ。 SN15 は、テキサス州ボカチカの打ち上げ場で、3 基のエンジンに点火して上昇。高度約 10 キロでしばらく静止したのち、エンジンを止めて降下した。 地面が近づくと、機体を真横にした状態から、再びエンジンに点火して垂直に立て直し、速度を落としてゆっくりと着地した。あたりはもうもうとした砂煙に包まれたが、視界が晴れ、ステンレス製の機体が立っているのが確認できると、遠方で見学していた人からは拍手と歓声が上がった。 だが、着陸直後にエンジン付近から出火した。 前々回の試験では、着陸後に残った炎が原因で約 10 分後に突如爆発した。 スペース X の動画によると、徐々に炎が広がっていったが、遠隔操作による放水などで爆発はまぬがれたとみられる。 実機とほぼ同じ形状の試験機での試験飛行は昨年 12 月に始まった。 これまでの 5 回の飛行は、いずれも高度 10 - 12 キロまでの上昇に成功したものの、最初の 2 回は着地に失敗して爆発し、3 回目は着陸後に残っていた炎によって爆発。 1 カ月前に行われた 4 回目は着陸前に空中分解していた。 この日は故アラン・シェパード飛行士が米国人初の宇宙飛行に成功した日から満 60 年。 スペース X は「祝いの日のきょう、着陸を成功させた。 私たちは有人宇宙飛行と太陽系への進出を可能にするために取り組んでいく。」とし、イーロン・マスク CEO は「満足できる着陸だ」とツイッターでコメントした。 スターシップはステンレス製で直径 9 メートル、全長 50 メートル。 マスク氏は「完全かつ迅速に再利用が可能なロケット」とし、最大で 100 人が乗れ、2030 年までに火星に着陸させるとしている。 米国が計画している有人月着陸機に採用されたほか、前沢氏が契約した 2023 年の月周回旅行に使われる予定だ。 (石倉徹也、asahi = 5-6-21) ◇ ◇ ◇ スペース X の宇宙船、着地後に爆発 米宇宙開発企業スペース X が開発中の巨大宇宙船「スターシップ」の無人試験機「SN10」の飛行試験が 3 日、米テキサス州で行われた。 同機は着地に成功したように見えたが、爆発した。 スターシップの試験機が爆発するのは、昨年 12 月と先月に続き 3 回連続。 スペース X が公開した動画によると、SN10 は飛行後、正常に着地したように見えた。 同社のコメンテーターはライブ中継で「素晴らしいソフトランディングだ」と述べたが、下部から炎が上がり、スタッフが消火活動に当たった。 しかし、SN10 は数分後に爆発。舞い上がってから落下した。 現在のところ爆発の原因は明らかにされていない。 スペースX 創業者のイーロン・マスク最高経営責任者 (CEO) は爆発の 1 時間後、「スターシップ SN10 は無事に着陸はした!」と冗談交じりにツイッターに投稿。 「スペース X のチームは素晴らしい仕事をしている! 真の成功はいつか、スターシップが当たり前に飛行する日が来ることで評価されるだろう。」と続けた。 (AFP = 3-4-21) |