シャープの液晶事業、JDI 通じて買収提案へ 革新機構

シャープの経営再建を巡り、政府系ファンドの産業革新機構が、出資するジャパンディスプレイ (JDI) を通じてシャープの液晶事業を買収することを提案する方針を固めたことがわかった。 週内にもシャープと取引銀行に提案し、本格的な買収交渉を始める。 国内 2 大液晶メーカーの技術を結集し、韓国勢などライバルに対抗する素地を築く。

JDI は日立製作所、ソニー、東芝の液晶事業を統合した中小型液晶大手で、革新機構が株式の約 35% を持つ。 革新機構はシャープから液晶事業を切り出した新会社に出資し、その後 JDI と統合させることを検討していたが、JDI が新会社を直接買収する方が手続きが早くなると判断したとみられる。 買収資金は革新機構の出資を受けるが、JDI は株式を上場しており、市場から幅広く資金を集める方法もあり得る。

革新機構は提案後、銀行団と本格的な交渉に入り、今年度内の合意を目指す。 シャープの液晶事業が本体からどの程度借金を引き継ぐかは今後、銀行と交渉を進めるが、金額次第では難航するおそれもある。 シャープが進めている早期退職や工場の一部閉鎖などのリストラを追加で求める可能性もある。

一方、シャープの支援を巡っては、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業もシャープ本体への出資を含めた複数の提案をしているほか、海外の投資ファンドなども出資を含めた再建策を提案している模様だ。 シャープはスマートフォンなどに使う中小型液晶の事業だけを革新機構側に売却し、テレビなどに使う大型液晶については、すでに工場を共同運営している鴻海に残りの持ち分を売却することも検討している。 (asahi = 12-20-15)


シャープ、液晶技術をインド企業に提供へ 利益確保狙う

経営再建中のシャープは、インドの大手素材メーカーに、液晶パネルの技術を提供する方針を固めた。 生産ラインの立ち上げを指導することで、70 億円超の報酬を見込む。 国内の大手電機メーカーが、自社で囲い込んできた技術を海外に売り出すのは異例だ。 業績が苦しいなか資産の売却を進めており、海外から評価の高い技術も売ることで、少しでも利益を確保しようとしている。

インドの「スターライトテクノロジーズ」に、主にテレビ向けの液晶パネルの作り方を、人材も派遣して教える。 スターライトは液晶事業のノウハウが少なく、シャープの技術を活用して、新規参入をめざす。 シャープはかつて液晶技術を「門外不出」とし、囲い込む戦略だった。 韓国や中国などのライバルに渡ると、高品質の製品を安く作られて、価格競争で負けてしまう恐れがあるためだ。 (西山明宏、asahi = 11-28-15)


シャープ、中国スマホ不振で 836 億円の赤字

シャープは 10 月 30 日、2016 年 3 月期第 2 四半期(4 - 9月)の連結業績を発表した。 先に発表された通り、ディスプレイデバイスの減収減益を受け、売上高は前年同期比 3.6% 減の 1 兆 2,796 億円、営業利益は同 292 億円の黒字から 251 億円の赤字、経常利益は 386 億円の赤字(同 107 億円の黒字)、四半期純利益は 836 億円の赤字(同 47 億円の黒字)となった。

落ち込みの要因はディスプレイデバイスの不振。 中国市場での成長鈍化と価格競争激化への対応が遅れ、スマートフォン用液晶の販売が大きく減少した。 ディスプレイデバイスの上期売上高は前年同期比 15.1% 減の 3,911 億円、営業利益は 264 億円の赤字(同 208 億円の黒字)となった。

シャープの代表取締役社長である高橋興三氏は「ディスプレイデバイスについては減益要因のほとんどを占めている。 そういう意味では下振れ要因はディスプレイデバイスの 1 点に絞られており、それ以外は順調に推移している」と現状を分析する。 第 2 四半期(7 - 9 月)のみを見れば、ディスプレイデバイスを除く部門で黒字化しており、「ほぼ期初通りに進捗した(高橋氏)」との見方を示す。

液晶テレビについては「4K で出遅れたことは強く認識している。 2015 年に入り、4K のラインアップを拡充することで、日本市場ではほぼトップのシェアに上がってきた。 4K パネルで 8K 相当の解像度が視聴できる『AQUOS 4K NEXT』も投入し、日本市場において苦しかった部分は終わってきているように思う。 テレビが家電の王様という考えはないが、ディスプレイが存在しない世の中は考えられない。 今現在の形とは変わってくるかもしれないが、非常に重要なジャンル。(高橋氏)」とコメントした。

一方、液晶事業における分社化については「さまざまなオプションがあり、いろいろな可能性を検討している。 現時点では複数社と協議をしているところ。」と現状を説明した。 今後は、大幅な下振れとなったディスプレイデバイスで、ノート PC、IA (Industrial Appliance)用液晶へとカテゴリをシフトするほか、全方位型顧客戦略からの脱却を図るなど、下期に向けた収益改善策を打ち出した。 しかし、2016 年 3 月期通期の連結業績予想を、売上高は 2 兆 8,000 億円から 1,000 億円減の 2 兆 7,000 億円、営業利益は 800 億円から 700 億円減の 100 億円と下方修正。

市場環境の見通しの甘さや経営者としての求心力について問われると「計画が達成できないたびに求心力が落ちていくのは当然。 ただ、『RoBoHoN』や『ともだち家電』など、AI と IoT を組み合わせた新しい家電、『ヘルシオ』、『ホットクック』などの新製品を創出するなど、新しい事業の芽が出てきていることも事実。 その部分を伸ばしていくことで、みんなの気持ちを 1 つにし、もう一度求心力上昇に転じていかなければと思っている。 簡単にできることではないが、踏ん張ってやっていきたい。(高橋氏)」とした。 (加納恵、Cnet = 10-30-15)


シャープ、農業・医療分野に進出 商品のすそ野拡大へ

経営再建中のシャープが、企業向けの新商品やサービスを次々と発表している。 自前の技術を応用し、農業や医療など未開拓の分野にも積極的に出ている。 不振の液晶に代わる主力事業がすぐには見つからないなか、商品のすそ野を広げて「コツコツ」稼ぐ戦略だ。 企業向けの分野では、パナソニックが先行して力を入れている。 一般の家庭向けよりも安定した売り上げが見込めるためだ。

13 日にシャープが発表したのは、黄色い LED ランプ。 使い道は照明ではなく、農場の虫よけだ。 広島県の農業技術センターと共同開発した。 農作物を害する蛾(が)が苦手な光を点滅させて、農薬を使わなくても、寄せつけないようにする。 光に敏感なキクやイチゴの生育にも影響がないという。 1 個 5 千円で来春から農業法人などに販売する。 9 月に売り出したのは、商業施設やビルなどで使う業務用の掃除機ロボット。 本体のセンサーで障害物や段差を感知して自動で避ける。 液晶工場で使っている運搬装置の技術を応用した。 (西山明宏 山村哲史、asahi = 10-14-15)


官民ファンド 産業革新機構 シャープへ出資検討

官民ファンドの産業革新機構が、経営再建中のシャープ本体への出資を検討していることが分かった。 関係者が 10 日明らかにした。 出資額は 2 千億円規模に上る可能性がある。 中国市場の減速で、液晶パネル事業が想定を超える不振となり、4 - 9 月期の純損益が 1 千億円前後の赤字に陥る恐れがある。 これまで液晶事業のみを対象に出資交渉をしていたが、他の不振事業も含め再建を主導する必要があると判断したとみられる。 出資にはシャープの液晶技術の海外流出を防ぐ狙いもある。

革新機構側はシャープの企業価値を判断するため、資産の査定に着手した。 出資割合は半分を超える可能性がある。 液晶事業は革新機構やソニー、パナソニックなどが出資して設立した有機 EL パネルを手掛ける JOLED (ジェイオーレッド)と統合する案が浮上した。 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業とも協議していたが、出資額で折り合わず交渉が停滞している。 シャープには「IGZO (イグゾー)」パネルなどの独自技術があり、革新機構を所管する経済産業省が海外流出への懸念を示していた。 4 - 9 月期の液晶事業は 5 百億円前後の営業赤字になる見通しだ。 (東京新聞 = 10-11-15)


再就職に高い壁 シャープ退職者、1 年後も 2 割弱が無職

雇用状況が良くなっているといわれるなか、希望退職を募る企業が相次いでいる。 国内での販売不振など企業側の理由はさまざまだが、働く人にとって職探しが簡単ではないことはどこも同じだ。 シャープは 9 月末で 3,234 人が会社を去った。 2012 年 12 月にも約 3 千人が辞めたが、1 年以内に仕事が見つからなかった人は 2 割弱に上る。 今回の平均年齢は 12 年の時より高く、再就職には高い壁がある。

シャープは主力の液晶事業が数年前から不調で、希望退職を 2 回実施した。 12 年に辞めた人のうち大半は、シャープが指定する再就職の支援会社に登録。 そのうち 1 年以内に仕事が見つかったのは 8 割強だった。 数百人は 1 年以上「無職」だったことになる。 今年 8 月末では 5% 弱が再就職できておらず、いまも 100 人前後の人が仕事を失ったままとみられる。 (山村哲史 西山明宏、新宅あゆみ、asahi = 10-3-15)


シャープ、本社ビルに加え南向かいのビルも売却

経営再建中のシャープは 28 日、大阪市阿倍野区の本社ビルを家具販売大手のニトリに売却すると正式に発表した。 南向かいにある田辺ビルも、NTT 都市開発に譲渡する。 両ビルの売却額の合計は 188 億円。 このうち、簿価などとの差額である 148 億円を 2016 年 3 月期に特別利益として計上する。

シャープは 18 年 3 月をめどに本社を移転する計画で、1924 年に前身の「早川金属工業研究所」が設立された事実上の創業の地を離れる。 28 日に両社と売買契約を交わした。 個別の売却額は明らかにしていない。 来年 3 月に土地と建物を引き渡し、賃料を支払って入居を続けながら移転先を探す。 ニトリは商業施設、NTT 都市開発はマンションとして再開発する方針だ。 (nikkei = 9-28-15)


鴻海、米アップルとの共同出資検討 シャープ液晶めぐり

シャープの液晶事業に出資を考えている台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が、米アップルとの共同出資を検討していることがわかった。 スマートフォンなどで液晶パネルを大量に使うアップルにも関与してもらい、事業を安定させるねらいとみられる。 鴻海はシャープが分社化する液晶事業に過半数の出資を考えている。 大口顧客のアップルの資金も得て、シャープを含めた 3 社での運営を探る。 鴻海とシャープは、大型液晶をつくる大阪府の堺工場の共同出資などで今も協力関係にある。

シャープの液晶事業は、4 - 6 月期に 137 億円の営業赤字。 同社は鴻海のほか、国内企業の液晶事業を統合したジャパンディスプレイに出資する産業革新機構とも、交渉する方針だ。 アップルは、シャープやジャパンディスプレイ、韓国企業などを競わせ、液晶パネルの調達価格交渉を有利に進めてきた。

鴻海との共同出資でシャープの液晶事業を再建すれば、多数の調達先を確保し続けられる利点もあるとみられる。 シャープの 2015 年 3 月期の売上高は、約 2 割の 5,530 億円がアップル向けだった。 三重県の工場にスマホ向け液晶の設備を導入した際、アップルが資金を一部負担するなど、これまでも結びつきがあった。 (asahi = 9-22-15)


本社ビル売却でニトリと交渉 = 早ければ月内に契約 - シャープ

シャープが経営再建策の一環として検討している大阪市阿倍野区の本社ビルの売却をめぐり、家具量販店大手のニトリホールディングスと交渉に入ったことが 2 日、分かった。 早ければ今月中の契約成立を目指す。 シャープは本社ビルと、近接する太陽光パネル販売子会社などが入居する「田辺ビル」の計 2 棟の売却を目指している。 田辺ビルについては、NTT グループで不動産事業を手掛ける NTT 都市開発に売却する方針を固めている。 シャープはこれらビルの売却後、当面は賃貸で利用を継続し、移転先を探す。 (jiji = 9-2-15)


シャープ、鴻海と提携交渉 液晶事業、出資受け入れ案も

経営再建中のシャープが主力の液晶事業について、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と提携交渉に入っていることが分かった。 シャープ本体の液晶事業を社外へ分社化した後に出資を受け入れたり、鴻海との共同出資で液晶を製造している堺工場のシャープ出資分を売却したりする方向で協議している。

シャープは中国経済の減速などで液晶の業績が悪くなり、2015 年 4 - 6 月期に 339 億円の純損失に陥った。 液晶事業単独では 137 億円の営業赤字で、高橋興三社長は 7 月末の記者会見で、「(他社との)提携もオプションの一つだ」と話していた。 シャープは主力取引銀行から抜本的なてこ入れを求められ、液晶事業の社外への分社化や、他社から支援を受けることなどを検討していた。 複数の関係者によると、鴻海もシャープや銀行に対し、本格的な交渉に入る意思を伝えているという。 シャープは 10 月に液晶など 5 事業を社内分社化する計画で、その後、資産査定や出資額の交渉などを本格化させる。 (asahi = 8-22-15)


希望退職に 3,234 人・国内社員の 13% 特損 243 億円

[東京] シャープ は 21 日、45 - 59 歳の国内社員を対象に募集していた希望退職が 3,234 人になったと発表した。 国内連結従業員 2 万 4,000 人の 13% に相当する。 2012 年に募集して以来の希望退職で、3 年間の国内従業員の削減数は 6,000 人を超える。

退職関連費用で 2015 年 4 - 9 月期決算で 243 億円の特別損失を計上する。 今回の人員削減による固定費削減効果は 16 年 3 月期に 150 億円を見込む。 シャープは今回の特損を織り込み済みとしているが、16 年 3 月期の当期純損益の予想は開示していない。 希望退職は、7 月 27 日から 8 月 4 日まで募集していた。 定員は 3,500 人で特損は 350 億円を想定していたが、募集した人数はこれに達しなかった。 9 月 30 日付で退職する。

同社は 12 年 12 月にも 40 歳以上の国内従業員を対象に希望退職を実施し、当時の国内連結従業員 2 万 8,300 人の 10% 強に相当する 2,960 人が退職した。 当時は、定員の 2,000 人を大幅に上回る応募があり、募集期間を前倒しして締め切った。 (村井令二、Reuters = 8-21-15)


シャープ、米州テレビ事業撤退へ 中国企業に工場売却

シャープが 31 日発表した 2015 年 4 - 6 月期決算は、本業のもうけを示す営業損益が 287 億円の赤字(前年同期は 46 億円の黒字)になった。 4 - 6 月期が営業赤字になるのは 3 年ぶり。 米州でのテレビ生産、販売から撤退する。 中国での液晶の伸び悩みなどを受け、5 月に発表した再建計画を見直し、液晶部門を分社化して、外部から資本を受け入れることも検討していく方針を示した。

売上高は前年同期比 0.2% 減の 6,183 億円、純損益は 339 億円の赤字(前年同期は 17 億円の赤字)だった。 液晶パネルやテレビ、エアコンなどの販売が不振だったが、スマートフォン向けカメラなどの電子部品が好調だった。 五つの事業部門の営業損益は、液晶、家電(テレビや冷蔵庫、携帯電話など)、太陽電池の 3 部門が赤字。 黒字は事務機器と電子部品の 2 部門にとどまった。 (asahi = 8-1-15)


シャープが「中小企業」に? 資本金 1 億円への減資検討

経営再建中のシャープが、赤字による累積損失を穴埋めするため、1,218 億円ある資本金を 1 億円に減らす検討をしていることがわかった。 税法上は資本金 1 億円以下だと「中小企業」となり、外形標準課税が適用されないなどの優遇措置も見込める。 シャープ単体では 2014 年 3 月末で 208 億円の繰り越し欠損金があり、15 年 3 月期の赤字決算でさらに膨らむ見通し。 主力取引銀行の資本支援を受けた上で、資本金を取り崩す減資で穴埋めする。

欠損を一掃することで、株主への配当を復活する環境を整える意味もある。 6 月の株主総会での決議を経て実施する見通し。 全額減資ではないため、株主の持ち分や、上場などへの影響はない。 一方、資本金 3 億円以下は下請法で保護される「下請け事業者」とみなされ、取引先との決済方法などに影響する可能性もある。 (asahi = 5-9-15)


スマホ液晶、狙いは中国市場 シャープが 4K パネル開発

シャープは、スマートフォン向けで高精細「4K」の独自の液晶パネルを開発した、と発表した。 そのお披露目場所に選んだのは中国での商談会。 販売、技術開発両面で成長が続く中国市場を重視している表れだ。 日中韓や台湾のライバルとの競争を勝ち抜けるかは、経営再建中の会社の行方をも左右しそうだ。 「世界で最も重要な地域に、最新技術を提供していきたい。」 シャープの方志教和専務は、展示会を開いている中国・深セン市でこう力を込めた。

この日発表したのは、フルハイビジョンの 4 倍の精細度を持ちながら電力消費が少ない、独自の IGZO (イグゾー)技術の中小型液晶パネル。 狙いは、深センなど中国南部の企業にスマホ向けの液晶パネルを売り込むことだ。

シャープはこれまで、北京を拠点に急成長中の小米科技(シャオミー)に多くの液晶パネルを供給してきた。 しかし、ライバルのジャパンディスプレイ (JDI) は北部に加え、IT 企業が集まる南部の深センに 1 年前、販売拠点をつくって華為技術(ファーウェイ)などとの取引を拡大。 中国での成長で後れを取ったことが、シャープの液晶事業の伸び悩みにつながる原因の一つになった。 このためシャープは、深センに 50 人弱の新たな販売会社を 7 月につくることも明らかにした。 (深セン = 西山明宏、斎藤徳彦、asahi = 4-12-15)


シャープ : 中小型液晶部門を分社化、革新機構と出資交渉へ - 関係者

経営再建中のシャープ は、中小型液晶パネル部門を分社化して事業会社を設立し、官民ファンドの産業革新機構から出資を受ける交渉に入る方針だ。 事情に詳しい関係者が明らかにした。

分社した後もシャープは株の過半数を保有し連結子会社としたい考え。 計画が公表されていないため、同関係者は匿名を条件に明らかにした。 同社広報担当の関喜文氏は問い合わせに対し、液晶事業を含む抜本的な構造改革についてさまざまな検討を行っているが、決定した事実はないと電話で述べた。 産業革新機構への問い合わせは営業時間外のため回答を得られていない。

液晶パネルの価格下落や海外生産の白物家電の円安による収益悪化に見舞われたシャープは 2 月、2015 年 3 月期の連結純損益予想 が 300 億円の黒字から 300 億円の赤字に転落すると発表した。 構造改革を進めるため債務の株式化や第三者割当増資などを検討しており、5 月中に構造改革案を取りまとめ、主力取引先のみずほ銀行と三菱東京UFJ銀行に支援を要請することが明らかになっている。

大型液晶を含む同社のデバイス事業 では 14 年 4 - 12 月期の営業利益が前年同期比 26% 減の 325 億円となった。 スマートフォンやタブレット端末向けなどの中小型液晶は伸びたが、大型の販売は減少したという。

革新機構はソニー、東芝、日立製作所の中小型液晶パネル事業を統合した上で、総額 2,000 億円を出資し、ジャパンディスプレイ を設立。 14 年 3 月の上場時に一部株式を放出したが、ブルームバーグの集計データによると、35.5% %を保有している。 液晶部門の分社化と革新機構への出資交渉については日経新聞が 5 日付朝刊で、情報源を明示せずに報じていた。 (黄恂恂、Bloomberg = 4-5-15)


シャープと鴻海の堺液晶工場、2 年連続で黒字

[東京] シャープと鴻海精密工業が共同運営する大型液晶会社「堺ディスプレイプロダクト(SDP/大阪府堺市)」が 2 年連続で最終黒字を計上したことがわかった。 3 月 26 日掲載の官報によると、SDP の 2014 年 12 月期の業績は、売上高が 2,203 億円(前年同期は 2,108 億円)、営業利益は 151 億円(同 150 億円)、当期純利益は 72 億円(同 60 億円)で、増収増益を確保した。

鴻海の出資を受けた 12 年 12 月期(12 年 4 月 - 12 月期の 9 カ月)は 74 億円の最終赤字だったが、シャープ・鴻海の共同運営が軌道に乗った 2 年目に続き、3 年目も利益計上した。 同社は、2009 年 9 月に稼働を開始した堺工場の運営会社で、シャープの経営危機で、12 年 7 月から鴻海の郭台銘(テリー・ゴウ)董事長が資本参加。 シャープとテリー・ゴウ氏がそれぞれ 37.6% を出資する比率で運営している。

堺工場が液晶の量産に使用しているマザーガラスは第 10 世代(G10 = 3,130 x 2,880 ミリメートル)、畳 5 畳分のサイズで今現在も世界最大。 60 インチ以上の大型液晶を効率的に切り出せる。 (Reuters = 4-3-15)


シャープ、中国に液晶技術供与か 数百億円確保、リストラ費用に

経営再建中のシャープが、中国の液晶パネルメーカーからの要請を受け、最先端の液晶技術の供与を検討していることが 24 日分かった。 技術料として数百億円の収入を確保し、経営立て直しに必要なリストラ費用などに充てたい考えだ。 高画質の液晶パネルを生み出す「低温ポリシリコン」と呼ばれる技術で、中国の京東方科技集団 (BOE) や天馬微電子など数社から積極的な打診があったもようだ。 中国でスマートフォン向けに高精細な製品への需要が高まっているためだが、技術流出を懸念する声も根強く、慎重に判断するとみられる。 (北海道新聞 = 3-24-15)


鴻海、シャープへの出資を引き続き検討

台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業は 21 日、経営不振に陥っているシャープとの出資を伴う提携を引き続き検討していることを明らかにした。 提携には技術ライセンス供与も含まれる可能性がある。 週刊東洋経済は 20 日、鴻海のテリー・ゴウ会長が、電子機器受託製造の世界最大手である同社がシャープに対し金融支援を提案する意向があると述べた、と報じていた。

鴻海は 21 日、ウォール・ストリート・ジャーナルに対し書面で、「投資が行われる場合、双方の利益になり、特に持続可能な事業の成長と投資利益を達成するという共通の目標を実現するために事業経営に参加できる権利を当社が有するかどうかによるだろう」とのコメントを寄せた。 シャープの東京在勤の広報担当者は鴻海からの連絡は受けていないと述べた。 また、鴻海が数年前のシャープ株式購入の約束を守るのであれば、鴻海からの金融支援を検討する見通しだと述べた。 それ以降、シャープ株は急落している。 (Lorraine Luk、The Wall Street Journal = 3-21-15)


シャープ、赤字 2 千億円規模に 国内で 3 千人削減を検討

経営再建中のシャープは、2015 年 3 月期の純損益の赤字幅が 2 千億円前後に拡大しそうだ。 太陽電池と電子部品などで計画した利益が出せず、事業リストラで新たに損失を見込むためだ。 16 年 3 月期には国内で 3 千人規模の希望退職募集を検討しており、退職金の費用などで 2 年続けて赤字になる見通しだ。

15 年 3 月期決算の純損益は当初、300 億円の黒字としていたが、今年 2 月になって、300 億円の赤字に下方修正した。 さらに赤字幅が拡大するのは、太陽電池や電子部品などの事業で、見込んだ利益を上げていない工場の資産価値を下げると、その分の損失が出るためだ。 太陽電池の材料を割高な値段で買う契約も損失として処理する方針。 赤字はさらに膨らむ可能性もある。 16 年 3 月期も赤字を見込む。 希望退職の費用に 300 億円かかる。 加えて、赤字の北米テレビ事業も撤退する方針で、工場や販売会社の売却や閉鎖で損失が出る見通し。 (asahi = 3-19-15)


シャープ 6,000 人削減へ、北米の TV 事業縮小

経営再建中のシャープは、グループ従業員約 5 万人の 1 割強にあたる 6,000 人規模の人員を削減する検討に入った。 不振の海外事業で工場を閉鎖するなど体制を大幅に縮小するのに伴い、従業員も減らして経費を削減する。 主要取引先のみずほ銀行と三菱東京 UFJ 銀行に近く方針を伝え、5 月に策定する経営再建計画に盛り込む考えだ。

シャープの業績悪化は米国でのテレビ事業が一因だ。 このため、北米の販売会社(2,000 人強)を縮小するほか、メキシコ工場(2,000 人弱)などの売却・閉鎖も検討しており、現地で採用している社員の大半を削減する。 さらに国内でも人員減に踏み切る方向だ。 採用抑制や退職による自然減などで人員削減を進める考えとみられる。 (yomiuri = 3-19-15)


シャープ再び銀行が生殺与奪の権、問われる「液晶」抜本策

[東京] 経営再建を迫られているシャープが新たな資本支援を求めて、主力取引銀行と構造改革をめぐる本格協議を始める。 同社は 5 月の新中期経営計画に向け、液晶テレビや太陽電池などのリストラ策を検討しているが、主力の液晶事業については営業強化という従来路線を崩していない。 しかし、財務立て直しに欠かせない銀行支援がどう決着するかは不透明。 生殺与奪の権を握る銀行からは、さらに踏み込んだ対応を求められる可能性もある。

追加人員削減には否定的

新中期計画に向けて、シャープが検討している構造改革は、液晶テレビ、太陽電池、電子部品が中心だ。 すでに液晶テレビはポーランド工場を売却して欧州市場から撤退しており、メキシコ工場の売却による米国市場の撤退を視野に入れている。

また、太陽電池は、イタリア合弁を解消し、欧州市場から事実上撤退。 米国の太陽光発電事業のリカレント・エナジーも売却を決めたばかりで、ほとんどの事業範囲を国内市場に絞り込んだ。 太陽電池の拠点は、昨年までに葛城工場(奈良県)の生産を停止したことで、唯一の拠点となった堺工場(大阪府)の売却が検討の対象になり、事実上の「太陽電池生産からの撤退」が浮かぶ。

また、赤字体質の電子部品工場の再編も案の 1 つ。 広島県内には、発光ダイオード (LED) を生産する三原工場(三原市)と、センサーを手掛ける福山工場(福山市)の 2 カ所に生産拠点がある。 福山工場は第 1 - 4 工場があるため、一部の閉鎖を含む計 5 拠点の再編がリストラの候補に浮上している。

2012 年に経営危機に陥ったシャープは、同年 12 月までに 5,000 人の人員削減を実施。 同社にとって雇用は創業以来守り続けてきた聖域だったが、62 年ぶりのリストラに踏み切った。 だが、現段階では「人員の余剰感はない(高橋興三社長)」として、追加の削減には煮え切らない態度も示している。

銀行の支援判断カギに

シャープの高橋社長は 5 日に、主力取引先のみずほ銀行と三菱東京 UFJ 銀行の担当役員と会い、構造改革について本格協議を始める。 15 年 3 月期の最終赤字は 300 億円の見通しだが、構造改革を一段と進めれば赤字拡大は必至で、12 月末で 10% 程度にとどまる自己資本比率が一段とき損する恐れがある。

「単純な資本支援は無理(銀行筋)」との認識から、12 月末で 9,972 億円にのぼるシャープの有利子負債の一部を優先株などに変えるデット・エクイティ・スワップ (DES) の案が浮上しているが、構造改革が固まらない中で一足飛びに資本支援を模索するシャープに対して取引銀行は「構造改革の中身が決まってから支援額が決まるはず」と視線は冷たい。

主力 2 行とは、2012 年 9 月に 3,600 億円のシンジケートローン(協調融資)契約を締結し、当時の危機を乗り切った。 この協調融資の延長と追加融資枠 1,500 億円の設定は、13 - 15 年度の中期経営計画と同時に獲得したもの。 だがシャープは、計 5,100 億円の返済期限の 16 年 3 月末を前に前中計の達成を断念。 ここで、「新中期」の策定をタテに、再び支援を求める姿勢には一段と厳しい視線が注がれる。

液晶の抜本改革の行方

銀行の圧力が強まることは必至だが、シャープは主力の液晶事業は自主路線を死守する構えだ。 シャープにとって、今期の連結営業利益計画 500 億円に対し、液晶事業は 400 億円を占める「稼ぎ頭」。 最大市場の中国スマホ向け液晶は競争が激化しているが、14 年 10 - 12 月期の失速は「一過性(方志教和専務)」との認識だ。

方志専務は 2 月の記者会見で、液晶事業の改革について「基本的には昨年から進めている将来戦略の方向に変わりない」と述べた。 アップルの iPhone 用液晶への依存を減らしながら、中国スマホ向けの比率を高め、中長期で自動車用液晶などへの出荷を増やすことで、顧客ポートフォリオを拡大する方針だ。

このため、液晶事業の分離など「液晶を外部に出す選択肢はまったく考えていない(方志専務)」のがスタンス。 高橋社長も 2 月の決算会見で「液晶は投資が大きいので非常に変動に弱い事業」と認めながらも「工場の減価償却は進んでいるし、新規投資も多くないので、なんとか変動に対応する」と述べるにとどめている。 一方で、2013 年 8 月には、シャープが複写機を切り離して韓国サムスン電子と合弁化する構想が水面下で動きながら頓挫したことが明らかになった。 シャープにとっての収益源の事業は、危機に際した場合の「外科手術」の対象として再浮上する可能性もある。

銀行以外の支援も

ただし、高橋社長の考えは、事業の切り出しとは正反対の「多角化」にある。 2 月の決算会見では「かつて『液晶一本足打法』と呼ばれて、それだけに頼ることに批判があったが、その通りだ」と指摘した上で「何本かの足は必要。 短期的に伸ばすなら『選択と集中』だが、それでは絶対に持たない」と述べた。 事業の売却ではなく、液晶以外にも「足」を増やす考えだが、銀行の理解がどれだけ得られるかは未知数だ。

脆弱な財務基盤の立て直しに銀行の支援は必須の状況だが、工場閉鎖や人員削減など抜本的な構造改革を進めるには「現金」が必要になる。 事業売却でねん出する選択肢を自ら閉ざせば、銀行以外の他の事業会社などからの資本支援も不可欠。 サムスン電子 やクアルコムなど現在の大株主の動向も焦点になる。 (村井令二、編集 : 北松克朗、Reuters = 3-4-15)


テレビ・スマホ・車 … 苦境シャープ「液晶 3 本柱」作戦へ

シャープが、不振の液晶事業を立て直すため、スピードメーターなど自動車向けの倍増を計画中だ。 大成功の後に大失速したテレビから、最近はスマートフォンやタブレットに注力するが、こちらも値下げ競争が激しい。 「3本柱」をめざすが、自動車向けも世界中にライバルがひしめいている。

「スマホなどは市場の変動を受けやすい。 車載向けを増やして稼ぐ。」 方志教和専務は 13 日、2017 年度までに自動車向け液晶の売上高を、いまの年 1 千億円弱から 2 倍にする方針を示した。 液晶事業全体は年 1 兆円規模で、その 2 割にあたる。 車のメーターが液晶パネルになると、ガソリン残量や速度、外気温などを鮮やかに表示できる。 速度を針で示すアナログメーターに比べて部品数も減り、必要ならほかの情報も表示できる。 中国では、すでに多くのメーターが液晶に置き換わっている。 (福山亜希、asahi = 2-14-15)


スマホ用液晶を 2 割減産 シャープの亀山第 2 工場

経営再建中のシャープは 21 日、亀山第 2 工場(三重県亀山市)でのスマートフォン用中小型液晶パネルの生産を、昨年後半に比べて約 2 割減らしたことを明らかにした。 中国大手メーカー向けの販売が伸び悩んでおり、生産調整で液晶事業の立て直しを図る。 省エネ型パネル「IGZO (イグゾー)」を減産した。 昨夏以降、価格競争の激化で収益性が低下。 昨年後半は一日約 1,200 枚の液晶パネル用ガラスを生産していたが、1 月から 1,000 枚以下に抑えた。 同社は昨秋、中小型の生産比率を 5 割からさらに高める方針を示していたが、4 割程度に低下した。

減産で余った能力はテレビ向けの大型パネルに振り向け、工場の稼働率は維持しているという。 ただ、大型パネルは一枚のガラスから取れる枚数が減るため、中小型に比べて収益性は落ちる。 同社は「今後は中小型パネルの需要が再び伸びる可能性もあり、柔軟に対応したい」としている。 シャープは液晶など大半の主要事業で業績が悪化。 2015 年 3 月期連結決算では、純損益が赤字に転落する可能性が強まっている。 (中日新聞 = 1-21-15)


シャープ最終赤字に、テレビ不振や特損で 15 年 3 月期

中期計画を撤回、今春メドに策定

シャープが 2015 年 3 月期に、再び連結最終赤字に転落する見通しとなった。 従来は 300 億円の黒字を予想していたが、価格競争が激しいテレビなど主力製品で採算が悪化しているうえ、特別損失の計上などが響く。 赤字は数百億円規模にのぼる可能性がある。 16 年 3 月期に 800 億円の最終黒字を目指していた中期経営計画を撤回し、今春をメドに新たな再建計画を策定する。

売上高は従来予想の 2 兆 9 千億円を下回り、本業のもうけを示す営業利益は前期比半減の 500 億円前後と、従来予想の半分にとどまりそうだ。 円安・ドル高で、海外で生産する白物家電や太陽電池などの輸入採算も悪化する。 電子部品事業も赤字になる見通しだ。 同社は液晶事業が悪化していた 13 年 3 月期までの 2 年間で 9 千億円を超す最終赤字を計上した。 前期は中小型液晶が好調で 115 億円の黒字になったが、ここにきて価格競争が激しくなり、採算が急速に悪化している。

業績悪化を受け、16 年 3 月期に純利益 800 億円を目指していた中期計画は撤回し、18 年 3 月期を最終年度とする新たな計画に作り直す。 主力取引銀行など金融機関の協力を得るため、不採算事業の撤退など抜本的なリストラを視野に入れながら、新規事業の育成などにも取り組む。 (nikkei = 1-19-15)


シャープ液晶「IGZO」商標は無効 知財高裁判決

スマートフォンなどに使われるシャープの高精細・省電力液晶「IGZO」の商標登録を無効とした特許庁の判断を不服とし、同社が取り消しを求めた訴訟の判決が 25 日、知財高裁であった。 設楽隆一裁判長は、同社の請求を棄却し、IGZO を同社の商標と認めなかった。 確定すれば、他の企業も使えるようになるが、シャープが製品名に使えなくなるわけではないという。

IGZO とは、亜鉛などからなる複合物質の略称。 同社はこれを使った液晶の量産化に世界で初めて成功した。 IGZO をそのまま製品名にして 2011 年に商標出願し、特許庁がいったんはこれを認めた。 だが、この物質の活用技術の特許を持つ科学技術振興機構 (JST) が 13 年、「商標法は原材料名は商標に使えないと定めている」として登録無効を特許庁に求めた。 同庁が認めて登録を無効とした。 シャープが昨年 4 月、「すでに製品名として浸透している」として提訴していた。 (asahi = 2-25-15)



外からスマホで家電オンオフ シャープ、お掃除ロボ発売

シャープは、外出先からスマートフォンを使って、自宅などにある家電製品の電源をつけたり切ったりできる掃除ロボット「ココロボ RX-V200」を 12 月 5 日から売り出す。 テレビをはじめ、赤外線を使ったリモコンで動く家電に対して、ココロボから操作できる。 天気を尋ねると「明日の天気は晴れだよ」などと答えるおしゃべり機能もある。 想定価格は税込みで約 13 万円。 (asahi = 11-15-13)


通常フル HD パネルで 4K 並み画質 シャープの新テレビ

シャープは 22 日、フルハイビジョン(フル HD)テレビながら 4K 相当の画質がある「AQUOS (アクオス)クアトロンプロ」を 11 月 30 日から売り出すと発表した。 想定価格は 4K テレビより数十万円安く、画質にこだわる顧客を取り込む狙いだ。

「フル HD の最上位モデル。 価格差もあるから 4K とすみ分けもできる。」 会見で戸祭正信・第 1 事業部長は力を込めた。 4K テレビとクアトロンプロを並べて展示し、両方の画質を見比べても差がないことをアピールした。 4K テレビはフル HD の 4 倍の画素数があり、高精細さが売りだが、専用の 4K パネルが必要。 これに対し、クアトロンプロは通常のフル HD パネルを使って価格を抑え、1 つの画素を 4 つに分けて光らせることで 4K と同等の高精細さにした。 (asahi = 10-23-13)


シャープが法人向けスマートテレビ 病院などの利用想定

シャープは、タッチパネルで画面を操作できる法人向けスマートテレビ(16 型)を開発した。 例えば病院に導入し、電子カルテなどと組み合わせれば、入院患者が画面を操作して医師と簡単なやり取りをしたり、治療の予約状況を確認したりできる。 価格は未定。 2014 年 2 月から販売する予定。 (asahi = 10-22-13)


シャープ : 亀山でスマホ向け IGZO 年内に生産開始

シャープは 17 日、省エネ性能の高さが特徴の独自の新型液晶パネル「IGZO (イグゾー)」について、年内に亀山第 2 工場(三重県亀山市)でスマートフォン(多機能携帯電話)向けの生産を始めると発表した。 スマホやタブレット(多機能携帯)端末用の中小型液晶パネルは、値下がりが著しい大型テレビ向けに比べて利益率が高い。 大量生産が可能な主力の亀山第 2 で生産を始めることで、シャープ全体の収益改善につなげたい考えだ。

同社は現在、スマホ向け IGZO を天理工場(奈良県天理市)で生産し、自社製スマホ「アクオスフォン」に使っている。 液晶生産の基になるガラス基板は「第 3.5 世代(62 x 75 センチ)」と呼ばれる小型のもので、量産面で課題があった。

一方、亀山第 2 工場は「第 8 世代(2.16 x 2.46 メートル)」と呼ばれる大型のガラス基板が生産でき、タブレット端末向けに出荷している。 スマホ向けは加工作業が難しかったが、出荷可能な良品の割合(歩留まり)を高める技術開発を続け、量産化にめどが立ったという。 同社は、今年 5 月に発表した中期経営計画で、利益率の高い中小型液晶の生産を軸にした成長戦略を表明していた。 (安藤大介、mainichi = 10-17-13)


自動で時短・省エネ、洗濯乾燥機発売へ シャープ

シャープは、水の汚れ具合や衣類の質を自動で見分けて運転時間を短くする洗濯乾燥機「ES-Z110」を 11 月 1 日から売り出す。 内部のセンサーが泡の状況や洗いやすい衣類かどうかを調べ、洗濯時間やすすぎの回数を減らす。 3 人家族の平均的な 1 カ月の電気代は約 280 円で、他社製品の約半分になるという。 「洗剤が多すぎたようです」などと音声で省エネを促す機能もある。 白と金の 2 色。 想定価格は約 30 万円。 (asahi = 10-6-13)