能登半島で 85km の海岸線が隆起 衛星画像で 200m の前進も確認

衛星画像大手の米プラネット・ラボは 7 日までに、地震前後の能登半島の衛星画像を公開した。 石川県輪島市の皆月湾や名舟町などで、海岸線が沖に向かって大きく前進したのが確認できる。 国土地理院が判読したところ、皆月湾周辺では海岸線が沖に約 200 メートル進んだ場所があった。 総延長では約 85 キロ(暫定値)にわたって海岸線が前進したという。 地理院と判読範囲は異なるが、日本地理学会のグループの調べでは、陸地の面積は計 2.4 平方キロほど増えたとみられる。 (篠健一郎、asahi = 1-7-23)


能登の被災地、8 日昼まで大雪に警戒 地震発生から 1 週間

最大震度 7 を観測した能登半島地震は 7 日、発生から 1 週間となり、被災地では雪が降り始めた。 捜索や救助活動、支援物資の搬送に影響を及ぼしそうだ。 金沢地方気象台は 7 日午前、石川県内で 7 日夜から 8 日昼前にかけ、大雪になる可能性があるとして、注意を呼びかけている。 (asahi = 1-7-24)


石川県の安否不明者は 222 人に 12 人増える 能登半島地震

石川県能登地方を震源とする最大震度 7 の地震で、県は 7 日午前 9 時現在の県内の安否不明者は 222 人と発表した。 6 日午後 2 時時点から 12 人増えた。 死者は 126 人で、6 日時点から変わっていない。 (萱原健一、mainichi = 1-7-24)


約 15km にわたり地面が隆起、鮮明に 専門家が見た能登半島の被害

海中にあった消波ブロックが砂上にさらけ出される - -。 石川県能登地方で最大震度 7 を観測した地震で 6 日、毎日新聞社機が沿岸の被害を上空から撮影した。 輪島市では、約 15 キロにわたる地面の隆起が鮮明に確認でき、同乗した名古屋大の山岡耕春教授(地震学)は「予想以上で驚くほどだ」と語った。

同市南西部の鹿磯漁港周辺。 砂浜に黒い線のように並ぶのは、本来は海中にあるはずの消波ブロックだ。 鹿磯は人工衛星「だいち 2 号」の観測で最大 4 メートルの隆起が起きたとされた地域だが、それを裏付けるような光景だった。 隆起が鮮明だったのは、鹿磯から大沢漁港にかけての約 15 キロ。 山岡教授は「2007 年の能登半島沖で起きた地震(マグニチュード 6.9)の隆起は上空から見てもはっきりしなかったが、今回は痕跡が分かる」と指摘した。 また、国土地理院の解析で海岸線が海側に 200 メートル後退した、中間地点にある皆月湾でも消波ブロックが砂上に露出していた。

珠洲市では、津波の被害を受けた鵜飼漁港にがれきが散乱。 田畑は水につかり、港に乗りあげた船が見られた。 (奥山はるな、mainichi = 1-6-23)


石川・珠洲の倒壊家屋で 90 代女性を 124 時間ぶり救出 容体は安定

最大震度 7 を観測した能登半島地震で、石川県珠洲市正院町で 6 日午後 8 時 20 分ごろ、警視庁特殊救助隊と福岡県警特別救助班などが、倒壊した家屋の下敷きになっている女性 2 人を救助した。 約 124 時間ぶりの救出とみられる。 警視庁や石川県警によると、うち 1 人は 90 代女性で、呼びかけに応じなかったものの、手を触ると温かく、脈がある状態で発見された。 市総合病院に搬送され、容体は徐々に安定してきたという。もう 1 人の 40 代女性は心肺停止の状態で見つかった。

説明では、市内の避難所で聞き込みをしていた福岡県警の警察官が、「倒壊した家屋に取り残されている可能性がある」、「手が見える」との情報を得た。 1 階部分が倒壊した 2 階建て家屋の中を警視庁などと確認したところ、がれきに挟まれている女性 2 人を発見。 6 日昼ごろから救出に当たっていたという。 (asahi = 1-6-23)


能登半島地震の死者 126 人、安否不明 210 人 7 - 8 日大雪の恐れ

最大震度 7 を観測した能登半島地震による死者は 6 日、前日から 32 人増えて 126 人になった。 石川県が発表した。 100 人を超す犠牲者が出た地震は、2016 年 4 月の熊本地震(死者 276 人)以来。 7 - 8 日にかけて現地では大雪など天候悪化が見込まれ、救助活動や避難生活への悪影響が懸念されている。 県によると、6 日午後 5 時現在で、死者は輪島市 69 人、珠洲(すず)市 38 人、穴水町 9 人、七尾市 5 人、能登町と志賀町各 2 人、羽咋(はくい)市 1 人。 行方不明者は珠洲市 1 人。

この日も、帰省中の家族らが巻き込まれたとみられ、11 人の安否が確認できていない穴水町の土砂崩れ現場など県内各地で救助活動が続いた。 珠洲市では夜、倒壊家屋から女性 2 人が救助され、うち 1 人の容体が安定に向かっているという。 地震のためとは断定できないが連絡が取れなくなっている安否不明者は輪島市 140 人、珠洲市 39 人、穴水町 12 人、能登町 10 人など計 210 人にのぼる。 地震によるけが人は 516 人。

県内の避難者は輪島市 1 万 2,506 人、珠洲市 7,122 人、能登町 4,170 人など 14 市町で 3 万 733 人。 ライフラインの途絶も続いており、輪島市約 1 万戸、珠洲市約 7,400 戸など県内で約 2 万 3 千戸が停電。 七尾市約 2 万 1,500 戸、輪島市約 1 万戸など 14 市町計約 6 万 6 千戸で断水が続く。 土砂崩れなどで孤立した状態にある集落が、輪島市の 14 地区など少なくとも 4 市町で残る。 自衛隊や消防などの活動で孤立状態の解消や道路などの復旧が徐々に進んでいるが、7 日以降の悪天候が懸念される。 県は 7 - 8 日に、積雪によって国道 249 号や県道 1 号などを通行止めにする可能性があると発表した。

県は、被災者生活再建支援法の適用を決定。 住宅が全半壊した世帯などに対し、被災者生活再建支援金が支給される。 輪島、珠洲両市で 12 日にも応急仮設住宅の着工をめざすとし、ボランティアを受け付けるホームページを開設した。 岸田文雄首相は 6 日、ホテルや旅館などの空室を自治体で借り上げる「みなし避難所」の活用を図るよう関係閣僚に指示した。

石川県は、能登半島地震が原因とは断定できないが連絡が取れなくなっている安否不明者の氏名、住所、年齢をホームページ = QR コード = などで公表している。 随時更新し、6 市町で計 210 人(6 日午後 2 時時点、敬称略)に上っている。 安否確認ができた人や家族から申し出があった場合は名簿から外す。 (asahi = 1-6-24)


ドコモ・KDDI、船上基地局の運用開始 輪島の沖合から電波届ける

能登半島地震によって石川県の一部で通信障害が続いていることを受け、携帯大手の NTT ドコモと KDDI は 6 日、船上から電波を飛ばす「船上基地局」の運用を共同で始めた、と発表した。 陸路での機材の搬入が進まず復旧が困難な輪島市の沿岸エリアに電波を届け、一部地域では携帯電話サービスが回復した。

船上基地局は、NTT グループ会社の海底ケーブル敷設船に、ドコモと KDDI の基地局設備を設置している。 輪島市の沖合 1.7 キロ付近に停泊した船上から電波を飛ばし、基地局から数キロのエリアをカバーできるという。 両社は 2020 年、頻発する災害などに備え、連携協定を結んだ。 共同で船上基地局を運航するのは、今回が初めてだ。 ソフトバンクも同日、輪島市内で「ドローン基地局」の運航を始めた。 上空に停留させたドローンから半径数キロに電波を届けるものだ。 地上の給電装置から有線で電力を供給することで、長時間利用できるという。 (松本真弥、asahi = 1-6-24)


金正恩氏の異例メッセージに林官房長官「感謝」 能登半島地震

林芳正官房長官は 6 日の記者会見で、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が岸田文雄首相宛てに能登半島地震についての見舞いのメッセージを出したことについて「感謝の意を表したい」と述べた。 林氏は「ご遺族および被害に遭われた方へのお見舞い、被害地域の方々が一日も早く地震被害から立ち直り、安定した生活を取り戻すことを願っているという旨のメッセージが発出されたと承知している」と述べた。 その上で、今回の地震被害では各国・地域から見舞いのメッセージを受け取っており「日本政府として感謝している」とした。

金氏への返答については、現在は災害対応に全力で取り組んでいるとして「各国首脳等からお見舞いのメッセージの逐一に対して返信は現時点では行っていない」と説明した。 林氏によると、1995 年の阪神大震災で、当時の北朝鮮の姜成山首相から見舞いのメッセージが村山富市首相宛てに送られたが、地震被害などについて北朝鮮の最高指導者から日本の首相にメッセージが送られたケースは近年では把握していないという。 北朝鮮国営の朝鮮中央通信は 6 日、金氏が能登半島地震について岸田首相に見舞いの電報を送ったと伝えた。 (池田直、mainichi = 1-6-23)


5 歳児の容体急変、死者は計 94 人に 能登地震、輪島の 14 地区孤立

最大震度 7 を観測した能登半島地震で、石川県は 5 日、死者 94 人、行方不明者 1 人と発表した。 発生から丸 4 日がたったが、輪島市の 14 地区などで集落が孤立状態にあり、県内の避難者は 3 万人以上にのぼる。 6 日以降、天候が悪化する見通しで、気象庁は土砂災害への警戒を呼びかけた。 地震のためとは断定できないが連絡が取れなくなっている安否不明者は 222 人。

県によると、5 日午後 2 時時点で、死者は輪島市 55 人、珠洲(すず)市 23 人、穴水町 6 人、七尾市 5 人、能登町 2 人、志賀町 2人、羽咋(はくい)市 1 人。 行方不明者は珠洲市で 1 人。 負傷者は計 464 人。 県の災害対策本部員会議では、被災時に軽傷とされていた 5 歳の子どもの容体が急変して亡くなったと、志賀町から報告があった。 被災地では復旧活動も進められているが、被害が深刻な地域を中心に、道路やライフラインの途絶は 5 日も続いている。

輪島市では依然として 14 地区で孤立した集落があり、孤立状態になっている人数が確認ができていないという。 珠洲市や穴水町などの孤立集落は一部で解消が進んだ。 停電は輪島市 1 万 400 戸、珠洲市 7,700 戸など県内の計約 2 万 7 千戸にのぼる。 水道は、七尾市 2 万 1,500 戸、輪島市 1 万戸など計約 6 万 6 千戸で断水が続く。 安否不明者は同日午後 2 時時点で、▽ 輪島市 121 人、▽ 珠洲市 82 人、▽ 能登町 13 人、▽ 穴水町 6 人。 避難所は 372 カ所に開設され、避難者は 3 万 2,616 人。 内訳は、▽ 輪島市 1 万 2,778 人、▽ 珠洲市 6,981 人、▽ 能登町 4,930 人、▽ 穴水町 3,382 人など。

政府は、能登半島地震の被害について、来週にも「激甚災害」に指定する方針を固めた。 自治体が行う復旧事業への国庫補助率を引き上げる。 岸田文雄首相は 5 日、政府の非常災害対策本部会議で「仮設住宅と災害公営住宅を必要数、建設できるように準備を」と関係閣僚に指示。 県によると、12 日にも輪島市と珠洲市で応急仮設住宅の着工をめざすという。 気象庁の予報では、石川県内は 6 - 7 日が雨で、8 日にかけて注意報級の大雪となる可能性があるという。 (asahi = 1-5-23)


自衛隊、予備自衛官を最大100人派遣へ 能登半島地震

防衛省は 5 日、能登半島地震の被災地支援を拡充するため医師や看護師を含む予備自衛官と即応予備自衛官を合計で最大 100 人ほど送ると発表した。 同日に岸田文雄首相の承認を得た。 救援物資の輸送やがれきの除去などにあたる。 予備自衛官や即応予備自衛官は非常勤の特別職国家公務員で、普段はそれぞれの職業に従事する。 年間に数日から数十日間の訓練に臨み、災害時などに招集命令が出れば現場で任務につく。 木原稔防衛相は 5 日、防衛省で記者団に「要救助者のために全力を尽くす。 被災者に寄り添ったきめ細やかな生活支援活動を推進する。」と述べた。 (nikkei = 1-5-24)


能登半島地震の死者 84 人に 不明者は 179 人、津波に流された人も

最大震度 7 を観測した能登半島地震で、石川県は 4 日、死者 84 人、安否不明者 179 人を確認したと発表した。 海上保安庁によると、1 人が津波によって行方不明になっているという。 建物の倒壊で多数の人が生き埋めになっているとみられる。 生存率が下がるとされる「発生後 72 時間」が過ぎ、消防や自衛隊が懸命な救助活動を続けている。 県によると、4 日午後 3 時時点で死者は輪島市 48 人、珠洲(すず)市 23 人、七尾市 5 人、穴水町 4 人、能登町 2 人、羽咋(はくい)市、志賀町各 1 人となった。

安否不明者は午後 6 時時点で輪島市 93 人、珠洲市 68 人、七尾市 3 人、穴水町 9 人、能登町 3 人、志賀町 2 人、金沢市 1 人の計 179 人。 海上保安庁は 4 日午前の県災害対策本部会議で、珠洲市宝立(ほうりゅう)町の津波で 1 人が行方不明となっていることを明らかにした。 けが人は県内で計 305 人。 避難者数は、▽ 輪島市 1 万 2,440 人、▽ 珠洲市 6,981 人、▽ 能登町 5,505 人、▽ 穴水町 3,794 人など、計 3 万 3,530 人に上る。 道路の寸断によって、少なくとも 5 市町の計 31 地区が孤立している。 建物被害では、輪島、珠洲両市の被害規模は依然として不明だが多数に上るとみられる。

県内では被害が深刻な地域を中心に停電や断水、通信障害が続いている。 岸田文雄首相は 4 日夕の記者会見で、停電が 3 万戸、断水が 11 万戸に上ると明かし、「多くの方が厳しい状況に置かれている。 復旧に向けても、きめ細かく迅速に対応していかなければならない。」と述べた。

輪島、珠洲両市の医療機関では 4 日までに約 140 人の透析患者を金沢市などの医療機関に搬送した。 厚生労働省によると午前 11 時時点で、県内で災害派遣医療チーム (DMAT) 95 隊が活動している。 県によると、79 の高齢者施設、51 の障害者施設でも停電や断水などの被害が生じているという。 4 日午前、災害対策本部会議に出席した武見敬三厚労相は被災地の医療体制の確保、医薬品の安定供給に取り組むことを指示した。 (asahi = 1-4-23)


能登半島地震 安否不明者 61 人の氏名 石川県が公表

石川県能登地方を震源とする地震で、県は、住民基本台帳をもとに現時点で安否が分かっていない人として 61 人の氏名や年齢などを公表し広く情報の提供を求めています。 (NHK = 1-4-23)


ガソリンが足りず「一般車両の給油は終了」 能登半島の海沿いの街

暗くなった海沿いの街に、明かりが一つだけともっていた。 能登半島北東部の石川県能登町にある、港に面したガソリンスタンド「エネオス宇出津港 SS」で、町の浄水場の男性職員が携行缶を手に頭を下げていた。 「ここが生命線。 ありがとうございます。」 ガソリンは、停電になっている浄水場の発電機に使う。 車に積み込むと、急ぐように戻っていった。 店には、「一般の方の給油は終了しました」とペンで書いた段ボールの切れ端が掲げられていた。

強い地震に襲われてから丸一日が過ぎた 2 日午後 6 時半ごろ。 「ガソリン入荷のめどが立たない」と、専務の上野貴喜さん (40) はこの日の正午ごろ、給油は緊急車両や自治体に限ることにした。 一般車両がやってくると、胸元でバツ印をつくり、「ごめんなさい」と声をかける。 車の運転手の中には「どこならあいていますかね」と必死に尋ねる人もいた。 現場は金沢市中心部から約 120 キロ。 レンタカーで入った記者 (29) は、普段なら 2 時間程度の道のりを約 5 時間かけて町沿岸部の宇出津地区にたどりついた。

能登半島に近づくにつれ、路面には亀裂が走り、土砂がふさぐ道に何度も突き当たった。 上野さんは「食料品は届いておらず、備蓄していたカップ麺やお菓子でしのいでいる。 ガソリンもだが、いま町にあるものに頼るしかなく、心細い。」 ガソリンの最後の入荷は大みそか。 通常は週に2回入れているが、次がいつになるかはわからない。 4 日正午には、レギュラーは容量 1 万リットルの 4 分の 1 足らずになった。 給油できる限界に近づいているという。

一帯は、家屋が倒壊し、津波も押し寄せた。 店は浸水し、上野さんの自宅も電化製品や家具が倒れ、高台の中学校駐車場で車中泊を続けながら、給油の要請があれば店に駆けつける状況だ。 3 日も消防車などが給油に来た。 「早くガソリンが届けば」と上野さん。 「大きな被害が出た町にこのまま住み続けられるのか想像がつかない」と話す。 (三井新)

石川県は、災害時には救急車やトラックなどに燃料を優先的に供給する協定を県石油販売協同組合と結んでいる。 ただ、市民生活レベルでは既にガソリンは足りなくなっており、国は供給のためのタンクローリーが手配ができないか調整を始めるなど供給方法を模索している。 県によると、3 日時点で県が物資輸送のために確保したトラックは 6 台。 比較的被害の少なかった金沢市を出発して物資を運ぶことから、目立った実害は出ていないとみられるが、寸断された県北部への道路が復旧すると、稼働台数の増加が見込まれるため、緊急車両でも必要な燃料が確保できるかは不透明だ。

市民レベルではより入手が難しく、少ないガソリンを求めてガソリンスタンド前に車の列ができることが常態化。 車中泊で寒さをしのぐ被災者もおり、ガソリンの供給が途絶えれば命にかかわる可能性もある。 県の担当者は「ガソリン不足の現状は、食料不足と同じくらいの危機感がある。 なるべく早く供給が復活するよう努めたい。」と話した。 (華野優気、asahi = 1-4-23)


地震で中継局に燃料補給できず 輪島の一部で TV・ラジオ放送停止も

石川県内で最大震度 7 の揺れを観測した地震の影響で、輪島市の一部地域で、県内の民放 4 社と NHK の放送が停止している。 総務省によると、中継局の送信機が破損したところや、中継局などへの燃料補給が、地震による道路の通行止めで行えず、非常用バッテリーが枯渇したところがあるという。

影響世帯数(4 日午後 4 時点)は、テレビが、NHK で輪島市内の 700 世帯、石川テレビ放送、テレビ金沢、HAB 北陸朝日放送の 3 局と、MRO 北陸放送が、それぞれ同市内の約 730 世帯、約 2,130 世帯に及ぶという。 ラジオは、NHK で輪島市内の 700 世帯 (FM)、北陸放送で輪島市内の計約 1 万 4 千世帯 (AM) と同市内の 6 千世帯(AM の番組を FM で同時に放送する「FM 補完」)。 (asahi = 1-4-23)


能登半島地震の死者 73 人に 迫る「72 時間」、被害規模なお不明

石川県能登地方を震源とする最大震度 7 を観測した地震で、県などは 3 日、死者が 73 人に上ったと発表した。 3 日も強い揺れが相次ぎ、生存率が落ち込むとされる「発生後 72 時間」が迫るなか、消防や自衛隊の職員らが救出にあたっている。 県などによると、3 日午後 7 時現在で死者は輪島市 39 人、珠洲(すず)市 23 人、七尾市 5 人、穴水、能登両町で各 2 人、羽咋市、志賀町で各 1 人。 けが人は 323 人で、少なくとも 25 人が重傷という。

死者数が最も多かった輪島市の坂口茂市長は 3 日午前 11 時時点で 225 件の救援要請があることを明かした。 珠洲市でも 72 件の救助要請に対応できていないという。 穴水町は安否がわからない人が 6 人いるとした。 建物被害も相次いだ。 輪島、珠洲両市の被害規模は明らかになっておらず、両市を除いても 180 以上の民家が全半壊するなどした。 3 日朝の時点で、県内 17 市町に設けられた計 355 の避難所に計約 3 万 3 千人が身を寄せた。 また 5 市町で孤立集落が生じている。

岸田文雄首相は 3 日午前、非常災害対策本部会議を首相官邸で開き、現地に派遣する自衛隊員を 1 千人から 2 千人に増員したと明らかにした。 倒壊した建物の下敷きになるなど多数の救助要請があるといい、「人命第一で救命救助に全力を尽くしている」と強調した。 県の災害対策本部では、全国から寄せられた支援物資が 3 日朝、県内の自治体に届いたと報告された。 ただ、馳浩・県知事は「現地から食料・水など物資が底をついてきたという連絡もある」とも説明した。 国交省によると 3 日昼時点で、主に石川県の国道、県道計 85 区間が通行止めになった。

防衛省は自衛隊の艦艇で毛布、紙おむつ、ミルクといった救援物資を届けるとともに、重機を使って寸断された道路を通行できるようにする方針だ。 珠洲市と輪島市では救助犬 12 頭による捜索も実施する。 能登地方では 3 日も強い揺れが相次いだ。 午前 2 時 21 分に珠洲市で、同 10 時 54 分に輪島市でそれぞれ最大震度 5 強を観測。 気象庁によると、この地域で 1 日夕 - 3 日午後 4 時に観測された震度 1 以上の地震は 521 回となり、20 年 12 月 - 23 年 12 月の約 3 年間に起きた地震の発生数を上回った。 阪神・淡路大震災(1995 年)や熊本地震(2016 年)と比べても発災後の余震の多さが目立つという。

北陸地方では 4 日朝にかけて低気圧や寒気の影響で強い雨が降るところがある見込み。 同庁は、地震で地盤がゆるみ、少しの雨でも土砂災害が起こる恐れがあるとして注意を呼びかけている。 (asahi = 1-3-24)


きょう JR 各社が臨時新幹線を運行 普通車全車自由席で

東京・羽田空港の航空機衝突事故を受け、JR 各社は U ターンラッシュのピークとなる 3 日、臨時の新幹線を普通車全車自由席で走らせると発表した。 JR 東日本は北海道・東北新幹線と北陸新幹線で、午後 7 時台に新函館北斗、金沢駅をそれぞれ出発する東京行き臨時「はやて」、「はくたか」を走らせる。 JR 東海は、東海道新幹線で午前から午後 0 時 42 分までに東京駅を出発する新大阪行き臨時「のぞみ」を計 4 本運行する。 JR 西日本は、山陽新幹線で博多を午後 2 時台に出発する新大阪行き臨時「ひかり」を走らせる。 (細沢礼輝、asahi = 1-3-24)


自衛隊などの救助活動で 80 人以上を救出 能登地震 林官房長官

林官房長官は、自衛隊などによる救助 活動で 2 日に 80 人以上を救出したと発表しました。 一方で、今も救助を求めている数は増加し、3 日朝の時点でおよそ 130 件あるとしました。 林長官は 3 日、現地入りする自衛隊員を 2,000 人に倍増し、さらに警察、消防に加えて救助犬も増強するなど「救命・救助活動に全力を尽くしている」と強調しました。 一方で、通信環境が回復したことなどで救助を求める数も増加し、3 日午前 8 時の時点でおよそ 130 件に上るとしています。

政府が把握している避難者の数は 2 日から 2 万 5,000 人ほど減り、3 日午前 6 時の時点で石川県と新潟県などの 484 カ所の避難所で 3 万 2,608 人いると明らかにしました。 また、道路が寸断され陸路でのアクセスが困難な状況が続いていましたが、復旧作業が進み、すでに 4 トン以下の中型車が通行可能となったということです。 現在も道路の拡張作業を続けていて、「可能な限り速やかに大型車両も通行できるようにしたい」と述べました。 一方、2 日に起きた航空機衝突事故については、封鎖された羽田空港の C 滑走路の「再開の見通しは立っていない」としています。 (テレ朝 = 1-3-24)


石川県で通信不能エリア拡大の恐れ 非常用電力が枯渇 NTT 西

NTT 西日本は 3 日、能登半島地震の影響で停電している石川県の一部地域について、通信サービスを提供し続けるための非常用電力も今後、枯渇する見通しを発表した。 枯渇した地域は順次、固定電話やインターネットなどの通信サービスが使えなくなる。

石川県内ではすでに輪島市と珠洲市の一部で通信サービスが止まっている。 この先、非常用電力が枯渇する恐れがあるのは、4 日午前 0 時までが七尾市、輪島市、珠洲市、志賀町、穴水町、能登町の一部。 4 日午前 8 時までには七尾市と輪島市、能登町の一部でさらに不通エリアが広がると予想している。 被災地では配電設備の損傷などで停電が続いている。 NTT 西日本は、通信ビルにある蓄電池や発電機、移動電源車などを活用して非常用電源を工面しているが、それも限界を迎えつつある。 (asahi = 1-3-24)


石川県を中心に 3 万 4 千戸で停電

斎藤健経済産業相が記者会見を開き、午前 11 時時点で石川県で 3 万 4 千戸の停電が発生していることを明らかにした上で、「地面の状況が悪く、復旧には時間を要する見込みだ」と述べた。 経産省によると、現在の停電は送電線や変電所によるものではなく、配電設備の損傷が大きな原因。 北陸電力は関西、中部各電力の応援を含めた 3,600 人態勢で復旧作業を進めている。 斎藤経産相は「本日中に巡視の完了を目指しているが、巡視が完了しても電源車がなかなか中に入れない場合がある」と説明。 「今の時点で(停電解消の)見通しを申し上げることは難しい」と述べた。

3 県で 11 万 5 千戸が断水

厚生労働省は 3 日朝時点の被害状況を発表した。 石川、新潟、富山 3 県で計約 11 万 5 千戸で断水している。 また、3 県で計 120 の高齢者施設が被災し、石川県内では103 施設が断水、17 施設が停電している。 断水は一部復旧している地域も出ているが、石川県七尾市で約 2 万 1,500 戸、同県津幡町で約 1 万 5 千戸、富山県氷見市で約 1 万 4 千戸。 石川県能登町や穴水町の断水状況は調査中。 (asahi = 1-3-24)


震源域 150km、桁違いの断層破壊か 専門家「日本海側で最大級」

数年前から群発地震が活発化し、揺れ続けてきた能登半島。 これまでより格段に大きくなった地震は、どのようなメカニズムで起きたのか。 能登半島の石川県珠洲市周辺では、2020 年 12 月ごろから地震活動が活発になる「群発地震」の状態が続いていた。 ただ、今月 1 日の地震は M7.6 と、これまでより格段に大きくなった。 地震のエネルギーとしては、いずれも M7.3 だった阪神・淡路大震災(1995 年)や熊本地震の本震(2016 年)よりも数倍大きい。 日本海で大きな津波被害をもたらした北海道南西沖地震(1993 年、M7・8)や、日本海中部地震(1983 年、M7・7)に匹敵する規模の地震となった。

京都大の西村卓也教授(測地学)は「日本海側で起こる地震としては最大級に近い。」 東京工業大の中島淳一教授(地震学)も「一般的な群発地震では、M6 を超える地震は少なく、正直驚いた。」と話す。

断層破壊が浅く、激しい揺れと津波が発生か

規模が大きくなった原因は、桁違いに広い範囲で断層が破壊されたこととみられる。 気象庁によると、これまでの群発地震は珠洲市周辺の 30 キロ四方ほどの範囲で発生していた。 ただ今回の震源域は能登半島西端から、新潟県・佐渡島近くの日本海まで、長さ 150 キロに及んでいる可能性がある。 破壊された断層が陸と海の境界に近く、地下の浅い場所で起きたため、激しい揺れと、津波の両方に見舞われた。

京都大の後藤浩之教授(地震工学)によると、輪島市に設置された防災科学技術研究所の地震計の記録では、直下で断層破壊が起きたことを示す「長周期パルス」とみられる波形が残っていた。 木造家屋など中低層の建物が損壊しやすい、周期 1 - 2 秒の地震波の記録も能登半島の複数の地震計で記録されており、倒壊が相次いだ一因になった可能性がある。 地震を引き起こした断層として注目されるのが海底にある活断層だ。

群発地震との関連は

石川県は津波被害をもたらす断層として、長さが 95 キロにおよぶ「能登半島北方沖断層」を想定。 国も今回の規模と同じ M7.6 前後の地震を起こす断層を想定してきた。 長年調査をしてきた産業技術総合研究所の岡村行信名誉リサーチャーは、今回の地震が、この活断層によって起きた可能性があるとみる。 「今後の詳細な解析で、想定がどれくらい合っていたのか検証が必要だ。」

3 年にわたる群発地震をめぐっては、地下から上昇してきた水などの「流体」の関与も指摘されてきた。 珠洲市では流体の上昇を裏付ける地殻変動も観測されており、地下の圧力を高めたり、岩盤の摩擦を弱めたりして地震活動が活発化していたとみられている。 今回の大地震も、直接の関係は分かっていないが、群発地震が起きてきた領域で最初の断層破壊が始まり、これまで以上に広範囲に広がった。

東北大の遠田晋次教授(地震地質学)は「小規模な地震活動が活発になっている地域では、中規模、大規模な地震が発生する確率も高まる。 もともとひずみがたまっていた活断層を、群発地震が動きやすくした。」と話している。 政府の地震調査委員会委員長を務める平田直・東京大名誉教授(地震学)は「余震に加え、再び M7 程度の地震が起きる可能性も否定できない。 1 週間、特に 2 - 3 日は強い揺れに厳重に注意してほしい。 今回の地震で損傷を受けた家屋の人は、避難をする必要がある。」と呼びかける。 (asahi = 1-2-24)


石川県内の死者 48 人に 重傷者 16 人、避難者 2 万 7,785 人

1 日の地震で、石川県が 2 日午後 3 時半時点でまとめたところ、県内で 48 人の死亡が確認されたと明らかにした。 珠洲市が最多の 20 人。 輪島市 19 人、七尾市 5 人、穴水町 2 人、羽咋市 1 人、志賀町 1 人となった。 重傷者は 16 人。 避難者数は 2 万 7,785 人という。

「救助要請 120 件」と林官房長官 救援物資も発送開始

林芳正官房長官は首相官邸で記者会見を開き、能登半島地震に関連する救助要請が約 120 件あることを明らかにした。 また、2 日午前 11 時時点の情報で、石川県や新潟県などで計 955 カ所に 5 万 7,360 人が避難しているとした。 被災地への救援物資の輸送については「食料や生活関連物資をはじめ、きめ細かく被災者のニーズも把握しつつ、最速で準備が整ったものから順次発送を開始した」と説明。 物資の内容や輸送先などの詳細は明らかにしなかった。 (asahi = 1-2-24)


地震でけが人複数、輪島市では火災 建物倒壊や土砂災害の危険高まる

1 日午後 4 時 10 分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、同県志賀(しか)町で最大震度 7 を観測した。 気象庁によると、震源の深さは 16 キロ、地震の規模を示すマグニチュード (M) は 7.6 と推定。 同県輪島市で 120 センチ以上の津波を観測するなど、北海道から九州にかけての日本海沿岸の広い範囲に津波が到達した。

政府の発表によると、石川県で建物の倒壊による生き埋めが 6 件起きたとの情報があるほか、輪島市内で火災が発生。 警察庁によると、同県七尾市では 2 人が心肺停止との情報があり関連を調べている。 各県などへの取材では、新潟、富山、福井の 3 県で少なくとも 22 人が負傷。 富山、石川、福井の 3 県に災害救助法が適用された。 原子力規制委員会によると、北陸電力志賀原発(石川県)の 1 号機で使用済み燃料プールの水がこぼれて冷却ポンプが一時停止。 東京電力によると、柏崎刈羽原発 2、3、4、6、7 号機(新潟県)でも燃料プールから水があふれた。 外部への影響はないという。

この地震による各地の震度は、石川県志賀町で震度 7、新潟県中越で震度 6 弱、新潟県上越、下越、佐渡、富山県東部・西部で震度 5 強など。 北海道から九州にかけて震度 1 以上を観測した。 この影響で、石川県能登に大津波警報が出て、山形、新潟、富山、石川、福井、兵庫の 6 県には津波警報が出るなどした。

逆断層型の地震か

午後 10 時ごろまでに観測された津波は、石川県輪島市で 120 センチ以上、金沢市で 90 センチ、山形県酒田市と富山市で 80 センチ、北海道せたな町で 60 センチ、同奥尻町、石川県七尾市、福井県敦賀市で各 50 センチ、山形県酒田市飛島、新潟県柏崎市、京都府舞鶴市、兵庫県豊岡市で各 40 センチ、北海道江差町、同岩内町、青森県深浦町、新潟市、新潟県佐渡市鷲崎、鳥取県境港市、島根県浜田市、同県隠岐の島町で各 30 センチなど。

石川県能登地方で M7.6 が観測されたのは記録が残る 1885 年以降初めて。 また、津波の高さが 3 メートル超と予想される大津波警報の発表は 2011 年 3 月の東日本大震災以来で、陸域に近い震源で大規模な地震が起きたことが要因だという。 石川県能登に出ていた大津波警報は午後 8 時半、津波警報(予想される津波の高さが 1 - 3 メートル)に切り替わった。

ただ、気象庁によると、大規模地震の後は 1 - 2 割の確率で同程度の地震が発生している。 この 2 - 3 日を中心に今後 1 週間程度は、最大震度 7 程度の地震に注意するよう呼びかけている。 さらに、揺れの強かった地域では家の倒壊や土砂災害の危険性が高まっているとして、「今後の地震や雨に十分注意してほしい」とする。 この日は午後 4 - 9 時に、震度 1 以上の地震が 59 回発生した。 能登地方では 2020 年 12 月 - 23 年 12 月、震度 1 以上の地震が 506 回発生していた。

昨年 5 月に M6.5、最大震度 6 強の地震があった時期に比べて地震活動は落ち着いていたものの、昨年 12 月の 1 カ月間には 10 回の地震を観測。 気象庁の担当者は「当面継続すると考えられる」という。 最も規模が大きかった M7.6 (暫定値)の地震は逆断層型とみられる。 気象庁はこの地震を「令和 6 年能登半島地震」と名付けた。(大山稜、asahi = 1-1-24)


あちこちで家が倒壊、煙も広がる 石川県七尾市

石川県七尾市に記者が入った。 同市中島町周辺では至る所で住宅が倒壊したり、壁が崩落したりしていた。 民家の一部はぐしゃりとつぶれ、揺れの激しさを物語っている。 火災も発生し、鎮火されかかっているものの、夜空の闇に白い煙が上がっていた。 中島町中島の菅原神社は鳥居が崩れて地面に散乱。 鳥居の脇に飾られた正月の門松がむなしく残されていた。 近所の男性は「正月にまさかという感じ」と肩を落とした。

男性は近くの学校に避難しているという。 暖は取れているが、毛布などが足りず、家に取りに来たという。 「家の窓がひしゃげて開けられない。 ここは以前にも地震で被害が出た。 私の家も 1 度は半壊認定されたが、また災難とは。」と話した。 中島地区で木材所を営む男性は築 50 年の事務所が傾くなど大きな被害が出た。 「ここらは被害がひどい。 みんなやられている。」と語った。 (asahi = 1-1-24)


郵便物などの配達、各地で大幅な遅延

石川県沖で起きた地震の影響を受けて、各地で郵便物やゆうパックなどの荷物の配達が遅れている。 日本郵便によると、新潟県、富山県、石川県、福井県の全域と北海道、山形県、兵庫県の一部地域から全国に宛てた郵便物や荷物に大幅な遅れが生じている。 全国からこれらの地域に向けた配達にも、大幅な遅れが出ているという。

物流各社、集配遅延の可能性

地震の影響で道路が寸断されたり、通行規制を受けたりしているため、物流各社の集配にも影響が出ている。 佐川急便は 1 日午後 7 時半時点で、石川県の七尾、輪島、珠洲、羽咋の 4 市と中能登、志賀、穴水、能登の 4 町で集配業務を止めた。 他の自治体でも状況によって集配に遅れが出る可能性があるとしている。 ヤマト運輸では午後 6 時時点で石川、富山、福井、新潟の各県から全国宛ての荷物の配達、全国からこの 4 県に宛てた配達に大幅な遅れが出ているという。 (asahi = 1-1-24)


上越・北陸新幹線が運転見合わせ、見通し立たず 東北新幹線は再開

JR 東日本によると、東北新幹線は午後 4 時 41 分に運転を再開した。 上越・北陸新幹線は運転を見合わせており、復旧の見通しは立っていない。 在来線は信越エリアの全域と東北エリアの一部で運転見合わせが続いている。

北陸道の一部通行止め 丸岡 IC から富山県側の上下線

中日本高速道路 (NEXCO 中日本) のホームページによると、午後 6 時現在、北陸自動車道は丸岡インターチェンジ (IC) から富山県側の上下線が通行止め。 東海北陸道は白川郷 IC - 小矢部砺波ジャンクション (JCT) の上下線も通行止めとなっている。 (asahi = 1-1-24)