ホンダ、燃費性能 30% 向上大型ハイブリッド技術初公開 日本勢が米大型車市場に HV 攻勢

ホンダは 6 日までに、同クラスのガソリン車に対して 30% 以上の燃費向上を実現する同社初の大型ハイブリッド車 (HV) を 2029 年末までに北米に投入する方針を明らかにした。 日産自動車も大型車向け HV システムを開発中だ。 北米の大型車市場は力強い走りと牽引力で純エンジン車が主流だが、トヨタ自動車に続き、ホンダと日産も商品投入することで HV への転換が進む可能性がある。

全開加速性能も 10% 向上

ホンダは、10 月 31 日に開いた技術説明会で大型スポーツタイプ多目的車 (SUV) などへの搭載を想定して開発中の次世代 HV システムを報道向けに初公開した。 米国の次期排ガス規制もにらんで環境性能を高めた新開発の V 型 6 気筒エンジンや新設計のモーター、電池パックなどで構成。 システムの搭載車は、同クラスのガソリン車に対して燃費性能を大幅に改善すると同時に、全開加速性能の 10% 以上の向上を実現する。

北米の大型車は、キャンピングカーやボートなど大型の重量物を牽引できる性能が求められる。 ホンダの北米向けガソリン車の SUV が備える牽引力は約 3,500 ポンド - 約 5,000 ポンド(約 1,600 キロ - 約 2,300 キロ)で、次世代システム搭載の大型 HV は、それ以上の牽引性能を目指す。 次世代システムは SUV の「パイロット」、「パスポート」、高級ブランドの「アキュラ MDX」といった既存車種が適用対象となるほか、次世代 HV の新車種設定も選択肢になる。

エンジン車の牙城に挑戦

日本勢で北米に大型 HV を投入しているのは今のところ 3 列シートの大型 SUV 「ハイランダー」の HV モデルを展開しているトヨタのみだが、米フォードが SUV 「エクスプローラー」の HV を設定しているほか、韓国の現代自動車も最上位 SUV 「パリセード」の 26 年モデルに初の HV を設定した。 電気自動車 (EV) の成長ペースが落ちる中、各社は環境規制への対応も念頭に HV の商品ラインアップの拡充に動いており、純エンジン車の牙城だった大型 SUV などの市場にも電動化の波が及んでいる。

ホンダは 5 月、27 年以降の 4 年間に次世代 HV13 モデルを投入し、30 年の HV の世界販売台数を 2 倍超の 220 万台に拡大する計画を公表している。 まず 27 年以降に中小型で次世代 HV の展開を始め、28 年 - 29 年をめどに今回公開した大型 HV 技術を市場投入するとみられる。 (池田昇、sankei = 11-6-25)


ホンダ、メキシコ工場の生産停止 オランダと中国の半導体巡る対立で

中国資本でオランダに本社を置く半導体メーカー「ネクスペリア」の輸出が中国政府によって規制されたことを受け、ホンダは 29 日、メキシコにある自動車工場での生産を止めたと明らかにした。 同社によると、車両に使う半導体の供給が滞り、28 日に SUV (スポーツ用多目的車)の「HR-V」などをつくるセラヤ工場の生産を止めた。 同工場は米国に輸出する車もつくっている。 生産能力は年 20 万台。 24 年は 19 万台超を生産したという。 同社では、米国とカナダの工場でも 27 日に生産調整を始めた。 具体的な減産規模や期間などは明らかにしていない。 主要市場の北米で減産が長引けば業績への打撃となる恐れもある。

ネクスペリアを巡っては、オランダ政府が 9 月、経済安全保障上の理由で管理下に置くと決定。 これに対し、中国政府は 10 月、同社が中国の拠点でつくる一部製品の輸出を規制した。 自動車各社は代替品の確保などの対応を急いでいる。 ホンダ以外にも影響が広がる可能性がある。 日産自動車チーフ・パフォーマンス・オフィサーのギョーム・カルティエ氏は 29 日、「懸念材料だ。 グローバルに波及する可能性がある。 どれくらいの規模のインパクトがあるのかを検証しないといけない。」とコメントした。 (三浦惇平、中村建太、asahi = 10-29-25)

関連ニュース (10-24-25)


ホンダ、新 EV は軽自動車 「手の届く」価格で普及の足がかりに

ホンダは、電気自動車 (EV) の軽自動車「N-ONE e: 」を 12 日に発売する。 中国や欧米ほど EV が普及していない日本の市場を掘り起こそうと、国内外の自動車各社は消費者に身近な軽 EV の開発に力を入れている。 「エヌワン イー」は、ホンダがガソリン車として展開してきた軽自動車「N-ONE」のデザインを土台にした。 先行する他社の軽 EV よりも航続距離が格段に長く、1 回の充電によって 295 キロ走れる。 ガソリン車と比べて短い EV の航続距離に対する不安を払拭する狙いがある。

価格は税込み約 270 万円から。 購入時には国の補助金が約 57 万円出る。 価格を抑えるためにカーナビを搭載しないモデルも用意。 「手の届く EV (開発責任者の堀田英智氏)」をめざした。 日常生活での利用を想定し、40 - 50 代を中心とした女性を主な購買層としてとらえている。 ガソリンスタンドが減っている地方の家庭の「セカンドカー」需要も狙っている。 (asahi = 9-11-25)

〈編者注〉 ホンダの本気度に少々疑問を感じます。 「軽」分野は一挙に EV に代わる可能性が高いと思われます。 このモデルは国内仕様なのでしょうが、真のライバルは中国製 EV です。 この価格レベルで対抗できるのでしょうか?


ホンダ・プレリュード、四半世紀ぶりに復活 電動化の「前奏曲」に

ホンダは 4 日、既に生産を終了していた「プレリュード」を四半世紀ぶりに復活させ、5 日に国内で発売すると発表した。 デザイン性を重視した 2 ドアのクーペタイプで、ハイブリッド車 (HV) のみの展開。 環境性能と走り心地を両立する、ブランドの牽引役としたい考えだ。 車名は「前奏曲」を意味し、初代は 1978 年に登場した。 日本初の電動サンルーフが導入されるなど、モデルチェンジごとにその時代の先端技術が施され、愛好家をつかんできた。 国内の販売台数は約 49 万台に上る。 だが、クーペの市場が縮む中、2001 年に生産を終えていた。

6 代目となる今回は、HV システムに最新の制御技術を掛け合わせて、車両の応答性を向上。 走行性能も高めた。 井上勝史専務は「電動化時代に『操る喜び』を再定義する」と説明。 HV の強化を図っている同社はプレリュードを「電動化戦略の『前奏曲』」と位置づけている。 月間 300 台の販売を計画しており、メーカー希望小売価格は税込み 617 万9800円。北米や欧州でも売り出す予定だ。 (三浦惇平、asahi = 9-4-25)


ホンダ、通期の純利益予想を 1,700 億円上方修正 関税率引き下げで

ホンダは 6 日、2026 年 3 月期決算(国際会計基準)の純利益が前年比 49.8% 減の 4,200 億円になる見通しだと発表した。 5 月時点の予想から 1,700 億円引き上げた。 日米両政府が自動車関税を 27.5% から 15% に下げることに合意したことなどで、関税による営業利益の押し下げ額が従来予想の 6,500 億円から 4,500 億円に減った。 売上高は 8 千億円上ぶれして前年比 2.7% 減の 21 兆 1 千億円、営業利益は 2 千億円上ぶれして同 42.3% 減の 7 千億円を見込む。 関税率引き下げのほか、想定為替レートを円安方向に見直したことも営業利益を 1,500 億円押し上げる要因になると見積もった。

同日発表した 25 年 4 - 6 月期決算は、営業利益が前年同期比 49.6% 減の 2,441 億円、純利益は同 50.2% 減の 1,966 億円だった。 関税の影響で営業利益が 1,221 億円下押しされた。 また、大型スポーツ用多目的車 (SUV) の電気自動車 (EV) の開発を中止したことなども営業利益を 1,134 億円下押しした。 藤村英司 CFO (最高財務責任者)は米国の関税政策について「これがニューノーマル(新常態)になることも想定した考え方をしなければならない」と述べた。 米国の工場に日本から輸入しているハイブリッド車の基幹部品の現地生産なども検討を進めているという。 (中村建太、asahi = 8-6-25)


ホンダは 30 日、栃木県真岡市で 2027 年度から次世代燃料電池システムを生産する計画を見直すと発表した。 稼働時期を先延ばしして「未定」とし、生産能力も引き下げる。 水素を燃料とする燃料電池車 (FCV) に使われるシステムだが、FCV の広がりが遅れているためだという。 ホンダは 21 年、真岡市にある工場でエンジンや部品の生産を 25 年中にやめると発表。 昨年 12 月、建屋や跡地を使って次世代燃料電池システムを 27 年度から年間 3 万基つくるとしていた。

ホンダは 40 年に新車販売を電気自動車 (EV) と FCV のみにする目標を掲げている。 ただ、世界の EV 市場は成長が鈍っており、環境規制もトランプ政権下の米国などでは大幅に緩和されつつある。 このため今年 5 月には、EV やソフトウェア開発に 30 年度までに 10 兆円を投じる計画を見直し、7 兆円に減額していた。 (西山明宏、asahi = 6-30-25)

- 2024年 12 月 22 日 - 2025 年 8 月 5 日間のログ、誤って消失。 少しずつ修復します。-