出雲大社、"シャッター商店街の復活" を陰で支える仕組みとは?

"平成の大遷宮" で話題になった「出雲大社」。 目の前にある「ご縁横丁」は、年間 100 万人ほどが買い物に訪れる観光スポットだ。 以前は閑散とした "シャッター街" だったが、2013 年の「本殿遷座祭」を機に復活。 大型イベントによる人気は一時的なものになる場合も多いが、ここは人気を継続している。 背景にあるのは、魅力あるコンテンツを生み出す体制。 そして、それを陰でサポートする仕組みだ。

商店街の復活

ご縁横丁は、地産地消を掲げるテナントが 11 店舗入る商業施設。 "出雲いいもの、おいしいもの" をコンセプトに、ご当地グルメや勾玉など地元に縁の深い商品を販売している。 所在地は、出雲大社の正門(勢溜 = せいだまり)前に位置する「神門通り商店街」だ。

かつては国鉄大社駅からの参拝客でにぎわっていた商店街だったが、車社会の到来で鉄道が廃止になり、一時はすたれ気味になってしまった。 しかし、13 年の「出雲大社 平成の大遷宮」をきっかけに石畳や電線の地中化など整備を進め景観を一新。 60 年に一度の伊勢神宮の遷宮とタイミングが重なったこともあり、02 年から 10 年間は 20 万人前後だった参拝者が、13 年には年間 80 万人ほどに急増した。

ただ、景観を整えただけで人気を継続するのは難しい。 そこで参拝者の様子に目を向けた。 見えてきたのは「出雲大社参拝後に、何を買ったり食べたりすればいいのかわからない」という悩み。 解決するために、出雲のさまざまな良いものをすぐに楽しめる場所として、ご縁横丁を開業した。 今では、"出雲で出店したいエリア No.1" とも呼ばれているという。

継続的な人気を支える "陰" の仕組み

いくらコンテンツに魅力があったとしても、同じことを続けていたらいつか参拝者が飽きてしまう。 ご縁横丁を統括する三木康夫氏は、「ご縁横丁は神門通り商店街の入り口のスポットとして、商店街に人を呼び込めるよう、常に魅力あるコンテンツにアップデートしないといけないというミッションを抱えている」との考えを示す。 ところが、店舗は接客や商品の在庫管理、会計、レジ締めなど日常の業務は多く、新たなコンテンツを考える時間をねん出するのは難しい。 少しでも業務を効率化しつつ、これからのことを考える時間をつくるため、ご縁横丁は「Air レジ」の導入に踏み切った。 ご縁横丁の新しい取り組みを陰で支える重要な仕組みだ。

Air レジは、レジ機能に加え、売上分析や在庫管理、サービス連携など店舗経営をサポートする機能が盛り込まれたサービス。 導入に必要なのは、iPad や iPhone とインターネット環境だけ。 レジ機能は 、「0 円」で使用可能。 消費税増税・軽減税率対応の負担軽減にも役立っているという。 決済サービス「Air ペイ」を導入すれば、電子マネーやクレジットカード、QR 決済 に対応する点も強みだ。

これにより、ご縁横丁ではマネージャー業務の負担が大きく軽減。 三木氏は、「空いた時間を新たなコンテンツ企画にあてることができている。 Air レジの売上データの数字をもとにすることで、議論は建設的なものになった。」と語る。 活発な議論により、いくつもの施策が生まれた。 神門通り商店街は早い時間で閉まる店がほとんどのため、夜でも交流できる空間のある宿やクラフトビールの店を開業する予定だ。

また、中長期的には、営業人口や関連人口を増やすために空き家物件を開発してソーシャルアパートメント化する構想を立てている。 三木氏は、「島根県は U・I ターンランキングで全国 2 位であり、島根・出雲の良さを残しつつ、第 2、3 の拠点として過ごしやすい場づくりにも挑戦をしていく」と展望する。 Air レジが生み出した時間は、商店街にとどまらず、県の未来を支える時間になりそうだ。 (南雲亮平、BCN = 3-20-20)


「麒麟がくる」になぜ鳥取が沸く? 「目指すもの同じ」

鳥取と言えば、砂丘 … だけじゃない。 鳥取市を中心とした地域はいま、「麒麟(きりん)のまち」というブランド化に成功しつつある。 NHK 大河ドラマ「麒麟がくる」が始まったことも追い風にと、地元は沸き立つ。 江戸時代からの地域特有の神事を核に、過疎にあらがうまちおこしは、30 年前の商店主たちの作戦から始まった。

《こうして因幡地方の村々に棲(す)みついた麒麟は、毎年村々の祭りになると復活するのです。》

こんなふうに、霊獣「麒麟」の顔をした獅子舞を "昔話" 仕立てで紹介した漫画冊子がある。 1993 年にでき、鳥取市内の小中学校や商店で 1 万冊、配られた。 仕掛けたのは、鳥取駅前の商店街で万年筆屋を営む山本雅明さん (77)。 「テレビで唐草模様に赤い顔の獅子舞を見ても、東京の方はああいう獅子なんだとしか思わなかったんですよ。 ここでは、獅子と言えば麒麟ですから。」と懐かしそうに振り返る。

バブルが崩壊し、郊外に大型ショッピングセンターができはじめた時期。 駅前の商店主たちは危機感を抱いていた。 「砂丘以外に、鳥取の顔と言えるものはないのか。」 勉強会を重ねる中で見つけたのが、麒麟獅子舞だった。 講師に招いた鳥取大の野津龍さん(故人)の話で、その魅力に気づいた。

麒麟学、麒麟歴 … おもしろがりの応援団

神社の祭礼に合わせ、太鼓や笛、鉦(しょう)の音とともに、家々にやってくる。 金色の顔に 1 本角。 重たい頭をゆっくりとうねらせる舞いは、赤と黒の銅幕によく映える。 幼いころから身近にあった年中行事。 だが野津さんによると、その由来は江戸時代初期の鳥取池田家初代藩主の池田光仲にさかのぼる。 光仲の曽祖父は徳川家康だ。 乱世を平定し江戸幕府を開いた英雄のように、立派な政治を - -。 そんな決意表明として、鳥取東照宮の祭礼として始めたものだという。

「単なる伝統芸能ではなく、麒麟の持つ思想を平和のシンボルとして 21 世紀に新しくよみがえらせたい。」 山本さんたちは、キリノロジー(麒麟学)という造語をつくり、麒麟獅子舞を応援する市民団体キリノロジークラブを立ち上げた。

おもしろがって集まった仲間たちの中で、神社ごとの記録を取り始めたのが、地元テレビ局で美術を担当していた坂野靖さん (59) だ。 麒麟の顔の獅子舞が伝わるのは、鳥取県東部と兵庫県北西部の 1 市 6 町、140 ほどにものぼる。 通説では、鳥取東照宮の祭礼を正式に学んだものもあれば、「盗み習い」したものも。 顔も、舞い方も、全く同じにはしないのが礼儀とされ、「誰もすべての麒麟を見比べることはできなかった(山本さん)」ほどのバリエーションがある。

坂野さんは 7 年がかりで祭礼ごとに神社を訪ね、様々な角度から写真を撮って舞いの特徴を書き留めた「麒麟のカルテ」作成。 それを元に、年間を通じていつ、どの神社で、どんな麒麟が見られるかを一覧できるポスター「麒麟暦」を作った。 2010 年完成の最新版には、185 の獅子の面の写真が並ぶ。 販売してクラブの活動資金にあてるほか、写真は鳥取市のパンフレットにも使われている。

駅前商店街や県庁ロビーには、麒麟獅子をかたどったベンチが登場。 内装業者がボランティアで作ってくれた。 輪は広がり、内外に知られていった。 1994 年には米国のニューヨークの五番街でストリートパフォーマンスを披露。 ベトナムでは当地の麒麟獅子と共演したり、鳥取市に全国獅子舞フェスティバルを誘致したりした。 後継者育成に取り組む因幡麒麟獅子舞の会の西村伸一会長 (66) は「僕ら担い手だけでなく、山本さんたち応援団や、行政。 それぞれの立場から熱い息を吹きかけてくれる人たちがいた。 それがかみ合って、ここまで来ることができた。」と話す。

麒麟獅子舞が続く 1 市 6 町の人口はピーク時の 1990 年には 29 万 4 千人だったが、2015 年までに 1 割減った。 国立社会保障・人口問題研究所の推計では 2045 年には 20 万人を切る過疎の地域だ。 かつて、頭の重たい獅子に入るのは地域の長男の若者たちだったが、いまは長男に限らず年配者も担う。 女性が笛を担当する地域もある。 西村さんは「担い手不足で一時的に途絶える地域があっても、横のつながりで復活させることができた」と言う。 キリノロジークラブのような応援団による盛り上げが担い手たちを刺激し、集落間で協力しあう人間関係が育まれてきたという。

1 市 6 町は 2015 年、観光振興や移住定住策に一体となって取り組む「麒麟のまち創生戦略会議」を設立。 大阪・中之島に情報発信拠点「麒麟のまち」を開き、東京や大阪で移住誘致の「麒麟のまち相談会」を共同で開催する。 人口減少を簡単には止められないものの、今年度の移住者数は目標より 70 人多い 630 人程度に達する見込みだ。

「幸せを呼ぶ霊獣・麒麟が舞う大地」をうたったこの地域は昨年、文化庁が地域活性化の補助金を出す「日本遺産」に認定された。 麒麟獅子舞は国の重要無形民俗文化財にも登録される。 麒麟のまち観光局の石塚康裕事務局長は「大河ドラマ効果で麒麟に興味がわき、麒麟のまちにも関心が寄せられている」と追い風を感じている。 「天下太平の世を願うストーリーは、我々の目指すものとも同じ。 地元全体でこのチャンスを生かしたい。」 (上田真由美、asahi 3-15-20)

前 報 (5-20-19)


中国からの技能実習生が来日できず 困惑の縫製会社 出雲

新型コロナウイルスの水際対策を強化するため、日本政府が中国と韓国からの入国ビザの効力を停止したことを受けて、島根県出雲市の縫製会社では、9 日来日予定だった中国からの外国人技能実習生が来日できなくなるなど、影響が広がっています。 男性向けの衣類などを製造する出雲市の縫製会社は人手不足に対応するため、中国からの技能実習生を受け入れていて、2 つの工場で合わせて 16 人が働いています。

この会社では中国から新たに 5 人の実習生を受け入れる予定で、9 日午後、関西国際空港に到着するはずでしたが、入国ビザの効力が 9 日午前 0 時に停止されたため、来日できなくなったということです。 技能実習生の日本での在留期間は最大 5 年と決まっていることから、この会社は生産に必要な人員を常に確保できるよう、受け入れ計画を立てていました。

しかし、今回の政府の措置により、5 人の実習生の来日の時期が不透明になり、会社は現地の送り出し機関などに入国の見込みを問い合わせるなど対応に追われました。 縫製会社の持田彰社長は「人手不足の中、即戦力の実習生は欠かせない存在なので非常に困っている。 政府には影響を少しでも減らすような措置をとってほしい。」と話していました。 (NHK = 3-9-20)


隠岐の島に移住した医師 聖火ランで「やりがい伝える」

僻地医療

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日本ファッションはどのように発展したのか?
軌跡をたどる展覧会が東京 & 島根で開催

戦前から現代までの日本ファッションの歴史をたどる展覧会「ファッション イン ジャパン 1945 - 2020 - 流行と社会」が国立新美術館と島根県立石見美術館で開催される。 会期は国立新美術館が 6 月 3 日 - 8 月 24 日、島根県立石見美術館は 9 月 19 日 - 11 月 23 日。

洋装をベースとした日本のファッションスタイルは、1970 年代に三宅一生や高田賢三、山本寛斎、森英恵ら日本人デザイナーが世界的に高く評価されたことをきっかけに注目され始めた。 しかし、同時期に突如として誕生したわけではなく、「明治期の近代化政策、戦後の洋裁ブーム、60 年代の中流階級の成長などをきっかけとしながら独自の発展を遂げてきた」と逢坂恵理子・国立新美術館長は語る。

同展では、そんな日本ファッションの軌跡をデザイナーと消費者の双方から捉えながら、当時普及していたメディアや社会的背景を踏まえて多角的に振り返る。 また田中千代による市松柄を採用した "ニューキモノ" や山本寛斎がデヴィッド・ボウイのためにデザインしたジャンプスーツ "トーキョーポップ" をはじめ、世界のファッションやカルチャーに影響を与えた約 600 点(島根は 500 点)の作品を展示する。 (WWD = 3-2-20)


岡山「きぬむすめ」、島根「つや姫」が特 A 19 年産コメ食味

日本穀物検定協会が 26 日に発表した 2019 年産のコメの食味ランキングで、中国エリアの岡山県の「きぬむすめ」と島根県「つや姫」の 2 品種が最高ランクの「特 A」に選ばれた。 岡山のきぬむすめは 16 年産が同県産で初めて選ばれて以来、特 A が続く。 JA 全農おかやまは「高温障害や虫害で生育条件は厳しかったが、生産者や県とともに、良食味の取り組みを続けてきた成果が出た。 他の品種も底上げを図りたい。(農産部)」という。

前年産で特 A だった鳥取、山口(県西地区)両県の「きぬむすめ」が「A」に格下げになった。 18 年産まで 4 年連続で特 A だった山口県産(県西地区)がランクを下げ、JA 山口県は「夏季の高温や収穫前にウンカの被害を受けたことが大きい。 20 年産はまた特 A を取りたい」と話している。

四国エリアは、高知県の「ヒノヒカリ」が初めて特 A に選ばれたほか、香川県「おいでまい」、愛媛県「にこまる」がともに 3 年ぶりに返り咲くなど計 5 品種が特 A。 香川県のオリジナル米おいでまいは 13 年から本格的に栽培を始め、特 A と評価されるのは今回が 4 回目。 浜田恵造知事は「一層のブランド力の強化と販売促進に努めるとともに、栽培面積の計画的な拡大を図る」とコメントを発表した。 (nikkei = 2-26-20)


島根の高校への "地域留学" から東大へ 「田舎だからこそ得られたリアリティが僕の夢の源」

地域留学

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「島根にすごい町がある。」 地域住民が自ら決める人口減少時代の「しくみづくり」

最末端の自治活動のあり方

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分身ロボット、障害ある人の支えに 島根で実証実験

カメラやスピーカーがついたロボットを遠隔操作し、自身の分身のように使う実証実験が島根県内で始まっている。 複写機大手リコーと県立大が協力。 体が不自由な人でも離れた場所からロボットを通じて様々な体験ができるようになるかもしれないと期待がかかる。

カメラを外付けしたタブレット端末とタイヤをアーム(長さ約 120 センチ)でつないだ分身ロボット「テレプレゼンスロボット」が、県立大松江キャンパスの図書館内を移動してきた。 遠隔操作するのは、県立松江緑が丘養護学校の生徒たち。 生徒らはロボットが捉えたカメラの映像を手元のタブレット端末で見ることができる。 ロボットを待ち受けていたのは、同大 1 年の藤村光さん (18)。 同養護学校の卒業生で、脊髄(せきずい)性筋萎縮症のため電動車いすで暮らす。 藤村さんはタブレットのモニターに映った後輩らに向かって、「ここは小泉八雲のコーナーです」、「ここは自習スペースみたいな感じで使えます」と館内の状況を伝えた。

ロボットはリコーが開発した。 1 月 28 日にあった実験では、藤村さんらが障害のある立場からロボットの動線や視野をチェックしアドバイス。 今後、藤村さんがロボットを操作する予定もあるという。 藤村さんは「自分もロボットを動かし、好きな神社に行ってみたい。 段差があって行きづらい場所だけど、ロボットなら行ける。」と、実用化に期待する。 この日の実験では、通信量が大きすぎてネットワークに負荷がかかり、プログラムが強制終了するなど改善点も見つかった。 ただ、リコーのデジタルビジネス事業本部の荒海雄一さんは「(次世代の高速移動通信網の) 5G などの環境が整えば、もっと動きもスムーズになり全く違う世界になる」と話す。

リコーは 19 年 3 月から埼玉や神奈川など首都圏で実証実験を繰り返してきたが、地方での実験は島根が初めて。 将来的に首都圏と地方を結んで遠隔操作ロボットを活用するビジョンがあり、その布石として島根での実験を始めたという。 実験をした西村健一准教授は「改修すべき課題はまだまだあるが、ICT で障害者の社会参画はより促進されるはずだ。」 実験は 3 月末ごろまで続くという。

分身ロボットを巡っては、リコー以外でも開発が行われていて、多方面で活用が進む。 鳥取県では、難病の女性が、大山を登る登山隊が携えた分身ロボット「OriHime (オリヒメ)」からの映像や音を自宅のタブレット端末でリアルタイムで楽しんだ。 広島県では、分身ロボットが本人の代わりに学校に登校できる制度もある。 (市野塊、asahi = 2-15-20)


バス乗客、運転席に入り込み衝突 鳥取の山陰道

鳥取県米子市の山陰自動車道を走行中の夜行バスで乗客の男が運転席に突然入り込み、壁に衝突する事故が起きていたことが 13 日、分かった。 男や乗客ら 12 人にけがはなかった。 鳥取県警は道交法違反や威力業務妨害などの疑いで調べている。

県警やバスを運行していた中国 JR バス(広島市)によると、事故は 9 日午後 8 時 45 分ごろに発生。 JR 出雲市駅発東京行きで、日野川東インターチェンジ付近を走行中、後方に座っていた男が駆け寄り、運転手に乗りかかった。 運転手や他の乗客ともみ合いになり、バスは約 100 メートル蛇行。 運転手はブレーキをかけたが、左側の壁に衝突して止まった。 男はバスの扉から逃げたが、県警に身柄を確保された。 現場は片側 2 車線で、事故当時の交通量は少なかった。 (sankei = 2-13-20)


島根・宍道湖 「放射霧」一面真っ白な世界

島根・松江市の宍道湖周辺では 11 日朝、濃い霧が発生し、一面、真っ白な世界となった。 秋から春先の晴れた日に発生する「放射霧」。 水の都・松江市では街が霧に覆われ、宍道湖周辺には幻想的な風景が広がった。 午前 7 時半には霧で隠れていた松江城だが、2 時間たってようやくうっすらと確認することができた。 気象台では午前 3 時 42 分に島根県の広い範囲で濃霧注意報を発表していて、11 日朝はドライバーもゆっくりと車を走らせていた。

松江市民「(今季は)今まであんまりなかった。 朝、雨が降らなかったらこの時間帯に霧ができるんだけどきょうはすごい。」

このあとの山陰地方は高気圧に覆われ、各地で晴れ間が広がり、外出日和となりそうだ。 (NNN = 2-11-20)


のどぐろ丼が「殿丼」入り どんぶり選手権で V2 島根

島根県出雲市の飲食店経営会社「日本海」の名物料理「のどぐろ丼」が、東京ドームで 1 月に開かれた「第 11 回全国ご当地どんぶり選手権(ふるさと祭り東京実行委員会主催)」で最高賞のグランプリを獲得した。 受賞は 2 年連続で、「殿堂入りした丼」として実行委からたたえられる「殿(でん)丼」となった。

ノドグロ(アカムツ)は淡泊な中にもうまみのある味わいが特徴で、焼いても煮ても、刺し身でもおいしく食べられる。 テニスの錦織圭選手の好物として広く知られるようになった。 「のどぐろ丼」は、あぶった皮付きの切り身を熱いご飯にのせ、特製の薄いだししょうゆをかけたオリジナル丼。 あったかいご飯とシンプルな味付けの相性がよく、深みのあるうまみをたんのうできる。 同社が営む JR 出雲市駅前の居酒屋「のどぐろ日本海」でも観光客に人気のメニューという。

選手権では、十勝牛とろ丼(北海道)、志布志発かごしま黒豚三昧(鹿児島)などを押しのけ、来場者の人気投票で 1 位となった。 6 日に長岡秀人・出雲市長に受賞を報告した加田義憲代表は「殿丼入りを弾みに、このどんぶりを島根から全国に発信していきたい」と話した。 試食した長岡市長も「2 年連続 1 位はすごい。 うまいし、錦織選手にもぜひ食べてもらいたいね。」と笑みをこぼした。 (杉山高志、ashi = 2-8-20)


欧州に古漬け売り込み けんちゃん漬、島根の工場増設

漬物製造販売のけんちゃん漬(島根県出雲市)は本社工場を今春に増設し、日持ちする「古漬け」の生産を本格的に始める。 調味液に短時間漬けた「浅漬け」が主力だが、品ぞろえを増やし、生産能力を高めると同時に、工場の安定操業につなげる。 同社は島根県産野菜を使った手作りの漬物が売り物。 堅調な国内需要に対応すると同時に、欧米での販路拡大を狙う。 製品は県特産の勾玉状の赤カブ「津田かぶ」、ネギ、大根など約 50 種類あり、合成保存料、着色料を使用していない。 小売店からの注文生産が基本。 首都圏の高級スーパー・百貨店なども取り扱っており、県外での販売比率は約 5 割を占める。

市内の大社町にある本社工場を増設する。 1 月末に着工し、3 月の竣工を予定する。 現在の事務所と工場を合わせた建物面積は約 600 平方メートルだが、約 100 平方メートル広げ、古漬けの製造設備を導入する。 浅漬けと合わせた生産能力は 5 - 10% 高まる。 投資費用は数千万円を見込む。 古漬けは長期間漬け込んで発酵させるため、浅漬けに比べ味が濃厚だ。 加工食品の「出雲の漬物フレーク」の原料としても使用している。 新工場の稼働後は浅漬けと並ぶ看板商品に育てていく。

海外展開にも活用する。 同社は 2018 年からフランスの食品スーパーなどで「出雲の漬物フレーク」を販売済みだ。 同製品は熟成発酵させた古漬けと塩だけを用いており、スプーン 1 さじを料理にかけると、料理にうま味が出る。 津田かぶ菜漬けはカルパッチョなどに、大根菜漬けは天ぷらなどに使えるという。 手軽に和の風味を味わえると好評なため、今後はフランス以外の欧州での販売を目指していく。 価格は日本国内向けの 2 倍程度(20 グラム入り、700 - 1,000 円前後)を見込む。

一方、主力製品の浅漬けは 17 年から販売している米ハワイに続き、西海岸の日系スーパーで販売を視野に入れる。 1 月中旬にシアトル、サンフランシスコなどに社員を派遣し、現地の日系スーパーに営業活動を始めた。 米国向け輸出には欧州向けのような船便ではなく、空輸を用いる。 ハワイでの販売を通じて、温度管理の工夫により保存料なしでも鮮度が保てることが分かったため、米本土での展開を目指す。 価格は 1 袋(200 グラム入り) 1,000 円前後で、日本国内の 2 倍程度。

同社の 19 年 8 月期の売上高は約 2 億円。 成相善美社長は「古漬け生産はシーズンを問わないため、工場の安定稼働につながる」と説明。 「海外では数年後に年間 500 万 - 1,000 万円を売り上げるのが目標。 国内と海外展開の両立により、収益の安定を図りたい。」としている。 (西村正巳、nikkei = 2-5-20)


島根銀行、住信 SBI の住宅ローン取り扱い開始

島根銀行は 31 日、インターネット専業の住信 SBI ネット銀行の住宅ローンの取り扱いを始めたと発表した。 変動金利型と固定金利型の 2 種類で、島根銀の店舗(島根・鳥取両県で計 20 店)で申し込みを受け付ける。 昨年 9 月に島根銀が SBI ホールディングス (HD) と結んだ資本・業務提携の一環。 住信 SBI ネット銀の住宅ローンを地方銀行が扱うのは初めてとなる。

島根銀は同日、住信 SBI ネット銀と銀行代理業務委託契約を結んだ。 変動金利型の商品名は「ミスター住宅ローン REAL」、固定金利型は「フラット 35」。 島根銀の鈴木良夫頭取は同日の記者会見で「山陰では 2 段階固定金利型に対する需要が多い中、幅広い顧客のニーズに応えることを目指した。 SBI グループとの連携をさらに強化し、顧客の暮らしのサポートに積極的に取り組んでいく。」と語った。 (nikkei = 1-31-20)

◇ ◇ ◇

SBI 損保、島根銀で火災保険販売

SBI 損害保険は 31 日、島根銀行を通じて火災保険の販売を始めたと発表した。 SBI 損保を傘下に置く SBI ホールディングスは島根銀を含む複数の地銀に出資する「地銀連合構想」を掲げている。 SBI 損保はグループの地銀との関係を生かし、地方での販路を開拓する狙い。 同日から取り扱いを始めた住信 SBI ネット銀行の住宅ローンの契約者向け。SBI 損保が地銀経由で火災保険を販売するのは初めて。 SBI 損保の火災保険の取り扱いは現在、インターネット経由が主流になっている。 (nikkei = 1-31-20)

初 報 (9-7-19)


拉致被害者向けラジオ番組を公開録音 島根県安来市

北朝鮮の拉致被害者に向けて家族のメッセージや日本の音楽などを届ける、短波ラジオ番組の公開録音が島根県安来市で行われた。 政府が運営する「ふるさとの風」と民間団体の特定失踪者問題調査会が運営する「しおかぜ」の 2 番組が共同で収録した。 中国地方で両番組の公開録音をするのは今回が初めて。 会場には、拉致被害者の松本京子さんの兄・松本孟さんや、特定失踪者の益田ひろみさん、和田佑介さん、上田英司さん、古都瑞子さん、荒谷敏生さんの家族や同級生らが参加。 「どうぞ元気でいてください」と体調を心配する手紙や「今すぐ会いたい」と一日も早い再会を望む切実なメッセージが読み上げられ、会場では涙を流す参加者も見られた。

特定失踪者問題調査会の副代表兼事務局長で番組の司会も務めた村尾建兒氏は「脱北者に聞くと北朝鮮の市民は、国外の情報源として中波や短波ラジオをよく聞いている。 2002 年に帰国した拉致被害者の曽我ひとみさんの夫、ジェンキンスさんも日本語放送を聞いていた。 北朝鮮が常に妨害電波を出しているのは嫌がっている証拠」とラジオ放送の意義を強調。

番組収録に協力した近藤宏樹安来市長は「今後も拉致被害の現状を市民に広く伝え、みなさん全員が晴れてふるさとに帰れる日が来るよう尽力してまいります。 皆さんどうかその日まで頑張ってください。」と被害者に呼び掛けた。 番組の最後には、一般市民など約 120 人の参加者全員で拉致問題の解決を訴えた。 (jiji = 1-28-20)


地方創生の "成功例" の島根の男性、転居していた

安倍総理が 20 日の施政方針演説で地方創生の成功例として紹介した東京から島根県江津市に移住した男性が、すでに市から転居していたことが明らかになりました。

「若者の起業を積極的に促した結果、一昨年、転入が転出を上回り、人口の社会増が実現しました。(安倍首相)」

施政方針演説で、安倍総理は地方創生の成功例として島根県の江津市を取り上げ、市が若者たちに起業支援などをして人口増をもたらしたとして、東京から移住してパクチー栽培に従事する男性を実名で紹介しました。

「個人的な事情から現在は江津市を離れておられますが、現時点で事業は継続されているとうかがっております。(北村誠吾 地方創生担当相)」

しかし、北村地方創生担当大臣は会見で、この男性が現在は「個人的事情」で江津市から転居していることを明らかにしました。 菅官房長官は会見で、すでに転居している男性を取り上げ、人口増の成功例として紹介するのは不適切では、と指摘されたのに対し、この男性は 2016 年の 7 月から「3 年以上にわたって居住していると承知している」としたうえで、市の起業支援による成功例として紹介するのは問題ないという考えを示しました。 しかし、男性が現在も江津市に住んでいるかどうかは、「個人情報」を理由に明らかにしませんでした。 (TBS = 1-22-20)

〈編者注〉 16 年当時、一時的に流行った「パクチー」の栽培が新参者に経営できるわけありません。 地道に地方に根付こうとされている方はもっと他にもいらっしゃるはずなのに!


「カーナビの案内には従わないで」 島根の珍標識に注目 … なぜこんな記載を? 設置主に聞いた

車でドライブ旅行を楽しむ人にとって、カーナビはなくてはならない必需品だ。 土地勘のない未知の地域に行ったとしても、カーナビで目的地を設定しておけば、ちゃんと届けてくれる。 こんなありがたいことはない。 ところが …、2020 年 1 月 12 日に投稿された、こんなツイートが話題となっている。

写真には、とある場所に設置されていた標識だ。 「NAVI」の上に、赤いバツが付けられている。 カーナビの案内に従わず、右折を勧める説明もある。 「カーナビも、全て正しく案内してるとは、限らない」というコメントも添えられているのだ。 いったいこれはどういうことだろう? J タウンネット編集部は、この標識を設置した島根県雲南県土整備事務所に聞いてみることに …。

投稿者の広岩さんによると、標識のあった場所は、島根県南部にある飯南町だという。 標識は、NAVI どおり国道 184 号を進むと道が狭くなるので、農道・県道経由を勧めているのだが、広岩さんはあえて国道を進んだそうだ。 「私は国道 184 号を走りましたが、一部区間 は通行止めでしたし、道も狭かったです。 通行止め区間は、看板とは別の道を迂回しました。」 なかなかの難所だったようだ。 やはり最初から標識に従って、農道・県道経由で進んだ方が良かったかもしれない。

ところで、この標識はどんな経緯で設置されたのだろう。 それを確認しようと、J タウンネット編集部は島根県に電話した。 答えてくれたのは、島根県雲南県土整備事務所の担当者だった。 「お尋ねの標識は、当事務所で設置したものであることは確かですが、いつ、どのような経緯で設置されたかについては、不明です。 当時の担当者も現在はおりませんので、すぐにはお答えしかねます。」 さすがに、記録は廃棄されたわけではなさそうだが、時間はかかりそうだ。

現在の担当者の推測でよければ …、とこう話してくれた。 「国道 184 号というのは、山の中の狭い道で、すれ違うのも容易ではありません。 県外の方々がカーナビを手がかりに運転されて、ずいぶん苦労されたのだろうと思います。 それを見かねて、当時の担当者が設置したのでは …、とあくまでも推測です。」 標識が案内する「飯石ふれあい農道」は 2 車線の比較的新しい道路だという。

地元の人は良く知っているから、国道を通らず、農道を通って、県道に迂回するのだという。 「カーナビなんか見ませんから」と担当者。 地元の人は、カーナビを当てにしないのだ。 当然のことだ。 カーナビとは、あくまでも旅行者のためのものだろう。 (J タウンネット = 1-20-20)


出雲にタンチョウ飛来 斐伊川河口付近

国の特別天然記念物のタンチョウ 1 羽が島根県出雲市に飛来し、斐伊川河口付近の水田で落ち穂をついばんだり、羽ばたいたりする様子を同市の全日本写真連盟会員の岩本克幸さん (76) が撮影した。 岩本さんによると、知人からの連絡で飛来を知り、13 日午前に 100 メートルほど離れた車の中から望遠レンズで撮影したという。 岩本さんは「ほかのツルはよく見るが、タンチョウは 10 年前に松江市に 2 羽が飛来した時に撮影して以来。新年早々、おめでたい鳥に出合えて良かった」と話している。 (長田豊、asahi = 1-17-20)


島根の高齢者の新たな足へ 電動カートや定額タクシー

人口減が進む島根県で地域の交通手段の確保を狙った実証実験が相次ぐ。 小型電動車両や定額制タクシーを運行し、マイカー利用が難しい高齢者や観光客の利便を図るのが目的だ。 同様の実験は全国で進められているが、島根では住民の生活基盤を守るという切実な事情がある。

JR 松江駅から北西に約 4 キロ離れた高台に位置する松江市の法吉、比津が丘、うぐいす台の 3 団地。 4 月からゴルフ場の電動カートを改造した小型車両(乗客定員 6 人)の有料運行が始まる。 運行主体は社会福祉法人みずうみ(松江市)。 予約制で団地内の目的地まで乗客を運ぶ「デマンド運行」だ。 運行時間は午前 9 時半 - 午後 2 時。 料金は午後 0 時半までが無料、それ以降は 1 日 100 円だ。 昨年 5 月からの無料での実証実験の結果、11 月中旬までに延べ約 1,600 人の利用があった。 定着してきたと判断し、有料での本格運行に移行する。 みずうみが運行主体となったのは、団地内に複数の施設を持ち、高齢者・障害者サポートなどの実績があるからだ。

1970 - 90 年代に造成された 3 団地は住民の高齢化が進む。 幹線道路から離れ、バスの本数も少ない。 マイカーに乗れない高齢者は通院や買い物がしにくかった。 みずうみの岩本雅之理事長は「有料化は無料であることに気兼ねする人が多かったため。 100 円という低料金でも企業からの広告や協賛金で十分に運営していける。」と話す。

同様の実証実験は世界遺産の石見銀山遺跡(島根県大田市)で昨年 12 月 16 日に始まった。 観光拠点の大森地区と坑道跡の龍源寺間歩(まぶ)との間(約 3 キロ)を今年 3 月まで、無料で運行する。 観光客や住民を対象に 1 日 6 往復する。 大田市や交通コンサルタントのバイタルリード(島根県出雲市)、地元レンタサイクル店などでつくる共同事業体が環境省の実証事業の採択を受けた。

運行区間は町並み保存地区で道幅が狭く、車両乗り入れが規制されている。 観光客は通常、歩くかレンタサイクルを利用するしかない。 電気自動車 (EV) で実験したこともあったが、より環境に配慮した交通手段として電動カート(定員 6 人)を選んだ。 ニーズや採算性を探り、近い将来の有料化を予定する。

大田市温泉津町の井田地区では、定額制の乗り放題タクシーによる実証試験が昨年 11 月に始まった。 バイタルリードが事業主体で、地元のタクシー会社に運行を委託。 井田地区と温泉津町の中心部などを結ぶ。 予約や配車には人工知能 (AI) を活用し、最適な運行経路を探る。 料金は月額 3,300 円だ。 井田地区は中山間地にあり、高齢化率は 5 割を超える。 公共交通機関を利用しにくく、車を運転できない高齢者も多い。 国土交通省のモデル事業として今年 3 月まで試験運行し、来年度からの本格運行を目指している。

迅速な情報提供、サービスの鍵に

松江市内の実証実験で使う車両は「グリーンスローモビリティ (GSM)」と呼ばれ、時速 20 キロ未満で公道を走る。 昨年 11 月 1 日時点で全国 55 カ所で走行実績があり、中国地方では広島県尾道市、福山市でも観光振興に向けた取り組みが進む。 乗ってみると、思ったより速く感じられた。 3 団地では買い物や公民館などに行きたい高齢者の乗車申し込みが多く、配車が追いつかないほどだった。

一方、大田市の大森地区は乗客定員や運行本数が少なく、希望しても乗れない観光客がいた。 私が乗った車両の運転手は「本格運行までには課題が山積み」と語った。 期待通りの成果を上げていないケースもある。 島根県雲南市大東町で市が主体になり、昨年 10 月下旬から 12 月上旬に運行した電動カートは、1 便あたりの平均乗客数が 1 人を下回った。

井田地区のタクシーは、1 月 8 日時点の利用登録者は 18 人で、目標の 30 人に届かない。 バイタルリードの森山昌幸社長は「今後、運行地域を広げたり、乗り方を PR したりして高齢者の利用を促していきたい」という。 地域の交通事情に詳しい島根大学法文学部の飯野公央准教授は「サービスが継続するには、様々な移動手段を一元化できる事業主体を業種や立場の違いを超えて構築すること、そして利用者にスムーズな情報提供ができるかがカギとなる」と話す。 (西村正巳、nikkei = 1-15-20)

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萩・石見空港にジャンボ絵馬設置 受験生応援 島根

入学試験で飛行機を利用する受験生を応援しようと、益田市の萩・石見空港に特大の絵馬が設置された。 3 月 13 日まで。 大絵馬は縦 1.2 メートル、横 1.8 メートルで、益田ゆかりの万葉歌人、柿本人麻呂が描かれ、「頑張れ、受験生」のメッセージが添えられている。 専用台には、通常サイズの絵馬が置かれてあり、願い事を書いて大絵馬の願い口に投函すれば、益田市高津町の高津柿本神社に奉納される。 昨年は期間中、約 300 枚を奉納したという。

全日空が 1999 年から、この時期に実施している。 9 日は大絵馬の前で高津柿本神社宮司による神事があり、市内の益田、明誠両高校の受験生らから合格祈願を託された絵馬 205 枚が投函された。 神事に出席した益田高校の柿本章校長 (57) は「生徒は体調を整えて合格を勝ち取ってほしい」と話していた。 (水田道雄、asahi = 1-11-20)


ルリビタキ 冬の山あい舞う 美保関 島根

瑠璃(るり)色の羽をまとうルリビタキが、今冬も県内の山あいに飛来している。 松江市の野鳥愛好家、野島幹さん (81) が 4 日午後、松江市美保関町の美保関灯台近くの登山口で、美しい羽を持つオスの成鳥を撮影した。

野島さんは「きれいな青色の羽でわかりました。 冬には野鳥愛好家が一度は撮りたいと思う鳥です。」 宍道湖グリーンパーク(出雲市園町)によると、ルリビタキは国内で繁殖するが、県内には毎年 11 月ごろ、冬鳥として山間部に飛来し、4 月ごろまで見られるという。 同パークの豊田暁観察指導員 (32) は「オスは美しい青色の羽を持つ。 鳴き声で気がつくことはあるが、姿を探すのは大変です。」と言う。 (浪間新太、asahi = 1-10-20)


8 月、東京・国立劇場で石見神楽を単独公演 島根

東京パラリンピックが開幕する 8 月 25 日に、浜田市にある石見神楽のグループ「社中」が、東京の国立劇場で石見神楽の単独公演を開く。

同市と社中の代表らで作る「浜田石見神楽社中連絡協議会」が神楽の魅力をアピールしたいと計画を練り、国内最高峰の伝統芸能の舞台である同劇場の審査を通過したという。 10 の神楽グループの中から計 70 人の舞い手が、国立劇場の大劇場(1,520 人収容)で、午前 11 時半からと午後 3 時半からの 2 公演を予定。 6 演目ずつ披露するが、各公演とも最後の演目は代表的な「大蛇(おろち)」を披露する。

演目ごとに担当する社中は割り当てられているが、大蛇は国内外で熱烈な支持を受ける演目だけに、すべての社中から舞い手が参加し、舞台や花道を 50 頭の大蛇で埋め尽くす圧巻のパフォーマンスを披露する予定だ。 浜田市をはじめとする県西部の 9 市町の伝統芸能石見神楽が昨年 5 月に日本遺産に認定された。 浜田石見神楽社中連絡協議会は 2017 年、高円宮殿下記念地域伝統芸能賞を受賞している。

久保田章市市長は「国内外から多くの人が集まる(パラリンピックの開幕日という)機会に石見神楽や浜田の魅力をアピールしたい」と話す。 総事業費は約 1,600 万円を見込み、市が約 500 万円を負担する方針。 チケットは 2 月 1 日から市観光協会特産品販売所「はまとく」のホームページで先行販売する。 4 月 1 日から各プレイガイドで一般販売を予定。 問い合わせは同協会 (0855・24・1085) へ。 (水田道雄、asahi = 1-7-20)