インフル患者の異常行動 95 件 19 歳以下が 94 件

突然走り出す、飛び降りるなど重度の異常行動を起こした季節性インフルエンザ患者の報告が昨季、95 件あったことがわかった。 厚生労働省研究班が 5 日、公表した。 報告数は過去 10 季で 3 番目に多く、95 件のうち 94 件が 19 歳以下だった。 インフルエンザ治療薬を使っていない例もあり、厚労省はインフル発症後の異常行動への注意を呼びかけている。

調査によると、インフル治療薬の種類別の報告数はタミフル 23 件、リレンザ 16 件、イナビル 26 件、ラピアクタ 2 件。 3 月から販売されたゾフルーザは 2 件だった。 一方、薬を使っていないケースでも 16 件あった。 性別では男性 63%、女性 37%。 年齢は 9 歳と 13 歳が 12 件と最も多く、これまでと同様に小学生から中学生の男児に異常行動が出やすいという傾向が見られた。

2007 年から厚労省はタミフルの 10 代への使用を原則、禁止してきたが、異常行動との因果関係が明確ではないとして 8 月、使用制限を解除した。 厚労省はインフル治療薬の処方に関わらず、小学 1 年から 19 歳までがインフルになった場合は、少なくとも発熱から 2 日間は玄関に施錠したり、ベランダに面していない部屋に寝かせたりするなど、異常行動に注意を払うよう呼びかけている。 (姫野直行、asahi = 11-5-18)


反ワクチンが招いたヨーロッパのはしか大流行

<欧州では子供に予防接種を受けさせない反ワクチン派が多く、これがはしか大流行の主な原因になっている>

ヨーロッパでは今年上半期、麻疹(はしか)が感染者 4 万 1,000 人以上、死者 40 人と猛威を振るっている。 予防接種拒否の反ワクチン運動が収まらなければ、アメリカにも広がる可能性があると専門家は警告する。 欧州では子供に予防接種を受けさせない反ワクチン派が多く、欧州委員会のアンカ・パドゥラルは、これがはしか大流行の主な原因だと言う。 WHO (世界保健機関)によれば、流行を防ぐには人口の 95% がワクチンを 2 回接種していることが必要。 しかし、接種率が 70% 以下という国もいくつかある。

アメリカでもはしかの感染者はかなりの数で、疾病対策センター (CDC) は 9 月 8 日時点で 137 人を報告。 背景には、ワクチン未接種の子供が年々増加していることがある。 ワクチンが自閉症を引き起こすという誤った説(トランプ大統領など著名人も支持)を親たちが聞かされてきた結果だ。 だが多くの研究で、自閉症と予防接種の関連性は証明されていない。

USA トゥデーによればワクチンで予防可能な 14 の病気について、適切量の予防接種ができていないアメリカの子供は 01 年に 0.3% だったが、15 年には 1.3% に増加。 子供に予防接種を受けさせていない親はこれら病気の大流行に備えるべきだと、CDC は忠告する。 病気がはやりそうなときは学校を休ませる、緊急事態に備えて接種済み(または未接種)のワクチンの一覧を作っておくことなどが必要だろう。 それはその子供だけでなく、周囲の人々を守ることにもつながる。

日本にとっても対岸の火事ではない。 今年春頃には沖縄、愛知などではしかの感染が拡大し、これはほぼ終息したが、現在は首都圏を中心に風疹の感染が増えている。 国立感染症研究所の 10 月 23 日の発表では、今年報告された風疹患者は 1,289 人と、昨年 1 年間の 14 倍だ。

患者は 30 - 50 代の男性が多く、予防接種歴が「なし」、「不明」が全体の 9 割以上だという(ワクチンの定期接種が行われていなかった時期があるため)。 風疹は妊娠初期の女性がかかると、赤ちゃんに難聴や心臓病などの障がいが起こる可能性がある。 CDC は 22 日、風疹の予防接種や感染歴のない妊婦は日本に渡航しないよう勧告した。 (ケリー・ウィン、大橋希、NewsWeek = 11-3-18)

◇ ◇ ◇

名古屋の 20 代女性がはしか感染、再流行を警戒

名古屋市は 27 日、中川区に住む 20 代の女子大学生が、はしか(麻疹)に感染したと発表した。 愛知県内では 4 - 6 月に 25 人の感染が確認されたが、7 月 9 日に県が終息を宣言していた。 市は再流行を警戒している。

市によると、女子大学生は今月 10 - 14 日に友人と 2 人でタイに旅行し、すでに感染が判明している静岡市の 40 代男性と同じ便で中部空港に戻った。 23 日に発熱のため熱田区の医療機関を受診し、遺伝子検査で 27 日にはしかと判明した。 22 - 23 日に電車に乗ったり中村区の飲食店を利用したりしていたという。 市は現地か静岡の男性のどちらかから感染した可能性が高いとみている。 (関謙次、asahi = 9-28-18)

前 報 (5-6-18)


電気刺激で脊椎損傷患者の歩行が可能に

スイスの研究者らが実証

下半身不随の患者に電気刺激を与えることで、再び歩けるようになる方法をスイスの研究者らが実証した。 被験者の男性 3 人には無線インプラントを埋め込み、脊髄に局部的な電気刺激を与えた。 脊髄損傷を受けた患者は全員、治療が進むにつれ普通の歩行補助器、または電気刺激を与える機能の付いた歩行補助器を使って独立して歩くことが可能になった。 また、電気刺激を与えなくても麻痺していた脚の筋肉を動かせるようになった。

連邦工科大学ローザンヌ校 (EPFL)、ローザンヌ大学、ローザンヌ大学病院が共同で実施したこの研究は、ネイチャー他のサイトへとネイチャーニューロサイエンス他のサイトへの 2 誌で発表された。

先月 31 日に連邦工科大学ローザンヌ校が発表したプレスリリースによると、実験では STIMO 法 (Stimulation Movement Overground) という脊髄損傷回復のための画期的なアプローチ法が採用された。 この方法は他の類似研究とは異なり、電気刺激を止めた後も神経機能を持続させることができるという。 電気刺激を与える場所と時間を厳密に定めた結果、足からの信号がなくても運動を助けたのではないかと研究者らは結論付けている。

研究を執筆し、患者にインプラントを装着したローザンヌ大学病院の神経外科医ジョスリン・ブロックさんは、「局部的に与える電気刺激は、スイスの時計と同じように正確でなければならない。 我々のメソッドでは、脊髄上に一連の電極を埋め込むことにより、脚の個々の筋肉群にターゲットを絞った治療が可能になった。」と言う。

「特別に構成した電極の刺激が脊髄の特定のエリアを活性化し、歩くために脳が出す信号を模倣できる。(ブロックさん)」 研究論文の著者で連邦工科大学ローザンヌ校の神経科学者であるグレゴワール・クルティンさんは、「被験者 3 人は全員、治療開始からわずか 1 週間後に歩行補助器を使って歩くことができるようになった。 また、訓練開始から 5 ヶ月以内には自発的な筋肉制御が大幅に改善された。 人間の神経系は予測以上に我々の治療に反応してくれた」とも述べる。

万人が利用できる治療へ期待

動物実験を用いて長年研究を重ねた結果、脳が脊髄を刺激するために出す信号をインプラントで模倣することに成功した。 研究者らは、スタートアップ企業の GTX メディカルを通じ、この成果を病院や診療所での治療に役立つ神経技術に発展させたいと考えている。 「現在我々は、傷害を受けてから早い段階でも試験できる次世代の神経学テクノロジーを構築している。 この時点では神経筋システムがまだ慢性的な麻痺による萎縮を受けていないため、回復の可能性も高い。 我々の目標は、広く万人が利用できる治療法を開発することだ。(クルティンさん)」 (swissinfo.ch = 11-2-18)


少し怖い? 「真実の口」でインフル対策 阪大病院に登場

映画「ローマの休日」でも有名な「真実の口」が、大阪府吹田市の大阪大病院にお目見えした。 口に手を入れると、アルコール消毒液が出てくる仕組み。 インフルエンザシーズンに入る前に、手や指の消毒を意識してもらうのがねらいという。 11 月中旬まで設置される予定で、30 日、報道陣に公開された。

病院の正面玄関から入ってすぐの場所に、置かれた。 おそるおそる手を入れた女児は、自動で出てくる消毒液にびっくりした様子。 看護師に説明を聞き、試してみた女性は「わ! ほんまやわ」と笑顔になった。 その後も、多くの人が手を入れていた。

企画したのは、同病院感染制御部の森井大一(だいいち)医師。 森井さんによると、予防のためには、ワクチンや手洗い、うがいに加え、手や指のアルコール消毒も大切だが、あまり根付いていないという。 同病院でも、玄関に常時設置しているアルコール消毒液を使う人は、来訪者の 0.5% しかいなかった。 そこで、「真実の口」の模型を使ったアルコール消毒をするという同大経済学研究科の松村真宏教授のアイデアを借り、病院内に設置することにした。 森井さんは「思わず口に手を入れてしまいたくなる気持ちを利用している。 アルコール消毒を普段から意識してもらえれば。」

同病院は 1 日に 5 千人が利用するという。 木村正(ただし)・病院長は「病院に外からウイルスを持ち込まないようにする。 院内感染が少しでも減ればいい。」と話した。 インフルエンザは毎年 1,500 万人以上が感染するとされる。 最近流行している風疹ウイルスも、アルコール消毒が有効だ。 一方、冬場に流行するノロウイルスはアルコールが効かないため、流水でしっかり洗い流す必要がある。 (後藤一也、asahi = 10-31-18)

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NY 着機の 100 人体調不良 インフルエンザ大量感染か

米ニューヨークに 5 日に到着したアラブ首長国連邦 (UAE) ドバイ発のエミレーツ航空 203 便(乗客ら約 520 人)の乗客約 100 人が体調不良を訴えた。 せきや発熱の症状が出ており、市当局者はインフルエンザの可能性があるとの見方を示した。 CNN などによると、同機はジョン・F・ケネディ空港に到着後、疾病対策センター (CDC) の検疫を受けた。 106 人が体調不良を訴え、うち約 10 人が病院に搬送されたという。 長時間の機内で激しくせき込み、嘔吐する乗客もいたという。 (ニューヨーク = 金成隆一、asahi = 9-6-18)


3 年後、糖尿病になる? AI が予測、HP で公開

あなたが 3 年後に糖尿病になるリスクは? データを入力すると危険度がわかる予測ツールを、国立国際医療研究センターが開発し、24 日からホームページ (https://www.ncgm.go.jp/riskscore/) で公開を始めた。

ツールは、30 - 59 歳のこれまで糖尿病と診断されたことのない人が対象。 約 3 万人の健康診断データをもとに、AI (人工知能)を使って開発した。 身長や体重、血圧などを入力すると、3 年後の糖尿病発症リスクや、同性・同年代の平均との比較結果がわかる。 血液検査のデータを加えると、より精度の高い予測ができる。

国内には、糖尿病が強く疑われる約 1 千万人に加え、糖尿病の可能性が否定できない人も約 1 千万人いる。 健康診断などで異常が見つかる前にリスクを評価し、「予備群」だと分かれば運動や食事、禁煙などの対策をとることで、病気になるリスクを下げることが出来る。 同センターの溝上哲也・疫学・予防研究部長は「自分のリスクを知ってもらうことで、生活習慣の改善を促したい」と話している。 糖尿病対策などについても同センターのホームページ (http://dmic.ncgm.go.jp/) で紹介している。 (小坪遊、asahi = 10-24-18)


ブルーライトは目に悪くない? 科学誌発端、世界で論争

スマートフォンなどから出る青色光「ブルーライト」が、視力に影響するのかどうか。目の細胞に悪影響を与えるとする、海外の科学誌の論文を発端に、論争が起きている。 日本ではブルーライトをカットする眼鏡などが普及しており、SNS でも反響が広がっている。 論文は 7 月、英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。 これを米ウェブメディアが「画面があなたの眼球の細胞を殺している」などと報じた。

これに米眼科学会が強く反応した。 8 月、「スマホのブルーライトでは失明しない」とのタイトルの見解を、学会のサイトに掲載。 論文で示された実験の条件が、日常生活では起こりにくいと指摘し、この研究の結果をもとに、スマホをやめる理由にはならない、とした。 この学会の見解などを今月、日本のウェブメディアが報道すると、国内でも「ブルーライトは危険なのか? 安全なのか?」などと反響が広がった。

これを受けて、眼科医らでつくるブルーライト研究会(世話人代表・坪田一男慶応大医学部教授)は 5 日、「ブルーライトの影響は慎重に検討していかなければならない」などとする文書を発表した。 研究会の担当者は、朝日新聞の取材に対し「(国内の報道は)ブルーライトの安全宣言のような報道になってしまっている」と話した。

米眼科学会の見解では、「ブルーライトは人間の体内時計に影響することは証明されている」として、寝る前に画面を見る時間を制限することを推奨。 ブルーライトをカットする特別な眼鏡は勧めていない。 目への影響が心配な場合は「主治医に相談してほしい」としている。 (田中誠士、合田禄、asahi = 10-6-18)


オプジーボ止めても効果 20 週以上持続 阪大チーム

がん治療薬「オプジーボ」は使うのをやめても、肺がん患者の免疫を高める効果が 20 週間以上続くとする研究結果を、大阪大の小山正平助教(呼吸器・免疫内科学)らのチームがまとめた。 米臨床医学会誌に 4 日、発表した。 オプジーボは、1 日にノーベル医学生理学賞の受賞が決まった、本庶佑(ほんじょたすく)京都大特別教授の研究をもとに開発された点滴薬。 使用期間は定められておらず、現場の医療機関にゆだねられている。 高額な医療費負担が問題になっているが、こうした研究が積み重なることで、将来的に中止期間を設けられる可能性もある。

オプジーボは、がん細胞を直接攻撃するのではなく、人に備わる免疫の働きを促す。 「T 細胞」と呼ばれる免疫細胞の表面に複数あるブレーキ役の分子にくっつき、この分子にかかわる働きを妨げることで、がん細胞への攻撃力を高め、効果があらわれる。 チームは、この分子にオプジーボがくっついている様子を調べる方法を開発。 くっつき方には、この分子すべてがふさがる「完全結合」、一部だけがふさがる「部分結合」があった。

この方法を使い、副作用などが原因でオプジーボの使用をやめた肺がん患者 8 人の血液を定期的に採って調べた。 すると、最も短い患者でも、完全結合の状態が 20 週間続いていることがわかった。 小山さんは「使用をやめても、治療効果が長期間続く可能性がある」と話す。 一方、使用をやめても効果が続くので、やめた後の副作用を通常より長く観察する必要がある、としている。 論文はこのサイトで公開されている。 https://insight.jci.org/articles/view/59125 (鍛治信太郎、asahi = 10-4-18)

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ノーベル賞・医学生理学賞に本庶佑氏 京大特別教授

スウェーデンのカロリンスカ研究所は 1 日、2018 年のノーベル医学生理学賞を京都大高等研究院の本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授 (76) と米テキサス大のジェームズ・アリソン教授の 2 氏に授与すると発表した。 本庶氏は免疫の働きにブレーキをかけるたんぱく質「PD-1」を発見し、このブレーキを取り除くことでがん細胞を攻撃する新しいタイプの「がん免疫療法」の開発に結びつけた功績が評価された。

日本からの受賞は 2 年ぶり 26 人目。 授賞式は 12 月 10 日にストックホルムであり、賞金 900 万スウェーデン・クローナ(約 1 億 1,500 万円)が 2 氏に贈られる。 本庶氏らの研究グループは 1992 年、免疫の司令塔を担うリンパ球「T 細胞」で働く「PD-1」遺伝子を発見。 PD-1 が免疫反応のブレーキ役に相当することが分かり、ブレーキを外せば免疫力が高まってがん治療に応用できるのではないかと考えた。

その後、がん治療薬の開発が進み、小野薬品工業(大阪市)が 14 年 9 月、PD-1 の抗体医薬「オプジーボ(一般名ニボルマブ)」を発売した。 世界各地の製薬会社がよく似たメカニズムのがん治療薬の開発に乗り出しており、新たな治療法としての普及が期待される。 (鳥井真平、mainichi = 10-1-18)

本庶佑(ほんじょ・たすく) : 1942 年、京都市生まれ。 60 年に京都大医学部に入学後、学部在学中から、日本の生化学のパイオニア的存在だった早石修教授(故人)の研究室に出入りし、門下生となる。 71 年に同大大学院を修了。

米国留学などを経て 79 年、37 歳で大阪大教授に就任。 84 年に京大に移り、クラススイッチや PD-1 などの免疫分野の研究で大きな成果を上げる。 2005 年に同大名誉教授、特任教授。 17 年 5 月から現職。 神戸市の神戸医療産業都市推進機構理事長も務める。

朝日賞(82 年)、ベルツ賞(85 年)、ベーリング・北里賞(92 年)、ロベルト・コッホ賞(12 年)、京都賞(16 年)など受賞多数。 14 年には、東洋のノーベル賞と呼ばれる台湾の「唐奨」を受賞した。 00 年に文化功労者に選ばれ、13 年に文化勲章を受章した。

関連記事 (9-9-17)


モルヒネの 100 倍強力で依存性のない鎮痛剤を開発中、サルでの実験に成功

アメリカでの平均寿命は短くなる傾向に転じており、その原因の 1 つとして「オピオイド危機」と呼ばれる鎮痛剤の弊害が挙げられています。 このような問題解決のため、「モルヒネよりも強力なのに副作用や依存性がない」という新しいタイプの鎮痛剤が開発中です。 モルヒネよりも強力で、危険な副作用も依存性もない、として研究が進められている鎮痛剤は「AT-121」というもの。

AT-121 はアメリカ・カリフォルニアの Wake Forest Baptist Medical Center で研究を行う薬理学者の Mei-Chuan Ko 氏らによって開発されている鎮痛剤です。 Ko 氏らは、オピオイドなどの処方薬がターゲットにしている mu オピオイド受容体と、「依存感情」を含めた脳のさまざまな活動を制御するノシセプチン受容体の両方に働きかける分子を見つける研究を行ってきました。 この 2 つの受容体に結びつく物質は、理論上、オピオイドにみられるような深刻な依存を引き起こすことなく、人を痛みから解放してくれます。

Ko 氏によると、AT-121 こそが適切なバランスで両方の受容体に働きかけることができる物質とのこと。 アメリカの医療現場では複数の薬の組み合わせで痛みを散らすことがありますが、1 つの分子で問題を解決できる AT-121 の方が「よい薬剤戦略」だと Ko 氏はのべています。

AT-121 は記事作成時点で動物実験の段階にあり、アカゲザルの実験ではモルヒネの 100 分の 1 ほどの量で同程度の鎮痛効果が認められています。 そして、AT-121 は依存性がないだけではなく、オピオイド系鎮痛剤のオキシコドンに依存するアカゲザルに投与されたところ、依存レベルの低下がみられました。 このことから、AT-121 は痛みを治療しながら患者を依存症から解放することができるのではないかと考えられています。

このほか、AT-121 には、過度に服用してもオピオイドの副作用として知られる呼吸抑制や心血管疾患を起こさないといった特徴もあるとのことです。 もちろん、これらの効果は動物に対して現れたものであり、人間で同様の効果があるのかはまだ分かりません。 しかし、人間と近いサルで効果が現れたことは非常に重要だとして、研究者は将来的に人間の治療薬として使われる可能性を見いだしています。 (Gigazine = 9-15-18)


空港にトイレより汚い場所があった 全員が触るのに

<空港で乗客が必ず触れるあの場所がウイルスの温床になっている、というショッキングな研究結果が明らかに>

あなたは飛行機に乗るたびに、空港で最も汚い場所を触っている - -。 フィンランドとイギリスの科学者らが実施した研究で、空港にある場所で最も表面部分が汚いのは、セキュリティーエリアで我々がジャケットや靴や PC を入れるトレーであることが分かった。 感染症の専門誌「BMC Infectious Diseases」に 8 月 29 日に発表された研究結果によれば、それらのトレーにはトイレの便座を上回る数のウイルスが付着していると言う。

研究チームは 2016 年の冬、年間 1,890 万人が利用するフィンランドのヘルシンキ・バンター空港の 90 カ所で、表面部分や空気中にいる細菌のサンプルを採取。 1 日 3 回、利用者数がピークになる時間帯に絞って、ウイルス残留の有無を調べた。

その結果、断トツで最も汚かったのが持ち物検査用のトレーで、半数に A 型のインフルエンザを含む何らかのウイルスが付着していた。 風邪の原因となるライノウイルスやコロナウイルス OC43 でも陽性反応が出た。 アメリカの政府機関、疾病予防管理センター (CDC) によれば、結膜炎や肺炎、風邪、下痢、気管支炎など様々な病気の原因となるアデノウイルスも検出された。 それほど不潔なトレーに、乗客は自分の手だけでなく、鍵やバッグ、靴、携帯電話などあらゆる持ち物を接触させているわけだ。

トイレは意外にきれい?

空港で 2 番目に汚いのは、子供用の遊び場にあるプラスチック製のおもちゃや、ドラッグストアにある支払い用端末だった。 入国審査場のデスク、ガラス状の仕切り、保安検査場の空気中、階段の手すりなどでもウイルスが検出された。 だがそれら 4 カ所全てについて、表面部分にウイルスが付着していたのは 1 例ずつしかなかった。 意外にも、トイレの上蓋、水を流すボタン、個室のドアの鍵の部分のどこからも、ウイルスは検出されなかった。 14 カ所の異なるトイレでサンプルを採取したにもかかわらずだ。

全体的に見て、調査対象にした場所の表面部分の 10% で、少なくとも 1 種類のウイルスが検出された。 今回の研究はフィンランドにある 1 つの空港を調査したに過ぎず、国や地域によって結果が異なってくる可能性はある。 だが空港の保安検査用のトレーはあらゆる乗客が使用するため、トレーにウイルスが付着すれば危険なウイルス感染が国を超えて広がるリスクがある、と科学者らは警告している。 (アビー・インテランテ、NewsWeek = 9-10-18)


韓国で 3 年ぶりに MERS 感染者 中東から戻った男性

中東呼吸器症候群 (MERS)

記事コピー (asahi = 5-29-15 〜 9-10-18)


「肌露出抑えて」マダニ感染死最多ペース … 宮崎

マダニを介して発症する重症熱性血小板減少症候群 (SFTS) の宮崎県内の今年の死者数が、2 日までに 4 人に上っている。 2014 年の年間死者と同数で、過去最多のペース。 県感染症対策室は「マダニは秋も活動が活発。 これから涼しくなり過ごしやすくなるが、外で活動するときは、肌の露出を少なくしてほしい」と注意を呼びかけている。

県によると、SFTS はウイルスを持つマダニにかまれることで発症する病気。 かまれた後は、6 日から 2 週間程度の潜伏期間を経て、発熱や嘔吐おうと、下痢や腹痛など風邪に似た症状が出る。 意識障害などの症状もあり、最悪の場合、死亡することもある。 県内では今年、日南市や延岡市などの 60 - 90 歳代の男女 4 人が SFTS で死亡。 感染経路は不明だが、農作業や草むしり、山に入るなど野外で活動したことがあった。 いずれも発熱の症状や倦怠感などを訴えた後に死亡している。

SFTS による県内の死者数は、統計が始まった 13 年 3 月から 12 月末までが 2 人、14 年 4 人、15、16、17 年が各 2 人で、これまでで 16 人となった。 国立感染症研究所によると、SFTS の累積報告数は、統計開始から 8 月 26 日までで全国 375 人。 都道府県別で宮崎は最多の 58 人で、2 位の鹿児島(38 人)、3 位の山口(35 人)を大きく上回っている。 宮崎県感染症対策室は「県内では、年間を通じて SFTS の発症例がある。 服装などに気を付けることで防げるので、日頃から注意してほしい。」と訴える。

高齢者向けに啓発ポスター

SFTS などのダニを介する感染症への対策を周知しようと、厚生労働省は 7 月、啓発ポスターを作成した。 発症者が多い高齢者の目に留まりやすいように、昭和映画のポスターをイメージ。 「山ありダニあり 畑での農作業 茂みでの草刈り 山の中で山菜採りや狩猟をするとき ダニがあなたを狙っている」と記している。 厚労省は、マダニにかまれたときは「無理に引き抜こうとせず、皮膚科などの医療機関で処置してもらう」、「数週間は体調の変化に注意し、発熱などの症状が出た場合は医療機関で診察を受ける」としている。 (山下雅文、yomiuri = 9-8-18)

SFTS の感染予防法

(宮崎)県によると、農作業など屋外で作業するときの注意点は次の通り。

  1. 長袖、長ズボンを着る 帽子や手袋を着用し、首にはタオルを巻く
  2. シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる
  3. サンダルは避け、足を完全に覆う靴を履く
  4. 防虫効果がある虫よけスプレーを使用する
  5. 屋外活動後はシャワーを浴びる

前 報 (11-9-17)


耐性菌検出、静岡でも 4 人感染で男女死亡「因果不明」

静岡市立静岡病院(同市葵区)は 10 日、抗生物質がほとんど効かない多剤耐性アシネトバクター (MDRA) に入院患者 4 人が感染し、男性 (78) と女性 (81) が死亡したと発表した。 男性はいったん MDRA が検出されなくなったことから、感染と死亡の因果関係は不明とする一方、女性の死因は「MDRA 感染による肺炎と考えている」とした。

病院によると、男性は台湾へ旅行中に発熱し、5 月 3 日、現地の病院に入院した。 同月末、静岡病院へ移って重篤患者向けの治療室に入り、6 月 5 日にたんから MDRA が検出された。 その後、同じ病室の女性ら 3 人からも MDRA が検出され、女性が 7 月 27 日、男性は 8 月 6 日に死亡した。 病院は、感染発覚後の対応について専門家から「特段の問題点は見当たらない」との見解が示されたとしつつ「職員の手の消毒など、予防策が完璧でなかった可能性がある」とした。 (野口拓朗、asahi = 8-10-18)

◇ ◇ ◇

対応後手、鹿児島大病院で患者 8 人死亡 耐性菌検出

鹿児島大病院(鹿児島市)は 3 日、入院患者 15 人から抗生物質がほとんど効かない多剤耐性アシネトバクターや類似の菌が検出され、8 人が死亡したと発表した。 集中治療室 (ICU) を中心に院内感染が広がった可能性が高いとみている。 記者会見で、院内感染防止の担当者は「(当初の)認識が十分だったとはいえない」と対応が後手に回ったことを認め、夏越祥次病院長は亡くなった患者らに謝罪した。

病院によると、多剤耐性アシネトバクターが検出された患者は、昨年 4 月から今年 4 月にかけて見つかった 5 人。 うち 3 人が死亡した。 類似の耐性菌の感染者も 2016 年 9 月から今年 2 月にかけて 10 人見つかり、うち 5 人が死亡した。 死者 8 人のうち 3 人は感染が病状に影響した可能性があるという。 菌が検出された 15 人のうち 14 人は ICU で治療を受けていた。

病院は、多剤耐性アシネトバクターが最初に検出された昨年 4 月以降、消毒や衛生管理の強化などの対策を進めていたが、今年 4 - 5 月、菌が検出された患者 2 人が相次いで死亡したことで「非常に重大」と認識。 外部の専門家も交えた本格的な調査を始めた。

その結果、ICU 内の床ずれ予防用マットレス 16 台のうち 3 台から耐性菌が発見された。 別の患者から菌が検出された昨年 10 月にも ICU の手洗い場で菌が見つかっており、ICU 内の器具や医師、看護師らを介して感染が広がった可能性が高いことがわかったという。 現在 ICU の改修工事中で、今月下旬には 1 週間閉鎖して消毒を徹底するという。 (加藤美帆、竹野内崇宏、asahi = 8-3-18)


ミストシャワー、本当に冷却効果ある? 100 人で実験

暑さ対策で屋外に設置されるミストシャワーの人間に対する冷却効果を実証する実験を、東京大や東海大、パナソニックが始めた。 東京都目黒区の東大生産技術研究所内にミストシャワーを設置し、100 人を対象に確かめる。 ミストシャワーは霧状の水を吹きつけ、気化熱を利用して冷やす。 2020 年の東京五輪・パラリンピックでは、日本スポーツ振興センターや東京都などが新国立競技場やほかの競技会場周辺に、ミストを使った冷却装置を置く方針を示している。

研究チームの大岡龍三・東京大教授によると、人間で冷却効果や快適さなどを調べた実験はほとんどないという。 研究チームが 9 人を対象に昨年に行った先行実験では、皮膚表面の温度を 1 度下げる効果があったといい、今回の実験で 100 人のデータを集めて効果を詳しく検証する。 大岡教授は「スポーツ観戦やバスの停留所など夏の暑い屋外でも快適に過ごせることが期待できる」と話す。 パナソニックは、効果が確認されれば東京五輪でも使えるような仮設型の装置の開発を検討するという。 (杉本崇、asahi = 7-27-18)

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運動部のみんな、熱中症「無理」、「もうダメだ」の勇気を

熱中症の危険が高まる季節が今年もやってきました。 この記事は、主に中高の運動部員のみなさんに読んでもらいたいものです。 大人の方は、周囲にいる子どもたちに危険を伝えてください。 去年も書きましたが、今年も同じことを書きます。 毎年、熱中症でみなさんと同年代の部員が亡くなったり、意識不明になったりしています。

今年も事故が起きました。 12 日に、大津市の中学校で、男子ソフトテニス部の 2 年生が、熱中症で救急搬送されました。 練習中にサーブミスが目立った罰則として、顧問の先生から、「校舎の周りを 80 周走れ」と命じられ、午後 4 時半ごろから走り始めました。 9 周目に倒れていたのを工事業者が見つけたそうです。 大津市の夕方の気温は 30.1 度でした。 幸い、2 年生は退院しました。 そして、校長が「一歩間違えば生死に関わる理不尽な指導だった」と認め、謝りました。

熱中症の予防には、気温や湿度から総合的に計算する「暑さ指数 (WBGT)」があり、環境省の熱中症予防サイトで各地方の予報を見ることができます。 日本スポーツ協会はこの WBGT が 25 - 28 度になると「積極的に水分、塩分を補給する」、28 - 31 度だと「激しい運動や持久走は中止」という指標を出しています。 そうした状況では練習には細心の注意が必要なのですが、正しい知識を持たず、認識が甘い先生がいるのが事実です。

これからの時期、給水が少なかったり、過度な持久走が課されたり、そうしたことについての意見が言えない雰囲気があるなら、それは先生の間違いです。 「それは無理」と感じた時、「もうダメだ」と体に異変を感じた時、仲間の様子がおかしい時、自分や仲間を守るために、声を上げましょう。 とても勇気がいることです。 でも、みなさんの方が正しい場合がきっとあります。 (編集委員・中小路徹、asahi = 7-14-18)


がん「領地」拡大の仕組み解明 正常細胞死なせ割り込む

将来がんになる細胞(前がん細胞)が、周囲の正常な細胞を押しのけて「領地」を拡大させていく仕組みを、大阪大などの研究チームが解明した。 この仕組みを妨げることができれば、将来的に、がんを早い段階で治療できる可能性があるという。 前がん細胞は、正常な細胞より速く分裂し、その結果がんをつくる。 だが、細胞同士は満員電車のようにぎゅうぎゅう状態で隣り合っているため、好き勝手に領地を広げられない。 前がん細胞がどうやって領地を広げるのかは分かっていなかった。

ショウジョウバエのサナギを使った実験で、突き止めた。 前がん細胞は周辺の正常細胞が死ぬように促した後、「空き地」になった場所を獲得するため、自身の細胞のサイズを大きくし、正常細胞との間に割って入ることがわかった。割り込みやすくするため、細胞の形を巧妙に変化させていることも確認できた。 その後、細胞分裂を進め、さらにがんを大きくしていくとみられるという。

同大の藤本仰一(こういち)准教授(生物物理学)は「前がん細胞が正常細胞の間に割り込めないようにすることができれば、がんの超初期の治療につながる可能性がある」と話す。 論文は米科学誌カレント・バイオロジーに掲載された。 https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(18)30631-6 で読める。 (後藤一也、asahi = 7-4-18)


腕輪型端末で在宅医療患者を見守り 岐阜の病院など開発

在宅医療を受ける患者を 24 時間体制で見守るシステムを、松波総合病院(岐阜県笠松町)が来年度から導入することを検討している。 腕輪型端末で患者の健康状態を常に把握し、異常があれば医師らに連絡が入り、救急搬送などを指示する。 高齢化が進む中、患者が安心して過ごせる環境づくりを支援する。

松波総合病院と医療関連サービスのトーカイ(岐阜市)が連携して開発した。 本格運用を前に、トーカイは今年 8 月から患者に機材の利用サービスを始める。 複数の医療機関がシステム導入に関心を寄せているという。 使用する端末は約 25 グラムの腕輪型。 患者がこの端末を身につけると、脈拍や血圧などを 24 時間測定する。 当直の医師や看護師らは、パソコンやスマートフォンで患者のデータを常に把握できる仕組みになっている。

異常なデータが検出された場合は、医師のスマホなどにアラームで知らせる。 医師は送られてくる患者の健康状態についてのデータを参考に、必要な措置を取る。 119 番通報で病院に救急搬送を依頼したり、警備会社の警備員に訪問してもらったりする。 かかりつけの訪問看護スタッフに連絡することも想定している。 端末には緊急ボタンもあり、患者自ら助けを求めることもできるという。

病院を運営する社会医療法人・蘇西厚生会の松波英寿理事長は「超高齢化社会に向けて、安心して在宅医療を受けられる体制を作りたい」と話す。 端末は、災害発生時の安否確認にも活用できるという。 (山野拓郎、asahi = 6-28-18)


都の受動喫煙防止条例が成立 2020 年 4 月に全面施行

東京都の受動喫煙防止条例が 27 日、都議会本会議で賛成多数で可決、成立した。 飲食店は従業員を雇っていれば原則屋内禁煙(喫煙専用室は設置可)となり、国会で審議中の健康増進法改正案より規制対象が広い。 年内から段階的に施行し、飲食店内の禁煙、罰則(5 万円以下の過料)の適用などの全面施行は 2020 年 4 月からとなる。

小池百合子都知事は 20 年の東京五輪・パラリンピックの開催都市として受動喫煙対策を進める方針を打ち出し、国の法改正を待たずに条例成立を目指すと強調してきた。 採決で小池知事が特別顧問を務める都民ファーストの会、公明党、共産党、立憲民主党・民主クラブ、かがやけ Tokyo などが賛成した。 自民党は「国との整合性をとるべきだ」と反対した。 従業員の有無を基準に喫煙を規制する条例は全国初で、五輪会場となる周辺自治体でも検討する動きが出ている。

都条例では、子どもが利用する幼稚園や保育所、学校は敷地内の喫煙所設置を認めず完全禁煙に。 行政機関や病院も屋内は完全禁煙だが、屋外喫煙所は認める。 飲食店内は、面積にかかわらず従業員を雇っていれば原則屋内禁煙と規定。 喫煙専用室の設置は認めるが、その中で飲食はできない。 都条例では都内の飲食店の約 84% が規制対象になる。 都は喫煙専用室の設置費の 9 割を補助(上限 300 万円)する考えだ。 (斉藤寛子、asahi = 6-27-18)


HPV ワクチン接種「勧奨の早期再開を」 日産婦が声明

子宮頸(けい)がんの原因ウイルスの感染を防ぐ「ヒトパピローマウイルス (HPV) ワクチン」について、日本産科婦人科学会は 23 日、接種の積極的な勧奨を早期に再開するよう求める声明を発表した。 勧奨の中止から 5 年が過ぎ、国内外でワクチンの有効性と安全性を示す科学的な根拠が多く示されたとして、科学的な視点で議論するよう求めた。

記者会見で藤井知行理事長は「ほかのワクチンに比べて危険性が高いということはない。 しかも、女性の命や妊娠に関わるがんを防げる。 勧奨の再開については科学的に考えてほしい。」と話した。 HPV ワクチンは 2010 年 11 月、公費助成が始まり、13 年 4 月に定期接種になった。 だが、接種後に体の痛みなどを訴える人が相次ぎ、厚生労働省は 6 月、対象者に通知を出して接種を促す「積極的な勧奨」を中止。 16 年には、被害を訴える人たちが国と製薬会社に損害賠償を求める集団訴訟を起こした。 (asahi = 6-23-18)

前 報 (7-27-16)


腸粘膜再生、初の臨床へ … 「潰瘍性大腸炎」治療

大腸の粘膜に炎症が起こる原因不明の難病「潰瘍性大腸炎」の治療を目指し、東京医科歯科大のチームが、患者の大腸から粘膜のもとになる幹細胞を採取・培養して患部に移植し、粘膜を再生する初の臨床研究に乗り出す。 粘膜が深く傷ついた重症患者が対象で、今秋にも 1 例目を行う。 この再生治療が成功すれば、重症患者も再発しない状態まで回復する可能性がある。

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症や潰瘍ができ、下痢や血便、腹痛などを起こす。 国内の患者数は 20 万人以上とみられ、国の指定難病の中でも特に多い。 薬などで炎症を抑える治療が一般的だが、重症の場合は症状が繰り返して悪化し、大腸がんになる恐れもあるため、大腸切除を余儀なくされることも多い。 こうした重症患者は全体の 1 割近くに上るという。 (yomiuri = 6-17-18)