JR 西日本、ブラジルの鉄道に出資 海外事業初 JR 西日本は 9 日、ブラジルの主要都市を走る旅客鉄道事業に出資すると発表した。 来年夏に五輪が開催されるリオデジャネイロなどの路線で安全運行を支援する。 同社が海外の鉄道事業に出資するのは初めて。 すでにブラジルの旅客鉄道事業に参画している三井物産の完全子会社の株式 33.9% を取得する。 この子会社は三井物産がブラジル企業と共同でつくった鉄道運営会社に 40% 出資している。 JR 西は出資額を非公表としているが、80 億円程度とみられる。 この旅客鉄道事業は、すでに運行しているリオデジャネイロの近郊鉄道(路線距離 270 キロ)のほか、今後開業を予定するサンパウロの地下鉄(同 15.3 キロ)や LRT (次世代型路面電車)の 2 路線がある。 JR 西はブラジル側の要望に応じて、遅れや事故を減らす安定性や安全性を高める運行管理、車両の保守点検といった技術支援を進めていく。 出資することで、鉄道事業者としての経営ノウハウの支援もできるとしている。 JR 西の平野賀久執行役員は 9 日の記者会見で、「安全安定輸送の実現は経営的にも中長期的な視点が必要。 出資と技術支援を組み合わせて、当社の強みを生かせる」と説明した。 三井物産の池田徹・交通プロジェクト部長は「日本の鉄道システムは世界一で、貢献してもらえることは多い」と話した。 同事業には官民ファンドも参画する。 石井啓一国土交通相は 9 日、官民ファンド「海外交通・都市開発事業支援機構 (JOIN)」が最大 56 億円出資することを認可した。 (田幸香純、asahi = 12-10-15) 自動車税、燃費で 4 段階 減税規模 200 億円 政府・与党案 政府・与党は 9 日、消費税率が 10% に上がる 2017 年 4 月から始める新たな自動車税の枠組みを固めた。 主に国が 20 年度に達成すべき環境性能として定めた「20 年度燃費基準」をもとに税率を決め、燃費のいい車を買えば税負担を軽く、燃費が悪い車は重くする。 全体の減税規模は約 200 億円となる見通しだ。 車を買ログイン前の続きうときにかかる地方税の自動車取得税を消費税の増税にあわせて廃止する代わりに、車を買うときに燃費に応じてかかる「環境性能割(仮称)」をつくる。 これによる税収は、自動車取得税の 1,096 億円(15 年度)より少ない約 890 億円と見積もる。 自家用の乗用車の場合、税率は取得価格に対して非課税、1%、2%、3% の 4 段階。 20 年度基準に比べて 10% 燃費がいい車には、税がかからない。 トヨタ自動車のプリウスなど、ハイブリッド車はおおむね対象となる。 電気自動車や燃料電池車、クリーンディーゼル車も非課税とする。 20 年度基準を達成している車の税率は、1%。 20 年度基準よりゆるい 15 年度燃費基準も残し、燃費の悪い車はいまの取得税と同じ 3% の税率がかかる。 軽自動車や営業用のトラック・バスの税率は、2% が上限となる。 一方、燃費のいい車を減税する「グリーン化特例」は基準を厳しくする。 これまでは 20 年度基準を達成していれば、自動車税の税額が 75% 軽減された。 16 年 4 月以降に取得した分からは、20 年度基準よりも 10% 燃費がよくないと、これまでと同水準の減税を受けられなくなる。 軽自動車はこれまでと同じ基準を維持する。 (青山直篤、asahi = 12-9-15) インド、新幹線導入 首脳会談で合意へ 円借款調整 インド西部の高速鉄道計画を巡り、日本とインド両政府が日本の新幹線方式を導入することで合意する見通しとなった。 12 日にインドで開かれるモディ首相と安倍晋三首相の首脳会談で、共同声明に盛り込まれる見込みだ。 両政府は 2013 年 5 月、高速鉄道の詳細調査を始めることで合意。 同年、西部のムンバイ - アーメダバード間で事業が可能かの調査を始めた。 世界各国の高速鉄道を安全やコスト面などで比較した結果、今年 7 月に新幹線方式を勧める最終報告がまとまっていた。 報告によると、高速鉄道は両都市間 505 キロを最高時速 320 キロ、最速 2 時間 7 分で結ぶ。総事業費は 9,800 億ルピー(約 1 兆 8,100 億円)で、17年に着工、23 年の開業を目指す。 当初は 1 日当たり約 3 万 6,000 人を運ぶ計画。 日本政府は、総事業費から土地取得代を除いたうち、8 割を上限に円借款を供与する方向で調整している。 インド政府は新幹線方式の採用を正式に決めた後、事業者を選ぶ入札を実施する。 日本勢は車両や信号、通信システムなどを一括で受注したい考えで、子会社が調査に携わっていた JR 東日本などが受注を目指す。 インドでは他に 6 路線で高速鉄道の計画がある。 安倍政権は成長戦略の一環として、鉄道などのインフラ輸出を掲げている。 国土交通省や JR 各社は、新幹線などの輸出を計画している。 ただ、各国間の競争は激しく、日本が建設を目指していたインドネシアでは今年 9 月、同国政府が中国方式を採用した。 巻き返しを図る日本勢は、インドのほか、米テキサス州で新幹線方式を導入する予定の現地企業に対して、JR 東海がコンサルティング業務を行っている。 (山口知、mainichi = 12-8-15) 前 報 (7-20-15) 日本カー・オブ・ザ・イヤーにマツダ「ロードスター」 2015 - 16 年の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」が 7 日発表され、マツダの新型「ロードスター」が選ばれた。 マツダ車の受賞は、前年の小型車「デミオ」に続いて 2 年連続となった。 小型スポーツカーのロードスターは今年 5 月、10 年ぶりに全面改良して 4 代目が売り出された。 「明確なコンセプトを持ち、作り手の熱い情熱を感じさせる」などと評価された。 価格は消費税込み 249 万 4,800 円から。 初代のロードスターは 1989 年発売で、「世界で最も多く売れた 2 人乗り小型オープンカー」として、ギネス世界記録に認定されている。 日本カー・オブ・ザ・イヤーは、自動車専門誌などでつくる実行委員会が選んでおり、昨年 11 月からの 1 年間に発表、発売された乗用車が対象。 ロードスターと同じ小型スポーツカーで、今年 4 月に発売されたホンダの軽自動車「S660」は次点だった。 (田中美保、asahi = 12-7-15) 前 報 (5-20-15) 災害時、エコカーを電源に 医療に家電にフル活用 FCV・EV ガソリンが要らないエコカーを、電気が止まった被災地などでの新たなエネルギー源にする試みが広がっている。 災害時に不足しがちなガソリンはなるべく移動のために使いつつ、燃料電池車 (FCV) や電気自動車 (EV) の電気を医療機器や家電に回すなど車をフル活用するアイデアだ。 今秋の東京モーターショー。 ホンダは、来年 3 月からリース販売する新型の FCV 「クラリティ フューエル セル」を、開発したばかりの直方体の外部給電器「パワーエクスポーター 9000」につなぐ実演をした。 FCV は、水素と空気中の酸素を反応させて電気をつくって走る。 FCV で避難所まで向かい、FCV と外部給電器をつなげば暖房機器や照明用の電気を供給できる。 1 台で供給できる電力量は一般家庭の 7 日分。 「9000」は一般の自家発電機より波形の整った電気を送ることができ、繊細な医療機器なども正確に動かせるという。 来春に売り出す。 (榊原謙、田中美保、asahi = 12-6-15) 名大発、自動車ベンチャー続々 自動運転や制御ソフト 名古屋大学から自動車に関するベンチャー企業が続々と生まれている。 自動運転研究の加速や、車の制御ソフトの開発をめざす。 大学院情報科学研究科の加藤真平准教授らが 1 日に設けた「ティアフォー(名古屋市)」は、自動運転ソフトを搭載したコンピューター、センサー、カメラといった自動運転の研究開発に必要なものを研究者やメーカーに販売。 人材を育てるセミナーやオンライン講座も開く。 自動運転に必要な 3 次元地図の配信も準備している。 資本金は 1100 万円。 加藤氏は「自動運転の研究への参入を促し、開発を世界全体で加速させたい」と話す。 加藤氏らは公道での自動運転の実験を 2014 年 12 月に始め、すでに 200 キロ以上を走行。 公道での実験は 10 月の自損事故で中断しているが、安全対策をした上で早期再開をめざす。 一方、情報科学研究科附属組込みシステム研究センターの高嶋博之特任准教授らは、車を動かす複数のソフトウェアを制御する基本ソフトの開発をめざし「APTJ (名古屋市)」を 9 月に設けた。 先行する海外企業に対抗しようと、12 月 1 日、トヨタ自動車グループの豊田自動織機やジェイテクトなど 3 社と基本ソフトを共同で開発すると発表した。 ソフトは 2018 年ごろから本格的に売り始め、20 年ごろの売上高 10 億円をめざす。 資本金は設立時で 1,500 万円。 順次増やし来春には 5 億円ほどにする方針だ。 (月舘彩子、友田雄大、asahi = 12-4-15) JR 九州、旅館業に本腰 鉄道以外で売上高の 8 割目指す JR 九州は温泉旅館に本格参入する。 現在ある大分県別府市でのノウハウをいかし、同県日田市などで旅館運営を検討している。 JR 九州では駅ビルやマンションなど鉄道事業以外の売上高が全体の 6 割を占める。 今後も不動産や旅館の強化で鉄道以外を 8 割まで引き上げる方針だ。 青柳俊彦社長が 2 日、朝日新聞のインタビューで明らかにした。 JR 九州は現在、別府市で旧国鉄の保養所を改装した旅館を経営している。 日田市では「道の駅」などを運営する第三セクターの買収を決めており、同社の旅館の客室を増やすなど改装する。 この他でも経営する旅館を増やすことを検討している。 青柳氏は「旅館業は今後のインバウンド(訪日外国人旅行)の受け皿になる。 九州にとって何ができるかの挑戦だ。」と語った。 すでに複数の旅館から経営譲渡の打診があるという。 JR 九州によると、具体的な交渉を進めている案件もあり、早ければ来年度にも合意する見込み。 ホテルも強化する。 現在「ブラッサム」ブランドで九州や首都圏などで展開しているが、今後はベトナムなど東南アジアでの海外展開を検討する。 (湯地正裕、asahi = 12-4-15) 米リニア計画、日本が 8 億円負担へ インフラ輸出推進 JR 東海がリニア新幹線の輸出をめざす米東部のリニア計画をめぐり、日本政府は建設に向けた調査費の一部、8 億円を負担する方針を固めた。 他国の公共事業に日本政府が直接お金を出すのは異例。 安倍政権が成長戦略の一つに掲げるインフラ輸出につながると判断した。 計画は首都ワシントンから、メリーランド州ボルティモア間の約 60 キロを、最高時速 500 キロのリニアで 15 分で結ぶ。 最終的には、ニューヨークを経て、ボストンに至る約 730 キロに導入する構想だ。 JR 東海がリニアの普及につながるとして、車両や運行システムの技術を無償提供すると米側に約束。 日本政府も建設資金の一部を国際協力銀行 (JBIC) を通じ融資する意向を表明していた。 建設の前提としてかかる調査費は総額 3,475 万ドル(約 42 億円)。 米連邦政府は 11 月、このうちルート選定の地形調査や用地取得などにあてる 2,780 万ドル(約 34 億円)について初めて補助金を出すことを決めたが、残りをだれが負担するかが決まっていなかった。 (奈良部健、asahi = 12-1-15) ◇ ◇ ◇ リニア、米上陸へ一歩前進 協力会社に営業権 JR 東海がめざすリニア新幹線の米国への輸出が一歩前進した。 協力会社の鉄道を営業する権利と、米政府からの補助金が認められた。 ただ、巨額の建設費のめどは立たず、構想は加速しているとは言いがたい。 柘植康英社長は 19 日の東京での記者会見で「一歩ずつ前進している」と語った。 JR 東海が輸出を狙うのは、首都ワシントンからボルティモアまでの 60 キロ。 最終的には、ニューヨークを経てボストンに至る 730 キロへの導入をめざす。 国内でリニア中央新幹線を造り始めている JR 東海は、米国では自ら運営には乗り出さず、技術供与にとどめる。 普及の突破口とし、量産による製造コストの削減も狙う。 そんな構想をめぐり、ボルティモアのあるメリーランド州は 7 日、米政府に申請していた調査への補助金 2,780 万ドル(約 34 億円)が認められたと発表した。 ルート選定や建設費の試算を進める調査だ。 さらに同州が、JR 東海の現地の協力会社に対し、鉄道を営業する権利を与えたことが 17 日明らかになった。 もっとも、これでリニア輸出が一気に進むわけではない。 調査への補助金約 34 億円は調査主体が約 7 億円を負担することが前提。 「州は予算がないから、それをどうするかが問題」と JR 東海首脳は言う。 建設費はワシントン - ボルティモアだけで 1 兆円にのぼるとされ、どう工面するかという課題も残る。 JR 東海は米政府が前面に出ることを期待し、日本政府も支援する構え。 半額の 5 千億円を国際協力銀行 (JBIC) を通じて融資する考えを米国側に伝えているが、全米に高速鉄道網をつくる計画を掲げたオバマ政権は 2017 年 1 月に任期が切れる。 来年は米大統領選があるだけに「しばらく劇的な進展は期待できない。(JR 東海幹部)」との声もある。 (鈴木毅、asahi = 11-22-15) 前 報 (1-5-13) 中国初の国産旅客機が就航へ、海外からは無駄遣いと批判も 【北京】 中国初の国産ジェット旅客機が、計画からほぼ 10 年遅れで商用デビューにこぎ着けそうだ。 中国の成都航空は 29 日、国有の中国商用飛機 (COMAC) に発注していた 30 機の新型旅客機「ARJ21」の初号機の引き渡しを受けたと発表した。 COMAC が発表した声明では、「翔鳳(フライング・フェニックス)」との愛称を付けられた ARJ21 は、3 カ月間の試験飛行後に就航する。 COMAC によると、ARJ21 は 78 - 90 人乗りで、航続距離は 2,200 キロ超となる。 中国政府当局者は当初、ARJ21 の商用デビューの目標を 2006 年に置いていたが、製造の遅延から数度にわたってデビューを延期してきた。 同様のトラブルのため、COMAC が開発を進めている中距離ジェット旅客機「C919 (158 - 174人乗り)」も計画が何年もずれ込み、11 月初めに試作機が完成した。 中国の商用機の開発の遅れは、同国の航空機メーカーが政府の強力な支援を受けながらも、エアバス・グループやボーイングとの技術力の差を埋めるのに四苦八苦している現実を表している。 米ランド社のエコノミストで、中国の航空部門を分析しているキース・クレーン氏は、「ARJ21 は金の無駄遣いだった」と言い切り、「COMAC は欧米の部品供給会社との協業や、航空機の認証を得るための経験を積むことが出来たが、それよりコストの方が大きく上回った」と指摘した。 業界アナリストは、ARJ21 の開発コストが数十億ドルに達したと推定している。 中国の航空当局は以前、ARJ21 の公示価格を 3,050 億ドルと多くのライバル機よりも安く設定したが、買い手にはさらに大幅な値引き価格が提示されたと航空機アナリストは見ている。 現在の公示価格は不明だ。 小型ジェット機市場はカナダのボンバルディア、ブラジルのエンブラエル、ロシアのスホーイの 3 社が支配している。 三菱航空機の MRJ も 11 月に初飛行を行っており、競争は厳しい。 業界専門家によれば、ARJ21 が中国国外に打って出られる見込みはほとんどないという。 ![]() ARJ21 は現在、欧米諸国から型式証明を得ておらず、主要な市場である欧米に輸出することも、飛来することもできない。 ただ中国の航空会社には販売でき、この日の引き渡しは、同国の航空会社や航空機リース会社などからの 300 機超に上る発注の最初のものである。 (Chun Han Wong、The Wall Street Journal = 11-30-15) ◇ ◇ ◇ 中国初の国産旅客機が完成 欧米企業の受注独占に対抗 中国が国産旅客機として政府ぐるみで開発してきた小型機「C919」の 1 号機が 2 日、完成した。 国内の旅客輸送の急増を背景に、欧州のエアバスや米ボーイングなどが寡占している市場への食い込みをねらう。 C919 は、政府や大手国有企業が共同出資した「中国商用飛機」が 2008 年から開発に取り組んできた。 通常の仕様で 158 座席、航続距離は 4,075 キロを見込む。 来年から試験飛行する計画で、将来はボーイングの「B737」やエアバスの「A320」などと対抗することを目指す。 中国の航空機市場は 30 年までに米国を抜き、世界最大になると見込まれている。 ただ、これまでは旅客機のほとんどが外国企業からの購入に頼っており、国産化は国を挙げた課題となっていた。 (北京 = 斎藤徳彦、asahi = 11-2-15) 観光列車「ながら」運行へ 「ななつ星」の水戸岡氏担当 ![]() 長良川鉄道(本社・岐阜県関市)は 26 日、来春から観光列車を運行すると発表した。 デザインは JR 九州の豪華寝台列車「ななつ星」を手がけた水戸岡鋭治氏が担当する。 同社は利用客の増加と沿線への経済効果に期待を寄せる。 新しい観光列車の名称は「ながら」。 食堂車(定員 25 人)と通常の観光列車(同 37 人)の 2 両編成で、所有車両を改装する。 外装はロイヤルレッドを基調にし、内装は地元産木材や美濃和紙を多く使う。 改装経費約 6 千万円のうち、約 4,200 万円を国の交付金で、残りを金融機関からの融資でまかなう。 食堂車は食事代や運賃などを含めて 1 万円超に、もう 1 両は運賃に 500 円を加える予定だ。 土曜と日曜、祝日、大型連休を中心に 1 日 1 往復、年間約 130 日の運行を想定。 食堂車は美濃太田駅から郡上八幡駅まで、もう 1 両は北濃駅まで運行する。 同社の試算では、年間の平均乗車率を 55% とすると、200 万円以上の利益が出る見込み。 沿線地域への経済効果も期待できるという。 社長の日置敏明・郡上市長は「人口減少の中、輸送人員の確保には限界がある。 観光客を増やし、経営基盤の強化につなげたい。」と話した。 同社はながらの乗員 4 人を募集している。 また、改装費の支援として 1 口 1 千円以上の寄付金も募っている。 問い合わせは同社 (0575・23・3921)。(山岸玲、asahi = 11-29-15) 老いる信号制御機 4 万基が更新時期超過、事故招く恐れ 信号の色を変える「制御機」の約2割にあたる 4 万基超が更新時期を過ぎていることが、警察庁への取材でわかった。 このままのペースで更新すると 10 年以内に 3 割を超える見通し。 警察庁は、故障すると事故につながる恐れがあるとして、2020 年度までに重点的に更新するよう都道府県警に指示した。 信号制御機は信号柱(ちゅう)などに設置してあり、3 月末時点で、全国で 20 万 4,730 基ある。 2 年前から 2,090 基増えた。 警察庁は制御機の更新時期を、メーカーの説明などを参考に、製造から 19 年と決めている。 19 年以上経つ制御機は全国に 4 万 387 基あり、老朽化率は 19.7% に上る。 2 年前から 1.8 ポイント、1 年前より 0.6 ポイントそれぞれ増えた。 一方、制御機の故障(台風や落雷が原因のものを除く)は昨年度、795 件あった。 更新時期との関連はわかっていないが、古いものが多かったという。 信号が消えたり点滅し続けたりしたほか、複数の色が同時についたケースもあった。 警察庁によると、これまで制御機の故障が原因で大きな事故は起きていないが、担当者は「故障で事故や渋滞を引き起こす恐れがあり、危険だ」と話す。 (八木拓郎、asahi = 11-29-15) 観光客も振り返るデザイン 電気三輪車、有馬温泉を疾走 ![]() あれは自動車? それともバイク? 個性的なデザインの自動車開発で知られる光岡自動車(富山市)とバッテリー商社のユアサ M & B (大阪市)が、電気三輪自動車の販売を始めた。 車検、車庫証明もいらない手軽さが特徴。 小口配達向けに開発されたが、観光用にも使われ始めている。 訪日外国人も目立つ有馬温泉(神戸市北区)の細い坂道を、見慣れない車が走る。 気づいた観光客が振り返る。 1 台だけではない。 ボンネットの色も赤、青、黄色 …。 有馬のあちこちで見かけるようになった。 電気三輪車「Like-T3」で、宿泊客向けのレンタカーだ。 2 人乗りで、荷物を 100 キロまで積める。 料金は平日 1 時間 1 千円、週末や休前日が同 1,200 円。 普通自動車免許で乗れ、ヘルメットはいらない。 老舗旅館「御所坊」の金井啓修さん (60) がインターネットで見つけ、仲間の旅館経営者に購入を呼びかけた。 「温泉街はどこも細い坂道が多い。 小回りが利くので便利。 個性的なデザインで、話題性も十分。」と期待する。 今はまだ 5 台だが、他にも購入する経営者がいるという。 開発を考えたのは、光岡自動車の創業者、光岡進会長 (76)。 「個性的な車を作ってきたが、大手メーカーも手掛けないような量産車を一度つくりたかった。 ネット通販の時代、小口配送が急増する。」と話す。 (編集委員・多賀谷克彦、asahi = 11-28-15) エヴァ新幹線で「獺祭」 劇中登場の日本酒を車内販売へ ![]() JR 西日本は 12 月 4 日から、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」を車体や内装にあしらった山陽新幹線で、旭酒造(山口県岩国市)の日本酒「獺祭(だっさい)」を車内販売する。 エヴァの監督・庵野秀明さんは山口県出身で、映画版に獺祭が登場するシーンがある縁で実現した。 販売するのは、原料の米を削る度合いが異なる 3 種類(180 ミリリットル)が 1 本ずつ入ったセットで、価格は税込みで 2,700 円。 車内でエヴァの世界観に浸りながら、映画に登場した高級酒が味わえる趣向だ。 JR は山陽新幹線の全線開業 40 年を記念して、エヴァをイメージした紫色の車体で内装も専用の 500 系列車「500 TYPE EVA」を、新大阪 - 博多間で 1 日 1 往復運行している。 山陽新幹線では「獺祭」の車内販売をすでに行っている列車もあるが、ワゴンサービスのない 500 系列車では行っていなかった。 ただ、今回の列車はエヴァをイメージしていることから実現した。 (湯地正裕、asahi = 11-23-15) ◇ ◇ ◇ エヴァンゲリオン新幹線、発進! 博多にファン大挙襲来 アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」をあしらった山陽新幹線「500 TYPE EVA」が 7 日朝、JR 博多駅(福岡市博多区)を出発した。 ホームにはカメラを手にした多くのファンがつめかけた。 午前 6 時 36 分の出発に先立って開かれた式典では、紫色の車両をデザインしたメカニックデザイナーの山下いくとさんが「たまたま出くわした人にも『うわー』と言ってもらえたらうれしい」とあいさつ。 ![]() 新幹線の車内には基地をイメージしたジオラマや、ゲームが楽しめる実物大の操縦席もある。 乗客の 1 人で、始発に乗るためにわざわざ夜行バスで大阪から前日入りしたという、会社員の福原慎士さん (32) は「こんな時代もきたか、という気持ち。 操縦席に乗ってゲームを体験するのが楽しみ」と笑顔で話した。 ファンに見送られて出発した「エヴァ新幹線」は午前 11 時 14 分に新大阪駅に到着した後、折り返し、午後 4 時 7 分に博多駅に戻る予定。 2017 年 3 月まで博多 - 新大阪間を 1 日 1 往復する。(田中翔人、asahi = 11-7-15) 官民ファンド、テキサス新幹線に出資へ 米国初を後押し JR 東海が新幹線の導入をめざす米南部テキサス州の高速鉄道計画で、日本政府が作った投資ファンドが、事業主体の現地企業に 3 千万 - 4 千万ドル(37 億 - 49 億円)を出資する方針を決めた。 日本政府は成長戦略の一環としてインフラ輸出を後押ししており、米国で初の新幹線導入に向けて前進する。 この高速鉄道は、ダラス - ヒューストン間(約 400 キロ)を約 1 時間半で結ぶもので、東海道新幹線で使われている「N700 系」をベースにした車両を使う。 米運輸省による環境評価を来年に終え、2017 年中に着工の予定だ。 今回、出資を決めたのは海外へのインフラ輸出を後押しする目的で日本政府が昨年作った官民ファンド「海外交通・都市開発事業支援機構 (JOIN)」。 ファンド首脳が今月訪米し、出資への詰めの作業を進めていた。 事業主体の「テキサス・セントラル・パートナーズ (TCP)」は今年 7 月、地元の不動産開発業者などから約 7,500 万ドル(約 92 億円)の出資を集めた。 TCP はファンドなどからの出資をもとに、トンネルや橋などの路線の設計を進め、建設のための詳細な事業計画をつくる。 最大の課題は、120 億ドル(約 1.5 兆円)を超えるとされる事業費の確保だ。 国際協力銀行 (JBIC) も融資を検討しており、日本政府の出資を呼び水として、国内外から投資を募る方針だ。(ワシントン=五十嵐大介、asahi = 11-20-15) 前 報 (7-24-15) 新生プリウス、脱エコカーに壁 新設計手法の狙いに狂いも
記事コピー (11-18-15) ◇ ◇ ◇ 4 代目「トヨタ・プリウス」、アメリカ国内で世界初公開 ![]() トヨタ自動車は 9 月 8 日、ハイブリッドカー「プリウス」の新型を、米国ネバダ州ラスベガスで世界初公開した。 トヨタが推進する新しいクルマづくりの方針「Toyota New Global Architecture」を基に開発された、4 代目プリウス。 2015 年の年末に日本で発売、世界各国にも順次展開される予定だが、その姿は、まずアメリカ国内で披露された。 エクステリアは、これまでの "トライアングルシルエット" を継承しつつ、先進的でエモーショナルなデザインを追求したというもの。 ルーフやエンジンフードの位置をこれまでより低く抑えることで、一段とスタイリッシュなシルエットを実現したとアピールされる。 ボディーサイズは全長 x 全幅 x 全高 = 4,540 x 1,760 x 1,470mm。 現行型(3 代目)に比べて 60mm 長く、15mm 幅広く、20mm 低い。 ホイールベースは変わらず、2,700mm となっている。 インテリアは、機能性と美しさの両立が目指された、ワイドなインストゥルメントパネルが特徴。 その下部は、磁器を思わせるプレミアムホワイトのオーナメントで飾られる。 技術的なハイライトとしては、「熱効率を 40% 以上に高めたエンジン」、「小型軽量化されたモーターやバッテリー」などが挙げられる。 優れた燃費性能を実現したのはもちろんのこと、ボディー剛性の強化やパワートレインの低配置化などにも取り組み、操縦安定性と乗り心地を向上させたという。 安全面では、ミリ波レーダーと単眼カメラを使った「歩行者検知機能付き衝突回避支援型プリクラッシュセーフティー」を含む、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」が採用されている。 (webCG、asahi = 9-24-15) ◇ ◇ ◇ 4 代目プリウス、米で世界初公開 … 燃費 10% 向上 【ラスベガス = 小川直樹】 トヨタ自動車は 8 日、6 年ぶりに全面改良した主力ハイブリッド車 (HV) 「プリウス」の新型モデル(北米仕様)を米ラスベガスで世界初公開した。 1997 年の発売以来、世界の HV 市場を切り開いた看板車種の 4 代目となる。 中核モデルの燃費性能を 3 代目よりも 10% 高め、HV では世界最高としている。 日本仕様の燃費性能は、カタログ値でガソリン 1 リットルあたり 40 キロ・メートルに達するとみられ、同社の小型 HV 「アクア(37.0 キロ・メートル)」を上回る見通しだ。 国内では 10 月 29 日に開幕する東京モーターショーで披露され、2015 年末に発売する。 4 代目は、ハイブリッドシステムを小型軽量化したほか、エンジンの効率を改善して燃費性能を一段と向上させた。 自動ブレーキなど安全機能も強化した。 トヨタの新しい設計・生産手法を採用した第 1 弾で、走行性能の向上とコスト削減を両立させたという。 プリウスは、累計の世界販売台数が 350 万台を超えている。 (yomiuri = 9-9-15) フランス高速鉄道 TGV 脱線、10 人死亡 試験走行中 ドイツとの国境に近いフランス東部ストラスブールの近郊で 14 日、試験走行中の高速鉄道 TGV の車両が脱線し、水路に転落した。 AFP 通信によると、この事故で少なくとも 10 人が死亡、37 人が負傷した。 行方不明者がいるとの情報もあり、救助隊が水中で捜索にあたった。 事故当時、TGV には技術者ら 49 人が乗車し、時速 350 キロで走行していたという。 2016 年春に稼働予定の次世代車両の試験走行中だったといい、一般の乗客はいなかった。 事故は速度超過によるものとみられるが、詳しい原因は調査中。 フランスでは前日に首都パリで同時多発テロが起きたばかりだが、当局は「テロとの関わりを示すものは見つかっていない」としている。 TGV は 1981 年に導入された。 (asahi = 11-15-15) マツダとフォード、資本提携を解消 36 年の関係に幕 米自動車大手フォード・モーターが、保有していたマツダの全株式を 2015 年 4 - 9 月期に売却していたことが分かった。 1979 年から 36 年にわたった資本提携が解消された。 オイルショックなどの影響で業績が悪化したマツダ(当時・東洋工業)は、79 年にフォードから 25% の出資を受け入れた。 バブル崩壊で再び経営難に陥った 96 年には、フォードが出資比率を 33.4% に引き上げ経営権を握り、03 年まで 4 代続けて社長を送り込んだ。 しかし、フォードは 08 年のリーマン・ショックで経営が悪化。 保有するマツダ株を徐々に売却し、今年 3 月末には出資比率が約 2% に下がっていた。 マツダも 12 年に米国のフォードとの合弁工場での生産をやめ、メキシコ工場を建設して 14 年 1 月に稼働するなど独り立ちの姿勢を強めてきた。 円安を追い風にマツダの業績は回復し、15 年 3 月期には 2 期連続で過去最高の純利益を更新した。 (木村和規、asahi = 11-14-15) 燃料電池コスト減へ 白金の代替触媒開発 九大チーム 燃料電池の電極に使われる白金(プラチナ)に代わる正極側の触媒の開発に、九州大の小江(おごう)誠司教授(生物無機化学)らの研究チームが成功した。 負極側はすでに開発済みで、両極がそろったことで、より安価な燃料電池の開発が可能になる。 10 月 28 日付でドイツの学術雑誌に掲載された。 燃料電池は、水素と酸素を電極で化学反応させて発電する。 二酸化炭素を出さないため、クリーンなエネルギーとして自動車などへの普及をめざし、研究が進んでいる。 化学反応をさせるのに必要なのが、正負の電極に使われる触媒だ。 通常は白金が使われるが、価格が鉄の 10 万 - 100 万倍と高価で、埋蔵量も限られるのが難点とされる。 小江教授はこれまで、負極側の触媒の研究に取り組んできた。 阿蘇山(熊本県)で発見した鉄を含む天然酵素は白金の 1.8 倍の発電力があり、代替触媒として使えることなどを明らかにしてきた。 今回、この鉄を含む天然酵素の化学構造にヒントを得て、正極側の触媒として使える新たな人工酵素の開発に成功した。 燃料電池では、白金触媒を使って水素と酸素を化学反応させると、電池を腐食させる過酸化水素水が正極側で発生する課題があり、正極の代替触媒の開発が遅れていた。 新たな人工酵素では過酸化水素水の発生もゼロに抑えられたという。 実用化に向けて利点が多いことから、小江教授は「耐久性など、より改良を重ねて実用化につなげたい」と話している。 (小林舞子、asahi = 11-8-15) 水上タクシーお披露目 東京都で初 ![]() 河川や運河などをめぐる船を日常の交通や観光に利用してもらおうと、東京都で初となる水上タクシー専業の会社が 11 月末から試験営業を始めることになり、港区の日の出桟橋で 5 日、報道陣にお披露目された。 運営する東京ウォータータクシー(港区)によると、タクシーは 6 人乗りで、時刻やコースに縛られず運航できるのが特長。 現在はまだ 2 隻だが、2020 年東京五輪・パラリンピック開催時までには 60 隻に増やす方針。 乗降できる桟橋は、羽田空港に近い天空橋や浅草の桜橋など 5 カ所。五輪に向けて増やしていく計画といい、田端肇社長 (58) は「将来は普通のタクシーのように乗り降りできるようにしたい。」 同日試乗した舛添要一知事も「2019 年ラグビー W 杯や東京五輪に向け、舟運の活性化と港湾機能の強化を頑張っていきたい」と述べた。 (sankei = 11-5-15) ホンダ、新型 NSX を国内初披露 HV 化し来春生産開始
記事コピー (10-20-15 〜 10-29-15) 日本車両、一転 138 億円赤字見通し 米国事業トラブル 日本車両製造が 27 日発表した 2015 年 9 月中間決算は、純損益が 100 億円の赤字(前年同期は 11 億円の黒字)だった。 通期の純損益見通しは、従来の 20 億円の黒字から 138 億円の赤字に引き下げた。 米国で受注した鉄道車両の生産が大幅に遅れる見通しとなったためだ。 米国子会社で開発中の高速鉄道用の車両で強度不足が判明し、設計の大幅な変更が必要になった。 納期が遅れる顧客への補償金など 54 億円の損失を 9 月中間決算に計上。 関連の損失は通期では 100 億円強に膨らむ見込みだ。 責任を取るため森村勉社長ら代表取締役 4 人の役員報酬の 5 - 10% を 11 月から返上することも発表した。 問題が解決するまで当分続けるという。 親会社の JR 東海は支援のため社員約 20 人を日本車両に送り込んでおり、この日、「今後も可能な限り支援する」とのコメントを発表した。 (asahi = 10-28-15) 不審物チェック、ボディースキャナー運用試験 成田空港 航空機の乗客の衣服を透視して不審物をチェックする「ボディースキャナー」の運用試験が 27 日、成田空港で始まった。 テロ対策強化に向け、国が導入を検討しており、来月には羽田空港でも実施される。 運用試験は午前 11 時に第 1 ターミナルで始まり、検査員が無作為に選んで旅客を次々と誘導。 ポケットからすべての物を取り出した後、箱形の機器内で数秒間決められたポーズをとってチェックを受けた。 ボディースキャナーは、金属以外にも反応し全身にわたって不審物を検出できる。 不審物が見つかると、検査員がその場所を接触検査する。 成田の期間は 12 月 3 日までで、検査に要する時間などデータを収集する。 (大津正一、asahi = 10-27-15) 新型タクシーはワゴン トヨタ、20 年ぶりの刷新 ![]() トヨタ自動車は 26 日、タクシー用にワゴンタイプの新型車を 2017 年度に売り出すと発表した。 タクシー用の刷新は約 20 年ぶり。 かがむのがつらいお年寄りも背の高い外国人も快適に座れるよう、従来のセダンより天井を 20 センチほど高くする。ドアはスライド式で、荷物置き場も広くした。 新型の発売は、95 年のセダン「コンフォート」以来。 今回も 5 人乗りで、燃料もコンフォートと同様に価格が安い LP ガスを使う。 ただし新型はハイブリッド車で、燃費はよくなりそうだ。 新型の発売にあわせて、コンフォートは生産を終える。 タクシー用では、日産自動車も 6 月、長年販売してきたセダン「セドリック」にかえて、ミニバンの「NV200 タクシー」を発売している。 これらが順調に普及すれば、東京五輪がある 20 年には街を行くタクシーの外観が様変わりする。 (高橋諒子、asahi = 10-27-15) 前 報 (11-28-14) |