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岩手・大船渡沖でアマモの林広がる タコやアジ集まり、豊かな海へ 岩手県大船渡市の越喜来(おきらい)浪板海水浴場沖では、東日本大震災後に荒れた藻場の再生が進み、海中にアマモの林が広がっている。 魚や貝、タコが集まり、豊かな海の姿を取り戻しつつある。 波打ち際で海水浴客が遊ぶ横から海に入ると、緑のアマモが一面に広がっていた。 アジやタナゴ、カマスの群れが通り、アマモの根元にはツメタガイやアサリ、サクラガイが生息。 タコも砂地に身を潜めていた。 NPO 法人三陸ボランティアダイバーズが越喜来漁協と藻場再生を始めて、10 年ほどになる。 同 NPO 代表の佐藤寛志さん (51) は、「震災とその後のウニによる食害で、あたりは砂利が広がる荒れた環境だった。 アマモの苗を移植し、ウニを駆除するなどしてきた。」 その結果、海水浴場沖のアマモ場は 0.5 ヘクタールから約 2 ヘクタールまで広がったという。 「アマモをすみかにする小型の甲殻類などが増え、それをエサにする魚の群れが戻ってきた。 海を豊かにするアマモを広げていきたい。」と佐藤さんは語る。 (伊藤恵里奈、asahi = 8-31-25) 日本一の花火師を決める最高峰「大曲の花火」 10 万人の観客を魅了 日本一の花火師を決める頂上決戦「大曲の花火(正式名・全国花火競技大会)」が 30 日、秋田県大仙市の雄物川河畔で開かれた。 会場を埋め尽くした 10 万人の観客が 1 万 8 千発の至高の花火に酔いしれた。 大曲の花火は土浦(茨城)、ふくろい遠州(静岡)、やつしろ(熊本)など各地の競技大会で好成績を収めた花火師に出場権が与えられ、花火界で「王者の中の王者」を決める日本最高峰の大会と位置づけられている。 ことしの第 97 回大会は地元・大曲の 4 社をはじめ、花火どころの茨城、長野、新潟、静岡、愛知など 12 都県から計 28 社が出場。 昼花火、10 号玉の「芯入割物」と「自由玉」、大曲発祥の「創造花火」の計 4 種目で内閣総理大臣賞をめざした。 夜の部は、光のシャワーが流れる仕掛け花火「ナイアガラ」でスタート。 96 回大会を制した小松煙火工業による特別プログラム「大地の鼓動」など、速射連発の「スターマイン」が競技の合間に披露された。 ハイライトの「大会提供花火」は、幅 800 メートルにわたる超特大スターマイン。 北欧の名曲「交響詩フィンランディア」に合わせ、5 分半に 2,120 発を打ち上げた。 ![]() 日本伝統のほの暗い「和火」で戦禍を、緑の光が垂れる「葉落(ようらく)」でオーロラを、光線が伸びる「八方咲」で未来を表現。 白い光で観覧席を照らす「銀菊」で締めくくり、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。 演出した「現代の名工」今野義和さん (61) は「大曲の花火が、世界の平和を後押しできれば花火師冥利に尽きる。」と話した。 表彰式は 31 日、大仙市内であり、昼花火と夜花火の 2 部門 4 種目の優勝と、最優秀賞(内閣総理大臣賞)が発表される。 3 年後、大曲の花火は第 100 回記念大会を迎える。 (室矢英樹、asahi = 8-30-25) -------------------------------- 七色の雲「彩雲」撮った 「珍しい虹が出てるよ」 25 日夕、大分県津久見市の上空で「彩雲」がみられた。 気象庁のホームページによると、彩雲は「上空の比較的薄い雲がその縁に沿うように赤、黄、緑などの色に分かれて見える現象」。 太陽の光が雲の粒を回折(波長に応じて進行方向を変えること)することで発生するという。 撮影した 60 代のパート女性 = 同市 = は、「2 人の孫を連れて遊んでいたら、孫たちが、『ばあば、きれいで、大きな、珍しい虹が出てるよ!』って、教えてくれて。 幸運の前触れだって、とってもうれしかったです」。 (鳥尾祐太、asahi = 8-25-25) 富士山コンビニ前 新たな幕の高さ 1.4m に 富士山コンビニ店に新たな幕です。 店舗越しの富士山を撮影しようと外国人観光客が殺到する山梨県富士河口湖町にあるコンビニ店前に、高さ 1.4 メートルの茶色の幕が設置されました。 これまでに高さ 2.5 メートルの幕が設置されたこともありましたが、今回は道路の横断を防ぎながらバスのサイドミラーがぶつからない高さに設定されたということです。 (テレ朝 = 8-17-25) 前 報 (11-30-24) 消えた駅弁、レシピなき復刻の道 ほのかに杉が香る「ごちそう」 平成半ばに姿を消した駅弁がある。 正方形の経木の箱。 ふたを取ると、ほのかな杉の香りが鼻を抜ける。 飯は、鶏のだしが優しくきいている。 大鶴修二郎さん (61) は、その風味をありありと思い出す。 幼い頃から親しんだ。 「今日はかしわめしにしようか。」 父親が言うと、心の中で小躍りした。 列車旅をする人々のお供であり、家庭の食卓も彩った。 「あの味に、また会いたい。」 そう願う人々が結集し、この夏、復刻をめざした。 つくっていた会社も、レシピも残っていない。 記憶を頼りに、味をたぐり寄せた。 明治期から呼び売り「誰もが知る商店に」 九州の東側を JR 日豊線が南北に延びる。 行橋駅(福岡県行橋市)で売られた駅弁が「かしわめし」だ。 駅前の小松商店がつくっていた。 大鶴さんの家族は、駅前で大正時代から続く酒店を営む。 忙しい両親は、しばしばかしわめしを頼った。 大鶴さんがおつかいに走った。 食卓に並ぶ 1 人 1 箱の弁当は、子ども心に「ごちそう」だった。 ふたを取ると、かしわ(鶏肉)、錦糸卵、刻みのりの 3 色。 その下にかしわの煮汁で炊いた飯が敷かれていた。 行橋駅のかしわめしはいつ生まれたのか。 はっきりしないが、小松商店は駅開業の 1895 (明治 28)年に商売を始めたと伝えられる。 1911 (明治 44)年 9 月に国鉄がまとめた「駅勢要覧」には、行橋駅で「弁当」と「鮨」を呼び売りする業者として小松徳松の名がある。 後の小松商店のあるじだ。 停車した列車の窓越しに売っていたとみられる。 駅は、日豊線と筑豊地方から石炭を運ぶ田川線(現・平成筑豊鉄道)が連絡するターミナルとして栄えた。 「駅弁の需要は多く、小松はまちの誰もが知る商店になった」と郷土史家の山内公二さん (84) は語る。 昭和の時代、かしわめしは駅構内の売店に置かれた。 発着する列車に積み込まれ、車内販売もされた。 掛け紙には「分けあう座席 向きあう笑顔」の言葉。 旅のひとときを和ませた。 手頃な食事として地元の人々にも支持された。 「小松のかしわめし」を求め、郊外からも客が来た。 店では朝の 6 時から大鍋でかしわを炊いた。 夜 9 時の閉店まで、社員やパート職員が交代制で仕込みや箱詰めに追われた。 行橋のソウルフードとも称された。 そこに時代の波が押し寄せる。 コンビニエンスストアなどと競合。 売れ行きが細った。 2006 年 9 月に駅弁としての販売を終えた。 小松商店は店頭のみで同じ中身の弁当を売ったが、程なく 09 年 8 月に廃業した。 復刻のきっかけは昨年のことだ。 現れた助っ人、味の決め手は親鶏 25 年 8 月の駅開業 130 周年を記念しようと、市の観光協会で商店主らが話し合った。 「駅だから、駅弁だ。」 そんな声が上がり、動き出した。 市内で居酒屋を営む安永結美(ゆいみ)さん (&5) が調理を引き受けた。 弁当販売の経験が豊富だ。 だが、小松商店で幕の内弁当を買ったことはあっても、かしわめしは食べたことがなかった。 小松商店の社長は他界していた。 親族は復刻を了承したが、レシピはない。 「未知の世界でした。」 思いがけない助っ人が市内にいた。 佐々木幸子さん (76)。 小松商店の店じまいまで、かしわの仕込みを担当した元社員だ。 姉も働いていた小松商店に 35 歳で入社。 シングルマザーとして息子を育て上げ、60 過ぎまで勤めた。 「小松でお世話になった」との思いがあった。 佐々木さんの話から、調味の基本はしょうゆ、三温糖、料理酒の三つと分かった。 しょうゆは大分県の醸造元から取り寄せた。 かしわは採卵を終えた親鶏。 「良いだしが出る。 味の決め手でした」と佐々木さん。 助言を受け、6 月から安永さんは試作を重ねた。 大鶴さんの酒店で皆が試食し、記憶の中の味に近づいた。 かしわめしは甘辛の輪郭がくっきりした商品も多いが、小松商店では味付けを抑えていた。 三温糖は隠し味程度の量に落ち着いた。 こだわりは味にとどまらない。 包装を含め、細部まで復刻した。 鶏を描いた掛け紙は、市観光協会の職員がネットのフリーマーケットで実物を見つけ、コピーした。 割り箸袋の「小松商店」の文字もシールで再現。 駅弁ファンが設けたウェブサイトも参照した。 行橋駅で開業 130 周年記念の催しがあった今月 9 日。 復刻のかしわめし(税込み千円)は 200 食限定で販売された。 安永さんは午前 4 時から店の厨房で計 8 キロの親鶏を炊いた。 「売れ残ったらどうしよう。」 不安をよそに、朝から駅構内に行列が延び、販売開始の 10 時半に売り切れが決まった。 市内の安川純さん (62) は 1 個買い求めた。 亡き祖母の好物。 「来客があると用意するハレの味でした。」 昔が懐かしく、母親 (92) と食べようと並んだ。 往時のかしわめしを知らない若者も並んだ。 関係者に手応えが残った。 次の挑戦を見据える。 「復刻から、復活につなげたい。」 市観光協会事務局長の渡辺隆広さん (63) は話す。 駅弁が消えた駅に、再び駅弁を。 まちの顔になる名物を。 夢は膨らむ。 九州郷土料理のかしわ飯 各地に駅弁 かしわ飯は九州各地で食される郷土料理だ。 かしわ(鶏肉)や根菜などの具材を甘辛く煮詰め、ご飯に混ぜたものが多い。 コンビニにおにぎりとして並ぶほか、うどん店などではサイドメニューの定番だ。 各地に駅弁の「かしわめし」もある。 折尾駅(北九州市八幡西区)や鳥栖駅(佐賀県鳥栖市)、西都城駅(宮崎県都城市)などが有名で、それぞれの業者が味を伝えている。 九州は鶏肉の消費が盛んだ。 総務省の家計調査によると、2 人以上の世帯の年間購入量(2022 - 24 年の平均)は、県庁所在地と政令指定都市計 52 市のトップ 3 が熊本、大分、鹿児島。 トップ10 に福岡、佐賀、宮崎が入る。 15 位に北九州、20 位に長崎がつける。 関門海峡を挟む隣県の山口は 22 位だ。 (田中久稔、asahi = 8-17-25) 札幌の真夏日が 32 日目 101 年ぶりに記録更新 今後も厳しい暑さ 札幌で最高気温が 30 度を超えて真夏日となった日数が 16 日、「32 日」となり、年間の真夏日日数としては過去最多となった。 日本気象協会によると、計 31 日間だった 1924 年を超え、101 年ぶりの記録更新という。 札幌管区気象台によると、16 日は午前 9 時 51 分に 30.7 度を観測した。 同協会によると札幌では今年、6 月 19 日に初めて真夏日となった。 月平均気温は 6 月(20.6 度)、7 月(25.8 度)とも史上最高を記録。 8 月以降も暑い日が続いていた。 今後 1 週間も予想最高気温は 30 度前後が続く見込みで、真夏日日数はさらに増える可能性があるという。 (原知恵子、asahi = 8-16-25) 仙台の一等地が 8 年「廃虚」のまま なぜ「札仙広福」で水あけられる JR 仙台駅西口からメインアーケードへ向かうと、その途中、巨大な廃墟がそびえていることに気づく。 8 年前に経営破綻した「旧さくら野百貨店仙台店」だ。 工事用フェンスに囲まれたまま手つかずの状態が続き、再開発の遅れを象徴する存在となっている。 「昔は仙台のランドマークだったのに。今のままじゃみっともない。」 市中心部に通って 30 年になるという宮城野区の女性 (61) は、残念そうに話す。 ビル前は東北で 69 年間にわたって路線価格 1 位を取り続けている一等地でもある。 さくら野百貨店は、戦後に誕生した百貨店「丸光」をルーツに持ち、2017 年に運営会社が倒産して閉店した。 その後、20 年にディスカウントストア「ドン・キホーテ」の運営法人が取得。 24 年度に着工し、27 年度にはホテルとオフィスを備えた高層ツインビルに生まれ変わる予定だった。 市内に点在「ゴーストビル」 しかし、25 年になっても着工の動きは見られない。 関係者によると、地権者が複数いることで合意形成が難航しているほか、建築資材費の高騰で「様子見」が続いているという。 市のメインストリート「青葉通」を挟んだ向かいには、昨年 1 月に閉店した商業施設「EDEN」の解体跡地もある。 温泉の掘削が検討されているが、こちらも計画時期やその詳細は不透明な状況だ。 「廃虚」状態となっている大型施設は市内に点在している。 青葉区一番町のファッションビル「仙台フォーラス」は建物の劣化調査のため、24 年 3 月から長期休業に入った。 改装や建て替えのめどを含めて再開時期は未定だ。 地下鉄泉中央駅そばの「アリオ仙台泉店」は業績不振を理由に 24 年 1 月に閉店。 その後の活用の方向性は示されていない。 行方の分からない「ゴーストビル」が次々と増えている中、市はまちづくり施策の軸足を高機能オフィスビルの整備に置いている。 オフィスビル整備は軌道に乗るが … 19 年からは「都心再構築プロジェクト」と銘打ち、中心部のビル建て替え計画を支援する取り組みを打ち出した。 にぎわいにつながる店舗の併設などを条件に、容積率の緩和や固定資産税の優遇のほか、テナントを退去する企業の移転先賃料を助成するメニューを追加。 まちのビジネス色を濃くしながら、建物の老朽化対策、雇用創出、人口流入という多方面への効果を狙う。 プロジェクトには、これまでに複数の企業から手が挙がった。 電力ビル周辺の一体開発や旧イオン仙台店が入居していたビルの建て替えなど 8 件の計画を指定。 そのうちアーバンネット仙台中央ビルなど 4 件がすでに完成するなど、再開発は軌道に乗り始め、優遇措置の指定も当初の 23 年度から 30 年度に期限を延長した。 ただ、これは、ゴーストビルの打開策とは別の話だ。 市の関係者は「このままでいいとは誰も思っていない」と渋い表情を浮かべつつ、民間の動きに対して「待ち」の時間が続く以上、どうしようもないというスタンスだ。 専門家「打開策は市長のトップセールス」 地元の不動産鑑定士、西山敦さん (66 は「まちの『顔』が廃虚化することは、仙台経済へのイメージダウンにも影響が大きい。 膠着した状況をできるだけ早く打破しなければならない。」と警鐘を鳴らす。 仙台は、東名阪との大きな経済格差があるだけでなく、地方中枢都市を表す「札仙広福」の中でも、独自のスタートアップ支援が奏功している札幌、福岡に経済規模で水をあけられている。 事業者側の動きの鈍さについて、西山さんは「全国展開する企業からすれば、経済規模の大きい他地域を優先し、仙台での事業展開は後回しと判断している可能性がある」とみる。 ただ、「今は好機」とも提言する。 土地の価格が上昇傾向にある間に一等地の廃虚問題を解決できれば、進出先を探す企業に対してまちの経済力をアピールできるからだという。 「補助制度を整えて企業を待つだけでなく、市長から事業者へのトップセールスを強めるなど、役所からの積極関与が不可欠だ」と西山さん。 市長選を制して 3 期目を迎える郡和子市長に、大胆なかじ取りを求めている。 (大山稜、asahi = 8-12-25) 世界の抹茶ブーム、「高山茶せん」に熱視線 奈良で 7 万円体験プラン 世界的な抹茶ブームを受けて、奈良県生駒市と同市観光協会は、特産の高山茶せんの制作見学や茶会体験を盛り込んだ「伝統と美食を楽しむ」日帰り観光プランを企画した。 懐石料理付きで価格は 7 万円から。インバウンド客を念頭に地域資源の魅力発信を狙う。 高山茶せんは市北部高山地区の名産品。 室町時代、鷹山村と呼ばれたこの地を治めた鷹山氏が、わび茶の祖である村田珠光から依頼を受けて制作を始めたと伝わる。 近年では海外で抹茶がブームとなり、海外からも茶せんの注文が増加。 これに目をつけた市が、大阪・関西万博での観光ブームを見据えてプランを練った。 会場は同市上町の老舗醸造蔵の中本酒造店「作宝楼(さほろう)」で、参加者には茶せん作りの実演を見てもらうほか、蔵元厳選の日本酒と合う懐石料理や、ろうそくの明かりの下でお茶をたてる茶会を楽しんでもらう。 通訳による案内も行う。 9 月からの開始予定で、価格は税込みで 7 万円からを想定。 旅行業者のほか、奈良市内や大阪市内の高級ホテルへの販売を進めている。 市商工観光課の担当者は「外国人旅行者は素泊まりが多い。 見どころを尋ねられたホテルのコンシェルジュに紹介してもらうことなどで周遊観光につなげたい」と話す。 (神田剛、asahi = 8-10-25) 九州一の繁華街にそびえる「山」 30 年かけて近づいた自然環境 ![]() 九州一の繁華街である福岡・天神には、「山」がある。 ホールやオフィス、会議場などが入る官民複合施設「アクロス福岡」だ。 2 階から最上階の14階までの南側の屋上に緑化スペースが設けられ、まるでビルが木々で覆われているように見える。 都市の中心部で木々に覆われた山のような建物が横たわる。 夜なのに昼間のように明るい都会感、それが今回のイメージ。 アクロスは、福岡では有名な建物なので一度は見たという人も多いのではないかと思い、既視感が出ないように考えた。 周辺のビルにも明かりがともる時間まで待ち、より都会感が出るように撮影した。 アクロス福岡は 1995 年、福岡県庁が移転した跡地に完成した。 米国の建築家エミリオ・アンバース氏が階段状の緑化スペースである「ステップガーデン」を目玉とする構想を練り、日本設計や竹中工務店が中心となって設計。 造園家の田瀬理夫(みちお)氏が緑化の監修をした。 スプリンクラーほぼ稼働せず ![]() 初夏の平日、夕方のステップガーデンには、歓談したりベンチで読書したりと思い思いに過ごす人々が見られた。 各階には散策路が設けられ、ハイキングもできる。 階段を上ると、木々が風に揺れる音や鳥のさえずりが聞こえ、草木と土の匂いがした。 水をまくスプリンクラーも設置されているが、ほとんど稼働していないという。 竣工当初に植えられた植物は 76 種。 30 年経った今では約 200 種に増えた。 後から植えたものもあるが、クスノキやユズリハなど、野鳥が落としたと考えられる種から育った植物もある。 アクロス福岡を管理するエイ・エフ・ビル管理の川野厚子さんによると、九州北部の山の環境に近づけようとしており、最終的には、350 - 400 種に増やしていきたいという。 人気の昆虫、カブトムシやクワガタを呼び寄せる取り組みもしている。 地面を覆っているふかふかの腐葉土はだんだんと厚くなり、今では 7 - 8 センチになった。 しかし、幼虫期を腐葉土で過ごすカブトムシやクワガタにとっては十分とは言えず、落ち葉や枝を直径 2 - 4 メートルほどの円柱状に積み上げて、より厚い腐葉土をつくる試みをしている。 数年あるいはそれ以上の年数をかけて、カブトムシやクワガタが自然に定着するのを待っているという。 天神にそびえる都会の「山」は、長年の変化を見据えて育てられてきた。 10 年後、20 年後にどんな姿になっているのか、楽しみだ。 (中村有紀子、小宮路勝、asahi = 8-5-25)
モモの「あかつき」人気で福島が大フィーバー 直売所は長蛇の行列 モモをめぐり、一大産地の福島が毎週末、大変な事態になっている。 直売所に開店前から長い行列ができるのが、当たり前の光景になった。 予想を越える「モモフィーバー」に、JA 関係者も「こんな人気は初めて」と驚く。 早朝の直売所を訪れてみると …。 27 日午前 7 時半。 福島市の郊外にある JA ふくしま未来の農産物直売所ここら矢野目店には、すでに 260 人の行列ができていた。 駐車場は満車で、とまっていた 100 台のうち、29 台は県外ナンバーだった。 隣県が多いが、「春日部」、「葛飾」、「千葉」といった首都圏も目立ち、遠くは「名古屋」、「沼津」なども。 目当ては「あかつき」だ。 硬さが特徴で、糖度が高く、福島県のモモ生産量の約半分を占める主力品種。 贈答品として、東京のデパートでも扱われている。 ただ、収穫時期が 7 月下旬から 8 月中旬の 2 週間ほどと、旬は短い。 行列の 3 番目に並んでいたのは、家族で栃木から来たという男性 (65) だ。 「先週も福島に来たが、あと一歩で買えなかった。」 隣の市にある JA 直売所で 110 番台の整理券を受け取ったが、70 番台で販売終了。 市内の「道の駅」に向かうも、直前で売り切れてしまったという。 「一番乗りして必ず手に入れる」と午前 6 時半に訪れたが、すでに 2 組がいた。 先頭は、埼玉県川越市から、2 人の孫を含め家族 6 人で午前 6 時に着いた男性 (61) だった。 高速道路を使わず、昨夜 10 時に自宅を出発したという。 「福島にモモを買いに来て 3 年目。 直売所だと、個数制限がないからね。」 そう話していると、直売所のスタッフが、販売制限を伝える案内板をもって現れた。 「在庫に限りがあるため、制限をかけさせて頂きます。 贈答品、1 グループ 5 ケース。 家庭用、1 グループ 2 ケース。」 男性は気落ちするも、「でも大勢の人に味わってもらいたいから、しかたないさ」と笑顔で言った。 前日は、贈答品が 10 ケース、家庭用が 5 ケースの制限だったが、並ぶ人がより増えたため、全員に行き渡るように急きょ、数をさらに減らした。 ただ、列はどんどん長くなっていく。 「全員、買えるんですか」と直売所スタッフに声をかけたのは、仙台市から来た男性 (87) だ。 福島市に異動で勤務をしていた息子から、あかつきを贈られ、「こんなにおいしいモモがあるのか」と、以来 10 年間、毎年ここを訪れているという。 店は午前 9 時に開いた。 1 箱 12 - 13 個入りで、値段は 1,600 円前後と安い。 用意された 200 箱近くは 50 分で完売した。 最後の 1 箱を手にしたのは、埼玉県志木市から来たという女性 (66) だ。 「モモは柔らかいものだと思っていたが、去年初めて硬いモモのあかつきを食べ、はまってしまった。 買えてラッキーでした。」 結局、500 人近くが並び、開店前にいた人たちは全員、買うことができた。 店のスタッフによると、あかつきが販売されるこの時期、年々人出は増えてはきたが、ここまでの行列になったことはなかったという。 行列に並んでいた市内の女性は「地元にいながら、あかつきを買うのが、こんなに大変になるとは」と嘆いた。 店のスタッフは言う。 「なぜ急に人気になったのかは、私たちもわからない。 今年は猛暑で収穫が遅れ、数がまだ十分にそろっていないこともあるが、県外からの客が一気に増えた。 知名度が上がったのはうれしいが、これ以上増えると、どう対応したらいいのか。」 (岡本進、asahi = 7-27-25) リンゴジュースなど 32 品目、地場産品基準に反する 長野市の返礼品
記事コピー (4-1-16 〜 7-24-25) 南三陸の有機ワカメはいかが? 地元漁師が東北初認証、ブランド化へ 養殖ワカメの一大産地になっている宮城県南三陸町は 21 日から、自然の力で育ったと国が認証した「有機ワカメ」を、ふるさと納税の返礼品に加える。 地元産のワカメをブランド化し、水産業の課題解決につなげたい考えだ。 「有機○○」は農薬や化学物質などに頼らず、自然界で食品を生産していると農林水産省が認証した事業者だけが使える表示だ。 町のワカメ養殖漁師のグループが、飼育記録のついた天然の種苗から育てて、環境に優しい養殖資材を使う基準に合った生産方法を確立。 3 月に藻類としては東北で初めて認証を受け、養殖ワカメを「有機ワカメ」と表示できるようになった。 養殖ワカメ生産量では県は全国一、町は県内トップクラスを誇る。 ただ、生産者の高齢化と次世代の担い手育成が大きな課題となっている。 そこで、町地域おこし協力隊の西城俊行さん (59) が、ワカメをブランド化して収入増につなげるアイデアを思いついた。 西城さんは水産行政に長年携わった元県職員。 「持続可能な産業として孫の代までワカメ養殖を残したい」と、2 年がかりで認証にこぎつけた。 すでに北海道や新潟県などで有機藻類の認証を受けた先行事例はあるが、オーガニック需要の高い国外への輸出向けが大半を占める。 国内に出回る有機ワカメはほとんどなく、希少だという。 返礼品は約 1 万円の寄付で 1 箱(100 グラム入りのワカメ 2 袋)がもらえるようにする予定。 「藻類は CO2 を吸収する海からの贈り物」との思いから玉手箱をイメージした包装にもこだわった。 「海の日」の 21 日の受付分から「有機ワカメ」を返礼品に選べる。 三陸の海では、気候変動の影響で海水温上昇が続いている。 西城さんは「温暖化防止についても考え、応援してもらいたい」と話す。 (福留庸友、asahi = 7-20-25) 能登地震でも活動した災害救助犬 世界大会のがれき捜索部門で優勝
記事コピー (1-1-24〜7-19-25) みちのく記念病院に改善命令検討 八戸市「事実と異なる説明あった」 病院内で起きた患者同士の殺人事件を隠蔽したとして、当時の院長ら 2 人が逮捕・起訴された青森県八戸市の「みちのく記念病院」をめぐり、県は 18 日、医療法に基づく改善措置命令の発出などの検討に入った。 市によると、病院側は市の調査や指導に対し、事実と異なる説明をするなどしていたことが確認されたという。 八戸市の熊谷雄一市長はこの日の会見で、「病院の健全かつ適切な運営及び医療提供体制を確保するため」として、県に対し病院への行政処分を求める通知を同日付で出したことを明らかにした。 事件は 2023 年 3 月に発生。 患者間の殺人事件で、虚偽の死亡診断書を遺族に交付するなどしたとして医師 2 人が逮捕された。 その後、県と市は医療法に基づく立ち入り検査を計 8 回実施した。 その結果、@ 医師の勤務状況について実態と記録に整合性がなく勤務時間を適正に算出できない、A 一部の病室で定員を超えて患者を入院させていた、B 県の許可なく病室を病室以外の目的で使用していた - - ことが判明していた。 県と市は 3 月、条例に基づく改善勧告を行った。 県や市によると、A と B は改善が確認できたが、@ は常勤医や非常勤医が記録するタイムカードなどが存在せず、詳しい勤務実態を把握できていないという。 市は、常勤医の勤務時間(週 32時間以上)を満たしていない医師を常勤と報告していたことが確認されたと明らかにした。 県は今後、立ち入り検査の結果や市の通知を精査し、改善措置命令の発出を決める。 発出後に改善が見られなかった場合には、管理者の変更、病院の開設許可の取り消しなどの処分の必要性を検討する。 さらに、病院の業務停止という極めて重い命令を出すこともできる。 県健康医療福祉部の守川義信部長は「地域の患者が安心できる医療体制を一日も早くつくる。 そのためにも病院の考えを聞く必要がある」と話した。 宮下宗一郎知事は「通知の内容を精査し、必要に応じ、改善措置命令などの措置を速やかに講じる予定」とのコメントを出した。 (江湖良二、鵜沼照都、asahi = 7-18-25) 「リファ」発信拠点 27 年開業、隈研吾氏設計 名古屋に MTG 新本社 ![]() 「ReFa (リファ)」などのブランドを手がける美容・健康機器の MTG (名古屋市)は 14 日、同市熱田区に移転する新本社に、地元の人や観光客が利用できる複合施設を一体で建てると発表した。 建築家の隈研吾氏が施設をデザインし、リファ製品のミュージアムやカフェなどを計画。 2027 年 1 月にオープンする予定だ。 新しい施設は JR 東海道線の熱田駅、名古屋鉄道の神宮前駅の東側で建設が始まっており、敷地面積は 1 万 4 千平方メートルを超える。 総工費は 107 億円で、名称は未定。 芝生の広場を始め、社屋内外に開放施設を設ける。 ツバキの酵母を使ったパン屋や、地元の陶磁器を展示、販売する工房も併設する。 熱田神宮周辺整備の一環 MTG はリファのドライヤーやシャワーヘッド、美容ローラーのほか、トレーニング機器「シックスパッド」なども手がけ、今年度で創業 30 年を迎える。 新本社には研究開発力の向上だけでなく、ブランドの発信を強める狙いがある。 MTG は地元の企業や店舗とともに、近隣にある熱田神宮の参拝者を呼び込めるまちづくりをめざすとし、新本社もその一環となる。 14 日に開いた記者会見で創業者の松下剛社長は「近代的な高層ビルを作るのではなく、地域に開かれた場所にしたい」と述べた。 同席した隈氏は「本社というとどうしても閉じたイメージがあったが、ここでは庭園や緑、環境と一緒になった新しい形のビルができる。 今までのオフィスビルという概念を超える」と話した。 (高橋豪、asahi = 7-14-25) 「10 年で消滅」から変化 小学校再開の「奇跡の島」が育んだ包容力
記事コピー (4-1-16 〜 7-13-25) 北海道初「熱中症警戒アラート」 21 年以来最速の発表、猛暑日各地で 気象庁と環境省は 7 日、網走、北見、紋別、十勝地方に「熱中症警戒アラート」を発表した。 北海道内では今年初。 2021 年に道内で同アラートの発信を始めて以来、最も早い発表という。 札幌管区気象台によると、この暑さはチベット高気圧の影響であたたまった空気が、偏西風の蛇行により道内に流れ込んでいることが原因だという。 7 日午後 5 時時点、道内 174 の観測地点のうち 18 地点で 35 度以上の猛暑日を記録。 最高気温は帯広で 36.8 度、置戸町境野で 36.4 度、池田町池田で 36.4 度などだった。 暑さは 1 カ月以上続く見込みで、気象台は「特に冷房のない場所では換気や水分補給などの対策を」と熱中症への警戒を呼びかけている。 札幌市中央区の幌見峠にあるラベンダー畑ではこの日、薄着姿の観光客でにぎわっていた。 暑気払いに来たという坂本富士子さん (92) は、娘に差してもらった日傘の下で笑顔。 「風が涼しくて、暑い日でも心がさわやか。」 (太田悠斗、asahi = 7-7-25) 乳製品大手、北海道で工場建設ラッシュ 過剰気味なのに、なぜ今? 北海道内で乳製品工場の「建設ラッシュ」が始まった。 メーカー各社が工場の新設や増強に乗り出している。 相次ぐ投資は大手 4 社で総額 1 千億円を超えた。 背景に何があるのか。 放し飼いの牛がたたずむ牧場のそばに、地上 6 階の巨大な建屋が姿を見せ始めている。 酪農地帯が広がる中標津町計根別(けねべつ)で、乳業大手・明治ホールディングス傘下の明治が建設する新工場だ。 半世紀ほど前に建てた近隣の工場に代わって、2027 年春にも生産を始める。 「この先 50 年は私たちがしぼった生乳(せいにゅう)を使ってくれるということだ」と計根別農協(JAけねべつ)の北村篤組合長は?を緩ませる。 周辺の酪農家 112 戸が年 9 万トン超の生乳を出荷している。 「意欲にあふれた後継者を育て、メーカーの期待に応えていきたい」と前向きだ。 明治は 480 億円を投じる。 脱脂濃縮乳や脱脂粉乳、乳たんぱく質、クリーム、バターを中心に、栄養価や機能性を高めた新たな乳製品を生産。 イスラム文化圏への輸出もできるよう「ハラル認証」の取得にも取り組むという。 さらに SDGs も意識して、二酸化炭素排出量、地下水のくみ上げ量を、既存の工場よりも半減させる。 同社は、道東にある西春別工場(別海町、1968 年操業)と本別工場(本別町、1972 年操業)の老朽化が進んでいるため、新工場への集約に踏み切った。 乳製品の安定供給を維持するために、生産拠点の再編が必要と判断したという。 西春別と本別の両工場は新工場が操業後に順次、生産を中止する予定。 明治と競うように、同じ町内で、雪印メグミルクも今春、大型投資を打ち出した。 「なかしべつ工場」で約 460 億円かけて生産設備を増強し、チーズを増産する。 26 年に着工し、28 年度上期から順次動かす。 完成すれば、生乳の最大処理能力は 1.5 倍の年 30 万トンまで増える。「これまでにない新規の技術を導入する」と表明し、最新設備で付加価値が高いチーズをめざす。 雪印メグは数年前から、「さけるチーズ」など家庭用商品をつくる大樹町の工場も増強してきた。 生産態勢を強め、「チーズの新しい需要を掘り起こす(幹部)」と意気込む。 一方、森永乳業は恵庭市で今年 4 月、新工場の建設を始めた。 27 年春の操業予定で、年間生産量は 5 万トンを見込む。 投資額は 147 億円。 道内に新たな拠点を設けて生乳を確保し、安定して効率的な生産につなげたいとしている。 賞味期限が長いロングライフ (LL) 牛乳も生産し、北海道ブランドでの輸出やインターネット販売に乗りだす。 ふつうの牛乳の賞味期限が 20 日ほどなのに対して、森永の LL 牛乳は常温でも 120 日で、販売エリアが広がる。 建設地は 2013 年まで操業していた旧札幌工場の跡地で、工場建屋は延べ床面積 1 万 3 千平方メートル。 現在、同社の北海道内の製造拠点は関連会社も含めて、佐呂間工場(バター・脱脂粉乳など)、別海工場(チーズなど)、北海道保証牛乳(牛乳・飲料など)、十勝浦幌森永乳業(牛乳・クリームなど)の 4 カ所。 牛乳を生産するのは、北海道えにわ工場で 3 カ所目となる。 道内に基盤を置く「よつ葉乳業」も 6 月、音更町の十勝主管工場内に、新たな工場をつくる計画を明らかにした。 約 150 億円を投じ、老朽化した設備と置き換える。 今年末からの 2 年あまりの間、道内で「新設ラッシュ」が続く見込みだ。 各社が道内に投資を集中する背景には、生乳の道産比率の上昇がある。 全国の生乳生産は年々減り、2024 年度は 1990 年度の 10% 減となった。 これは道外(都府県)分が減っているためで、道内分は逆に 40% 近く増えている。 かつて 4 割に満たなかった道産比率は、約 6 割にまでなった。 どこも酪農経営は厳しさを増しているが、地域ごとに違いもある。 道外では、牛 1 頭あたりの牧草地が狭い酪農家が多い。飼料を輸入に頼らざるをえず、輸入価格高騰の打撃の度合いも大きい。 地球温暖化で乳牛の飼育条件も悪化し、高齢化もあいまって離農する人が後を絶たない。 このため、乳業各社は今後も、経営基盤が強い道内産の比率が伸びるとみている。 6 月の株主総会後に会見した雪印メグの佐藤雅俊社長は「道内の生乳拡大が非常に重要だ」と指摘。 なかしべつ工場の増強によって「(酪農家の)将来展望が明確にできる」と強調した。 大手各社の投資が実を結べば、道内の酪農家も売り上げ増が期待できる。 一方、業界全体でみると工場数は過剰気味で、老朽化も進んでいる。 各社とも今回の投資を機に、道内外の生産拠点の再編を進めるものとみられる。 酪農学園大の日向貴久教授(酪農・畜産経営論)も「道内では広大な牧草地を生かして生産拡大が進む一方、都府県では縮小傾向に向かうだろう。 国内での需要の実態に合わせて、乳業メーカーは道内への集中を視野に、加工・物流体制を再編することが予想される。」と指摘する。 雪印メグは「国内拠点の約 30% で再編または(他社との)協業を検討する」という方針を打ち出し、各社へ働きかけていく考えだ。 工場の再編や効率化は、周辺の酪農家への影響が大きく、生産者の注目も集まる。 (松田昌也、丸石伸一、asahi = 7-6-25) 新燃岳、灰色の柱 5 千メートル 産総研撮影、鹿児島欠航相次ぐ 産業技術総合研究所の地質調査総合センターは 4 日、宮崎、鹿児島県境に位置する霧島連山・新燃岳で火口から立ち上る噴煙の写真を公開した。撮影は 3 日午後 2 時ごろ、火山ガス観測用のドローンを使用した。 高さ 5 千メートル付近まで届く灰色の柱を鮮明に捉えた。 新燃岳は 4 日も噴煙が高さ約 3,300 メートルまで上がり、鹿児島空港を発着する 50 便以上が欠航した。 新燃岳では 6 月 22 日、約 7 年ぶりに噴火が発生。 地震の回数や火山ガス放出量が多く、活発な状態が続いていると同センターは分析した。 鹿児島地方気象台によると、7 月 3 日には鹿児島県霧島市で道路の白線が見えなくなるほどの降灰が確認された。 (kyodo = 7-5-25) ◇ ◇ ◇ 宮崎・鹿児島県境の新燃岳、7 年ぶり噴火 警戒レベル 2 を継続 福岡管区気象台は 22 日、宮崎・鹿児島県境にある霧島連山・新燃岳(1,421 メートル)が同日午後 4 時 37 分ごろに噴火した、と発表した。 噴煙は火口縁から 500 メートル以上に上がり、東に流れた。 噴石の飛散は確認されていないという。 噴火は 2018 年 6 月 27 日以来。 噴火警戒レベルは 2 (火口周辺規制)を継続。火口から2キロ圏で大きな噴石への警戒を呼びかけている。 (西田慎介、asahi = 6-22-25) 東海で梅雨明け、平年より 15 日早く … 関東甲信も近く梅雨明け見通し 気象庁は 4 日、東海地方で梅雨明けしたとみられると発表した。 平年より 15 日、昨年より 14 日それぞれ早く、1951 年の統計開始以降、3 番目の早さとなる。 同庁によると、太平洋高気圧が張り出し、今後晴れが続く見込みとなったことから判断した。 関東甲信地方も近く梅雨明けする見通しという。 (yomiuri = 7-4-25) ニシキゴイの輸出好調 「48 時間」の壁越えるための研究進む 新潟 新潟県は、県内からの農林水産物の輸出額について、2024 年度は 62 億円で過去最高になったと発表した。 ニシキゴイとコメの需要が伸び、円安も追い風になった。 品目別でみると、ニシキゴイが 62.9%、コメが 36.3% で、合計で全体の 99.2% を占めた。 水産庁によると、ニシキゴイの生産は新潟県が約半数を占め、全国で最も多い。 ニシキゴイの輸出額は前年比 18.2% 増の 39 億円。 中国側が必要な手続きを進めず輸出できない状態が続いていたが、昨年 11 月に再開。 ベトナムなどからも引き合いがあった。 輸出先の約半数が東・東南アジアだった。 元気な状態で運ぶには最大で 48 時間程度が限度といわれており、遠方への輸出が難しい事情があるためだ。 県は技術開発で輸送時間を延ばす研究を進めており、担当者は「輸出先を広げていきたい」と話す。 コメの輸出額は 22.5 億円で、前年度比 30.1% 増。 輸出量は 9,660 トンだった。 輸出先は米国が 17.5% とトップで、香港 (16.3%)、シンガポール (15.6%) が続いた。 日本食のレストランチェーンやおにぎり店で取扱量が増えたことが背景にあるという。 県は生産者の所得向上を目的に、輸出額を 32 年度に 100 億円にする目標を掲げている。 ニシキゴイとコメで計 96 億円を見込み、「チャレンジ品目」と位置付けたナシやル・レクチェ、えのきなどで 4 億円を目指す。 (西村奈緒美、asahi = 7-3-25) |