ガザの死者、3 万 4 千人超える 国連機関「女性に対する戦争」と警鐘 パレスチナ自治区ガザの保健当局は 19 日、イスラエル軍の攻撃によるガザの死者数が計 3 万 4 千人を超えたと発表した。 国連によると死者の 3 分の 1 近くにあたる 1 万人以上が女性だという。 保健当局の発表によると、イスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘が始まった昨年 10 月以降の死者数は計 3 万 4,012 人。 負傷者数は計 7 万 6,833 人に上る。 一方、国連女性機関が 16 日発表した報告書によると、死亡した女性のうち 6 千人が母親だった。 その結果、1 万 9 千人の子どもが孤児になったとみられる。 また、ガザに住む 100 万人以上の女性と女児が飢餓に直面しており、清潔な水やトイレ、生理用ナプキンを利用できていない。 肝炎や下痢などの感染症も蔓延しているという。 また、報告書は「清潔な水を利用することは、1 日に必要な水分やカロリーの摂取量が多い授乳中の母親や妊娠中の女性にとって特に重要だ」と指摘。 女性が尊厳をもって月経を管理するためには、毎月 1 千万枚の使い捨て生理用ナプキンが必要だとも伝えている。 同機関の担当者はジュネーブでの記者説明会で、「ガザの戦争は、間違いなく女性に対する戦争だ。 女性たちは、自分が引き起こしたのではない戦争のために、大きな代償を払っている」と警鐘を鳴らした。 (エルサレム・根本晃、asahi = 4-20-24) イスラエル軍、ガザ南部から部隊を撤収 … 人質解放交渉の進展狙いか 【エルサレム = 福島利之、笹子美奈子】 イスラエルとイスラム主義組織ハマスの戦闘開始から半年となった 7 日、イスラエル軍はパレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスの地上作戦を終了し、南部の部隊を撤収した。 ハマスは人質解放の条件の一つとしてガザからの軍撤退を挙げており、米国の圧力を受けたイスラエルには人質交渉を進展させる狙いがあるとみられる。 イスラエル軍は昨年 12 月、ハンユニスで地上作戦を始めた。 イスラエル主要紙ハアレツなどによると、ガザに駐留する部隊は今後、ガザを南北に分断するため造成された道路付近などへの配備に限られるという。 ハンユニスから最南部ラファへ避難した住民の帰還も認められる見込みだ。 ロイター通信によると、戦闘休止と人質解放を巡る交渉が 7 日、カイロで再開する予定だ。 米中央情報局 (CIA) のウィリアム・バーンズ長官が 6 日、カイロに到着し、ハマス側も 7 日、交渉団を派遣するとしている。 米国のバイデン大統領は 4 日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相との電話会談で即時停戦と人道状況の改善を求めていた。 ただ、イスラエル軍高官はハアレツの取材に「我々は必要なところで作戦を行う」と述べた。 米国のジョン・カービー大統領補佐官は 7 日、米 ABC テレビの番組で、ガザ南部からのイスラエル部隊撤収について問われ「部隊の休養・回復を意味する」との見方を示した。 イスラエル軍は 6 日深夜 - 7 日未明、レバノン東部にあるイスラム教シーア派組織ヒズボラの防空システムの拠点を空爆した。これ迄の攻撃はヒズボラの拠点があるレバノン南部が中心だったが、イスラエル国境から約 100km 離れた地域に攻撃対象を広げた。 (yomiuri = 4-8-24) ガザで人道支援の 220 人以上が犠牲に 各国がイスラエルを非難 国連安全保障理事会は 5 日、パレスチナ自治区ガザ地区に関する公開会合を開き、イスラエルによる空爆で食料支援をしていた米国の NGO 「ワールド・セントラル・キッチン (WCK)」の職員 7 人が死亡したことへの非難が各国から相次いだ。 イスラエルは過失を認めたが、犠牲は避けられないとも主張した。 国連人道問題調整事務所 (OCHA) の報告によると、昨年 10 月の戦闘開始から人道支援に携わるスタッフが 220 人以上死亡した。 うち 179 人は国連関係者だという。 多くの理事国はイスラエルに、支援活動をするスタッフの保護の徹底や適切な調査を要求。 さらに、3月末に採択されたラマダン(断食月)の間の即時停戦を求める決議の速やかな履行を求めた。 ロシアのネベンジャ国連大使は、応じないイスラエルに対して制裁措置を含めた対策を話し合うべきだと主張。 「決議履行の必要性に疑念を抱かせるようなシグナルを送る理事国がいることは容認できない」とイスラエルへの配慮を続ける米国を批判した。 イスラエルのエルダン国連大使は、WCK の件は「悲劇的な間違いだ」と述べ、犠牲者の遺族に哀悼の意を示した。 悲劇が繰り返されないよう「学び、あらゆる努力を払う」と話したが、「戦争中に罪のない人々の命が失われることは、時として避けられないのが現実だ」と正当化する場面もあった。 イスラエルによる厳しい検査などにより滞っている人道支援については、「国連機関が効果的な分配方法の確立に失敗した。 その責任を取るどころか、イスラエルを非難している。」と述べ、国連に問題があるとした。 国連のグテーレス事務総長は 5 日、ガザでの戦闘開始からまもなく半年を迎えることを受け記者団に対応。 イスラエル政府が過ちを認め、処分を発表したことを示しながら、「本質的な問題はそのようなミスが何度も何度も繰り返されるような軍事戦略と手順があることだ」と批判した。 独立した調査と二度と起こさないための対応を促した。 グテーレス氏はまた、イスラエル軍が標的の特定に AI (人工知能)を用いていることに懸念を示した。 「生と死の決定のいかなる部分も、アルゴリズムの冷徹な計算に委ねられるべきではない」とし、AI を兵器化しないよう警告した。 (ニューヨーク・遠田寛生、asahi = 4-6-24) 「6 週間の戦闘休止と人質交換」 イスラエルに提示 パリでの交渉後 パレスチナ自治区ガザで続く戦闘をめぐり、米国など関係国がイスラエル側に対し、6 週間の戦闘休止と人質解放を含む新たな提案の枠組みを伝えた。 関係国がパリで交渉していた。 イスラエルメディアは、同国の戦時内閣が 24 日に提案を検討し、詳細を詰める協議のためカタールに代表団を送る見通しだと報じた。 交渉を仲介する米国、エジプト、カタールが協議していた戦闘休止などについての新たな提案の枠組みは、23 日にパリでイスラエル側に伝えた。 米ネットメディア・アクシオスによると、新たな提案は、イスラム組織ハマスがガザで拘束している人質約 130 人のうち約 40 人を解放するかわりに、約 6 週間は戦闘を休止する。 イスラエルも拘束中の数百人のパレスチナ人を解放するという内容。 バイデン米政権は、3 月 10 日ごろに始まるイスラム教のラマダン(断食月)までに交渉を成立させることを望んでいるという。 人質解放要求、強まる世論 デモで衝突も 一方、AP 通信は、イスラエルのネタニヤフ政権が近日中に、ガザ最南端ラファでの軍事作戦と、市民の退避計画について閣議で承認する見込みだと報じた。 避難民ら約 140 万人が集中するラファで地上戦が展開されれば、民間人の犠牲拡大は必至で、国際社会の懸念が高まっている。 しかし、ネタニヤフ首相は 24 日、「軍事的圧力と断固とした交渉を組み合わせることが、人質の解放やハマスの根絶、戦争における我々の目標を達成する唯一の方法だ」と強調した。 イスラエル国内では人質解放を求める世論が強まっており、24 日夜には各地で反政権デモが開かれた。 商都テルアビブでは警官隊がデモ参加者に放水を浴びせるなどし、現地メディアによると複数人が負傷、21 人が逮捕された。 ハマスがイスラエルを奇襲した昨年 10 月 7 日以降に開かれたデモでは、最も激しい衝突となったという。 (エルサレム・笠原真、asahi = 2-25-24) ガザ支援の UNRWA 局長「この世の地獄」 職員 150 人超が犠牲に パレスチナ自治区ガザで人道支援をする国連パレスチナ難民救済事業機関 (UNRWA) の保健局長である清田明宏さんは、医学部の学生時代に公衆衛生を志した。 世界保健機関 (WHO) で中近東の感染症対策を担当したのを皮切りに、国連の専門機関で働いてきた。 いまはヨルダンの首都アンマンの UNRWA 本部で支援を指揮する。 イスラエルとイスラム組織ハマスの紛争が長引くなか、現地の状況や課題を聞いた。 天井のない監獄と呼ばれてきたガザは昨年 10 月から極限の状況です。 さまざまな人道危機を長年見てきた同僚も初めてだと驚くほどの「この世の地獄」です。 私が保健局長を務めている国連パレスチナ難民救済事業機関 (UNRWA) は 1950 年に国連総会の決議に基づいて設立されました。 パレスチナ難民の保護と支援を行っています。 私は医師 500 人、職員 3,500 人の統括責任者です。 ガザではスタッフも被災しながら 70 以上ある避難所を運営しています。避難所には想定の 10 倍を超える人々が殺到し、トイレは 500 人に一つです。 22 あった診療所は多くを閉めざるを得ず、いまは維持しているのは 4 カ所です。 各現場をつなぐ医療関係者のオンライン会議では、もっと薬を送って欲しい、あれも足りないなどと訴えられ、泣かれ、しかられます。 昨年 10 月からの紛争に巻き込まれ、すでにUNRWA 全体で 150 人を超える職員が命を失っています。 10 月 7 日のイスラエルへの攻撃に、複数の職員が関わっていた可能性があると指摘されています。 私の立場で言えることは、あってはならないことで調査の結果を待つということに尽きます。 関与の可能性を受けて日本を含む数カ国が資金の拠出を止めました。 調査結果が出たら拠出国の皆さんに納得してもらい再開されることを願っています。 いまのところ職員に給料は支払えていますが、拠出停止が続けば 3 月以降、深刻な状態になります。 食糧や水、医療や住む場所が不足しているのはスタッフも同じ。 ワールドセントラルキッチンという国際 NPO に食糧支援をお願いしてスタッフに食事を提供してもらうようにしました。 ヨルダンの首都アンマンにある本部で、現地でがんばっている職員らを支援をするのも私たちの重要な仕事です。 政治の失敗があっても命をつなぐ UNRWA は人々の命と生活をつなぐ役割を担っています。 未来への希望をつなぐものですが、その存在が危機にひんしています。 他にも活動している組織はありますが、UNRWA の存在が圧倒的に大きい。 私たちが十分なことができないと、国際社会から見放されてしまったと感じてしまうのも当然でしょう。 今回のような前例のない危機の中で、ガザの人々の間では UNRWA や国際社会は何をしているんだという怒りがこみ上げているようです。 もちろん現場のスタッフは必死にがんばっているんですが、無理もないと思います。 ハマスへの批判はあるでしょうが、現実的には協力しないと成果が上げられないものもあります。 たとえば予防接種はハマスの保健当局と連携しなければいけません。 命を救う上で一番効果があるのは何よりも停戦でしょう。 しかし、国連の安全保障理事会は常任理事国の拒否権によって停戦を打ち出せません。 政治の大きな失敗によって人々が悲惨な目に遭っています。 私たちは、たとえ停戦がすぐに実現しなくても薬や水、必要な物資を届け、ケガや病気の人を治療し続けるのが仕事です。 国連は基本的に大きな「お役所」だと思います。 官僚機構につきものの無駄も多いし、硬直性を感じることも正直いってあります。 ただ逆にお役所でなければできないような「大きくて大切なこと」があるのも事実です。 特に公衆衛生の分野はそうです。 いまも避難所で感染症の予防に真剣に取り組んでいます。 日本の皆さんには、どうかガザの人々に関心を保ち支援を続けていただきたいと思います。 政府からの資金ももちろん大事ですが、個人からの寄付や支援も大変重要でありがたいことです。 (聞き手・池田伸壹、asahi = 2-25-24)
ラファ進軍へハマス壊滅・住民避難 イスラエル首相が計画提出指示 パレスチナ自治区ガザへの軍事侵攻を続けるイスラエルのネタニヤフ首相は 9 日、エジプトとの境界にある最南部ラファへの地上侵攻について、軍などにイスラム組織ハマスの壊滅と住民の避難を組み合わせた計画を提出するよう指示したと発表した。 ガザ全域からの避難民が集結するラファへの進軍は、民間人被害をさらに増やすことが予想され、すでに懸念と非難の声が上がっている。 ネタニヤフ氏は首相府の声明で、「ラファのハマスの大隊を残して、ハマス壊滅という戦争の目的を達成することはできない」と述べ、現状では地上部隊を送っていない唯一の地域であるラファへの進軍の必要性を強調した。 同時に「市民を戦闘地域から避難させる」と、市民の犠牲を抑える必要があるとも認めた。 パレスチナ自治政府議長、「レッドラインを超えている」 イスラエルのラファ進軍に対して国連のグリフィス事務次長(人道問題担当)は 10 日、ラファの市民の置かれた状況について、「想像を絶する苦しみだ。 もう何カ月間も彼らは移動してきた。 一体これからどこにいけばいいのか。」と X (旧ツイッター)に投稿した。 ロイター通信によると、ノルウェー難民評議会は作戦が拡大されれば、エジプトとの境界で人々は逃げることができなくなり、「ひどい流血の場所になるだろう」と警鐘を鳴らした。 パレスチナ自治政府のアッバス議長は 9 日、ネタニヤフ氏の発言に対し、「パレスチナ人を追い出すことを目的にしている」と非難した。 自治政府系のパレスチナ通信が伝えた。 アッバス氏は、この計画について「レッドライン(超えてはいけない一線)を超えている」と批判。 もたらす結果についてはイスラエルと、その後ろ盾の米国の両政府に責任があるとも訴えた。 パレスチナ側では、イスラエルがガザのパレスチナ人を地区外に追いだそうとしているとの見方が根強い。 ガザの人道危機は深刻さを増している。 国連パレスチナ難民救済事業機関 (UNRWA) のラザリーニ事務総長は X への投稿で、年初からガザに搬入されるはずの人道支援物資のうち半数を、イスラエル側が拒否していることを明らかにした。 1 月 23 日を最後に、支援物資をガザの市民に配れておらず、「ガザは飢餓に瀕している」とも述べた。 イスラエル軍は 9 - 10 日も軍事作戦を続けた。 イスラエル軍によると、ハマス戦闘員の掃討と「テロ」のインフラを破壊するため、南部ハンユニス、北部ガザ市などで作戦を展開。AP 通信は、現地の記者の目撃情報などから、ラファでネタニヤフ氏の発言後、空爆で少なくとも 28 人が死亡したと報じた。 ガザの保健省によると 9 日時点で 2 万 7,947 人が死亡し、6 万 7,459 人が負傷。 そのうち 107 人が、24 時間以内に死亡したことが確認されている。 (エルサレム・今泉奏、高久潤、asahi = 2-10-24) 米軍、親イラン組織に報復の空爆 バイデン氏が継続予告、中東緊張 【ワシントン】 米中央軍は 2 日、ヨルダンの米軍施設で米兵 3 人が死亡した無人機攻撃への報復として、イラクとシリアで攻撃を開始した。 無人機攻撃は親イラン武装勢力の連合体「イラクのイスラム抵抗運動」が実行したと分析。 イラン革命防衛隊で対外工作を担う「コッズ部隊」や親イラン民兵組織に対して空爆を実施し、七つの施設で 85 以上の標的に報復した。 バイデン大統領は同日声明を出し、報復攻撃について「われわれが選ぶ時間と場所で続く」と予告した。 中央軍によると、空爆では 125 発以上の精密誘導弾を使い、司令や情報収集の拠点、補給施設、無人機の保管庫、ミサイル、ロケット弾などを攻撃した。 米本土から飛来したB1B 戦略爆撃機も参加した。 親イラン武装勢力のさらなる対抗措置が懸念され、中東の緊張が一層高まりそうだ。 イラク国営通信によると、同国軍報道官はイラクの都市が空爆されたとし「主権侵害だ」と非難する声明を発表した。 (kyodo = 2-3-24) ガザ人質全員の解放、米 CIA が交渉へ 戦闘休止は最長 2 カ月提案か パレスチナ自治区ガザ地区でのイスラエルとイスラム組織ハマスとの戦闘をめぐり、バイデン米政権が中央情報局 (CIA) のバーンズ長官を欧州に派遣し、人質解放などの交渉に乗り出すと、複数の米メディアが 25 日に報じた。 イスラエル軍はガザ地区南部での攻撃を激化させており、昨年 11 月以来となる戦闘休止が実現するか注目される。 交渉についてはイスラエル側が、ハマスに捕らわれている人質全員の解放と引き換えに、最長 2 カ月の戦闘休止やイスラエルで収監されているパレスチナ人らの釈放を条件とする提案をしたと報じられている。 この提案はエジプト、カタールを通じてハマス側に伝えられたという。 米紙ワシントン・ポストなどによると、バーンズ氏は数日中に欧州を訪れ、イスラエルの対外諜報機関モサドのバルネア長官、仲介役を務めるエジプトの総合情報庁のカメル長官、カタールのムハンマド首相ら高官との会談を予定している。 バイデン政権は、すでに米国家安全保障会議 (NSC) のマクガーク中東・北アフリカ調整官をエジプト、カタールに派遣し、交渉にあたっていると報じられている。 大筋合意の報道も イスラエルの有力紙ハアレツは 25 日、交渉の一環として、イスラエルとハマスが約 1 カ月の間にイスラエル人などの人質の解放と、収監中のパレスチナ人の釈放を実施することに大筋合意したと報じた。 ただ、AP 通信は、ハマスが「イスラエル軍がガザから撤退するまで人質は解放しない」としてイスラエル側の提案を拒否したと報じている。 イスラエルのネタニヤフ首相も「完全勝利」を目指すと繰り返している。 21 日の声明では、ハマス側が要求しているという戦争終結やガザ地区からのイスラエル軍の撤退は受け入れられないとしており、双方が折り合うかは見通せない。 ネタニヤフ氏がカタールについて「問題だ」と批判する音声が流出したことについて、カタール政府高官は「発言が事実なら、無責任だ」と反発しており、今後の交渉に影響を与える可能性もある。 ガザ地区南部ハンユニスを包囲したイスラエル軍は、ハマスが二つの病院を拠点に活動していると非難し、周辺での軍事作戦を進めている。 ガザ保健省は 25 日、イスラエル軍の部隊が北部のガザ市内で人道支援物資を受け取るために集まっていたパレスチナ人の群衆に発砲し、少なくとも 20 人が死亡し、150 人が負傷したと発表。 26 日には、昨年 10 月 7 日の戦闘開始以降の死者が 2 万 6,083 人、負傷者が 6 万4,487 人になったと発表した。 (エルサレム = =其山史晃、asahi = 1-26-24) 米軍がフーシ派に 4 回目の攻撃 発射機搭載のミサイルを標的に 米中央軍は 17 日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派の拠点を攻撃したと発表した。 米軍の攻撃は過去 1 週間で 4 回目となり、今回は発射機に搭載されていたミサイル 14 発を標的とした。 中央軍は「紅海や(出口に位置する)バベルマンデブ海峡、アデン湾で商船への攻撃を続ける能力を低下させるだろう」としている。 一方、フーシ派も 17 日、米軍の攻撃に先立ち、アデン湾を航行中の米国企業所有の貨物船を無人航空機で攻撃した。 米英両軍が 11 日に攻撃を始めて以降も、フーシ派は商船への攻撃を続けている。 米メディアによると、米軍は 17 日の攻撃で、艦船や潜水艦から対地攻撃用の巡航ミサイル「トマホーク」を発射した。 中央軍のクリラ司令官は「イランの支援を受けたフーシ派のテロリストは、各国の船員や商船の航路を危険にさらしている。 船員たちの命を守るため、我々は今後も行動を取り続ける。」としている。 (ワシントン・秋山信一、mainichi = 1-18-24) ◇ ◇ ◇ 米英がイエメンのフーシ拠点を空爆 商船攻撃に報復 緊張拡大は必至 バイデン米大統領は 11 日の声明で、紅海で商船への攻撃を繰り返すイエメンの反政府武装組織フーシの複数の拠点を、英国とともに攻撃したと明らかにした。 一連の商船攻撃に対する報復としては初の本格的な軍事行動で、イスラエルとイスラム組織ハマスが衝突する中東の緊張がさらに高まるのは避けられない。 声明によると、豪州、バーレーン、カナダ、オランダが攻撃を支援した。 バイデン氏は攻撃を「成功裏に行った」とし、「防衛行動」だと主張。 「米国と友好国が、我々の兵士への攻撃を容認せず、世界で最も重要な商業航路の一つにおける航行の自由を脅かすことを許さないという明確なメッセージだ」ともし、「我々の国民と国際通商の自由な流れを守るため、必要に応じてさらなる措置を指示することをためらわない」と警告した。 AP 通信によると、米英両軍はフーシの防空システムや武器保管場所、後方支援拠点など 10 カ所以上を標的に、軍艦から巡航ミサイル「トマホーク」を発射したり戦闘機で空爆したりしたという。 フーシが支配するイエメンの首都サヌアでは AP 通信の記者が現地時間の 12 日未明に 4 回の爆発音を聞いた。 紅海沿岸の港湾都市ホデイダなどでも強い爆発音を聞いたという住民の証言があるという。 ハマスに連帯するフーシは、イスラエルと同国を支援する米国に反発。 昨年 11 月半ば以降、国際貿易の重要航路である紅海周辺での商船攻撃を 27 回繰り返してきた。 これに対し、米国はイランの支援を受け、イスラエルとハマスの軍事衝突に乗じて敵対行為を加速させるフーシを強く警戒する一方、紛争拡大を恐れて限定的な対応にとどめてきた。 今月 3 日には日本や欧州各国などと共同声明を出して、攻撃を続ければ責任を負わせると警告したが、フーシは攻撃を止めなかった。 9 日行われた攻撃について、バイデン氏は「これまでで最大の攻撃を実施し、米艦船を直接標的にした」と述べた。 英紙タイムズによると、英国のスナク首相は 11 日夜に緊急閣議を開き、フーシに対する空爆への英軍の関与について説明したという。 最大野党・労働党のスターマー党首らも説明を受けたと伝えられている。 (ワシントン = 下司佳代子、ロンドン = 藤原学思) 英国のスナク首相は現地時間 12 日未明、英空軍がイエメンの反政府武装組織フーシの軍事拠点に対して空爆を実施したとする声明を発表した。 攻撃の目的は「フーシの軍事力を低下させ、世界の海運を守るため」といい、「限定的な、必要かつ相応の自衛的行動」と訴えた。 スナク氏は、フーシが国際社会からの度重なる警告を無視し、紅海における商船への攻撃を続けていると主張。 重要な貿易ルートに混乱をもたらし、内戦が続くイエメンの人道危機も深刻化させているとした。 その上で「これは許されることではない。 英国は常に、航行の自由と貿易の自由を支持している」と強調した。 声明によると、攻撃は米国とともに実施し、オランダやカナダ、バーレーンが後方支援をしたという。 (ロンドン = 藤原学思、asahi = 1-12-24) ◇ ◇ ◇ 紅海で船舶に「最大規模の攻撃」、米英軍がフーシ派ミサイルなど撃墜 軍事行動を示唆 イエメンの武装組織フーシ派による船舶への攻撃が続いている紅海で 9 日夜、米英軍がドローン(無人機) 18 機と複数のミサイルを撃墜した。 米英軍はフーシ派が紅海の海運に対して過去最大規模の攻撃を仕掛けたとし、両国が軍事行動に出る可能性を示唆した。 米中央軍の発表によると、現地時間 9 日午後 9 時 15 分ごろ、イエメンのフーシ派支配地域からイラン製の一方向攻撃ドローンと対艦巡航ミサイル、対艦弾道ミサイルが発射された。 米海軍の航空母艦「アイゼンハワー」から発進した戦闘機や、米海軍のミサイル駆逐艦「グレーヴリー」、「ラブーン」、「メイソン」、英海軍の駆逐艦「ダイヤモンド」が対応し、無人機 18 機と対艦巡航ミサイル 2 発、対艦弾道ミサイル 1 発を撃墜したという。 英駆逐艦「ダイヤモンド」はシー・ヴァイパー対空ミサイル」などで無人機 7 機を撃墜したと、防衛当局筋は述べた。 負傷者や被害は報告されていない。 フーシ派による紅海上での商船への攻撃は、昨年 11 月 19 日以降で 26 回目。 米中央軍は、フーシ派のこのような攻撃には「結果」が伴うと警告した。 イギリスのグラント・シャップス国防相は、フーシ派が拠点とするイエメンで攻撃を行う可能性について問われると、「今後にご注目を」と答えた。 イスラエル支援の米船舶を狙ったと フーシ派はイランから支援を受けている。 イランが同様に支援するイスラム組織ハマスとイスラエルがガザ地区で戦争状態にあるため、フーシ派はイスラエルと関係のある船を紅海で標的にしていると繰り返し主張している。 9 日の攻撃についてフーシ派は、イスラエルに支援を提供するアメリカの船を狙ったとしている。 フーシ派の報道官ヤフヤ・アル・サレア氏は、「大量の弾道ミサイルと海上用ミサイル、ドローン」を使った作戦を実行したことを認めた。 「シオニスト国家(イスラエル)に支援を提供するアメリカの船舶を標的にしたものだ。」 「この作戦は、アメリカの敵対勢力による我が海軍部隊に対する不誠実な攻撃への初動対応として実施された」と、同報道官は付け加えた。こ れは、米海軍が昨年 12 月 31 日に、紅海でコンテナ船に乗り込もうとしたフーシ派のボート 3 隻を沈没させたことを指している。 米海軍の攻撃でボートの乗組員は死亡した。 同報道官は、「我が国や市民、国家を防衛する正当な権利の一部として、すべての敵対的脅威に適切に対処することをためらわない」とも述べた。 また、フーシ派は(イスラエルによるガザ地区への)侵略行為が終わり、同地区の封鎖が解かれるまでは、紅海とアラビア海でイスラエル船や、イスラエル占領下のパレスチナ自治区に向かう船の航行を阻止」し続けると繰り返した。 国連のアントニオ・グテーレス事務総長の報道官は、こうした事態が国際貿易や環境、人命にもたらすリスクや、「中東におけるより広範な紛争のエスカレートを起こすリスク」を「非常に懸念している」と述べた。 国連安全保障理事会は 10 日、フーシ派による紅海の海運を標的とした攻撃の停止を求める決議案を採択した。 「必要な行動をとる」と英国防相 シャップス英国防相は 10 日朝の声明で、イギリスとその同盟国は、「これらの違法な攻撃は完全に容認できないものであり、これらが続くのであれば、フーシ派がその結果について責任を負うことになると、以前から明確にしている」と述べた。 そして、「我々は罪のない人々の命と世界経済を守るために、必要な行動をとる」と付け加えた。 シャップス氏はその後のテレビインタビューで、イランが「同地域で起きている大半の悪いことの背後にいる」とし、海運への攻撃をやめなければ「結果」が伴うと、イスラム共和国(イラン)とフーシ派に警告した。 イエメン国内のフーシ派の標的、あるいはイラン国内の標的に対して西側が軍事行動を起こす可能性はあるかと問われると、「詳細は言えないが、我々が発表した共同声明は、こうした攻撃が止まらなければ行動を起こすことになるという、非常に明確な道筋を示すものだ。 そのため、私に言える最も簡単な言葉は、『今後にご注目を』ではないかと思う」と、シャップス氏は答えた。 アメリカは昨年 12 月に、同海域の海運保護のための「プロスペリティ・ガーディアン(繁栄の守護者)」作戦を開始した。 これにはイギリス、アメリカ、オーストラリア、バーレーン、ベルギー、カナダ、デンマーク、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、ニュージーランド、韓国、シンガポールが参加しており、1 週間前に声明を発表した。シャップス氏の発言はその声明に言及したもの。 参加国はフーシ派の攻撃について、「世界で最も重要な水路の一つにおける、国際貿易の基盤となっている航行の自由への直接的な脅威」だとしている。 アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官も、今回の出来事を明確に非難した。 中東歴訪中のブリンケン氏はバーレーンの空港で記者団に応対した際、アメリカが行動を起こす時期に来ているのかと、BBC のアンソニー・ザーカー北米担当編集委員から問われた。 ブリンケン氏はアメリカの軍事行動を「予告」したくはないと答えつつ、この 4 日間、同地域での侵略行為をやめるようフーシ派に警告してきたと述べた。 フーシ派はこうした要求に応じないだけでなく、9 日の攻撃は特にアメリカの船を標的にしたものだったと主張している。 ブリンケン氏は詳細は明かさなかったが、同氏がバーレーンで語った「結果」と「対応」という言葉が結果として軍事力の行使に結びつかないことは、ますます考えにくくなっていると、ザーカー北米担当編集委員は指摘する。 紅海はスエズ運河を経由して地中海とつながっている、欧州とアジアを結ぶ最短航路。 国際海上貿易の 15% 近くが紅海を通過する。 紅海での攻撃により懸念されるのは、燃料価格の高騰とサプライチェーンへの影響だ。 国際海運会議所によると、現在は世界のコンテナ船の 20% が紅海を避け、アフリカ南部から喜望峰を回るはるかに長い航路を使っている。 (BBC = 1-11-24) ヒズボラ司令官死亡、イスラエルが関与認める … 外相「我々は暗殺の責任負う」 【カイロ = 西田道成】 イスラエルのエルサレム・ポスト紙によると、イスラエル・カッツ外相は 8 日、地元テレビ局とのインタビューで、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラの司令官が死亡したことに関し、自国軍の攻撃で死亡したことを認めた。 「イスラエルを阻むためにヒズボラが構築した組織や基盤を標的にしている」とも語り、攻撃を継続する姿勢を強調した。 カッツ氏は「我々は暗殺の責任を負う」と述べた。 ロイター通信などによると、ヒズボラは 8 日、ウィサム・タウィル司令官がレバノン南部でイスラエルの攻撃を受け死亡したと発表していた。 タウィル氏は精鋭「ラドワン部隊」の司令官で、イスラエル軍施設に対する砲撃の責任者だったとの情報もある。 イスラエル軍とガザのイスラム主義組織ハマスの戦闘開始以来、ヒズボラ側の死者の中では最高位に当たるという。 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は 8 日、ヒズボラとの交戦が続くイスラエル北部の国境地帯に駐留する軍部隊を視察し、「北部の治安回復のためにはあらゆることをする」と強調した。 イスラエルが対ヒズボラの軍事作戦を強化しているものとみられる。 (yomiuri = 1-9-24) ガザ北部でハマス指揮系統の「解体を完了した」 イスラエ ル軍が発表 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスと軍事衝突しているイスラエル軍は 6 日夜、ガザ北部におけるハマスの指揮系統の「解体を完了した」と発表した。 AFP 通信が伝えた。 イスラエル軍のハガリ報道官は 6 日夜の記者会見で、「我々は、ガザ北部におけるハマスの軍事的枠組みの解体を完了した」と発言。 現在は「ガザの中部や南部におけるハマスの解体に集中している」とした。 ハガリ氏は、「解体」にはハマス戦闘員との戦いに加え、地上と地下のハマス関連施設を破壊する必要があるとも指摘。 「これには時間がかかる。 (ガザでの)戦闘は 2024 年を通じて続くだろう。」との見通しも示した。 (佐藤達弥、asahi = 1-7-23) 紅海での商船攻撃停止をフーシに要求 日米英など 13 カ国が声明 日米欧などの 13 カ国が 3 日、海運の世界的な要衝である紅海で商船攻撃を重ねるイエメンの反政府武装組織フーシに対し、攻撃の即時停止と、拘束している船舶・船員の解放を求める共同声明を出した。 「もし(人々の)生命や世界経済、自由な通商を脅かし続ければ、フーシは結果について責任を負うことになる」と述べ、報復も辞さない強い姿勢で警告した。 米ホワイトハウスによると、声明はフーシの攻撃を「違法で容認できず、深刻な不安定化をもたらしている」と非難した。 紅海について、世界の海上貿易の 15% 近くが通る重要な海路だと言及した上で「貿易の基盤である航行の自由への直接的脅威だ」と指摘した。 攻撃や違法な拿捕の責任を追及する構えもみせた。 米国、さらなる武力行使も辞さない構え フーシは、イスラエルと敵対するイランが影響力を持つ勢力でもあり、動向が注目されてきた。 イスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突が昨年 10 月に始まった後、フーシは商船への襲撃を続け、米中央軍によると 11 月 19 日以降、フーシによる紅海での商船攻撃は 20 回超に上っている。 攻撃にはミサイルや無人機(ドローン)、高速船が使われた。 米政権高官によると、標的は無差別で、フーシの主張とは裏腹に、攻撃の対象となった船舶の多くはイスラエルとは無関係だという。 米中央軍によると、12 月 31 日にはコンテナ船がフーシの小型ボート 4 隻から攻撃を受け、複数の米軍ヘリが出動した。 ボートから発砲を受けたため応戦し、3 隻を沈没させた。 フーシ側によると戦闘員 10 人が死亡した。 米国は攻撃が続けばさらなる武力行使も辞さない構えだ。 米メディアによると、米軍は具体的な攻撃の選択肢を検討しており、対艦ミサイルや無人機の発射装置、武器庫などを標的にする可能性があるという。 米政権高官によると、バイデン大統領は 1 日に国家安全保障チームを招集し、紅海の状況について確認した上で、今後の対応策について協議した。 バイデン氏はこの際、同盟・友好国とともにフーシに対して明確な警告を送るよう指示したという。 共同声明には、日米英のほか豪州、バーレーン、ベルギー、カナダ、デンマーク、ドイツ、イタリア、オランダ、ニュージーランド、シンガポールが名を連ねた。 また、国連安全保障理事会も 3 日、米ニューヨークの国連本部でフーシに関する会合を開いた。 国連のキアリ事務次長補は「いかなる理由や不満も、攻撃を続けることを正当化することはできない」と述べ、攻撃の停止を求めた。 オンラインで出席した国際海事機関 (IMO) のドミンゲス事務局長は、すでに 18 ほどの運送会社が紅海を避けて南アフリカ沿いを通る航路への変更を決めたと説明。 「航行日数が 10 日増え、運賃も上がる」と述べ、悪影響が出ているとの認識を示した。 イスラエルのエルダン国連大使は「これは間違いなくイスラエルの問題ではないし、中東の問題ですらない。 国際的な問題だ。」と述べ、「今こそテロリストや資金を提供している者たちへの制裁を科す時だ」と呼びかけた。 (ワシントン = 下司佳代子、ニューヨーク = 遠田寛生、asahi = 1-4-24) ハマス幹部死亡は「イスラエル軍の攻撃」 米当局者 レバノンの首都ベイルート郊外でイスラム組織ハマスのサレハ・アルーリ副政治局長が死亡した爆発について、米国防当局者は 3 日、取材に対し、イスラエル軍の攻撃によるものだという見解を示した。 米国家安全保障会議 (NSC) のカービー戦略広報担当調整官は同日の記者会見で、「米国が一切関与していないことは確かだ」としつつ、攻撃の主体については「米国が評価したり分析したりしているとは把握していない」と語っていた。 「アルーリはテロリストに指定されている。 実際に死んだとしても、誰も泣くべきではない。」とも述べた。 (asahi = 1-4-24) ◇ ◇ ◇ レバノンで爆発、ハマス幹部が死亡 パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスの幹部が 2 日、レバノンの首都ベイルート近郊であった爆発で死亡した。 ロイター通信や AFP 通信は、地元治安当局者の話として、この幹部がイスラエルによるドローン(無人機)攻撃により殺害されたと伝えた。 ガザに加えて、イスラエルとレバノンの国境地帯で続いていた交戦が飛び火し、中東地域の緊張が一気に高まる恐れがある。 (asahi = 1-3-24) イスラエル軍、ガザで人質救出作戦 成功せず、ハマスは「人質死亡」 イスラエル軍のハガリ報道官は 8 日の記者会見で、同軍が同日夜、パレスチナ自治区ガザ地区でイスラム組織ハマスによって拘束されている人質の救出作戦を実行したと明らかにした。 人質の救出はできず、軍兵士 2 人が重傷を負ったが、人質の拉致や監禁に関わった「テロリスト」を殺害したとしている。 一方、ハマスの軍事部門は同日夜の声明で「捕虜となった兵士を解放しようとする試みを阻止した」と発表。 イスラエル軍の攻撃により、人質の兵士が死亡したと主張し、その遺体だとする映像を公開した。 また、ハガリ氏は、ハマス側から投降する戦闘員が増えていると指摘。 「過去 48 時間で 200 人以上の容疑者を拘束し、うち数十人を、軍の情報部門などがイスラエル領内で取り調べている」と語った。 有力紙タイムズ・オブ・イスラエルによると、イスラエルのガラント国防相は 8 日、ガザ地区との境界近くに展開する部隊を訪れ、ハマスについて「ガザで崩壊し始めていることを示す兆候が見える」と語った。 (カイロ = 武石英史郎、asahi = 12-9-23) イスラエル軍 "ガザ地区でのハマスへの軍事作戦 再開" と発表 イスラエル軍は 1 日、パレスチナのガザ地区でのイスラム組織ハマスへの軍事作戦を再開したと発表しました。 先月 24 日からのガザ地区での戦闘の休止は 7 日間で終わり、戦闘再開による人道危機のさらなる深まりが懸念されます。 イスラエル軍は、合意に基づく戦闘の休止の期限とされた現地時間の 1 日午前 7 時すぎ、日本時間の 1 日午後 2 時すぎに SNSで「ハマスが合意を破り、さらにイスラエルに向かってロケット弾を発射した」などとして、イスラム組織ハマスへの軍事作戦を再開したと発表しました。 イスラエルと、ガザ地区を実効支配するハマスは先月 24 日から戦闘を休止し、1 日までにハマス側がガザ地区で拘束していたイスラエル人と外国籍の人質合わせて 105 人を解放した一方、イスラエルも刑務所に収容していたパレスチナ人 240 人を釈放しました。 イスラエル軍は、戦闘休止期間の期限が迫った日本時間の 1 日午後 1 時前、SNS に「ガザ地区近郊で防空サイレンが鳴ったあと、ロケット弾 1 発の発射が検知され、イスラエル軍が迎撃した」などと投稿していました。 また、ハマスの内務当局はガザ地区でイスラエル軍による空爆が始まっていると発表したほか、地元メディアは地上でも戦闘が行われていると報じています。 戦闘休止の延長に向けて仲介役のカタールやエジプトそれにアメリカがぎりぎりまで働きかけを続けてきましたが、休止は 7 日間で終わり、戦闘の再開によってガザ地区の人道危機がさらに深まることが懸念されています。 イスラエル "戦闘機がガザ地区 ハマスの標的攻撃" イスラエル軍は軍事作戦の再開を発表してからおよそ 30 分後、「現在、空軍の戦闘機がガザ地区にあるハマスの標的を攻撃している」と発表しました。 ガザ地区 中継映像で黒煙を確認 戦闘によるものか不明 ロイター通信がイスラエルからガザ地区を写している中継映像では、現地時間の 1 日午前 7 時半ごろ、日本時間の午後 2 時半ごろ黒い煙が上がっているのが確認できました。 戦闘によるものかどうかなど、詳しいことは今のところ分かっていません。 (NHK = 12-1-23) ガザ戦闘休止、2日間延長で合意 人質解放も継続へ パレスチナ自治区ガザ地区をめぐり、イスラエル軍とイスラム組織ハマスが合意した 4 日間の戦闘休止について、28 日午前 7 時以降も 2 日間延長することで両者が合意したと、交渉の仲介役のカタール政府が 27 日、明らかにしました。 人質らの解放も継続するとみられます。 (asahi = 11-28-23) ハマスが人質第 3 陣を解放 「両親殺された」 4 歳米少女も パレスチナ自治区ガザ地区をめぐり、イスラエル軍とイスラム組織ハマスが合意した 4 日間の戦闘休止は 26 日で 3 日目に入りました。 イスラエル軍は 26 日、イスラム組織ハマスによる人質解放の第 3 陣として、イスラエル人 14 人と外国人 3 人の計 17 人が、ハマスから赤十字国際委員会 (ICRC)に引き渡されたと明らかにしました。 ICRC からもたらされた情報だといいます。 (asahi = 11-27-23) ハマス、新たに人質を解放 第 2 弾としてイスラエル人とタイ人 イスラエルとイスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザ地区で 4 日間の戦闘の一時休止に入った 24 日、ハマスはイスラエル人 13 人、タイ人 10 人、フィリピン人 1 人の計 24 人の人質を解放。 イスラエルも刑務所に拘束していたパレスチナ人 39 人を釈放しました。 解放は 25 日も続く見通しです。 戦闘休止に伴い、エジプトとの境界のラファ検問所を通じた人道支援物資の搬入は 24 日、搬入開始以来、最大量になりました。 一方、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区では、イスラエル軍は 25 日も作戦を継続し、パレスチナ通信によると、医師 (25) がイスラエル軍に撃たれて死亡。 イスラエル軍は北隣のレバノンでも、ハマスと共闘するイスラム組織ヒズボラの拠点を空爆しました。 (asahi = 11-26-23) |