ボーイング、事故の 737MAX 復帰でも「3 つの困難」

2 度も墜落事故を起こして運航が禁じられていた米ボーイングの小型旅客機「737MAX」が、再び世界の空を飛ぶ見込みとなった。 事故と新型コロナウイルス危機により、創業以来の経営難に陥ったボーイング。 「稼ぎ頭」だった 737MAX の復帰を、経営立て直しの第一歩にできるのか。米専門家は「三つの困難がある」という。 米連邦航空局 (FAA) は 18 日、737MAX に対する運航停止処分を解除すると発表した。

「やれることはすべてやった。 100% の自信がある。 同様の事故は起こりえない。」 FAA のディクソン長官は米メディアなどにそう語り、737MAX の安全性に太鼓判を押した。 民間パイロット出身で自らテスト飛行も行い、入念な審査姿勢をアピールしていた。 737MAX は 2018 年 10 月にインドネシアで、19 年 3 月にはエチオピアで墜落し、乗員乗客全員の計 346 人が亡くなった。 FAA など世界の規制当局は、2 度目の事故直後に 737MAX の運航を止めた。 以来、ボーイングは航空会社への納入を見合わせてきた。

二つの事故を招いたのは、機体の姿勢を制御するシステムと、そこに信号を送るセンサーの不具合だった。 ボーイングはそのシステムのソフトを修正。当初は、数週間で 737MAX の運航を再開できると踏んでいた。 しかし、実際には運航再開許可が出るまで 1 年 8 カ月もかかった。 審査が長期化したのには、訳がある。

取り込まれた「規制のとりこ」

FAA は 17 年、737MAX の商業運航に必要な「型式証明」を出した。 しかし、安全性を審査する手続きの中で、問題のシステムの欠陥を見過ごした。 ボーイングは、その欠陥を認識していた疑いがあるうえ、問題のシステムが致命的な結末をもたらしうることを FAA に伏せ続けた。 規制する側の FAA が、強大な力を持つボーイングに取り込まれた「規制のとりこ」。 ずさんな審査が明らかになり、世界の航空行政の模範とされてきた FAA の権威は失墜した。同じ過ちを繰り返せない FAA は慎重姿勢を強め、運航再開をなかなか認めなかったのだ。

FAA に対しては米国外からも不信の目が注がれ、仮に FAA が運航再開を認めても、他国の航空当局は追随しないとの観測もあった。 今回の審査では、透明性を高めるために、欧州など米国以外の航空当局も手続きの一部に加わった。 多くの当局は、今回の FAA の運航再開判断には追随するとみられている。 FAA の許可を受け、米アメリカン航空は早ければ年末の米国内線(マイアミ - ニューヨーク便)から 737MAX の運航を復活させる予定。 米ユナイテッド航空やサウスウェスト航空も年明け以降、徐々に 737MAX を復帰させる計画だ。

日本の航空会社は 737MAX を運用していないが、事故前には中国などアジアの航空会社が日本の 7 空港に乗り入れていた。 運航再開には、日本の国土交通省と相手国当局の許可が要る。 民間機販売の 7 割を占める主力機だった 737MAX の納入が止まったことで、ボーイングは売り上げが激減した。 加えて、航空会社への補償などで少なくとも 2 兆円規模の費用がかさんだ。

さらに深まる苦境

19 年 12 月期に22年ぶりの赤字決算に転落するなど深刻な経営難に陥っていたところに、新型コロナ危機による航空需要の蒸発が追い打ちをかけ、ボーイング経営はさらに苦境が深まっている。 もともと 16 万人いた従業員を、13 万人まで減らす計画を 10 月末に示している。 「稼ぎ頭」である 737MAX の運航再開は、経営立て直しに向けた最優先課題だった。 米航空宇宙コンサルティング会社、エアロダイナミック・アドバイザリーのケビン・マイケルズ氏は、「737MAX 復帰後のボーイングには、三つの困難がある」と話す。

一つ目は、コロナ危機によって運航便数が極端に減っているなかで、航空機の納入がうまく進まないおそれがあることだ。 737MAX は、在庫として 450 機が積み上がっている。 今回の運航再開許可でこれらを顧客に納入できるようになるが、航空会社がすべて受け入れるには「2、3 年はかかる」とみる。 737MAX は受注済み分のキャンセルが相次いでおり、将来の売り上げを支える追加受注も望みにくい状況が続きそうだ。

当面は生産ペースを緩めざるを得ないことから、工場の機能や、米国内外に広がる部品供給網をどう維持していくのかという問題が二つ目だ。 ボーイングは米国最大の輸出企業であるとともに、部品メーカーなど取引先が約 1 万 7 千社にのぼり、裾野が広い。 生産減が長引けば、米経済全体や、部品メーカーが多い日本企業への影響も膨らむおそれがある。

三つ目は、ライバルの欧州エアバスとの競争だ。 ボーイングがすでに計上した事故費用は 2 兆円だが、マイケルズ氏は「ブランド価値が損なわれ、将来にわたりエアバスに劣後することのダメージは含まれていない」と指摘。 機内の通路が 1 本しかないナローボディー(単通路型)と呼ばれる小型機はいまや世界の航空機業界の主戦場だが、そこでエアバスのシェアが 55 - 60% にまで高まると予測している。 (ニューヨーク = 江渕崇、asahi = 11-20-20)

737MAX 事故関連の記事コピー (10-29-18 〜 5-28-20)


ZIPAIR、ホノルル 12 月就航へ 21 年 1 月末まで 16 往復

日本航空 (JAL/JL) の 100% 子会社で中長距離国際線 LCC の ZIPAIR (TZP/ZG) は 11 月 20 日、成田 - ホノルル線を 12 月 19 日に開設すると発表した。 2021 年 1 月末までの期間中に 16 往復運航する。 運航スケジュールは、ホノルル行き ZG2 便は成田を午後 8 時 15 分に出発し、午前 7 時 55 分に着く。 成田行き ZG1 便は午前 9 時 55 分にホノルルを出発し、翌日午後 2 時 30 分に到着する。 1 月末までは毎週土曜日に運航し、このほか年末年始や連休など高需要期を中心に 12 月は 5 往復、1 月は 4 往復を計画する。 2 月以降のスケジュールは今後発表する。

機材はボーイング 787-8 型機で、座席数は 2 クラス 290 席、フルフラットシートを採用したビジネスクラスにあたる「ZIP Full-Flat」が 18 席、エコノミークラス「Standard」が 272 席となる。 1 月 31 日搭乗分までの航空券は、11 月 20 日午後 6 時から ZIPAIR のウェブサイトで販売を開始する。 成田発の運賃は、ZIP Full-Flat Value が 5 万 9,800 円から 53 万 5,000 円、Standard Value が 1 万 9,800 円から 39 万 2,000 円。 2 歳未満 6 歳以下の子供運賃「U6 Standard Value」は 7,000 円で提供する。 ホノルル発は ZIP Full-Flat Valueが 544 ドル(約 5 万 6,000 円)から 7,607 ドル、Standard Value が 180 ドルから 3,082 ドル、子供運賃は 64 ドルとなる。

ZIPAIR は成田 - ホノルル線を目玉路線と位置付け、冬ダイヤ期初の就航を目指していたが、防疫体制など当局の手続きに時間を要したことから就航日が未定となっていた。 同社の西田真吾社長はホノルル線の見通しについて、10 月 16 日に「11 月の早い段階では準備を整え、ハワイへの乗り入れ解禁を待つ」と述べ、年内の就航は「十分に行ける」との見通しを示していた。 同社が路線に投入する 787 は、洋上を長時間飛行する際に必要な航空当局の承認「ETOPS (イートップス)」を国土交通省航空局 (JCAB) から取得。 エンジン単発でも最大 180 分(3 時間)飛行できるようになったことで、ホノルル線のほか、今後の目標とする米国本土乗り入れに向けて前進した。 (Yusuke Kohase、Aviation Wire = 11-20-20)


東海道新幹線、11 月利用客は微増 前年の半数は下回る

JR 東海は 18 日、11 月 1 - 17 日の東海道新幹線の利用者数が前年同期の 47% だったと発表した。 10 月の同 46% から微増。 政府の「Go To トラベル」事業の影響もあって、持ち直しの基調が続いている。 会見で金子慎社長は「『GoTo』の効果が大変大きい。 今週末の連休も予約が好調なので、(11 月全体では)もう少し良い数字になると思う」と述べた。 一方、新型コロナウイルスの感染者数が増えていることには「心配なところはある。 旅行するにしても危険な行為をとらず、感染拡大が収まることを願っている。」と述べた。

また、リニア中央新幹線をめぐり、静岡県の大井川流域住民らが 10 月、JR 東海を相手に県内の建設工事を差し止めるよう求める訴訟を静岡地裁に起こした。 これについては「到底受け入れられない」と述べた。 金子社長は訴えについて「リニア新幹線がいらないという主張」だとして、国の有識者会議で議論されている水資源などをめぐる問題とは「次元の違う話」だとの認識を示した。 そのうえで「(工事を)差し止められるのは困るので、裁判でしっかり対応していく」と話した。 (asahi = 11-18-20)

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東海道新幹線利用者、9 月大型連休は前年の半分まで回復

JR 東海は 24 日、9 月 1 - 23 日の東海道新幹線の利用者数が前年同期比 38% だったと発表した。 新型コロナウイルスの影響で利用は低調なものの、4 連休があったことで 8 月(同 25%)からは回復した。 9 月前半は同 30% 台前半で推移していたが、4 連休を含む 18 - 22 日の 5 日間でみると、同 52% まで持ち直したという。 会見で金子慎社長は「感染拡大が峠を越えたという情報もあり、久々の旅に出た方が多かったんだろう」と述べた。 政府の観光支援策「Go To トラベル」の割引対象が 10 月から東京発着の旅行にも広がることについては「プラスの材料。 順調に(利用が)伸びていってほしいと期待している。」と話した。

現在は「算定が困難」としている 2021 年 3 月期の業績予想は、これらの効果を見極めたうえで早期に公表したいとの考えを示した。 (初見翔、asahi = 9-25-20)


北陸新幹線、金沢 - 敦賀開業 1 年以上延期へ 建設費 2,000 億円超増額か

北陸新幹線金沢 - 敦賀間の 2023 年春開業について、国土交通省が建設工事の遅れから、1 年以上延期する方向で検討していることが 11 月 9 日、複数の関係者への取材で分かった。 建設費の増額は避けられず、さらに 2 千億円以上必要になるとみられる。 11 日開かれる与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム (PT)、自民党北陸新幹線整備 PT の会合で報告される。 与党、自民党両 PT メンバーの反発は必至で、与党 PT が結論を出す年末までに、どのように議論が進むのか注目される。

関係者によると、石川県境の加賀トンネル(延長5・5キロ)、上下乗り換えの敦賀駅など福井県内 3 カ所で工事が遅れているほか、入札の不調、不落が相次いだため、開業が 1 - 2 年遅れると判断したようだ。 建設費は新型コロナウイルス感染防止対策、ひび割れが発生している加賀トンネル内の追加対策工事などから、「微修正では済まない金額」に膨らむ見通しという。 建設費は資材や人件費の高騰などを受け、19 年 3 月に工事実施計画を変更し 2,263 億円増額した。 新型コロナの感染拡大という想定外の事態が起こったとはいえ、2 年足らずの間に 2 度増額することは、国交省の執行能力も問われそうだ。

金沢 - 敦賀間の建設工事を巡っては、国交省が 9 月 24 日の与党 PT 会合で、一部工期が逼迫していると報告。 10 月 9 日には与党 PT の細田博之座長が、23 年春の確実な開業を求めた杉本達治知事らの要請に対し「厳しい情勢にある」との認識を示した。 今月 3 日に自民党 PT の高木毅座長、滝波宏文参院議員らが加賀トンネルを視察した際には、追加対策工事の進捗が 2 割程度であることが明らかになるなど、開業遅れが懸念されていた。 金沢 - 敦賀間は 12 年 6 月に認可され、「26 年春ごろ開業」が決まった。 15 年 1 月には政府、与党の申し合わせにより 3 年前倒しされた。 (福井新聞 = 11-10-20)


JR 上場 4 社、大幅な赤字予想 本州 3 社は発足以来最大

JR 上場 4 社の 2020 年 9 月中間決算が 4 日、出そろった。 新型コロナウイルスが響いて主力の鉄道事業が振るわず、4 社とも純損失を出した。 21 年 3 月期通期の純損益も 4 社とも大幅な赤字を予想した。 その幅は、JR 東日本、西日本、東海の 3 社では民営化による発足以来で最大を、JR 九州は 16 年の上場後で最大を、それぞれ見込んだ。

鉄道事業は、緊急事態宣言による外出自粛が響いた 4 - 6 月と比べると回復傾向にあるものの、前年並みには戻っていない。 4 - 9 月の運輸収入は JR 東は前年同期に比べて 54.2% 減、JR 東海は 73.6% 減だった。 ホテルや流通といった事業も不振だった。 今後についても、テレワークの浸透などで需要が元通りには回復しないと各社は想定する。 JR 九州は 4 日、22 年 3 月期までの中期経営計画の数値目標を達成するのが難しくなったため取り下げると発表した。 新たな目標は来年 5 月に公表する予定という。 (asahi = 11-4-20)


マスク NG の客、タクシーは乗車拒否 OK 国交省が認可

新型コロナウイルスの感染防止対策をめぐって、国土交通省は 4 日、タクシー運転手が利用者にマスクの着用を求めても正当な理由なく断られた場合に、乗車を拒否できるとする内容の運送約款を認可した。 運送約款は会社ごとに定められるルールで、「日の丸交通」など東京都内のタクシー事業者 10 社が 8 月末から変更の申請をしていた。 国交省によると、運転手は、マスクを着用していない理由を客に尋ね、正当な理由がない場合には着用を求め、それでも応じない場合に乗車を断ることができる。 マスクを着けていない客でも病気などといった正当な理由があったり、運転手が認めたりした場合は乗車できるという。

タクシー事業者は、コロナ対策として運転席と客席の間にビニールカーテンをつけるなどしてきたが、酒に酔ってマスクをせずに大声で話す客に対しても乗車を断ることができず、不安に思う運転手も多くいた。 このため都内のタクシー事業者が、マスクをつけない客の乗車を断れるようにする運送約款の変更を求めていた。 タクシー事業者は道路運送法にもとづいて国交省から運送約款を認可されている。 人の助けなしで歩行が困難なほど泥酔している場合や、新型インフルエンザ等の患者である場合などの理由以外で、運転手は乗車を断ることができなかった。 (asahi = 11-4-20)


鬼滅の SL、鳥栖駅登場 映画とコラボ、JR 九州が臨時列車

人気アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃(やいば)』無限列車編」の世界を再現した臨時列車「SL 鬼滅の刃」号が 1 日、鳥栖市の JR 鳥栖駅に現れた。 「鬼滅」ファンと鉄道ファンら約 600 人がホームや線路わきで待ち受け、映画と同じ「無限」のヘッドマークを付けた SL が白い煙を上げて姿を現すと、ホームから「おーっ」と歓声が上がった。

JR 九州が "列車つながり" で映画とコラボし、アニメの時代設定と同じ大正生まれの SL 人吉号を運行。 客車を 3 両つなぎ、後方からディーゼル機関車が押す。 全国から注目を集め、1 運行 132 席の指定券は発売とほぼ同時に "1 秒" で売り切れた。 鳥栖駅からの乗客はいなかったが、駅では 4 分間停車し、ファンがカメラや携帯電話で撮影した。

神埼市から両親と来た川ア勇斗さん (14) は家族で「鬼滅の刃」のファンといい、JR 九州が 9 月末から長崎線で運行している特急かもめの「鬼滅の刃」ラッピング列車も見に行ったという。 重厚な SL を間近で見て「映画はまだ見に行けていないけれど、初めて見た SL は迫力があった」と話していた。 臨時列車は、1 - 23 日の期間、週末や祝日に計 5 回熊本から博多までを運行する。 (樋渡光憲、佐賀新聞 =11-2-20)

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「鬼滅の刃」ラッピング列車を運行 JR 九州、12 月下旬まで 「かもめ」、「ソニック」など

アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の公開に合わせ、JR 九州は 29 日から、同作品のラッピング列車の運行を始めた。 (佐賀)県内では長崎線の特急「かもめ」 1 編成が 12 月 28 日まで運行する。 「鬼滅の刃」は漫画家吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)さんのヒット作で、漫画誌「週刊少年ジャンプ」で 5 月に連載が完結した。 集英社によると、10 月 2 日発売のコミックス 22 巻で電子版を含む累計発行部数が 1 億部を突破するとしている。

ラッピング列車は、10 月 16 日に公開される映画の舞台が列車であることを受け、JR 九州からコラボを打診し実現した。 博多 - 大分間などを運行する「ソニック」も 1 編成が対象になるほか、11 月には「SL 人吉」が「SL 鬼滅の刃」となり熊本 - 博多間を特別運行するなど、さまざまなキャンペーンを展開する。 20 日昼、長崎行きの特急「かもめ」が到着した佐賀駅では、車両側面にあしらわれた竈門炭治郎(かまどたんじろう)などのキャラクターをスマートフォンで撮影する乗客が多く見られた。 佐賀市の女性 (23) は「ちょうど友達と映画を見に行く約束をしていたので乗り合わせてラッキーだった」と笑みをこぼした。 (志垣直哉、佐賀新聞 = 10-30-20)


成田空港、PCR センター開設 証明書を当日発行

成田空港に 11 月 2 日、出国前に新型コロナウイルス感染症の陰性・陽性を判定する日本医科大学の PCRセンターが開設された。 当初は証明書の受領までに最長 6 時間かかるが、センター内の PCR 検査施設が稼働する 11 月末からは、最短 2 時間で受領できる。 国内空港で PCR 検査施設を併設するのは初めてで、24 時間運用する。

PCR センターは、第 1 と第 2 各ターミナルに 1 カ所ずつ設置。 受付と問診スペース、検体採取スペース、PCR 検査室、待合スペースを備える。 受付から証明書発行までは最短 2 時間で対応する。 事前予約なしもで受け付け、急な出張などのニーズにも応じる。 出国者以外で感染を確かめたい利用者も検査を受けられる。 運営は、日本医大が受付から陰性証明書の発行までを一貫して担う。

11 月末までは、センター内に設置した PCR 検査室の配管などの作業があるため、検体を採取後は外部で検査を実施。 受付から証明書発行まで最長 6 時間で提供する。10 月の発表当初は最短 6 時間だったが、検査の委託先を変更して時間を短縮した。 PCR 検査施設には、東洋紡の検査機器「GENECUBE (ジーンキューブ)」を 2 台導入し、1 台あたり 8 人分の検査を最短 35 分で終えられるようにする。 また、96 人分を約 1 時間で検査できる同社の別の検査機器も今後導入する。

第 1 は中央ビル 3 階、第 2 は 1 階の北側待合室(旧 LCC バス待合室)を転用して開設。 24 時間年中無休で運用するが、受付は午前 9 時から午後 5 時まで。証明書発行は午前 9 時から午後 9 時までを除き、時間外料金が発生する。 検査と証明書の発行料金は、事前予約がある場合は 3 万 9,800 円、予約なしと時間外はそれぞれ 4 万 6,500 円。 証明書発行のみも対応し、日本医大の付属医療機関以外では 5,500 円、時間外の場合は 9,000 円かかる。 同大学の付属医療機関では無料で発行する。 初日の 2 日は、11 人が予約しているという。

成田空港の利用者は、新型コロナ前は 1 日に約 4 万人いたが、現在は国際線の運休により約 1,500 人にとどまっている。 空港を運営する成田国際空港会社 (NAA) では、検査施設を整備することで、今後国際線の運航再開が本格化した際の利用促進につなげる。 (Tadayuki Yoshikawa、AviationWire = 11-2-20)


ピーチ、ANA の貨物扱い開始 初便は福岡から那覇へ

ANA ホールディングス傘下の LCC であるピーチ・アビエーションは 11 月 1 日、航空貨物の取り扱いを始めた。 同じく傘下の全日本空輸、貨物事業会社 ANA カーゴが航空貨物のコードシェアを実施するもので、1 日の福岡発那覇行き MM283/NH9603 便が、ピーチによる航空貨物扱いの初便となった。

今回の貨物扱いは、ピーチの運航便の貨物スペースを ANA カーゴが販売。 エアバス A320 型機の床下にある貨物室を使う。 ピーチの A320 は貨物コンテナの搭載に対応していないタイプのため、ボーイング 737 型機などと同じ「ばら積み」で、機側まで貨物コンテナで運ばれた積み荷を作業者が貨物室内に積み込んでいく。 今回のコードシェアは貨物のみで、旅客は対象外となる。 A320 は最大 2 トンの貨物が積めるものの、ピーチは到着から出発までの折り返し時間が短い。 このため、ピーチの事業戦略室インフライト・貨物事業部の山内直樹部長によると、最大 800 キログラムに搭載量を抑えるという。

ANA カーゴの国内貨物販売部の尾田真・九州販売支店長は、「航空貨物需要は旺盛なものの、新型コロナウイルス感染症の影響による減便や運休で貨物搭載スペースがひっ迫している」と話す。 今回の貨物コードシェアでは、生鮮品や野菜、肉、魚といった食料品、電子部品など、これまでも ANA が運んできたものを扱うという。 また、福岡からスタートしたのは、運賃とニーズで決まったという。 初便の MM283/NH9603 便は乗客 155 人(幼児 2 人含む)に加え、生鮮品や生活雑貨などの貨物 560 キログラムを積み、福岡を午前 10 時 33 分に出発した。

ピーチの貨物扱いは、1 日の福岡発那覇行きと札幌(新千歳)行きからスタート。 那覇行きは 1 日 2 便、札幌行きは同 1 便で、12 月からは「保税転送」と呼ばれる国際貨物の国内輸送区間を担う。 保税転送は、成田発着 4 路線を対象に 12 月 1 日開始。 成田 - 関西線が 1 日 3 往復、札幌線が同 2 往復、福岡線が同 4 往復、那覇線が同 3 往復となる。 2021 年 2 月 1 日からは、国内貨物を拡充。 関西発札幌行き(1 日 1 便)、関西発那覇行き(同 2 便)、中部発札幌行き(同 1 便)でも貨物を扱う。 (Tadayuki Yoshikawa、AviationWire = 11-1-20)


JAL、最終赤字 2,400 - 2,700 億円予想 過去最大

日本航空は 30 日、2021 年 3 月期の純損益(国際会計基準)が、2,400 億 - 2,700 億円の赤字になりそうだと発表した。 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で航空旅客が激減。 前年は 480 億円(国際会計基準に換算)の黒字だったが、過去最大となる大幅な赤字に転落する見込みとなった。 これまでの最大の赤字は、10 年 3 月期(10 年 1 月に破綻したため、4 - 12 月までの 9 カ月間)の 1,779 億円。 今年度から会計基準を変更したため単純比較できないが、これを超える水準となる。

売上高は 5,300 億 - 6 千億円で前年比 60% 前後の減少となる見通し。 これまで年間の業績予想については、先行きが不透明で確度の高い需要予測を見積もることができないため未定としていた。 4 - 9 月の旅客数は、各国で出入国の制限が続いた影響で国際線は前年の同じ期間から 97.7% 減り、需要がほぼ消失した。 国内線も緊急事態宣言が出ていた 4、5 月を底にやや回復傾向にあるが、それでもこの 6 カ月で 76.1% 減と大幅な減少となった。 同日発表した 20 年 9 月の中間決算は、売上高が 74.0% 減の 1,947 億円、純損益は 1,612 億円の赤字(前年は 541 億円の黒字)だった。 (asahi = 10-30-20)


三菱ジェット、ホンダジェットと明暗分けた「鉄則」

三菱スペースジェットに未来はあるか?

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ANA 最終赤字、5 千億円前後か 前期は 276 億円黒字

ANA ホールディングス (HD) の 2021 年 3 月期の最終的なもうけを示す純損益が 5 千億円前後の赤字(前期は 276 億円の黒字)になりそうなことが 21 日、わかった。 過去最大の赤字となる見通し。 27 日に予定する決算発表で、これまで未定としていた通期の業績予想を発表する。 新型コロナウイルスの感染拡大で、国際線は前年から 9 割程度の減便が続いている。 国内線は 6 月以降回復基調にはあるものの、依然例年通りの需要には遠い状況だ。

ANAHD は財務基盤の強化を急いでいる。 6 月までに銀行借り入れや融資枠の増額などで 1 兆円超の資金を確保した。 さらに、劣後ローンによる 4千億円の追加調達も固め、27 日に発表する見通し。 人件費については賃金カットや一時金(ボーナス)の削減で、年収で平均 3 割減となる削減策を労働組合に提案している。 (asahi = 10-21-20)

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全日空、大型機 25 - 30 機削減 コロナ禍で半減、リストラ策の柱

全日本空輸は 21 日、主に長距離国際線で使う大型機 25 - 30 機を削減する方針を固めた。 リースを含め約 60 機の大型機を保有しており、半減させる。 帳簿上の価格を引き下げ、評価損を計上する減損処理を 2020 年 9 月中間決算で行う。 大型機は小・中型機に比べ燃費性能が低く、整備費用などもかかるため、リストラ策の柱とする。 コロナ禍で、全日空の拡大路線は巻き戻しを余儀なくされた。 航空会社にとって機材は収益の源泉で、保有機材の縮小は航空需要が回復した際に取り込みきれなくなる恐れもはらむ。 だが、需要は当面回復しない前提で事業計画を抜本的に作り直す必要があると判断した。 (kyodo = 10-21-20)


クルーズ船、11 月から運航再開へ 飛鳥 II でコロナ訓練

クルーズ船「飛鳥 II」が 20 日、神戸港に寄港し、乗客が新型コロナウイルスに感染したという想定の訓練があった。 2 月に横浜港に帰港した「ダイヤモンド・プリンセス」で集団感染が起きて以降、クルーズ船の運航は止まっていたが、11 月から順次再開する。 飛鳥 II は訓練のため、政府関係者ら約 100 人を乗せて 19 日に横浜港を出港した。 神戸港へのクルーズ船入港は約 8 カ月ぶり。 20 日の訓練では、乗組員や神戸市保健所の関係者らが、患者の隔離手順や、患者を病院に搬送する際の動線を確認した。

クルーズ船をめぐっては、国土交通省が 9 月 18 日、船内の感染症対策のガイドラインを発表。 各運航会社が対策を講じ、旅客を乗せたクルーズを再開する。 日本在住者が対象で、国内クルーズのみ。 11 月 2 日に飛鳥 II が横浜港を、にっぽん丸が神戸港をそれぞれ出港する予定だ。 (遠藤美波、asahi = 10-20-20)


改良型リニア、騒音低くゆったりと 時速 500 キロ体験

リニア中央新幹線の改良型試験車の走行試験が 19 日、山梨県の山梨リニア実験線(42.8 キロ)で報道関係者向けに公開された。 車内が初めて披露され、記者の試乗もあった。 JR 東海は 8 月から、山梨リニア実験線で従来の L0 系を改良した試験車の走行試験を開始。 走行試験を行っているのは 7 両編成だが、2 両に改良型の車両を導入した。 営業運転の開始に向け、データを収集している。

改良型は、先頭車の前部に凹凸を付けるなどして空気抵抗を従来より 13% 減らし、消費電力や騒音を低減。 照明や空調に使う電力は従来、ガスタービン発電装置からまかなっていたが、地上から「非接触」で集電する仕組みに切り替えた。 進行方向を映すカメラと前照灯の位置は、先頭車の先端から約 13 メートル後方に変更した。 内装は白を基調としたデザイン。 座席は背もたれを倒すと同時に座面が沈み込む仕組みを新たに採用し、従来より座席の幅も広げた。 スマートフォンの利用などを見据え、全席に USB のコンセントを配備した。 天井に車内の騒音を低く抑えるための素材を使い、荷棚とテーブルは小型化した。

報道関係者は、従来型と改良型の 2 種類の座席で営業運転の最高時速 500 キロ走行を体験した。 改良型は、従来型よりゆったりとした座り心地だった。 加速と減速時の揺れや騒音も低く感じ、車内も明るくなった印象があった。 それでも東海道新幹線と比べれば、揺れはやや大きく感じた。 JR 東海によると、一般の試乗会の開催時期は未定だという。 リニア中央新幹線は品川 - 新大阪間を 67 分で結ぶ計画。 建設工事が各地で進んでいるが、最難関区間の一つとされる南アルプストンネルを含む静岡工区が、静岡県などの反対で着工できていない。 2027 年をめざしていた品川 - 名古屋間の開業は遅れる見通し。 (一條優太、asahi = 10-19-20)

前 報 (6-26-20)


JAL の新 LCC が運航開始 ソウル行き初便は乗客 2 人

日本航空の新しい格安航空会社 (LCC) 「ZIP AIR (ジップエア) Tokyo」が 16 日、旅客便の運航を始めた。 成田 - ソウル(仁川)間を 23 日までに 3 往復、25 日以降は週 3 往復する。 ZIP は 2018 年に設立され、成田空港を拠点に今年 5 月にバンコク、7 月にソウルに就航する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期。 旅客を乗せない貨物専用便として、6 月からバンコク線、9 月からソウル線を運航している。

航空券の販売を始めたのが今月 8 日と直前だったこともあり、初便の乗客は 2 人。 渡航制限も続いているが、西田真吾社長は「徐々に増えてくると期待している。 貨物輸送の収入が好調で、この状況ならお客様が多くても少なくても運航を維持できる」と述べた。 (福田祥史、asahi = 10-16-20)


3 言語操りユーモアでおもてなし 都営地下鉄に AI ロボ

三つの言語で駅利用者を案内する人工知能 (AI) を搭載したロボットが 14 日から、東京都営地下鉄の大江戸線新宿西口駅と浅草線新橋駅に設置された。 東京五輪・パラリンピックを見据えた動きだが、コロナ禍で非接触・非対面での接客を進める狙いもある。

新宿西口駅付近には、人のようななめらかな動きとユーモアのあるしぐさをする「ARISA (アリサ)」、新橋駅付近には多彩な効果音で感情を表現する「Sota (ソータ)」がそれぞれ設置された。 乗り換え経路や駅の周辺情報など様々な案内を日本語、英語、中国語で対応する。 稼働時間はいずれも午前 10 時 - 午後 8 時。 2 台の導入経費は約 5 千万円。 都の担当者は「多くの人が訪れる来年の東京五輪・パラリンピックに向け、より質の高いサービスの提供につなげたい」と話している。 (長野佑介、asahi = 10-15-20)


米高級車市場でレクサスが 1 位、韓国ジェネシスは最下位に = 韓国ネット「正直、技術力はまだ …」

10 月 9 日、韓国メディア・韓国経済によると、米国の高級車市場でレクサスが 1 位を獲得した。 一方、韓国の現代自動車の高級車ブランドであるジェネシスは最下位となった。 記事によると、レクサスの今年 7 - 9 月期の米国での販売量は前年同期比 2% 増の 7 万 5,285 台だった。 高級車ブランドのうち 7 万台を超えたのはレクサスのみだったという。 2 位以下にはメルセデスベンツ(6 万 9,631 台)、BMW(6 万 9,570 台)、テスラ(6 万 4,000 台)が続いた。

昨年 7 - 9 月期は BMW が 1 位、メルセデスベンツが 2 位を獲得し、レクサスは 3 位にとどまっていたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響でドイツ車の生産に支障が出たため、レクサスが 1 位に浮上したとみられている。 ジェネシスは前年同期比 23.6% 減の 3,745 台で、高級車ブランドのうち最下位だった。 販売数の減少には新モデルの G80 と GV80 の発売が遅れたことも影響したとみられている。

これを見た韓国のネットユーザーからは「車はトヨタに限る」、「日本車と韓国車には大きな差がある。 乗ってみれば分かる。 ジェネシスが売れているのは韓国だけ。」、「レクサスの品質は文句のつけどころがない。 本当にいい車だ。」、「レクサスは手で、現代自動車は足で蹴って。 組立方法が違うことは韓国国民ならみんな知っている事実では? (韓国では 6 月に現代自動車の生産工場で働く職員が車のドアを足で蹴って閉める映像が公開され、物議を醸した)」、「正直なところ、現代自動車の技術力はまだ日本車に及ばない。 これだけ売れたことが奇跡だ。」、「自分が米国人なら現代自動車は選ばない」など、この結果に納得の声が上がっている。

その他「日本製品不買運動中の韓国人でさえレクサスに乗っているくらいだから」、「米国人が国産車より日本車を買うということはそれだけ品質を認めているということ。 認めるべきものをちゃんと認めないと競争力は育たない。 韓国人も無意味な日本製品不買はやめよう。」、「現代自動車は労組さえなければもっと上に行けるだろうに」などの声も見られた。 (RecordChina = 10-10-20)


トヨタと日野、北米向けの燃料電池大型トラックを開発

トヨタ自動車とグループでトラック大手の日野自動車は 6 日、北米向けでも、燃料電池 (FC) 大型トラックの共同開発を始めると発表した。日本国内向けにも同様の開発を進めており、排ガスを出さない「ゼロエミッション車」への世界的な関心の高まりを受け、北米向けの開発にも乗り出す。 開発するトラックは、日野が北米で投入しているトラックのフレームをベースに、トヨタの燃料電池技術を組み合わせる。 2021 年前半に試験車両を開発する予定だという。

両社は、日本国内向けにも、燃料電池大型トラックの開発を進める。 日野の大型トラックをベースに、トヨタが今年末に発売を予定する燃料電池車 (FCV) の「ミライ」向けに開発する発電装置「FC スタック」を 2 基搭載する。 ゼロエミッション車をめぐっては、先月 23 日、米カリフォルニア州のニューサム知事が、35 年までに、乗用車と小型トラックについて、ガソリン車の新車販売を禁止する知事令に署名するなど、北米でも関心が高まっている。 (三浦惇平、asahi = 10-7-20)


エアアジア、日本事業断念を検討 コロナで業績悪化

格安航空会社 (LCC) のエアアジア・ジャパン(愛知県常滑市)が、事業継続の断念を検討していることが 30 日、分かった。 新型コロナウイルス流行の影響で利用客が急減し、業績が悪化しているため。 同社はマレーシアの LCC、エアアジアの傘下企業で 2014 年に設立された。 中部空港を拠点に札幌、仙台、福岡の各都市を結ぶ国内 3 路線と、台北を結ぶ国際線を運航している。 ただ、コロナの影響で 4 月上旬から全面運休した。 8 月に国内線を再開したが、搭乗率の低迷で 10 月 1 日から再び全線で運航休止を予定。 6 月には希望退職を募集し、社員約 300 人中、70 人弱が退職した。 (jiji = 9-30-20)


ユニバーサルデザインのタクシー、車いす乗車拒否で処分

車いすのまま乗れるユニバーサルデザイン (UD) タクシーで車いすを使う人の乗車を拒んだとして、国土交通省関東運輸局が昨年 3 月、道路運送法にもとづいて東京都内のタクシー会社に車両を計 44 日間分使用停止にする処分にしたことがわかった。 車いすの乗車拒否をめぐる行政処分は全国で初めて。

国交省が公表している処分情報によると、処分を受けたのは大田区の芙蓉第一交通。 同社の入るグループを統括する会社によると、2018 年 10 月、都内で客待ちをしていたタクシーが乗車を求める車いす利用者に対して、理由なく「乗れません」などと拒否した事案があったという。 道路運送法では、正当な理由なく乗車拒否してはならないとしている。 このグループではその後、研修などで再発防止を徹底しているという。 乗車拒否の報告が相次いだことから、国交省は 18 年 11 月に改善を求める通達を事業者に出していた。 (asahi = 9-29-20)


JR 九州、新観光列車「36 ぷらす 3」を公開 畳敷きも

九州 7 県を周遊し、10 月 16 日から運行を始める JR 九州の観光列車「36 ぷらす 3」が 29 日、北九州市の小倉総合車両センターで報道陣に公開された。 豪華寝台列車「ななつ星」と同じ工業デザイナーの水戸岡鋭治氏がデザインし、高級感のある車体に仕上がった。 車体の外装は黒のメタリック塗装を施し、金のロゴをあしらった。 1、6 号車には、JR 九州の観光列車で初めて畳敷きを採用。 その上にソファなどを備えた「和洋折衷」のデザインが特徴だ。 障子戸や天井は、ななつ星にも採り入れた福岡県大川市の伝統工芸「大川組子」で装飾した。

6 両編成の車両は、1 - 6 人用の個室 13 室を含めて定員 105 人。 3 号車には食事や飲み物を販売する売店「ビュッフェ」を設け、4 号車はイベントを開けるマルチカーにした。 車両は、かつて博多 - 西鹿児島を走った 787 系特急「つばめ」を改修した。 水戸岡氏は約 30 年前に、この特急つばめをデザインしており、今回、観光列車として生まれ変わらせた。 列車名は、九州が世界で 36 番目に大きい島で、客、地域住民、JR 九州の 3 者が一つになるとの願いを込めた。

JR 九州の青柳俊彦社長は「36 ぷらす 3 を起爆剤に、九州を日本や世界にアピールしたい」とあいさつした。 5 ルートのうち、7 月の豪雨で被災した肥薩おれんじ鉄道を通る博多 - 鹿児島中央間は当面運行を見合わせる。 料金は食事付きのプランで税込み大人 1 万 2 千円、こども 8,500 円から。 専用ホームページ などから予約できる。 (松本真弥、asahi = 9-29-20)

前 報 (1-30-20)


CO2 排出ゼロの旅客機、エアバスが開発へ 燃料は水素

欧州航空機大手エアバスは 21 日、水素を燃料として飛ぶ旅客機を 2035 年までに実用化する計画を発表した。 二酸化炭素の排出をゼロに抑え、環境に優しい未来の旅客機のカギと見込んでいる。 フォーリ最高経営責任者 (CEO) は声明で「水素の利用は航空産業が環境に与える負荷を著しく下げると信じている」とし、「この業界が経験する最も重要な変革で、主導的な役割を担いたい」と述べた。

開発を目指す旅客機は「ZEROe (ゼロイー)」。 従来のジェット機のエンジンを水素燃料向けに改良。 燃料電池も搭載し、電気による動力とのハイブリッド方式で効率的な航行を目指す。 公開したコンセプト機は 3 種あり、機体と翼が一体化した近未来的なタイプのほか、ジェット機タイプとプロペラ機タイプもある。 100 - 200 人乗りで、最大 3,700 キロ以上航行できる設計だ。 (ロンドン = 和気真也、asahi = 9-22-20)


日比谷線の走る博物館 初代に続き、2 代目も長野電鉄に

長野市と湯田中温泉(長野県山ノ内町)を結ぶ長野電鉄に、東京メトロ日比谷線の 2 代目車両が「新型」として新たに加わった。 丸みを帯びた特徴的な外観から「マッコウクジラ」の愛称で親しまれた同線の初代車両も譲り受けて走らせており、2 年後には初代が引退を予定。 東京での代替わりが再現され、鉄道ファンの注目を集めている。

長電は今年創立 100 周年。車両の新造はコストがかかるため、他の鉄道会社から払い下げられた中古車両を改造し、「新型」として再デビューさせている。 小田急電鉄の 4 代目「ロマンスカー」、JR 東日本の初代「成田エクスプレス」などが長野ではいまも現役で、「走る博物館」だ。

1993 年には営団地下鉄(現東京メトロ)から日比谷線の初代車両を譲り受けて運行を開始。 最大で 18 編成を運用したが、老朽化で次々と廃車に。 今年 9 月下旬には 3 編成を残すのみとなる。 2 代目車両は今年 2 月に日比谷線を引退したばかりで、3 両編成の 2 本が長電に譲渡された。 車両前面にイメージカラーの赤色のラインを入れたり、急勾配に対応したブレーキを装備させたりして改造し、6 月下旬から本格運行を始めている。 長電は 2022 年までに 2 代目車両をさらに 3 編成導入する一方、初代車両はすべて廃車にして 2 代目に置き換える計画。 2 代の電車がそろって走るのも、残り 2 年程度になりそうだ。

東京から訪れ、初代車両のイベント列車に乗車した会社員の男性 (26) は「2 代目の車両はよく乗っていた。 東京メトロでの過渡期の代替わりが、長野でもう一度再現されるので感慨深い。」と話す。 (滝沢隆史、asahi = 9-20-20)