中国の「シェア自転車」ついに崩壊!? 「画期的なシステム」の落とし穴

シェア自転車などを始めとする中国の「シェアリングエコノミー」は、世界から熱視線を浴びていた。 日本にもある従来型のシェア自転車サービスは、規定の駐輪場で自転車を借り、同じく規定の駐輪場で返すという仕組みだが、中国発のシェア自転車は、街のどこでも乗り捨て自由と、まるで使い勝手が違う。 自転車を使いたい場合には、街のあちこちに放置されている自転車を探してスマートフォンで解錠し、行きたい場所まで乗って行き、そこに乗り捨てることが可能。 専用駐輪場まで行かなくても済むため、利便性が極めて高いのだ。

「中国の『新 4 大発明の 1 つ』とまで持て囃されたシェア自転車ですが、現在シェア自転車は街のゴミと化しています。 昼間に乗り捨てられた自転車は、夜にトラックで乗り付けた "整頓部隊" によって定位置に戻されるのですが、最近は乗り捨て自転車の数があまりにも増えすぎて回収が追い付いていないのだそう。 その結果、歩道は乗り捨てられた自転車だらけで、歩くのもままならないほどに。 都市生活を便利にするはずのシェア自転車が、逆に街の混乱を招くという結果になったのです。(在日中国人ジャーナリスト)」

「シェア自転車の墓場」まで出現する始末

すでにいくつかの都市では、政府が規制に乗り出している。 シェア自転車の利用には個人情報の登録が必要なので、罰金の対象者を割り出すことが可能だ。 上海市では、シェア自転車を停める専用スペースを設置し、そこに停めない者には罰金を科すようになった。 だが、中国のシェア自転車システムが破綻したのは、使用者のモラルの問題だけではない。

「運営会社が次々に参入し過当競争になったことで、路上に自転車が溢れ返ったのです。 地方政府は当初、運営会社に補助金を出すなどして誘致までしましたが、今では供給過剰な状態がどこでも起こっており、運営会社も薄利によって倒産。 自転車だけが溢れかえってしまいました。(同)」 大手でも経営は厳しく、乗り捨てられた自転車の回収はままならないという。 おびただしい数の自転車を集めた保管場は「シェア自転車の墓場」と呼ばれている。 中国が身をもって、シェア自転車の危険性を証明してくれたようだ。 (まいじつ = 9-29-18)


中国人旅行者に関するスウェーデンの風刺的テレビ番組に中国が激怒

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ネット賭博に溺れ、禁断の身分証売却 中国で陥る悪循環

中国のシリコンバレーと呼ばれる広東省深センで、仕事への情熱を失った出稼ぎ労働の若者が社会問題化している。 希望を抱いて農村から出てきたが、肉体労働に耐えられず、ネット賭博にのめり込み、貧困から抜け出せない悪循環に陥っている。 IT 企業のビルが林立する深セン中心部から北へ約 20 キロの「三和人材市場」。 スマホなどの工場で働く人を募集する巨大な職業紹介所だ。 農村出身の若者や仲介業者で混雑している。

路地裏に古いビルが立ち並び、100 軒以上のネットカフェや簡易宿泊所、食堂がある。 未明に訪れると、生ごみの悪臭が漂う道端で若者が野宿していた。 空調のないネットカフェでは、ぐったりと仮眠をとる姿がいくつもある。 「この数年で路上やネットカフェで死んだ人を 5 人ほど目撃した。」 簡易宿泊所の女性経営者はこう話した。 多くは栄養失調とみられる。 簡易宿泊所は 1 泊数十元(1 元 = 約 16 円)だが、お金がない若者は 1 時間 1.5 元のネットカフェで過ごすか、路上で寝る。

スマホを操作していた男性 (24) は昨年末から日雇いで働く。 野宿のため腕に蚊に刺された跡が無数に残る。 「1、2 年まじめに働いて数万元稼いだら田舎に戻って商売するつもりだったが、人生が狂ってしまった。」 原因はネット賭博だ。 違法だが、単調な日常生活に刺激を求め、スマホで手を出す若者が少なくない。 元手のお金もスマホで高利貸から借りられる。 男性は負けが込んで借金が 1 万元を超えたが、今の環境から抜け出したいとも思わないという。 「毎日同じ仕事を続けるのは退屈すぎて、俺にはできない。」 所持金がなくなると日雇いに出る。

ネット上で彼らは「三和大神」と呼ばれる。 自由をうらやむ一方、まっとうに生きられない彼らを差別する意味も込められている。 日雇いの日給は 100 元が相場。多くは数日に 1 日の割合でしか働かず、月収は 1 千元前後とみられる。 「友達は一人もいない。」 広西チワン族自治区出身の李さん (30) は友人から借りた金を返せず、関係が疎遠になった。 高校卒業後 12 年間、深センで日雇いや期間工を繰り返したが、工場では私語が禁止され、一緒に働く人の名前もわからなかった。 (深セン = 益満雄一郎、asahi = 9-25-18)


中国、高官失職の場面映像を公開 「反腐敗」見せしめか

中国で共産党幹部らの汚職摘発を担う党中央規律検査委員会と国家監察委員会が、汚職高官 2 人の党籍と公職をはく奪する場面の映像をホームページに初めて公開した。習近平(シーチンピン)指導部は今春、すべての公職者を対象とする国家監察委員会を新たに設けており、「反腐敗」の強化をアピールする狙いがあるとみられる。

映像が公開されたのは、いずれも 20 日に公職と党籍のはく奪が発表された貴州省の王暁光・前副省長と張少春・前財務次官の 2 人。 職務を利用し、巨額の利益を得たり公費で飲み食いしたりしたなどとされる。 王氏は「政治的に重大な問題がある中国本土外の本を熱心に読んでいた」とも指摘された。 (北京 = 延与光貞、asahi = 9-22-18)


最先端都市「雄安新区」 習近平氏が狙う第 2 の深セン

北京から高速鉄道で南へ 1 時間半ほどの農村地帯で、人工都市「雄安新区」の建設が進んでいます。 中国の習近平国家主席が「千年の大計」と位置付ける巨大プロジェクトです。

北京、天津、河北省の一体開発構想の目玉として、2017 年 4 月に計画が公表され、パナソニックやトヨタ自動車などの日系企業も、都市づくり参画に向けて動き出しています。 改革開放政策を推し進めたケ小平氏は、1980 年に深センを経済特区に指定。 小さな漁村が 30 年あまりで人口 1,300 万人のメガシティーに変貌しました。 雄安新区には、深センのサクセスストーリーを 21 世紀に再演しようという夢が託されています。 (asahi = 9-22-18)


中国コンビニ 10 万店に 「無人店」急増も技術途上

【上海 = 松田直樹】 中国のコンビニエンスストアが日本の 2 倍の 10 万店を突破した。 70 社以上がひしめくなかで競争は激しく、各社は人工知能 (AI) や顔認証カメラを活用した無人店舗の出店を競う。 ただ、所得が増え消費者の目が肥えるなか目新しさだけでは戦えない。 半世紀かけて進化した日本のコンビニにならい専用商品を拡充するなど、生き残りをかけた戦いが熱を帯びる。

「これからは AI を活用した店づくりが必要だ。」 5 月末、北京市で開かれた中国チェーンストア経営協会の大会。 新興コンビニチェーンの経営者が誇らしげに語りながら、AI や顔認証など最新技術を用いた無人コンビニを披露した。 「無人」や「AI」という時代の潮流にのったキーワードが支持され、新興チェーンには投資ファンドからの出資が集まっている。 資金力を武器に中国では無人コンビニが急増している。

2017 年 10 月に上海で 1 号店を開いた「簡 24」もその一つだ。 事前にスマートフォン(スマホ)のアプリで「支付宝(アリペイ)」など電子決済や自らの顔情報を登録。 入り口でスマホと顔をかざして入店する。 店内のカメラが手に取ったものを認識し、店を出る時に再びスマホをかざせば支払いが済む仕組みだ。 無人化技術は人件費の上昇や人手不足に悩む日本でも関心が高い。 中国の無人コンビニは実用化で日本の先を行くが、課題も見えてきた。

簡 24が上海で展開するある無人店舗は扉に「修理中」との紙が張られ閉店中。 張り紙の電話番号にかけると「再開の見通しは立っていない」と担当者が明かす。 別の店舗はゲートが故障し、レジで店員が会計する普通のコンビニになっていた。 中国 EC (電子商取引) 2 位の京東集団も 18 年内に 500 店の無人店舗の出店目標を掲げるが、現状は 20 店舗と大量展開に苦戦している。

無人コンビニは IT (情報技術)システムがうまく機能しなければ万引きや異物混入など事件・事故を招きかねない。 中国では「まずはやってみて失敗したら改善すればいい」という考えがあるとはいえ、技術はまだ発展途上のようだ。 また「無人」を優先するあまり、商品はどこでも売っているナショナルブランド (NB) が中心。 珍しさで集客できた時期は終わりつつある。

もっとも、中国のコンビニは市場拡大期がまだ続く見通しで、競争は無人店以外の分野でも活発になっている。 チェーンストア協会によると、中国大陸全体の 17 年のコンビニ店舗数は 16 年と比べて 1 万 2 千店増の 10 万 6 千店、市場規模は 1,905 億元(約 3 兆 1 千億円)に拡大した。 日本では一般的にコンビニ 1 店舗当たりの商圏が 2 千人程度になると飽和とされるが、中国では出店競争の激しい上海でもまだ 3,200 人と新規出店の余地は大きい。

新興コンビニ「便利蜂」は大型ガラスケースにチキンやおでんなどを並べた専用コーナーを設置。 独自商品や陳列手法など日系コンビニの強みを取り込む動きが広がる。 日本では 00 年以降にプライベートブランド (PB) を拡充する動きが広がったが、中国でもオリジナル商品を競う時代を迎えつつある。 無人コンビニは運営で苦戦しているものの、発想力では日本のコンビニの先をいく。 将来、中国以外の海外でも日本勢にとって手ごわいライバルになる可能性もある。

一方、日系コンビニ大手も中国で大量出店にかじを切る。 ローソンは 2018 年に中国で過去最高の 800 店の新規出店を計画。 ファミリーマートは 300 店超、セブンイレブンも 200 店程度と 3 社合計で過去最高となる見通しだ。 日系コンビニは集客力を高めている。 チキンやおでんなどレジ横の商品陳列に加え、弁当やお菓子など独自商品を拡充。 陳列や商品が画一的な地場店との違いが強みとなっている。 訪日観光ブームなど日本ブランドへの支持も追い風だ。

90 年代に進出を本格化した日系コンビニは赤字に苦しむ時期が続いたが、工場や店舗を指導する人員など体制が整い始めた。 ローソンの竹増貞信社長は「シェアを握らなければ勝ち組として生き残れない」と攻めに出る姿勢を強調する。 中国最大手の「美宜佳」は 17 年だけで約 2,300 の新店を出すなど、地場チェーンも出店攻勢をかける。 中国のコンビニを巡る競争は、量と質、最新技術を軸に新段階に入る。 (nikkei = 9-16-18)


中国で大規模水害相次ぐ 平均気温も 1961 年以来最高

中国で今夏、集中豪雨や台風による大規模な水害が相次いでいる。 平均気温も 1961 年以降、最高を記録するなど異常気象が続き、農業や漁業への深刻な影響が懸念されている。 中国も日本同様、暑くて雨の多い夏となっている。

中国メディアによると、広東省では 1 日夜までに 2 人が死亡、2 人が行方不明となった。 120 万 8 千人が被災し、8 万 5 千人が避難した。 農地や工場などが相次いで浸水し、直接経済損失は 14 億 4 千万元(約 230 億円)に達した。 中国では 1 日、新学年が始まったが、スワトーの浸水した学校では教師らが泥かきに追われ、授業の開始を 7 日に遅らせるという。

また、雲南省文山チワン族ミャオ族自治州では 2 日の豪雨で崖崩れが発生。 3 日朝までに 5 人が死亡、15 人が行方不明となった。 山東省寿光では 8 月下旬、台風の影響でダムの水位が上昇。 放水後に下流域で水害が起き、13 人が死亡した。 住民から「人災」と非難の声があがっている。 中国気象局によると、今夏(6 - 8 月)の全国の平均降水量は 332.5 ミリで、平年より 7.3% 多かった。 今夏の平均気温は平年より 1 度高い 22 度で 61 年以降、最高だった。 (広州 = 益満雄一郎、asahi = 9-3-18)


中国のネット人口が 8 億人を突破、9 割超がモバイルを利用

中国のインターネット利用者が、およそ 8 億 200 万人に達していることが分かった。 同国の工業情報化部が管轄する中国インターネット情報センター (CNNIC) によると、人口の 57.7% が頻繁にインターネットを利用している。 一方、米国での利用者数は約 3 億人となっている。

中国のネット利用者について最も興味深いのは、98% に当たる約 7 億 8,800 万人がモバイルインターネットを使っているということだ。 中国がいかに効率的にサービスエリアを拡大してきたか、そしてモバイルテクノロジーが同国の人々の日常生活においていかに必要不可欠なものとなっているかを示している。 また、CNNIC のデータによれば、中国では通信技術を使ったモビリティサービスの利用が拡大している。 自転車シェアサービスは 31%、バスや鉄道のオンライン予約サービスは 37%、配車アプリは 43% の人が利用しているという。 (Niall McCarthy、Forbes = 9-2-18)


ライドシェア女性客を盗撮ライブ配信 中国、2 万人視聴 DiDi のライバル DiDa 運転手が動画サイトで

C2C イノベーションに危機感

中国国内でライドシェアを利用した女性客の様子を、運転手が無許可で盗撮ライブ配信していたことが 2018 年 9 月 2 日までに分かった。 ライブ配信は中国のゲーム動画配信サイト「Huya」で無料配信され、約 2 万人が視聴したものとみられる。 運転手と乗客が利用していたライドシェアサービスは「Dida 出行」で、中国ライドシェア最大手・滴滴出行 (DiDi Chuxing) のライバルとされている。

中国では滴滴出行の運転手による女性客強姦殺人が起きたばかりで、ライドシェアサービスの是非をめぐる議論がより一層高まる可能性がある。 米ニューヨーク証券取引所に 2018 年 5 月に上場したばかりの Huya の運営会社は声明を出し、運転手に乗客のライブ配信を禁止する声明を同日までに発表している。 報道によると、アメリカでも運転手による乗客の盗撮ライブ配信が過去に問題になったことがあった。 相乗りサービスであるライドシェアはシェアサービスを代表する C2C (個人間取引)として全国で人気を集めているが、乗客保護に向けた取り組みはまだまだ道半ばと言える。 (自動運転ラボ = 9-2-18)

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女性客が 4 人殺害された中国の配車サービス Didi に対するボイコット運動が拡大中

中国最大のライドシェア・配車サービスの Didi Chuxing (滴滴出行)を利用していた女性客が 2 年間で 4 人殺害されていたことが大きな話題になっている中国では、Didi をボイコットする運動が活発化しています。

Didi のドライバーによる暴行・殺害事件が話題となっている中国では、その犯行の様子が報じられています。 犯行に関わったドライバーは、友人の誕生日パーティーに向かうために Didi を利用した 20 歳の女性に対して強姦をはたらいた後に殺害したと告白。 また 2018 年 5 月にも別の Didi のドライバーが女性客を殺害していたことが明らかになっており、これまでに 4 人が Didi のドライバーによって殺害されていることがわかっています。

Didi は一連の事件について、「私たちはプラットフォームとして利用者の信頼を失いました。 この責任を免れることはできません。」と声明を発表し、事態に対して十分に迅速に対応できていなかったことを認めています。 事件発覚後、Didi は同社が提供していた相乗りサービス「Hitch」の提供を停止し、サービスを提供していた 2 人の上級管理職を解雇したことを発表。 さらに、女性ビジネスマンの中心的存在とされてきた Didi の柳青(ジーン・リゥ)総裁が謝罪するに至っています。

この件に関し、中国の Weibo には Didi を批判する声が多く寄せられています。 あるユーザーは「Didi の中に何人かの悪いドライバーがいるだけだと言う人もいるかもしれないが、Didi はこれらの犯罪者にプラットフォームを与えている」と批判し、「皆が Didi をボイコットすることを望んでいる」と Didi の不利用運動を呼びかけています。 また、女優の王シャオチェンも Didi のアプリを削除した画面に「再見! (さようなら!)」と書いたスクリーンショットを投稿するなど、ボイコット活動が広がっています。

今回の一件では 4 人の女性客が殺害されたことが明るみになったわけですが、殺害に至らなかったものの暴行を受けたという被害報告はさらに多く、過去4 年で 50 件の暴行事件や嫌がらせが発生していることも明らかにされています。 大きな批判にさらされている Didi ですが、それでもなお規模が拡大を続けているというのも一方では事実。 2017 年にも数々の問題で批判を浴びた Didi でしたが、サービスのユーザー数は 4 億人に到達し、2018 年後半には市場への株式公開 (IPO) を実施する予定となっています。

数々の問題を抱えながら成長を続ける Didi に対してある Weibo ユーザーは「女性がどんな服を着ていたか、酔っていたかどうかは関係ありません。 私たちは、女性に特定の方法で行動するように伝えたり、自分自身を守るようにだけ教えるべきではありません。 男性に対し、他人に暴力をはたらかないように教えるべきです。」と述べています。 (Gigazine = 8-30-18)

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中国の滴滴、「順風車」サービス停止 - 女性客が再び殺害される

→ ビジネスモデルを再検証へ - 幹部 2 人も更迭
→ 交通運輸省と公安省が滴滴側と 26 日に面談 - 是正を命じた

配車アプリで中国最大手の滴滴出行は 26 日、同社の相乗りサービス「順風車(ヒッチ)」を停止すると発表した。 女性客が運転手に殺害されるという事件が再び発生した。 幹部 2 人の更迭も決めた。 電子メールを通じた滴滴の発表資料によれば、27 日から同サービスを停止し、ビジネスモデルを再検証する。 中国国営メディアは、女性の乗客を 24 日に殺害した疑いで浙江省温州の運転手が拘束されたと報じた。

5 月に国営メディアが河南省鄭州で父親のアカウントを使ってドライバーが女性を乗せ殺害したと伝えた際にも、滴滴は順風車サービスを 1 週間停止していた。 滴滴は今回の事件について謝罪し、「われわれの遺憾な間違い」のためのサービス停止だとコメント。 交通運輸省と公安省は声明で、両省の当局者が滴滴の担当者と 26 日と面談したと発表。 当局は同社に対し直ちに順風車のサービスを是正し、乗客の安全と権利を守ることなどを命じたとしている。 (Bloomberg = 8-27-18)


中国深センで労働争議 ネットで連帯、学生ら 50 人拘束

中国広東省深センで起きた溶接機械工場の労働争議をめぐり、従業員側の支援に駆けつけた学生ら 50 人余りが 24 日、地元警察に拘束された。 従業員の支援団体が明らかにした。 数千人の学生らが労働者への連帯を表明するという異例の動きに、当局は神経をとがらせ封じ込めに踏み切った。 労働争議が起きている工場は、溶接作業に使う機械などを製造する中国資本のメーカー。 7 月以降、工場の前で従業員側が抗議活動を続け、会社側との対立が深まっていた。

従業員側の支援グループによると、争議のきっかけは長時間労働や従業員への罰金制度など、不当な待遇に対する改善要求だった。 従業員たちは労働組合の設立も求めたが認められず、7 月下旬には抗議に加わっていた従業員が何者かから暴行を受けたうえ、約 30 人が警察に騒動挑発の疑いで拘束されたという。

争議への支援をネットで呼びかけた女性で、現場に集まった支援グループのリーダー役だった沈夢雨さん (26) も 8 月 11 日、何者かに連行されて連絡がとれなくなった。 そして 24 日朝、警察は沈さんらの呼びかけに応じて工場近くに集まっていた北京大や中国人民大、南京大の学生ら約 50 人を一斉に拘束したという。

毛沢東時代を連想させるスローガン

中国で労働争議は珍しくない。 だが、今回は広東省の名門・中山大の大学院を卒業後、労働者の権利保護の先頭に立とうと工場労働者になった異色の経歴を持つ沈さんらの抗議が注目を集め、各地の学生が反応した。 これまで北京大など全国 16 大学の学生らが実名でネット上に支援声明を発表。 数千人が署名した。

署名呼びかけの中心になったのは、北京大で学内のセクハラ事件の情報公開を求め一時軟禁されるなどした経験を持ち、今年卒業したばかりの女性だった。 声明は「労働者階級万歳!」といった毛沢東時代を連想させるスローガンも使いながら、労働者の権利を守る活動は自分たちの未来にもつながっていると訴えた。 (深セン = 益満雄一郎、北京 = 延与光貞、asahi = 8-25-18)


中国、子ども 3 人まで OK に? 記念切手の柄、臆測呼ぶ

2019 年になると、3 人まで子どもが持てるように政策が変わるのでは - -。 2 年前に一人っ子政策をやめ、二人っ子政策に移行したのに出生数が思うように増えない中国で、さらなる規制緩和がうわさされている。 発端は中国郵政が公表した来年(亥年)の記念切手だ。 8 月 6 日、中国郵政が明らかにした来年の干支(えと)の記念切手のうち 1 枚は、親ブタとともに 3 匹の子ブタを描いている。 日本では亥と言えばイノシシだが、中国では豚のことだ。

二人っ子政策に移行した 16 年は申(さる)年だったが、この年の記念切手は 2 匹の子ザルが描かれたデザインだった。 そのため 3 匹の子ブタが意味するものについて、国内外のメディアが「3 人目まで子どもが持てるようになるか」、「産児制限の全面放棄か」と報道した。 ただ、前回の亥年となる 07 年の記念切手には 5 匹の子ブタが描かれており、政策の予告とは限らないとの見方もある。 (北京 = 福田直之、延与光貞、asahi = 8-23-18)


交差点でトラック爆発、雨で冠水した道路を傘持って逃げる通行人 - 山東省

山東省の省都、済南市で 14 日、交差点で停止していたトラックが爆発した。 近くを歩いていた男性が、慌てて逃げる様子などを撮影した動画が動画サイトに投稿され、転載が続いた。 爆発の威力は大きく、周辺の建物の窓ガラスはすべて割れたという。 爆発発生当時、済南市では雨が降っていた。 道路は広く冠水している。 画面の向こうの方から、傘を差した男性が歩いてくる。 男性の背後にはトラックが停車している。 男性は冠水した道路を慎重に歩いている。 突然、トラックから右側方向に向けて、赤い光が噴出した。ほぼ同時に、トラックの左側のドアがはじけるように開いた。

さらにその直後、男性の傘が大きくあおられた。 爆風に直撃されたようだ。 道路を覆った水の一部には、爆風によるとみられる波紋が発生している。 男性の傘は吹飛ばれそうになる。 同時に、トラックから飛び散った大量の物体がカメラ方向に飛んできた。 正体は不明だが、平たいものが細かく切り刻まれてばらばらになったように見える。 飛来物の襲来は急速に減った。 それでもまだ飛んでくる。 男性は傘をトラックに向けて横向きに持ちながら、冠水した道路を水しぶきを上げながら、慌てて逃げた。 しばらくして男性の姿は動画の視界の外にだた。

動画は、しばらく後になってから撮影されたと見られる現場の情景も紹介した。 路面を大量の雑物が覆っている。 爆発したトラックから噴出した物であるようだ。 前後のボンネットが変形して開いたままになって停車している乗用車などが、少なくとも 2 台は確認できる。 爆発したトラックはまだ白煙を上げている。 動画によると、周囲の建物の窓ガラスはすべて割れたという。 爆発の原因や具体的な被害状況は伝えられていない。 (如月隼人、RecordChina = 8-20-18)


中国、騒動挑発容疑で 18 歳拘束 = ネットに「安倍首相は父」

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中国が権限見直しでゲーム認可凍結 - 日本株も直撃

⇒ 監督当局は一部のゲームにおける暴力やギャンブルも懸念
⇒ オンラインとモバイル、コンソール型ゲームに軒並み影響

中国の規制当局がゲームライセンスの承認を凍結した。 事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。 公に話すことが認められていないとして匿名を条件に話した関係者によると、これは政府機関の間での権限見直しを受けた措置。 監督当局は一部のゲームにおける暴力やギャンブルについても懸念を示していると関係者の 1 人が話した。 オンラインとモバイル、コンソール型ゲームが軒並み影響を受けている。  ニューズーの調査によると、中国は世界最大のゲーム市場で、売上高は推定 379 億ドル(約 4 兆 2,200 億円)。

ゲーム認可取得で遅れが出ていることを公表した企業はあったが、業界全体の凍結はこれまで公になっていなかった。 中国で認可プロセスを監督するのは 2 つの機関。 複数の関係者によれば、国家広播電視総局は約 4 カ月間にわたり認可を出しておらず、文化観光省はゲーム登録手続きを厳格化している。 習近平国家主席が権力を固める中、今年の機構改革を経て両機関ではいずれも人事の刷新や責任範囲の変更があった。

社会主義的価値

共産党指導部の入れ替えで、官僚らはリスクを取る、あるいは論争を誘発する恐れがある新たな措置を始めるのに消極的。 中国のゲーム業界は中毒や暴力だけでなく、核心となる社会主義的価値の毀損に至るまで定期的な監視の対象になっている。 当局が直ちに再開しても認可には通常 2、3 カ月程度を要するため、中国のテンセント・ホールディングス(騰訊)など企業の 7 - 9 月(第 3 四半期)決算には潜在的な打撃となることを示唆している。

15 日午後の東京株式市場でネクソンなどゲーム関連株が軒並み安。 ネクソンは一時 11% 安の 1,250 円、スクウェア・エニックス・ホールディングスが同 6.4% 安の 4,500 円、カプコンが同 6.7% 安の 2,453 円まで下げた。 終値はネクソンが 5.9% 安の 1,318 円、スクエニ H が 2.6% 安の 4,680 円、カプコンが 2.7% 安の 2,558 円。

松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「国内市場が飽和状態となる中で、アジア市場、中でも人口が多く、購買力が向上している中国市場は投資家から期待されていた。 もし中国市場がふさがると、ゲーム関連企業の成長期待が剥げ落ちかねない。」と述べた。

揺れるゲーム業界

テンセントや小規模のゲーム開発業者が当局の認可を待つ中で、業界全体が揺れている。 テンセントの時価総額は今年 1 月のピークから 1,500 億ドル余り減少する一方、規模がより小さい企業は新たなタイトルがなければ生き残るのが難しいと訴えている。 シティグループ・グローバル・マーケッツのパンアジア・インターネット調査責任者、アリシア・ヤップ氏は、「新たなゲームの認可には今後も足かせが残るだろう」と指摘した。 テンセントの広報担当者ジェーン・イップ氏はゲーム認可についてコメントを控えた。 各政府機関にファクスでコメントを求めたが、今のところ返信はない。 (Bloomberg = 8-15-18)


上海の繁華街で看板落下、3 人死亡 9 人が下敷きに

中国・上海市中心部の繁華街「南京東路」で 12 日夜、歩道に面したアクセサリー販売店の看板が落下し、9 人が下敷きになり、うち 3 人が死亡した。 事故を目撃した近くに住む男性によると、当時台風の影響で雨が激しく降っており、看板の下には大勢の人が雨宿りをしていたという。

看板はプラスチック製で、壁に固定するために設置した鉄柱も一緒に落下した。 男性は「看板は老朽化しており、前から危険だと思っていた」と話した。 現場は外国からの観光客にも人気の観光名所・外灘(バンド)の近く。 在上海日本総領事館によると、日本人の被害情報はないという。 (上海 = 宮嶋加菜子、asahi = 8-13-18)


中国、プーさん映画認めず 習主席そっくりと検閲か

米ディズニーが手掛けた人気キャラクター「くまのプーさん」の実写版映画「プーと大人になった僕」について、中国政府が 10 日までに国内での公開を認めなかった。 米紙ロサンゼルス・タイムズなどが報じた。

米メディアによると、中国側は理由を明らかにしていないが、プーさんは体形が習近平国家主席と似ていると言われ、過去にも検閲対象になった。 今回も同様の理由との見方が強い。 中国国内でプーさんは、民主派などが習氏を指す隠語としても使用されている。 同作は米国で大ヒット中。 世界的な映画市場となった中国で上映が認められなかったことは、ハリウッド映画界で大きな話題となっている。日本公開は 9 月 14 日。 (kyodo = 8-11-18)

初 報 (11-11-14)


北京市郊外で大規模な山崩れ、現場近くの道路には多数の車両

北京市郊外の房山区で 11 日午前 8 時半ごろ、山崩れが発生した。 現場近くには多数の車両が存在した。 同市メディアの新京報などが伝えた。 北京市規劃国土資源管理委員会(国土資源計画管理委員会)によると、同市房山区大安山郷内で 11 日午前 8 時半ごろ、山崩れが発生した。 午前 8 時 20 分ごろ、地質災害の監視スタッフが落石の発生を確認し、現場近くの軍紅路を通行止めにした。 約 10 分後に相当な大規模な山崩れが発生した。

現場近くで止められていた車両も多かったため、複数の動画が撮影され、インターネットなどで発信された。 乗用車やバスなど多数の車のすぐ前で、巨大な岩石が路面を直撃する様子などが撮影されている。 崩れた土砂の体積は 3 万立方メートル程度とみられている。 当局は現場の整理と道路の修復に着手したが、再び通行できるようになるのは 30 日ごろの見込み。

房山区は北京市南西部にあり、河北省に接している。 山が多い地形で、渓谷の風景が楽しめる十渡風景名勝区などがある。 また、核施設の設備研究や人員育成を行う北京核安保示範中心(核保安模範センター)があることでも知られる。 11 日の山崩れで死傷者や車両への被害は出なかった。 (如月隼人、RecordChina = 8-11-18)


猛暑で養殖ナマコに未曽有の大被害、6.8 トン・112 億円分が死ぬ 遼寧省

遼寧省では猛暑のため、養殖ナマコにかつてない被害が出ている。 ナマコが死にはじめたのは 7 月 23 日ごろで、すでに 6 万 8,000 トン、金額にして 68 億 7,000 万元(約 112 億円)分の損害が出たという。 中国中央電視台(中国中央テレビ)などが 6 日付で伝えた。 遼寧省ではこのところ、猛暑が続いている。 同省では極めて珍しい、最高気温摂氏 40 度以上が観測される場所も出るほどだ。 ナマコは水温が摂氏 30 度を超えると死ぬ割合が急増するという。

遼寧省では 7 月 23 日ごろから、死んでしまう養殖ナマコが目立ち始めた。 同月 28 日には養殖池の水温が 30 度を越えることが多くなり、特に深さ 7 メートル以下の養殖池では大量のナマコが死んで浮かび始めた。 省海洋漁業庁の調べによると、死んだナマコは累計で 6 万 8,000 トンに達した。 損害額を 68 億 7,000 万元とする報道もある。 省当局により養殖家に派遣された専門家が水温を下げることに協力したり、ナマコが死んだ養殖池の殺菌消毒を指導したりしているという。 同省で養殖ナマコにこれほどまでに大きな被害が出たのは初めてという。 (如月隼人、RecordChina = 8-7-18)


負け組に転落する中国の地方都市 高速鉄道誕生 10 年がもたらしたもの

中国初の高速鉄道、北京天津間鉄道が 2008 年 8 月 1 日に開通してから 10 年がたった。この 10 年の間に、中国の高速鉄道の総営業距離は 2 万 5,000 キロにまで増加し、世界の高速鉄道総営業距離の 3 分の 2 を占めるまでになった。

この高速鉄道建設ラッシュにより、中国の中・西部地域の経済情勢にも変化が生まれ、人口・物資・資金の流れは、ひっきりなしに武漢、鄭州、合肥、重慶、成都、西安、昆明などの中西部の中心都市へと集まった。 しかし、この 10 年間をきちんと「清算」してみれば、高速鉄道建設ラッシュによる本当の受益者はその実、大都市・巨大都市であり、中小都市では逆に、産業と人材の流出という現象が顕著になっている。

6 割近い都市で人口が減るサイフォン現象

著名な経済ライターである呉暁波氏は 2018 年 7 月 14 日、中国版の LINE、微信 (WeChat) の個人公式アカウントで発表した文章で、高速鉄道の「サイフォン現象」について紹介している。 このレポートでは、北京と上海を結ぶ「京滬高速鉄道」と上海、武漢、成都を結ぶ「滬漢蓉高速鉄道」の沿線 36 の中小都市に対する影響が研究されている。 そのうち、京滬高速鉄道は北京・天津・上海という直轄市 3 市及び河北・山東・安徽・江蘇という 4 省を経ており、滬漢蓉高速鉄道は上海からスタートし、南京・合肥・武漢・重慶などの都市を経て、終点が成都となっている。

それによると、高速鉄道は中小都市にとって人口集中を助ける役割を果たしてはおらず、58% の都市の人口が減少している。 とくに、山東省の泰安、安徽省のジョ州、江蘇省の昆山、湖北省の荊州、重慶市の豊都、湖北省の天門などは、人口の流出が最も深刻な都市である。

高速鉄道開通後に成長率は下落

GDP 成長率で見ても、高速鉄道開通後、京滬高速鉄道沿線の 50% の都市、滬漢蓉高速鉄道沿線の 60% の都市は、GDP 成長率が所属する省に比べ減少しており、全省平均を下回っている。 さらに注目すべきことに、江蘇省の昆山、安徽省の全椒及び六安、湖北省の巴東などの都市では、高速鉄道開通以前の成長率は全省平均よりも高いレベルにあったが、開通後に全省平均よりも低くなってしまっている。

財政収入が全省財政総収入に占める割合も、京滬高速鉄道沿線の 50% の都市で減少がみられ、滬漢蓉高速鉄道沿線では 70% を超える都市で減少している。 住民の可処分所得に至っては、滬漢蓉高速鉄道沿線の 80% を超える都市で減少がみられ、中でも重慶の合川区・潼南県の減少が最も際立っていて、それぞれ 35%、20% 前後の減少となっている。

歴史に目を向ければ、こうした現象は、実は不思議でもなんでもない。 50 年余り前、日本初の高速鉄道である東海道新幹線が開通したとき、大阪と新幹線沿線の小都市は、「今後は東京の人口・物資・資金の流れを自分たちの都市に引き寄せることができる」と小躍りして喜んだものだ。 しかし、結果は多くの沿線都市にとって大いに失望させられるものだった。 中小都市のみならず、大阪ですら東京の「サイフォン現象」に太刀打ちできなかったのだ。 1970 年代初めから、東京都市圏の人口が急激に増え、一方で大阪都市圏の人口はかえって減少することになった。

3大都市群に集中する中国の新都市構造

中国でも、高速鉄道開通で交通は便利になったが、中小都市の若者や産業の大都市志向をより容易に満たすことができるようになり、これが巨大都市や中心都市の人材・資本を取り込む能力を強め、「強い者がますます強くなる」という状況を生み出している。

香港証券取引所のチーフエコノミストである巴曙松氏はかつて、「高速鉄道ができると、中国の将来の主力都市構造は 3 + 6、すなわち 3 大都市群に加えて六つの主力都市という構造に変化するだろう」と語った。 3 大都市群とは、環北京都市群、環上海都市群、環深セン都市群で、香港と広州は環深セン都市群の中に含まれている。 そして六つの主力都市群とは、南京・合肥・武漢・長沙・重慶・成都である。

先述の呉暁波氏はレポートの中で「(主力都市群には)さらに昆明を加える必要がある」としており、「中国の今後の巨大都市の新構造の形成過程で、高速鉄道が決定的な役割を担うだろう」としている。 (陳言、J-cast = 8-5-18)


中国で狂犬病ワクチン不正製造 抗議の親「子供を返せ」

中国企業が人に使う狂犬病ワクチンを不正に製造していた問題で、ワクチンを接種した子供の親たちの抗議活動が広がっている。 中国は恒例の共産党の重要会議の時期を迎えており、習近平(シーチンピン)指導部は事態の沈静化を急いでいる。

「最後まで責任を取れ! 子供を返せ!」 北京の衛生当局の庁舎前では 1 日朝、子供が不正なワクチンで健康被害を受けたと訴える親ら数十人が集まって当局に抗議した。 参加者の一人で、2 歳の娘が被害を受けたと訴える河南省の何方美さん (33) によると、抗議活動は 7 月 30 日から 3 日連続で続いた。 通りかかった市民から「がんばれ!」などと激励されたという。 海外の中国語メディアによると、山東省でも 7 月 24 日に住民の抗議活動があったとされる。 (延吉 = 平賀拓哉、asahi = 8-2-18)

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中国で子供 21 万人以上に欠陥ワクチンを接種 データ捏造の大手製薬会社会長ら 15 人拘束

【北京 = 西見由章】 中国の大手製薬会社が狂犬病ワクチンの製造過程でデータを捏造していたことが発覚した上、同社の別の欠陥ワクチンが 21 万人以上の乳児らに接種されていたことも判明し、幼児のいる保護者から怒りの声が上がっている。 この会社は多額の補助金を受けていたとされ、批判の矛先は共産党政権にも向かいかねない状況で、習近平指導部は世論のコントロールに苦慮している。

国家薬品監督管理局などによると、ワクチンのデータ捏造を行っていたのは吉林省長春市に拠点を置く製薬会社「長生生物科技」。 内部告発を受けて今月 5 日から調査に入ったところ、狂犬病ワクチンの製造記録や検査記録の数値などが改竄されていたことが判明したという。

さらに同社が販売した百日ぜきなどの混合ワクチンが政府基準に適合していなかったとして罰金処分も公表された。 この問題は昨年 10 月の調査で発覚。 欠陥ワクチンは山東省に 25 万本以上販売され、21 万 5 千人以上の子供が接種を受けたことも今回判明した。 現時点では健康被害は確認されていないという。

警察当局は 24 日までに同社の会長と幹部ら計 15 人を拘束した。 中国メディアによると、同社が昨年政府から受け取った補助金は約 4,800 万元(約 7 億 8 千万円)で前年の 10 倍以上増加していた。 今後、ワクチンの許認可などをめぐる汚職事件に発展する可能性もある。 (sankei = 7-24-18)

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中国の製薬会社、狂犬病ワクチンをリコール 生産記録不正で

中国国家薬品監督管理局が 15 日に発表したところによると、同局が製薬会社の長春長生生物科技に対し抜き打ち検査を行った結果、狂犬病ワクチンの生産記録に捏造が存在するなど、「薬品生産品質管理規範」に著しく違反していたことが発覚した。 吉林省食品薬品監督管理局が同社の違法行為について立ち入り検査を行っている。 国家薬品監督管理局からも監督検査チームが派遣されている。 問題があった製品は市販される前のもので、すでに差し押さえられている。

同社の時価総額は 13 日の 239 億元(約 4,000 億円)から、16 日には 215 億元(約 3,600 億円)となり、24 億元(約 400 億円)も縮小した。 同社によると、吉林省食品薬品監督管理局は同社に対して発行されていた適合認定証を取り消し、同社は狂犬病ワクチンの生産停止とリコールを実施しているという。 医療業界のコンサルタント会社、北京鼎臣の史立臣氏は、「記録の不正といっても範囲は広く、温度や数量、人数などさまざまだが、だいたいコスト削減のために行っているケースが多い」と分析する。

市場調査を行っている中国産業信息網が発表した、2017 年の狂犬病ワクチンの市場シェアによると、長生生物科技を含む 4 社が中国国内市場の 88.63% を占めており、長生生物の 17 年の狂犬病ワクチンの販売量は中国市場の 23.19% を占めていた。 長生生物科技の 17 年度報告によると、ワクチンの販売実績は 1784.7 万人分。 現在、中国国内で狂犬病ワクチンを生産する企業は比較的多く、需要と供給のバランスに影響はないとしている。 (東方新報/AFPBB = 7-19-18)

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