終日在宅勤務の新制度 トヨタ、育児休業者の復帰を支援 トヨタ自動車は、幼い子を育てる社員らを対象に、仕事を一日中自宅ですることを認める新制度を 4 月から始めた。 主に女性の利用を想定し、妊娠・育児中も働き続けやすくするねらいがある。 キャリア形成を後押しすることで、2020 年までに女性管理職数を昨年の 3 倍に増やす計画の達成につなげる考えだ。 終日在宅勤務の対象は、総務や人事などの事務職と開発にかかわる技術職の社員。 妊娠中の女性や、1 歳未満の子を育てる男女が使える。 あらかじめ週当たりの出社日数を決め、少なくとも週に 1 日は 2 時間の出社も義務づける。 仕事がおろそかにならないよう、ベビーシッターを雇ったり、親に面倒をみてもらったりするのが条件で、こうした費用の補助も検討中だ。 在宅勤務制度は従来もあったが、毎日最低 4 時間の出社が必要なため、利用者は限られていた。 育児休業をとって職場を長期間離れると、キャリア向上の妨げになる、との不安を持つ社員も少なくなかった。 このため、終日の在宅勤務も認め、仕事を早く再開できる環境を整えることにした。 終日在宅勤務を導入する大手企業は、日産自動車や NTT データ、損保ジャパン日本興亜などに限られる。 政府の昨年の調査によると、会社などに雇われて週 1 日以上、終日在宅勤務する人は全労働者の 3.9%。 「女性の活躍」をうたう安倍政権は、20 年に 10% に引き上げる目標を掲げる。 (大内奏、asahi = 4-3-15) 1 月は 161 万 8,817 世帯 = 生活保護、最多を更新 - 厚労省 厚生労働省は 1 日、今年 1 月に生活保護を受給した世帯が前月より 621 世帯増えて 161 万 8,817 世帯となり、過去最多を更新したと発表した。 受給者数は前月比 81 人増の 217 万 242 人だった。 受給世帯は昨年 11 月にいったん減少したが、2 カ月連続で増加。 ただし増加率はごくわずかにとどまり、厚労省は「年末に『駆け込み受給』が多かった反動で、1 月の新規受給が少なくなった」と分析している。 (jiji = 4-1-15) ◇ ◇ ◇ 生活保護世帯、過去最多を更新 昨年 12 月、3 千世帯増 昨年 12 月に生活保護を受けていた世帯は、161 万 8,196 世帯だった。 前月より 3,296 世帯増え、過去最多を更新した。 一人暮らしの高齢者の増加などを背景に、昨年 1 年間の月平均は前年の月平均より 2 万 1,589 世帯増えた。 厚生労働省が 4 日、速報値を公表した。 昨年 12 月の受給者数は、前月より 3,388 人増の 217 万 161 人。 最も多かった昨年 3 月(217 万 1,139 人)に次ぐ水準だった。 昨年 1 年間の月平均は、前年の月平均より 6,448 人の増加となった。 受給世帯数は昨年 11 月に 7 カ月ぶりに前月より減ったが、また増加に転じた。 高齢者世帯や母子世帯、働ける世代を含む「その他の世帯」など、全ての世帯類型で増えた。 厚労省保護課の担当者は「景気回復などから伸びは落ち着いてきたものの、増加傾向は続いている」とみている。 (asahi = 3-4-15) 前 報 (12-3-14) マタハラ「直属の男性上司から」 30% 実態ネット調査 マタハラ被害者でつくるマタニティハラスメント対策ネットワーク(マタハラ Net)が 30 日、被害の実態をまとめた「マタハラ白書」を公表した。 インターネットで 1 月に調査し、マタハラ被害を経験した女性 186 人から回答を得た。 企業規模は、社員数 100 人未満が 44% を占める一方、1 千人以上が 28%。 東証 1 部上場企業も 19% あった。 育休などの制度が整った大企業でも起きていることがうかがえる。 マタハラの加害者は、直属の男性上司が 30% と最も多く、男性からが 55% を占めた。 一方、女性から受けた人も約 3 割にのぼった。 人事担当者が加害者のケースも 13% あった。 マタハラ Net の小酒部(おさかべ)さやか代表は今月、米国務省から「勇気ある国際的な女性賞」を受けた。 マタハラ白書は今後、詳しい調査データを盛り込んで出版する予定だという。 「企業に研修の材料として役立ててもらうことを考えている」と話す。 (asahi = 3-31-15)
◇ ◇ ◇ 妊娠・出産・復職後、1 年以内に降格は「違法」 厚労省 妊娠や出産を理由にした嫌がらせであるマタニティーハラスメントをめぐり、厚生労働省は 30 日、妊娠や出産、復職などから 1 年以内の降格や契約打ち切りなどの不利益な取り扱いは、原則として男女雇用機会均等法などに違反すると判断することを決め、公表した。 マタハラをめぐる指導が厳しくなることで、企業は対策を迫られそうだ。 企業はたとえ「本人の能力が低い」などの理由をつけても、妊娠や出産、復職から 1 年以内は、社員にとって不利益な取り扱いは違法とされる。 妊娠前から能力不足について指摘がされ、機会もあったのに改善の見込みがない場合などを例外として示した。 今回の決定のきっかけは、昨年 10 月の最高裁判決だ。 妊娠中に負担の少ない業務に移ったことをきっかけに降格させることは原則違法だとした。 (岡林佐和、asahi = 3-31-15) 前 報 (11-24-14) 健康ならば生涯現役 人材不足で新制度、大和ハウス工業 体が許せば「生涯現役」 - - 定年後も条件次第でずっと働き続けられる人事制度を、大和ハウス工業が 4 月から導入する。 建設現場では人材不足が続いており、高齢者をさらに活用できるようにする。 65 歳の定年後も働き続けることを希望する人のうち、上司の推薦があり、週 4 日勤務できる健康な人を嘱託社員として再雇用する。 給与は月 20 万円で、ボーナスも正社員の半分ほどの支給率で支払う。 契約は 1 年で、更新できる。 初めてになる新年度は対象者の 3 割、9 人が利用。 2016 年度以降は 5 割以上の利用をめざすという。 能村盛隆人事部長は「まだ働きたいという人には、年齢の制約にしばられずに勤務してもらいたい」と話す。 13 年に施行された改正高年齢者雇用安定法に対応し、65 歳までの希望者に働く場を確保している企業は増えているが、年齢を制限しないのは大企業では珍しいという。 厚生労働省高齢者雇用対策課の担当者は「法律で決められている以上の取り組みになり、先進的な事例だ」と話す。(神沢和敬、asahi = 3-28-15) 不当解雇の金銭解決、改革会議が提言 政府は導入検討へ 政府の規制改革会議は 25 日、裁判で「不当解雇」が認められた働き手に対し、企業がお金を払えば退職させることができる「金銭解決」の制度について導入を検討するよう提言した。 これまで何度も政府内で検討されたが、「金を払えばクビにできる」と反対が強く、実現しなかった。 今回の提言を受けて、厚生労働省は導入の検討に入る。 今は会社から解雇された働き手は、裁判で不当な解雇だと認められれば職場に戻る道が開かれる。 だが実際には、企業側が職場復帰を拒み、お金を払って解決するケースが多い。 新制度により不当解雇の金銭解決がルール化されれば、ますます職場復帰への道が狭まる可能性がある。 規制改革会議は提言で、裁判やその後の交渉による解決には時間がかかる、と指摘。 早期解決を図るためには「金銭解決の選択肢を検討すべきだ」としている。 (平井恵美、末崎毅、asahi = 3-26-15) 非正社員にも賃上げ広がる 春闘、正社員上回る上げ幅も
記事コピー (asahi = 1-30-15 〜 3-24-14) 格差問題、地方と都市で賃金や雇用に違いは? 決して広くはない日本だが、新たな仕事の探しやすさや賃金の水準は、地域によって大きくかわる。 厚生労働省によると、2014 年の残業代やボーナスを除く平均賃金は、全国平均で月 29 万 9,600 円となり、前年より 1.3% 増えた。 都道府県ごとにみると、大企業が集まる東京が 37 万 7,400 円とトップで、神奈川、大阪、愛知と「大都市圏」が続いた。 平均賃金が最も安いのは青森の 22 万 6,600 円。 東京より 4 割ほど少ない。 賃金が高い大企業の事務所や工場が少なく、前年より 2.4% 下がった。 春闘では、2 年続けて「ベースアップ」が相次ぐなど賃金は上昇傾向だが、「大企業が多い都市部の上げ幅の方が大きく、地域間の賃金の差が広がる懸念がある(連合幹部)」という。 パートら非正社員の給料と関連する「最低賃金」にも地域差はある。 鳥取、高知、大分、長崎、熊本、宮崎、沖縄の 7 県は時給が 677 円で、トップの東京より 211 円安い。 賃金が低い県に共通するのは働き先が少ないことだ。 仕事を探す人に何人分の仕事があるかを示す有効求人倍率は、今年 1 月で東京が 1.67 倍。 最も低い沖縄は 0.76 倍だった。 都市部との差は縮まりつつあるが、求人は賃金が比較的安い飲食やサービス業などが多く、仕事を見つけられない人もいる。 一方で、地方は家賃や食費などの物価が安く、暮らしやすい面がある。 高速道路や鉄道、空港の整備も進み、豊かな自然にも恵まれている。 インターネットの発達で、地方で暮らしていても様々な分野の最新の情報を知ることもできる。 都会を離れ、ふるさとを含めた地方で就職したり、起業したりする動きも増えている。 民間シンクタンクの日本総合研究所が都道府県ごとに調べている「幸福度ランキング」では、14 年の調査で福井が総合 1 位になった。 持ち家の比率が高く、待機児童がゼロなど子育てにも有利。 正社員の比率が高く、働きやすさなど様々な指標で評価された。 大和総研の鈴木準(ひとし)主席研究員は「地方でも 1 人あたりの生活水準は改善しており、格差が拡大しているとは単純にはいえない」と指摘する。 都市部との差を税金をつかってなくすことも難しいとして「街のコンパクト化など地域ごとに知恵を絞って効率を高めていくべきだ」としている。(多田敏男、asahi = 3-22-15) 大卒内定率、リーマン前水準に 2 月 1 日時点 86.7% 3 月に卒業する大学生の 2 月 1 日時点の就職内定率は 86.7% となり、前年同期を 3.8 ポイント上回ったことが 20 日、文部科学省と厚生労働省の調査で分かった。 4 年連続の改善で、リーマン・ショックの影響が深刻化する前の 2009 年 2 月 (86.3%) を超えた。 文科省は「景気回復を受け企業の求人件数が増えた」と分析している。 調査は全国の国公私立 62 校を抽出し、就職希望者の内定状況を調べた。 大学院などに進学せず就職を希望する学生の割合を示す就職希望率は 76.5% で、2 月時点としては過去最高だった。 調査は昨年 10 月と 12 月に続き 3 回目。 昨年 12 月 1 日時点の就職内定率も 80.3% と高い水準だった。 内訳は、文系が 86.2% で前年同期比 5.0 ポイント増加。 理系は 88.7% で同 2.0 ポイント減った。 男子 85.3% (同 3.1 ポイント増)、女子 88.3% (同 4.6 ポイント増)。 地域別では、北海道・東北地区が 86.4% (同 5.0 ポイント増)となり、2 月時点では過去最高となった。 また厚労省によると、今春卒業する高校生の就職内定率は 1 月末時点で前年同期比 2.1 ポイント増の 92.8%。 5 年連続の改善で、バブル期並みの高水準となった。 (nikkei = 3-20-15) ◇ ◇ ◇ 高校生・就職内定率 92.8% 22 年ぶりの高水準 厚生労働省は 20 日、3 月に卒業する高校生などの就職内定率(1 月末現在)を公表した。 高校生の内定率は 92.8% (前年同期比 2.1 ポイント増)となり、22 年ぶりの高水準となった。 求人数が前年同期より 25% 増加したのが要因と見られる。 ハローワークを通じて就職を希望した生徒の状況をまとめた。 内定率は男子が 94.1% (同 1.7 ポイント増)、女子が 91.1% (同 2.8 ポイント増)。 求人数は約 31 万 2,000 人(同 25% 増)で、求人倍率は 1.8 倍(同 0.31 ポイント増)となった。 求人の産業別では、製造関連で 30% 以上の増加が見られた。 厚労省若年者雇用対策室では「採用意欲の高まりが内定率を押し上げている」と分析している。【東海林智、mainichi = 3-20-15】 ◇ ◇ ◇ 大卒内定率 80% 越え 4 年連続上昇、女子は過去最高 今春卒業予定の大学生の就職内定率は、昨年 12 月 1 日時点で前年同期比 3.7 ポイント増の 80.3% だった。 文部科学省と厚生労働省が 20 日、発表した。 4 年連続の増加で、リーマン・ショックの影響が表れる前の 2008 年 12 月とほぼ同じ水準まで回復した。 大学生のうち、女子は 81.9% (前年度比 4.7 ポイント増)で、1996 年の調査開始以来最高。 男子は 78.9% (同 2.7 ポイント増)だった。 文科省の担当者は女子が好調な理由について「企業が女性を活用する環境を整えつつあり、採用しやすくなっているのではないか」と話している。 学校種別では、国公立が 84.5% (同 2.8 ポイント増)、私立が 78.9% (同 3.9 ポイント増)。 短大は 60.9% (同 2.3 ポイント増)だった。 (高浜行人、豊岡亮、asahi = 1-21-15) ◇ ◇ ◇ 高卒内定率が大幅改善、17 年ぶり高水準 54.4% 来春卒業する高校生の就職内定率は 54.4% (9 月末現在)で、前年同期と比べて 8.8 ポイント増えた。 内定率は 17 年ぶりの高水準となり、これだけの大幅な改善は 1988 年(9.8 ポイント)以来。 景気回復や東京五輪の影響で、製造、建設業を中心に人手不足だという。 厚生労働省が 14 日発表した。 内定率は 2 年連続で上昇し、内定者は 21.2% 増の 9 万 5,960 人。 9 万人台は 2008 年(9 万 8,203 人)以来、6 年ぶり。 企業は 08 年 9 月のリーマン・ショック後、採用を抑えていたが、景気回復で人手不足になり、再び採用を増やした。 求人数は前年同期比 32.6% 増の 27 万 9,900 人だった。 製造業(8 万 4,831 人)が 33.9%、建設業(3 万 8,815 人)は 39.5%、医療・福祉(3 万 6,129 人)は 20.0%、それぞれ前年よりも増えた。 厚労省の担当者は「人手不足だった建設や医療・福祉などの企業は大卒を採用していたが、人手確保のために対象者を高卒に広げている」と話す。 (末崎毅、高浜行人、asahi = 11-15-14) 前 年 (1-21-14) 介護保険料 6 千円超の自治体が 3 割 65 歳以上の月額 4 月に改定される 65 歳以上の介護保険料の見込み額について、政令指定市と県庁所在市、東京 23 区の 74 自治体に朝日新聞がアンケートしたところ、3 割の自治体で基準額が月 6 千円を超すことがわかった。 最高額は大阪市の 6,758 円。 500 円以上の値上げとなる自治体が約 6 割に達した。 高齢者の急増で介護保険の給付費は膨らみ続け、2000 年度の 3.6 兆円から 14 年度は 10 兆円に達した。 今後も保険料の上昇は避けられない見通しだ。 65 歳以上の保険料は、市区町村ごとに決める。 3 年に 1 度改定される。 朝日新聞は 2 月下旬までに、74 自治体に 15 - 17 年度の介護保険料(所得による段階制保険料の基準となる額)を聞いた。 71 自治体から回答があった(回答率 96%、試算段階や議会で議決前の数字含む)。 71 自治体のうち、いまの介護保険料(12 - 14 年度の基準月額)が 6 千円を超す自治体はない。 4 月の改定で、大阪市のほか、和歌山市(6,600 円)、青森市(6,394 円)、東京都港区(6,245 円)、津市(6,200 円)、那覇市(6,150 円)など 21 自治体 (30%) で 6 千円台にのる。 据え置き・減額となるのは 3 自治体のみ。 現在と比べて 500 円以上上がる自治体は 45。 大津市(1 千円)、東京都港区(995 円)、横浜市(990 円)など、約 1 千円の大幅値上げとなる自治体もあった。 (有近隆史、asahi = 3-7-15) パナソニック、一般社員の年功賃金廃止へ パナソニックは 9 日、一般社員の給与体系を 4 月から見直し、仕事の役割や内容に応じて給与を決める新たな制度を導入すると明らかにした。 年功序列の要素をほぼなくし、若手社員のやる気を引き出すのが狙い。 仕事の役割に対応して 3 - 4 段階に分かれた新たな等級を導入する。 ただ実際の給与への反映は 1 年後とし、急な変化を避けるという。 既に管理職については昨年 10 月から、8 段階にわたる新たな等級を導入している。 「理事」や「参事」といったこれまでの呼称に基づく給与体系をやめ、4 月から職責の重さに応じて給与を配分する。 同時に子会社の三洋電機の給与体系も一体化する。 (デイリースポーツ = 2-9-15) 介護報酬、在宅重度者支援に加算 改定案答申へ 介護保険サービスを提供した事業者に払う「介護報酬」について、4 月に改定される各サービスの値段が 6 日、決まった。 特別養護老人ホーム(特養)などの施設は減額する一方、認知症の人や要介護度が重い人の在宅支援を担う事業者への加算は手厚くする。 介護費を抑えるため施設への支出を絞り、在宅でも重度の人向けに重点化する方針が鮮明になっている。 社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)の分科会がこの日、改定案を了承した。 同日中にも塩崎恭久厚労相に答申する。 介護報酬の見直しは 3 年に 1 度だ。 2015 年度当初予算案で、介護報酬全体で 2.27% のマイナス改定と決まった。 施設・在宅のほとんどのサービスで基本サービス費を減額、4.48% 分を下げる。 そのかわり介護職員の待遇改善加算の拡充でプラス 1.65% 分を確保。 月 1 万 2 千円の給料アップを見込む。 また要介護度が重い人への支援に力を入れる事業者などへの加算拡充で 0.56% 分を上乗せした。 (蔭西晴子、森本美紀、asahi = 2-6-15) TDR、契約社員を正社員に 16 年 4 月に希望者全員 東京ディズニーリゾート(TDR、千葉県浦安市)を運営するオリエンタルランドは 4 日、契約社員を 2016 年 4 月 1 日付で正社員にすると発表した。 現在の対象人数は 821 人で、希望者はみな登用する。 人手不足感が強まるなか、賃金など待遇をよくして人材を囲い込む。 契約社員は 1 年ごとに契約を更新しており、施設や店、イベントなどの運営を管理している。 正社員になることで雇用契約の期限はなくなり、賃金は従来の正社員と同じ水準まで上がる。 正社員は現在、約 2,300 人。 16 年度の人件費は十数億円増える見込み。 このほかアルバイトが約 1 万 9 千人いる。 アルバイトから契約社員への登用制度はすでにある。 今回の制度変更に伴い、アルバイトから正社員への直接の登用も始める。 TDR は入園料を 4 月 1 日に値上げする。 増える収入は、アトラクションへの投資のほか、今回の登用も含む人材への投資にもあてる。 (asahi = 2-4-15) フリースクールの支援検討へ 文科省、法改正も視野 不登校の小中学生たちが通うフリースクールへの支援のあり方について、文部科学省は法改正も視野に検討し始めた。 有識者による初会合が 30 日に開かれた。 現在、フリースクールは国の制度に位置づけられておらず、制度化されれば、子どもを学校に通わせるよう親に義務づけた 1941 年以来の政策転換となる。 保護者が子どもに教育を受けさせる就学義務について、現行制度では通い先は小中学校や特別支援学校などに限られ、フリースクールに通わせても就学義務を果たしたとみなされていない。 一方、92 年には不登校の増加を受けて当時の文部省が、フリースクールで勉強した場合も在籍先の校長の判断で出席と扱えるよう通知した。 こうした矛盾した状態が続いてきたため、政府の教育再生実行会議(座長 = 鎌田薫・早稲田大総長)は昨年 7 月、教育制度の中におけるフリースクールの位置づけを検討するよう提言していた。 (片山健志、asahi = 1-31-15) トヨタ、若手に手厚く 工場対象、新賃金制度導入へ トヨタ自動車は 27 日、工場で働く社員を対象に、新しい賃金制度を導入する方針を示した。 年功序列で昇給する部分を今より圧縮し、それを元手に、若手への支給額を手厚くするのが柱。 少子高齢化が進むなか、優秀な若手を確保しやすくするねらいだ。早ければ来年 1 月にも導入する。 経団連主催の「労使フォーラム」で、上田達郎常務役員(労務担当)が明らかにした。 新制度では、子を持つ社員向けの手当などを増額し、子育て世代の若手の月給を引き上げる。 一方、ベテランについては、年齢などに応じて昇給する賃金カーブを今より緩やかな形に見直し、月給の伸びを抑える。 さらに、30 歳前後以降は、上司の査定で決まる部分を拡大。 技能やチームワークなどに応じて、今より月給に差をつける。 これも全体として若手の賃金アップにつながるという。 (大内奏、asahi = 1-28-15) 認知症支援、国家戦略を決定 本人や家族の視点を柱に 政府は 27 日、認知症の人への支援を強化する初の「国家戦略」を正式に決めた。 本人や家族の視点を重視した施策の推進が柱だ。 10 年後には高齢者の 5 人に 1 人が認知症という予測をふまえ、関係省庁が連携して対策に取り組む。 安倍晋三首相はこの日午前に開かれた関係閣僚会合で、「最も速いスピードで高齢化が進む我が国こそ、社会全体で認知症に取り組んでいかなければならない」と話した。 国家戦略の正式名称は「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」。 「団塊の世代」がみな 75 歳以上になる 2025 年までを対象期間とする。 この年には 65 歳以上の 5 人に 1 人、約 700 万人が認知症になるとの推計を提示。 基本的理念として「認知症の人の意思が尊重され、住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会の実現」を掲げた。 (畑山敦子、asahi = 1-27-15) 中学 5 校を 1 つにする町 … 最長 40 分のバス通学 文部科学省が 19 日に発表した公立小中学校統廃合に関する初の実態調査で、全区市町村のうち適正な規模でない学校があるとした自治体は 7 割以上に上った。 同省が 59 年ぶりに統廃合の基準を見直したことに、自治体からは「住民らに説明する際の根拠になる」との声が上がる一方、独自基準を設けていても計画通りに実施されていない地域もあり、統廃合の難しさが浮かび上がった。 ◆ スクールバス 調査結果では、全 1,753 区市町村のうち、管内の小中学校について、「全体として必ずしも適正規模になっていない」、「一部地域に過小規模の学校がある」などと答えた自治体が 7 割を超えた。 このうち、54% が「検討の予定は立っていない」とした。 また、過去 3 年間に実施された統合782 件のうち、検討・結論に要した時間が 10 年以上のケースも 34 件あった。 今春、町立中学校全 5 校を 1 校に統合する群馬県東吾妻町。 中学生は現在 350 人で、1 校の 2 年生が 2 学級であるのを除き、全てが 1 学年 1 学級だ。 隣村と合併する前の旧吾妻町で 2003 年度から統合を検討してきた。 東吾妻町は統合後、9 路線のスクールバスを運行し、生徒に最大 19 キロを 40 分間かけて通学させる。 午前 7 時半から始まる部活動の練習に間に合うためには、同 6 時 40 分に最寄りのバス停から乗る必要がある生徒も出てくる。 住民からは「遠い距離を通わせるのが不安」、「地域がさびれる」と心配する声もある。 5 校の中で最も規模が小さい坂上中学校は、全校生徒が 48 人。 部活動は男子が野球部と卓球部、女子がソフトボール部とテニス部しかない。 昨秋から月に 1 度、5 校合同で部活動をしており、女子テニス部長の 2 年生 (14) は「1 人あたりのボールを打つ回数が少なくなるが、違う相手とラリーをできるのはいい」と話す。 同中の牛木雅人校長 (56) も「少人数だと、人間関係が固定し、上を目指さなくなりがち。 統合することで、部活や学習で刺激し合い、力を伸ばしてくれれば。」と期待する。 町教委は、町内に 5 校ある小学校についても 13 年に「早急に統廃合を推進」との方針を定めており、「中学校の統合が完了した後、小学校の統合も準備を進めないといけない」とした。 ◆ 独自基準 統廃合に関して独自基準を設けている自治体もある。 東京都足立区は 1988 年に、小中とも 6 学級以下で統廃合を速やかに検討し、7 - 11 学級でも統廃合を一つの選択肢として検討すると定めた。 区内では 1960 年代から造成が進んだ団地が多く、住民の高齢化などで小中学生の数はピーク時の半分以下の約 4 万 5,000 人に。 現在の小中 107 校を 2032 年までに 18 校減らす予定だ。 災害時の避難場所でもある学校の統廃合に住民から反対の声もあり、区教委の担当者は、「統廃合が必要と自治体側が判断する場合に、国が定めた基準も同時に示せれば、住民や保護者に理解を求めやすい」と話す。 一方、京都府宮津市は通学時間の基準をバスで「小学校 45 分、中学校 1 時間」と定めてきたが、中学校 1 校を隣町と共同で所管する組合立中学校に統合する計画が進んでいない。 市教委は「現場では 1 時間の通学時間は長く、保護者の不安は大きい」とし、統合の難しさを強調した。 (yomiuri = 1-19-15) 介護現場「賃金に不満」 7 割 労組調査、待遇改善が課題 介護の現場で働く人の賃金は上がる傾向にあるものの、約 7 割はなお金額に不満を持っている。 そんな調査結果を、労働組合「日本介護クラフトユニオン(組合員約 6 万 7 千人)」がまとめた。 他業種に比べて水準が低く、同ユニオンは今年の春闘で月 1 万円以上の引き上げを求める方針だ。 昨年 9 月から 10 月、ユニオンに加盟する施設職員や訪問介護員ら 3,297 人が答えた。 昨年 3 月と 8 月で基本給にあたる所定内賃金を比べると、月給制の人は 8 月が平均 22 万 4,542 円で、3 月より 2,885 円 (1.3%) 増えた。 ただし、「大いに不満」、「少し不満」を合わせると、73.9% が現在の賃金に満足していなかった。 複数回答で不満の理由を聞くと、「社会的な平均賃金より低い (43.4%)」が最も多く、「今の業務量に見合っていない (36.8%)」、「生活していくために十分ではない (29.4%)」が続いた。 染川朗事務局長は「全産業の平均と比べて 7 万円以上低く、待遇の改善は急務だ」と話す。 非常勤職員など時給制の人は、8月が平均 13 万 3,585 円で、3 月から 4,549 円 (3.5%) 増えた。 (佐藤秀男、asahi = 1-18-15) ◇ ◇ ◇ 介護職離れ、負の連鎖 低待遇・負担敬遠で職員減り … 東京都心にある特別養護老人ホーム(特養)は、昨年 9 月から新たな入居者の受け入れをやめた。 11 月からは在宅で介護を受ける高齢者を一時的に預かるショートステイもやめた。 施設長は「介護職員の相次ぐ退職と採用難のダブルパンチ。 入居希望者は大勢いるのに申し訳ない。」と話す。 「心も体も疲れ切り、もう続けられません。」 一昨年秋、30 - 40 代の職員 3 人が相次いで退職したのが職員不足の始まりだった。 この特養では入居者の定員約 60 人に対して常勤とパートなど約 30 人の職員がいた。 3 人がやめた穴をうめるために休日出勤が増えるなど負担が増すと、あとを追うように 1 人また 1 人とやめ、昨年夏までに 10 人余りが退職してしまった。 職員は土日など決まった休みが取りづらく、夜勤も多い。 入居者の体調の変化に気を配り、けがなどをさせないよう、いつも注意していなければならない。 年収は勤続 6 - 7 年の常勤職員で 450 万円ほどだ。 都内の特養でも高いほうだというが、職員を引き留められなかった。 景気が回復するにつれてほかの職種の求人が増え、給料も上がった。 この特養をやめた職員の半数近くは、電気設備会社の営業や小売店の販売など介護と関係のない仕事に転職した。 職員の補充も難しくなっている。 退職者が出るたびにインターネットの求人サイトや新聞広告で募集したが、応募はまったくなかった。 派遣会社などからのべ約 20 人を受け入れたが、介護経験の浅い人が多く、5 人しか残らなかった。 (本田靖明、松浦新、asahi = 1-5-15) 残業代ゼロ、厚労省が骨子案 報告書まとめ国会提出へ 厚生労働省は 16 日、労働時間と賃金を切り離し、「残業代ゼロ」となる新しい制度などを盛り込んだ報告書の骨子案をまとめた。 年収 1,075 万円以上で高い職業能力を持つ人を対象とするが、対象となる業務については今後詰める。 上級管理職以外の働き手を対象に労働時間の規制を外す初の制度となる。 厚労省は近く報告書をまとめ、26 日に始まる通常国会に労働基準法改正案を提出する見通しだ。 労組側は「長時間労働を助長する」と反発している。 骨子案は 16 日の労働政策審議会で示された。 この制度は安倍政権が進める成長戦略の目玉の一つで、「時間で縛られない働き方を希望する働き手のニーズに応える」と位置づける。 (asahi = 1-17-15) 小 1 の黄色い帽子、男女統一 性同一性障害に配慮 福岡 福岡市は新年度から、登下校時の交通安全のため、市立小学校などの 1 年生に配っている黄色い帽子について、形を男女で統一し、前につばがあるキャップ型にする。 これまでは男子はキャップ型、女子はつばが横や後ろまである帽子だった。 性同一性障害などの子どもに配慮して男女の違いをなくすと同時に、サイズも 1 種類にして配布業務を合理化するのが狙い。 市によると、帽子は 1960 年代後半ごろから配り始めたようだ。 男女で別の形にした理由はわからないという。 費用は市が負担し、2014 年度は約 500 万円で予備を含め 1 万 4,160 個を用意した。 市議会の委員会では昨年、男女別の帽子を疑問視する意見が複数出た。 また、市が事務局を務める「市七区男女共同参画協議会」も帽子の形の統一を求める要望書を提出。 性同一性障害の市民の「(男女別の帽子が)苦痛だった」との声も盛り込まれていた。 (山下知子、asahi = 1-15-15) ブラック企業の求人は拒否 若者雇用対策法案まとまる 厚生労働省は、働き手を酷使する「ブラック企業」対策などを盛り込んだ「若者雇用対策法案」の概要をまとめた。 違法行為を繰り返す企業についてはハローワークでの求人を断り、離職者数などの情報を提供することを企業に義務づける。 ただ、効果を疑問視する声も出ている。 ■ 離職者数、提供義務づけ 厚労省は 9 日の労働政策審議会に、法案の柱を盛り込んだ報告書案を示した。 報告書案によると、残業代不払いや長時間労働などで労働基準法に違反したり、セクハラなどで男女雇用機会均等法に違反したりして、行政から繰り返し指導などを受けた企業に対し、新卒の求人をハローワークでは受理しない。 また、就職を希望する学生が求めた場合、職場環境についてのデータを提供するよう義務づける。 具体的には、過去 3 年の採用者や離職者の数、平均勤続年数、育休や残業時間の実績などが想定されている。 ただ、どの情報を開示するかは企業の判断に委ねる。 ハローワークに出す求人票も、よりわかりやすい内容に改める。 例えば、残業代を定額しか払わない「固定残業代」の制度を取る企業は、求人票に「固定残業代には○時間分の残業手当を含む」などとくわしく書くように求める。 (末崎毅 豊岡亮、平井恵美、asahi = 1-11-15) 有給休暇取得、企業に責任 … 時期指定義務づけへ 政府が 26 日召集予定の通常国会に提出する労働基準法改正案の骨子が明らかになった。 企業に対し、従業員がいつ有給休暇を取得するか時期を指定することを義務づけ、確実に取得させることが柱だ。 働き過ぎを防止し、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現を図る狙いがある。 有給休暇は、休んでも賃金が支払われる制度で、勤続 6 か月以上で、定められた勤務日の 8 割以上出勤した従業員が原則として年間 10 日から 20 日間取得できる。 勤続年数に応じて日数は増える。 パート従業員でも、週 5 日以上勤務などの要件を満たせば、取得することができる。 現行の法律でも、企業は従業員に有給休暇を取得させなければならないと定めている。 しかし、従業員が自ら、いつ休むか時期を指定して請求することが前提となっている。 従業員が請求しなければ、企業は有給休暇を与えなくても違法ではなく、取得率が低迷する要因になっている。 (yomiuri = 1-7-15) 有効求人倍率、11 月は 1.12 倍に改善 22 年半ぶり高水準 厚生労働省が 26 日発表した 11 月の有効求人倍率(季節調整値)は前月比 0.02 ポイント上昇の 1.12 倍と、1992 年 5 月(1.13 倍)以来 22 年 6 カ月ぶりの高い水準だった。 医療・福祉や宿泊・飲食サービス業などでの求人が増え、月間有効求人数を押し上げた。 改善は 2 カ月連続で、QUICK がまとめた市場予想(1.10 倍)を上回った。 1 倍台を維持するのは 13 カ月連続で、米リーマン・ショック前の景気拡大期の 2005 年 12 月 - 07 年 10 月の 23 カ月間に次ぐ長さとなった。 一方、雇用の先行指標となる新規求人倍率は 0.03 ポイント低下の 1.66 倍と 3 カ月ぶりに悪化した。 前年同月と比べた新規求人数(原数値)は 4.4% 減少した。 業種別では情報通信業が 14.1% 減、職業紹介や労働者派遣業を含む「サービス業(他に分類されないもの)」が 13.6% 減、建設業が 12.3% 減少。 半面、宿泊・飲食サービス業は 5.9% 増、医療・福祉は 4.9% 増だった。 都道府県別で最も有効求人倍率が高かったのは東京都の 1.64 倍、最も低かったのは沖縄県の 0.77 倍だった。 (nikkei = 12-26-14) ◇ ◇ ◇ 求人倍率、1.10 倍に改善 = 失業率低下 3.5% - 10 月 厚生労働省が 28 日発表した 10 月の全国の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比 0.01 ポイント上昇の 1.10 倍となった。 総務省が同日発表した労働力調査(同)によると、10 月の全国の完全失業率は前月比 0.1 ポイント低下の 3.5% だった。 いずれも 9 月は悪化したが、8 月の水準に戻した。 労働市場に関する指標はここ数カ月、一進一退の動きが続いている。 厚労省は「一部に厳しさが見られるものの、着実に改善が進んでいる」との雇用情勢判断を維持した。 労働力調査では、完全失業者数が前月比 3 万人減の 234 万人、就業者数は 11 万人減の 6,355 万人。女性の就業者数は 9 万人増の 2,744 万人で、1953 年の統計開始以来の最高を更新した。 女性の就業増が失業率を押し下げた。 一方、有効求人倍率は求職者 1 人当たり何件の求人があったかを示す指標。 地域別の求人倍率は、最高が東京都の 1.59 倍、最低は埼玉、沖縄両県の 0.76 倍だった。 産業別の新規求人状況を見ると、医療・福祉が前年同月に比べて大きく増加。 一方、建設業は建設需要の落ち込みで減少し、人材派遣などのサービス業も、前年に消費税増税の駆け込み需要があった反動でマイナスとなった。 (jiji = 11-28-14) ◇ ◇ ◇ 完全失業率、3.5% に改善 有効求人倍率は横ばい 総務省が 30 日発表した 8 月の完全失業率(季節調整値)は、前月より 0.3 ポイント下がり 3.5% だった。 また、厚生労働省が同日発表した有効求人倍率(同)は、22 年ぶりの高水準となった 6 月から 3 カ月続けて 1,10 倍だった。 (asahi = 9-30-14) 非正社員、初の 2 千万人超 女性が 57%、高齢者も増加 総務省の労働力調査で、アルバイトやパート、派遣社員などの非正社員の数が、初めて 2 千万人を超えた。 子育てを終えた女性や退職後に再び働く高齢者が、非正社員の仕事に就くことが多いためだ。 大阪府の大手英会話学校に契約社員として勤める女性 (30) は 4 年前、夫の転勤を機に正社員の仕事を辞めた。 転居先で仕事を探したが、契約社員の仕事しか決まらなかった。 正社員と仕事は同じなのにボーナスはなく、収入は低い。 将来の出産を考えると、育休のとりやすい正社員になりたいと思うものの、社内で正社員になる道は「狭き門」。 かといって、転職も簡単ではない。 「いったん正社員を辞めると、その後が本当にむずかしい」と女性は語る。 (末崎毅、岡林佐和、asahi = 12-26-14) ◇ ◇ ◇ 私は生涯派遣なのか 「期間制限撤廃」改正案に不安 今国会の焦点となっている労働者派遣法改正案に、派遣で働く人たちから「正社員への道が閉ざされる」と不安の声が上がっている。 派遣労働の期間制限を事実上撤廃し、同じ業務で継続して派遣を使えるようにする内容で、業務が派遣に固定化される恐れがあるからだ。 政府は「正社員への転換を促すようにする」と説明するが、経済界の要望に沿った改正案には「企業の使い勝手がよくなるだけ」との批判も。 専門家は「正社員から派遣への置き換えが進む恐れがある」と指摘する。 「キャリアを重ねても、給料も待遇も同じまま。」 20 年以上派遣で情報入力の仕事をしている札幌市の女性 (52) はため息をつく。 現在の時給は 900 円ほどで、2008 年のリーマン・ショック以降は交通費や燃料費も出なくなった。 手取り月収は 11 万円前後だ。 市内の会社で正社員として働いていたが、月 60 時間を超える残業で体調を崩し、派遣で働き始めた。 だが、いつ契約が打ち切られるかわからない。 「不安です。 本当は正社員がいい。 でも、派遣元は派遣先の言うなりで、待遇改善や正社員化を働きかけてくれたことはなかった。」 厚生労働省の 12 年度の調査では、派遣労働者の 6 割が「正社員として働きたい」と回答。 だが、同省の別の調査によると、派遣を受け入れている企業のうち、正社員への採用制度があるのは 28%、過去 1 年間に実際に採用したのは 5.8% にとどまる。 北海道ウイメンズ・ユニオンの大野朋子委員長は「期間制限の撤廃は、現状でも狭い正社員への道をさらに狭める」と指摘。 「撤廃がなぜ『正社員への転換を促す』ことになるのか」と憤る。 (北海道新聞 = 11-9-14) |