感染症の遺伝子検査「数秒で」 新ナノ素材、名大が開発 名古屋大学工学研究科のチームが、新しい遺伝子検査用の素材を開発した。 ごく少量の血液で瞬時に目的の遺伝子を検出できる。 実用化が進めば、細菌による食中毒や感染症などの確定診断が、その場ですぐに正確にできるようになるという。 11 日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に発表した。 感染症などの遺伝子検査では、血液などから DNA を取り出し、原因と思われる一部を増殖して目的の遺伝子を確認する方法が一般的だ。 ただ、増殖には数時間から数十時間を要し、誤差が出る恐れもある。 このため研究チームは今回、DNA を増殖しないで済む新素材を開発した。 1 ミリ角より小さなガラス基板に、太さ約 10 ナノメートル(ナノは 10 億分の1 )の針金でできた「もみの木」が密生したような構造だ。 新素材に血液を一滴通すと DNA の鎖がばらばらになる。 目的の遺伝子を含む DNA 断片は、蛍光色素を含む溶液内で色素と反応することで発見できる。 この技術を応用すると、がん細胞の目印である複数の DNA 断片やたんぱく質も短時間で一度に検出できるという。 馬場嘉信教授は「感染症には、すぐ確定診断をして治療することが必要なものもある。 2 年後には実用化したい。」と話す。 (鈴木彩子、asahi = 6-12-14) 梅毒、都市部の男性中心に拡大 昨年、21 年ぶり千人超 梅毒の患者が増えている。 国立感染症研究所の調べによると、昨年の患者数は 1,226 人で、21 年ぶりに 1 千人を超えた。 今年も 5 月 25 日までで 548 人と、昨年を上回るペースで増え続けている。 性行為で感染するため、疑いがあれば速やかに医療機関を受診し、感染を広げないよう呼びかけている。 都道府県別では、東京が 172 人と最も多く、大阪 71 人、愛知 56 人、神奈川 36 人、千葉 20 人と都市部で広がっている。 患者の約 8 割が男性で、特に 20 - 40 代を中心に増えている。 男性同士の性的接触による感染が多いが、最近は女性にも広がりつつあるという。 国内の患者数は戦後間もないころは 10 万人を超えていた。 その後、治療薬の普及で減り、2001 - 05 年は 500 人台で推移していたが、11 年から 3 年連続で増えている。 (土肥修一、asahi = 6-6-14) 脳の認知機能アップ、軽い運動 10 分で効果 筑波大と中央大などの研究チームは、わずか 10 分間の軽い運動が、脳の認知機能を向上させるとする研究論文を、近く米オンライン科学誌で発表する。 チームは「ジョギングなどができない高齢者でも、軽い運動で脳の機能向上が期待できそうだ」と話している。 チームによると、運動と脳活動の関係はこれまで、少しきついと感じる程度の運動に効果があると確認されていた。 しかし、息があまり乱れない程度の軽い運動の効果の研究は、ほとんど進んでいなかったという。 筑波大の征矢(そや)英昭教授らは、遠赤外線より波長の短い近赤外線を頭部に当てて脳の活動を調べる手法に着目。 19 - 25 歳の男女計 25 人が 10 分間自転車のペダルをこいだ後の脳活動を調べた。 その結果、こいだ後は何もしなかった時と比べて、認知機能に関わる脳内の二つの領域の活動が約 2 倍に増えた。 判断力を調べる実験では、こいだ場合は反応スピードが約 25% 速かったという。 ヨガや太極拳などの軽運動が認知機能の向上に効果がある可能性を示す研究結果で、チームは「今後は軽い運動を定期的に行った場合の効果を調べたい」としている。 (yomiuri = 5-30-14) 混合診療の実施病院、100 カ所超想定 規制改革会議が提言 公的保険が使える診療と保険外の診療とを併用する「混合診療」の拡大案を 28 日、政府の規制改革会議が正式に提言した。 6 月の成長戦略の取りまとめに向けた大詰めの調整では、診療の申請から承認するまでの期間や実施医療機関をどこまで絞り込むかが争点となる。 難病患者が国内で未承認の薬などを使える選択肢を増やすためだが、安全性の確保や保険財政への目配りが求められる。 日本では混合診療は原則として禁止だ。 保険外診療を併用すれば、本来保険がつかえる診療の費用も含めて全額が患者の負担となる。 例外として厚生労働省が認めた技術内容や医療機関に限り、混合診療ができる仕組みがある。 安倍晋三首相は「仕組みを大きく変える制度改革を関係閣僚で協力してまとめてもらいたい」と 4 月に指示し、混合診療を拡大する方針は決まっている。 政府内で意見が違うのは拡大する方法だ。 現行制度では申請を承認して治療に入るまで 3 - 6 カ月かかり、実施できる医療機関も 1 技術で平均 10 カ所と少ない。 規制改革会議は「患者のニーズに応えきれない」と指摘し、患者と医師の合意があれば混合診療が受けられる「選択療養(仮称)」の仕組みを「現行制度に付け加える(岡素之議長)」よう求めた。 厚労省は現行制度の手直しにとどめたい考え。 同省や日本医師会、健康保険組合など医療関係団体は「安全性・有効性が保てるか不安だ」とし、混合診療の拡大にはもともと慎重だ。公的保険の支出がかえって増え医療費が膨らむとも指摘する。 ただ混合診療を拡大したい首相の考えを踏まえて、厚労省内では実施までの期間を 1 - 2 カ月に短縮し、実施医療機関は臨床研究で実績のある 15 カ所の中核病院と、それらが連携する医療機関とする案が浮上する。 連携先も含め百数十カ所程度で実施できるよう見込む。 関係者によると、規制改革会議内では実施までの期間は最短で 2 週間、実施医療機関は数百などとする意見もあったが、28 日には明示しなかった。 厚労省と折り合う余地を残した形だが、医療関係団体の懸念は根強く調整には時間がかかりそうだ。 (nikkei = 5-28-14) ◇ ◇ ◇ 混合診療の拡大、政府が検討 患者の希望で可能に 公的な医療保険が使える診療と、使えない自由診療を組み合わせる「混合診療」について、政府が対象を広げる検討に入った。 高度ながん治療などを担う一部の病院で、重症の難病患者が希望する未承認薬などについて、幅広く混合診療を認める案が軸だ。 対象病院は段階的に増やす方向で、将来の大幅な拡大につながる可能性がある。 今の医療保険ルールでは混合診療は原則できないが、例外的に国が安全性や有効性を確認した一部の先進医療で認める制度がある。 「患者の選択肢を広げるべきだ」と主張する政府の規制改革会議は、医師と患者の合意を条件に対象を大きく広げる新制度「選択療養」を提案。 これを受け、安全性に配慮した案を厚生労働省がまとめた。 厚労省案は今の制度と選択療養の中間的な内容だ。 がんなどの難病を想定するが、病名や治療法は限定せず、個々の患者の希望に沿って実施できる点は選択療養と同じ。 一定数の症例を研究目的で集めないと申請が難しい現行制度に比べ、高度医療の経済的な負担を抑えたい患者のニーズにこたえやすくなるとみている。 (高橋健次郎、石松恒、asahi = 4-17-14) 糖尿病患者、年間 8% が受診中断 失明・突然死の恐れも 糖尿病患者で受診を中断してしまう人は年間 8% で、約 22 万人にのぼるとの推計を厚生労働省研究班がまとめた。 治療を勝手にやめると、自覚しないうちに病気が進んで失明や足の切断、突然死につながりかねない。 研究班はかかりつけ医に向け、中断を防ぐ手引書をつくった。 大阪市で開かれた日本糖尿病学会で 24 日発表した。 全国 11 地域の医師会の協力を得て 2009 - 10 年、生活習慣が原因とされる 2 型糖尿病患者約 2,200 人(40 - 64 歳)を調査。 予定された受診日から 2 カ月の間に来院しなかった人を受診の中断として集計すると 8.2% が該当した。 厚労省の患者調査(11 年)の受診者数にあてはめると約 22 万人になった。 中断の理由は「仕事で忙しい」や「体調がよい」、「経済的に負担」が多かった。 手引書は、多忙な患者への受診時間の配慮や知識の啓発、価格の安い後発医薬品の使用の検討などを勧めた。 電話や郵便物、メールなどで受診を促すのも「有効な手段」とした。 (asahi = 5-25-14) 昨年のエイズ感染・患者、過去最多 年齢別で 30 代最多 厚生労働省のエイズ動向委員会は 23 日、昨年新たに報告されたエイズウイルス (HIV) 感染者とエイズ患者の合計は 1,590 人と過去最多だったと発表した。 感染者は過去 2 番目に多い 1,106 人、症状が出て初めてわかった患者は最多の 484 人だった。 岩本愛吉委員長は「感染から発症まで 8 年ぐらいかかる。 2000 - 08 年ごろに感染者は増えたとみられ、それが反映された可能性がある」としている。 感染経路は同性間の性的接触が 7 割近くを占めた。 年齢別では、感染者は 30 代が最多で 370 人、患者は 50 代以上が最多で 157 人。 感染者と患者の合計人数は 07 年以降、毎年 1,500 人前後で推移。 累計数は 2 万 3,015 人に上った。 一方、保健所などでの検査件数は 13 万 6,400 件と前年よりも約 5 千件増加。 相談件数は 14 万 5,401 件で、08 年の約 23 万件から大幅に減った。 早期に感染を見つけて適切な治療を受ければ、発症を抑えることができる。 だが、例年症状が出て初めて感染に気付く人が 3 割ほどいるという。 (asahi = 5-24-14) カラコン、目に障害負うおそれ 医師「承認基準変更を」 国民生活センターは 22 日、カラーコンタクトレンズ(カラコン) 17 銘柄の安全性をテストしたところ、角膜や結膜の眼障害を起こしやすいものがあることがわかったと発表した。 国の基準を満たさない形のものがあったほか、着色部分がレンズ表面に出ていたりするものも多かったという。 カラコンは厚生労働相の承認が必要な高度管理医療機器だが、着色部に関する基準はない。 同センターは業界に商品の改善を求めるとともに、国にも承認基準見直しなどを検討するよう要望した。 消費者には「リスクを理解し、必ず眼科医の処方に従って選んで欲しい」と呼びかけている。 発表によると、テストは日本コンタクトレンズ学会、日本眼科医会と共同で実施。 インターネット通販サイトや女性雑誌などを調べ、利用者が多いと思われた 17 銘柄を対象とした。 その結果、レンズの直径が承認基準を超えるものが 2 銘柄、湾曲の具合が基準を満たさないものが 5 銘柄あった。 また、着色部分がレンズの表面に確認されたものが 11 銘柄あった。 このうち 9 銘柄はホームページで「着色部分はレンズに埋め込まれており安全」などと宣伝していたという。 さらに各銘柄を 10 人ずつに 8 時間つけてもらい、眼障害の有無を調べた。 その結果、ジョンソン・エンド・ジョンソン社の「ワンデーアキュビューディファイン」を除く 16 銘柄は、使用中止や治療が必要なほど、角膜や結膜の障害が見られる例があったという。 調査に携わった日本コンタクトレンズ学会常任理事の糸井素純医師は「着色の安全性も確認されておらず、承認基準の変更が必要だ」と語った。 メーカーなど 30 社が加盟する日本コンタクトレンズ協会は「対応について加盟社と協議をしている」と話している。 ジョンソン・エンド・ジョンソン社は「消費者の啓発活動に尽力します」とコメントを出した。 カラコンは 10 - 20 代の女性を中心に広く使われている。 全国の消費生活センターには 2009 年からの 5 年間でカラコンに関する相談が 541 件寄せられている。 娘が購入したカラコンについて母親が相談してくるケースが多く、相談事例の契約当事者の半分が 10 代だという。 国民生活センターは17銘柄の詳しいテスト結果をホームページ(http://www.kokusen.go.jp/)に掲載している。 (小泉浩樹、asahi = 5-23-14) AED、探すから「呼ぶ」へ 搭載タクシーをスマホで 心臓が突然止まった人の命を救う自動体外式除細動器 (AED)。 設置する建物は増えているが、いざというときに探したり、運んできたりして時間をロスするおそれは残る。 そこで、タクシーに積んでおいて持ってきてもらおうという取り組みが 7 月、始まることになった。 日本救護救急財団や、スマートフォン向けタクシー配車支援サービスを展開するヘイロー・ネットワーク・ジャパン(東京)など 4 社・団体が協力し、世界初となる実証実験を大阪市で始める。 市内を走るタクシー 50 台に AED を設置。 ヘイローのアプリを使うと近くにいる AED タクシーを探せ、直接呼ぶことができる。 AED の使い方講習を受けた後に同財団に登録した人が対象だ。 呼び出しから AED を使うまでの時間、AED を使われた人の回復具合などのデータを蓄積して効果を検証。 大阪を皮切りに国内外での事業化をめざす。 実験では AED などは無償提供されるが、事業化後はタクシー料金などだれが負担するかが課題になる。(田幸香純、asahi = 5-23-14) ◇ ◇ ◇ AED 使えば救える命がある 街に 10 年、使用まだ 3% 心臓が突然止まった時に使う自動体外式除細動器 (AED) を一般の人が扱えるようになって 10 年。 全国の施設に設置されたものの、心停止で倒れるのが目撃された人のうち、実際に使われたのは 3.7% (2012 年)にとどまる。 医師らでつくる実行委員会が、使用率 5% をめざして啓発活動を始めた。 AED は、04 年 7 月に厚生労働省の通知によって医療従事者以外でも使えるようになった。 これまで一般用に 30 万台が販売され、全国の駅やスポーツ施設などに設置されている。 使用を呼びかけているのは「減らせ突然死〜使おう AED〜」実行委員会。 実行委や総務省消防庁によると、12 年に心臓が原因の心肺停止で救急搬送されたのは約 7 万 3 千人。 そのうち救急隊の到着前に一般の人に目撃されていたのは 2 万 3,797 人で、AED が使用されたのは 881 人だった。 881 人の約 4 割に当たる 365 人が少なくとも 1 カ月間生存し、317 人は社会復帰したという。 (田内康介、asahi = 4-28-14) 内視鏡手術、ガンまき散らす恐れも … 子宮筋腫 子宮筋腫の内視鏡手術で、病変に肉腫などのがんがあった場合、筋腫を切る器具ががんを腹部内でまき散らし、悪化させる恐れがあることが分かった。 日本産科婦人科内視鏡学会(吉村泰典理事長)は 21 日、手術前の検査で悪性の疑いを除外してから、この器具を使うなどの注意点をまとめ、公表した。 過去に手術を受けて心配な女性には、実施した医療機関への相談を呼びかけた。 問題となったのは、腹部に開けた 1.5 センチ程度の穴から挿入、筋腫を切り刻む器具。 国内では年間約 1 万件の手術で使われている。 米食品医薬品局は今年 4 月、この器具の使用を勧めないと通知した。 子宮筋腫手術で摘出した病変から肉腫が見つかる頻度は 0.3% と推計される。 通知の影響で最も普及している米国製の器具の販売が中止になった。 国内の多くの施設では、この器具を使わず、穴を数センチに広げて病変を摘出するなどの手法に切り替えざるを得ない状況だという。 同学会は今後、筋腫に肉腫が見つかる頻度など国内の実態調査を行う。 (yomiuri = 5-22-14) 脳梗塞の悪化抑える物質発見 大阪大など、新薬開発も 脳梗塞(こうそく)を発症したときに脳細胞の損傷範囲が広がるのを抑えるたんぱく質を、大阪大などの研究グループがマウスを使った実験で突き止めた。 まひや意識障害など、脳梗塞の後遺症を抑える新薬の開発につながる可能性がある。 阪大の島村宗尚准教授(健康発達医学)らは、脳梗塞患者の血液成分と症状との関係を調べた海外での疫学データから、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などにかかわる RANKL (ランクル)というたんぱく質に着目。 わざと脳梗塞を起こしたマウスの脳に、発症の 4 時間後に RANKL を直接注入したところ、注入しなかったマウスと比べて、脳の損傷部分の体積が 6 割ほどに抑えられたという。 脳梗塞の時には脳の免疫細胞が周囲の細胞の死を促す物質を出しており、RANKL はその放出を抑えていることも見つけた。 ただ、RANKL は骨を壊す細胞を刺激する働きがあり、骨粗鬆症を起こすおそれがあるという。 島村さんは「新しい治療につながる可能性があるが、投与しすぎないよう検討が必要だ」と話した。 論文は 20 日付の米科学アカデミー紀要に掲載される。 (福島慎吾、asahi = 5-20-14) がん罹患者、年 80 万人超える 35 年前の 4 倍に 1 年間に新たにがんにかかった人は、2010 年の推計値で 80 万人を超えたことが、国立がん研究センターがん対策情報センターの最新統計で明らかになった。 記録が残る 35 年前の約 4 倍で、80 万人を超えたのは初めて。 高齢化の影響が大きいとみられる。 生涯でがんにかかる確率は男性 60%、女性 45% と試算している。 全国の地域がん登録事業を実施している自治体のデータをもとに推計した。 その結果、10 年にがんにかかった人は男性が 46 万 8,048 人、女性が 33 万 7,188 人の計 80 万 5,236 人。 1975 年の計 20 万 6,702 人の約 4 倍だった。 部位別でかかった人が多いがんは、男性が、@ 胃がん、A 肺がん、B 大腸がん、女性は、@ 乳がん、A 大腸がん、B 胃がんで、ここ最近は順位に変化はない。 一方、がんによる死者は 2012 年の人口動態統計によると、男性 21 万 5,110 人、女性 14 万 5,853 人の計 36 万 963 人。 がんで死亡する確率は男性 26%、女性 16% になる。 死亡数が多いがんは、男性が、@ 肺がん、A 胃がん、B 大腸がん、女性は、@ 大腸がん、A 肺がん、B 胃がん、の順だった。 (桜井林太郎、asahi = 5-16-14) 脊髄損傷、酵素で神経細胞が再生 … 京大グループ 体内では再生しないとされる神経細胞を酵素(たんぱく質)の投与で再生させることにラットの実験で成功したと、武井義則・京都大特定助教らの研究グループが 15 日、科学誌サイエンティフィック・リポーツに発表した。 脊髄損傷などの新たな治療法になる可能性があるとしている。 神経細胞は、体の各部位と脳の間で信号をやり取りしている。 脊髄には、神経系の細胞のもとになる神経幹細胞があるが、通常は体外で培養しないと神経細胞に変化しない。 交通事故などで脊髄が傷ついた際、神経幹細胞は患部に集まってくるものの、傷口をふさぐ細胞にしか変化せず、神経細胞にはならないため、信号がやり取りできなくなり、手足にまひが生じる。 グループは、脊髄で神経細胞への変化を抑えている物質を特定。 この物質の働きを止める酵素を、脊髄の半分を損傷させたラットの患部に 2 週間注入し続けた。 すると、投与開始から 1 週間後に新しい神経細胞ができ始め、4 4週間後には後ろ脚で体重を支え、動き回れるようになった。 投与しなかったラットはほとんど動けなかった。 武井さんは「軽い脊髄損傷なら、症状をある程度抑えられるのではないか。 重度の場合も、酵素で再生を促した後、iPS 細胞(人工多能性幹細胞)から作った神経細胞を補えば、より効果的な治療になるだろう。」と話している。 (yomiuri = 5-16-14) 脳卒中の死亡率、高度施設では大幅低下 九州大など調査 脳卒中の患者の死亡率は、高度な治療ができる施設では大幅に低下するという調査結果を、九州大と国立循環器病研究センターなどの研究チームが米科学誌プロスワン(電子版)に発表した。 脳卒中の治療体制が患者に与える影響を全国規模で調べたのは初めてという。 脳卒中は国内で年間約 12 万人が死亡する。 研究チームは、2010 年度に脳卒中患者計 5 万 3,170 人の治療にあたった全国の 265 病院について、血管内治療医などの専門医やリハビリ専門看護師の配置や専門の診断機器の有無など 25 項目で点数化し、五つのグループに分けた。 患者の死亡率を分析したところ、24 時間治療できるなど点数が最も高いグループは、最も低いグループに比べ 26% 低下していた。 後遺症の割合も低かったという。 九州大の飯原弘二教授(脳神経外科)は「脳卒中治療は時間との戦いなので、医療機関を集約化し適正な救急医療体制を整備する必要がある」と話す。 (伊藤綾、asahi = 5-15-14) 夫の右肺を妻の左肺に 京大が世界初の反転移植 京都大付属病院は 14 日、重い肺疾患の 40 代女性の左肺として夫の右下の肺の一部を移植し、成功したと発表した。 左右の肺を逆にした生体肺移植手術は世界初。 空気の通り道の気管支や血管の位置が通常とは違うため、移植する肺や患者の胸の中を 3D プリンターで再現し手順を確認した。 患者の女性は肺の組織が繊維状になる原因不明の間質性肺炎だった。 半年前に急変し、3 月上旬に移植を実施。 女性は 1 日 1 万歩を歩けるまでに回復し、今月 10 日に退院した。 夫も仕事に復帰しているという。 通常の肺移植は左右をそろえる。 今回は夫の左肺が女性にとって小さすぎ、サイズがより大きい右肺だけが移植に適した。 一方、女性の左肺は機能が右の半分に落ちていた。 このため、夫の右肺の一部をひっくり返して女性の左肺にした。 (阿部彰芳、asahi = 5-15-14) 神戸の下痢・嘔吐の集団発生、原因は給食以外か
記事コピー (asahi = 11-27-12 〜 5-12-14) 患者発生地に多数のマダニ 野生動物が持ち込む? マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群 (SFTS)」による死亡者が出た西日本の集落で、30 分間に 100 匹以上のマダニを捕まえたとの調査結果を 10 日、国立感染症研究所が明らかにした。 周辺に出没するシカやイノシシなどの野生動物がマダニを持ち込んだとみられる。 沢辺京子・同研究所昆虫医科学部長は「100 匹は非常に多い。 野生動物が出没する地域は感染のリスクが高い可能性がある。」と指摘。 「昨年の患者数は 5 月が最も多かった。 田や畑で作業するときには、地面に直接座ったり肌を露出したりしないでほしい。」と注意を呼びかけている。 (西日本新聞 = 5-10-14) ◇ ◇ ◇ マダニ感染症、関東・東北でもウイルス確認 厚労省調査 野外のマダニで感染する重症熱性血小板減少症候群 (SFTS) のウイルスが関東や東北、北海道でも見つかったことが 25 日、厚生労働省の研究班の調査でわかった。 これまでに確認されたのは西日本から中部地方までだったが、患者が出たり、抗体が陽性で感染の痕跡があった動物が見つかったりしたところも加えると、計 30 道府県になる。 厚労省は「ウイルスを持ったマダニは国内に広く分布しているとみられる」としている。 SFTS は昨年 1 月、国内初の患者が確認され、その後、次々と発覚。 厚労省によると、患者は九州、四国、近畿地方 13 県で 53 人、うち 21 人が死亡した。 研究班はマダニや動物のウイルスの保有状況を昨年から調査してきた。 岩手、栃木、滋賀など十分な調査ができた 23 道府県すべてでマダニからウイルスが見つかり、シカやイヌに感染の痕跡が見つかったのは宮城、富山、京都など 21 府県だった。 ウイルスは以前から国内各地に存在していたとみられる。 (asahi = 2-25-14) 初 報 (9-21-13) 腸の難病、健康な人の便で治療? 慶大病院が臨床試験 下痢や腹痛などを繰り返し、薬で治らない腸の病気に悩む患者の腸に、健康な人の便を移す臨床試験を、慶応大病院が始めた。 患者の腸内では免疫力を高める細菌などが適切に働いていないが、菌の宝庫である便を移植することで、症状が治まる可能性がある。 人間の腸内には数百種類、数百兆個の細菌がすんでおり、免疫や栄養素の分解などにかかわっている。 しかし、大腸粘膜に潰瘍(かいよう)ができる潰瘍性大腸炎など腸の病気の患者では、細菌の種類も個数も少ない。 慶応大は 3 月下旬、臨床試験の 1 例目となる潰瘍性大腸炎の 40 代男性に親族の便を移す「便微生物移植」を行った。 (岡崎明子、asahi = 5-10-14) 赤ちゃんのアトピー、保湿で予防 続けるとリスク 3 割減 赤ちゃんが生まれた直後から皮膚の保湿を続けると、アトピー性皮膚炎になるリスクを約 3 割下げられるとする研究結果を、国立成育医療研究センターなどがまとめた。 アトピーは乾燥などで皮膚の防御機能が乱れると発症すると考えられている。 新生児のうちから適切な対処をすれば、予防できる可能性が高いという。 京都市で 9 日に開かれる日本アレルギー学会春季臨床大会で発表する。 (岡崎明子、asahi = 5-9-14) 筋力・活力の老化は「フレイル」 学会が命名、予防提言 日本老年医学会は、高齢になって筋力や活力が衰えた段階を「フレイル」と名付け、予防に取り組むとする提言をまとめた。 これまでは「老化現象」として見過ごされてきたが、統一した名称をつくることで医療や介護の現場の意識改革を目指している。 フレイルは「虚弱」を意味する英語「frailty」から来ている。 健康と病気の「中間的な段階」で、提言では、75 歳以上の多くはこの段階を経て要介護状態に陥るとしている。 高齢になるにつれて筋力が衰える現象は「サルコペニア」と呼ばれ、さらに生活機能が全般的に低くなるとフレイルとなる。 米国老年医学会の評価法では、@ 移動能力の低下、A 握力の低下、B 体重の減少、C 疲労感の自覚、D 活動レベルの低下のうち、三つが当てはまると、この段階と認定している。 国立長寿医療研究センターの調査によると、愛知県大府市に住む 65 歳以上の高齢者約 5 千人(脳卒中などの持病がある人を除く)のうち 11% が該当したという。 たんぱく質を含んだ食事や定期的な運動によって、この段階になるのを防いだり、遅らせたりできるとされる。 提言を作成した荒井秀典・京都大教授は「適切に対応すれば、心身のよい状態を長く保つことができるという考えを浸透させたい。 医療や介護の費用の抑制にもつながる。」と話す。 (土肥修一、asahi = 5-8-14)
南アジアなどでポリオ拡大 … WHO 緊急事態宣言 【ジュネーブ = 石黒穣】 世界保健機関 (WHO) のマーガレット・チャン事務局長は 5 日、南アジア、中東、アフリカで小児まひを起こすポリオウイルス感染が急拡大しているとして、「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言した。 WHO は、世界的な流行拡大阻止が急務として、現在、ウイルスが確認されているパキスタン、シリア、カメルーンなど 10 か国で、国外渡航者が出国前にワクチン接種を確実に行うことなどを勧告した。 4 月末に専門家による緊急委員会の電話会合が開かれ、緊急の対応が必要と判断した。 ポリオは一時は撲滅間近とみられたが、今年に入りパキスタンを中心に 70 件以上の感染例が確認され、国境を越えたウイルスの拡散が目立つことも根拠となった。 (yomiuri = 5-6-14) MERS 感染者、米国で初確認 CDC 発表 米疾病対策センター (CDC) は 2 日、中東を中心に感染が広がっている中東呼吸器症候群 (MERS) コロナウイルスの感染者が、米国で初めて確認されたと発表した。 米国で感染が拡大する可能性は低いとしている。 (ワシントン = 小林哲、asahi = 5-3-14) 前 報 (5-29-13) 抗生物質効かない耐性菌、世界各地で拡大 WHO 「極めて深刻な状況だ」 世界保健機関 (WHO) は 4 月 30 日、抗生物質が効かない薬剤耐性菌が世界各地で広がっているとの報告書を発表した。 フクダ事務局長補はジュネーブでの記者会見で「貧困国など一部の国だけでなく、あらゆる国で拡大している。 極めて深刻な状況だ。」と強調した。 報告書は、抗生物質の処方を必要最低限に抑えるよう医療従事者らに忠告。 一般の患者にも、医師が処方した時のみ抗生物質を使用するようにと呼び掛けている。 WHO は 114 カ国からのデータを基に調査、報告書を作成した。 日本やフランス、南アフリカなどでは淋病の治療でセファロスポリン系の抗生物質が効かないケースが確認された。 強力な抗菌薬カルバペネムが効かない肺炎桿菌も世界的に広がっており、一部の国では半分以上の感染者に効かなかったという。 (kyodo = 5-1-14) 毛髪再生の救世主? 資生堂、毛根細胞培養し移植目指す 資生堂は 21 日、毛髪の再生医療の研究拠点を、5 月 1 日付で神戸市に開設すると発表した。 カナダのバイオベンチャーと提携し、毛根の細胞を培養して移植する技術を、2018 年ごろに実用化することをめざす。 「細胞加工培養センター」で、ポートアイランド内の神戸医療産業都市にある賃貸ラボ施設「神戸バイオメディカル創造センター」の一室(約 200 平方メートル)に設ける。 資生堂はここで、昨年 7 月に提携したレプリセルライフサイエンス(カナダ)の技術を活用。 頭皮の一部を切り出して毛根の細胞をとり出し、一定の条件で増やしてから脱毛部分に注入。 毛穴の奥にあり、毛を生み出す「毛包(もうほう)」を、患者自身の細胞で再び活性化させ、毛髪の再生につなげる移植医療を研究する。 神戸医療産業都市では、iPS 細胞(人工多能性幹細胞)を使った世界初の臨床研究が行われるなど、再生医療関連の研究施設が集まっている。 新規医薬品などの承認審査を担う医薬品医療機器総合機構の出張所もあることから、資生堂は神戸を、毛髪再生の新技術を発信する拠点にしたいと期待する。 (下司佳代子、asahi = 4-22-14) 「頭頸部がん」臨床試験 … 中性子照射でがん破壊 放射線を使った次世代のがん治療法「ホウ素中性子捕捉療法 (BNCT)」で、喉頭がんや舌がんといった「頭とう頸けい部がん」に対する世界初の治験(臨床試験)が、川崎医科大(岡山県倉敷市)と京都大原子炉実験所(大阪府熊取町)で始まった。 この療法は、がん細胞を狙い撃ちするため、従来の放射線治療に比べて副作用が少ないとされる。 早ければ 5 年程度で薬事法上の承認を受け、実用化したい考えだ。 点滴でがん細胞にホウ素を取り込ませ、弱い中性子線を当てると、ホウ素が崩壊して放射線を発し、がんを内側から破壊する仕組みだ。 放射線は細胞一つ分程度しか広がらず、正常な細胞は傷つけにくいため、副作用が少ないと期待される。 頭頸部がんは、手術で切除すると会話や食事に支障が出ることもあり、患者は放射線治療を選ぶことが多い。 ただ、従来の方法では正常な細胞も傷つけてしまい、皮膚がただれるなどの副作用が懸念されている。 BNCT の臨床研究では、通常ならがん細胞が減るのに 1 か月かかるところを、2、3 日に短縮できるとの成果がみられるという。 (yomiuri = 4-21-14) 統合失調症治療薬「ゼプリオン」 患者 21 人が死亡 去年秋に発売された統合失調症の治療薬「ゼプリオン」を投与された患者 21 人が死亡していたことが分かりました。 田村厚生労働大臣 : 「数としては多いので、医療機関には認識して頂きながら薬を使って頂きたい。」 東京・千代田区の製薬会社「ヤンセンファーマ」は、去年 11 月に統合失調症の治療薬「ゼプリオン」の販売を始めました。 厚生労働省によりますと、これまでに「ゼプリオン」を投与された 20 代から 70 代の男女 21 人が心筋梗塞(しんきんこうそく)などで死亡したということです。 因果関係は分かっていません。 「ゼプリオン」は国内で 1 万人余りが使っていて、厚生労働省は、投与の際、他の薬との併用を控えるなどの注意を呼び掛けています。 (ANN = 4-18-14) 微量の血液で大腸がん発見 国立がんセンターが開発 早期の大腸がんを数時間で見つける方法を、国立がん研究センターなどの研究チームが開発した。 ごくわずかな血液で調べることができ、従来の方法よりも精度が高い。 数年以内の実用化を目指すという。 研究成果を英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(電子版)に発表した。 センターの落谷孝広・分子細胞治療研究分野長らは、細胞が分泌する「エクソソーム」という微粒子に着目。 大腸がん細胞のエクソソームに特異的に多く含まれる物質を発見し、0.005 ミリリットルの血液からそれをとらえて光らせる方法を開発した。 1 時間半から 3 時間で検出できるという。 大腸がん患者 194 人の血液を調べたところ、約 5 割から検出。 健康な 191 人から検出されたのは、1 人だけだった。 大腸がん特有のほかの物質も特定し、検査の精度をさらに上げることを目指すという。 (伊藤綾、asahi = 4-17-14) 心筋梗塞や脳卒中、MRI で発見 負担少ない検査法開発 心筋梗塞(こうそく)や脳卒中を引き起こす危険な血管内部のふくらみを MRI で見つける新しい手法を、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)と新古賀病院(福岡県久留米市)の研究チームが開発した。 従来の CT での検査より、放射線や造影剤を使わないために体への負担が少なく、繰り返し実施できるという。 同センターによると、ふくらみはプラークと呼ばれ、脂肪などが血管内部でたまったもの。 覆っている膜が破れて脂肪分が血管内に流れ出すと、血管をふさいで血流を止め、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす。 現在は CT を使って検査しているが、放射線で被曝(ひばく)したり、造影剤で吐き気やじんましんなどの副作用が出たりする。 そのため、より体への負担が小さい検査方法が求められていた。 (福島慎吾、asahi = 4-16-14) 子宮破裂で脳性まひ 11 件 出産事故補償制度で報告書 出産事故で赤ちゃんが重い脳性まひになった際の産科医療補償制度で、昨年末までに分析が終わった 319 件のうち、子宮破裂により脳性まひを引き起こしたと考えられる事例が 11 件あったことが分かった。 過去に帝王切開を経験した女性が自然分娩を試みて子宮破裂したケースが目立ち、制度を運営する日本医療機能評価機構は 14 日、報告書を公表し注意喚起した。 報告書は子宮破裂の危険因子として、(1) 帝王切開による出産歴、(2) 子宮を手術した経験がある、(3) 陣痛促進剤の使用 - などを挙げた。 池ノ上克・再発防止委員長は「危険因子がある妊婦の場合は、慎重な対応が必要だ」としている。 (kyodo = 4-14-14) 抗インフル薬タミフル「効果は限定的」 英医学誌など 英医学誌 BMJ と世界の臨床試験を検証する国際チーム「コクラン」は 10 日、抗インフルエンザ薬タミフルを服用しても効果は限定的として、服用基準の見直しを世界各国の政府機関に求める声明を出した。 英オックスフォード大のグループが、タミフルを製造するロシュ社(スイス)から臨床試験の未公開データを入手して分析した。 グループによると、タミフルをのんだグループは、のんでいないグループに比べ、感染して発熱などの症状がおさまるまでの期間が成人では 0.7 日短くなった。 しかし、未成年者の場合は有意な差がみられなかった。 また、成人、未成年者にかかわらず、感染者が肺炎など重症な合併症を引き起こすのを減らす効果も確認できなかったという。 タミフルは、インフルエンザの症状の軽減や予防に効果があるとされる。 新型インフルエンザ対策として、国と都道府県は 2013 年時点で約 5,420 万人分を備蓄している。 (asahi = 4-11-14) 子宮移植して出産、実施を模索 慶大など指針案 子宮がなくても出産を望んでいる女性のために、子宮移植を研究している慶応大などのグループが、国内での実施に向けた指針案をまとめた。 提供者には脳死の人や性同一性障害の人も想定している。 関係学会や患者団体、市民の意見を聞いて指針を完成させ、実施を目指すという。 子宮移植は 1999 年以降、海外で 10 例ほど実施されているが、いずれも出産には至っていない。 国内では慶応大と東京大などのグループがサルで実験を重ね、勉強会を開いてきた。 このグループが中心となって研究会を立ち上げ、指針案を明らかにした。 研究会には日本産科婦人科学会や日本移植学会の理事長も顧問として参加している。 指針案では、移植を受けるのは、子宮が生まれつきなかったり、がんなどの病気で摘出したりした女性を想定。 ただし、卵巣があって、体外受精をする際に自身の卵子が使える場合に限った。 (阿部彰芳、asahi = 4-10-14) 慢性疲労症候群、脳の炎症が関与 理研など解明 ![]() 社会生活が送れないほどの疲労が半年以上も続く慢性疲労症候群 (CFS) は、脳内で起こる慢性炎症が深く関わっていることが分かった。 理化学研究所と大阪市立大の研究グループが 4 日、発表した。 今後、診断や治療法の確立につながる可能性がある。 CFS は、1980 年代に米国で初めて報告された原因不明の病気。 日本では 30 万人以上いると推計される。 特効薬はない上、客観的な数値で表しにくい疲労が症状の中心なので、患者は「怠けている」などといった偏見にも苦しんでいる。 研究グループは、ごく微量の放射線を放つ放射性同位元素を注射して陽電子放射断層撮影 (PET) で追跡する「分子イメージング」と呼ばれる手法を活用。 患者 9 人と健康な 10 人で、脳神経の状態を調べた。 (中村通子、asahi = 4-6-14) 「健康」基準、緩めます 血圧・肥満度など、学会見直し 日本人間ドック学会と健康保険組合連合会は 4 日、血圧や肥満度などについて、健康診断や人間ドックで「異常なし」とする値を緩めると発表した。 国内で人間ドックを受けた人の値を調べたところ、血圧やコレステロールの値がこれまでの基準より高くても「健康」だった。 学会は新基準を 6 月に正式に決め、来年 4 月から運用する予定。 学会は 2011 年に人間ドックを受けた約 150 万人のうち、たばこを吸わずに持病がないなどの条件を満たす約 34 万人を「健康な人」とした。 そこから 5 万人を抽出して 27 の検査項目の値をみた。 その結果、従来は 130 未満を「異常なし」としていた収縮期血圧は、147 でも健康だった。 85 未満が「異常なし」だった拡張期血圧も 94 で健康だった。 (田内康介、asahi = 4-5-14) |