台湾、TPP 加盟に向けて正式申請 中国の反発必至 日本をはじめとする 11 カ国が参加する TPP (環太平洋経済連携協定)に台湾当局が正式に加盟を申請したと発表しました。 台湾の内閣にあたる行政院の報道官は 22 日夜、TPP への加盟を正式に申請したと発表しました。 詳しい理由については 23 日の会見で明らかにするとしています。 TPP を巡っては中国政府が 16 日に正式な加入手続きを行ったと発表したばかりでした。 以前から TPP への参加意欲を示し、中国側に先を越された形となった台湾当局は「加盟申請は台湾が長年努力して進めてきた重要な政策だ」とコメントしています。 ただ、「一つの中国」の原則を堅持する中国側の反発は必至で、台湾と中国の駆け引きが激化するとみられます。 (テレ朝 = 9-23-21) 中国の TPP 加盟申請 狙う影響力拡大、待ち構えるハードル多く 環太平洋経済連携協定 (TPP) への加盟に意欲を示していた中国が正式に加盟を申請した。 アジアでの影響力を高めたい考えだが、高水準の自由貿易ルールを受け入れられるかなど、加盟のハードルは高い。 中国との関係が悪化している加盟国もあり、議長国の日本政府も中国の出方を慎重に見極める構えだ。 「ニュージーランドや他の加盟国との話し合いで進展があったからだ。」 中国商務省がこのタイミングで TPP への加盟を正式に申請した理由を、中国政府関係者はこう説明する。 昨年 11 月に習近平(シーチンピン)国家主席が加盟の意向を表明してから、中国は加盟国への地ならしを始めた。 その一つが、申請の提出先であり、加盟国間で主要な地位を占めるニュージーランドだ。 北京の外交筋によると、加盟に向けた道筋をめぐり水面下で協議を続けてきた。 ロバートソン副首相は 17 日の記者会見で「参加を希望するどんな国も歓迎する。 関心を示したのは中国だけではない。」と語った。 さらに申請に先立つ 13 日には、王毅(ワンイー)国務委員兼外相がシンガポールを訪問。 バラクリシュナン外相から「TPP 加盟への関心を歓迎する」との言質を引き出した。 中国は TPP 加盟を通じて、TPP を離脱した米国のアジアでの存在感が低下するなか、経済圏の拡大とアジア太平洋地域での影響力を強める狙いがある。 だが、待ち構えるハードルは多く、そもそも交渉を始められるかも見通せない状況だ。 TPP 加盟に向けた条件交渉を始めるには全加盟国の合意が必要だが、中国は加盟国であるベトナムとは領土問題、オーストラリアとは通商摩擦を抱える。 豪メディアによると、テハン貿易相は 17 日の声明で、中国との間に「閣僚級の協議で解決すべき問題がある」と強調。 2 国間の貿易問題が解消されなければ、加盟の交渉入りには応じないとの立場をにじませた。 「新規加盟国が高い水準の規制を順守すること」などを確認したいとも述べ、名指しこそ避けたものの中国に釘を刺した。 TPP の高い自由化の水準を、中国がクリアできるかも懐疑的な見方が強い。 TPP の協定では、国有企業と他の加盟国の企業を差別してはならないとするが、中国は国有企業に補助金を投じるなど様々な形で優遇。 政治と経済が密接不可分の政治体制のもとで、国有企業の改革も容易ではない。 さらに、協定に盛り込まれた、ビジネスにおけるデータの自由な移動をめぐっても、中国は安全保障を理由に移動を制限する関連の国内法を次々に制定した。 協定で外国企業を差別しないと定める政府調達についても、中国は IT 製品や医療機器などで国産品を採用するよう各地方政府に内部通達を出していたことが明らかになっている。 強制労働禁止や団体交渉権、結社の自由などが協定で掲げられていることも、中国にとってはネックとなりそうだ。 一方、こうした点について中国政府系シンクタンク「全球化智庫」の王輝耀理事長は「いずれも大きな問題ではない。 国有企業の改革も前進できる。 加盟国とともに話し合いを始めるべきだ。」と説明。 中国政府関係者は「交渉しなければ何も進まない」として、話し合いの中で解決策を見いだす考えを示した。 (北京 = 西山明宏、シンガポール = 西村宏治) 日本、意図見極め 米国は復帰困難 中国の加盟申請を受け、日本では 17 日、関係閣僚から交渉入りに慎重な意見が相次いだ。 加藤勝信官房長官や西村康稔経済再生相は 17 日の会見で「極めて高いレベル(のルール)を満たす用意があるのかどうか、見極める必要がある」と強調。茂木敏充外相も、すでに交渉入りが決まっている英国の手続きが先行するとの見方を示した。今後、ほかの加盟国とも協議し、対応を慎重に判断する考えだ。 TPP にはもともと、中国を牽制し、日米でアジアの通商ルールづくりを主導する狙いがあった。 ところが、肝心の米国がトランプ前政権時代に離脱。 その隙を突くように加盟申請に踏み切った中国の狙いについて、外務省幹部は「TPP 加盟国との個別の対話のチャンネルをつくり、米国などを揺さぶる意図があるのではないか」と警戒する。 実際、いまの米バイデン政権には、国内世論が激しく割れる TPP への復帰を打ち出すのは難しく、身動きが取れない状況にある。 米国のサキ大統領報道官は 16 日の記者会見で「当初推進されていたような形では TPP に復帰しない、というバイデン大統領の姿勢はずっと明確だ」と話し、当面 TPP への復帰は難しいとの考えを示した。 (若井琢水、相原亮、ワシントン = 青山直篤、asahi = 9-18-21) 英国 TPP 加盟交渉開始 日英担当相会談 環太平洋経済連携協定 (TPP) への加盟を申請している英国は 22 日、加盟国との交渉を始めた。 議長国を務める日本の西村康稔経済再生相とトラス国際貿易相は同日、テレビ会議形式で会談。 近く作業部会を設け、加盟 11 カ国との交渉を本格化させることを確認した。 会談で、西村氏は「他の加盟国とともに、加入手続きを精力的かつ秩序だって進めていく用意がある」と表明。 トラス氏は「英国全体が TPP によって大きな利益を受ける」と述べ、改めて早期加盟に意欲を示した。 会談に先立ち、英国は 21 日、TPP への加盟で、加盟国への輸出が 2030 年までに 65% 増えるという見通しを示した。 特に自動車やウイスキー、農産物の輸出増をめざしたい考えだ。 英国にとって、いまは TPP 加盟国との貿易額は全体の 1 割ほどだが、加盟を通じてアジア太平洋地域への貿易拡大をめざす。 TPP には、タイや台湾も関心を示しており、英国が加盟すれば拡大に弾みがつく可能性がある。 (和気真也 = ロンドン、新宅あゆみ、asahi = 6-22-21) 12 月 30 日、TPP が発効 5 億人の自由貿易圏に TPP = 環太平洋パートナーシップ協定が日本時間の 30 日午前 0 時に発効しました。 新たな自由貿易の枠組みがスタートします。 TPP には 11 か国が参加していますが、まず、手続きが完了した日本をはじめ、オーストラリアやカナダなど 6 か国でスタートします。 TPP の枠組みは参加 11 か国で合計すると、人口は 5 億人、GDP = 国内総生産で世界全体の 13% を占める巨大な自由貿易圏となります。 工業製品や農産品の関税が撤廃、もしくは段階的に引き下げられるなど新たなルールが導入され、日本にとっては自動車輸出で有利になったり、輸入される牛肉などの農産品の価格が安くなるメリットなどがあります。 日本としては今後、TPP への加盟国を増やし、この自由貿易圏を後ろ盾に年明け以降、本格化するアメリカとの貿易交渉を優位に進めたい考えです。 (TBS= 12-29-18) TPP 年内に発効へ 6 カ国目のオーストラリアが批准 茂木敏充経済再生相は 31 日、米国を除く環太平洋経済連携協定 (TPP11) が今年 12 月 30 日に発効すると発表した。 オーストラリアが31 日に批准し、発効に必要な過半数の 6 カ国で国内手続きが終わったためで、太平洋を取り巻く巨大経済圏が誕生することになる。 TPP11 は 6 カ国が批准してから 60 日後に発効する。 6 カ国目となる豪州の批准を受けて記者会見した茂木氏は、「自由で公正な 21 世紀型の新たなルールが確立され、世界に広がっていくという強いメッセージの発信になる」と発効を歓迎。 トランプ米大統領が米国第一主義を掲げ、保護主義的な通商紛争を仕掛ける中、TPP11 の発効は自由貿易推進の世界的な追い風になるとの見方を示した。 (又吉俊充、asahi = 10-31-18) 米抜きの TPP 早期発効へ、協議継続 11 カ国閣僚会合 米国を除く環太平洋経済連携協定 (TPP) の参加 11 カ国による閣僚会合が 21 日、ベトナム・ハノイで開かれ、米国抜きの TPP の早期発効に向け、11 月のアジア太平洋経済協力会議 (APEC) の首脳会合に向けて協議を続けることで一致した。 マレーシアなど米国抜きの発効に慎重な国があり、採択した共同声明には、11 カ国による発効をめざすという明確な表現は盛りこまなかった。 共同声明では、「TPP の恩恵を実現することの価値について合意した」としたうえで、「早期発効に向けた選択肢を検討する手続きを始めることで一致した」と明記した。 各国は、11 月にベトナム・ダナンで開かれる APEC 首脳会合までに、この検討作業を終えることで合意した。 参加国は、現在の TPP の枠組みをさらに拡大する構想についても確認したという。 (ハノイ = 五十嵐大介、asahi = 5-21-17) 日米、米国の TPP 離脱を踏まえ、2 国間通商議論へ 【ワシントン】 安倍晋三首相とトランプ米大統領は 10 日、米国の環太平洋連携協定 (TPP) 離脱を踏まえ、通商分野の関係強化に向け「2 国間の枠組み」を含めて議論することで合意した。 首脳会談後の共同声明に明記した。 財政・金融政策、インフラ投資への協力と合わせた包括的な 3 分野を設定し、麻生太郎副総理兼財務相とペンス米副大統領が主導して対話を進める。 日本側によると、為替政策はこの対話と別に通貨当局間で協議することにした。 声明は米国が意欲を示す日米自由貿易協定交渉入りを排除しない半面、市場開放要求を警戒してTPPのような多国間協定を重視する日本の立場も記した。 (kyodo = 2-11-17) 「TPP 離脱」にアメリカの農業団体が反発 輸出の先行きを懸念 [シカゴ] トランプ米大統領が環太平洋連携協定 (TPP) からの正式離脱に関する大統領令に署名したことに国内農業団体が反発し、アジア諸国への農産物輸出押し上げに向けた代替策を示すよう新政権に求めている。 不振が続く米国の農業セクターはこのところ輸出への依存度を高めていたが、TPP からの離脱を受けて先行きを懸念する声が強まっている。 米大豆協会のロン・ムーア代表は「TPP はわれわれにとって非常に有望で、ここ数年の優先課題だった。 離脱には大いに失望している。」と語った。 農業全般の不調が続く中、大豆は好調ぶりが際立っており、経済成長に対してもプラスに寄与している。 ただ、堅調な大豆相場を支えているのは主に海外需要だ。 農務省は 2016 - 17 年の大豆輸出が過去最高の 20 億 5,000 万ブッシェルに達すると予想している。 米国は農産物の純輸出国で、TPP に参加する 11 カ国への輸出は 15 年に 617 億 3,500 万ドルに上った。 オバマ政権は TPP の発効によってさらに輸出が増えると見込んでいた。 チャールズ・グラスリー上院議員(共和党)は、トランプ氏が TPP の代わりに諸外国と個別に貿易協定を結ぶ意向を示唆していると明らかにした。 ただ、2 国間協定の交渉は何年もかかる可能性があると指摘。 「簡単ではない。 日本が最優先だ。」と述べた。 中国めぐる懸念 国内農家や業界団体は、米国の TPP 離脱によって諸外国の中国へのアクセスが拡大することを懸念している。 米飼料産業協会のジョエル・ニューマン最高経営責任者 (CEO) は「(アジア太平洋)地域の競争激化と、米国を除外した新たな貿易協定によって米飼料業界は輸出の機会を失っている」と強調した。 米食肉輸出協会は、トランプ政権に貿易改善に向けた方策の具体案を示すよう求めた。 同協会のフィリップ・セング CEO は「われわれの業界が国外の顧客の需要に引き続き応じ、輸出機会をさらに拡大できるよう、新政権にはあらゆる可能な手段を使って米国を競争力のある地位に復活させることを求める」とした。 同協会の報道官は、TPP が発効していれば米国の食肉輸出は日本とベトナムで最も伸びた可能性があると指摘。 「アジア太平洋地域へのアクセスは牛・豚肉業界双方にとって極めて重要」とした。 (Reuters = 1-25-17) |