新料金で「10 - 30 代取り込む」 ソフトバンク副社長

ソフトバンクの榛葉淳副社長は 22 日、朝日新聞のインタビューに応じ、無料通信アプリ「LINE」と組んだオンライン専用の新たなブランド「ソフトバンク on LINE」で、競合他社からのユーザー獲得を強化していく意向を明らかにした。 榛葉副社長は、若者の LINE の利用頻度が高いことを念頭に、主なターゲットについて「10 - 30 代の(IT に慣れ親しんで育った)デジタルネイティブだ」と語った。

新ブランドは、格安スマホの LINE モバイルと違い、ソフトバンクと同じ通信回線を使い、通信品質の良さが売りだ。 さらに、他の携帯会社の利用者でも LINE 上の手続きで手軽に申し込めるため、顧客獲得のハードルが下がりそうだ。 「(LINE の)月間利用者は 8,600 万人。 訴求の仕方を工夫し、今後取り込み策を検討したい。」と話した。 また、今後主流になっていく通信規格「5G」についても、「5G 通信網でナンバーワンを目指す」と表明。 現行「4G」の電波を 5G に転用する制度を使って通信エリアの拡大を急ぐ。 携帯料金の値下げで減収が見込まれるが、「通信の一本足打法ではなく、(傘下の)ヤフーや LINE、ゾゾなどとの相乗効果も出していく」と述べた。 (井上亮、asahi = 12-22-20)


ドコモ、5G プランを 1 千円値下げ メインブランド初

NTT ドコモは18 日、高速移動通信方式「5G」の大容量プランの料金を 1 千円下げると発表した。 来年 4 月から月 6,650 円とし、データ容量は現在の 100 ギガバイト (GB) から無制限に変える。 いま主流の「4G」の大容量プランも値下げするが、料金差はほぼなくなり、5G への移行を加速する狙いだ。 菅政権の発足以来、大手 3 社で既存のメインブランドの値下げを発表したのは初めて。 ライバルの 5G 大容量プランより約 2 千円安くなる。 KDDI (au) とソフトバンクはドコモの出方を踏まえて対抗する方針で、今後メインブランドでも値下げ競争が本格化する可能性がある。

ドコモの今の大容量プランは、5G がデータ容量 100GB で 7,650 円、4G は 30GB で 7,150 円。 4G については、60GB に増やした上で 600 円下げ、6,550 円とする。 5G と 4G いずれも、データ使用量が月 3GB 以下だった場合には、自動的に 1,500 円割り引く仕組みも入れる。 ドコモは今月 3 日、20GB で 2,980 円の新プラン「アハモ」を発表。 若者を狙い、手続きはネットのみとした。 今回のプランは全国のドコモショップでも受け付ける。 アハモと違い家族割引も適用される。 (asahi = 12-18-20)


au、ドコモの ahamo に対抗 「必ず満足いただける」

KDDI (au) とソフトバンクは 9 日、自社のブランド間で料金プランを変更する時に課す手数料を来年 2 月以降に撤廃すると発表した。 武田良太総務相が問題視したため対応した。 また、KDDI の東海林崇副社長は同日、NTT ドコモが発表した低料金の新プランに対抗する意向を明らかにした。 KDDI とソフトバンクは、データ通信が大容量中心で料金が高めのメインブランドから小容量中心の割安ブランドに契約を移すとき、他社に乗り換えるのと同様の手続きが必要。 手数料も最大で 1 万 5,500 円かかる。 KDDI は来年 2 月、ソフトバンクは来春からこれを原則無料とする。

武田氏は、自社内での料金プランの変更にもかかわらず、手数料を設定している両社に対し、「高いプランに囲い込んでいる」と批判してきた。 ドコモもこの発言を意識し、既存のプランから新プランに移る時の手数料を無料に設定した。 武田氏は 9 日、消費者庁と公正取引委員会を担当する井上信治・消費者担当相と、携帯値下げに向けた大臣会合を開き、「改革は道半ばだ」と強調。 消費者庁は、携帯大手が新たに提供するプランを含め、料金などに関わる広告を総点検を始め、問題があれば指導する。 3 省庁の局長級職員でつくる検討チームでさらなる対応を議論するという。 井上氏は「消費者のためにできることはすべてやる」と述べた。

また、KDDI の東海林氏は 9 日にあった新サービス発表会で、「必ずお客様にご満足いただけるものを出していきたい」と述べ、ドコモの新プランに対抗していく考えを明らかにした。 ドコモが 3 日に発表して以降、ライバル社が値下げ対応について言及したのは初めて。 「これから詳細を詰める」として具体策には触れなかったが、ソフトバンクも対抗策を検討しており、値下げ合戦がさらに続きそうだ。 ドコモの新プラン「ahamo (アハモ)」はデータ容量 20 ギガバイトで税抜き月 2,980 円。 KDDI が割安ブランドから出す低料金プランより、通話料を含めると約 1,500 円安い。 東海林氏はドコモのプランに対し、「市場に対して一定のインパクトはある」との認識を述べた。

また、KDDI が 9 日発表した高速移動通信方式「5G」の新プランでは、ネット上で「わかりにくい」などと批判の声が相次いだ。 同社に限らず、携帯大手の料金プランは家族割引やネット回線とのセット割引、学割など、複数の条件を満たして初めて安くなることが多い。 同社の新プランは「月 3,760 円〜」と手頃感を強調しているが、条件を満たさず何も割引が付かないと 9,350 円かかる。 今後は、よりわかりやすいプラン設計にすることも問われそうだ。 (井上亮、asahi = 12-9-20)

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ドコモ、20GB で 2,980 円の新料金プラン 3 月から

NTT ドコモは 3 日、データ容量が 20 ギガバイト (GB) で月額 2,980 円(税別)の新料金プラン「アハモ」を来年 3 月に始めると発表した。 乗り換えなどにかかる手数料は無料とする。 若年層をターゲットにし、契約の手続きはネット上で受け付ける。 1 回あたり 5 分以内の無料通話も含まれ、海外 82 の国・地域でも 20GB までは追加料金なしでデータを利用できる。 また、従来の料金プランは、データ使用量に応じて細かく課金する仕組みを入れる方針。 今後、KDDI やソフトバンクは対抗値下げを検討するとみられ、価格競争が進みそうだ。 (asahi = 12-3-20)

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ドコモ料金値下げへ 大容量プラン、割安ブランドも新設

NTT ドコモが携帯電話の料金を値下げする方針を固めた。 データをたくさん使う人向けの大容量プランの値下げを検討している。 メインブランドとは別に、これまではなかった割安ブランドも新たに設ける方向だ。 週内にも発表する。 KDDI (au) とソフトバンクがすでに発表した値下げの対象は、もともとあった割安ブランド。 メインブランドの値下げは見送っていたが、ドコモに追随する可能性がある。

ドコモには、月 7 ギガバイト (GB) まで使った分だけ 4 段階で料金が上がるプランと、30GB までの定額プランの二つがある。 これをデータの使用量に応じて課金する体系に改める。 30GB なら現在は税抜き月 7,150 円だが、これより安くなる。 割安ブランドでは、データ容量 20GB で 3 千円前後のプランを検討する。 KDDI とソフトバンクは 20GB で 3,980 - 4,480 円のプランを発表しており、これより安くなる。 手続きはネット上で利用者自ら行ってもらうことを基本とする。 菅政権は携帯料金の値下げを各社に要求。 担当閣僚の武田良太総務相は、利用者が多いメインブランドでの値下げを求めていた。 (井上亮、asahi = 12-1-20)


携帯料金、サブブランドのみの値下げは「羊頭狗肉」 武田総務大臣が批判

武田良太総務大臣が、11 月 20 日の会見で携帯料金値下げについて言及した。 政府の携帯料金値下げの要請に応えるべく、ソフトバンクは「Y!mobile」、KDDI は「UQ mobile」のサブブランドで、4,000 円前後の 20GB プランを発表。 これらは安価な大容量プランに位置付けられる。 武田氏は 10 月 30 日の会見で、サブブランドの新プランを契機に「事業者、ブランド問わず、利用者にとって魅力的な料金・サービスの選択肢が新たに出てくることは間違いない」と期待を寄せていたが、肝心のメインブランド(ソフトバンク、au)で値下げをしないことは「問題」とした。

「コロナ禍で地域経済が停滞する中で、家計の負担を考えたときに、携帯料金が下がったことを利用者の方が実感していただかないと、まったく意味がない。 アクション・プラン発表後、サブブランドによる割安なプランが発表されて、確かに選択肢は増えたが、多くの利用者が契約しているメインブランドについては、まったく新しいプランは発表されていない。 これが問題。(武田氏)」

武田氏はさらに「羊頭狗肉という言葉が適切かは分からないが、『いろんなプランを作りました。 後は利用者の方々次第ですよ。』というのはあまりにも不親切ではないか。 形だけが割安なプランが用意されたのではまったく意味がない。」と批判した。 携帯の料金プランについては「分かりにくさ」が問題点に指摘されていることもあり、「特にお年寄りについては、もっと分かりやすい丁寧なやり方を自ら考えてしかるべきだ」とした。

武田氏は「全てのみなさま方が低廉化の恩恵を享受するためには、事業主(キャリア)の皆さんにも協力してもらわないといけない」と話し、メインブランドでも値下げをすべきとの考えを示した。 携帯料金の低廉化についてはモニタリングを継続し、負担軽減が進まなければ、「さらに一歩踏み込んだアクション・プランを作る準備をしている」と予告した。 (田中聡、ITmedia = 11-20-20)


政府の料金値下げ要請対応で UQ とワイモバが月 20GB のプランを用意

先週は、Y!mobile と UQ mobile が政府の料金値下げ要請に対応した、月 20GB の新プランを発表。 総務省が公表した国内外の料金比較に月 20GB のデータがあったことから、今回の新プラン登場につながったものと思われる。 なお、日本については「サブブランドを含む」数値になっているのがわかる。

Y!mobile は、12 月下旬に「シンプル 20」の開始を予定。 月 4,480 円(以下、すべて税抜)で月 20GB までのデータ通信と 1 回 10 分までの通話定額がセット。 超過後は最大 1Mbps で利用可能。 既存プランと異なり、新規契約や家族割引、固定回線セットなどは一切無し。 ずっとこの料金で使えるというシンプルさも特長となっている。

一方の UQ mobile は、既存プランの「スマホプラン S/R」に月 20GB で月 3,980 円の「スマホプラン V」を追加。 来年 2 月以降に開始を予定している。 超過時は最大 1Mbps、通話定額はオプション(月 500 円で最大 60 分、月 700 円で 1 回 10 分まで、月 1,700 円でかけ放題)、家族で複数回線契約時は「UQ 家族割」として、2 回線目以降は月 500 円引きになるのも同じ。 従来の月 10GB のプランに 1,000 円プラスで月 20GB のプランが用意される形。 通話定額がオプションなのも同じ。

両社が月 20GB の料金を用意した背景として、政府からの携帯料金値下げの要請とともに、総務省が 6 月に公開した「電気通信サービスに係る内外価格差調査」という調査結果がある。 この内容では月 20GB のプランで、世界主要 6 都市の間での東京での高さが紹介されており、これに対応したものと思われる。 実際に KDDI のリリースにも「本プランは、お客さまニーズ、市場環境、政府の要請を踏まえ、国際的に比較しても遜色のない料金水準」といった文面がある。

また、一般に Y!mobile や UQ mobile が「サブブランド」と呼ばれる一方で、ソフトバンクは「ダブルブランド戦略」、KDDI は「マルチブランドで提案していきます」といった表現を用いることで、両社の主要なブランドであることを示している。 今後は 12 月に新体制に移行するドコモが、どういう戦略でこれらのライバルに対抗するプランを提供するかに注目、と言える。 (オカモト、ASCII = 11-1-20)


ソフトバンク、携帯乗り換え手数料撤廃へ 店頭手続きも

電話番号を変えずに携帯会社を乗り換える「番号持ち運び制度 (MNP)」の手数料について、ソフトバンクが撤廃を考えていることが 24 日わかった。 今は税別 3 千円かかる。 ネットで手続きする際は無料とする方向を総務省の有識者会議が 23 日示したが、店舗での手続きも含めた手数料ゼロを、独自に検討している。 手数料は、乗り換えのシステム費用などとして徴収している。 当初は 2 千円、今は 3 千円かかり、乗り換えを妨げて各社の競争を阻害しているとの声がある。

有識者会議は 23 日の報告書で、システム費は回収済みのはずと指摘。 オンライン手続き時は無料に、人件費のかかる店舗では上限 1 千円にする方針を示した。 関連指針を年内にも改定する。 ソフトバンクは 1 千円分もなくすことを考えており、NTT ドコモと KDDI (au) も検討を迫られそうだ。 総務省は 27 日にも手数料原則無料化などの競争促進策をまとめる。 各社は今後対応を示し、値下げの具体策も公表する見通しだ。 菅政権は携帯 3 社に自発的な料金値下げを求めている。 利用者が乗り換えしやすくする環境も整え、競争を促す方針。 (井上亮、asahi = 10-24-20)


ドコモ、大幅プラン改定か 携帯値下げで難局、格安流出も懸念

菅義偉内閣が求める携帯電話料金の値下げについて、ソフトバンクが 5,000 円以下の新プラン創設を検討していることが明らかになるなど、携帯各社による対応が大詰めを迎えている。 政府の要請に応じつつ、できる限り売り上げに影響がでない手段を模索するが、悩ましいのは、ソフトバンクのような新プランを導入する余地が乏しい NTT ドコモだ。 他社のような格安スマートフォンブランドもなく、大幅な料金プラン見直しが必至の状況だ。

ソフトバンクが検討するのは、利用者が多い 20 ギガ - 30 ギガバイトの大容量で月額 5,000 円を下回るプランの新設だ。 現行の料金体系では、各種の割引や音声通話料を除いて 50 ギガバイトで月 7,480 円(税別)があるが、そこまでの大容量を必要としない利用者にとっては選択肢が増えることになる。 同社にとっても高価格帯のプランを残すことで、売り上げの落ち込みを最小限に抑えられる利点がある。

料金プランの新設は、厳密には政府が求める "値下げ" ではない。 ただ、利用者負担の低減には寄与する。 また、政府は 20 ギガのプランで比較して主要国よりも「高額」と指摘しており、こうした批判をかわすことも可能だ。 武田良太総務相も 16 日の記者会見で「選択肢が広く提供されることは良いことだ」と容認する考えを示した。 KDDI (au) の高橋誠社長も同日の記者会見で「国際的に遜色のない料金を出す」と述べており、容量無制限のプランは維持した上で、20 ギガ前後のプラン新設などを検討しているとみられる。

悩ましいのはドコモだ。 同社はすでに 20 ギガに近い 30 ギガのプランがあり、20 ギガのプランを新設するには、プラン全体を見直すことが不可欠とみられる。 また、携帯料金に注目が集まる中、格安スマートフォンに顧客が流出することも懸念材料だ。 ドコモには、ソフトバンクの「ワイモバイル」や KDDI の「UQ モバイル」といった、格安ブランドの受け皿がないからだ。

値下げの発表も遅れる可能性がある。1 政府の値下げ圧力が日々強まる中、ソフトバンクや KDDI からは月内か 11 月中にも発表が行われそうな状況だが、ドコモは NTT による完全子会社化に向けた株式公開買い付け (TOB) が行われている最中。 「TOB 期間中は株価に大きく影響する発表はしにくい(関係者)」ともされ、発表は TOB 期間が終わる 11 月 16 日以降になる可能性が高い。 (蕎麦谷里志、高木克聡、sankei = 10-22-20)


ソフトバンク、携帯料金値下げを表明 3 大キャリアの方針が出揃う

ソフトバンクが、菅義偉総理大臣の方針に対応し、携帯電話料金の値下げを行う方針を明らかにした、と日本経済新聞などが報じています。 3 大キャリアが、料金引き下げを行う方針で出揃ったことになります。 菅総理大臣は、内閣官房長官時代の 2018 年に「携帯電話料金は 4 割下げる余地がある」と発言し、携帯電話料金の値下げに対する関心が高まりました。 監督省庁である総務省は、端末販売時の値引額規制、解約手数料引き下げ、長期契約者への優遇規制などの対応策を次々と打ち出したものの、総務省による国際比較調査では日本の携帯電話料金は特に大容量プランで海外と比べて割高、との調査結果が出ています。

なお、総務省が 9 月に公表した各キャリアの契約数やシェアのデータによると、MVNO のシェアは約 13% で、徐々に増えているものの、利用者の大多数は大手キャリアを利用している状況が続いています。 自民党総裁選挙でも「携帯電話料金の値下げ」を重要政策として掲げていた菅総理大臣の方針に、大手キャリアが対応する姿勢を見せています。 NTT ドコモを完全子会社化した NTT の澤田純社長は、子会社化による経営効率化により携帯電話料金の引き下げに対応する方針を示しています。

KDDI (au) の高橋誠社長も、報道陣の質問に対して政府の方針に対応する姿勢であることを明かしていました。 日本経済新聞の取材に対し、ソフトバンクも携帯料金値下げに対応する方針であることをなどに明らかにしたことで、3 大キャリアの方針が出揃いました。

総務相は消費者と意見交換会

武田良太総務大臣は、10 月 8 日に「携帯電話利用者との意見交換会」を開催し、ひとり親世帯、高齢者、主婦、フリーランス労働者などの組織代表者から携帯電話料金について意見を聞く予定です。 意見交換会は非公開で開催されますが、会合終了後に議事録が公開される予定です。 (iPhoneMania = 10-8-20)


携帯電話大手 3 社は料金引き下げを 官房長官「外国と比べ高い」

携帯電話の料金について、菅官房長官は記者会見で、諸外国と比較して高い水準にあるとして、携帯電話大手 3 社に引き下げるよう求めました。 携帯電話の利用者が契約する会社を乗り換える際の手数料について、総務省は 27 日の有識者会議でネット上で手続きする場合は無料とすべきなどとする案を示しました。

これについて菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、「去年 10 月に成立した改正電気通信事業法の着実な施行を通じて、高額な違約金の抜本的な引き下げや、通信と端末のセット販売の禁止などに取り組んできたが、現実はいまだ大手 3 社がシェアの 9 割の寡占状況だ」と指摘しました。

そのうえで、「わが国の料金水準は、諸外国と比較して依然として高い水準であり、3 社の利益率も 20% と高止まりしており、大幅な引き下げの余地がある。 3 社は国民の財産である公共の電波の提供を受けていることを認識して、経営にあたってほしい。」と述べ、携帯電話大手 3 社に料金の引き下げを求めました。 (NHK = 8-28-20)


au、無制限プラン 2 割値下げへ 楽天参入にらみ先手

KDDI (au) は 17 日、データ通信無制限のスマートフォンの料金プランを、2 月に約 2 割値下げすると発表した。 2 - 3 月の商戦で顧客を囲い込み、4 月に本格参入する予定の楽天に先手を打つ。 次世代高速移動通信方式「5G」の時代をにらみ、データ利用量の多い顧客を取り込むねらいもある。

このプランは「au データ MAX プラン Pro」で、2 年契約の料金は税抜き月 8,980 円だが、新料金では月 7,480 円になる。 家族で加入する割引などが適用される場合は、月 5,980 円が月 4,480 円となる。 楽天は、本格参入時には格安スマホ並みの料金水準とする方針。 特にデータ容量の少ないプランで低料金にするとみられる。 KDDI は大容量プランで差別化を図る。 5G ではデータ利用量が多い料金プランが主流になる見込み。 現状でもスマホで動画を視聴する需要は増えており、4G で先取りする。 (井上亮、asahi = 1-17-20)



スマホの月額料金、3 大キャリア・格安 SIM とも 2016 年 - 2019 年で増加

MMD 研究所は 12 月 25 日、「大手 3 キャリア・格安スマホ別 月額料金の推移(2016 年 - 2019 年)」の調査結果を公表しました。 最近 4 年間で、大手キャリア、格安スマホともに月額料金の平均が上昇していることが分かりました。

調査結果は、2016 年から 2019 年にかけて、スマートフォンを所有している 15 歳 - 69 歳の男女に、契約している通信会社に支払っている月額料金を質問した結果を集計したものです。 なお、集計では Y!mobile は「格安スマホ」に含められています。

料金帯が広くなった大手、上昇傾向の格安スマホ

大手3キャリアの契約者では、月額料金が「6,000 円以上 8,000 円未満」と「8,000 円以上 10,000 円未満」が毎年減少しています。 一方で、「2,000 円以上 4,000 円未満」、「14,000 円以上」において、差は小さいものの増加気味で、料金帯が広く分散する傾向がみられます。

格安スマホの利用者では「2,000 円未満」が毎年減少し、「2,000 円以上 4,000 円未満」、「4,000 円以上 6,000 円未満」は増加しており、格安スマホユーザーの毎月の月額料金は増加傾向にあることがわかります。

大手 3 キャリア、格安スマホともに月額料金は増加傾向

大手 3 キャリアは、2016 年の 7,433 円が 2019 年に 8,023 円と、590 円増加しています。 格安スマホユーザーは 2016 年の 2,067 円から 2019 年には 2,889 円へと、822 円増加しています。 (hato、iPhoneMania = 12-25-19)


携帯電話の SIM ロック、即時解除義務化へ 総務省方針

総務省は 20 日、携帯大手が携帯端末を売る際、特定の通信契約しか使えなくなる「SIM ロック」をいつでも解除するよう義務づける方針を正式に示した。 ソフトバンクと KDDI (au) が今月、相次ぎ始めた「最大半額」のサービスでは、新しい端末を購入した当初は 100 日間のロックがかかっていたが、近く見直しを迫られることになる。 20 日に開かれた総務省の有識者会議で、高市早苗総務相は「早急な検討を行い、速やかにルールの見直しをすることが必要だ」と述べた。 総務省は文書で「利用者が即時に他社で利用できるようにルールを見直すことが必要」との方針を公表した。 新ルールは今後、意見公募などもへて正式に決まる見通し。

ルール見直しのきっかけとなったのが、ソフトバンクと au が相次ぎ導入した「最大半額」の値引きサービス。 48 回の分割払いで端末を半額近くで買える一方で、通信会社は利用者が好きなところを選んで構わないとうたっていた。 しかし、実際には当初 100 日間の「SIM ロック」があり、100 日待たないと他社の通信回線が使えない仕組みだった。 そのため、有識者からは「SIM ロックを使った囲い込みだ」との批判が噴出していた。 当初 100 日間の SIM ロックは本来、分割払いを途中で払わずに持ち逃げされるのを防ぐ目的で、現行ルールで認められていた。 今後は頭金を集めるなど、別の不正予防策を講じたうえで SIM ロック解除を義務づける方向だ。 (藤田知也、asahi = 9-20-19)


ドコモも違約金ゼロに カード払い条件、乗り換えやすく

携帯会社に一層の競争を促す改正電気通信事業法の 10 月施行に向け、NTT ドコモが解約違約金をゼロにできる新料金プランを導入することがわかった。 すでに新プランを発表した KDDI (au) は違約金を 1 千円に、ソフトバンクはなしとしており、ユーザーにとっては今後、携帯会社を乗り換えやすくなるメリットがある。 携帯大手 3 社はこれまで、2 年契約を条件に通信料金を割り引く「2 年縛り」でユーザーを囲い込み、途中で解約する際は違約金 9,500 円が必要だった。 改正法で違約金の上限は 1 千円に規制される。

ドコモの新プランは 2 年縛りを残し、違約金を 1 千円に引き下げる。 ただ、携帯料金の支払いに同社のクレジットカードを使うことを条件に、違約金なしとするメニューも用意する。 カード払いだとドコモのポイントをためやすいなどの特典があるため、顧客を引き留める一定の効果があると判断した。 同社のカード保有者は約 2 千万人という。 ソフトバンクは 2 年縛りを廃止し、違約金も取らない。 違約金 1 千円では顧客を囲い込む効果が薄いと判断し、新プランのわかりやすさを重視した。 au は 2 年縛りを残し、違約金は 1 千円とする。

ユーザーは、大手 3 社が違約金を 1 千円以下とすることで他社に乗り換えやすくなる。 このため携帯各社は通信以外のサービスを強化し、顧客を囲い込む戦略にシフトする。 例えば、au は自社サービスやアプリの利用が多いほど特典が増える新しいポイント制度を導入する。 サービスの利用頻度が高ければ解約率が下がるとのデータがあるという。 一方、改正法の施行を機に引き下げが期待された通信料金は、今と大きく変わらなさそうだ。 ドコモの新プランは、料金水準を現行プランから据え置く。 発表済みのソフトバンクと au も料金を据え置いており、3 社とも引き下げをしない構図が固まった。 (井上亮、asahi = 9-15-19)


携帯電話料金、今秋大幅見直し 違約金の上限千円、割引も規制

総務省は 18 日、携帯電話料金見直しを検討する有識者会議を開いた。 2 年契約を中途解約する際の違約金の上限を千円に規制するなどとした省令改正案に関し大筋で一致した。 携帯大手各社の 9,500 円から大幅に引き下げ「2 年縛り」と呼ばれる高額な違約金による囲い込みを是正する。 2 年契約の通信料の割引額も制限されるため、各社は料金プランの大幅な改定を迫られる。 総務省は省令改正を経て、今秋に施行する改正電気通信事業法とともに導入する。 2 年縛りによる通信料の割引額は月 170 円までに制限する。 期間拘束を伴わない基本の料金での価格競争を促し、値下げにつなげる狙いがある。 (kyodo = 6-18-19)


携帯「2 年縛り」の途中解約、違約金は上限 1 千円に

携帯電話の 2 年契約を途中で解約した時の違約金について、総務省は上限を 1 千円とする方針を決めた。 携帯大手 3 社の今の違約金は 9,500 円で、大幅な引き下げとなる。 利用者が携帯会社を乗り換えやすくし、競争を促す狙いだ。 また端末代の値引きは 2 万円を上限とする方針で、ともに今秋に実施する。

5 月に成立した改正電気通信事業法は、通信契約を条件に端末代を大幅に割り引く「セット販売」や顧客の過度な囲い込みを禁じている。 今秋の施行に向け、総務省の有識者会議が省令で定める詳細なルールを議論してきた。 顧客が携帯会社を乗り換えにくい要因のひとつが、高額な違約金だ。 NTT ドコモ、KDDI (au)、ソフトバンクの大手 3 社は、2 年契約をすれば毎月の通信料が安くなる「2 年縛り」の途中で解約した場合の違約金を 9,500 円としている。 違約金なしにいつでも解約できるプランもあるが、「2 年縛り」より通信料が月 1,500 - 2,700 円も高く、ほとんどの利用者が 2 年契約を結んでいる。

総務省が調査したところ、約 8 割の人が 1 千円であれば違約金を許容できると回答したという。 そのため 1 千円に引き下げれば、乗り換えやすくなって競争が活発化すると判断した。 また、端末の過剰な値引きも規制する。 通信料が原資になっており、頻繁に携帯を買い替える一部の利用者ばかりが恩恵を受ける仕組みを是正する。 いまは通信契約を条件に最大半額になるケースもあるが、秋以降は値引きの上限を一律 2 万円とする方向だ。 2 年間の時限措置とし、各社の販売価格が正常になったと判断すれば、上限を撤廃する方針だ。 (井上亮、asahi = 6-8-19)


au、最大4割値下げ 国内初のデータ制限無しプランも

KDDI (au) は 13 日、携帯電話の通信料を最大 4 割値下げする新たな料金プランを発表した。 6 月 1 日から適用する。 NTT ドコモも同月から最大 4 割値下げする新プランを 4 月に公表しており、これに追随した形だ。 最も安くなるのは、データ使用量が少ない利用者だ。 20 ギガバイトを上限に利用した分だけを 5 段階で払う「ピタットプラン」に家族 3 人以上で契約する家族割引を組み合わせると、通信量が月 1 ギガバイト以下の場合は、1 人あたりの通信料は従来より約 3 割安い税抜き 1,980 円となる。

新設の「フラットプラン 7 プラス」は、同社の過去の同じようなプランと比べて 4 割値下げとなる。 データ使用量は月 7 ギガバイトが上限で、家族割引で月 3,480 円となる。 また、高速移動通信方式「5G」の時代を見越して、使用データ上限なしの使い放題プランを設けた。 今夏に提供を始める。 家族割引との組み合わせで月 5,980 円となる。

同社によると、データ上限なしのプランは国内初という。 改正電気通信事業法が 10 日に成立し、今秋には携帯会社が一定期間の通信契約を条件に、スマートフォンなどの端末代を割り引く「セット販売」が禁じられる。 au は 2 年前から分離プランを導入していたが、新プランの導入ですべてが分離プランとなる。 (井上亮、asahi = 5-13-19)


スマホ端末「セット販売」禁止 法が成立、値下げ競争へ

携帯電話料金の値下げを促すための改正電気通信事業法が 10 日、参院本会議で全会一致で可決、成立した。 携帯会社が一定期間の通信契約を条件に、スマートフォン(スマホ)などの端末代を割り引く「セット販売」が禁じられることになる。 政府は今秋の施行をめざすが、すでに値下げの動きが出ている。 セット販売はいまの主流の契約方法で、携帯各社は通信料の収入を原資に端末代を割り引いている。 端末を頻繁に買い替えない人は本来より高い通信料を払うことになる。 通信料の高止まりにつながっているとの指摘があり、菅義偉官房長官が昨夏に「4 割程度下げる余地がある」と発言したことをきっかけに値下げ議論が進んだ。

改正法では、通信料と端末代の分離が義務付けられた。 一定期間の通信料を値引く代わりに、期間中の解約に高額の違約金を課すような行きすぎた囲い込みも禁じられた。 また、過度なキャッシュバックなどへの行政指導を徹底するため、販売代理店の届け出制度が導入されることになった。 施行を前に、NTT ドコモは先月、家族 3 人以上の加入を条件に最大 4 割通信料を値下げする料金プランを発表した。 ソフトバンクの宮内謙社長は 8 日の会見で、ドコモの新料金を引き合いに「(今のプランでも)十分に価格競争力がある。 微調整で対応する。」と述べ、今後の値下げに含みを持たせた。 KDDI (au) も値下げを検討している。

大手 3 社が警戒するのが、10 月に参入する楽天モバイルの動向だ。 いま展開する格安スマホ並みの料金とする意向で、値下げ競争が激化する可能性がある。 一方、端末代金は通信料を原資にした割引ができなくなるため値上がりしそうだ。 総務省幹部も「一時的には高くなるかもしれない」と認める。 また、日本はスマホの約 5 割を高価格な米アップルの「iPhone (アイフォーン)」が占める特殊な市場だ。 アップルは例年 9 月に新商品を発表するため、各社はどれだけ割引するかや方法を検討している。 通信料と端末代をあわせて割安なのかどうか消費者が比べられるまでには、しばらく時間がかかりそうだ。 (井上亮、asahi = 5-10-19)


ドコモ新料金プランに変更すべき? 既存プラン 5 月末終了

ドコモ既存プラン新規契約が 5 月末に終了。 新料金への切り替えを考えるタイミングになった。 10 連休という長いゴールデンウィークが明け、改めて考えざるを得ないのがドコモの新料金プランです。 発表時に本連載で取り上げたように、新料金プランでは必ずしも安くなるケースばかりではないのが悩みどころです。 そして既存プランの新規契約は 5 月末に終わることから、タイムリミットは迫りつつあります。

既存プランの新規受付は「5 月 31 日」に終了

ドコモの新料金プランは 6 月 1 日に始まるものの、それ以降も既存のプランはそのまま使い続けることが可能です。 とはいえ、すでにドコモを使っている人や、これからドコモに乗り換えを考えている人にとって、注意すべきポイントが 3 つあります。

1 つ目は、乗り換えのタイミングです。 2 年契約中の人は解約金のかからない期間が来るまで、月々サポートがまだ残っている人はその期間中、基本的には現状維持が得策です。

2 つ目に、「5 月 31 日」というタイムリミットの存在です。 これ以降、月々サポートや docomo with を用いた新規の契約はできなくなります。 これらのプランに乗り換えたい人は、5 月末までにアクションを起こす必要があります。

3 つ目に、夏モデルと同時に回線契約には紐付かない端末割引が新たに発表される予定です。 月々サポートほど大きな割引ではないとされるものの、新料金プランの魅力が増す秘策を打ち出してくる可能性もあり、様子を見たいところです。

ドコモは夏モデル発表会を 5 月 16 日に予定していることから、すべての判断材料が揃った上でアクションを起こせるのは、発表会から 5 月末までの約 2 週間になると予想できます。

docomo with や月サポに魅力的な選択肢

こうした状況を踏まえてどうすべきなのか、ドコモ契約中の筆者も悩んでいます。 いまは 20GB プランと 5 分かけ放題を契約しており、月々サポートによる毎月約 2,900 円の割引が 9 月まで残っています。 使っているデータ量は少ない月で 5GB、多い月で 10GB 程度。 新料金プランでは 30GB の「ギガホ」では多すぎ、7GB の段階制「ギガライト」では足りないのが悩ましいところです。

そこで考えているのが、5 月末までに月々サポートや docomo with を利用して機種変更し、6 月以降も割引を受け続ける作戦です。 ドコモの料金シミュレーションによれば、家族割なしのギガホ(8,294 円、7 ヵ月目以降)に対し、docomo with (6,380 円)なら毎月 2,000 円近く安くなります。 docomo with では端末購入が必要になりますが、対象機種である「iPhone 7」は一括価格が 4 万 2,768 円で、なぜかアップルストアやワイモバイルより安いのです。 しかも端末さえ買えば、SIM カードを別の端末に入れても良いので、いま使っている iPhone XS をそのまま使い続けられます。

月々サポートの大きな端末も魅力的です。 「Xperia XZ2 Premium SO-04K」は、機種変更でも月サポが毎月 3,834 円と大きく、24 ヵ月利用時の実質負担金はわずか 1 万 5,552 円(ドコモオンラインショップの割引含む)です。

今はプラン選びが難しいタイミング

あれこれ悩むのが面倒ならサブブランドや格安 SIM に移行するのも 1 つの手ですが、筆者は海外出張時のパケット定額や、セルラーモデルの Apple Watch など、大手キャリアにしかないサービスも使っています。 そうした「事情」を抱えた人は、意外と多いのではないでしょうか。 今後は総務省による新たなガイドラインの登場や、ドコモが 9 月 20 日に開始する 5G プレサービス、10 月には楽天の参入など、大きなイベントがまだまだ予定されており、先を見通しにくい状況であることもプラン選びの難しさに拍車をかけています。 (山口健太、ASCII = 5-9-19)


ドコモ通信料、最大 4 割下げ 端末代分離、割引減 6 月から

携帯電話最大手の NTT ドコモは 15 日、通信料金を従来よりも最大 4 割安くする新たな料金プランを発表した。 2 年間通信契約を続けることを条件に端末代を実質的に割り引く「セット販売」を廃止し、通信料と端末代金を分離する。 最も安い料金は税抜きで月 2,980 円で、家族割引を組み合わせると月 1,980 円になる。 一方、端末代は値上がりすることになる。6 月 1 日から適用を始める。

セット販売は、料金が複雑でわかりにくく、端末を頻繁に買い替えない人にはメリットがなく不公平だと批判があり、総務省はセット販売を禁じる電気通信事業法改正案を今の国会に提出している。 同社は改正法成立に先駆けて分離プランを打ち出した形だ。 新プランは、データ通信を月 30 ギガバイトまで使える「ギガホ」(税抜き月 6,980 円)と、7 ギガバイトを上限に利用した分だけを 4 段階で払う「ギガライト」(同 2,980 円 - 5,980 円)の 2 種類だ。

家族 3 人以上で契約すると月 1 千円割り引かれるため、通信量が月 1 ギガバイト以下の場合は、1 人あたりの通信料がこれまでよりも約 4 割安い 1,980 円となる。 1 人で契約する場合は割引はないため、月 1 ギガバイト以下で値下げ幅は 25% 程度となる。 吉沢和弘社長はこの日の会見で「複雑でわかりにくい、お得が実感できないという声を受けて、シンプルでお得なプランにした」と強調した。 セット販売は 5 月末で新規受け付けを終了する。 現在加入している人は継続することができる。

通信料が下がる一方で、セット販売による端末代の割引はなくなるため、米アップルの「iPhone (アイフォーン)」の最新機種など 10 万円を超す端末は、利用者の負担が大きくなる見通しだ。 吉沢社長は通信契約を条件にせずに端末を一定程度割り引く意向を示したが、割引幅は従来よりも小さくなるという。 KDDI (au) とソフトバンクはすでにセット販売を見直したプランも導入しているが、端末の割引について、通信契約を条件に端末代の最大半額を免除する「4 年縛り」も展開している。 法改正後は認められなくなる見込みのため、見直さざるを得ない状況だ。

スマホ市場に逆風

ドコモの利用者が料金の分離後に新品の端末を買う場合は、月々の割引が減るため負担が増すことになる。 他社も追随し、端末の値引きが縮小すれば年間約 3,100 万台のスマホ市場が縮む可能性がある。 特に打撃を受けそうなのは、国内スマホ市場で約 5 割を誇る米アップルだ。 「iPhone (アイフォーン)」は高額商品が主力で、最新モデルは定価で約 10 万 - 19 万円する。 今は月々の割引や下取りなどを前提に実質負担は半額ほどになっている。

調査会社 MM 総研が今月発表した調査によると、昨年末に売れた端末の価格を定価で見ると、7 万円以上の高価格帯の商品が 7 割を占めた。 一方、分離後に買いたい端末の価格帯を尋ねたところ、約 65% が 7 万円未満と回答。 横田英明研究部長は、「消費者がスマホを使い慣れてきて、自分がほしい機能がわかってきた」とした上で、「機能を絞った中価格から低価格の商品が今より売れる可能性がある」と指摘する。 (徳島慎也、井上亮、asahi = 4-16-19)


よくわかるスマホ通信料バカ高のカラクリ ドコモ値下げ宣言で業界は変わるか

通信料金が高止まりしている理由は大きく 2 つ

NTT ドコモは端末代金と通信料金を分離する「分離プラン」を拡充し、来期以降、年間最大 4,000 億円を通信料金の値下げとして還元すると発表した。 今期の営業利益予想は 9,900 億円なので、最大で 4 割を顧客に還元することになる。 ただし、コスト削減や新事業の創出・拡大によって、実際は 2,000 億円程度の減益となるのではないか。

きっかけは菅義偉官房長官が「携帯電話の通信料金は他国より高い、4 割程度下げられる余地がある」、「料金体系が不透明」と発言をしたこと。 通信料金が高止まりしている理由は大きく 2 つ。 1 つは他キャリアからの乗り換えや 4 年割賦契約者を対象に、端末を大幅値引きしている点。 端末購入者にはメリットがあるが、値引き原資は全利用者の通信料金だ。

もう 1 つは販売代理店への補助金だ。 キャリアが代理店に対し端末値下げを目的とした補助金を渡すのは禁じられている。 だが実際は、違う名目で補助金を渡し、代理店はそれを端末の値引きに使っているケースが多い。 補助金の原資も通信料金だ。

KDDI の分離プランは 4 年割賦契約とセット

海外では 2 万 - 3 万円程度の Android 端末や、型落ち・中古 iPhone が人気だ。 高価な最新機種に人気が集まる日本で、利用者の初期負担を減らすために編み出されたのが端末と通信の料金を一体化する方式であり、i‐mode 時代から続いてきた。 KDDI の高橋誠社長は「我々は分離プランのフロントランナーだ」と発言した。 だが同社の分離プランは 4 年割賦契約とセットで、使用期間が 2 年を超えたら端末値引き(残債免除)が適用されるなど、完全な分離ではない。 ソフトバンクも同様だ。

ドコモの発表は完全分離を目指すものと思われるが、他キャリアが端末値引きを継続すればユーザーを奪われる可能性がある。 完全な分離プランへの移行は、モバイル業界の信頼を取り戻すために不可欠だ。 他キャリアの追随を期待したい。 (北俊一、構成 = 吉田洋平、President = 1-2-19)