ワイモバイル、1 - 2 割値下げへ 来年度前半に

ソフトバンクグループは 5 日、携帯電話の割安ブランド「ワイモバイル」の通信料金を来年度前半に 1 - 2 割値下げする方針を明らかにした。 携帯料金をめぐっては、菅義偉官房長官が 8 月、「4 割程度下げる余地がある」と値下げを求めた。 最大手の NTT ドコモは 10 月末、通信料金を来年度から 2 - 4 割ほど、総額で最大年 4 千億円規模の値下げをすると発表しており、大手が相次いで値下げを迫られた。 KDDI (au) は当面の大幅な値引きには慎重な姿勢を示している。

ワイモバイルの契約数は非公表だが、数百万件にのぼるとみられる。 来年度始める新プランでは、端末代の値引きを控える代わりに通信料を下げる。 すでに月々の通信料が 2 千円を切るプランがあるが、さらに安くなる見通しだ。 一方で端末代の実質価格は今より高くなるため、高額な端末を頻繁に買い替える場合は、通信料も含めた毎月の負担額が増える可能性もある。 (徳島慎也、asahi = 11-5-18)


ドコモ値下げ、端末・通信料分離 利用者に分かりやすく

NTT ドコモが携帯サービスの値下げを発表した。 2019 年春にも 2 - 4 割安い新プランを発表する。 携帯電話は生活に欠かせない存在となったが、料金の高さやプランの分かりにくさへの批判が強まっている。 ドコモは値下げと並行し、端末料金と通信料金を完全に分離しプランを明瞭にすることも検討する。 一時的に経営への打撃となるが、分かりやすいサービスで利用者をつなぎ留める。

「料金が複雑で分かりにくいという声がたくさんあった。 シンプルに見直し、料金も 2 - 4 割安くしたい。」 ドコモの吉沢和弘社長は 31 日、都内で記者会見し、料金の高さと複雑さを本格的に見直す姿勢を強調した。 今後、プランの詳細を詰めた上で 19 年 4 - 6 月期に発表する。 現段階で検討しているのは、スマートフォン(スマホ)などの携帯端末代を割引しない代わりに、通信料金を安くする新しいタイプの「分離プラン」だ。

ドコモはすでに一部機種を対象に分離プランを提供しているが、ドコモが指定した端末を買う必要があった。 来春以降、利用者が自ら選んだ SIM フリーの端末や中古スマホと、割安な通信プランを組み合わせられる新プランを検討する。 例えば米アップルの「iPhoneXS」をドコモで買った場合、現在は端末と通信料金の 2 年間の総額が 20 万円を超えるケースが多い。 新プランの詳細は未定ながら、中古スマホと割安な通信プランを組み合わせれば十数万円に抑えられる可能性がある。 利用者にとっては選択肢が増える。

一方で分離プランは端末の割引をしないため、新モデルなどを買う場合、端末価格が高くなるデメリットがある。 ただ吉沢社長は「(従来の端末割引分を)上回る値下げに踏み込む」と強調。 顧客への還元額として明示した年間最大 4 千億円を原資に、幅広い利用者の負担を軽減する意向だ。 「携帯電話の料金は 4 割程度下げる余地がある。」 菅義偉官房長官は繰り返し料金の高さを批判してきた。 世論の逆風が高まるなか、ドコモは一つの答えを出した形だ。 ただ、大幅値下げは経営への打撃も大きい。

同社は値下げによる減益が当面続き、18 年度の営業利益水準に回復するには 5 年かかるとの見通しを示した。 吉沢社長はポイントサービスや次世代通信規格「5G」など「新分野に完全にかじを切りたい」と述べた。 ドコモは同日、上限 6,000 億円の自社株取得枠を設定することも発表した。 利益成長が見込みづらいなか、株主還元により株価を支える狙いもありそうだ。

携帯料金を巡っては、公正取引委員会が 7 月、米アップルと携帯大手 3 社との間で結ばれた「iPhone アグリーメント」と呼ばれる契約が、独占禁止法に抵触する恐れがあったと公表した。 アップルが携帯大手 3 社に対して端末代を割り引くように義務づける内容で、携帯大手の事業を拘束する点を公取委は問題視した。 アップルはこうした契約を修正。 これに伴い大手 3 社は iPhone を分離プランで扱うなど消費者の選択肢は徐々に広がりつつある。

日本の携帯電話市場は、高機能な端末を通信料金とセットで割り引いて売ることで成長してきた。 ただ料金プランの複雑化など負の側面も目立つなか、ドコモの方針転換は市場全体の転機となる可能性がある。 (nikkei = 11-1-18)


ドコモ来年度値下げへ、端末・通信代の分離拡大

NTT ドコモが、携帯電話の料金プランを抜本的に見直し、来年度から値下げする方向で検討していることが 28 日、分かった。 スマートフォンの端末代と通信料金を分ける「分離プラン」の拡大が柱となる。 政府から料金の高止まりに対する批判が出る中、ドコモとしての対応策を打ち出す。

関係者によると具体的な値下げ幅は、収益減とのバランスを考慮して慎重に詰めている。 菅官房長官は、携帯電話の通信料金について「4 割程度下げる余地がある」と発言している。 平均でこの水準の値下げを実現するのは難しいとの考えに傾いているが、利用者が値下げの恩恵を実感できる水準を検討している。 減収分は、金融決済事業などの成長分野で補う方針だ。 (yomiuri = 10-19-18)


スマホ料金、東京は 3 番目に高額 世界 6 都市比較

総務省は 19 日、東京など世界の主要 6 都市でのスマートフォン利用料について、今年 3 月時点の調査結果を発表した。 各都市のシェア上位 3 社のうち最も安いプランで比べると、東京は 3 番目の高さ。一方、シェア 1 位の企業のプランでみると、最も高かった。 調査は毎年 3 月に実施。 シェア上位 3 社のうち、データ通信量が一般的な月 5 ギガバイト (GB) の場合の月額料金の最安値をみると、東京はソフトバンクの格安ブランド「ワイモバイル」の税込み 3,760 円。 ニューヨーク(5,990 円)、ソウル(4,256 円)に次いで高かった。 最も安いパリ(1,783 円)と比べると約 2 倍だ。

一方、各国のシェア 1 位が提供する最も安いプランをみると、東京は NTT ドコモの 7,562 円(長期利用時は割引あり)だった。 スマホの利用料をめぐっては、菅義偉官房長官が先月、「他の国と比較して高すぎる。 4 割程度下げる余地はある。」と値下げを求めた。 根拠としたのは、経済協力開発機構 (OECD) による先進 35 カ国の調査。 こちらはシェア上位 2 社のうち最も安いプランで比べており、データ通信量が 2GB の場合、日本は KDDI (au) の約 8 千円。 全体で 3 番目に高く、平均額の約 2 倍にのぼった。

総務省の担当者は「日本の料金が高いかはどんな条件で比べるかによるが、それほど高くない料金の選択肢があるのは確かだ」とする。 (生田大介、asahi =9-19-18)


ドコモ、iPhone X や iPhone SE 等をネット購入で 5,184 円割引・還元!

NTT ドコモは、ドコモオンラインショップで iPhone X、iPhone SE など対象機種を購入すると、端末価格を 5,184 円(税込)割引もしくはポイント還元する「オンラインショップ限定特典」の提供を開始しました。 このほか、Xperia XZ2 Premium などのスマートフォンも対象となっています。 キャンペーン期間は 9 月 1 日から 11 月 30 日までで、対象機種の在庫には限りがあるため、購入を検討している方は早めの購入が良さそうです。

しかし、9 月 1 日から、機種変更 (FOMA→Xi) と MNP なら「端末購入サポート」の増額、機種変更 (Xi→Xi) と新規契約なら「月々サポート」の増額により、実質価格が大幅に引き下げられています。 ドコモオンラインショップでは、iPhone などのスマートフォン、iPad などのタブレットなど 10,000 円(税込)以上の対象製品を購入し利用開始すると、抽選で 99 名に 1 人、d ポイントが 9,999 ポイント当たる「秋のサン 9 キャンペーン」も開催しています。

契約事務手数料をすべて無料に

ドコモオンラインショップでは、9 月 1 日から新規契約、機種変更、MNP の契約事務手数料をすべて無料化しています。 店頭での手続きの場合は、2,000 - 3,000 円の手数料が必要です。 なお、9 月 11 日までに注文した場合、システム対応前のため申込み確認画面や請求書に事務手数料が表示されますが、実際には請求されません。 (iPhoneMania = 9-1-18)


ソフトバンクが新プラン 動画・SNS データ使い放題も

ソフトバンクは 29 日、スマートフォンの端末を値引きしない代わりに、通信料金を最大 2 - 3 割値下げする新料金プランを 9 月 6 日から導入すると発表した。 政府からの値下げ要望などに対応した。 KDDI (au) と NTT ドコモも昨年から同様のプランを導入しており、大手 3 社が足並みをそろえる。 大手 3 社の従来のプランでは、端末を 2 年間などの分割払いで売り、毎月の支払いを大幅に値引きしてきた。 新機種を安く売ることで顧客を集める狙いで、端末を頻繁に買い替える消費者にもメリットがあった。

一方で、通信料が高止まりしていた。 端末代の支払いが終わった後も通信料金は変わらないため、一つの端末を長く使う人には不利益が生じているとして、政府が改善を求めてきた。 新たなプランは端末代を値引きしない変わりに、通信料金を値下げする。 端末代の支払い終了後も、通信料金はそのままだ。 端末を長く使う人にメリットがある。

ソフトバンクの新プランは 2 種類で、一つは大量のデータ通信をする人向け。 ユーチューブや LINE など特定の動画サイトや SNS のデータ通信は使い放題で、ほかに月 50 ギガバイト (GB) まで使える。 使い放題なのは、ほかに AbemaTV、TVer、GYAO!、Hulu、インスタグラム、フェイスブック。 月額料金は通話基本料を含め、各種割引を除くと税抜き 7,480 円から。 今のプランより 2 割ほど安い。

もう一つはデータ通信の利用が少ない人向け。 毎月のデータ使用量に応じ、1GB までなら同 3,980 円など 4 段階の料金がある。 このプランでもほとんどの利用者の通信料が安くなるという。 (生田大介、asahi = 8-29-18)


利益率は平均の 2 倍 … 携帯 3 社はどれほど大儲けしているのか

日本の携帯会社は、そんなに大儲けしているのか。 菅義偉官房長官の「携帯料金は 4 割程度の値下げ余地がある」発言が波紋を広げている。 「菅官房長官は、携帯会社について公共電波を利用しており、過度な利益を上げるべきではないとも指摘しています。 携帯会社の決算を見る限り、かなりの利益を上げているのは確かですが …。(市場関係者)」

そこで東証 1 部企業(2018 年 3 月期)を対象に、稼ぎの多い会社を調べてみた。 本業の儲けを示す営業利益のトップは、トヨタ自動車で 2 兆 3,999 億円。2 位は NTT (1 兆 6,428 億円)で、何と 3 位にランクインしたのは携帯大手の一角を占めるソフトバンクグループ(1 兆 3,038 億円)だった。 NTT ドコモは 6 位(9,733 億円)、「au」の KDDI は 7 位(9,628 億円)と大手 3 社はそろってトップ 10 にランクイン。金額そのものでは膨大な利益を上げていた。

利益率はどうか。 参考になるのは、売上額に対して、どのぐらいの儲けがあるかだ(営業利益率)。 東証 1 部(3 月期決算)の平均は 7.6% (みずほ証券調べ)。トヨタ自動車は 8.2% だった。 携帯 3 社は、ソフトバンクグループが 14.2%、NTT ドコモが 20.4%、KDDI が 19.1% と、東証 1 部平均の 2 - 3 倍だ。

「携帯会社は利益率が高くても、その分、設備投資が膨大です。 今後は『5G』と呼ばれる通信速度の速いサービスに対応しなくてはなりません。 日本政策投資銀行の調査によると、携帯(通信)会社の 17 年度設備投資は合計で 2 兆 1,313 億円に達しています。 この数字を見ると、単純に儲け過ぎだと批判するのは難しいかもしれません。(ちばぎん証券アナリストの安藤富士男氏)」

トヨタを含む自動車各車の設備投資の合計は 1 兆 2,902 億円にとどまる。 公共サービスという意味で通信と比較されることの多い電力は 5,715 億円だ。 「携帯料金の値下げは 2 割程度で落ち着くのではないか。市場の読みは、そんなところです。(証券アナリスト)」 さて、どうなるか。 (日刊ゲンダイ = 8-26-18)



月 1GB 以下で 3 割安 KDDI、通信料金を大幅見直し

携帯電話大手各社が格安 SIM 業者への顧客流出を食い止めるため、料金値下げに踏み切り始めた。 KDDI (au) は 10 日、新しいスマートフォンの料金プランを発表し、端末購入への補助をなくす代わりに通信料金を現在のプランより 7 - 30% 程度引き下げる。

14 日に始まる新プランは 1 回 5 分間の無料通話付きで、1 カ月間に使ったデータ量に応じて 5 段階で料金が変わる。 1 ギガバイト (GB) 以下なら 3,480 円(料金はすべて税別)、20GB 以下なら 7,480 円になる。 現在は事前に 1 カ月に使える通信量を選ぶ必要があり、月 1 GB で 4,900 円から、20GB で 8 千円まで 4 段階(いずれも 1 回 5 分間の無料通話付き)だった。

現在の契約と実際のデータ使用量がともに 1GB 以下の場合は、プランを変えるだけで 28.9% 安くなる。年内に機種変更し、自宅の光回線も同社で契約すると、1GB までの料金が 1 年間だけ 1,980 円に値引きされる。 ただ、いま使っている端末の分割払いが残っている人がプランを変えると、残りの端末代への補助がなくなるため、損をすることもある。

新料金による収益へのマイナスは年 200 億円という。 それでも新プランを始めるのは、格安 SIM 業者に顧客流出が進むことへの危機感だ。 2016 年度末の au の契約者(個人)は前年比 2.1% 減の 2,514 万だった。 KDDI の田中孝司社長は「利用者減はまずい状況。 新プランで食い止めたい。」と話す。 総務省によると、16 年度末の格安 SIM 契約数は前年比 25.0% 増で、PHS を含む携帯電話全体の 9.4% を占めた。

NTT ドコモも 6 月から、指定された端末を買うと月々の利用料を 1,500 円値引く新プランを始めた。 利用者がドコモ以外で中古端末などを買っても値引きがずっと続く仕組みだ。 収益が年間数十億円減る計算だが、「流出を減らし、ドコモにとどまってもらうねらいがある(吉沢和弘社長)」という。 一方、他社に先駆けて値下げを打ち出すことが多かったソフトバンクは「他社の値下げが競争にどう影響するか見極めたい」としている。 (徳島慎也、asahi = 7-10-17)

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ついに au、スマホ料金 20% 引き下げへ! 各プラン 1,500 円ほど値下がる模様

こんにちは、yumi です。 ついにキタ〜!! au が今夏にもスマホの月額料金を約 20% ほど引き下げる方針を固めたと日本経済新聞が報じています。 総務省があれこれ口を出し始めてからユーザー負担が大きくなるばかりでしたが、ようやく実を結んだということなのでしょうか …?

他キャリアへの追随も期待

au のスマホ月額料金は、データ通信が 5GB の場合、20% ほど引き下げると仮定して計算してみると、
1 回 5 分以内の通話がかけ放題のプラン : 7,560 円 → 6,048 円
時間制限なく通話がかけ放題のプラン : 8,640 円 → 6,912 円
(「誰でも割」のみ加入し、他の割引がない場合)
と 1,500 円 - 1,700 円ほど下がることに!

いや〜ようやく「家計における携帯料金の負担を軽減させる」とガイドラインを作り、キャリアに行政指導を行い、その結果ユーザーの負担を大きくしていた総務省の実が結んだのか … となんだか感慨深いですね。 しかしどうやらこの引き下げは総務省の働きによるものではなく、MVNO (格安 SIM)が台頭してきているからなのだとか。

月額料金が 2,000 円 - 3,000 円ほどで使える MVNO、普及率は 1 割に達したそうですが、現在 MVNO の多くはドコモ回線。 そのため au は MVNO 普及の恩恵が少なく、さらに au の契約者数も減少しているそうです。 まあ総務省が「料金を抑えたいなら MVNO へ」とユーザーに促した結果とも言えそうですが、単純に契約者数が減ってきたから値下げとなったわけですね。 さすがに MVNO と同価格までは引き下げられないですが、その代わりキャリアには万全なサポート体制だったり、安定した通信だったり、メリットも多くあります。 月額 6,000 円ほどとなれば MVNO から au に戻ってくるユーザーも増えるかもしれませんね。

ちなみにドコモも今年 5 月に端末を正規の価格で買うかわりに、月々の利用料金から毎月 1,500 円が割り引かれるというプラン「docomo with」を発表し 6 月 1 日から展開していますが、「対象端末の購入が必須」、「対象端末は現時点で 2 種類のみ」とほとんどのユーザーには恩恵の感じられないものでした。 au の料金引き下げはこのような形ではないことを祈るばかりですね …。 au は週明け 10 日に「au 発表会」を行う予定なので、ここで正式に引き下げについて発表されると考えられます。 はたしてどのようなプランになるのか、続報を待ちましょう! (参考:日本経済新聞、かみあぷ = 7-8-17)


防戦一方の携帯大手 3 社、2017 年は攻めに転じられるか

逆風が吹き荒れた 2016 年

一連の総務省の施策によって、スマートフォンの実質 0 円販売事実上禁止など、従来の商習慣が大きく覆された携帯大手 3 社。 業績自体は好調を維持しているが、商習慣を変えて競争を促進したい総務省の施策は今後も続くと見られるため、先行きは不透明だ。 2017 年、大手 3 社はどのような施策をもって業績拡大を進めようとしているのだろうか。

総務省の影響を大きく受けた携帯大手 3 社の 1 年

携帯電話大手 3 社にとって、2016 年は逆風が吹き荒れた年だったといえるだろう。 その理由は、昨年総務省の ICT 安心・安全研究会が実施した「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」で、MVNO の競争力強化と携帯電話料金引き下げを実現するべく、3 社が確立してきた携帯電話の販売手法や料金施策が、相次いで覆されたからだ。

中でも大きな影響を与えたのが、スマートフォンの実質 0 円販売を事実上禁止したこと。 先のタスクフォースを受け、4 月に総務省が「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」を打ち出し、それを根拠としてスマートフォンを実質 0 円など、極端に割り引く販売施策に対して相次いで行政指導を実施。 その結果、従来当たり前のものとされてきたスマートフォンの実質 0 円販売はできなくなってしまったのだ。

総務省が大手 3 社にもたらした影響は他にもある。 先のタスクフォースの取りまとめでは、通信量が少ないライトユーザー向けの料金プランが存在しないことや、番号ポータビリティで乗り換える人が端末割引で極度に優遇され、長期利用者に対する優遇施策に力が入れられていないことなども問題視されていた。

そうしたことから 3 社はライトユーザー向けとして、高速通信容量が 1 GBで、月額 5,000 円前後の料金プランの提供を開始したほか、長期利用者に向けて料金面などでの優遇施策を打ち出していなかった KDDI (au) とソフトバンクが、ポイントによる長期利用者優遇施策を新たに実施。 NTT ドコモも長期利用者の優遇を強化するなどの対応に追われている。

が一連の施策をもってしてもなお、MVNO の競争力を高めて携帯電話料金を引き下げるには、不足があると総務省側は捉えているようだ。 2016 年 10 月より実施されていた「モバイルサービスの提供条件・端末に関するフォローアップ会合」では、現状 3 万円を超える高価格モデルも割引で 1 万円程度の値付けがされていることから、低価格モデルとの差がつかないことを問題視。 先のガイドラインの改定案には、同シリーズにおける 2 年前のモデルの下取り価格を下回らない価格で販売するよう求める記述がなされている。

2015 年に義務化された SIM ロック解除に関しても、現状ロック解除できるまで 6 カ月かかるのは「長すぎる」との声が多く上がり、取りまとめでは 2 カ月に短縮すべきとされた。 また NTT ドコモ以外の端末が、同じ会社のネットワークを利用した MVNO の SIM を挿入しても、SIM ロック解除していなければ利用できないことも、MVNO の競争拡大の観点から問題視。 SIM ロック解除をしていなくても MVNO の SIM が利用できるようにすべきとの提言がなされている。

ユーザーの奪い合いから 1 人当たりの売上拡大へ

SIM ロック解除や端末購入補助などに関しては、2007 年に総務省が実施した「モバイルビジネス研究会」の頃から話し合われていたテーマでもある。 それゆえ総務省側がキャリアの商習慣を変え、携帯電話料金の引き下げにつなげたいという意志は非常に強く、今後も手を緩めることなく、3 社にとって厳しい施策を打ち出してくるものと考えられる。

このことは裏を返せば、大手 3 社は 2017 年以降も総務省の影響を強く受け続け、従来のように MNP で乗り換えるユーザーを端末価格で優遇し、他社のユーザーを奪い合う競争を仕掛けることは難しくなったことを意味する。 現在は 3 社とも、実質 0 円販売の事実上禁止措置によって端末購入補助にかける金額が減少し、それが業績好調要因へとつながっている。 だが総務省は、端末購入補助を減らしたことで浮いた利益を、携帯電話料金の引き下げや長期利用者優遇に割り当てるべきとしていることから、いつまでも恩恵が受けられるわけではないだろう。

とはいえ、3 社にとって毎月の通信料は収入の要であることから、現在の料金体系を大きく変えたくないのは事実だ。 実際、NTT ドコモが 2014 年に現在主流となった料金プラン「カケホーダイ & パケあえる」の提供を開始した際、当初通話定額を目的としたユーザーが殺到し、データ通信容量が最も少ない料金プランを選ぶユーザーが 7 割強に達した結果、データ通信の収入増で売上拡大を見込んでいた同社の思惑が大きく外れ、営業利益を 1,200 億円と、大幅に下方修正するに至っている。

それゆえ大手 3 社は、ユーザー数が変わらない中にありながらも、売上を高める策として、2016 年には大きく 2 つの施策を打ち出している。 1 つは周辺サービスの利用拡大だ。 具体的には、自社のサービスを契約しているユーザーに対し、より多くのコンテンツを提供したり、固定回線とのセット契約を勧めたり、電力や保険など生活系サービスを提供したりするなど、幅広いサービスを提供することによって、売上を高めようという施策が、2016 年には大幅に増えているのだ。

中でも象徴的なのは、KDDI が「au ライフデザイン」を打ち出し、au ユーザーに対して電力や保険、住宅ローンなどのサービスを提供するとともに、au のサービスと連携することでメリットのある施策の提供を進めてきたこと。 その取り組みの過程ではさまざまな問題や課題も発生しているが、通信事業者の枠を大きく超え、ユーザーの生活サービス全てを取り込もうという施策で注目されるところだ。

そしてもう 1 つは、通信サービスのアップセル、つまりより上位の料金プランを契約してもらうことで、売上を高める施策である。 この施策を象徴しているのがソフトバンクの「ギガモンスター」。 これは従来 1 万円を超えていた、高速通信容量が 20GB のプランの料金を、6,000 円と大幅に引き下げることで、上位のプランへ移行しやすくする措置といえるだろう。

低価格サービスでは奪い合い競争が過熱化

2016 年に展開した施策の多くは 2017 年にも引き継がれ、引き続き 3 社は 1 人当たりの売上を高める戦略を拡大するものと考えられる。

総務省は MVNO の利用拡大を進めていることから、MVNO などより低価格のサービスへ既存ユーザーが流出することで、売り上げを落とすのではないかという懸念もあるが、1 人当たりの売上拡大に戦略を切り替えたことで、大手 3 社は低価格を求めるユーザーを無理に自社のメインサービスに留めないよう方針をスイッチしたと見られる。 低価格ユーザーに対しては、自社回線を利用した MVNO やサブブランドなどへあえて流出させることで、接続料などによって無理なく売上を得る方向へと、今後はシフトしていくものと見られる。

しかしながら、自社回線ではなく他社回線を用いた MVNO などに流出してしまえば、収入の道が完全に断たれてしまう。 それゆえ大手キャリアにとって、現在大きなテーマとなっているのは、いかに低価格を求めるユーザーに対し、自社回線を用いたサービスを利用してもらうかであろう。

そこで 2017 年は、大手 3 社が低価格向けサービスに対し、どのような施策をもって取り組んでいくかが、大きく注目されるポイントとなってくるだろう。 中でも、低価格サービス戦略で大きく出遅れた KDDI は、2016 年に傘下の UQ コミュニケーションズが展開する「UQ mobile」に大幅なテコ入れを実施したほか、12 月には MVNO としても大手のビッグローブを買収。今後も有力 MVNO の買収を拡大して仲間を増やしてくるようであれば、低価格サービスの台風の目として注目されることになるだろう。

またソフトバンクは、これまで MVNO には消極的で、現状サブブランドのワイモバイルに力を入れている。 だが一連の総務省施策などによって、同社の MVNO となる企業が 2017 年以降、徐々に増えてくる可能性がある。 最も多くの iPhone ユーザーを抱えると見られるソフトバンクにとって、MVNO が増えることは、高付加価値サービスの利用につなげやすい iPhone ユーザーの流出につながる可能性があるため痛しかゆしな部分もある。 それだけに、同社が MVNO をどう活用していくかというのは、今後興味深いポイントとなってくるだろう。

付加価値を高める戦略がどれだけユーザーの支持を集めるか、そして低価格サービスで、自社回線を利用するユーザーをどれだけ確保できるか。 この 2 つが、2017 年における携帯 3 社の評価を分ける大きなポイントになるといえそうだ。 (佐野正弘、MyNavi = 1-3-17)


携帯価格「2 年前の機種の下取り以上」 値引きで指針案

総務省は 18 日、携帯電話の行きすぎた値引き販売を禁じる新しい指針の案を発表した。 来年 6 月以降に売り出される端末の価格について「2 年前の同型機種の下取り価格以上」と規定する。 また、大手で買った端末が他の会社では使えない「SIM ロック」期間は、今の 6 カ月から「100 日程度以下」に縮め、一括払いなら数日にする。

19 日からパブリックコメントの手続きに入り、来年 2 月から順次適用する。 仮に「iPhone (アイフォーン) 7」に新しい価格ルールを当てはめると、2014 年発売の「6」の下取りは現在 3 万円前後のため、各社はそれ以上で売る必要がある。 利用者にとっては負担増になる場合もあるが、総務省料金サービス課は「新機種の方が安いのは不合理だ」と説明する。

総務省が今年 4 月に導入した指針は端末を「合理的な額」で売るよう求め、実際には「実質負担額が 1 万円程度以上になるように」と指導していた。ただ、各社が「実質 0 円」などの値引きを続けたため、同省は 10 月に NTT ドコモ、KDDI、ソフトバンクを行政処分。 今回、規制強化に踏み切った。 SIM ロックは、一括払いなら販売店への入金を通信各社が確認し次第、解除できる。 また大手 3 社で端末を買い、同じ会社の回線を使う格安 SIM 業者に乗り換える場合は、端末を買ってすぐでも SIM ロックがかからないようにする。 大手から格安 SIM 業者に乗り換えやすくすることで、業界全体に料金の引き下げを促す狙いだ。 (上栗崇、asahi = 11-18-16)


総務省がスマホ「実質 0 円」潰しへ規制強化 有識者会議に提示

総務省が、スマートフォンの「実質 0 円」での販売自粛を促すガイドライン(指針)を強化する方針を固めたことが 7 日、分かった。 週末限定で販売代理店側に積み増す奨励金などを禁止して実効性を高める。 7 日午後に有識者会議で意見を示す。 総務省は 3 月に指針をつくり携帯大手各社を指導してきたが、過剰な値引きが後を絶たないため、規制対象を拡大して値引きの「抜け道」をなくす。

一方、総務省は、格安スマホの普及を後押しするため、格安スマホを手掛ける MVNO (仮想移動体通信事業者)が携帯大手から回線を借りる際に支払う料金を引き下げる方向だ。 また、大手各社が設定している端末を自社回線以外で使えなくする「SIM ロック」を解除するまでの期間の短縮も求める。 (sankei = 11-7-16)


スマホ、やまぬ「実質 0 円」 総務省の指針に抜け穴

「実質 0 円」に代表されるスマートフォン端末の大幅な値引きが今月から禁じられ、販売店の店頭からは「0 円」の表示がほぼ消えた。 しかし、総務省の指針には「抜け穴」があり、極端な安売りは完全になくなってはいない。 「『0 円』の店頭表示は不可。 割引前の価格を表示。」 関東地方で販売店を経営する男性に今月上旬、大手携帯会社から電子メールが届いた。 男性は「表示をなくしても、0 円で売れということだ」と思った。

この販売店では、携帯会社から受けとる「奨励金」を端末の値引きの元手にしており、「お客さんに聞かれたら、『0 円近くまで安くできる』とうち明けている」と話す。 総務省が 2 月、端末の大幅値引きを禁じる指針案を示したことで、携帯会社からの奨励金は減った。 男性の店では端末の値引きを縮小し、販売台数は半減。 まわりでは廃業する店も出始めたという。 しかし 3 月になると奨励金は増え始めた。 男性はこれを「『0 円』を復活しろというメッセージ」と受けとった。 (真海喬生、内藤尚志、asahi = 4-24-16)


ドコモ、長期利用者向けに割引拡大 対象も 4 年以上に

NTT ドコモは 14 日、スマートフォンの長期利用者向けの新料金を発表した。 5 年以上の利用者が対象だった割引を 4 年以上の利用者に広げて、最大で月 2 千円だった割引額も月 2,500 円に増やす。 安倍晋三首相の指示で総務省が求めた料金引き下げの一環で、6 月から受けつける。

月 5 千円で動画などのデータ通信が月 5 ギガバイトまでできる売れ筋コースも対象で、4 年目から月 100 円の割引が受けられる。 利用契約を 2 年ごとに自動更新する「2 年縛り」も緩和し、料金は変わらずに 3 年目以降にいつでも無料で解約できるコースを設ける。 総務省は昨年末、ドコモ、KDDI (au)、ソフトバンクの携帯大手 3 社に新料金を検討するよう要請した。 今春に 3 社とも通信容量の少ない低料金コースを新設したが、総務省はさらに長期利用者を優遇する料金も求めていた。 (asahi = 4-14-16)


「0 円 iPhone」撤回します … ドコモ、価格一部変更

NTT ドコモは 28 日、25 日に公表した米アップルの新型スマートフォン「iPhone (アイフォーン) SE」の価格の一部を変えると発表した。 「ガラケー」と呼ばれる従来型携帯電話からの機種変更の割引をやや縮小する。 この場合、容量 16 ギガバイトモデルの実質価格が、0 円から 648 円に上がる。 「さまざまな指摘を受けたため(広報)」としている。 24 日から予約を受けつけており、31 日に売り出す。 ドコモはすでに予約した人にも変更後の価格で売る方針で、反発が出そうだ。

ガラケーからの機種変更割引を適用した 16 ギガモデルの実質価格は、KDDI (au) が 720 円、ソフトバンクが 432 円。 この日の変更までは、最後に公表したドコモが最も安かった。 ただ総務省は 25 日、「実質 0 円」に代表されるような極端な値引きの是正を求める指針を定めており、ドコモの値付けが抵触するとの批判が業界内で強まっていた。 一方、総務省の指針は「実質 0 円」の全面禁止を明記しておらず、ガラケーからの機種変更への大幅値引きも容認している。 総務省があいまいな指針を定めたことにも、批判が出る可能性がある。 (asahi = 3-28-16)


ドコモ、低料金 5 ギガコースは来月 1 日から

NTT ドコモは 23 日、スマートフォンの料金について、家族で月 5 ギガ分のデータ通信量を分け合えるコースを 3 月 1 日に始めると発表した。 総務省の要請を受けて大手 3 社が新設する低料金コースでは、最も早い導入になる。 5 分以内の電話かけ放題プランと組み合わせられ、3 人家族なら 1 人平均は月 4,500 円。 (asahi = 2-24-16)


スマホ本格値下げ、3 社見送り 新コースの恩恵、限定的

総務省が昨年末に示したスマートフォンの料金引き下げ策を受け、大手携帯電話会社 3 社が今春に新設する低料金コースが 1 日、出そろった。 いずれも毎月の料金が 1 千円以上安くなるが、対象者は一部に限られる。 料金水準全体を改める本格的な値下げは、3 社とも見合わせた。

KDDI (au) が 1 日発表した新コースは、電話代と動画などのデータ通信代を合わせて、税別で月 4,900 円。 電話は 5 分以内なら何回でもかけ放題で、データ通信は月 1 ギガバイト分までできる。 ソフトバンクが 1月上旬に発表した新コースと、内容・金額ともに同じだった。 au の新コースは 3 月中に、ソフトバンクは 4 月以降に導入される予定だ。

NTT ドコモが 1 月 29 日に発表した低料金コースは、2 人以上の家族に対象を絞った。 データ通信を月 5 ギガ分まで家族で分け合えるコースを新設。 5 分以内の電話がかけ放題のコースと合わせれば、3 人家族で 1 人平均の料金は月 4,500 円になる。 3 社が新コースの導入を決めたのは、総務省から「月 5 千円以下」の低料金コースをつくるよう促されたためだ。 結果として、各社とも最低料金は月 1 千円以上は安くなる。

だが、月 1 千円台から使える「格安スマホ」との料金差はなお大きい。 たとえば、楽天モバイルの格安スマホは、30 秒で 20 円の電話代に、月 1,600 円でデータ通信が 3.1 ギガ分までできるコースを組み合わせられる。 (真海喬生、内藤尚志、asahi = 2-2-16)


ドコモ、家族割を拡充 1 人月 5 千円以下、低料金コース

総務省が昨年末に示したスマートフォンの料金引き下げ策を受け、NTT ドコモが新設する低料金コースの概要がわかった。 家族用の割引を拡充し、1 人あたりの平均料金を基本的に月 5 千円以下にする。 個人向けの新コースをつくるソフトバンク、KDDI (au) とは異なる手法となる。

3 社とも今春から新コースを導入する方針だ。 29 日に発表するドコモは、家族向けに動画視聴などのデータ通信が家族合計で月 5 ギガバイト分までできるコースをつくる。 5 ギガは、標準的な動画なら 22 時間超は見られる量だ。 料金は、電話代が 5 分以内ならかけ放題になるコースとの組み合わせで、2 人家族で月に計 1 万円ほど。 3 人以上の家族はさらに安くなる。 いまはデータ通信が月 15 ギガ以上のコースとしか組み合わせられず、2 人家族で計 1 万 7 千円だ。 (真海喬生、asahi = 1-27-16)


スマホ端末、値上げ模索 携帯大手、通信料値下げの原資

大手携帯電話会社が売るスマートフォンの一部機種が、来月からやや高くなりそうだ。 背景には、政府が過度な値引き販売を問題視したことがある。 政府はもともと「家計負担の軽減」を掲げて通信料の引き下げを求めてきたが、端末代の値上がりで、逆に遠のく可能性もある。 スマホの毎月の支払い額は、通信料に分割払いの端末代を上乗せするのが一般的だ。 だが、ほかの携帯会社から乗り換えて契約する利用者に向けて、2 年間にわたる通信料割引やキャッシュバックなどを組み合わせ、端末代を「実質 0 円」にする手法も広まる。 値引き額が端末代を超える「赤字販売」も珍しくない。

関係者によると、最大手の NTT ドコモは販売店に対し、一部の機種で実施していた「赤字販売」を来月からやめるよう要請した。 値引きの元手となる販売店への奨励金も減らす。 ドコモは業界内で、過剰な値引き競争を「不健全だ」と訴えてきた。 率先してやめることで契約者の獲得競争を沈静化させ、シェアを安定させたいねらいもあるとみられる。 (真海喬生、内藤尚志、asahi = 1-19-16)


ソフトバンク、先陣を切り "低価格" プランを発表 ドコモと KDDI の追随は

ソフトバンクは 1 月 7 日、SoftBank の料金プラン「スマ放題ライト」、「スマ放題」において、月額 2,900 円で 1Gバイトまでのデータ通信ができる「データ定額パック・小容量 (1)」を 4 月以降に導入することを発表した。 これにより、スマートフォン(通話 + データ通信)が月額 4,900 円から利用可能になる。 同社では、低価格プランの導入について「お客様のニーズを踏まえた結果」と説明したが、2015 年 9 月に安倍晋三首相が携帯電話の料金引き下げを検討する旨の発言をしたことから、総務省で実施された「携帯電話の料金その他の提供条件に関するタスクフォース」の結果を踏まえたものと考えられる。

ソフトバンクは、2014 年 8 月より Y!mobile において、1G バイトまでのデータ通信と 10 分以内の国内通話(300 回/月)が低価格で利用できる「スマホプラン S(月額 2,980 円)」を提供していた。 SoftBank で「データ定額パック・小容量 (1)」を導入することで、データ通信の利用が少ない顧客でも低価格にスマートフォンを利用できるようになるとしている。 なお、価格設定については「さまざまな要素を考慮したもの」とした。

ソフトバンクが先陣を切って低価格プランを発表した形だが、そのほかの携帯電話キャリアの動きはどうか。NTT ドコモは、「現時点では決まっていないが、1 月中には具体的な内容を発表する。 家族間でのデータシェアや、長期契約者への割引などを軸とする新料金プランを拡充したい」とコメント。 また、KDDI は「お客様のニーズを踏まえて検討していく」とした。 (藤井涼、Cnet = 1-7-16)


ドコモ、MNP 客へのキャッシュバックの廃止決定!!

NTT ドコモは、他社からの乗り換え客に対するキャッシュバック廃止や「実質 0 円」の見直しを決めました。 今後、iPhone などのスマートフォン購入のあり方が大きく変わると同時に、料金引き下げへの効果が注目されます。

安倍首相の指示により、総務省に設置された有識者会議の結論が 16 日にもまとまる見込みです。 これに先立ち、同会議でも議論されていた MNP による他社からの乗り換えに対するキャッシュバックについて、NTT ドコモが廃止することを全国の販売代理店等に通知する方針を固めました。 乗り換え客への高額キャッシュバックは、NTT ドコモが iPhone 販売に参入した 2014 年の年度末に過熱しました。 一時は沈静化したものの、顧客獲得競争の激化とともに再燃していました。

キャッシュバックの原資が既存顧客が支払った料金であることから、「不公平だ」との批判があったキャッシュバック廃止や、端末価格の「実質 0 円」の見直しに、業界最大手の NTT ドコモが乗り出したことで、KDDI やソフトバンクも歩調を合わせてくることが予想されます。 キャッシュバックなどの販売促進をやめることで、既存ユーザーの料金がどの程度引き下げられるのか、注目が集まりそうです。

格安スマホに加えて中古端末市場の活性化を検討

NHK の報道によると、総務省の有識者会議では、キャッシュバックなどの廃止により端末価格が実質的に上がり、買い替えが進まなくなることへの対策として、格安スマホの市場拡大のほか中古端末市場の活性化策を明日の提言に盛り込む、とのことです。 これまで日本では、大手キャリアの各種キャンペーンにより、iPhone など最新モデルのスマートフォンを格安で入手できました。 今後、ユーザーにとっては端末購入のあり方が大きく変わることとなりそうです。 一方、顧客獲得に従来の手法が使えなくなる大手キャリアは、各社の魅力をどうアピールしていくか、試されることとなるでしょう。 (NHK、iPhoneMania = 12-15-15)


携帯端末「安売り制限は乱暴な議論」 販売最大手が批判

安倍晋三首相の指示を受けて総務省が検討している携帯電話料金の引き下げ策について、携帯販売代理店の最大手、ティーガイア(東京)の渋谷年史社長は 17 日、「端末の安値販売禁止は乱暴な議論」だと批判した。 公の場で、販売代理店側から異論が出るのは初めてだ。

決算発表の会見で述べた。 総務省の有識者会議では、料金の引き下げと引き換えに端末価格の値引きを縮小する案が浮上している。 端末価格が上がれば販売台数の減少が懸念されるため、渋谷社長は「端末価格を下げてはいけないとなると、(経営面で)非常に大きな問題だ」と指摘した。 また、「一般論」としたうえで、「私企業のプライシング(価格決定)にお上が手を突っ込むのはいかがなものか」とも話した。 一方、高市早苗総務相は 17 日の閣議後会見で「より実効性のある対策を考えるべきだ。 いろんな選択肢がある。」と述べ、事業者が守るべき指針の策定を検討していることを明かした。 (asahi = 11-17-15)