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オリエンタルランド、猛暑に負けず売上高が過去最高 9 月中間決算 東京ディズニーリゾート (TDR) を運営するオリエンタルランドが 30 日発表した 2025 年 9 月中間決算は、売上高が前年同期比 6.4% 増の 3,161 億円となり、過去最高だった。 純利益は 6.1% 増の 483 億円だった。 入園者 1 人当たりの売上高が 1 万 8,196 円と 5.2% (893 円)増えて過去最高となったことが業績を押し上げた。 昨年 6 月に開業したディズニーシーの新エリア「ファンタジースプリングス」が好調で、アトラクションを時間指定で予約できる有料サービス「ディズニー・プレミアアクセス」の利用が増えたという。 今夏は昨年に続く記録的な猛暑だったが、入園者数は 0.4% 増の 1,224 万人だった。 大量の水を放出するイベントや冷風機の設置などの暑さ対策を拡充し、「入園者数の底上げになった(霜田朝之執行役員)」という。 (長崎潤一郎、asahi = 10-30-25) 9 月消費者物価、2.9% 上昇 食品高止まり、電気・ガスの補助縮小 総務省が 24 日発表した 9 月の全国消費者物価指数(2020 年 = 100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が 111.4 と、前年同月比 2.9% 上昇した。 プラスは 49 カ月連続。 食料品の高騰が続いているほか、電気・ガス補助金の規模が前年に比べ減少したことも影響した。 エネルギーは 2.3% のプラス。 電気代は 3.2%、都市ガス代は 2.2%、それぞれ上昇した。 生鮮食品を除く食料は 7.6% 上昇。 前月の伸び (8.0%) は下回った。 米類は 49.2% のプラスだった。 (asahi = 10-24-25) ◇ ◇ ◇ 都区部消費者物価は 2.5% 上昇 9 月中旬速報、電気ガスが値上がり 東京都区部の 9 月中旬の消費者物価指数(速報値、2020 年 = 100)は、値動きの大きい生鮮食品を除いた総合指数が 111.0 になり、前年同月に比べ 2.5% 上昇した。 食品の値上がりに加え、電気・ガス代が上昇。 一方で、東京都が 0 - 2 歳児の保育料無償化の対象を 9 月から第 1 子にも広げたため、保育所の保育料が大きく下がった。 総務省が 26 日に発表した。 上昇率は 8 月の中旬速報値と同じだった。 生鮮食品を含む総合指数も 2.5% 上昇した。 食品は、6.1% の上昇。 コメ類の上昇率は 46.8% と前月 (67.9%) より和らいだ。 昨年 9 月も値上がりが加速していたためで、指数の水準自体は高い。 ただしブレンド米は調査対象に含まれていない。 電気代は 3.4%、都市ガス代は 2.0% それぞれ上昇した。 政府は 7 月分使用分から負担軽減の支援をしているが、昨年も 8 月使用分から補助をしていた。 保育料は前年同月比で 60.4% 下落し、指数全体を 0.3% 分押し下げた。 都による水道の基本料金無償化で、水道料も 7、8 月に続き、前年同月比で 34.6% 下落している。 (石川尚文、asahi = 9-26-25) ◇ ◇ ◇ 8 月の消費者物価指数、9 カ月ぶりに 3% 下回る 電気・ガス代が下落 8 月の消費者物価指数(2020 年 = 100)は、値動きの大きい生鮮食品を除いた総合指数が 111.6 になり、前年同月より 2.7% 上がった。 上昇率が 3% を下回ったのは昨年 11 月以来 9 カ月ぶり。 政府の電気・ガス代補助が押し下げに寄与した。 一方で食料や住居関連、交通通信費などの値上がりが指数を押し上げている。 総務省が 19 日に発表した。 生鮮食品を含めた総合指数も前年同月比で 2.7% の上昇だった。 食料は前年同月比 7.2% 上昇した。 前月 (7.6%) よりやや和らいだが、高い伸びが続く。 コメ類は 69.7% 上昇。 昨年 8 月も値上がりが加速していたため、前年同月比の伸び率は下がってきたが、指数自体は高い水準のままだ。 ただし、ブレンド米として流通する備蓄米は調査対象に含まれていない。 おにぎり (18.5%) や外食のすし (7.9%) なども高い伸びが続き、コーヒー豆や鶏肉、鶏卵の上昇も目立つ。 一方、電気代は 7.0%、都市ガス代は 5.0%、それぞれ下落した。 7 月使用分からの政府の支援事業による押し下げの効果が大きいという。 ガソリンなども含めたエネルギー全体で、総合指数の上昇幅を前月に比べ 0.24% 分縮めた。 生鮮食品を除く総合指数の上昇率は、23 年 9 月以降 2% 台が続いていたが、コメの高騰などの影響で昨年 12 月に 3.0% と加速。 今年 5 月に 3.7% に達した後、3 カ月続けて伸びが鈍化している。 (石川尚文、asahi = 9-19-25) ◇ ◇ ◇ 7 月の消費者物価、3.1% 上昇 エネルギーは 1 年 4 カ月ぶりに下落 総務省が 22 日発表した 7 月の全国消費者物価指数(2020 年 = 100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が 111.6 と、前年同月比 3.1% 上昇した。 プラスは 47 カ月連続。 食料品の値上がりが続いているものの、エネルギーが 1 年 4 カ月ぶりに下落に転じたことで、全体の伸び率は 2 カ月連続で縮小した。 エネルギーは 0.3% のマイナス。 燃料価格の下落により、電気代は 0.7%、都市ガス代は 0.9%、それぞれ下落した。 前年に政府補助金の終了で価格が大きく上昇した反動も出た。 生鮮食品を除く食料は 8.3% 上昇。 前月の伸び (8.2%) をわずかに上回った。 米類は 90.7% のプラスで高止まりしている。 (asahi = 8-22-25) トライアルと西友、互いの PB を販売 西友は 540 品目値下げも開始 九州発のディスカウント大手トライアルホールディングスと、首都圏を中心に展開するスーパー大手の西友は 22 日、互いのプライベートブランド (PB) を本格的に扱い始めた。 トライアルは 7 月に西友を買収しており、両社の強みを生かして低価格商品の充実を図る。 PB の相互融通が始まったのは、西友の全 244 店とトライアル 358 店の一部。 西友で扱うトライアルの PB は、食パン「トライアルブレッド」(税込み 95 円)など最も多い店で 203 品目。 一方、トライアルで扱う西友の PB は「みなさまのお墨付き」シリーズのレトルトカレーなど最多で 122 品目だ。 対象品は順次、増やしていく方針。 トライアルと西友の全店では、食品や日用品などメーカー商品の一部について 26 日までの値下げも開始。 西友でのセール対象は約 540 品目で、値下げ幅は平均 20.7%。 下げ幅が最も大きい冷蔵ギョーザは 48.0% 引きになる。 物価高にヴぃ直面している消費者に「安さ」を強調している。 西武線の沿線にある西友ひばりケ丘店(東京都西東京市)で取材に応じたトライアルカンパニーの野田大輔マーケティング部長は「消費の環境は厳しい。 お客様がほしい商品をほしい価格で届けたい.。」と話した。 トライアルは重視する東京都で、西友との統合効果を示す新しい屋号の店「トライアル西友」や小型店「トライアル GO」の出店も進める。 「トライアル西友」は西武線の花小金井駅(東京都小平市)近くの西友を改装し、11 月 ヴぃ28 日に新装オープンする予定。 「トライアル GO」は 11 月上旬に西武線の富士見台駅(東京都練馬区)と JR 西荻窪駅(東京都杉並区)のそれぞれの近くに開く方針だ。 (山本精作、asahi = 10-22-25) 初 報 (3-5-25) 一時販売停止の「金」 11 月下旬に販売再開目指す 田中貴金属が発表 金が史上最高値を更新し続けています。 国内価格の指標とされる田中貴金属工業の店頭小売価格は、16 日午後 2 時の時点で、1 グラムあたり 2 万 2,706 円と最高値を更新し続けています。 米中の貿易摩擦への懸念が強まり、アメリカの政府機関の一部閉鎖が長引く中、安全資産としての金の需要が高まっています。 一方、予想を超える売れ行きに製造が追いつかず、10 月 4 日から田中貴金属は、小型の金地金(50g・20g・10g・5g * 10 月 16 日時点)の販売を一時停止していましたが、11 月下旬に販売再開を目指すことを発表しました。 小型地金だけでなく 100g 以上の地金などの取引件数も急増するなか、生産計画の見直しや増員で対応していくとしています。 (FNN = 10-16-25) ◇ ◇ ◇ 金価格、史上初めて 1 グラム 2 万円を突破 急上昇は「バブル」なのか 金地金 金(ゴールド)の 1 グラムあたりの店頭小売価格(税込み)が 29 日、史上最高値を更新し、2 万円の大台を初めて超えた。 米国の利下げや地政学的リスクの高まりを背景に需要が急増。 中国など新興国の中央銀行が大きな買い手となっている。 地金商最大手の田中貴金属工業が 29 日午前に公表した小売価格は、1 グラム = 2万 0,018 円(税込み)だった。 同日午後には 2 万 0,133 円まで上がった。 年初からは約 35% も値を上げ、2023 年 8 月に初めて 1 万円を突破して以来、約 2 年で 2 倍になった。 3,500 円前後だった 15 年前と比べると約 6 倍に上がった。 埋蔵量が限られる金は希少価値が保たれるため、投資家の不安が高まると「有事の金」として買われやすい。 近年は、ウクライナや中東情勢の緊迫化が金の需要を高めた。 米国が利下げを再開し、高金利だったドルの魅力が薄れたことも金への資金流入を誘う。 中央銀行がドル → 金にシフト 国内の金価格は、ドル建てで決まる国際価格を元に、為替などを加味して決まる。 国際価格の上昇に円安なども加わり、この日初めて 1 グラム = 2 万円を突破。 今月 9 日に初めて 1 万 9,000 円台に乗せ、わずか 20 日後に大台を超えた。 世界の金市場で大きな買い手が、各国の中央銀行だ。 金の調査研究機関ワールド・ゴールド・カウンシルの推計によると、金は地上に 21.6 万トンある。 このうち 17% にあたる 3.7 万トンを中銀が保有している。 増加が著しいのが、ロシアや中国などの新興国だ。 ロシアは 25 年 6 月末時点で 2,329 トンと、10 年末に比べて約 3 倍になった。 同じ期間で、中国は約 2 倍の 2,298 トン、インドも約 1.5 倍の 880 トンに増やした。 楽天証券の吉田哲氏は「米国など西側と距離を置く国々が、『ドル離れ』の動きを強めている」と指摘する。 中国は 10 年ごろから、米国債の保有を減らしている。 さらに、トランプ米大統領の登場で世界の分断が進み、基軸通貨ドルの信認が揺らいでいることも影響しているという。 ワールド・ゴールド・カウンシルが今年 6 月に発表した世界の中銀を対象とした調査(回答数 73 行)は、ドルから金へのシフトを裏づける結果となった。 76% の中銀が、今後 5 年間で世界の中銀による金の保有が増えると見込んだ。 保有する理由は「(地政学リスクや経済危機など)危機時の備え」、「金はデフォルト(債務不履行)しない」、「インフレ対策」などだった。 一方で、73% は今後 5 年間で外貨準備に占めるドルの比率が下がると予測した。 金価格の今後について吉田氏は「米国の追加利下げ、さらなる中東情勢の悪化、金価格と逆相関になる場合がある株価下落、という三つのことが同時進行すれば、年内にも 1 グラム = 2 万 2,000 円に達する可能性がある」と話す。 止まらぬ価格上昇 専門家に聞く 国内の金 1 グラムの店頭小売価格(税込み)が 29 日、史上初めて 2 万円の大台に乗った。 2023 年 8 月に 1 万円を突破して以来、2 年あまりで 2 倍になった。 なぜここまで急ピッチで上がったのか。 楽天証券経済研究所でコモディティアナリストを務める吉田哲氏に聞いた。 金価格が上がっている。
米国が利下げを決めた後も、さらに金価格が上がっている。
中国やロシアが「ドル離れ」 価格上昇の中長期的な要因は。
どんな理由で金を買っているのか。
どんな国々が買っているのか。
なぜドル離れが起きているのか。
年内に 1 グラム 2 万 2,000 円の可能性 どこまで価格は上がるとみているか。
金価格の高騰は、バブルではないのか。
最初は「純金積み立て」がおすすめ 投資家に向けたアドバイスは。
投資を始めるには、どんな商品が良いか。
イオン、PB 好調で営業利益最高 25 年 8 月決算「まいばす」が貢献 小売り大手イオンが節約志向をプライベートブランド (PB) で取り込み、業績を伸ばしている。 14 日に発表した 2025 年 8 月中間決算は、売上高が前年同期比 3.8% 増の 5 兆 1,899 億円、営業利益は 19.8% 増の 1,181 億円で、ともに過去最高となった。 純利益は 9.1% 増の 40 億円だった。 イオンはナショナルブランドより安めの PB の拡販に力を入れており、「トップバリュ」を中心とする PB 全体の売上高は 11.7% 増だった。 このうち割安さを特に強調している「ベストプライス」は 13.9% 増と伸びはさらに大きい。 業態別では首都圏に 1,200 店超を展開する小型スーパー「まいばすけっと」が好調だった。 イオンの吉田昭夫社長は足元の国内消費について「できるだけ工夫して節約する消費行動が目立つようになってきた」と指摘。 これを踏まえ「PB を中心とした商品改革に注力している」と話した。 また、吉田氏は小型スーパーの「まいばすけっと」については、「コンビニと同じようなレベルで近隣にあり、価格は割安。消費者のニーズにあっており年に 200 店のペースで出店していきたい。」と話した。 (山本精作、asahi = 10-14-25) 初 報 (4-11-25) みずほ銀行の基幹システム更新終了 サービスを再開 みずほフィナンシャルグループ (FG) は 12 日、銀行基幹システムの大規模更新を終えたと発表した。 11 日から 2 日間かけて実施していた。 11 日午後 10 時から休止していた ATM やインターネットバンキング「みずほダイレクト」も 12 日午後 1 時に予定通り再開した。 2019 年に稼働した基幹システム「MINORI (ミノリ)」は、預金、融資、振り込みといった銀行の勘定系の業務を担っており、今回が初めての大規模更新だった。 保守期限を迎えた機器を交換し、新機器へのデータ移行と切り替えを完了した。 みずほ銀行では過去、深刻なシステム障害が相次いだ。 その教訓を踏まえ、複数回の訓練を重ね「万全の準備をしてきた(みずほ FG 幹部)」としていた。 (伊沢健司、asahi = 10-12-25) 過去の経緯 (〜6-1-18) 製造業の景況感が 2 期連続改善 日銀短観、トランプ関税の懸念和らぐ 日本銀行が 1 日に発表した 9 月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業・製造業の業況判断指数 (DI) は前回 6 月から 1 ポイント改善してプラス 14 となり、2 期連続で改善した。 日米関税交渉の合意などを受け、企業の懸念が和らいだ。 日本経済の底堅さを示す結果となったが、関税の悪影響はこれから本格化するとの見方もある。 業況判断 DI は、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた指数で、全国の約 9 千社が回答した。 今回は 7 月下旬に日米関税交渉が合意に至った後、初の調査となった。 大企業・製造業の業種別では、自動車が 2 ポイント改善してプラス 10。 先月に自動車関税が 27.5% から 15% に見直され、不確実性が後退した。 半導体を含む電気機械は 5 ポイント改善してプラス16だった。 AI (人工知能)需要の高まりが後押しとなった。 日米交渉の結果、ほぼ全ての製品にかかる相互関税の軽減措置も発効したが、鉄鋼・アルミ製品などには 50% の税率が課されている。 このあおりも受け、鉄鋼は 11 ポイント悪化のマイナス 14 だった。 ただ、各業種で関税の影響の織り込みが進んだとみられ、日銀の担当者は「関税の不確実性が晴れてきている」とした。 3 カ月先は悪化見通し 悪影響はこれから? 大企業・非製造業は、前回と同じプラス 34 だった。 小売りは横ばいのプラス 18、宿泊・飲食サービスは 19 ポイント悪化してプラス 26 だった。 インバウンド(訪日外国人客)の需要が鈍り、物価高による節約志向も響いた。 3 カ月先の景況感は、大企業・製造業が今回から 2 ポイント悪化を見込む。 米経済の先行きへの懸念のほか、物価高や人手不足によるコスト増が背景にある。 大企業・非製造業も 6 ポイント悪化を見込んでいる。 大和総研の中村華奈子氏は「業況判断は全体として底堅い結果だった。ただ、関税自体は避けられず、国内景気が減退すれば、非製造業にも悪影響が見込まれる」と指摘する。 (伊沢健司、asahi = 10-1-25) ◇ ◇ ◇ トランプ関税の霧は晴れた? 底堅い景況感と「じわじわ影響」の不安 日本銀行の 9 月短観で、大企業・製造業の景況感が 2 期連続で改善し、底堅さを保っていることを示した。 トランプ関税の霧は晴れたのか。 今回の注目点は、米国の関税政策の影響がどう出てくるかだった。 自動車の関税率は、今春に従来の 2.5% から 27.5% へ引き上げられた後、日米交渉の合意を受けて 9 月に 15% に下がった。 この流れも受け、前回 6 月の調査で悪化した自動車の景況感は 2 ポイントの改善に転じた。 国内の自動車メーカーにとって大きな懸念は、関税引き上げ分の価格転嫁などによって、主力の米国市場での新車の売れ行きが落ち込むことだ。 ただ、現時点では「総じて米国市場は堅調(大手広報」)という。 各社が関税の上昇分を価格転嫁せずに自社で吸収したことに加え、輸出に有利な円安も追い風となった。 自動車販売数、むしろ好転 むしろ米国での 8 月の販売台数は、トヨタ自動車が前年同月比で 13.6%、日産自動車が 12.7% 増えた。 ホンダは減少したが、7 月まで 5 カ月連続で前年同月を上回っていた。 半導体も好調だ。 AI (人工知能)需要の急増に伴い、先端半導体市場が成長を続けている。 日米の株式市場は AI 関連銘柄が引っ張り、主な指数は最高値圏にある。 それでも懸念は残る。 短観では、自動車の 3 カ月先の景況感は再び 2 ポイント悪化すると見込む。 自動車の関税率は下がったとはいえ、元々の 6 倍の高さだ。 大手 7 社は 2026 年 3 月期の営業利益が前年から計 2.6 兆円減ると試算。 関税の影響が本格化して米経済が減速すれば、悪影響はさらに広がる。 車向け素材を供給する旭化成の工藤幸四郎社長は 9 月、自動車関税について「我々の業界にも半年、1 年という期間でみると、じわじわと影響が出てくるのではないか」と述べた。 物価高と節約志向 一方、大企業・非製造業では、物価高と節約志向の高まりが重しとなっている。 景況感が大幅に悪化した宿泊・飲食サービスでは、インバウンド(訪日外国人客)需要の衰えを訴える声もある。 スーパーなどでの値上げは続き、帝国データバンクによると、10 月の飲食料品の値上げは 3,024 品目に上った。 3 千品目を超えたのは半年ぶりで、上げ幅は平均 17% だった。 それでも日銀は、個人消費は底堅いとみる。 実際、日本百貨店協会によると、8 月の全国の売上高は前年同月比 2.6% 増の 4,139 億円で、7 カ月ぶりに前年実績を上回った。 化粧品や菓子類、子供服がよく売れ、来客数は 8 月として過去最高の 49.4 万人だった。 同協会の西阪義晴専務理事は「楽観はしていないが、力強い数字が出てきており、消費の勢いは落ちないのではないか」と話す。 10 月利上げの「妨げにならない」 今回の短観は、日銀の利上げ判断に影響を与えるのか。 日銀が注目している今年度の設備投資額の計画は、大企業・全産業で前年度比12.5% 増となった。 前回から 0.9 ポイント上方修正され、トランプ関税の影響下でも、成長分野や省力化に向けた投資は続いている。 また、5 年後の物価上昇率の見通しは、全規模・全産業で過去最高の 2.4% だった。 日銀が目標とする 2% を超えており、企業は、人件費の増加分などを価格に転嫁する動きが続くとみているようだ。 日銀が目指す賃金と物価の「好循環」に向けた支えになる。 9 月に政策金利を据え置いた日銀は、今月末に金融政策決定会合を開く。 短観の結果について、明治安田総合研究所の小玉祐一氏は「利上げを後押しするほどではないが、妨げにもならない」とし、日銀のシナリオには沿っていると分析。 「米国の経済指標が無難な結果なら、日銀は 10 月に利上げするだろう」と話す。 (西山明宏、山本精作、山口博敬、伊沢健司、asahi = 10-1-25) ファミマの ATM もセブン銀に セブン銀、伊藤忠商事と資本業務提携
記事コピー (asahi = 4-10-24〜9-26-25) 基準地価、4 年連続で上昇 地方の住宅地は 30 年ぶりに下落とまる 国土交通省は 16 日、土地取引の目安となる基準地価を発表した。 全国の住宅地、商業地などの全用途平均は前年より 1.5% 上がり、4 年連続で上昇した。 都市圏や観光地の地価上昇が地方にも波及し、札幌、仙台、広島、福岡の 4 市を除く地方圏の住宅地は、1996 年以来 30 年ぶりに下落から横ばいに転じた。 全国 2 万 1,441 地点の地価(7 月 1 日時点)を都道府県が調査し、国交省がまとめた。 全国平均の上昇率は、住宅地が 1.0% (前年 0.9%)、商業地が 2.8% (同 2.4%)で、上昇幅も拡大している。 住宅地は、東京圏の平均変動率が 3.9% (前年 3.6%)で 5 年連続、大阪圏は 2.2% (同 1.7%)で 4 年連続上がった。 利便性が高い中心部や再開発地区などが堅調だった。 一方、名古屋圏は 1.7% (同 2.5%)で 5 年連続上昇したが、上昇幅は縮小した。 地価や建築費が高くなりすぎ、一部で住宅の売れ行きが鈍くなっている。 商業地は、主要都市部のホテルや店舗などの需要が底堅い。 長野県白馬村や岐阜県高山市、東京都台東区浅草など、訪日客に人気の高い観光地で 20% 台の上昇となった。 また、大手半導体メーカーの工場が進出した北海道千歳市は、商業地、住宅地とも値上がりが目立った。 上昇率では商業地の上位 3 位までを独占。 住宅地でも 2 位と 3 位を占めた。 能登半島地震などで大きな被害が出た地域では、下落は続いたが下落幅は縮小した。 (大和田武士、吉田貴司、asahi = 9-16-25) 新社名は「三井住友海上あいおい損害保険」 27 年合併、国内首位へ 損害保険業界 3 位の三井住友海上火災保険と、4 位のあいおいニッセイ同和損害保険が合併して設立する新会社について、社名を「三井住友海上あいおい損害保険」とすることが、関係者への取材でわかった。 両社は 2027 年 4 月の合併を予定しており、今月末にも社名を公表する。 併せて、持ち株会社の MS & AD インシュアランスグループホールディングス (HD) の社名は「三井住友海上グループ」に変更する。 新持ち株会社の本社は三井住友海上の本社がある東京都千代田区神田駿河台に置かれる見通しだ。 MS & AD HD は 3 月 28 日、傘下の三井住友海上とあいおいニッセイ同和が合併の準備を進めると発表した。 その際、社名は未定としていた。 新会社の名称は、新たなブランドをつくるよりも、すでに両社が持つ顧客基盤が慣れ親しんだ名称を続ける方が良いと判断した。 残った「あいおい」、消えた「ニッセイ」 合併が実現すれば、東京海上日動火災保険を抜き、国内損保の事業規模で首位となる。 合併比率や役員構成では、純利益が大きく上回る三井住友海上が優位になるとみられる。 新会社の名称に「あいおい」を残すことで、両社の融和を図る狙いもありそうだ。 国内首位の損保が誕生へ 一方で、新社名からは「ニッセイ同和」が外れる。 1996 年の規制緩和で生保、損保の相互参入が認められ、日本生命保険が設立したニッセイ損害保険がルーツの一つだ。 日本生命は MS & AD HD に約 7% 出資する大株主でもあり、ニッセイの文字が残るかは注目されていた。 合併する 2 社をめぐっては 10 年 4 月、持ち株会社にぶら下がる形で、三井住友海上、あいおい損害保険、ニッセイ同和損害保険が経営統合。 同年 10 月、あいおいとニッセイ同和が合併し、あいおいニッセイ同和損保となった。 その後は損保大手 3 グループのなかで唯一、中核損保を 2 社持つ体制を続けていた。 (柴田秀並、asahi = 9-12-25) 軽油販売で価格カルテル容疑、公取委が 8 社を捜索 価格高騰の中で 運送・建設業者への軽油販売で、価格の維持や引き上げを図るカルテルを結んだ疑いがあるとして、公正取引委員会は 10 日、石油元売り最大手 ENEOS 系などの石油販売 8 社に対し、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で家宅捜索を始めた。 関係者への取材でわかった。 軽油はトラックなど大型車に利用され、市場規模が大きく、値段は近年高止まっている。 公取委は、カルテルの疑いは悪質で、行政処分を前提とした調査では不十分と判断。 刑事事件を前提とした犯則調査権に基づく強制調査で、検察への告発を視野に実態解明を進める模様だ。 犯則調査権の適用は東京五輪談合事件以来約 3 年ぶり。 捜索を受けたのは東日本宇佐美(東京都文京区)、ENEOS ウイング(名古屋市)など 8 社。 関係者によると、8 社の営業責任者らは長期間にわたり、定期的に会合などを行って情報を交換。 東京に事業所がある運送・建設業者などに販売する軽油に関し、価格カルテルを結んでいた疑いがある。 8 社は少なくとも市場の過半のシェアを占めるという。 軽油はコロナ禍後に需要が回復し、2022 年 2 月のロシアによるウクライナ侵攻に伴う原油の供給不安や急激な円安により、価格が高騰している。 資源エネルギー庁によると、今年 4 月中旬の軽油小売価格は 1 リットルあたり 166.2 円で、20 年 5 月から約 1.5 倍に上昇している。 政府は軽油やガソリンなどの燃料価格を抑えるため、22 年 1 月以降で計 8 兆円余りの補助金を費やしている。 カルテルの影響で価格が高止まりしていた恐れがある。 捜索を受けたのは他に、エネクスフリート(大阪市)、太陽鉱油(東京都中央区)、キタセキ(宮城県岩沼市)、吉田石油店(香川県三豊市)、新出光(福岡市)、共栄石油(東京都江戸川区)。 東日本宇佐美、ENEOS ウイング、エネクスフリートは取材に、公取委から家宅捜索を受けた事実を認め、「調査に協力していく」などと答えた。 その他の 5 社は「回答を控える」などとした。 (高島曜介、asahi = 9-10-25) |