報酬引き下げで訪問介護事業所が苦境 廃止に倒産、利用者の選別も 国の介護報酬改定で訪問介護の基本報酬が引き下げられたことで、千葉県内の中小規模の訪問介護事業所が苦境に立たされている。 改定後、県内では事業所の倒産や廃止が増加。 「実態を把握し、報酬改定の見直しを」、「必要な人に介護サービスが届かなくなる。」 過疎地域も多い県内では、切実な声が上がっている。 高齢化率が 50.51% (今月 1 日現在)の鋸南町。 町内の介護事業所「ケアセンターさざなみ」では、自宅で生活する高齢者の家をホームヘルパーが車で一軒一軒回り、入浴や排せつの介助、掃除や買い物など家事の支援をしている。 同社の近江祐樹代表取締役は「車で片道 20 分かけて通う場所もあり、報酬が発生しない移動にかなり時間をとられる。 確実に車がなければならない地域で、ガソリン代やリース代も高くつく」と明かす。 それでも「社会資源が少ない過疎地域の訪問介護は自宅で暮らすためのインフラ」として持続可能な事業の在り方を模索している。 ただでさえ厳しい状況の訪問介護事業に、さらに追い打ちをかけているのが、2024 年度からの介護報酬改定だ。 廃止は前年度比約 2 割増、収入減や負担増も 介護職員の人材流出防止などに向け、全体の報酬を 1.59% 引き上げたものの、サービス別の基本報酬では訪問介護を 2 - 3% 程度引き下げた。 その結果、現場では様々な影響が出始めている。 県によると、24 年度に県内で廃止した訪問介護事業所は、前年度比約 2 割増の 98 件に上った。 社会保障推進千葉県協議会(県社保協)などが 24 年 10 月に実施したアンケートでは、同年 6 月の利益が前年と比べて「悪化した」と回答した事業所は 129 件中 71 件 (55%) で、そのうち半数以上が「介護報酬引き下げによる収入減」を理由に挙げた。 利益が「改善した」と回答した事業所 23 件 (17.8%) も、「職員給料を 4% カットした」、「今まで以上の仕事を受け、職員の負担が増えている」などの状況が見られた。 また、今後の経営の見通しについて「悪くなる」との回答は最多の 76 件 (58.9%) だった。 報酬の引き下げにより、さらに人材確保が困難になったという。 それでも、報酬が低い「生活援助」よりも報酬が高い「身体介護」などの利用者を多くしたり、1 回あたりのケアの時間を短縮して仕事を詰め込んだり、移動に時間がかかる訪問先は断ったりしている事業所もあるという。 県社保協の竹内敏昭事務局長は「利用者の選別や職員の負担増をせざるを得ない状況。 介護が必要な人にサービスが届かない現状も出ている。」と話す。 国に介護報酬の再改定を求める意見書を出すべく、社保協は県内の各自治体の議会に請願や陳情を出した。 だが、県議会をはじめ不採択となったところもあり、問題意識が共有されていない状況もある。 親が十分な介護サービスを受けられない場合、介護の負担は子どもにのしかかる。 竹内事務局長は「高齢者だけでなく、現役世代の問題でもあるのに理解されていない」と嘆く。 国の判断に疑問の声 形態異なる事業所の現状 なぜ国は訪問介護のみ基本報酬を引き下げたのか。 厚生労働省が主な根拠としたのは、訪問介護の利益率がほかのサービスよりも高いとする調査結果だ。 だが県内の事業者からは疑問の声が上がる。 形態の違う事業所を同等に捉えることへの批判だ。 訪問介護には、ケアセンターさざなみのように利用者宅を一軒ずつ回る事業所のほか、サービス付き高齢者向け住宅などに併設する事業所もある。 このタイプは移動に使う車が不要で、移動時間をかけずに効率よく多くの利用者を回ることができる。 県内では近年、特に都市部に続々と住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅が新設されている。 あわせて、訪問介護事業所も新たにできている。 一方で、地方にある一軒一軒回るタイプの事業所は効率も悪く、人手の確保も難しい状況だ。 「施設に併設している事業所の売り上げが上がっているという理由だと納得ができない。 一軒一軒訪問している事業所を苦しめている」、「地方の訪問介護の 1 日の移動時間や距離を考えたことがありますか? 都会で実際に介護に携わっていない方たちが何を基本に決めているのか疑問だらけです。(県社保協などのアンケートへの回答)」 施設併設型とは別に調査を求める声も多い。 さざなみの近江代表取締役が「20 年後、この地域に訪問介護が残っているのか。 なくなれば、地方で暮らす人々にとって自宅で最期まで暮らすという選択肢が失われてしまう」と危機感をあらわにするように、介護報酬改定は過疎地での今後の介護に対する不安を増大させている。 「このままでは人手不足がさらに深刻化し、『介護難民』が増え、事業所の倒産が相次ぎ、孤独死が増加するなど、最悪な事態を招きかねません。(県社保協などのアンケートへの回答)」 国に現状把握と基本報酬の引き上げを求める悲痛な叫びが上がっている。 (熊谷姿慧、asahi = 7-13-25) マイナ免許、9 月にシステム改善 マイナ更新時も免許情報を引き継ぎ
記事コピー (9-30-15〜7-11-25) マツダが東京に新開発拠点 本社は広島、求む IT 人材は「東京偏在」 マツダは 9 日、先月末に麻布台ヒルズ(東京都港区)へ移転した東京本社を報道陣に公開した。 IT 人材の東京偏在をにらんで、新たに研究開発の拠点を併設。 業界を超えて引き合いが強いソフトウェア開発人材の獲得に力を入れる。 東京・霞が関にあった東京本社を 6 月末、麻布台ヒルズの森 JP タワー 49 階に移転した。 約 3 千平方メートルあるフロアの一角に研究開発の拠点「マツダ R & D センター東京 (MRT)」を新設した。 これまで研究開発の拠点は本社がある広島県と横浜市に置いてきた。 だが、厚生労働省の調査によると、IT やデジタルのスキルを持った人材を雇う全国の企業のうち、3 割が都内に本社を置いている。 家族とともに東京近辺に住んでいる人も多いという。 採用活動の「勢い」も変化 マツダは、都外での勤務が前提となる自社は転職先に選ばれにくいと考えた。 昨年末に都内に設ける MRT での勤務を打ち出して採用活動を始めたところ、応募の勢いが増しているという。 今後は東京をソフトウェアの開発拠点とし、広島は車両開発全般、横浜は実車を使った開発に特化させ、機能をすみ分ける。 同社の滝村典之執行役員は「高度な専門知識を持つ人材を獲得していく上で、首都圏の採用市場に積極的に参入する必要がある」と強調。 大学などの研究機関や AI (人工知能)を手がける企業も首都圏に集中することから、「こうしたパートナーと素早くつながることで時代の変化に迅速、柔軟に対応できる開発体制を築く」と述べた。 (中村建太、asahi = 7-9-25) 大手企業の夏ボーナス、過去最高の平均 99 万円 経団連の第 1 回集計 経団連は 3 日、大手企業の夏のボーナスの妥結状況(第 1 回集計)を発表した。 平均妥結額は前年比 4.37% 増の 99 万 0,848 円で、4 年連続で増えた。 中間集計段階では 2 年続けて最高額を更新し、比較できる 1981 年以来で最も高くなった。 原則として従業員 500 人以上の 18 業種 107 社(約 70.3 万人)についてまとめた。 平均妥結額の伸び率は前年同時期 (4.31%) を上回った。 春闘で基本給を大幅に引き上げる会社が目立ち、その流れが波及。 好調な業績も反映されて高水準になった。 業種別では、製造業 (93 社) が前年比 4.49% 増の 103 万 5,889 円。 非製造業 (14 社) は 3.76% 増の 85 万 7,602 円だった。 18 業種のうち、13 業種で前年より増えた。 前年の反動で化学 (28.99%) が大幅増となったほか、造船 (11.01%)、非鉄・金属 (10.80%) も堅調だった。 最終集計は 8 月上旬に発表する予定で、前年実績 (94 万 1,595 円) を上回るのは確実とみられる。 経団連の新田秀司・労働政策本部長は「賃金引き上げの力強いモメンタム(勢い)が確認できる。 トランプ関税など先行きの不透明感は高まっているが、適切な賃金の引き上げを呼びかけたい」と話した。 (橋田正城、asahi = 7-3-25) 遺族基礎年金も変わる 家庭環境の変化踏まえ、不均衡を解消へ 5 年に 1 度の年金制度改革で、遺族基礎年金も見直されます。 新しい制度の内容について解説します。 もともと遺族基礎年金は、基礎年金に加入している人や、基礎年金の受給権のある人が亡くなった場合などに、子(18 歳の年度末に達するまで、以下同)がいる残された配偶者か、亡くなった人の子自身が受け取る。 子が 18 歳を迎えた年度末以降は、遺族基礎年金の受給権がなくなり、子も配偶者も遺族基礎年金を受け取れなくなる。 額は、通常の基礎年金の受給額と連動する。 2025 年度の場合、残された配偶者が受け取れるのは 83 万 1,700 円。 ここに、子 1 人につき 23 万 9,300 円が加算され、3 人目以降の加算額は 7 万 9,800 円となる。 また、今の制度では、子は受給権のない父または母と同居するなどして同じ生計となっている場合、支給が停止されている。 例えば、離婚して受給権のない親に引き取られた場合や、残された親が再婚した場合など。 残された親が年収 850 万円以上の場合にも、支給は止まる。 遺族基礎年金 見直しの主なポイント 今回の見直しでは、こうした支給停止の規定をなくし、すべてのケースで子に遺族基礎年金が支給されるようになる。 新制度が施行される 2028 年 4 月 1 日時点で、支給が停止されている 18 歳の年度末を迎えていない子が対象だ。 家庭環境の変化を踏まえて、子が置かれた状況によって遺族基礎年金の支給が停止される不均衡を解消するのがねらいだ。 子への加算も増える。 新制度では、24 年度の価格で約 4 万 7 千円増え、子 1 人につき 28 万 1,700 円を加算。 3 人目以降も同額となる。 28 年 4 月分から増額され、現在すでに遺族基礎年金を受け取っている人も加算増額の対象となる。 (高絢実、asahi = 6-29-25) 障害年金の不支給、前年の 1.5 倍増 2024 年度、精神障害で急増 病気やけがで障害を負った人が受け取る障害年金について、昨年度に「不支給」と認定された件数の割合が前年の約 1.5 倍に増えていたことが、厚生労働省の調査でわかった。 審査の厳格化を求めた事実は確認できなかったとしつつ、「認定の方向性を事前に決めておくのが望ましい」との引き継ぎが職員間であったと明らかにした。 厚労省が 11 日、公表した。 調査は、障害年金が不支給となるケースが 24 年度に増えているとの報道を受け、日本年金機構とともに実施。 昨年度に新たに申請があったものから 1 千件を抽出して集計した。 1 千件のうち、不支給は 130 件 (13.0%)。 23 年度は約 14 万 2 千件のうち約 1 万 2 千件 (8.4%) だった。 障害の種類別に不支給の割合をみると、精神障害は 12.1% (23 年度は 6.4%)、手足の障害などの外部障害は 10.8% (同 10.2%)、呼吸器疾患やがんなどの内部障害は 20.6% (同 19.4%)。 精神障害では約 1.9 倍となっており、障害等級の目安よりも低く認定されるなどして不支給となったケースが 75.3% だった。 精神障害については、昨年度以降で不支給になったケースを点検し、必要な場合は改めて支給決定するとしている。 障害年金の審査は、機構の障害年金センターが担当している。 職員が受給要件などを確認し、必要な事項を記載した事前文書を作成。 それをもとに、認定医が障害等級を判断している。 調査では、審査を厳格化する組織的な指示があったかなどについて、職員らに聞き取りをした。 報告書によると、障害年金センター長から認定の根拠を明確にすべきだという意図の指摘はあったが、「機構理事長やセンター長を含め特定の職員が、審査を厳しくすべきだとする指示をしていた事実は確認できなかった」とした。 一方で、職員が異動する際の引き継ぎ書類には、認定医の傾向について、「基本的にこちらの意向に沿って認定してもらえるので、認定の方向性や不支給理由についても事前に決めておくのが望ましい」などとの記載もあったという。 報告書では「組織的に認定をコントロールする意図を持って作成された文書ではないが、認定傾向に関することなど、適切ではない記載内容も含まれていた」とした。 これらの結果を踏まえ、今後の対応として、▽ 認定医に関する文書を廃止する、▽ 今後のすべての不支給事案について複数の認定医で審査、▽ 過去の不支給事案の点検 - - などが挙げられた。 (高絢実、asahi = 6-11-25) スポットワーク求人、応募時点で労働契約が成立 厚労省が指針素案 単発・短時間の仕事「スポットワーク(スキマバイト)」で起きている企業による一方的なキャンセルなどの問題を受け、厚生労働省が企業向けに作成した労務管理指針の素案が判明した。働き手と企業のマッチング時点で労働契約が成立するなどの見解を明示。成立後のキャンセルや通勤時のけがから、働き手を守る狙いがある。 「スポットワーク」登録急増 2 千万人 労災や賃金「働き手にリスク」 スポットワークは、スマートフォンのアプリに企業が求人情報を登録し、働き手がそれに応募することで面接無しでマッチングが成立する。 ただ、主なアプリ事業者は、実際に働く直前まで労働契約が成立しないとの立場で、働き手が出勤時に QR コードを読み込むことで労働契約を締結するなどと定め、企業都合でキャンセルされても働き手が補償を受けられないなどの問題が起きていた。 こうした事態を受け、厚労省は企業向けに策定した労務管理指針で、アプリを通じて先着順で就労が決まるスポットワークの求人について、「働き手が応募した時点で労使双方の合意があったものとして、労働契約が成立するものと一般的には考えられる」との見解を初めて明示する方向で検討している。 マッチング時に労働契約が成立すれば、一方的なキャンセルはできないほか、通勤時にけがをした場合も労災保険の対象となることが明確になり、アプリ事業各社も運用の変更を迫られる。 また、厚労省は指針で、マッチング時に仕事を取り消せる条件を契約に盛り込む場合も、理由が合理的で、働き手に不利な内容にならないよう指摘。制服への着替えなど業務に必要な準備行為も労働時間に含まれることや、当初予定を超える労働時間となった場合も働いた分の賃金が支払われるよう求めることなどを検討している。 業界各社で作るスポットワーク協会によると 5 月時点でタイミーなど大手 3 社のサービスに登録している働き手の数は延べ約 3 千万人にのぼる。 急速に利用が拡大するスポットワークだが、労働組合の中央組織・連合が今年 1 月に公表したスポットワークで働いたことがある働き手 1 千人に対する調査では、トラブルを経験した人のうち 15.6% が「急に仕事が取り消しになった」と回答していた。 厚労省は今後、関係団体と調整した上で、6 月中の公表を目指す考えだ。 (北川慧一、集委員・沢路毅彦、asahi = 5-28-25) ◇ ◇ ◇ 40 年変更なし「さすがにまずい」 厚労省が「労働者」の条件再検討 アマゾン配達員などネットを介して働くプラットフォーム (PF) ワーカーの権利保護を見据え、厚生労働省は 2 日、法律上の「労働者」として認める条件について、見直しを含めた議論を始める。 本格議論は 1985 年以来 40 年ぶり。 どう条件を見直し、新しい働き手の生活や権利を守るのか。 厚労省が 2 日午後に立ち上げるのは「労働基準法における『労働者』に関する研究会」。 議論の対象は 1985 年に労働法研究者がまとめた研究会報告だ。 労基法 9 条が定める「労働者(事業または事務所に使用される者で、賃金を支払われる者)」と認めるための判断要素が示されている。 例えば、▽ 仕事の際に使用者の指揮監督がある、▽ 勤務場所や時間などが決まっている、▽ 一定時間労務を提供したことに対して報酬が決まる - - といった要素で、主に雇用契約を結ぶ会社員など、働き方の裁量や自由度が限定されている働き手が、こうした要素を参考に総合的に「労働者」と判断され、法律上の保護を受けてきた。 PF ワーカーも労働者に? 一方、近年は、ネット通販大手「アマゾン」や飲食宅配代行サービス「ウーバーイーツ」の配達員など、スマートフォンのアプリなどを介して仕事を請け負う PF ワーカーが登場している。 比較的働き方の自由度が高い個人事業主で原則、「労働者」に適用される最低賃金や残業代という仕組みの対象外。 だが、アプリなどで使用者側から配送ルートなどの指示を受けつつ、GPS で働く状況の把握を逐次把握されながら指示を受けるなど、使用者側に「指揮監督」されている実態があり、「労働者」として労災が認められるケースも出てきた。 労働者とは何か? 厚労省も 2023 年に労災認定の事例集で、個人事業主の配達員の実態を紹介。 「アプリを通じて、荷物・配送先・配送順・配送コース等が割り当てられる」、「荷物については配送を拒否することはできない」などと記し、PF ワーカー保護の必要性を示していた。 厚労省幹部は「一人一台のパソコンもない時代の働き方とスマートフォン片手に働く状況は全然異なる。 40 年も見直してこなかったのはさすがにまずい」と条件の見直しの必要性を強調した。 世界でも保護の動き 見直し議論は、国際的な PF ワーカー保護の動きに背中を押された側面もある。 すでに米労働省は 24 年 1 月、ネットを通じて仕事を請け負う働き手を、実質的に企業と雇用関係にある「労働者」とみなして保護しやすくする新規則をまとめ、欧州連合 (EU) も同年 10 月、PF ワーカーを原則として正式な雇用関係のある労働者と推定し、保護する指令を採択。 今年 6 月に開かれる国際労働機関 (ILO) 総会でも、議題として扱われる予定だ。 研究会では、現在の基準をベースにしつつ、裁判になった事例などを分析。 PF ワーカーをめぐっては、指揮命令関係だけでなく、PF やその下請けなど「使用者が誰なのか」といった論点や、使用者と働く人の経済的な依存や交渉力の差をどう考慮するかなどを議論。 来夏にも報告書を取りまとめる方向だ。 労働専門家は「こうした議論をすること自体、労働者保護の機運を醸成する」と強調。 見直し議論には、使用者側の労働者保護の意識を高め、労働関連法の順守を促す狙いもありそうだ。 (宮川純一、asahi = 5-2-25) 自公立 、年金底上げ策の修正協議で大筋合意 「今週中、衆院通過」
記事コピー (5-9-25〜5-26-25) フライト後に清掃 … 「休憩なし」に賠償命令 問われる CA の働き方 格安航空会社 (LCC) 「ジェットスター・ジャパン」の客室乗務員 (CA) ら 35 人が、労働基準法に定められた休憩時間を与えられていないとして同社を訴えた訴訟で、東京地裁(高瀬保守裁判長)は 22 日、ジェットスターに休憩なしの勤務の禁止と賠償を命じる判決を言い渡した。 判決によると、原告らは国内線や国際線で、1 日に複数区間の乗務を担当。 到着後に次の便の搭乗が始まるまでの時間は最短 35 分に設定されていたが、その間に客室清掃などもこなしていた。 労働基準法は、6 時間超の勤務で 45 分以上、8 時間超なら 1 時間以上の休憩を与えるよう企業側に義務づけている。 一方で同法の施行規則では、一定の場合に休憩なしを認める例外もあり、この例外があてはまるかが争点だった。 判決は、例外が認められるのは、勤務中であっても乗務していないときと同程度の「心身の緊張度が低い時間」が、休憩時間と同じ程度にある場合だと判断。 フライト外の時間に清掃業務などがあるため例外の水準に届かず、原告らには労基法通りの休憩が必要だとした。 その上で、ジェットスターが労基法違反の勤務をさせるのは人格権の侵害だとして、法定の休憩がとれない勤務命令を禁じ、慰謝料など計約 380 万円の支払いを命じた。 判決後に会見した原告代表で CA の木本薫子さんは「連続した乗務で体調不良になり、仕事を辞めた方をたくさん見てきた。 持続可能な働き方に変えるため、会社にはきちんと勤務を改善してほしい。」と話した。 ジェットスターは判決を不服として控訴したと明らかにし、「明日以降、従業員の勤務時間に変更はなく、運航に影響はない」とコメントした。 「格安」支える CA、各社の休憩の扱いは? 格安航空会社 (LCC) は、使用機材の種類を統一したり機内サービスを有料化したりして運航コストを削減し、安い運賃を実現している。 ジェットスターが客室乗務員 (CA) に機内清掃などを担わせるのもその一環とみられる。 国交省航空局によると、CA の働き方には国連の専門機関がもうけた国際標準があり、各国はそれに準拠し休憩時間などを定めている。 しかし日本では、1 カ月あたりの CA の乗務時間の上限規制などはあるが、1 日あたりの乗務時間や休憩時間は航空各社の判断に委ねられている。 ほかの LCC は、CA の休憩をどう扱っているのか。 ジェットスターと同じ日本航空傘下のスプリング・ジャパンでは、CA は原則 1 日 2 便に乗務する。 主力の国際線では、便と便の間は約 1 時間 - 1 時間 15 分。 機内清掃の外部委託を進める一方、半数ほどの便では CA が便間の 15 分程度を清掃にあて、残りの時間で休憩や出発準備を行っているという。 ジップエアでは、ソウル便とマニラ便で CA が日帰りで往復乗務をしている。便間は約 1 時間半だが、「客室乗務以外の業務は特にない。 休憩時間は適法に運用している。(同社広報)」 ピーチ・アビエーションは「乗務員の労働時間および休憩時間の管理は、法令にのっとって適切に対応している。 具体的な運用は戦略にも関わり、質問には答えかねる」という。 国交省は昨年から、CA の休憩時間などの実態調査をしており、休憩時間などのルールづくりを進めるという。 テレワークやリモート会議の定着を受け、航空各社はビジネス需要よりも観光需要が強まるとみて、個人利用客の多い LCC 事業を強化してきた。 今後、CA の休憩時間をめぐるルールづくりが進めば、各社の戦略に影響を与える可能性もある。 (黒田早織、asahi = 4-22-25) カスハラ認定でディズニー「出禁」も オリエンタルランドが基本方針 東京ディズニーリゾート (TDR) を運営するオリエンタルランドは 18 日、カスタマーハラスメント(カスハラ)に対する基本方針を策定したと発表した。 カスハラに該当すると判断した場合、原則として施設やサービスの利用を断る方針で、いわゆる「出禁」になる可能性がある。 カスハラの定義は、厚生労働省が策定したマニュアルに準じ、妥当性を欠く要求や、要求を実現するための手段などが「社会通念上不相当なもの」などと定めた。 具体的には、▽ 居座りや必要以上の長時間の電話、▽ 従業員への盗撮やつきまとい、▽ グループ企業や従業員に対する SNS での誹謗中傷などを挙げ、カスハラと判断した場合、必要に応じて警察への通報や法的措置を講じることも明記した。 「これまでもキャストが苦慮することも」 広報担当者は「これまでにもキャスト(従業員)が対応に苦慮するような事案は発生していた。 キャストとゲストの安心・安全の確保と、体験価値を高めるため策定した。」と話した。 (若井琢水、asahi = 4-19-25) 大谷翔平が「産休」 2011 年に制度導入、大リーグ特有の事情も 大リーグのドジャースは 18 日、大谷翔平 (30) を産休制度「父親休暇リスト」に入れたと発表した。 妻の真美子さん (28) の出産に付きそうためで、テキサス州アーリントンで行われたレンジャーズ戦には同行していない。 今季初の欠場で、いつ合流するかは未定。 大リーグには、スポーツ界では今も珍しい「父親の産休」が制度として 2011 年に導入された。 出産間近や 48 時間以内に生まれた子どもの父親であることが条件で、給与をもらいながら最短で 1 日、最長で 3 日連続取得できる。 養子縁組で父親になる場合も同様だ。 チームはコミッショナーなどに書面で申請することで、その間大リーグの出場が前提となる 40 人枠に入っている選手を代わりに出場登録できる。 日本選手では過去にパドレスのダルビッシュ有や、カブスの鈴木誠也らが利用してきた。 産休制度は選手会の要望を受けて導入された。 できる限り家族と大切な瞬間を過ごしてほしいと配慮された。 背景には大リーグ特有の事情がある。 レギュラーシーズンは半年以上続き、日本より 20 試合ほど多い 162 試合。 バスケットボール (NBA) やアイスホッケー (NHL) などほかの米プロスポーツと比べても圧倒的な試合数だ。 移籍が頻繁に起こるため、長期契約選手を除けばチームの本拠がある都市に自宅を構えない選手も多い。 単身やホテルで暮らす選手はキャンプ期間から年間約 200 日近く家族と過ごせないことも。 11 年の導入前にも出産に付きそうためチームを離脱する選手はいた。 ただ、当時は代わりの選手のベンチ入りが認められず、1 人少ない 24 人(当時のベンチ入りは 25 人。現在は 26 人)で試合に臨まないといけなかった。 優勝争いなどのタイミングでは戦力ダウンを避けるため、首脳陣が許可しないケースもみられた。 高い年俸をもらっている選手が、個人的な理由で大事な試合を休むことへの批判もあった。 同様の批判は他の競技でも起きている。 米 FOX スポーツなどによると、24 年 5 月には米プロバスケットボール NBA ティンバーウルブズの主力選手、ゴベアが出産に付きそうためにプレーオフの試合を欠場し一部から批判を浴びたという。 大リーグは産休とは別に、選手の近親者が重病になったり亡くなったりした場合などに 3 - 7 日間チームを離れられる「忌引休暇・家族医療緊急リスト」も制度として設けている。 (遠田寛生、asahi = 4-19-25) 博士学生の 290 万円支給「日本人を基本」で調整 留学生支援も継続 博士課程の学生に年間 290 万円を支給する文部科学省の支援制度について、現行では取り決めのない国籍の要件を加える方向で変更される見通しとなった。 日本の学生支援を基本とした上で、バランスに配慮しながら優秀な留学生支援との両立を目指す。 支援制度は「次世代研究者挑戦的研究プログラム (SPRING)」で、同省が 18 日、有識者による作業部会を立ち上げ、夏までに変更案をまとめる。 この制度をめぐっては 3 月の国会で、中国からの留学生が約 3 割を占めることを問題視する声が上がっていた。 制度は経済的な不安を和らげ、博士学生に進学して研究に専念してもらおうと、2021 年度に始まり、生活費と研究費の合計として年間 290 万円、博士課程の 3 年間支給する。 長年減少が続いていた博士課程への進学者数は、24 年度には前年度より 5% 増え 1 万 5,744 人となった。 24 年度は国内 80 大学の 1 万 564 人が受給。 同省によると、現在は国籍による支援の差や定員を設けておらず、受給者のうち 4 割にあたる 4,125 人が外国籍で、中国からの留学生が最多の 2,904 人だった。 この状況について 3 月の国会質疑で、有村治子参院議員(自民)が「国民生活が厳しさを増す中、日本の学生を支援する原則を明確に打ち出さなければ理解が得られない」と指摘。 同省の担当者は「優秀な日本人学生への支援充実など検討したい」と答弁し、国内の学生優先の方針で見直すとした。 同省によると、留学生の対応には大学側の事務負担が日本の学生に比べ元々多いことから、支援額に差を設ける対応は可能と考えているという。 一方、優秀な留学生が国内で学ぶ意義もあるため、支援は継続する方針案を 18 日の作業部会で提示。 支援額や基準の見直しなどを進めるとしている。 (竹野内崇宏、asahi = 4-18-25) 春闘賃上げ率 5.42% サービス分野などで伸び 連合の第 3 回集計
記事コピー (11-27-23〜4-3-25) 消える私立短大、45 校が閉学決定 25 - 27 年度に募集停止へ 少なくとも 45 校の私立短期大学が、2025 - 27 年度に学生募集を停止する。 日本私立短期大学協会(私短協)の集計で判明した。 全体の 16% に上る。 少子化による学生減で各校の財務状況が悪化し、さらに定員割れが続く場合の国の「ペナルティー」が追い打ちをかけた。 文部科学省などによると、短大は 1950 年に誕生。 学生の多数は女性で、保育士や幼稚園教諭、栄養士など地元で働く専門職人材を多く養成してきた。 2 年か 3 年で卒業でき、学費水準は 4 年制大学より安い。 家計が苦しい学生の進学先という側面もあった。 ピーク時の 93 年度には、国公私立計 595 校(大学は 534 校)に学生 53 万人が在籍(同 239 万人)。 ただ、90 年代以降、女性の大学・共学校志向の高まりを受けて、大学に移行する短大が急増。 2024 年度は 297 校に半減し(大学は 813 校)、学生数は 8 万人まで減った(同 295 万人)。 しかし、私短協によると、学生募集を停止した短大は、近年は年数校程度だった。 それが、25 年度 23 校、26 年度 21 校、27 年度 1 校と急増した(3 月末現在)。 定員に対する入学者数の割合を示す入学定員充足率も、90% 程度だった平均値が 21 年度以降に悪化し、24 年度は 70% に。 文科省によると、私立短大の約 7 割の収支が赤字傾向だ(22 年度)。 18 歳人口が直近 20 年で 35 万人減った少子化や、20 年度の給付型奨学金の導入など低所得世帯の支援が拡充された影響とみられる。 また、基準以上に定員割れが続く短大が国の修学支援制度から外される措置が 24 年度に始まり、31 校が該当した。 この制度で支援を受ける私立短大生の割合は大学生より高い。 支援制度の除外校を敬遠した受験生が少なくないとみられ、外された学校のうち 14 校が募集停止を決めた。 私短協の麻生隆史会長(山口短大理事長・学長)は「このままでは、地域や地方を支える保育や社会福祉などの専門的職業人材の輩出が難しくなる」と危機感を強める。 (asahi = 4-2-25) ふだんは月収 20 万円台、それでも起きた年金全額カット 働く高齢者 老後の生活を支える公的年金。 「年金担当」の 30 代記者と、受給開始がそろそろ見えてきた 50 代記者が、複雑な制度や将来の見通しなどを読み解きます。 もうすぐ 59 歳。 年金の受給開始が現実味を帯びている「アラ還」記者です。 働けるうちは働いて、「人手不足ニッポン」を救いたい!。 と言えば、大げさですが、年金を受け取り始めても、時間と能力が許す限り稼げればと夢想します。 ところが、その意欲に水を差すのが「在職老齢年金」という制度です。 月額の年金と賃金(標準報酬月額)の合計が基準額(2024 年度は 50 万円、25 年度は 51 万円)を超えると、超えた分の半分がカットされます。 いわば、高齢者版「就労の壁」です。 たとえば 25 年度、65 歳から受け取れる厚生年金(基礎年金を除く報酬比例部分のみ)が月額 10 万円。働いて得る賃金(ボーナス込み)が同 50 万円あるとします。 年金と賃金の合計は 60 万円ですから、51 万円を超えた 9 万円の半分、つまり 4 万 5 千円の年金が「支給停止」になります。 賃金が 61 万円になると、61 万円プラス年金 10 万円は 71 万円ですので、超過分は 20 万円。 その半分は 10 万円。 つまり、厚生年金 10 万円がゼロになってしまいます。 その影響は、今受け取っている年金だけでなく、年金を増やすため受け取りを遅らせる「繰り下げ待機中」の年金にも及びます。 その注意点については、以前に書きました。 「高い給料をもらっているならしょうがないんじゃないの」という声も聞こえてきそうです。 しかし、それほど高賃金でなくても、年金全額カットの憂き目にあった人がいました。 いったいなぜ? くわしく話を聞きました。 「支給額変更通知」にがっかり 「引っかかるとは思っていたけど、まさか全額カットになるとは…。」 今年 69 歳になる都内在住の M さんは、昨年 10 月、日本年金機構から届いた「支給額変更通知書」を見て驚いた。 厚生年金約 128 万 6 千円(報酬比例部分と、60 歳以降に厚生年金に加入した期間に応じた経過的加算額)に、65歳前の妻がいることによる加算約 40 万 8 千円(配偶者加給年金)を足した約 169 万 4 千円が本来の年金額だ。 基礎年金は全額の受け取りを遅らせる「繰り下げ待機」を選択しており、受け取っていない。 ところが、昨年 10 月からは、厚生年金(報酬比例部分)と配偶者加給年金は全額カットされ、支給されるのは「経過的加算」である約 8 万 2 千円(年額)のみになってしまった。 働き続けるために頑張ったのに… M さんは、金融機関に勤務。 60 歳で定年を迎えてからは、同じ会社の嘱託職員として働き、おおむね 20 万円台の月収を得てきた。 賃金は業績連動で、1 年ごとに最低の目標値を達成できなければ契約が更新されない。 昨年 2 月から 3 月にかけて、M さんは目標達成に向けてギアを上げたところ、大きな契約がとれた。 その結果、4 月の賃金が約 127 万円、5 月が約 44 万円、6月が約41万円になった。 この 3 カ月をならすと、平均月収は約 71 万円だ。 社会保険料を計算するもとになる標準報酬月額は通常、毎年 4、5、6 月の賃金の合計を 3 で割って算出する。 M さんは、標準報酬月額の上限額である 65 万円 (A) に達してしまった。 そして 9 月以降は、この額が在職老齢年金に引っかかるかどうかを判定する賃金となってしまった。 M さんの場合は、65万円 (A) に年金の月額約 10 万円 (B) を足し、そこから 50 万円(24 年度の基準額)を引いた金額を 2 で割った額、つまり約 12 万 5 千円 (C) が支給カットになる計算だ。 だが、実際の年金額 (B) は (C) より小さいため、厚生年金の全額が支給されなくなり、残ったのは、「経過的加算(年額 8 万 2,080 円)」のみとなってしまった。 M さんの場合、厚生年金が全額停止になると、配偶者加給年金(40 万 8 千円)まで停止になってしまうのも痛かった。 さらに、年金カットだけでなく、昨年 10 月からは、給料から天引きされる厚生年金保険料も、3 万 6 千円近く上がって 5 万 9 千円を超えた。 「せっかく頑張って働いたのに、踏んだり蹴ったりじゃないか」とMさんは嘆く。 M さんの月収はその後 40 万 - 50 万円になり、5 月以降はさらに減る見通し。 それが標準報酬月額として反映されるのは25年9月になりそうだ。それまで年金カットは続くだけでなく、低くなった給料から高い保険料が天引きされることになる。 社会保険労務士の石渡登志喜さんは「M さんのように固定給がない人の場合、年度末に努力して 4 - 6 月の給与が高額になると、9 月の改定で標準報酬月額が引き上げられ、それ以降は、在職老齢年金で大きな損が出てしまう。 これを避けるには、給与ではなく賞与(ボーナス)として受給するなど会社側と相談する余地がある。」と話す。 年金改革のテーマに 働く高齢者の前に立ちはだかる「就労の壁」。 厚生労働省によると、65 歳以上の在職している年金受給者は 308 万人いる。 その 16% にあたる約 50 万人が、一部または全部の年金がカットされていて、その総額は約 4,500 億円になる。 払った保険料に応じた給付を行う原則の社会保険で、在職老齢年金は例外的な仕組みだ。 同省が、タクシー、スーパー、製造業などの業界にヒアリングしたところ、「壁を意識して就労調整する人が存在し、今後のサービス提供に支障が出かねない」という声が寄せられた。 また内閣府の世論調査でも、60 代後半の高齢者の 3 割強が「年金が減らないよう就労調整する」と答えた。 たとえば M さんの場合、仮に月収が 39 万円までなら、年金はカットされずに済むので、収入をそれ以下に抑える「就労調整」をするというイメージだ。 同省が準備している年金改革法案では、「51 万円の壁」を 62 万円に引き上げる見直しが盛り込まれている。 「51 万円」が、厚生年金に加入する男性の賃金をもとに設定されているのに対して、「62 万円」は、「勤続年数 25 年以上の働く人のボーナスを含む賃金月額」をもとにした場合という。 (浜田陽太郎、asahi = 4-2-25) 完全失業率 2 月は 2.4%、5 カ月ぶり改善 求人倍率 1.24 倍に低下 [東京] 政府が 1 日に発表した 2 月の雇用関連指標は完全失業率が季節調整値で 2.4% と、前月から 0.1 ポイント下げ、5 カ月ぶりに改善した。 一方、有効求人倍率は 1.24 倍で、前月から 0.02 ポイント低下した。 ロイターの事前予測調査で完全失業率は 2.5%、有効求人倍率は 1.26 倍と見込まれていた。 総務省によると、2 月の就業者数は季節調整値で 6,816 万人と、前月に比べて 11 万人減少。 完全失業者数(同)は168 万人で、6 万人減少した。 農林中金総合研究所の南武志理事研究員は 2% 前後の失業率が完全雇用の状態とし、「これだけ人手不足が強まってくると、賃金・物価とも上がっていく好循環の必要条件に見合ってきた」と指摘。 「これが消費につながればいいが、その点が残ったハードルだ」とした。 また、失業率がさらに低下した場合、賃上げや物価高をさらに加速させる可能性が十分にあると見込んだ。 <有効求人倍率は 6 カ月ぶり低下> 一方、有効求人倍率は 6 カ月ぶりに低下。 厚生労働省によると、2 月の有効求人数(季節調整値)は前月に比べ 1.7% 減少した。 建設業では原材料費や人件費の高騰によって着工件数の減少が懸念され、求人を手控える傾向にある。 外国人を雇用している事業者も多くみられるという。 製造業も物価上昇や海外経済の不確実性から採用活動を控える動きが出ている。 有効求職者数(同)は 0.5% 減少。 賃金水準や福利厚生を含めた労働条件の改善で、現在の職場からの離転職を踏みとどまる動きが継続しているという。 (杉山健太郎、梶本哲史、Reuters - 4-1-25) 菓子箱、指定日過ぎても受け取らず シャトレーゼが下請法違反で勧告 菓子店を国内外に約 1 千店展開する菓子製造・販売会社のシャトレーゼ(甲府市)が、下請け業者に製造委託した菓子箱などを指定日までに受け取らなかったなどとして、公正取引委員会は 27 日、同社の下請法違反(受領拒否の禁止など)を認定し、代金などの支払いと再発防止を勧告した。 公取委の発表によると、シャトレーゼは 2024 年 12 月 30 日時点で、下請け業者 11 社に製造委託した菓子商品の箱や香料といった原料など計約 2,380 万円分について、指定した期日を過ぎても受け取らなかった。 このうち約 1,300 万円分は期日を 1 年以上過ぎていた。 まとめて製造を委託し、期日を過ぎてから商品の売れ行きに応じて納品を求め、自社の在庫負担を減らしていたという。 シャトレーゼが受け取らなかった商品は、下請け業者が無償で保管したり、廃棄したりしていた。 公取委は、同法が禁じる「不当な経済上の利益の提供要請」も認定し、保管や廃棄にかかった費用の支払いも勧告した。 製造業では、自社の在庫負担を減らすために同様の商慣行がみられるといい、公取委が監視を強めている。 (高島曜介、asahi = 3-27-25) |