自公立 、年金底上げ策の修正協議で大筋合意 「今週中、衆院通過」

年金関連法案をめぐり、自民、公明、立憲民主の 3 党は 26 日、実務者による 2 回目の修正協議を開き、立憲の求める基礎年金の底上げ策を法案に盛り込むことで大筋合意した。 27 日に党首会談を開き、正式合意する見通しだ。 協議後、自民の田村憲久氏は「実務者同士で大筋合意となった。 これから党に確認を取る形になると思う。 今週中に何とか法案の衆院通過に向かって努力していく。」と述べた。

いまの年金制度では、少子高齢化が進む中でも年金財政を維持するため、物価や賃金の上昇よりも年金額の引き上げ幅を低く抑える減額措置がとられている。 厚生労働省の試算では、経済状況が低調でも、比較的財政状況のよい厚生年金部分の減額措置は 2026 年度にも終了。 基礎年金部分への減額措置は 57 年度まで続き、給付水準は約 3 割減ることになる。 そこで厚労省は、厚生年金の積立金を基礎年金に充てる割合を現在よりも増やすなどして、底上げを図る策を検討。 年金関連法案の当初案に盛り込んだ。

底上げ策で、厚生年金受給者を含めほぼすべての受給者の年金額が増えることになる。 しかし、厚生年金の積立金の一部を充てることから「流用」との批判が出た。 将来的に兆円単位の国庫負担が必要になることなどから、参院選の争点化を避けたい参院自民が法案提出に反対し、底上げ策は法案から外された。 これに立憲は「あんこのないあんパン」と反発。 底上げ策を復活させることなどを盛り込んだ修正案を、自公側に提案していた。 (高絢実、asahi = 5-26-25)


突出して低い日本女性の賃金 経済の停滞や少子化にも影響

夫が稼ぎ手で、妻は扶養内で働く。 こうした性別役割分担世帯を優遇してきた第 3 号被保険者制度。 女性のキャリアに詳しい大妻女子大学の永瀬伸子教授(労働経済学)に問題点を聞いた。

残業や全国転勤、配置転換などの企業の命令に「無限定」に従う正社員の夫と、家事育児を担う被扶養配偶者の妻。 こうした夫婦のあり方を推奨する日本型雇用慣行と第 3 号被保険者制度は、性別による役割分担を推進し、日本経済の停滞や少子化の一因となっています。 セットで見直すべきです。 1980 年代、正社員は未婚女性と、妻を扶養する男性のものだった。 一方、低賃金だが労働時間が比較的自由になり、企業側にとって社会保険を負担せずに済む「パート労働」は主婦のものでした。

しかし 2000 年代以降、規制緩和で非正規雇用が増え、主婦のものであったパート労働が配偶者のいない男女や、本来ならキャリアの基盤を築くべき若者にも広がりました。 また近年は、女性の労働力人口が増える一方で賃金構造は変わっておらず、女性の低賃金が全体の賃金を押し下げる要因となっています。 労働力調査などを元に推計したところ、大卒男性の中年期の年収中央値が 800 万円程度なのに対し、大卒女性は 170 万円程度でした。 英国や米国と比較しても日本の女性の賃金の低さは突出しています。

こうした環境で、低賃金で子どもを持つことを考えづらかったり、たとえ正社員であっても依然として「無限定」な働き方を求められ、子育てをしながらの継続に難しさを感じて離職したりする女性は少なくありません。 子育て期に配慮が必要なのは、配偶者の有無や正社員であるかどうかとは関係ない。 3 号だから保護するのではなく、育児をする男女への保護を拡充し、そうした事情がない場合は社会保険料を支払うとともに一人前の給料を得るようにすべきです。 2040 年までに現役世代が約 1 千万人減少するとされるなかで、女性の賃金向上は日本経済の最も大きな課題です。

女性活躍推進法で、正社員の中の女性管理職比率を増やしたとしても、 そもそも女性が正社員を続けにくい働き方がある。 男女問わず雇用者が子育ての時間を持てるとともに、子どもを持つ女性が自立できる賃金を得られるようにする改革を考える必要がある。 そうしなければ、女性の低賃金は解消されず、子どもを持たない選択をする女性は減らないでしょう。 その結果、日本の未来は明るくなりえません。 正社員と非正社員の二重構造を解消することが、子どものコストを負担できる社会構造のためには不可欠です。 若い女性が十分に自立できる年収を持てると期待できる社会を、「社会保障」として考えるべきです。

年金の「第 3 号被保険者制度」

1985 年にできた制度で、配偶者が会社員などの 2 号被保険者で自らの年収が 130 万円未満なら、3 号として国民年金の保険料を支払わなくても老後に基礎年金を受けられる。 3 号の保険料は、会社員ら 2 号被保険者全体で負担している。 対象者 675 万人(2024 年 5 月)のうち、98% が女性。 夫婦共稼ぎの増加に加え、パートなど短時間労働者にも厚生年金の適用を進めていることもあり、1995 年度の 1,220 万人をピークに減少している。

昨年秋以降、経済界や労働団体から 3 号制度の廃止を求める提言が相次ぎ、厚生労働省は 5 年に 1 度の年金制度改革の関連法案の付則に初めて検討規定を設ける方針を決めた。 改めて 3 号制度の実態を分析した上で、検討する場を設置することを想定している。 (聞き手・大貫聡子、岡林佐和、asahi = 5-27-25)


年金関連法案、政府が閣議決定 想定よりも約 2 カ月遅れ

5 年に 1 度の年金制度改革をめぐり、政府は 16 日、年金関連法案を閣議決定した。 今夏の参院選を見据えた自民党内の慎重論を受け、法案手続きは想定よりも約 2 カ月遅れとなった。 法案には、厚生年金加入で保険料の支払いが生じる年収「106 6万円の壁」の撤廃などを盛り込む一方、柱としていた基礎年金(国民年金)の底上げ策は除外した。 将来の低年金対策の一つとして、厚生労働省は当初、基礎年金(国民年金)の底上げ策を法案に入れていた。 ただ、選挙を控えた参院自民を中心に、法案提出に反対する意見が続出。 党内の議論は足踏みし、3 月中旬を目指していた法案提出は大幅に遅れた。

厚労省は 4 月、基礎年金の底上げ策を法案から削除。 これを受けて党内では法案手続きを進め、閣議決定にこぎ着けた。 このほか法案には、▽ 働く高齢者の厚生年金をカットする「在職老齢年金」制度の見直し、▽ 子のいない現役世代が受け取る遺族厚生年金の給付の有期化、▽高所得者の厚生年金保険料の上限引き上げ - - などが盛り込まれた。 基礎年金の底上げ策に関して野党側は修正を求めており、今国会での成立に向けて焦点となりそうだ。 (高絢実、asahi = 5-16-25)


「3 号制度」見直し、新たに検討規定 識者「未来見据えた議論を」

「3 号被保険者制度」は 1985 年の年金制度改正で創設。 当時は「夫は外で働き、妻が家庭を守る」という専業主婦世帯が約 936 万世帯と共働き世帯を上回っていた。 ただ、専業主婦の国民年金への加入は任意。 離婚した場合には自分名義の年金を受け取れないなどの課題も。 3 号制度創設には、女性の「年金権」を確立する狙いがあった。 一方、創設当時に約 718 万世帯だった共働き世帯は、2022 年に約 1,191 万世帯に。 専業主婦世帯は約 430 万世帯と半数以下に減った。

5 年に 1 度の年金制度改革に合わせ、厚生労働省はパートら短時間労働者の厚生年金の加入対象を広げようとしている。 年収「106 万円」の壁の賃金条件も撤廃する方針。 こうした動きで厚生年金の加入が増えれば、3 号制度の対象者(24 年 5 月で 675 万 6 千人、うち女性が 662 万 7 千人)も縮小するとみられる。

厚労省は、自民党の厚労部会で行われた関係団体へのヒアリング結果を踏まえ、3 号制度の今後の在り方について、今回の制度改革の関連法案の付則に検討規定を設ける方針だ。 こうした 3 号制度に関する検討規定が入るのは初めて。 改めて 3 号制度の実態を分析した上で、検討する場を設置することを想定している。 これまでの厚労省の審議会では、3 号制度の将来的な見直しや廃止について議論が続いてきた。

制度について「共働きの一般化や家族形態の多様化で時代にそぐわない」という意見のほか、1 号に扶養される配偶者は 1 号となるため、3 号と異なり「就労できない理由があっても保険料を払う必要がある」として、被扶養者で扱いが違うことへの指摘も出ている。 ただちに 3 号制度を廃止・見直すのではなく、育児や介護、病気などで働けずに 3 号となっている人への支援策を求める声も上がっている。

会社員らに扶養される配偶者が保険料を納めなくても基礎年金を受給できる「第 3 号被保険者制度」について、今の子どもたちにどんな社会を残したいのか、未来を見据えて議論すべきだ。 これまでの 3 号制度をめぐる議論は負担と給付のバランスや公平性に終始してきた。 そのために、日本が女性の力をどう生かしていくのか、キャリア形成をどう考えるかというダイナミックな視点が欠けていた。

3 号制度は女性の労働抑制につながり、キャリア形成をゆがめてきた。 長時間労働や(終身雇用を前提とした)メンバーシップ型雇用などを背景に、暮らしと仕事の両立に難しさを感じる人にとって、離職し家庭に入ることを促してきた。 一定の意義はあったが、いったん離職すれば、離職前と同様の条件では働けず、男女の賃金格差を再生産し続ける悪循環となっている。 結婚した際に姓を変える割合が女性に偏っていることと同様、社会慣習から女性だけが陥りやすい構造も問題だ。

女性活躍を政策として国が推進し、ジェンダーギャップの解消に取り組む企業を評価する社会になりつつあるなかで、日本はアクセルとブレーキを同時に踏み続けるという異常な状態になっている。 少子化にもつながっている。 2023 年度の経済財政白書によると、男性は年収が下がるほど未婚率が上がることが分かっている。 女性が結婚や出産で離職する可能性を考慮し、結婚相手に対してより高い収入を期待していることと無縁ではない。 現実には 3 号制度の恩恵を受けているのは、所得が高い一部の男性に過ぎない。

この 30 年、日本経済が停滞を続けている理由は、女性の社会進出を妨げ、飛行機でいえば片方のエンジンしか点火していないからだ。 諸外国のように両方のエンジンで飛べるよう、次の世代には 3 号制度を残すべきではない。 (高絢実、大貫聡子,、asahi = 5-9-25)



年金情報流出まで 13 日間対応怠る PC 感染で調査報告

日本年金機構は 20 日、約 125 万件(約 101 万人分)の個人情報が流出した問題の内部調査報告書を公表した。 最初のサイバー攻撃から情報が流出し始めるまでの 13 日間に、適切な対応をしていれば流出を防げたと分析。 対応不備の要因は、前身の旧社会保険庁時代から残る機構の体質が根底にあると指摘した。

内部調査では、職員ら約 200 人への聞き取りやサーバーなどのデータを分析した。 報告書によると、ウイルスを仕込んだ「標的型メール攻撃」が 5 月 8 - 20 日にあり、届いた計 124 通のうち 5 通の添付ファイルなどが開かれてパソコン 31 台が感染。 個人情報は 5 月 21 - 23 日に漏れた。 この間、被害を防ぐ重要な機会が 6 回あったとし、特に 5 月 20 日の対応を流出の「決定的な要因」と問題視。 不審メール 3 通を受信してサイバー攻撃に対応するシステム統括部に連絡が入ったにもかかわらず、担当者は添付ファイルを開いたか必要な聞き取りをその日のうちに行わなかった。 (久永隆一、asahi = 8-21-15)


年金情報流出の誤回答、入力ミス原因 機構の対応準備時

日本年金機構が、個人情報が流出した 2,449 人に「していない」と誤った説明をしていた問題で、機構は 13 日、システムへの基礎年金番号の入力ミスが原因だと発表した。 入力ミスは約 10 万件に上るという。 個人情報は約 101 万人分が流出した。 機構は問い合わせに対し、パソコンに基礎年金番号を入力すると画面に警告が表示されるシステムをつくって、6 月 2 日から使い始めた。

ところが、情報が流出した該当者の基礎年金番号を準備する段階で、リスト漏れが約 5 万 4 千件、違う番号を入れたケースが約 4 万 6 千件あったという。 計 8 万 6 千人余りの情報で、このミスで 2,426 人への誤説明につながった。 残る 23 人については、警告表示が出たのに間違った説明をしたという。 13 日に記者会見した水島藤一郎理事長によると、6 月 13 日に誤った説明があったことを把握し、翌 14 日に入力データを修正したという。 今回の誤説明について、機構が正式に公表するのは初めて。 水島氏は「早急に公表すべき事案だった。 認識に誤りがあった。」と陳謝した。 (久永隆一、asahi = 7-14-15)


年金機構、虚偽報告か 情報管理の調査に「すべて適正」

日本年金機構の個人情報流出問題で、個人情報の管理をめぐる内規の調査に対し、虚偽報告があった可能性が出ている。 流出した 949 ファイルのうち内規で定められたパスワードが設定されていたのは 1% 未満だったが、内部調査ではすべて「適正」と報告されていた。 機構は個人情報を保存するファイルに対し、@ パスワードかアクセス制限をかける、A 必要な作業が終われば速やかに消去する - - という内規を定め、2013 年 10 月以降、全国 395 部署に徹底を指示。 各部署の責任者が点検して本部に年 2 回報告するが、今年 4 月までの 4 回はすべて適正と報告していた。

また、機構が設けた専用電話窓口への問い合わせに対し、実際には流出した情報の該当者なのに「流出していない」と誤った回答をしていたケースが複数あったことも明らかになった。 機構によると、専用電話窓口では基礎年金番号で流出の該当者かどうか判別できるシステムをつくり、問い合わせに対応。 先月 1 日の設置から今月 5 日までに、52 万 7 千件余りの問い合わせがあった。

だが、機構が 6 月中旬、該当者に謝罪文を発送する作業で電話窓口での対応内容の記録と照合したところ、誤った回答をしたケースが判明。 原因は不明という。 機構はミスを公表せず、同月下旬に誤った説明をした人たちを戸別訪問して謝罪した。 訪問件数は「精査中」としている。 複数の厚生労働省幹部は 6 日、このミスを「知らなかった」と話しており、流出問題で指摘された双方の情報共有の不備も改めて生じている。 (久永隆一、asahi = 7-7-15)

年金情報、2,449 人に「流出なし」と誤回答 電話窓口

日本年金機構の個人情報流出問題で、機構が設けた専用電話窓口への問い合わせに対し、実際には情報が流出した該当者なのに「流出していない」と誤った回答をしていた人が 2,449 人に上ることが 7 日、わかった。 関係者が明らかにした。 機構によると、専用電話窓口では基礎年金番号で流出の該当者かどうか判断できるシステムをつくり、問い合わせに対応してきた。 だが、機構が 6 月中旬、該当者に謝罪文を発送する作業で電話窓口での対応内容の記録と照合した結果、誤った回答をしたケースがあったことが判明した。 (asahi = 7-7-15)


年金情報、流出は 101 万人 月内に謝罪文書を発送

日本年金機構がサイバー攻撃を受けて約 125 万件の個人情報が流出した問題で、機構は 22 日、情報が漏れた該当者は計 101 万 4,653 人で、47 都道府県すべてにいたと発表した。 機構は同日から、3 種類と 2 種類の情報が漏れた該当者への謝罪文書の発送を始めた。月内に終えるという。 機構によると、情報流出の該当者は受給者が 52 万 8,795 人で、加入者が 48 万 5,858 人。 都道府県別では大阪府が 9 万 6,884 人で最も多く、東京都の 9 万 6,172 人、神奈川県の 7 万 3,826 人が続いた。

流出した情報は、基礎年金番号、氏名、生年月日、住所の 4 種類。 約 116 万 7 千件としていた住所をのぞく 3 情報は、96 万 8,981 人分が流出し、大阪府(9 万 6,406 人)が最多だった。 さらに生年月日をのぞく 2 情報は約 3 万 1 千件で 3 万 370 人分が流出し、和歌山県(1 万 4,064 人)が最多。 すでに確定していた全 4 情報については、約 5 万 2 千件で 1 万 5,302 人分が漏れ、沖縄県(6,813 人)が最も多かったことを公表した。

機構は 4 情報の該当者には今月 3、4 日に謝罪文書を発送。 2 情報と 3 情報の該当者には 22 日から発送を始めたが、文書にはどちらに該当するか明記しておらず、専用電話窓口に問い合わせてもシステム上、判断できないという。 文書には住所を含めて 4 情報が漏れたと読める表現があるが、機構の担当者は 22 日、修正はしないとした。

機構は該当者に謝罪文書を郵送するため、流出情報の重複や死亡者を除く作業を進めてきた。 関係者によると、今月中旬に 50 万人を超えることが確認され、さらに作業を進めて最終的な人数を確定したという。 一方、機構は一時停止していたホームページを 22 日午後 1 時に再開した。 (asahi = 6-22-15)


年金情報、流出該当者 50 万人超す 全員に謝罪文書

日本年金機構がサイバー攻撃を受けて個人情報約 125 万件が流出した問題で、情報流出の該当者は 50 万人を超えることが 13 日、関係者への取材でわかった。 人数ベースでも大量の情報が流出したことになる。 機構は該当者全員に謝罪文書を送る方針だ。 流出した個人情報は基礎年金番号、氏名、生年月日、住所の 4 種類。 4 種類すべてが含まれるのは約 5 万 2 千件、住所を除く 3 情報が約 116 万 7 千件、さらに生年月日を除く 2 情報が約 3 万 1 千件だった。

この計約 125 万件の情報から、機構は亡くなった人や重複しているものを除く作業を進めている。 4 情報すべて流出した該当者は約 1 万 5 千人で確定。 さらに残る情報を精査した結果、3 情報と 2 情報が流出した該当者は 50 万人を超えたという。

4 情報が漏れた受給者と加入者にはすでに謝罪文書を送り、残る 50 万人超に対しても今月中に発送を終えたい考えだ。 流出した情報は、沖縄、和歌山の両事務センターと東京の記録突合センターの 3 カ所で使われていた。 4 情報すべてが流出した該当者は 42 都道府県におり、沖縄県が最多の 6,813 人、福岡県(5,836 人)や栃木県(2,204 人)も多かった。 (asahi = 6-14-15)


年金 4 情報、42 都道府県に流出該当者 最多は沖縄

日本年金機構がサイバー攻撃を受けて流出した個人情報のうち、基礎年金番号、氏名、生年月日、住所の 4 情報すべてが流出した約 1 万 5 千人の都道府県別の所在地がわかった。 いずれも沖縄事務センターで使われていた情報で、沖縄県が最多の 6,813 人。 福岡県(5,836 人)や栃木県(2,204 人)も多い。 厚生労働省と機構がまとめた。

該当者のうち年金受給者は福岡県が 3,749 人で最も多く、沖縄県の 3,527 人、栃木県の 1,643 人と続く。 一方、青森、岩手、秋田、鳥取、徳島の 5 県には該当者がいない。 4 情報の流出が確認された人には、機構が 4 日までに謝罪文書を発送。 月内には情報流出が確認された全員に文書を送り終えるとしている。 (久永隆一、asahi = 6-12-15)


年金機構のホームページ閲覧できず 不正対策で改修中

日本年金機構のホームページが 6 日午後 3 時 40 分から閉鎖され、閲覧できない状態が 7 日の午前中も続いている。 不正アクセスに弱い部分が見つかり、改善作業をしているためだ。 機構は当初、6 日中の復旧を目指していたが、作業が長引いているという。

ホームページには、約 125 万件の年金の個人情報が流出した問題をめぐり、年金受給者や加入者の問い合わせにこたえる専用の電話窓口の番号 (0120・818211) や、全国の年金事務所の連絡先が掲載されていた。 広報担当者は「できるだけ早く復旧させたい」としている。 機構によると、ホームページは外部業者のサーバーを利用しており、受給者や加入者の個人情報を保存する基幹システムへの影響はないとしている。 (asahi = 6-7-15)


年金情報、流出は東京・和歌山など 3 センター分

日本年金機構の個人情報約 125 万件が流出した問題で、外部に出たのは、同機構の「記録突合センター(東京)」のほか、和歌山や沖縄の事務センターで使われた情報だったことが 5 日、関係者への取材で分かった。 年金記録を確認するための文書などで、約 950 個のファイルで保存されていた。 関係者によると、流出したのは記録突合センターで使っていた情報約 50 万件、沖縄事務センターが約 74 万件、和歌山事務センターが約 1 万件。

記録突合センターは、保険料の納付や年金の支払い状況について、コンピューターで管理している情報と紙資料の記録を照合するための組織。 同機構の前身・社会保険庁時代に問題化した、保険料を支払ったのに記録が残っていない「消えた年金」を含め、年金記録の確認業務を行っていた。 (yomiuri = 6-5-15)


年金機構、4 情報以外の流出否定 謝罪文書を発送へ

日本年金機構がサイバー攻撃を受けて約 125 万件の個人情報が流出した問題で、機構の水島藤一郎理事長は 3 日、これまで判明している 4 情報とは別の情報が流出した可能性について「それ以外はない」と否定した。 一方、流出件数が増える可能性は「捜査によってはある」と述べた。 同日朝に開かれた民主党の会合で明らかにした。

機構はこれまで、流出したのは基礎年金番号、氏名、生年月日、住所の 4 情報と説明している。 水島氏は、このすべてが流出した約 5 万 2 千件のうち年金受給者に対し、謝罪文書を 3 日中に発送することを表明。 残る受給者や加入者に対しては、今月中に発送する考えを示した。 ただ、発送予定の文書に「大変ご不便をおかけしますが、改めてご連絡申し上げますので、お待ち下さい」と記載されていることから、出席した議員が「あの手紙にありました連絡です」と詐欺に悪用される危険性を指摘。 厚生労働省の樽見英樹年金管理審議官は機構側から電話しないことを徹底するとした。 (asahi = 6-3-15)


年金情報流出、攻撃に 2 種の新ウイルス使われる

日本年金機構の個人情報流出問題で、同機構へのサイバー攻撃には少なくとも 2 種類の新種ウイルスが使われていたことが 2 日、機構幹部への取材でわかった。 最初のウイルスが見つかった後、同機構はすぐに対策を講じたが、別のウイルスに再び感染していた。 同機構幹部によると、職員のパソコンにはもともとウイルスを検知するソフトが入っていたが、5 月 8 日に九州ブロック本部(福岡市)でウイルスメールを開封した際は、検知されなかった。 その後、政府の専門機関から異常を指摘され、専門会社に解析を依頼したところ、新種のウイルスが見つかった。

同機構は、このウイルスを検知・駆除できるよう、すぐにパソコンのソフトを更新。 だが、数日後に機構本部(東京都杉並区)に届いたメールに添付された別の新しいウイルスを検知することはできなかった。 ウイルスに感染したパソコンは、この 2 台だけでなく、数十台に上るとみられる。 セキュリティー会社が解析を進めているが、2 台に感染した新種のウイルスのほかにも、ソフトが検知できない新たなウイルスが見つかる可能性もあるという。 (yomiuri = 6-3-15)


日本年金機構、ファイル共有サーバーを5年以上前から運用

ルール上は「個人情報の格納は原則禁止」

日本年金機構から 125 万件の年金情報が漏洩した問題で、同機構は漏洩データを保管していたファイル共有サーバーを社会保険庁時代から恒常的に利用していたことが明らかになった。 年金記録などを格納する基幹システム(社会保険オンラインシステム)から個人情報をファイル共有サーバーに移していたところ、標的型ウイルスに感染したパソコン経由で情報が漏れた。 サーバー上に個人情報を置くことは原則禁止していたという。

同機構のシステム統括部によれば、少なくとも 2010 年 1 月の機構発足時には、基幹システム(社会保険オンラインシステム)から抽出した個人情報をファイル共有サーバー内のフォルダに格納して、職員間や事務所間で共有していた。 フォルダは階層構造であり、上位から、全国、ブロック、県、拠点といった順だった。 今回、「あるフォルダとその配下のサブフォルダとファイルが盗まれた。(システム統括部)」 サーバーには「エクセル」や「アクセス」のファイルが格納されていた。

ルール上、個人情報をファイル共有サーバーに格納することは原則禁止という。 格納する際は、アクセス制限をかけたりファイルに「人に推測されにくいパスワード(同)」を設定。 さらにどんなファイルを格納したかを一覧にして総務部に報告することを課していたという。 ただしパスワードの設定は職員に任せており、格納のたびに第三者が確認することはなかったようだ。 今回漏れた 125 万件のうち、約 55 万件はパスワードが設定されていなかった。

基幹システムから個人情報を抽出するには、権限のある職員による申請が必要だった。 抽出データは暗号化された上で CD-ROM に格納されて職員に渡されていたという。 同機構は回答を控えたが、職員がパソコンで CD-ROM の内容を複合し、ファイル共有サーバーに移していたと見られる。 ファイル共有サーバーをどういった業務で使っていたのか。 機構は具体的な業務名の回答を控えたものの、一例として、「全国レベルではなく、拠点レベルでお客様に電話したり通知したりするためのリストを作る業務に使っていた」と話す。

一般に基幹システムのデータを現場が簡単に編集する目的で、エクセルや CSV で現場向けデータを作成・提供することは決して珍しくない。 ただ、パスワードの設定を職員任せにしてチェックが行き届かない運用であったことと、ネットがつながるパソコンで個人情報のサーバーにもアクセスできるネットワーク設計だったことが重なり、今回の流出を招いた。 (井上英明、ITpro = 6-2-15)


年金の個人情報 125 万件が流出 不正アクセス

日本年金機構は 1 日、基礎年金番号や氏名など同機構が保有している個人情報が流出した、と発表した。 流出件数は現時点で約 125 万件に上るとみられるという。 職員の端末に届いた電子メールにウイルスが入ったファイルが添付されており、これを開いたところ不正アクセスされて情報が漏れたという。 (asahi = 6-1-15)