コーラ 200 円、牛丼大盛 740 円 … 食品値上げ、年 2 万品目の可能性 飲食料品や外食産業で値上げの動きが再び広がっている。 原材料費の高騰が続いているのに加え、人件費や物流費も高まっているためで、4 月に値上げした飲食料品は計 4 千品目を超えた。 帝国データバンクは今年は最大 2 万品目にのぼる可能性があると指摘、家計の負担増が続きそうだ。 「カカオ豆の生産地、西アフリカ(コートジボワール、ガーナ)は豪雨、乾燥といった天候不順が続き、供給不安が根強い。 生産農家も減少している一方、新興国の需要が高まっているので需給がひっぱくしている。」 そう指摘するのは明治の広報担当者。 6 月 1 日出荷分からチョコレートとスポーツ栄養(プロテインバー)の計 34 品目について、出荷価格で約 9 - 36% 値上げする。 カカオ豆の国際価格は投機マネーの流入もあって、2024 年 4 月にロンドン市場で最高値をつけ、同 12 月にはニューヨーク市場でも 46 年ぶりの高値を更新した。 先行きも不透明な状況が続く。 森永製菓もチョコレート製品 7 品目を 6 月2 日出荷分と 10 日発売分から約 16 - 28% 上げる。 「カカオ豆だけでなく、食品原料と包装資材の上昇が響いている(広報)」という。 コメの価格高騰を受けた値上げも目立つ。 農林水産省によると、24 年産米の相対取引平均価格(玄米 60 キロ、3 月速報)は全銘柄で前年比 60% 値上がりした。 テーブルマークは、家庭用「パックごはん」の 22 品目すべてを今月 1 日から約 11 - 36% 値上げ。 外食産業にも広がり、牛丼の「松屋」では、同 22 日から牛めし(並盛)が 30 円上がり税込み 460 円になった。 吉野家も同 10 日から牛丼大盛(店内飲食)を 44 円値上げし、税込み 740 円になった。 飲料品では、コカ・コーラボトラーズジャパンが 10 月 1 日出荷分からペットボトルや缶製品など 217 品目の希望小売価格を 4.8 - 23.0% 引き上げる。 「原材料、資材、エネルギー価格の高騰や為替相場の変動による影響が長期化している」という。 500 ミリリットル入りペットボトルの炭酸飲料「コカ・コーラ」は 180 円(税抜き)が 200 円に。 サントリー食品インターナショナルも 10 月出荷分から、ペットボトルは希望小売価格で 6 - 25%、缶は 10 - 24% 引き上げる。 このほか、ビール大手 4 社は 4 月出荷分から酒類やノンアルコール飲料などの出荷価格を 3 - 12% 程度、値上げした。 帝国データバンクによると、値上げの要因は原材料高で品目ベースで 97.8% を占める。 物流費も 8 割超にのぼり、トラック運転手の労働規制や燃料費上昇が響いた。 値上げは 23 年が約 3 万 2 千品目で、24 年は約 1 万 3 千品目に減ったが今年は再び増加。 今年 4 月は 4,225 品目と、1 年 6 カ月ぶりの多さとなった。 年間で 2 万品目に達する可能性があるという。 ソニーフィナンシャルグループの渡辺浩志チーフエコノミストは「企業は原材料費の高騰に直面する一方、現在は人手不足が強まり、賃上げ機運が高まっている。 労働分配率の引き上げが優先課題となっており、賃上げ原資を確保する点からギブアップ的な値上げに追い込まれている。」とみる。 「消費者は『インフレ疲れ』しているが、値上げは当面続く。 本質的にはインフレを上回る賃上げを続けて実質所得を増やし、経済を好循環させる必要がある。」 (橋田正城、asahi = 4-26-25) 野村 HD、過去最高の純利益 トランプ政権発足後の 1 月以降は減速 野村ホールディングス (HD) が 25 日発表した 2025 年 3 月期決算(米国会計基準)で、純利益は前年同期から 2 倍以上に増え、過去最高の 3,407 億円になった。 昨年末までは、トランプ米大統領が経済を重視するとの期待から、米国の株式市場では代表的な指数が最高値を更新。 金融取引が活発化し、個人への金融商品の販売や機関投資家の資産運用事業など、全部門が好調だった。 一方、今年 1 月に実際にトランプ政権が発足した後は、関税政策などで経済の先行きに不透明感が高まり、個人や機関投資家は慎重姿勢を見せるようになった。 1 月以降の 3 カ月間は昨年 10 - 12 月の 3 カ月間と比べて減収、減益になったという。 北村巧財務統括責任者 (CFO) は「顧客の活動が緩慢になると業績に影響がある。 この流れは足元でも引き継いでいる。」と話した。 (笹井継夫、asahi = 4-25-25) 東証 648 円高、円安進行 トランプ氏「FRB 議長解任ない」に好感
記事コピー (asahi = 4-24-23〜4-23-25) 円相場、一時 1 ドル 139 円台に 昨年 9 月以来の円高水準
記事コピー (asahi = 9-1-22〜4-22-25) 3 月の消費者物価 3.2% 上昇 24 年度平均では 2.7% 上昇 2% 超の物価上昇が 3 年間 物価の変動を示す 3 月の全国の消費者物価指数は前の年と比べて 3.2% 上昇しました。 コメは 9 割を超える高騰です。 総務省の発表によりますと、3 月の全国の消費者物価指数は生鮮食品を除く総合が 110.2 となり、去年 3 月より 3.2% 上昇しました。 高騰が続くコシヒカリを除くうるち米は 92.5% 上昇しました。 そのほか、円安や原産地での不作などが影響し、▼ チョコレートが 29.6%、▼ コーヒー豆が 21.1% 上昇しました。 あわせて発表された 2024 年度の消費者物価指数の平均は前の年度と比べて 2.7% 上昇しました。 上昇幅は前の年度より 0.1 ポイント縮小したものの、政府・日銀が目標とする 2% を大きく超える物価上昇が 3 年間続いています。 (TBS = 4-18-25) ◇ ◇ ◇ 2 月の消費者物価 3.0% 上昇 … 生鮮食品を含む総合は 3.7% の上昇 総務省が 21 日発表した 2 月の全国消費者物価指数(2020 年 = 100)で、値動きの大きい生鮮食品を除く総合は 109.7 と、前年同月より 3.0% 上昇した。 一方、生鮮食品を含む総合は 110.8 と、3.7% 上昇だった。 政府の電気・ガス代の負担軽減策が復活し、上昇率を約 0.3 ポイント押し下げた。 (yomiuri = 3-21-25) ◇ ◇ ◇ 2024年、東京 23 区の消費者物価指数 去年 1 年間と比べ 2.1% 上昇 2024 年 1 年間の東京 23 区の消費者物価指数は、速報値で、天候による変動が大きい生鮮食品を除いた指数が 2023 年 1 年間と比べて 2.1% 上昇しました。 上昇率は 2023 年の 3% から 0.9 ポイント縮小しましたが、3 年連続で 2% を超えました。 総務省によりますと、東京 23 区の 2024 年 1 年間の消費者物価指数は、生鮮食品を除いた総合の速報値で 2020 年の平均を 100 として 107.2 となり、2023 年より 2.1% 上昇しました。 これは、政府による電気・ガス料金への補助がことしは去年より縮小され、特に電気代が上昇したことなどが主な要因です。 また、食品の値上がりも続いていて、「生鮮食品を除く食料」は 3.7% の上昇となりました。 値上がり幅が大きかったものをみますと、夏場に品薄となった「米類」が 27.1%、「チョコレート」が 12.8%、国産の「牛肉」が 6.3% などとなっています。 一方、東京 23 区の 12 月の消費者物価指数は、速報値で生鮮食品を除いた指数が前の年の同じ月と比べて、2.4% 上昇しました。 政府による電気・ガス料金への補助がいったん終了したことなどで、上昇率は前の月よりも 0.2 ポイント拡大しました。 (NHK = 12-27-24) ◇ ◇ ◇ 11 月の消費者物価 2.7% 上昇、3 か月ぶりに伸び幅拡大 … 電気・ガスの補助金縮小響く 総務省が 20 日発表した 11 月の全国消費者物価指数(2020 年 = 100)は、値動きの大きい生鮮食品を除く総合が 109.2 で、前年同月比 2.7% 上昇した。 政府の電気・ガス代負担軽減策が縮小してエネルギー関連が上がり、3 か月ぶりに伸び幅が拡大した。 コメ類は過去最大の伸び率を記録した。 上昇は 39 か月連続。 伸び率は 10 月 (2.3%) に比べて 0.4 ポイント上昇した。 総務省の試算では、負担軽減策がなければ 3.0% の上昇だった。 項目別では電気代や都市ガス代を含むエネルギー関連が 6.0% 上昇し、10 月の 2.3% から拡大した。 生鮮食品を除く食料は 4.2% 上昇で、4 か月連続で伸びが拡大した。 コメ類の上昇率は 63.6% で、比較可能な 1971 年以降で最大だった。 原材料のカカオ豆の高騰が続くチョコレートが 29.2% 上昇と約 50 年ぶりの大きさとなり、ブラジルの天候不良で出荷量が減少したコーヒー豆も 24.9% 上昇した。 一方、家計の実感に近い生鮮食品を含む総合指数の上昇率は 2.9% (10 月は 2.3%)だった。 生鮮食品が 8.7% 上昇した。 (yomiuri = 12-20-24) 原油価格、1 バレル = 60 ドル割り込む 関税政策めぐり景気減速懸念 6 日の米ニューヨーク商業取引所で、原油価格の指標となる「米国産 WTI 原油」の先物価格が一時、1 バレル = 60 ドルを割り込んだ。 大幅安となった前週末からさらに 3% 超の下落。 米メディア CNBC によると 2021 年 4 月以来の安値水準という。 原油価格は先月末から今月初めにかけ 1 バレル = 70 ドル前後で取引が続いていた。 だが、4 月 2 日にほぼ全ての国・地域に「相互関税」をかけるとトランプ米大統領が発表後、大幅に下落。 前週末 4 日には前日比 7% 超急落し、1 バレル = 61 ドル台で取引を終えていた。 価格下落の背景には、トランプ政権の高関税政策が米国や世界の景気を減速させるとの懸念の高まりがある。 景気の収縮が生産活動にブレーキをかけ原油の需要が落ちることが意識され、価格急落につながっている。 (ワシントン・榊原謙、asahi = 4-7-25) 大企業・製造業の景況感、4 期ぶり悪化 3 月の日銀短観 日本銀行が 1 日に発表した 3 月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、代表的な指標である大企業・製造業の業況判断指数 (DI) が 4 期(1 年)ぶりに悪化した。 中国や欧州の経済の減速に加え、トランプ米政権の関税政策に対する懸念が影響した。 大企業・非製造業は 2 期ぶりに改善した。 業況判断 DI は、調査対象の国内約 9 千社のうち、景気が「良い」と答えた企業の割合から、「悪い」とした割合を引いた指数を指す。 大企業・製造業は昨年 12 月の前回調査から 2 ポイント悪化してプラス 12 となった。 業種別では、鉄鋼が 10 ポイント悪化してマイナス 18、繊維が 23 ポイント悪化して 0 となったほか、石油・石炭製品も 17 ポイント悪化して 0 だった。 一方で、生産が回復した自動車が 5 ポイント改善してプラス 13、電気機械が 3 ポイント改善してプラス 11 などとなった。 大企業・非製造業は改善 大企業・非製造業は 2 ポイント改善してプラス 35 だった。 人手不足に伴う人件費の高騰や物価高が懸念材料となっているが、訪日外国人の消費や、値上げの浸透を追い風に、1991 年 8 月以来の高水準となった。 小売りは、前回の大幅悪化から 8 ポイント改善し、プラス 21 となった。 宿泊・飲食サービスも 6 ポイント改善しプラス 46 だった。 3 カ月先の景況感を尋ねる DI は、大企業・製造業が 3 月と変わらずプラス 12、非製造業は 7 ポイント悪化のプラス 28 を見込んだ。 (柴田秀並、asahi = 4-1-25) ◇ ◇ ◇ 景況感は 4 期連続プラス 1 - 3 月 サービス業けん引 財務省と内閣府が 12 日発表した 1 - 3 月期の法人企業景気予測調査は、大企業全産業の景況判断指数 (BSI) がプラス 2.0 だった。 4 四半期連続で「上昇」が「下降」を上回った。 サービス業がけん引した。 中堅企業の全産業はプラス 0.7。中小企業の全産業はマイナス 12.7 だった。 4 - 6 月期の見通しは大企業がプラス 1.5、中堅企業がプラス 3.1。中小企業はマイナス 5.1 だった。 (kyodo = 3-12-25) 三井住友海上とあいおい損保合併へ 東京海上日動を抜き売上首位に 損害保険業界 3 位の三井住友海上火災保険と 4 位のあいおいニッセイ同和損害保険が合併する方針を決めた。 持ち株会社の MS & AD インシュアランスグループホールディングス (HD) が 28 日、正式に発表した。 実現すれば東京海上日動火災保険を抜き、国内損保の事業規模で首位となる。 人口減などで国内市場は縮小が見込まれており、合併による効率化で収益性を高め、より強固な事業体制を構築する。 発表によると、合併時期は 2027 年 4 月をめどとする。 「今後、具体的な検討・対応準備を進める」とし、新社名や合併方式、トップの選任などは未定という。 両社をめぐっては 10 年 4 月、持ち株会社にぶら下がる形で、三井住友海上と、あいおい損害保険、ニッセイ同和損害保険が経営統合。 同年 10 月、あいおい損保とニッセイ同和損保が合併し、あいおいニッセイ同和損保となった。 損保大手 3 グループのなかで唯一、中核損保を 2 社持つ体制となった。 売上高に相当する正味収入保険料(23 年度)でみると、三井住友海上は 1 兆 6,233 億円、あいおいニッセイ同和が 1 兆 3,689 億円だった。 首位の東京海上日動が2 兆 4,179 億円、2 位の損害保険ジャパンが 2 兆 1,779 億円。 今回の 2 社が合併すれば収入規模で 3 兆円近くに増え、首位に躍り出る。 海外子会社などを含めた親会社の正味収入保険料(23 年度)は、東京海上 HD が 4 兆 8,249 億円、MS & ADHD が 4 兆 2,617 億円、SOMPOHD が 3 兆 6,904 億円の順だった。 国内首位の損保が誕生へ MS & ADHD はこれまで、2 社を併存させたうえで「機能別再編」戦略を取ってきた。 保険商品の開発で連携を進めたほか、保険の種類によって強みのある方の商品の販売に力を入れるといった形だ。 三井住友海上が法人向け分野や海外事業に強みを持ち、あいおいニッセイ同和は自動車保険や個人事業主などに強い。 ただ、人口減や若者の自動車離れなどのあおりを受け、国内の保険市場は縮小が見込まれている。 合併により、組織のスリム化を進めることで、より経営の効率化を進め、収益力や市場の評価を高めたい考えだ。 損保業界では近年、旧ビッグモーターによる保険金の不正請求問題や、企業保険でのカルテルなど、損保業界で相次いで不祥事が発覚。 ガバナンス(企業統治)の強化に加え、保険の販売のあり方についても大きな変革を迫られている。 そのため、MS & ADHD は 6 月にも、取締役会が事業子会社への監督を強める「監査等委員会設置会社」への移行を予定する。 2 社の合併と合わせて、国内損保のガバナンスをさらに強化する狙いがある。 (柴田秀並、asahi = 3-28-25) 手形・小切手、全銀協が電子交換所を終了 27 年 4 月に 全国銀行協会(全銀協)は 26 日、約束手形や小切手のデータをやり取りする電子交換所を 2027 年 4 月で終了すると発表した。 政府は 26 年をめどに約束手形を原則廃止、小切手も縮小する方針を表明。 3 メガバンクも新規の発行を終える方針で、交換所の終了はこの流れを受けたものだ。 約束手形は、将来の支払いを約束する有価証券の一種で、指定された期日になると、受取人は金融機関で現金に換えられる。 小切手はすぐに換金できる。 いずれも明治以来続いてきた商慣習だ。 かつては各金融機関が、扱う手形を各地の交換所に持ち寄って決済していた。 だが取引時間の短縮などを目的に全銀協が 22 年、約束手形を画像データとして送受信して決済する電子交換所に完全移行した。 ただ、特に期日がある約束手形は、支払う側は取引先に入金するまでの猶予ができる一方で、現金を受け取る下請け企業が資金繰りに苦しむ一因でもあるとの指摘があった。 政府はそれを問題視し、原則廃止する方針を決めた。 三菱 UFJ 銀行など 3 メガバンクも順次、来年度末までに新規の発行を終了し、決済の手続きも再来年度末までとすることを公表している。 電子交換所の廃止後も、企業や金融機関同士で交換すること自体はできる。 ただ、利便性は大きく低下しそうだ。 全銀協によると、24 年に電子交換所で交換された手形・小切手は約 1,900 万枚で、20 年の約 4 千万枚(推計)から半分に減った。 (東谷晃平、asahi = 3-26-25) 公示地価、4 年連続で上昇 前年比 2.7% 増でバブル後最大の上げ幅 国土交通省は 18 日、2025 年 1 月 1 日時点の公示地価を発表した。 住宅地や商業地など全用途の全国平均は前年より 2.7% 上がった。 上昇は 4 年連続で、バブル崩壊後の 1992 年以降、最大の上げ幅となった。 訪日外国人客の増加で別荘やホテルなどの需要が増え、全体を押し上げた。 全国約 2 万 5 千の調査地点の 67% で地価が上昇した。 都市部では住宅やオフィスなどの需要が根強く、上げ幅が拡大。 地方では観光地を中心に堅調な訪日客需要で価格が上がった。 住宅地は全国平均で 2.1% 上がった。 東京、大阪、名古屋の 3 大都市圏は平均 3.3% 上昇した。 東京 23 区は全ての区で上昇幅が拡大し、中央区や港区、目黒区などの中心部では 10% を超えた。 都心部ではマンション価格が高騰しており、都心にアクセスしやすい周辺部でマイホームを求める動きが広がっている。 千葉県流山市では、平均上昇率が 13.6% だった。 再開発が進む地方 4 市(札幌、仙台、広島、福岡)は、4.9% 上がった。 札幌市では建設費の高騰などで住宅の買い控えが進み、前年に比べて上昇幅が縮小した。 訪日客でにぎわう長野県白馬村や野沢温泉村は、別荘やコンドミニアムの需要が高く、20% 超上がった地点もあった。 商業地は全国平均で 3.9% 上がった。 都心部や地方都市では、駅に近い利便性の高い地点でマンション用地と競合し、上昇率が高かった。 3 大都市圏のうち、訪日客の需要が薄い名古屋圏は上昇幅が小さかった。 最高価格地点は 19 年連続で東京都中央区の「山野楽器銀座本店」で、1 平方メートルあたり 6,050 万円だった。 一方、能登半島地震の被災地や人口減少が進む地方では地価の下落が進んだ。 住宅地の変動率下位 10 地点は、いずれも石川県だった。 今後の見通しについて三井住友トラスト基礎研究所投資調査部長の大谷咲太氏は「建設費の高騰で、土地を利活用する動きは、高くても売れる都心部に絞られていくだろう。 都心では今後も地価が上がるが、全国的にみれば下がっていくのではないか。」とみる。(益田暢子、asahi = 3-18-25) 年末の消費下ぶれ、実質 GDP を下方修正 昨年 10 - 12 月期 2024 年 10 - 12 月期の国内総生産(GDP、季節調整値)の改定値は、物価変動の影響をのぞいた実質で直前の四半期(7 - 9 月期)より 0.6% 増えた。 内閣府が 11 日、2 次速報として発表した。 この状態が 1 年続くと仮定した年率換算は 2.2% 増で、今年 2 月に公表した 1 次速報(年率 2.8% 増)を下方修正した。 3 四半期連続のプラス成長を保ったものの、個人消費が振るわない。 内閣府が最新の統計データを用いて再集計した。 GDP の 5 割超を占める個人消費は 0.03% 増で、1 次速報の 0.1% 増から引き下げた。 年末の外食業の低調ぶりや宿泊業の伸び悩みを反映した。 4 - 6 月期の 0.8% 増、7 - 9 月期の 0.7% 増と比べると、伸びが鈍化。 秋以降にコメや野菜など身近な食べものが値上がりし、消費者が節約を強めたことも響いたとみられる。 ほかに住宅投資や公共投資も 1 次速報から下ぶれした。 原油などの在庫が 1 次で用いた推計値より少なかったことも、GDP 全体を押し下げた。 設備投資は 0.5% 増から 0.6% 増に上ぶれた。 IT 関連投資の伸びを反映したが、GDP 全体を大きく引き上げるほどの力強さはない。 海外在住者へのサービスの輸出に計上される訪日客の消費など、「外需」によってプラス成長を維持する構図は変わらない。 あわせて改定した24 年の 1 年分の実質 GDP は、前年より 0.1% 増えた。 1 次速報と同水準で、プラス成長は 4 年連続となる。 個人消費は 1 次の 0.1% 減から 0.01% 減に改善したが、4 年ぶりのマイナス圏を脱することはできなかった。 物価の変動分も反映した 24 年の名目 GDP は 3.0% 増え、609 兆円となった。 4 - 6 月期の年換算額で初めて乗った「600 兆円台」を、1 年間の実額でもクリアする状態を保った。 (内藤尚志、asahi = 3-11-25)
◇ ◇ ◇ 2024 年の実質 GDP は 0.1% 増 名目 GDP は初の 600 兆円超 内閣府が 17 日発表した 2024 年 10 - 12 月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比 0.7% 増、この成長が 1 年続いた場合の年率換算で 2.8% 増だった。 3 四半期連続のプラス成長となった。 24 年通年の実質 GDP は前年比 0.1% 増だった。 また、通年の名目 GDP は初めて 600 兆円を超えた。 (asahi = 2-17-25) ◇ ◇ ◇ 日本の 1 人あたり GDP、世界 22 位 円安や高齢化影響、韓国下回る 内閣府は 23 日、2023 年の国民 1 人あたりの名目国内総生産 (GDP) は米ドル換算で前年比 0.8% 減の 3 万 3,849 ドルとなり、経済協力開発機構 (OECD) 加盟 38 カ国中 22 位だったと発表した。 順位は前年と同じだが、比較できる 1980 年以降で最も低く、21 位の韓国(3 万 5,563 ドル)を下回った。 内閣府によると、韓国は今年に入って GDP の算出基準を改定。 過去の金額も見直したところ、22 年も 1 人あたり GDP で日本を上回っていたことが判明した。 OECD 加盟国の順位で韓国に抜かれたのは初めてだった。 国民 1 人あたり GDP は、石破茂首相が就任後初の所信表明演説で「増加」を掲げるなど、政権が重視する指標の一つ。 日本の順位は 00 年の 2 位をピークに下落の傾向が続く。 22 年はイタリアに抜かれ、14 年ぶりに G7 で最下位に転落した。 三菱 UFJ リサーチ & コンサルティングの小林真一郎氏は「円安や日本企業の競争力の衰えだけでなく、高齢化が進んで 1 人あたりの稼ぐ力が低下したことも大きい」と分析する。 名目 GDP は物価の変動分も反映されるため、日本も円ベースの金額は物価高もあって増えた。 だが、円安が進んだことで、ドル換算時の目減りの影響のほうが大きくなった。 23 年の 1 人あたりの金額のトップはルクセンブルクの 12 万 8,423 ドルで、日本の約 3.8 倍の水準だ。 6 位の米国の 8 万 1,861 ドルとも約 2.4 倍の開きがある。 内閣府はあわせて、23 年の日本の名目 GDP が 4 兆 2,137 億ドルで、世界の GDP に占める割合が 4.0% だったと発表した。 前年より 0.2 ポイント小さく、比較できる 80 年以降の最低を更新した。 トップの米国は 27 兆 4,406 億ドルで、25.9% を占めた。 2 位の中国は 17 兆 7,948 億ドルで、16.8%。日本はドイツの 4.3% に続く 4 位だった。 (内藤尚志、asahi = 12-23-24) 貿易赤字、昨年は 5 兆 3,326 億円 … 前年の 9 兆 5,220 億円から大幅減少
記事コピー (asahi = 7-25-12〜2-10-25) 暗号資産の業者破綻しても海外流出防止 改正案に国内保有命令を新設 金融庁は、海外に拠点を置く暗号資産(仮想通貨)交換業者が経営破綻した場合、国内の顧客資産が海外に流出するのを防ぐため、交換業者に対して国内保有命令を出せる制度を導入する方針だ。 今国会に提出する資金決済法改正案に盛り込んだ。 電子マネーや暗号資産など新たな決済手段を規制する現在の資金決済法には国内保有命令の規定がないため、業者の破綻時に資産の国外流出を防ぐことができない。 2022 年に暗号資産交換業大手の FTX トレーディングが破綻した際には、同社が有価証券の発行や売買などに関するルールを定めた金融商品取引法の登録業者だったため、同法に基づき国内保有命令を発動した経緯がある。 資金決済法改正案が成立すれば、資産の国外流出を防ぐことが可能になる。 また、暗号資産の仲介のみを行う「仲介業」を創設する。 交換業者よりも規制を軽くすることで事業会社が仮想通貨を扱えるようにするねらいがある。 例えば、ゲーム会社がアイテム購入の決済手段として仮想通貨を使うことも可能になる。 マネーロンダリング(資金洗浄)規制などは課さない方針だ。 一方、暗号資産とは別にキャッシュレス決済などのサービスを提供する資金移動業者が破綻した場合に、利用者に迅速に返金するため返還方法も多様化する。 現在は「供託」を通じて国が利用者に返還する仕組みになっているため最低 170 日間かかる。 新たに、銀行などの保証機関を通じて利用者に直接返還することが可能になるため、返還するまでの時間を短縮できる。 資金移動業者として、PayPay や楽天 Edy など 80 業者が金融庁に登録している。 (堀篭俊材、asahi = 2-6-25) 3 メガ銀、4 - 12 月期は金利上昇で最高益 「預金獲得競争は熾烈」 3 メガバンクグループの 2024 年 4 - 12 月期決算が4日までに出そろった。 日本銀行の利上げや企業の堅調な資金需要が業績を押し上げ、3 社とも純利益が過去最高を記録した。 日銀が 1 月に追加利上げを決めたことで、今後も収益の拡大が見込まれる。 純利益は三菱 UFJ フィナンシャル・グループ (MUFG) が 1 兆 7,489 億円、三井住友 FG (SMFG) が 1 兆 1,359 億円、みずほ FG が 8,553 億円だった。 好業績の一因は、国内金利の上昇だ。 昨年 3 月、日銀はマイナス金利政策を解除し同 7 月には追加利上げを実施。 これにより、貸出金利と預金金利の差(利ざや)が膨らんでいる。 設備投資などによる企業の資金需要も堅調で、3 社とも、国内貸出金残高が増加した。 MUFG は、今年 1 月も含めたこれまでの利上げで、24 年度の業績に 850 億 - 950 億円のプラス効果が出ると説明。 みずほ FG は 1,050 億円、SMFG は 900 億円になるとした。 日銀は、物価と経済が見通し通りに進めば、段階的に利上げを進めるとしており、銀行には追い風が続きそうだ。 今後、政策金利が 0.25% 上がるごとに、年 1 千億 - 1,200 億円のプラス効果が出ると各社は試算している。 「金利のある世界」が本格化するのに備え、銀行は貸し出しの原資となる預金集めに力を入れる。 1 月の追加利上げ後、まず動いたのは三菱 UFJ 銀行で、普通預金の金利を 3 月に年 0.1% から 0.2% に上げると発表。 多くの銀行が追随するが、金利の高さは預金増に直結するため、より高い金利を設定したネット銀行も出ている。 SMFG は 2023 年に立ち上げた金融アプリ「オリーブ」が好調で、個人の預金残高は前年同期比で 3% 増加。 ポイントをつけるキャンペーンなどで口座を増やしている。 みずほ FG も、楽天カードと資本業務提携し、昨年 12 月から「みずほ楽天カード」の提供を始めた。 カードの利便性を高めることで、引き落としや給与振込口座として長く利用してもらうことを狙う。 MUFG の担当者は 4 日の決算説明会で「預金の獲得競争は熾烈になってきており、獲得は難しくなってきている」と述べた。 ただ、貸出金利の上昇は、住宅ローンを抱える個人にとっては負担増につながる。 日銀の 1 月の利上げを受け、3 社は住宅ローンの変動型金利の指標となる「短期プライムレート」を引き上げると発表。 4 月に変動金利を見直し、7 月の支払い分から反映されるとみられている。 (山本恭介、東谷晃平、 柴田秀並、asahi = 2-4-25) 新 NISA 追い風、昨年の投信設定額が過去最高 44 兆円に 投信協会 投資信託協会は 17 日、2024 年の投信の設定額が前年比 1.5 倍の 44 兆円と過去最高だったと発表した。 昨年に始まった新 NISA (少額投資非課税制度)が追い風となった。 松下浩一会長は「期待以上に口座数も資金額も増え、12 カ月間通して非常に好調だった」と述べた。 投資家への販売のために設定された公募株式投信(上場投信 = ETF = を除く)を集計した。 44 兆円のうち 66% にあたる 28.9 兆円が NISA 対象の投信だった(NISA 口座以外の一般口座での投資分も含む)。 公募株式投資信託の設定額 NISA 投信は昨年末時点で 2,035 本あり、全体の 35% を占める。 それらが設定額全体の 66% を占めており、安定的な資産形成のための NISA の基準を満たす商品が投資家に選ばれていた。 設定額から解約額などを引いて運用増減も加味した純資産総額は、昨年末時点で 140.9 兆円。 国内株の投信よりも米国など海外株を買う投信の資金流入が目立った。 投信のうち、日経平均株価など一定指標に合わせて運用するインデックス型の比率は、23 年末の 29.2% から 24 年末に 35.6% と急増。 運用時の手数料率(信託報酬)は平均で資産額の 0.35% だった。 一方で、運用会社が独自に投資先を選ぶアクティブ型は 1.10%。 低い手数料の商品が人気を集め、運用会社は投信販売の伸びの割には収益をあげにくい姿になっている。 松下会長は「いかに魅力的なアクティブ投信を顧客に提供できるかが今後の課題」と話す。 (中川透、asahi = 1-17-25) ◇ ◇ ◇ 知っておきたい新 NISA 今や 4 人に 1 人、「将来」託す制度の中身 新 NISA (少額投資非課税制度)がスタートして 1 年が過ぎた。 今や「4 人に 1 人」に当たる約 2,500 万口座が開設されるまでに広がっている。 個人に資産形成への努力を求める制度は、なぜ、どのように生まれたのか。 なぜ注目されている? 新 NISA に関心が集まっているのは、人生にはまとまった大きなお金が必要な時期があり、自分で投資してお金を増やすことも考えなければいけない時代になったからだといわれる。 とくに子どもの教育費と住宅費、老後資金は「人生の 3 大資金」と呼ばれる。 どれも金額が大きいため、前もって準備しておく必要がある。 ただ、賃金は思うように上昇しないし、退職金もあてにできなくなった。 公的年金の将来に不安を抱き、老後に備える人も増えている。 2019 年、老後の生活費が「約 2 千万円不足」するとして資産形成を呼びかけた金融庁の審議会報告書が話題になった。 当時の試算で「老後 20 − 30 年間で 1,300 万 − 2 千万円が不足する」という内容だった。 経済環境などよって不足する額は一概に言えないが、「老後 2 千万円問題」は結果として資産形成のあり方に人々の目を向けさせた。 足元の物価高の影響もある。 物価高が続くと、銀行に預けているお金が実質的に減ってしまうからだ。 日本銀行が昨年 3 月にマイナス金利政策を終え利上げ局面に入ったが、預金金利はまだまだ低い水準だ。 普通預金の金利はメガバンクで年 0.1%。 100 万円を 1 年預けても年 1 千円にしかならない。 現在の 2% 台の物価上昇が続けば預金は目減りするばかりだ。 預金より株式や投資信託の方が利回りが高い場合もある。 ほかにも、昨年 2 月に日経平均株価が約 34 年ぶりにバブル崩壊後の最高値を更新。 好調な株価が続いたことや、スマホなどで手軽に低額から投資できるサービスが普及したことも、新 NISA への関心を高める一因になっている。 そもそも新 NISA とは? 新 NISA とは、個人が少額から投資する際に税金がかからない優遇制度のことだ。 株式などを売り買いする際、普通はもうけた利益に約 20% の税金がかかる。 それが非課税になる。 正式名称は「Nippon Individual Savings Account (日本版個人貯蓄口座)」。 14 年に始まり、24 年 1 月に仕組みが一新された。 新 NISA になって投資できる上限額が増え、非課税の期間が無期限になった。 また今まで「一般」と「つみたて」の二つに分かれて選択制だった仕組みが、「つみたて投資枠」、「成長投資枠」に生まれ変わり、二つの併用が可能になった。 つみたて投資枠は年間 120 万円までの投資で得られた利益が非課税となる。 投資できるのは金融庁の一定基準を満たした投資信託・ETF (上場投資信託) で、長期にわたって積み立てや分散投資ができる商品に限られている。 また、成長投資枠は、年間 240 万円までの投資で得られた利益を非課税にできる。 つみたて投資枠の対象ではない投信や ETF、上場株式や REIT (不動産投資信託) にも投資できる。 新 NISA では、つみたて投資枠と成長投資枠と合わせて、投資による利益が最大 1,800 万円の投資で得られた利益が非課税となる。 投資した商品を売却すると簿価分が翌年復活する。 非課税期間が「最長 20 年」などと決まっていた旧 NISA と違い、無期限となったことで使い勝手は向上した。 岸田文雄前首相が掲げた「資産所得倍増プラン」の目玉で、「貯蓄から投資へ」とお金の流れを進めるねらいがある。 ただ、投資は元本保証がなく、稼げるときもあれば損することもあるので注意が必要だ。 海外では? 海外でも個人の少額投資に対して税金を優遇する制度を持つ国がある。 新 NISA のモデルとなった英国の「ISA (Individual Savings Account) = 個人貯蓄口座」は 1999 年に始まった。 当時、英国では貯蓄率の低さが課題となっており、預金も投資も含めて資産づくりを広めようと、個人対象の非課税制度がつくられた。 預金なら利息が、投資なら利益分が非課税となる。 現在は年間 2 万ポンド(約 394 万円)の拠出が上限で、4 種類ある ISA を限度内で組み合わせられる。 新 NISA と異なり、累計の拠出額の上限はない。 利用者の中には 100 万ポンド(約 1 億 9,700 万円)以上を持つ「ISA ミリオネア」と呼ばれる富裕層も現れている。 隣の韓国では、日本に遅れること 2 年後の 2016 年に ISA を導入した。 英国と同じく、投資にも預金にも使える。 韓国では国内株の売却益は原則として非課税だが、ISA を使うと配当や海外投信などの売却益が非課税になるメリットがある。 格差是正に配慮されているのも韓国ISAの特徴だ。 所得により非課税額が異なり、所得が低いほど非課税額は大きくなる。 日本や英国にはない仕組みだ。 (佐藤茉優希、asahi = 1-13-25) |