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「5 万円相場」は定着するのか 強気と弱気が交錯、好調 AI にも懸念 東京株式市場で日経平均株価が大台の 5 万円を突破してから 1 カ月が経った。 この間、株価は急騰と急落を繰り返してきた。 5 万円相場は定着・加速していくのか、失速するのか。 市場では強気と弱気の見方が交錯する。 日経平均の終値は 10 月 27 日に 5 万 0,512 円をつけ、初めて 5 万円を突破した。 その後は、11 月 28 日までの 22 営業日のうち 6 営業日で、前日比の上昇・下落幅が 1 千円を超えるなど、乱高下した。 この間の最高値は 10 月 31 日の 5 万 2,411 円、最安値は 11 月 19 日の 4 万 8,537 円で、3,873 円の差がある。 足元の 11 月 28 日は 5 万 0,253 円で取引を終えた。 歴史的な株高は人工知能 (AI) ブームの恩恵を受ける AI・半導体関連の銘柄が支えてきたが、過熱感への懸念から日米で調整も進んだ。 国の利下げ観測や高市早苗政権の積極財政などといった株高要素も絡み合う中、日経平均は 5 万円近辺の水準は維持した。 SBI 北尾氏「お客様はものすごいもうかってる」 10 月 31 日の SBI ホールディングスの決算会見。 北尾吉孝会長兼社長は「お客様はものすごいもうかってるよね。 どのくらいもうかってる?」と、傘下の SBI 証券の高村正人社長に聞いた。 株価 5 万円は AI 「3 強」がもたらした 特需にわく偏重相場の危うさ 高村氏は、同社の顧客らが 1 - 9 月に株式の売却益で計 2 兆円を得たと説明した上で、強気な見通しを示した。 「AI バブルだとか言われているが、お客様は(手元に)待機資金がある状況。 何らかのショックがあっても耐久力はあるので見通しは明るい。」 実際、11 月 20 日(日本時間)発表の米半導体大手エヌビディアの決算は、市場予想を上回って過去最高を更新した。 東京市場では AI・半導体関連株が買われ、アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループの「AI 3 強」が日経平均を押し上げた。 大手証券トップ「次の目標は 5 万 5,000 円」 さらに、上場企業の 2025 年 9 月中間決算で業績の上方修正が相次いだことも株式市場を支える。 SMBC 日興証券株式調査部チーフ株式ストラテジストの安田光氏は「26 年度は 2 桁 % の増益が見込まれる。 電気機器や輸送用機器など製造業が引っぱり、株高を正当化できるファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)だ」と話す。 大手証券トップからは「次の目標株価は 5 万 5,000 円」との声が上がる。 別の大手証券幹部は「今の相場は底堅く、株価は調整したとしても 4 万 6,000 円くらいまでだろう」と予測する。 相場変調の懸念も 一方で、相場変調への懸念もくすぶる。 11 月 7 日、日本の著名な個人投資家で、X (旧ツイッター)のフォロワーが 100 万人超というテスタさんが「人生初めての米国国債!」と投稿。 128 万ドル(1 ドル = 150円換算で 2 億円弱)で利回り約 4% の米国債を購入したと明らかにした。 一般的に債券と株式は逆相関の関係にあり、株価が下がれば債券価格は上がるとされる。 「テスタさんが株価暴落に備えているのでは」との見方が広がった。 米国では、AI 関連の過剰投資、銀行以外の貸し手による融資「プライベートクレジット」の焦げつき、00 年代前半の IT バブル並みに高まった株価水準といった不安要素が指摘される。 米著名投資家、エヌビディア下落を予想 米国の著名投資家マイケル・バーリ氏が、エヌビディアなどの株価下落で利益を得られる投資ポジションをとっているとも報じられた。 バーリ氏は 08 年のリーマン・ショックを引き起こした住宅バブル崩壊を的中させた人物で、映画「マネー・ショート 華麗なる大逆転」のモデルとしても有名だ。 市場は弱気方向に振れた。 大手証券の関係者は「AI データセンターなどに巨額な投資をする米国 IT 大手の株価が失速すれば、日経平均も 4 万円前半にとどまらず低迷する可能性がある」と指摘する。 日本証券業協会の日比野隆司会長は「(株価は)高所恐怖症的な位置にあり、(一気に)全財産を投入するわけにはいかない」と述べ、「長期・積み立て・分散」投資を勧めている。 (笹井継夫、asahi = 11-30-25) 関電工、きんでんが上昇トレンド一直線 業界を様変わりさせたのは生成 AI ブームの大波
生成 AI の大波で意外な業界が様変わりしています。 発送電などの電力インフラを支える電気設備業界です。 関電工やきんでんといった業界大手の株価は、年初から 2 倍以上に値上がりしています。 背景にあるのは、AI の拡大でデータセンター建設が活況となっている現状です。 また、AI で用いられる半導体などの工場が国内回帰していることも追い風となっています。 データセンター建設で活況する業界 データセンターは、大量のデータを瞬時に処理する GPU (画像処理半導体)やデータを記憶するフラッシュメモリーを多数搭載したサーバーによって構成されます。 24 時間 365 日稼働し続けるため、その電力消費量は膨大です。 一般的なデータセンター 1 拠点あたりの消費電力は約 50 メガワットとされており、これは一般家庭およそ 1 万 - 1 万 6,000 世帯分に相当します。 今年 7 月に米ペンシルベニア州で開催された AI 関連イベント「エネルギー・イノベーション・サミット」では、AI 産業を支える電源として原子力・ガスを中核に据える方針が示され、総額 900 億ドル規模の民間投資が掲げられました。 国内でも、大手電力がすでに大規模投資を明らかにしています。 関西電力は、変電所や送電線の新増設に 1,500 億円超を投資すると報じられました。 東京電力ホールディングスも、データセンターの集積が進む千葉県北西部での送電網増強に 2,000 億円超を投じるとされています。 こうした中、経済産業省と総務省が中心となり、AI 時代の課題である電力安定供給や経済成長を解決すべく、「ワット・ビット連携」の実現に向けた官民一体の推進を進めています。 電力(= ワット)と情報通信(= ビット)のインフラを一体的に連携させる、ということです。 電気設備に欠かせない専門人材 データセンターは一般の商業施設などよりも多くの電力を必要とするため、大型の受電設備や電圧を変換するトランス(変圧器)などの設置・配線が必要となります。 また、AI サーバーは大量の電力を消費するため常に冷却しなければならず、冷却システムの電気工事もしなければなりません。 さらには、非常時に備えた無停電電源装置 (UPS) や非常用発電機の設置と配線も必要です。 そして、このような現場の施工・管理には、国家資格をもつベテランの専門人材が欠かせません。 日本の電気設備業界は、東京電力系の関電工、関西電力系列のきんでんなど、多くが電力会社をルーツとし、地域ごとに事業基盤を築いてきました。 そこで高い技術力を培ってきたことに加え、インフラ事業は過去の実績や経営の安定性が求められるため、新規参入が難しい業界でもあります。 こうした理由から、近年増えつつある需要が既存事業者の採算を改善させているのです。 株価は長期的な上昇トレンドに 実際、電気設備業界の業績は伸びています。 売上高で業界トップのきんでんは、10 月末、今期(2026 年 3 月期)の業績見通しを上方修正しました。 売上高 7,420 億円(前期比 5% 増)、営業利益 810 億円(同 33% 増)は、いずれも過去最高の見込みです。 データセンターを含む各種工事の受注が増え、資材費や労務費などのコスト増も値上げによる価格転嫁が進み、良好な事業環境が続いています。 関電工やクラフティア(旧・九電工)などの業界大手も、今期は売上高、営業利益ともに過去最高の業績を見込んでおり、業界全体として事業環境が好転していることがわかります。 きんでんの株価は長期の上昇トレンドが続き、上場来高値の 6,000 円台で推移しています。 関電工も 5,000 円付近まで達し、2023 年半ばと比較すると株価は 5 倍に成長しています。 純利益から株価の割安さを表す予想 PER (株価収益率)は各社とも約 20 倍前後で、極端な割高感もありません。 電気設備業界は、電力インフラの老朽化や再生エネルギーなどデータセンター以外の案件も豊富です。 前述のように過度な競争になりにくい業界構造のため、受注単価の引き上げによる採算の改善も続きそうです。 景気変動の影響に比較的強い内需・好業績銘柄としての側面もあるため、電気設備関連株への投資家の関心はしばらく続きそうです。 (佐々木達也・証券アナリスト、NewsWeek = 11-30-25) 東証 5 万円割れ 長期金利 17 年半ぶり高水準、円安で「トリプル安」 18 日の東京株式市場で日経平均株価は 3 営業日続落し、前日より 1,620 円 93 銭 (3.22%) 安い 4 万 8,702 円台 98 銭で取引を終えた。 終値としては 10 月 24 日以来、約 3 週間ぶりに節目の 5 万円を割り込んだ。 債券市場では、財政拡大に対する警戒から国債が売られ、円安ドル高も進行。 「トリプル安」の様相となった。 17 日の米ニューヨーク株式市場で米国の利下げ期待が後退し、主要 3 指数がそろって下落。 主要企業でつくるダウ工業株平均は、金融やハイテク関連など幅広い銘柄が売られた。 東京市場でも流れは続き、18 日の日経平均は前日より 510 円安で取引を始め、その後、下げ幅を拡大した。 人工知能 (AI) や半導体関連のソフトバンクグループ、アドバンテスト、東京エレクトロンが大きく値を下げ、3 社で 685 円も日経平均を押し下げた。 高市政権の総合経済対策に懸念 国債や円でも売りが優勢となった。 高市早苗政権の総合経済対策が大規模になり、財政規律が緩むとの懸念が強まったことが要因だ。 東京債券市場で長期金利の指標となる新発 10 年物国債の利回りは上昇(価格は下落)し、一時、前日より 0.030% 幅高い 1.755% をつけた。 2008 年 6 月以来、約 17 年半ぶりの高水準だ。 外国為替市場では円が売られ、一時 1 ドル = 155 円台前半をつけて今年 2 月以来約 9 カ月ぶりの円安ドル高となった。 円は対ユーロでも売られ、17 日の米ニューヨーク外国為替市場で一時、初めて 1 ユーロ = 180 円台をつけた。 為替相場の動きについて、片山さつき財務相は 18 日午前の閣議後会見で「足元は非常に一方的な、また急激な動きも見られ、憂慮している」と市場を牽制した。 18 日午後には高市首相と日本銀行の植田和男総裁が首相官邸で会談。 植田氏は徐々に利上げを進めている日銀の状況を説明し、首相は「了解されていた(植田氏)」という。 (江口英佑、ニューヨーク・杉山歩、asahi = 11-18-25) 「AI 頼み」の相場に危うさ 米株安が波及、日経平均一時 5 万円割れ 5 日の日経平均株価は最大で 2,400 円超下落し、一時、節目の 5 万円を割り込んだ。 株高を支える人工知能 (AI) 関連株に対する警戒感が、幅広い売りを呼んだ。 市場では一時的な調整との見方が強いが、「AI 頼み」の相場には危うさも見える。 この日の日経平均を押し下げた 3 銘柄には AI や半導体銘柄が並んだ。 ソフトバンクグループ (SBG)、東京エレクトロン、アドバンテストだけで 1,000 円近くも下落した。 いずれも日経平均への寄与度が大きい「値がさ株」だ。 こうした「AI 銘柄」はこれまで、旺盛な需要を背景に日経平均を押し上げてきた。 ただ、速すぎる上昇を警戒する見方も広がりつつあった。 大幅安のきっかけは 4 日の米ニューヨーク株式市場で、AI 関連などのハイテク株が売られたことだ。 データ解析会社パランティア・テクノロジーズの株価は前日より 7.94% 下落。 発表した決算は好調だったが、割高感が意識された。 ほかの AI 関連銘柄も売られ、半導体大手エヌビディアは 3.96% 下落した。 ゴールドマン CEO、下落の可能性に言及 米金融大手のトップが、株式市場の下落の見通しを示したことも、市場の警戒を高めた。 ゴールドマン・サックスのデービッド・ソロモン最高経営責任者 (CEO) は、4 日の香港でのイベントで「次の 12 - 24 カ月のどこかで、10 - 20% の下落がある可能性がある」と述べた。 モルガン・スタンレーのテッド・ピック CEO も同じ席で、下落の可能性に触れた。 この流れが東京市場にも波及した。 りそなアセットマネジメントの戸田浩司氏は「日米の株式市場で AI 関連株が引っ張り、株価も過熱感が出てきていた。 どこかで利益確定の売りが出るだろうと投資家が身構えていた。大きく上がってきた分、驚きはない」と話す。今後については「年度末にかけてAI関連銘柄の株価が上がれば6万円に届く可能性もあるし、AI 期待がなくなると 4 万円台前半まで下がる恐れもある」とする。 国内企業は好業績「上昇に転じうる」 日経平均は 10 月 31 日に初めて 5 万 2,000 円を超えた。 SMBC 日興証券によると、数字が大きいほど株価が割高とされる株価収益率 (PER) は同日、2010 年以降で最高水準の 24.2 倍に達した。 この間の平均 17.6 倍を大きく上回る。 同社株式調査部の武田信洋氏は「歴史的に見ても株価水準は高く、5 日のように株価が大きく調整する場面もある」と話す。 一方で、各企業の 25 年 9 月中間決算では業績予想の上方修正が相次ぐ。 株価は業績を反映しており、利益が増えれば計算上、PER も下がって割高感は薄まる。 武田氏は「企業業績は良い。 今後、株価が上昇に転じていくことは十分考えられる。」とみる。 (江口英佑、笹井継夫、ニューヨーク・杉山歩、asahi = 11-5-25) 日経平均が 3 日連続で最高値更新、初の 5 万 2,000 円台 進む円安 31 日の東京株式市場で日経平均株価は 3 日続伸し、前日より 1,085 円 73 銭 (2.12%) 高い 5 万 2,411 円 34 銭で取引を終えた。 3 日連続で史上最高値を更新し、初めて 5 万 2,000 円台にのせた。 日本銀行は 30 日の金融政策決定会合で追加利上げを見送った。 これを受けて、低金利が続きそうな円を売ってドルを買う動きが拡大。 31 日の東京外国為替市場で円相場は前日夕より円安ドル高が進み、一時 1 ドル = 154 円台をつけた。 円安で利益が膨らむ輸出関連銘柄を中心に、株価の支えとなっている。 片山財務相、円安を牽制 為替市場の動向について、片山さつき財務相はこの日の閣議後会見で「かなり一方的な急激な動きが見られている。 政府としては、投機的な動向も含め、為替市場における過度な変動や無秩序な動きについて、高い緊張感を持って見極めている」と発言した。 30 日の米ニューヨーク株式市場で主要 3 指数はそろって下落したが、取引時間後に決算を発表したアップル、アマゾンの業績を市場は好感した。 東京市場も流れを引き継ぎ、アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループなどの AI (人工知能)や半導体関連銘柄で買い注文が優勢となった。 大手証券アナリストは、30 日までの各国首脳会談や中央銀行の金融政策を決める会合について「無難にこなされた。 今後の市場の目線は、企業の決算内容に移っていく」とみる。 (伊沢健司、asahi = 10-31-25) 日経平均株価、2 日連続で最高値を更新 米中首脳会談で緊張緩和期待 30 日の東京株式市場で日経平均株価は一進一退の動きが続き、前日の終値より 17 円 96 銭 (0.04%) 高い 5 万 1,325 円 61 銭で取引を終えた。 史上最高値を 2 日連続で更新した。 米国株式市場で人工知能 (AI) などハイテク株に買いが集まった流れを引き継いだほか、米中首脳会談で両国の緊張関係が緩和されるとの見方が広がったことなどが株価を押し上げた。 30 日の日経平均は 161 円 38 銭安い 5 万 1,146 円 27 銭で取引が始まった。 その後、1 ドル = 153 円台前半まで円安が進んだことで上昇に転じ、一時は前日終値より 300 円超上がった。 アドバンテストや東京エレクトロンなど半導体関連の銘柄に買いが集まる一方、高値への警戒感も強まって一進一退の動きが続いた。 午後に入り、日本銀行が金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決めたほか、中国への関税引き下げを決めた米中首脳会談の結果が伝わると、じりじりと上げていった。 (asahi = 10-30-25) 日経平均 1,212 円高の 5 万 0,512 円 終値も初の 5 万円台に到達 27 日の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前週末 24 日の終値より 1,212 円 67 銭 (2.46%) 高い 5 万 0,512 円 32 銭で取引を終えた。史上最高値を更新し、初めて 5 万円の大台にのせた。 高市早苗政権の経済政策への期待に加え、世界的な AI (人工知能)需要や米国市場の株高が追い風となり、歴史的な節目を突破した。 24 日の米ニューヨーク株式市場では、主要企業でつくるダウ工業株平均が最高値を更新し、終値で初めて 4 万 7,000 ドル台をつけた。 同日発表の消費者物価指数 (CPI) が市場予想を下回り、米連邦準備制度理事会 (FRB) による利下げが進むとの見方から、株が買われた。 27 日の東京市場もこの流れを引き継いだ。 米中貿易摩擦の緩和期待も伝わり、日経平均は 24 日より 606 円 15 銭高の 4 万 9,905 円 80 銭で取引を始めた。 午前 9 時 3 分ごろに 5 万円を突破し、午後も利益確定の売りに押されることなく上げ幅を上昇させた。 業種別では 33 業種全てが上昇し、全面高の展開だった。 半導体検査装置アドバンテストやソフトバンクグループなど、日経平均の寄与度が高い「値がさ株」が全体を押し上げた。 高市トレードで 4 千円超上昇 株高の背景には、高市首相が掲げる財政拡張的な経済政策や、金融緩和に前向きな姿勢に対する期待がある。 高市氏が自民党総裁に就任した 4 日以降、金融市場では急激な株高が進み、「高市トレード」と呼ばれた。 日経平均は 9 日までの 4 日間で 2,800 円超も急騰し、終値で初めて 4 万 8,000 円台にのせた。 10 日に公明党が連立政権からの離脱を表明すると大きく下げたが、その後、自民と日本維新の会の連立協議が進展。 国内政治の不透明感が和らいで日経平均は再び上昇に転じ、20 日に終値で 4 万 9,000 台を突破した。 27 日に 5 万円を超え、高市氏の総裁就任から約 3 週間での上昇幅は 4,700 円あまりになった。 世界的に旺盛な AI 需要 株高を引っ張るのは AI や半導体関連銘柄だ。 世界的に旺盛な AI 需要を背景に、米国株式市場では半導体関連などのハイテク株が好調で、主要な株価指数は高水準が続いている。 この流れは国内に波及し、半導体製造装置の東京エレクトロン、同検査装置のアドバンテスト、米国の AI 関連企業に投資するソフトバンクグループの株が日経平均を押し上げてきた。 円安も支えに 円安ドル高の流れも、輸出企業を中心に株価の支えとなっている。 金融緩和に肯定的な高市氏の総裁就任によって、日本銀行による早期利上げの観測が後退。 低金利が続きそうな円を売る動きが進んだ。 3 日夕の 1 ドル = 147 円台から、9 日には一時 153 円台まで円安が進行した。 その後、円高に巻き戻す動きが出たものの、27 日の東京外国為替市場では 153 円前後で推移している。 バブル期最高値の更新には 34 年 日経平均は、バブル期の 1989 年 12 月末につけた終値 3 万 8,915 円をピークに低迷が続いた。 バブル崩壊後、日本経済は物価が下がり続けるデフレに苦しんだ。 2008 年秋には世界的な金融危機となったリーマン・ショックが起き、09 年 3 月には、バブル後の最安値となる 7,054 円を記録した。 その後、12 年に発足した第 2 次安倍晋三政権が、日銀による「異次元」の金融緩和を柱とするアベノミクスを進めた。 円安を追い風にした企業の好業績と、海外投資家による日本株買いなどで株高が進んだ。 日経平均は 24 年 2 月、約 34 年ぶりにバブル期の最高値を更新。 東京証券取引所が 23 年に、株主還元といった「株価を意識した経営」を上場企業に求めたことも追い風になった。 さらに 24 年 3 月には史上初めて終値 4 万円台を突破した。 それから 1 年 8 カ月ほどで一時 5 万円をつけた。 今週は米国と日本で金融政策を決める会合があるほか、AI や半導体関連企業の決算発表が日米で相次ぐ。 野村証券の沢田麻希氏は「決算で市場予想ほどの業績拡大が示されないと、利益確定の売りが広がる可能性もある。 調整局面では 4 万 7 千円台が意識されるだろう。」と指摘する。 (西尾邦明、伊沢健司、asahi = 10-27-25) ◇ ◇ ◇ NY ダウが最高値を更新、初の 4 万 7,000 ドル台 米 CPI 受け 24 日の米ニューヨーク株式市場で、主要企業でつくるダウ工業株平均が最高値を更新し、前日の終値から 472.51 ドル (1.01%) 上昇し、4 万 7,207.12 ドルをつけて取引を終えた。 終値が 4 万 7,000 ドル台を突破するのは初めて。 同日発表の消費者物価指数 (CPI) が市場予想を下回り、米連邦準備制度理事会 (FRB) による利下げが進むとの見方から、株が買われた。 ダウ平均は取引開始直後から買いが広がり、一時は 500 ドル超上昇して、4 万 7326.73 ドルをつけ、取引時間中の過去最高値も更新した。 金融やテクノロジー関連の株を中心に買われた。 24 日に発表された 9 月の CPI は、前年同月比で 3.0% 上昇し、市場予想をわずかに下回った。 エネルギーと食品を除くコア指数は、前月よりも伸びが鈍化し、同 3.0% の上昇となった。 関税引き上げによるインフレ(物価高)が懸念される中、上げ幅が予想より緩やかだったことを受け、FRB が今後も利下げを続け、利下げが景気刺激につながるとの見方が広がった。 (ニューヨーク・杉山歩、asahi = 10-25-25) 日経平均、終値は 658 円高の 4 万 9,299 円 米中対立の緩和期待 24 日の東京株式市場で日経平均株価は反発し、前日終値より 658 円 04 銭 (1.35%) 高い 4 万 9,299 円 65 銭で取引を終えた。 米中の貿易摩擦が和らぐとの期待や米国企業の好調な決算を受け、前日の米ニューヨーク株式市場で主要 3 指数がそろって上昇した流れを引き継いだ。 日経平均は前日より 400 円超高で取引が始まり、一時、700 円超上昇して 4 万 9,400 円台をつける場面もあった。 米株式市場の終了後に半導体大手インテルが好決算を発表したこともあり、半導体関連銘柄などが買われた。 24 日の東京外国為替市場では、対ドル円相場が前日夕より 40 銭ほど円安ドル高に進み、1 ドル = 152 円台後半で推移したことも輸出関連銘柄に追い風になった。 (笹井継夫、asahi = 10-24-25) 日経平均、連日の最高値 4 万 9,316 円 5 万円台まで 54 円の場面も 21 日の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前日より 130 円 56 銭 (0.27%) 高い4万 9,316 円 06 銭で取引を終えた。 2 日連続で史上最高値を更新した。 一時は 700 円超高い 4 万 9,945 円 95 銭まで値を上げ、大台の 5 万円まであと 54 円ほどに迫った。 21 日午後に女性初の首相に選ばれた高市早苗政権に対する期待を反映した「高市トレード」の様相が続いている。 前日の米ニューヨーク株式市場でダウ工業株平均が 500 ドル超上昇して取引を終えた。 米政府機関の一部閉鎖がまもなく解消するとの期待などから、買いが広がった。 この流れも受け、21 日の日経平均は続伸して取引を始め、上げ幅は一時 760 円 45 銭まで広がった。 ただ、午後に入ると、AI (人工知能)や半導体関連株に利益確定の売りも入り、下落に転じる場面もあった。 21 日の東京外国為替市場で円相場は午後 5 時時点で前日同時刻より 40 銭ほど円安ドル高の 1 ドル = 151 円 15 - 17 銭だった。 日経平均は前日に 1,600 円上昇して初の 4 万 9,000 円台にのせたばかり。 株高の背景には、高市氏が掲げる財政拡張的な経済政策や、金融緩和に前向きな姿勢への期待がある。 野村証券の沢田麻希氏は「特段の材料がない日も株価が上がる過熱感があり、そこが意識されて株価の重しになっている面もある」と指摘。 それでも「米国市場で引き続き AI 関連株が堅調なら、その流れを受けて、日経平均も 5 万円に達する展開はあり得る」とみる。 (伊沢健司、asahi = 10-21-25) 東証、初の 4 万 9,000 円 上げ幅が一時 1,400 円超 週明け 20 日の東京株式市場は、日経平均株価(225 種)が大幅反発した。 前週末終値からの上げ幅は一時 1,400 円を超え、初めて 4 万 9,000 円台を付け、取引時間中の最高値を更新した。 積極財政を掲げる自民党の高市早苗総裁が次の首相に就任するとの期待から、買い注文が膨らみ全面高の展開になった。 自民党と日本維新の会が連立政権樹立で合意する見通しとなり、高市氏の積極財政路線が景気を押し上げるとの見方が広がった。 米中貿易摩擦への懸念や、米国の地方銀行を巡る信用不安が後退したことも投資家心理を下支えした。 外国為替市場の円安ドル高は自動車メーカーなど輸出関連銘柄に追い風となった。 平均株価への影響が大きいソフトバンクグループが買われたことも相場を一段と押し上げる要因となった。 (kyodo = 10-19-25) 日経平均 695 円安で 3 日ぶり反落 米銀信用不安が波及、円高も重し 17 日の東京株式市場で日経平均株価は 3 日ぶりに反落し、前日終値より 695 円 59 銭 (1.44%) 安い 4 万 7,582 円 15 銭で取引を終えた。 下げ幅は一時、800 円近くまで広がった。 米国株式市場で、金融機関の信用不安をきっかけに主要な株価指数が下落。 その流れを受けたほか、円高ドル安の進行も自動車など輸出関連株の重しになった。 16 日の米ニューヨーク株式市場では、主要企業でつくるダウ工業株平均など主要 3 指数がそろって下落した。 地方銀行 2 社が融資先の不正行為をめぐって訴訟を起こしたことが判明し、ほかの金融機関への影響も懸念されて売りが広がった。 17 日の日経平均もこのこの流れを引き継ぎ、前日より 456 円安い 4 万 7,820 円で取引が始まった。 下げ幅は午後にかけて広がり、メガバンクや証券、保険が値を下げた。 一時 1 ドル = 149 円台に 米国では相対的に安全とされる国債を買う動きが強まり、長期金利が低下した。 17 日の東京外国為替市場で円相場は、金利が下がったドルが売られ、一時、前日夕より 1 円以上の円高ドル安となる 1 ドル= 149 円台をつけた。 前週には高市早苗自民党総裁の誕生を受け、一時 153 円台まで円安が進んだが、大きく巻き戻した。 国内では公明党が連立政権から離脱し、政治の不透明感もくすぶる。 市場の注目は自民党と日本維新の会の間で始まった政策協議の行方だ。 大手証券の関係者は「自民と維新の連立となれば不透明感が薄まる。 政策への期待が高まり、市場は好感する。」とみる。 (稲垣千駿、asahi = 10-17-25) 日経平均、終値 825 円高で 3 営業日ぶりに反発 政局混迷で様子見も 15 日の東京株式市場で日経平均株価は 3 営業日ぶりに反発し、前日の終値より 825 円 35 銭 (1.76%) 高い 4 万 7,672 円 67 銭で取引を終えた。 14 日は 1,241 円 (2.58%) の大幅安となっており、買い戻しの動きが出た。 ただ、国内政局は不安定な状況が続いており、様子見の姿勢もうかがえる。 日経平均は 14 日より 154 円 98 銭高い 4 万 7,002 円 30 銭で取引を始めた。 ソフトバンクグループなど前日に値下がりした幅広い銘柄が買い戻された。 午後には AI (人工知能)や半導体の需要の強さが意識され、東京エレクトロンやレーザーテックなど関連銘柄の買いが強まった。 14 日は公明党の連立政権からの離脱や、米中貿易摩擦に対する懸念が強まり、日経平均は大幅に下落。 前営業日の 10 日と合わせた下落幅は 1,733 円となり、高市早苗自民党総裁に対する期待で進んだ株高にブレーキがかかっていた。 一方、国内政治の混迷に対し、投資家は慎重な姿勢を崩していない。 野村証券の沢田麻希氏は「自律的な反発に加え、AI や半導体関連の強さが株価を牽引した。 ただ、首相指名など国内政治の安定が見えない限り、本格的な反発にはならないだろう。」と話した。 (西尾邦明、asahi = 10-15-25) 東証、1,241 円安 政局・米中摩擦懸念 14 日の東京株式市場で日経平均株価は続落し、先週末 10 日より 1,241 円 48 銭 (2.58%) 安い 4 万 6,847 円 32 銭で取引を終えた。 公明党が連立政権から離脱して国内政治の混迷が深まったほか、米中貿易摩擦に対する懸念が強まった。 日経平均は前週末より 642 円安い 4 万 7,446 円 73 銭で取引を始めた。 午後に入ると一気に下げ幅を広げ、1,500 円超安い 4 万 6,500 円台をつける場面もあった。 終値の下げ幅は、米国による「相互関税」が発動された 4 月 9 日以来の大きさで、今年 4 番目。 この 2 営業日では計 1,733 円下げた。 金融市場は先週、自民党の高市早苗総裁の就任を受けて株高と円安が進んだ。 財政拡張的な政策と金融緩和への期待が背景にあり、「高市トレード」と呼ばれた。 日経平均は 9 日までの 4 日間で 2,810 円 (約 6%) 上昇し、外国為替市場で対ドル円相場は 5 円強も円安に振れ、一時 1 ドル = 153 円台をつけた。 だが、10 日に株式市場が閉じた後に公明が自民党との連立解消を表明すると、政治の不透明感が高まり、状況が一転。 さらにトランプ米大統領が、中国製品にかける関税を引き上げると投稿し、米中対立にも懸念が広がった。 (伊沢健司、asahi = 10-15-25) 日経平均 491 円安の 4 万 8,088 円 公明連立離脱、利益確定売りも 10 日の東京株式市場で日経平均株価は反落し、前日終値より 491 円 64 銭 (1.01%) 安い 4 万 8,088 円 80 銭で取引を終えた。 一時 600 円超下落して 4 万 8,000 円を割り込む場面もあった。 公明党が連立政権から離脱する可能性が取りざたされ、政治の不透明感からリスクを避ける動きも出た。 日経平均は今週に入って 3,000 円近く上昇。 高市早苗・自民党新総裁の経済政策への期待や AI (人工知能)需要の高まりが後押ししていたが、短期的な過熱感から利益を確定させる売りが広がった。 東京債券市場では、長期金利の指標となる新発 10 年物国債の利回りが上昇(債券価格は下落)した。 一時、前日より 0.010% 幅高い 1.700% をつけ、2008 年 7 月以来、約 17 年ぶりの高水準になった。 東京外国為替市場で、円相場は 1 ドル = 152 円台後半で推移している。 さらに乱高下の可能性 日経平均はこの日、前日から 69 円安い 4 万 8,510 円で取引が始まった後、下げ幅を広げた。 より幅広い銘柄で構成する東証株価指数 (TOPIX) の主要 33 業種でみると、小売業を除く 32 業種が値を下げ、全面安の展開だった。 4 日の自民党総裁選で高市氏が勝利し、財政拡張や金融緩和への期待から、日経平均は急上昇してきた。 9 日は 4 万 8,580 円で取引を終え、史上初めて終値で 4 万 8,000 円台に到達。 総裁選前の 3 日からの上げ幅は 2,810 円まで広がり、過熱感が意識されていた。 加えて投資家が注目したのが、自公連立政権の行方だ。 派閥の裏金問題などに対する自民の対応をめぐり、公明は連立離脱も辞さない構えを見せており、10 日午後に自公党首会談が開かれた。 衆参両院で与党が過半数割れする中、公明が離脱すれば政治が不安定になるとの懸念から、金融市場はさらに乱高下する可能性がある。 (稲垣千駿、asahi = 10-10-25) 日経平均 4 万 7,944 円、2,175 円高で取引終了 最高値を大幅更新 6 日の東京株式市場で日経平均株価は続伸し、前週末 3 日の終値より 2,175 円 26 銭 (4.75%) 高い 4 万 7,944 円 76 銭で取引を終え、史上最高値を大幅に更新した。 上げ幅の大きさは歴代 4 番目。 取引中は一時、2,300 円超上昇して4 万 8,100 円台をつけ、初めて 4 万 8,000 円台に乗せる場面もあった。 自民党の新総裁に高市早苗・前経済安全保障相が就任し、次期政権の経済対策への期待が高まっている。 東京外国為替市場では急速に円売りドル買いが進み、一時、3 日夕より 2 円超も円安が進行。 約 2 カ月ぶりの水準となる 1 ドル = 150 円台をつけた。 輸出関連企業の株価の支えとなっている。 日経平均は前週末より 866 円高い 4 万 6,636 円 07 銭で取引が始まり、9 月 19 日につけた取引中の最高値(4 万 5,852 円)をあっさりと突破。 初の 4 万 6,000 円台をつけた。 その後、さらに上げ幅を広げ、4 万 7,000 円台に達した。 午前の終値は、2,065 円 86 銭 (4.51%) 高い 4 万 7,835 円 36 銭。 午後の取引でさらに値を上げ、午後 2 時過ぎに 4 万 8,000 円台をつけると、一時 4 万 8,150 円 04 銭まで上昇した。 高市氏、積極財政・金融緩和を主張 買い材料になったのは 4 日に投開票された自民党総裁選だ。 新総裁に選ばれた高市氏は積極的な財政支出や金融緩和の主張で知られる。 日本経済が下支えされるとみて、投資家が幅広い銘柄の買いを進めている。 米国市場の底堅さも株高の要因だ。 3 日の米ニューヨーク株式市場では、主要企業でつくるダウ工業株平均が 4 日連続で史上最高値を更新。 米連邦準備制度理事会 (FRB) が利下げで米国経済を下支えするとの期待が強まっており、一時は初めて 4 万 7,000 ドル台をつけていた。 東京外国為替市場で円相場は 3 日夕から 2 円超の円安ドル高となり、一時 1 ドル = 150 円台をつけた。 高市新総裁の誕生で、日本銀行の利上げが遠のくといった思惑が広がり、円を売る動きにつながった。 自動車産業をはじめ、輸出関連銘柄に追い風になっている。 市場関係者は高市氏の総裁選出が「サプライズだった」としつつ、「自民党は少数与党で、政治が不安定化するリスクもはらむ。 株価は初動は上昇だが、買いが一巡した後は利益確定の売りが出やすい点にも注意が必要だ。」と話す。 (稲垣千駿、asahi = 10-6-25) 日経平均 4 万 5,754 円、3 営業日連続で史上最高値 AI 関連が堅調 25 日の東京株式市場で日経平均株価は 3 営業日続伸し、前日より 124 円 62 銭 (0.72%) 高い 4 万 5,754 円 93 銭で取引を終えた。 終値の史上最高値を 3 営業日続けて更新した。 前日に続き、AI (人工知能)関連の銘柄が株価を押し上げた。 24 日の米ニューヨーク株式市場で主要 3 指数がそろって下落。 この流れを受け、日経平均も小幅安で取引を始めたが、その後は上昇に転じ、一時は 200 円近く上げ幅を広げた。 AI 分野への投資を進めるソフトバンクグループや、半導体製造装置大手の東京エレクトロンが値を上げ、日経平均を押し上げた。 東京外国為替市場で円安ドル高が進んだことも、輸出関連企業などの株価を支えた。 三井住友 DS アセットマネジメントの市川雅浩氏は「この日は、特に新しいニュースはなかった」としつつ、「米国の利下げや、国内の新政権の財拡張政策への期待が続いていることが好調の要因だ」と話す。 (柴田秀並、asahi = 9-25-25) 日経平均 4 万 5,493 円、最高値を更新 長期金利は 17 年ぶり高水準 22 日の東京株式市場で日経平均株価は反発し、前週末 19 日の終値より 447 円 85 銭 (0.99%) 高い 4 万 5,493 円 66 銭で取引を終えた。 18 日につけた終値の最高値(4 万 5,303 円 43 銭)を 2 営業日ぶりに更新した。 米連邦準備制度理事会 (FRB) による利下げ期待などから、前週末の米国株式市場で主要 3 指数がそろって最高値を更新した流れを引き継いだ。 22 日の日経平均は反発して始まり、幅広い銘柄で買いが広がった。 一時は 19 日の終値より 700 円超上昇する場面もあった。 米アップルが発売した新型 iPhone の出足が好調と伝わり、半導体関連や電機などの銘柄が相場を牽引した。 前週末にあった米中首脳の電話協議で、10 月末に韓国で開かれるアジア太平洋経済協力会議 (APEC) 首脳会議で米中首脳会談が実現することになり、米中両国の対話が継続することへの安心感も投資家の心理を下支えしている。 日本銀行が 19 日の金融政策決定会合で政策金利を据え置いたことで、22 日の東京外国為替市場では円売りドル買いが進行。 1 ドル = 148 円前半まで円安が進んだことも株高の一因になった。 日銀の利上げ観測高まる また、22 日の東京債券市場で、長期金利の指標となる新発 10 年物国債利回りが一時、1.665% に上昇(債券価格は下落)した。 前週末より 0.03% 幅高く、日本相互証券によると、リーマン・ショック直前の 2008 年 7 月以来、約 17 年ぶりの高水準となった。 国内の政治状況をみると、自民党総裁選が 22 日に告示され、候補者が出そろった。 どの候補者が選出されても積極財政が続くとの見通しが広がり、この点も株高を支える。 半面、国債の増発懸念から長期金利には上昇圧力になった。 日銀は 19 日の会合で政策金利を据え置いたが、政策委員 9 人のうち 2 人は反対し、利上げを提案した。 りそなアセットマネジメントの黒瀬浩一氏は「市場では年内に利上げとの見方が強まり、長期金利の上昇につながっている」と指摘。 株高については「米国の利下げ観測に加え、米中協議の進展で世界経済の重しだった米中の貿易摩擦が一段落することへの期待感も出ている」とみる。 日銀は 19 日、保有する上場投資信託 (ETF) を売却する方針を決めた。 株価を押し下げる要因になることから 19 日の東京株式市場は日経平均株価が上昇から下落に転じ、一時は下げ幅が 800 円を超えた。 ただ、売却ペースが予想よりもゆるやかと市場で受け止められたことで、週明けの株式市場に与える影響は限定的となった。 (堀篭俊材、asahi = 9-22-25) |