コンゴ民主共和国でエボラ出血熱 WHO が集団感染確認

世界保健機関 (WHO) は 12 日、アフリカ中部のコンゴ民主共和国(旧ザイール)でエボラ出血熱の集団感染が確認された、と発表した。 4 月 22 日以降、3 件の死亡例を含む 9 件の疑い例があり、現地保健当局が封じ込めを急いでいる。 同国は 9 日、WHO に対して、北部の中央アフリカ共和国との国境に近い地域でエボラ出血熱が疑われる出血性の疾病の集団感染が起きた、と報告した。

同国の研究機関が、関連が疑われる患者の血液を検査したところ、11 日になって、5 検体中 1 検体が陽性と確認された。 同国では 1976 年以来、今回も含めて 8 回目の流行となる。 前回の 2014 年の流行では、49 人が死亡した。 日本の厚生労働省は 13 日、「一般の日本人旅行者が感染するリスクは非常に低いと考えられるが、感染者が発生している地域には近づかないように」と注意を呼びかけた。 (ジュネーブ = 松尾一郎、asahi = 5-13-17)


エボラ熱予防で効果的ワクチン = 18 年にも投与可能に - WHO

【パリ】 世界保健機関 (WHO) は 23 日付の声明で、西アフリカを中心に拡大したエボラ出血熱の予防に向け、カナダで開発されたワクチンが「極めて効果的」とみられると発表した。 順調なら、新薬承認のファストトラック(優先審査制度)を経て、2018 年にも投与が可能になる。

このワクチンはカナダの公衆衛生機関が開発に着手し、製薬大手メルクが引き継いだ。 英医学誌ランセットによると、ギニアで昨年行われた治験では、投与された約 6,000 人に感染者が出なかったのに対し、投与されなかった対照集団では 23 人が感染した。 WHO の担当者は、AFP 通信に「ゼロ対 23 人という結果は、ワクチンに 100% の効果がある可能性を強く示唆している」と指摘。 別の研究者はランセット誌に「(初の感染確認から) 40 年を経て、われわれはエボラ熱ウイルスに効くワクチンを手にすることになりそうだ」と記した。 (AFP/時事通信 = 12-23-16)


西アフリカのエボラ熱、WHO が終息を宣言

世界保健機関 (WHO) は 14 日、西アフリカのリベリア、ギニア、シエラレオネで流行したエボラ出血熱の終息を宣言した。 ただしこの 3 カ国では今後も小規模の流行が起きる可能性が高いとして、引き続き警戒を呼びかけている。 WHO は現時点で、西アフリカで確認された感染の連鎖はすべて食い止めたと認定した。 今後も再燃を見越して警戒を怠らず、対応できる態勢を整えておくことが重要だとしている。

リベリアでは昨年 5 月にエボラ熱の終息宣言が出された。 シエラレオネは 11 月 7 日、ギニアも 12 月 29 日に終息を宣言。 その後もリベリアなどで小規模の再発が確認されていたが、3 カ国とも最後の患者が確認されて以来、潜伏期間の 2 倍に当たる 42 日以上が過ぎた。 終息宣言後も、これまでに 10 回の再発が確認されている。 エボラ熱は回復した後も男性の精液などに最大で 1 年間ウイルスが残ることがあり、まれにパートナーに感染することがある。

今回の流行は 2 年前に始まり、1 万 1,300 人あまりが命を落とした。 感染者は 2 万 8,600 人を超え、3 カ国の社会や経済に大きな打撃を与えた。 WHO が関係国の対応を評価する一方で、国際医療支援団体の国境なき医師団は「今回の経験を教訓として、今後流行が起きた場合の対応を向上させなければならない」と指摘している。 (CNN = 1-15-16)


エボラ患者死亡率、マラリア治療薬で低下 長崎大助教ら

マラリアの治療薬がエボラ出血熱の患者の死亡率を低下させた、という研究成果を長崎大助教ら国境なき医師団 (MSF) の研究チームがまとめた。 6 日発行の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(電子版)に掲載された。 研究したのは、2014 年 10 - 12 月、MSF の一員として、西アフリカ・リベリアのエボラ治療センターで活動した鈴木基(もとい)助教らのチーム。

エボラ患者はマラリアに同時感染している場合もあり、MSF の治療センターでは全員にマラリア治療薬を投与する。 入院したエボラ患者 382 人のデータを解析したところ、治療薬の一つアーテスネート・アモジアキン (ASAQ) の場合、通常使われる治療薬よりも死亡率が 31% 低いことがわかった。 ただ、作用のメカニズムは不明で、今後の研究が必要という。 鈴木助教は「この研究を一つのステップとして、エボラの治療法の確立につなげていきたい」と話している。(岡田将平、asahi = 1-9-16)


エボラ終息宣言のリベリア、新たに 3 人の感染を確認

エボラ出血熱の流行終息を宣言していた西アフリカ・リベリアで、新たに 3 人の患者が確認されたことが 22 日までに分かった。 同国保健当局によると、国内の病院に入院した患者 1 人の血液検査で、19 日に感染が確認された。 また感染リスクが高いとみられた接触相手のうち、2 人が陽性反応を示した。 3 人は全員、首都モンロビアのエボラ治療センターで治療を受けている。

世界保健機関 (WHO) の報道官によれば、このほか 40 人以上の接触相手が監視対象になっている。 同国の保健相は「さらに多くの患者が見つかる恐れもある」としたうえで、「拡大を止めて感染源を見つけ、予防措置を取ることが重要だ」と強調。 「希望を失ってはいけない。 我々はこの闘いにまた勝つことができる。」と述べた。

リベリアでは今年 5 月にいったんエボラ熱の終息宣言が出たが、その後新たに感染者が確認され、9 月に改めて終息が宣言されていた。 WHO のデータによると、西アフリカで流行したエボラ熱の感染者は計 2 万 8,600 人、死者は計 1 万 1,300 人余り。 死者の数はリベリアが 4,808 人で最も多く、以下シエラレオネ、ギニアの順となっている。 (CNN = 11-22-15)


エボラ出血熱、シエラレオネで終息 WHO 発表

世界保健機関 (WHO) は 7 日、西アフリカのシエラレオネで大流行したエボラ出血熱の終息を発表した。 WHO の 6 日の発表によると、同国での疑い例も含む死者は 3,955 人、感染者は 1 万 4,109 人。 西アフリカでの終息はリベリアに次いで 2 カ国目。 隣国ギニアでは最近も陽性患者が報告された。

シエラレオネでは、エボラ出血熱対策に当たった医療従事者 307 人が感染し、221 人が死亡した。 4,800 人あまりの死者を出したリベリアは、今年 5 月にいったん終息が宣言されたが、その後患者が再確認され、9 月に再び終息が宣言された。 こうしたことから、シエラレオネでも当面は厳しい監視が続けられる。 2013 年 12 月の発生からの犠牲者は、WHO の 4 日の発表によると、疑い例も含む死者が 1 万 1,314 人、感染者は 2 万 8,607 人。 (ジュネーブ = 松尾一郎、asahi = 11-7-15)


エボラウィルス、精液に残存 回復男性の 5 割 WHO

エボラ出血熱のウイルスが、回復した男性の精液に数カ月以上にわたって残存していたことが 14 日、明らかになった。 世界保健機関 (WHO) などの研究グループが米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(電子版)で報告した。

研究グループは、西アフリカのシエラレオネでエボラ出血熱に感染し、回復した男性 93 人が提供した精液を分析。 49% に当たる 46 人の精液から、エボラ出血熱のウイルスの遺伝子が確認されたという。 このうち、発症から 2、3 カ月後の 9 人の精液からはすべてウイルスの遺伝子を検出。 発症後 4 - 6 カ月たった 40 人の場合では 65%、発症後 7 - 9 カ月の男性 43 人でも、26% でウイルスの遺伝子が検出された。 (松尾一郎、asahi = 10-16-15)


試験中のワクチン「効果 100%」 = エボラ熱で WHO

【ベルリン】 世界保健機関 (WHO) は 31 日、西アフリカのギニアで続けてきたエボラ出血熱のワクチン「VSV-EBOV」の臨床試験に関し、「目下のところ 100% の効果を示している」と発表した。 エボラ熱にはこれまで有効なワクチンや治療薬はない。 チャン事務局長は「極めて有望な進展だ」と強調。 今後、ワクチンの試験は大詰めの段階に入る。 ワクチンはカナダ政府系研究機関が開発した。 エボラ熱の感染は 2014 年 3 月ごろからシエラレオネ、リベリア、ギニアを中心に広がった。 一連の流行で 2 万 7,700 人以上が感染、約 1 万 1,300 人が死亡している。 (jiji = 7-31-15)


エボラ終息のコンゴ「知識が感染防ぐ」 現地のユニセフ

国連児童基金 (UNICEF) コンゴ民主共和国事務所のビルヌーブ代表が、都内で朝日新聞の取材に応じた。 西アフリカ各国で感染が広がったエボラ出血熱について、「地域住民が知識を持つことが感染拡大を防ぐカギだ」と話した。 エボラ出血熱は 1976 年にコンゴ(当時のザイール)で発見された。 昨年、ギニア、シエラレオネ、リベリアで感染が拡大した。 一方、世界保健機関 (WHO) によると、コンゴ民主共和国では昨年、7 度目の流行となったものの約 3 カ月で終息した。

ビルヌーブ氏によると、コンゴでは過去の経験から、家族らに高熱や内出血などの症状があるとエボラ出血熱の感染を疑い、隔離し、公的機関に連絡する習慣が根付いている。 首都キンシャサの研究所で迅速に病名を特定するしくみも整っているという。 感染が拡大した各国では、こうしたしくみが不十分だった。 UNICEF は住民らに感染症の知識を伝え、今後に備えている。 ビルヌーブ氏は「人々が移動する時代、感染症は日本を含む世界共通の知識であるべきだ」と訴えた。 (鈴木暁子、asahi = 7-29-15)


ギニア男性、エボラ陰性 = 成田到着時に発熱で検査 - 厚労省

厚生労働省は 16 日、エボラ出血熱が流行する西アフリカのギニアから成田空港に到着したギニア国籍の 30 代男性が、発熱を訴えたため、エボラ熱感染の有無を検査した結果、ウイルスは検出されなかったと発表した。 感染が疑われた患者は国内で 9 人目だが、いずれも検査結果は陰性だった。 厚労省によると、男性は 15 日夜の空港到着時、38.7 度の発熱があり、千葉県内の医療機関に入院。 同省は国立感染症研究所村山庁舎(東京)に男性の血液を送り、検査していた。 (jiji = 7-16-15)


WHO のエボラ対応「重大な遅れ」 評価委、厳しい指摘

世界保健機関 (WHO) の西アフリカでのエボラ出血熱への対応について、独立のエボラ中間評価委員会による報告書が 7 日、公表された。 昨年 8 月に WHO が出した「緊急事態宣言」が遅すぎたことや、非常事態への対処能力の欠如などを指摘。 改善を迫る厳しい内容になった。

WHO の対応を巡っては、現場で活動する「国境なき医師団」などが遅さを非難してきた。 報告書では特に「緊急事態宣言」が出されるまでにエボラ出血熱の認知後 4 カ月以上かかったことについて「重大で正当化しようのない遅れ」と指摘。 WHO の意思決定の遅さやその根底にある受け身で風通しの悪い組織文化を挙げ、改善のため「緊急事態準備対応センター」の創設を求めた。 報告書は WHO の資金のあり方についても言及。 使途を限定されない一般的な予算が総額の 25% 未満しかないことも問題視した。 (ジュネーブ = 松尾一郎、asahi = 7-7-15)


エボラ 再び増加の兆し … シエラレオネでは週間の新感染者最多に

エボラ出血熱が流行する西アフリカのギニアとシエラレオネで、減少していた新規感染者が再び増加の兆しを見せ始めたことが分かった。 WHO の 10 日の報告書によると、ギニアとシエラレオネでは 4 月以降、エボラ熱の新規感染者が減少傾向を示していたが、5 月下旬から再び増加。 同月 24 日までの 1 週間の新規感染者は 2 カ国で計 12 人だが、31 日までは 25 人、6 月 7 日までは 31 人と、連続して増えている。 特にシエラレオネでは、7 日までの 1 週間の新規感染者(15 人)が週間の新感染者としては 3 月下旬以降で最多を記録した。 (スポニチ = 6-14-15)


西アフリカ 2 国のエボラ終息「年末までかかる」 WHO

世界保健機関 (WHO) のエイルワード事務局長補は 26 日スイス・ジュネーブで会見し、西アフリカで流行中のエボラ出血熱の終息には今年末までかかるとの見通しを示した。 これまで「2015 年半ば」との見方もあったが修正した。 26 日の発表によると、終息済みのリベリアを含む西アフリカ 3 カ国における、疑い例も含む感染者は 2 万 7,013 人、死者は 1 万 1,134 人に達している。

エイルワード氏は、残るギニアとシエラレオネにおけるエボラ出血熱の新規感染件数が先週 12 件だったと報告。 「この数字はリベリアの 1 月時点の数字だが、同国ではゼロになるまでさらに 4 カ月かかった」と指摘した上で、新規感染者が過去の感染者の接触者以外からも出ていることや、資金不足で封じ込め活動が制限される可能性なども挙げて、終息には年内いっぱいかかるだろうと予想した。(ジュネーブ = 松尾一郎、asahi = 5-27-15)


福岡の 40 代男性、エボラ陰性 = ギニアから帰国 - 厚労省

エボラ出血熱が流行する西アフリカのギニアから帰国後、発熱を訴えていた福岡県の 40 代男性について、厚生労働省は 18 日、検査の結果、エボラウイルスは検出されなかったと発表した。 厚労省によると、男性は 4 月上旬から仕事でギニアに滞在。 5 月 9 日に帰国したが、18 日未明に 38.6 度の発熱や頭痛、背中の痛みなどの症状が出たため福岡県内の病院に入院し、採取した血液を国立感染症研究所で検査していた。 (jiji = 5-18-15)

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福岡で九州初のエボラ感染疑い 18 日夕にも結果判明

福岡県は 18 日、西アフリカのギニアに滞在した県内の 40 代男性が 38 度以上の熱を出し、エボラ出血熱への感染の疑いがあるとして県内の医療機関に搬送したと発表した。 国立感染症研究所(東京都)に検体を送って検査している。 結果は同日夕に判明する見通し。 エボラ熱に感染した疑いがある患者が見つかったのは、九州では初めて。

県によると、男性は仕事のため、4 月 10 日から 5 月 4 日までギニアに滞在。 9 日に帰国後、検疫所に 1 日 2 回、健康状態を報告していた。 17 日夜に発熱の連絡をし、その後、県内の医療機関に搬送された。 18 日午前 3 時には 38.6 度の発熱に加え、頭痛、背中の痛みの症状を訴えた。 男性は現地でエボラ熱患者と接触していないと話しているという。

県保健衛生課によると、エボラ熱は体液や血液を介して感染し、発症までの潜伏期間は一般的に 1 週間から 10 日とされる。 男性の感染リスクについては「高いという状況にはなく、検査の結果、陰性になる可能性も十分にある」としている。 男性の搬送先は県内で唯一、エボラ熱患者に対応できる指定医療機関。 院長は 18 日午前、記者会見し「男性はエボラ熱患者との接触がなく、ギニア出国から発熱まで 12 日以上たっているので感染の可能性は限りなく低い」と話した。 (西日本新聞 = 5-18-15)


エボラ出血熱、イタリアで初の陽性患者確認 WHO 発表

世界保健機関 (WHO) は 13 日、イタリアで初のエボラ出血熱の陽性患者が確認された、と発表した。 発表によると、患者は、エボラ出血熱の大流行が続く西アフリカのシエラレオネでボランティアをした後、7 日にローマに帰国した医療従事者。 直後には症状が出ていなかったが、10 日になって症状が出始めた。 11 日に病院に搬送され、検査の結果、12 日に感染が確認された。 (松尾一郎、asahi = 5-14-15)


回復後も性交渉で感染の恐れ エボラ熱、WHO 見解

世界保健機関 (WHO) は 10 日までに、エボラ出血熱に感染した男性が回復して一定の期間が経過した後も、性交渉によって女性に感染させる可能性が高いとの見解を示した。 WHO は回復した男性に対し、精液を 2 回検査してエボラ熱のウイルスが検出されなくなるまでか、検査を受けられない場合は少なくとも発症から半年間は、コンドーム装着などの対策を取るよう勧告した。

見解は 8 日付。 発症から 82 日が経過した後も精液からエボラ熱のウイルスが分離されることがあるとの研究結果などを示した上で、血液からウイルスが検出されなくなった後でも性交渉で感染する恐れがあるとした。 女性から男性への感染の可能性も、男性から女性への場合と比べて低いものの「理論的にはあり得る」としている。 (kyodo = 5-10-15)


エボラ新ワクチン、東大などの研究チームが開発

エボラ出血熱の新しいワクチンを開発し、サルで予防効果を示すことに成功したと、河岡義裕・東京大医科学研究所教授らの日米の研究チームが 27 日、米科学誌サイエンス電子版に発表する。 病原性のないエボラウイルスそのものをワクチンとして使うため、高い効果が期待できるという。 エボラ出血熱は、一昨年末から西アフリカで流行が続いている。 複数のワクチンの臨床研究も進められているが、確立したワクチンはない。

研究チームは、遺伝子の一部を欠損させ、普通の細胞では増殖できないようにした変異エボラウイルスを作製。 さらにウイルスを不活性化して安全性を高めた後、サル 2 匹にそれぞれ 4 週間あけて 2 回接種した。 その 4 週間後、2 匹に本物のエボラウイルスを感染させたが、症状は表れず、いずれも生き残った。 一方、ワクチンを接種していないサルはすべて死んだという。

河岡教授は「他のワクチンよりも、安全性と効果が高いワクチンになる可能性がある。 2 年以内に人で臨床試験を開始したい。」と話している。 岡部信彦・川崎市健康安全研究所長の話「人に近いサルでの予防効果を示した点が重要で、ワクチン候補として期待できる。 安全性については、さらに長期間の観察が必要だ。」 (yomiuri = 3-27-15)


エボラ出血熱、死者 1 万人超す 西アフリカ 3 カ国

世界保健機関 (WHO) は 12 日、西アフリカのシエラレオネとリベリア、ギニアの 3 カ国におけるエボラ出血熱の死者が 1 万 4 人に達した、と発表した。 感染者は 2 万 4,350 人。 いずれも疑い例を含む。 内訳は、シエラレオネが感染者 1 万 1,677 人、死者 3,655 人、リベリアが感染者 9,343 人、死者 4,162 人、ギニアが感染者 3,330 人、死者 2,187 人。 すでに流行が収まっている国々では、11 日の WHO の発表によると、別に、感染者が計 35 人、死者が計 15 人になっている。(ジュネーブ = 松尾一郎、asahi = 3-13-15)


エボラ熱の死者、9 千人超える WHO 発表

世界保健機関 (WHO) は 6 日、西アフリカで大流行中のエボラ出血熱の死者が 9 千人を超えたと発表した。 最新のデータによると、西アフリカ 3 カ国の疑い例も含む感染者は 2 万 2,525 人、死者は 9,004 人に達した。

国別では、シエラレオネが感染者 1 万 792 人で死者 3,301 人。 リベリアが感染者 8,745 人で死者 3,746 人。 ギニアが感染者 2,988 人で死者 1,957 人。 これまでに発表されているデータによると、その他の国々では、ナイジェリアが感染者 20 人と死者 8 人、マリが感染者 8 人で死者 6 人、米国が感染者 4 人で死者 1 人、スペインおよび英国、セネガルがそれぞれ感染者 1 人。 (ジュネーブ = 松尾一郎、asahi = 2-7-15)


シエラレオネから帰国女性が発熱、エボラ検査

厚生労働省は 18 日、エボラ出血熱が流行する西アフリカ・シエラレオネから一時帰国し、東京都世田谷区に滞在中の 70 歳代の日本人女性が発熱し、国立国際医療研究センター病院(東京都)に搬送されたと発表した。 感染の有無を確認するため、女性の血液などの検体を国立感染症研究所村山庁舎(同)に送った。 検査結果は 19 日未明に判明する見込み。 厚労省によると、女性は仕事でシエラレオネに長期在住し、13 日に成田空港から一時帰国。現地でエボラ出血熱患者と直接の接触はないという。

女性は、18 日朝に 38 度 2 分の発熱があったため検疫所に連絡。 解熱剤を服用後に 36 度 8 分に下がったが、同日夕、救急車で同病院に搬送された。 再度検温したところ、38 度 2 分だった。 インフルエンザの迅速検査の結果は陽性だった。 女性は帰国時、空港の検疫所で渡航歴などを自己申告しており、帰国後は健康監視の対象だった。 エボラ出血熱の「疑いがある」として検査を受けたのは、昨年 10 月以降で 5 例目。 (yomiuri = 1-18-15)


エボラ熱死者、8 千人超す 感染者は 2 万人超 WHO

世界保健機関 (WHO) は 2 日、西アフリカで大流行中のエボラ出血熱の死者数と感染者数のデータを更新した。 それをもとに集計すると、死者が 8,004 人、感染者が 2 万 416 人に達した。 今回の更新で、シエラレオネが感染者 9,633 人で死者 2,827 人、リベリアが感染者 8,018 人で死者 3,423 人、ギニアが感染者 2,703 人、死者 1,739 人となった。 また、英国が感染者 1 人、マリは感染者 8 人、死者 6 人だった。 一方、データが更新されなかった国の死者数は、米国が 1 人、ナイジェリアが 8 人。 これらを足し合わせると、死者は 8 千人を超えた。(ジュネーブ、asahi = 1-3-15)


発熱の都内男性、エボラ検査陰性 西アフリカから帰国

厚生労働省は 29 日、西アフリカのシエラレオネから帰国した東京都在住の 30 代の日本人男性の血液などを調べた結果、エボラウイルスが検出されなかったと発表した。 この日未明に男性が発熱したと訴えたため、国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)で検査していた。 (asahi = 12-30-14)

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シエラレオネから帰国後発熱 = 日本人男性、エボラ「疑い例」 - 厚労省

東京都によると、西アフリカのシエラレオネから帰国した日本人男性が発熱したと、29 日までに保健所に連絡があった。 厚生労働省がエボラ出血熱の「疑い例」として、感染の有無を調べる。 (jiji = 12-29-14)


「今年の人」に「エボラ・ファイターズ」 米タイム誌

米タイム誌は 10 日、毎年恒例の「パーソン・オブ・ザ・イヤー(今年の人)」に、アフリカ西部で猛威を振るうエボラ出血熱の大流行と闘っている医師や看護師ら「エボラ・ファイターズ」を選出したと発表した。

タイムのナンシー・ギブス編集長は選出の理由について、「世界が枕を高くして眠っていられるのは、自ら立ち上がり、闘おうとする多くの男女がいるからだ。 彼らの疲れを知らない勇気と慈悲の行為、そして世界が(エボラ出血熱に対する)防御態勢を高める時間を稼いでくれたこと、リスクを冒し、あきらめず、その身を犠牲にし、命を救ってきたことを考えれば、『エボラ・ファイターズ』こそタイムの 2014 年のパーソン・オブ・ザ・イヤーだ。」としている。

ギブス編集長はまた、流行国の政府が十分な設備や器具を提供できず、世界保健機関 (WHO) も流行の事実をなかなか認めようとしなかった一方で、危機に対応しようと最初に立ち上がった人々は騒ぎすぎだと非難されたと指摘。 だが国際医療援助団体「国境なき医師団」やキリスト教系団体「サマリタンズ・パース」のメンバーをはじめとする多くの医療関係者が、現地の医師や看護師、救急車の運転手や埋葬チームと協力して流行に立ち向かったと付け加えた。

同誌の読者投票ではインドのモディ首相が 1 位だったが、編集部は「ニュースや人々の生活によくも悪くも最も大きな影響を与え、その年最も重要だったことを体現している人物(たち)」という基準に基づき、選出を行ったという。 (CNN = 12-11-14)


富士フィルムのエボラ対応薬に模造薬? 中国の業者調査

富士フイルムホールディングスは 10 日、エボラ出血熱の患者に緊急的に使われている抗インフルエンザ薬「アビガン(一般名ファビピラビル)」の模造薬を、中国の会社がつくった可能性があるとみて調べていることを明らかにした。 特許が侵害されたと判断した時は、相手に警告を出し、製造差し止めを求める訴訟を起こすなどの対応策をとる方針だ。

富士が調べているのは、中国の製薬会社「四環医薬」が生産に向けた研究を続けている薬だ。 富士によると、9 月にスイスで開かれた世界保健機関 (WHO) の専門家会合で、中国の出席者から四環の薬がエボラ熱薬の候補として提案された。 WHO の担当者が、「(アビガンと)成分が同じだ」と指摘し、富士は事態を把握したという。

四環の担当者は朝日新聞の取材に、「薬はまだ実験室での研究段階のため、いかなる権利の侵害も発生していない」と話した。 富士が 10 月中旬、在日中国大使館に伝えたところ、「調査する」と言われたが、まだ調査結果は届いていない。 アビガンは、富士傘下の富山化学工業が開発した薬で、富山が主な国で特許を取っている。 中国では 2006 年に特許が成立しているという。 (伊沢友之、北京 = 斎藤徳彦、asahi = 12-10-14)


日本で開発した「エボラ特効薬」のパクリ疑惑 中国で同成分の薬を製造と WHO が指摘

富士フイルムホールディングス (HD) 傘下の富山化学工業が開発し、エボラ出血熱の「特効薬」として期待が高まっている抗インフルエンザ薬「アビガン錠(一般名、ファビピラビル)」と同じ成分のクスリが、中国で製造されていることがわかった。 アビガン錠は、エボラ出血熱の治療薬としては未承認だが、ウイルスの増殖を防ぐ作用があり、エボラ出血熱にも効果があるとみられている。 富山化学は中国でアビガン錠の物質や製造、用途の特許を出願。 2006 年に特許が成立している。

富士フイルムによると、中国の「JK-05」と呼ばれるクスリが、「アビガン錠」と同じ成分であるとの指摘は、2014 年 9 月に開かれた世界保健機構 (WHO) の専門家会合でわかった。 この会合には同社の社員が出席していたほか、「議事録の『JK-05』の記述の中に『T-705(アビガン錠の開発品コード)』の記載があったことを確認しています。」という。 「JK-05」について、富士フイルムは「現在、事実関係を確認中で、情報収集しているところです」と、困惑ぎみだ。

アビガン錠の物質や製造技術が特許に抵触する可能性は高く、開発情報が中国側に漏れていた疑惑も指摘されている。 経済情報誌「FACTA」 11 月号は「中国に盗まれた『エボラ特効薬』」の見出しで、アビガン錠と同じ成分の「JK-05」が「特許法違反にあたる」と指摘。 「中国の研究機関が富山化学の成果を掠め取り、軍需品として製造を開始していた」とみている。 当の富士フイルムは、特許侵害についても「事実関係がはっきりしないので、今のところわかりません」との話しにとどめている。

アビガン錠が厚生労働省の承認を得たのは、2014 年 3 月。 富山化学が承認を申請したのは 11 年 3 月で、通常は申請したクスリの審査期間は 1 年ほどだが、アビガン錠は妊婦などに服用できず、用法や用量が確定していないためになかなか承認が得られなかった。 承認には、じつに 3 年を要した。 そんなアビガン錠と同じ成分のクスリが、中国で開発されていたというのだ。

中国や欧米の報道を総合すると、中国の「JK-05」も抗インフルエンザ薬で、中国人民解放軍の軍事医学科学院と四環医薬が共同開発。 現在、認められているのは緊急時の軍での使用のみだが、四環医薬は中国での一般利用に向けて当局に申請を行うことで軍事医学科学院と合意しているとされる。 10 月 17 日付の Want China Times は、「薬剤は数千人単位の人命を救うだけでなく、世界的に中国の製薬会社に大きな名誉となることは明らか」と書いている。 また、同日付のロイター通信は、四環医薬がアフリカでエボラ出血熱への対応を支援している中国人向けに「JK-05」を供給する、と報じていた。

WHO によると、エボラウイルスによる患者数は 1 万 5,145 人、死者も 5,420 人(2014 年 11 月 19 日付の情報)と、なお納まる気配はなく、ギニアやリベリア、シエラレオネでは「未だに流行が続いています(厚生労働省検疫所)」という。 アビガン錠はすでにフランスやスペイン、ノルウェー、ドイツの 4 か国で 4 人の患者に投与され、全員の回復が報告されている。 2014 年 11 月中旬からはフランスとギニア両政府が共同でギニアの患者 60 人を対象に臨床試験を実施。 これには世界保健機構 (WHO) も関与しており、国際的に承認される可能性があるとされる。

一方、富士フイルムもエボラ出血熱の患者への投与拡大に備えて、アビガン錠の海外での使用を目的とした追加生産を決めた。 現在の在庫は 2 万人分。 製剤前の原薬は 30 万人分を保有しており、「感染がさらに拡大しても、十分な量を継続的に供給できます(富士フイルム)」という。 (Jcast = 11-21-14)


エボラ熱、死者 5 千人超 感染者 1 万 4 千人に WHO

世界保健機関 (WHO) は 12 日、西アフリカで大流行中のエボラ出血熱の死者数が 5,160 人になった、と発表した。 疑い例も含む感染者数は 1 万 4,098 人に達した。

最も深刻なリベリアの感染者数は 6,822 人、死者数は 2,836 人。 シエラレオネの感染者数は 5,368 人、死者数は 1,169 人。 ギニアの感染者数は 1,878 人、死者数は 1,142 人。 11 日に感染拡大が確認されたマリは死者と感染者の数が共に 4 人になった。 米国(感染者数 4 人、死者数 1 人)やスペイン(感染者数 1 人)、すでに終息が宣言されているナイジェリア(感染者数 20 人、死者数 8 人)およびセネガル(感染者数 1 人)はいずれも増減はなかった。 (ジュネーブ = 松尾一郎、asahi = 11-13-14)


エボラ熱への効果「12月中に結果」 インフル薬「アビガン」

富士フイルムホールディングスは 11 日、子会社の富山化学工業が開発したインフルエンザ治療薬「アビガン」のエボラ出血熱への効果を検証するギニアでの臨床試験(治験)結果が 12 月中に出るとの見通しを示した。 各国政府がデータを確認したうえで、1 カ月程度で感染者に投与できるようになる可能性があるという。 治験はフランス、ギニア両政府が 11 月中旬に開始する。 富士フイルム HD によると、患者 300 人分に相当するアビガンが到着済みという。 治験対象者は 60 人だが、それ以外の患者にも投与できる体制を整える。 (nikkei = 11-11-14)


エボラ熱、関空のギニア人女性も陰性 60 代男性に続き

厚生労働省は 8 日、リベリアに滞在し、7 日午前に東京都内の医療機関に受診した 60 代男性と、7 日午後にギニアから入国し関西空港で発熱の症状が確認されたギニア人の 20 代女性から、いずれもエボラウイルスが検出されなかったと発表した。 ともに現地で患者らとの接触はないと報告していたが、念のため 2 人の血液を国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)で調べていた。

男性は指定医療機関の国立国際医療研究センター(東京都新宿区)に入院していたが、8 日午後に退院した。 女性はりんくう総合医療センター(大阪府泉佐野市)で治療を受けている。 厚労省によると、男性は 11 月 4 日に帰国。 羽田空港の検疫所で確認した際は異状はなかった。 6 日夜に 38.9 度の熱が出て、7 日午前に自宅近くの医療機関を受診、へんとう炎と診断された。 帰宅後、発熱を検疫所に報告。 同日夕に国立国際医療研究センターに運ばれ、A 群溶血性レンサ球菌に感染したことによる咽頭(いんとう)炎と診断された。

厚労省は、流行国の滞在者に帰国後 1 カ月で発熱があった場合、医療機関に行かず保健所に連絡し、医療機関側にも発熱患者に流行国の渡航歴を確認するように呼びかけていた。 しかし、男性についてはうまく機能しなかった。 一方、女性はギニアを 6 日出国し、ドバイ経由で関西空港に到着した。 検疫所の呼びかけに応じ、38.3 度の発熱が確認された。 熱帯熱マラリアの迅速診断検査で陽性だった。 (asahi = 11-8-14)


エボラ出血熱の疑いが 2 人、感染有無を検査

厚生労働省は 7 日、エボラ出血熱の流行国リベリアに滞在歴がある東京都内の 60 代男性が発熱症状を訴え、近くの医療機関を受診したと発表した。 念のため、エボラ出血熱患者を治療できる指定医療機関の国立国際医療研究センター(東京都新宿区)に男性を搬送した。 また、流行国のギニア国籍の 20 代女性も同日、関西空港の検疫所で発熱症状が確認された。 指定医療機関の「りんくう総合医療センター(大阪府泉佐野市)」に搬送する。

厚労省は、2 人の血液などを国立感染症研究所村山庁舎(東京都武蔵村山市)に運び、感染の有無を検査する方針。 厚労省によると、東京都の男性は仕事で 10 月 26 日まで数週間、リベリアに滞在、11 月 4 日に羽田空港から帰国した。 現地で患者らとの接触はないと報告しているという。 羽田空港の検疫所に滞在歴を申告したときには異状はなかった。 1 日朝夕の 2 回体温を測り、検疫などに報告する「健康監視」対象となった。 (asahi = 11-7-14)


エボラ 2 次感染の看護助手が退院 スペイン

スペインの病院で患者を看護していてエボラ出血熱に感染した看護助手のテレサ・ロメロ・ラモスさんが 5 日、エボラを克服して退院した。 夫のハビエル・リモンさんと共に記者会見したラモスさんは、神に与えられた「奇跡」のようだと退院の喜びを語った。 感染した原因についてはまだ分からないとしながらも、「もしこの病気に感染したことが誰かのためになり、研究の役に立ち、治療法を見つける助けになるのなら、または私の血液が誰かを助けられるなら、ここに私がいる」と力を込めた。

ロメロさんは勤務先のマドリード市内の病院でエボラ患者を看護していて 2 次感染し、同病院に 30 日間入院した。 初期段階では孤独も感じたといい、「死ぬことを考えて家族や夫のことを回想した」と振り返った。 夫のリモンさんは、2 人が飼っていた愛犬「エクスカリバー」がエボラウイルス感染の不安から処分されたことに触れ、当局の対応を嘆いた。

エクスカリバーは、愛犬家らがインターネットで募った助命嘆願に約 40 万人の署名が寄せられたにもかかわらず、安楽死させられた。 リモンさんは支援活動に感謝しながらも、「子どもがいない私たちにとって、あの犬がどれほど大切だったか分かってもらえなかった」と悲しんだ。 米国でエボラに2次感染した看護師のニナ・ファムさんは、退院後の 1 日、隔離されていた愛犬との再会を果たしている。 (CNN = 11-6-14)


リベリアでエボラ新規感染のペース鈍化、WHO は引き続き警戒

[ジュネーブ/アクラ] 世界保健機関 (WHO) ブルース・エイルワード事務局長補は 29 日、エボラ出血熱の感染が深刻なリベリアで、感染の拡大ペースが減速している可能性があることを明らかにした。 感染が確認された患者数が横ばいとなっているほか、死者の埋葬や医療施設に新たに収容された患者の数が減少しているという。

エイルワード事務局長補は記者会見で、「新規感染ペースの鈍化を確認している」と明言した。 ただ、エボラ熱が制圧されたと判断することは「ペットのトラを手なずけたと言っているようなもの」だとし、「エボラは非常に危険であり、いくつかの埋葬で不手際があるだけでも新たに感染が始まり、再び増加傾向に陥る可能性がある」と警鐘を鳴らした。

しかし、現在の減速傾向が続くなら、ギニア、リベリア、シエラレオネは 12 月 1 日までにエボラ封じ込め強化策の目標を「楽に」達成できるはずだと、エイルワード氏は語った。 また WHO は、エボラ出血熱の感染者数が 27 日までに 8 カ国で 1 万 3,703 人となり、このうち 4,920 人が死亡したとの最新の集計結果を発表した。 感染者数は 25 日から 3,000 人超増加したが、これは過去のデータが追加されたことが主因とした。 死亡者数は前回の集計から 2 人減った。

WHO は、エボラ熱が死因と疑われた症例の多くが実際にはエボラ熱と無関係だったことが判明したため、集計を修正。 リベリアの死者が 300 人近く減った。 一方、シエラレオネの死者は 200 人以上多くなった。 WHO の報道官は「感染の疑いがあった多くの人が実際にはエボラ熱ではなかった。 数字は常に変化している。 これからも正確な数字を常に示せるわけではない。」と語った。 (Reuters = 10-30-14)


エボラウイルス検出されず リベリアに滞在し発熱の男性

厚生労働省は 28 日朝、エボラ出血熱が流行する西アフリカのリベリアに滞在し 27 日午後に羽田空港に入国した 40 代男性は、エボラウイルスは検出されなかったと発表した。 男性は発熱の症状があったため、国立感染症研究所で血液などを調べていた。 男性は現在、指定医療機関の国立国際医療研究センター(東京都新宿区)に入院している。 厚労省によると、男性が現地で患者らと接触したことは確認されていないとしている。 発症後すぐは検査で陽性とならない場合があることから、引き続き 3 日程度入院してもらい経過をみる。

警視庁関係者などによると、男性は 40 代のジャーナリスト。 午後 4 時に羽田空港に到着した際、37.8 度の発熱があることが確認されたため、国立国際医療研究センターに運ばれた。 男性は 10 月 18 日まで約 2 カ月間リベリアに滞在し、ベルギー、英国を経由し入国した、と話していたという。 厚労省は 24 日から、空港での入国審査の際に全員に、エボラ出血熱が流行しているリベリアなど 4 カ国の滞在歴を確認している。 滞在歴があり、発熱などの症状があれば、指定医療機関に搬送し、感染の有無を確認することにしている。 (asahi = 10-28-14)


羽田到着の発熱男性、エボラ検査へ 西アフリカ滞在歴

エボラ出血熱が流行する西アフリカに滞在し、27 日午後に羽田空港に到着した 40 代男性が発熱の症状を訴えたため、念のため治療に対応できる指定医療機関の国立国際医療研究センター(東京都新宿区)に運ばれた。 塩崎恭久・厚生労働相が同日夜、明らかにした。 採取した血液などを国立感染症研究所に送り、感染したかどうか確認の検査をする。 検査結果は 28 日未明に判明する見通し。

警視庁関係者によると、男性は 40 代のジャーナリスト。 午後 4 時に羽田空港に到着した際、「熱がある」と訴えたため、パトカーが先導して国立国際医療研究センターに運んだ。 男性は「8 月から 2 カ月間リベリアに滞在し、ベルギー、イギリスを経由して入国した」と話していたという。 厚労省関係者によると、男性が現地で患者らと接触したことは確認されていないという。 塩崎厚労相は「エボラは接触感染でうつる。 新型インフルエンザなどと違うということで、冷静に受け止めてもらいたい。 万が一を考え、国際医療研究センターに搬送し、検査している。」と話した。 (asahi = 10-27-14)


エボラ出血熱、感染者 1 万人超える 死者は 4,922 人

世界保健機関 (WHO) は 25 日、西アフリカで猛威をふるっているエボラ出血熱の感染者数が 1 万人を超えた、と発表した。 23 日時点のデータで、感染者数は 1 万 131 人で、死者数は 4,922 人に上っているという。 (ジュネーブ = 松尾一郎、asahi = 10-25-14)


市民に不安 米最大の都市 NY でエボラ熱、初の陽性

西アフリカのギニアからニューヨークに戻った男性医師 (33) がエボラ出血熱の検査で陽性反応を示しました。 医師が隔離されているマンハッタンの病院前から報告です。

(岡田豊記者報告) 24 日朝を迎えようとしています。 病院に隔離されている男性医師の詳しい検査結果は、24 日にも出ると思われます。 アメリカ最大の都市ニューヨークで初めて陽性反応が出たということで、市民の間にじわりと不安が広がっています。

ニューヨーク市民 : 「私も医療関係者なので、少し怖いわ。」 「心配。 日本ではこういう時、皆、マスクをするんでしょ。」 会見した病院は、男性医師が直接、接触したのは 4 人だけだと説明しました。 そして、医者だからこそ自らを慎重にケアしてきたと強調しています。 しかし、不安の一因になっているのは、この男性医師が症状を訴える前日の 22 日に地下鉄に乗ってボウリング場に行くなど、大勢が集まる場に出ていたことです。

症状が出ていなければ感染はしないといわれますが、地下鉄の利用者に話を聞くと「しばらくは乗りたくない」という人もいました。 テキサス州では、感染したリベリア人が死亡し、この看護に関わった看護師 2 人が二次感染しています。 感染防止が不十分だったという批判があります。 アメリカ政府の対応が後手に回るという指摘があるなかで、世界中の人が入り混じるこのニューヨークがエボラ熱にどう対処するのか、どう立ち向かうのかが注目されています。 (テレ朝 = 10-24-14)


WHO、セネガルのエボラ熱終息を宣言 対策も評価

西アフリカ諸国で猛威を振るうエボラ出血熱の問題で世界保健機関 (WHO) は 17 日、同地域にあるセネガルでエボラ熱流行の終息を宣言した。 同国の感染防止の努力も評価した。 セネガルでこれまで判明した感染例は、国境を接するギニアで患者に接触し、陸路でセネガルに入国した男性 1 人のみとなっている。 同国は事後措置として、男性と密接な接触がわかった 74 人を割り出し、経過観察の対象に置いていた。

男性はその後、回復し 9 月 5 日の検査では陰性となり、ギニアへの帰国が許されていた。 これ以降の 42 日間、セネガルでは感染例が判明していない。 42 日間はエボラ熱の最大潜伏期間の 2 倍に相当し、WHO が終息を宣言する大きな根拠となった。 WHO の声明によると、同国は疑い例が発覚した場合、迅速な検査を遂行すると共に、国境沿いの入国審査施設で警戒態勢も強化した。 男性の発症がわかった後、WHO は同国に疫学の専門家チームを派遣し、現地の保健衛生当局者らの支援に当たらせてもいた。

WHO はセネガルでのエボラ熱終息の成功例を踏まえ、迅速かつ広範囲に及ぶ、調整がとれた対応がウイルス感染の拡大を阻止したことを世界に示したと強調した。 ただ、同国がエボラ熱の被害が甚大なギニアと近接していることに留意し、終息は宣言したものの新たな患者がセネガルに入り込む可能性にも注意を促した。 エボラ熱はギニアに加え、シエラレオネとリベリアで大流行している。 (CNN = 10-18-14)


米国内で初のエボラ熱 2 次感染か 死亡患者の医療従事者

米テキサス州の保健当局は 12 日、同州の病院でエボラ出血熱で 8 日に亡くなったリベリア人男性の治療にあたっていた医療従事者が、2 次感染した可能性があると発表した。 確定すれば、米国内でエボラ患者から別の人に感染が広がった初めての例となる。 記者会見した病院幹部らによると、医療従事者は防護服を着用して男性患者の治療にあたっていたという。 10 日夜、軽い発熱の症状が出たため隔離され、簡易検査を受けたところ、陽性の反応がでた。 米疾病対策センター (CDC) がより詳しい検査を行い、感染を最終確認する。

米メディアによると、CDC は、亡くなった男性患者と接触があった可能性がある約 100 人を特定。 その後、48 人に絞って健康状態の観察を続けている。 そのうち、男性と同居していた女性や病院搬送した救急隊員ら約 10 人が直接接触した疑いが強いとされていた。 2 次感染の疑いがある医療従事者が観察対象になっていたかどうかは明らかになっていない。(ワシントン = 小林哲、asahi = 10-12-14)