エボラ熱による死者 4,000 人超え WHO 発表

西アフリカで発生したエボラ出血熱による死者が 4,000 人を突破した。 世界保健機関 (WHO) が 10 日、明らかにした。 最近の計算によると、すでに感染が確認されている患者、感染の可能性が高い患者、感染が疑われる患者の合計が 8,339 人、総死者数が 4,033 人となっている。 この数字は、ギニア、リベリア、ナイジェリア、セネガル、シエラレオネ、スペイン、米国から報告された人数を集計したものだ。 またエボラ出血熱に感染したと見られる医療関係者も 416 人に上り、WHO によると、そのうち 233 人がすでに死亡したという。 (CNN = 10-11-14)


米国 5 空港でエボラ検疫強化 感染 3 カ国からの旅行者に

米疾病対策センター (CDC) などは 8 日、西アフリカで猛威をふるうエボラ出血熱の感染者の入国を防ぐため、新たに米国の主要空港 5 カ所で、感染拡大が深刻なギニア、リベリア、シエラレオネ 3 カ国からの旅行者に対し、検疫を強化すると発表した。 オバマ大統領が 6 日、対策会議で専門家に検討を指示していた。 ニューヨーク・ケネディ空港で 11 日から、ワシントン、ニューアーク、シカゴ、アトランタの各都市の空港でも来週から実施する。 対象となる 3 カ国からの旅行者の 94% 以上が、この 5 空港を利用しているという。 (ワシントン = 小林哲、asahi = 10-9-14)


スペインでエボラ熱感染、アフリカ大陸以外で初

[マドリード] スペインの保健当局者は、マドリードのカルロス 3 世病院でエボラ出血熱患者のための治療チームの一員だった女性看護師が、エボラ熱に感染したことを確認したと明らかにした。 アフリカ大陸以外が感染場所とみられる初めてのケースという。

この看護師は、アフリカのリベリアとシエラレオネでエボラ熱に感染した後に搬送された患者 2 人の治療に当たっていた。 保健当局者は感染経路の特定を進めている。 当局者によると、女性は既婚で、子供はいない。 当局はまた、治療に関わっていた他約 30 人のスタッフなどの経過を観察している。 シエラレオネから 9 月 21 日に搬送された患者はその 4 日後に死亡。 また、リベリアから 8 月 7 日に到着した患者も 5 日後に死亡した。 (Reuters = 10-7-14)


日本の薬でエボラ出血熱治療、仏の患者退院

【パリ = 三井美奈】 AFP 通信によると、フランスのトゥーレーヌ保健相は 4 日、エボラ出血熱に感染し、日本の製薬会社が開発した抗インフルエンザ薬で治療を受けていたフランス人患者が治癒し、入院先から退院したと発表した。

患者は民間団体「国境なき医師団」に所属する女性看護師で、西アフリカのリベリア共和国で医療活動中にエボラ出血熱に感染。 9 月半ばにパリ郊外の病院に入院し、富士フイルムホールディングスのグループ会社、富山化学工業が開発した抗インフルエンザ薬「アビガン」の投与を受けていた。 薬はエボラ出血熱の治療薬としては未承認だが、仏政府が投与を要請し、仏国内での使用を許可した。 (yomiuri = 10-5-14)

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富士フイルム傘下社開発のエボラ未承認薬、患者に初投与

富士フイルムは 26 日、傘下の富山化学工業がインフルエンザ治療薬で開発した「アビガン」が、エボラ出血熱の患者に使われたと発表した。 アビガンがエボラ患者に投与されるのは初めて。 アビガンは、世界保健機関 (WHO) が、エボラ出血熱の治療に効く可能性があるとして、投与を容認している未承認薬の一つ。 富士によると、リベリアの首都モンロビアでエボラ出血熱の患者を手当てしていたフランス人の女性看護師が感染。 仏政府機関から富士と日本政府に 9 月初めに薬の提供依頼があった。 女性はフランスの病院に移り、19 日からアビガンを服用しているという。 (asahi = 9-26-14)


エボラ熱死者 3,439 人に、西アフリカ 4 国 WHO 発表

世界保健機関 (WHO) は 3 日、西アフリカで大流行中のエボラ出血熱について、死者が 3,439 人、感染者が米国に渡航後確認された 1 人も含め 7,492 人に達した、と発表した。 いずれも疑い例を含んでいる。 国別では、リベリアが死者 2,069 人、感染者 3,834 人で過半数を占めている。 ギニアは死者 739 人で感染者 1,199 人、シエラレオネは死者 623 人で感染者 2,437 人。 一方、感染拡大がすでに収まっているナイジェリアはこれまでと変わらず、死者 8 人、感染者 20 人。 セネガルも感染者 1 人から増えていない。 (リビウ = 松尾一郎、asahi = 10-4-14)


エボラ出血熱、米に飛び火 国内感染者を初確認

米疾病対策センター (CDC) は 9 月 30 日、西アフリカのリベリアから渡米し、テキサス州ダラスの病院に入院中の患者が、エボラ出血熱に感染していた、と発表した。 米国では、リベリアで感染が確認された米国人医師らが治療のために緊急帰国した例があったが、国内で感染が確認されるのは初めて。 今春以降、西アフリカで猛威を振るってきたエボラが、米国に飛び火したことになる。

CDC によると、患者は 9 月 19 日にリベリアを発ち、20 日に米国テキサス州にいる家族を訪問。 航空機内では体調に異常はなかったが、24 日ごろから症状が出始め、2 日後に病院を受診した。 いったんは帰宅したが、28 日に改めて受診し、隔離施設に収容された。 国籍や職業などは明らかにされていない。 (ワシントン = 小林哲、asahi = 10-1-14)


ワクチン、年明け本格使用も WHO が見通し

世界保健機関 (WHO) は 28 日までに、西アフリカで流行するエボラ出血熱の開発中のワクチンについて、安全性が確認されれば年明けにも一般患者らに本格使用できるとの見通しを示した。 使用が検討されているのは 2 種類。 うち英製薬大手グラクソ・スミスクラインと米国立衛生研究所 (NIH) が共同開発しているワクチンは、年明けまでに 1 万人分が使える状態になるとしている。 WHO は、ワクチンの安全性を確認した上で、11 月にも医療関係者らへの使用を開始し、年明けには一般の患者にも門戸を広げたい考えだ。

ただ、WHO のキーニー事務局長補はワクチンの安全性について「サルへの実験では非常に良い結果が得られているものの、サルは人ではない」として、慎重に見極める方針だ。 米疾病対策センター (CDC) は、対策が強化されなければ感染者数が来年 1 月までにリベリアとシエラレオネだけで 55 万 - 140 万人に達すると推計している。 (kyodo = 9-28-14)


エボラ熱患者、最悪 140 万人に 米機関が試算

米疾病対策センター (CDC) は 23 日、西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱について、適切な措置がとられなかった場合、来年 1 月中旬の感染者が 55 万 - 140 万人に達する可能性があるとの試算を発表した。 一方、患者の 7 割が隔離施設などで適切な治療を受ければ、流行は終息する、との見通しも示した。

CDC は、リベリアとシエラレオネの両国について、今年 8 月下旬までの感染者数や増加傾向をもとに分析。 感染者が 140 万人に達する最悪ケースは、世界保健機関 (WHO) が公表している人数より、実際には 2.5 倍の感染者がいる場合を想定したもの。 オバマ大統領が今月 16 日に発表した米兵約 3 千人を現地に派遣する支援策などは考慮されていない。

WHO は当初、6 - 9 カ月以内に感染者が 2 万人に達するとしていた予測を「11 月上旬」に前倒ししている。 CDC の今回の予測も従来の予測を上回るペースで増えていることを示したものだ。 WHO が 23 日に発表した西アフリカの感染者数は、これまでに計 5,864 人。 (ニューヨーク = 小林哲、asahi = 9-24-14)


【エボラ出血熱】 西アフリカ 4 ヶ国、死者 2,811 人に

世界保健機関 (WHO) は 22 日、西アフリカで流行するエボラ出血熱の死者(疑い例を含む)が 20 日時点で計 2,811 人に達したと発表した。 リベリア、ギニア、シエラレオネでは依然として感染の拡大傾向が続いている。 WHO は、14 日時点の死者を 2,630 人と発表していた。 20 日までに感染が確認されたか疑われる患者は、ナイジェリア、セネガルを加えた 5 カ国で計 5,864 人。 死者の内訳はリベリア 1,578 人、ギニア 632 人、シエラレオネ 593 人、ナイジェリア 8 人。 (kyodo = 9-23-14)


エボラ熱、死者 2,400 人超 WHO、人的支援呼びかけ

西アフリカで大流行中のエボラ出血熱対策について、世界保健機関 (WHO) のマーガレット・チャン事務局長は 12 日、スイス・ジュネーブの本部で会見し、「お金も資材も重要だがそれらだけでは感染は止められない。 人的資源、特に対策法を知る医師や看護師らが何よりも必要だ。」と述べた。 また、同日現在、死者が 2,400 人を超えたことも明らかにした。

チャン事務局長は、キューバのモラレス保健相とともに会見。 キューバはシエラレオネに 165 人の医師や看護師らを派遣すると発表した。 チャン事務局長は「医師らの派遣では最大規模の申し出」と述べ、他国からも同様の支援の申し出が続くことを期待する考えを示した。(ジュネーブ = 松尾一郎、asahi = 9-13-14)


リベリアのエボラ感染者、今後数週間でさらに数千人 = WHO

[ジュネーブ/フリータウン] 世界保健機関 (WHO) は 8 日、西アフリカでエボラ出血熱の流行が最も深刻なリベリアについて、今後数週間で新たに数千人の感染が確認されるとの見通しを示した。 今回の流行は 1976 年の病気発見以来最悪で、これまでに、ギニア、シエラレオネ、リベリア、ナイジェリアで 2,100 人が死亡。 感染範囲はセネガルにも拡大している。 リベリアでの死者は 1,089 人と、全体の半数以上を占める。

WHO は、流行の終息には 6 - 9 カ月を要し、感染者は 2 万人に達すると予想している。 国連の報道官によると、潘基文事務総長は、英国のキャメロン首相、フランスのオランド大統領、キューバのラウル・カストロ国家評議会議長、および欧州連合 (EU) のファンロンパイ大統領と電話で会談し、一段の支援を求めた。 (Reuters = 9-9-14)


エボラ熱ワクチン、11 月にも利用可能に WHO 発表

世界保健機関 (WHO) は 5 日、2 種類のエボラ出血熱のワクチンについて、早ければ 11 月から利用可能になると発表した。 臨床試験で安全を確認後、医療従事者に試験的に投与される見通し。 実現すれば、治療が困難とされるエボラ出血熱の封じ込めが大きく前進しそうだ。

2 種類のワクチンは、カナダの研究機関などが開発したものと、英国の大手製薬会社などが開発したもの。 WHO は 4、5 の両日、スイス・ジュネーブで開いた専門家会合で、エボラ出血熱の治療や予防の方法を検討し、この 2 種類が利用可能になるとの見解に至った。 WHO のマリーポール・キーニー事務局長補は、会合後の記者会見で「治療法がないと信じられてきたが、望みが開けてきた」と述べた。

エボラ出血熱の治療では、米国人の医療関係者などに投与された米国の未承認治療薬「ZMapp」が効果的とされた。 しかし、この薬は現在、在庫が底をついており、その他の治療法が求められている。 (ジュネーブ = 松尾一郎、asahi = 9-6-14)


エボラ熱の死者 1,900 人超える、国連「630 億円の対策費必要」

[ワシントン/コナクリ/ダカール] 世界保健機関 (WHO) のマーガレット・チャン事務局長は 3 日、エボラ出血熱の死者が 1,900 人を超えたと発表した。 先週の 1,500 人強から急増したことになる。 チャン事務局長はワシントンで行った会見で、ギニア、シエラレオネ、リベリアで、感染が確認、または感染の可能性が高い人は 3,500 人に上ると明らかにした。 国連でエボラ熱対策を担当するナバロ調整官は、感染封じ込めのため、西アフリカ諸国に物資を供給するには少なくとも 6 億ドル(約 630 億円)が必要だとの考えを示した。 WHO は先週、感染拡大阻止には推計 4 億 9,000 万ドルが必要だとしていた。

一方、ギニアのエボラ熱対策チームは、首都コナクリの南東約 750 キロの Kerouane で、新たに 9 件の感染が見つかったと発表。 Kerouane ではこれまで感染は確認されていなかったという。 米疾病予防管理センター (CDC) のトーマス・ケニオン氏は、エボラ熱の感染拡大が「手に追えない状況になりつつある」と警告。 エボラ熱を抑制できている地域はどこにもないと述べた。 (Reuters = 9-4-14)


コンゴ民主共和国、エボラ出血熱で 31 人死亡 WHO

世界保健機関 (WHO) は 2 日、アフリカ中部のコンゴ民主共和国で発生したエボラ出血熱で、31 人が死亡したと明らかにした。 AFP 通信などが伝えた。 同国の WHO 広報官は「感染は首都キンシャサから 800 キロ北の地域に封じ込められている」としている。 地元報道などによると、同国の感染者には西アフリカからの渡航者はいないとみられ、同国当局は西アフリカのエボラ出血熱とは異なる流行だとみているという。(ヨハネスブルク = 三浦英之、asahi = 9-2-14)


エボラ熱、セネガルで初の感染者 西アフリカで 5 カ国目

西アフリカ・セネガルの政府は 29 日、同国内で初めてのエボラ出血熱の感染者が確認されたと発表した。 ロイター通信などが伝えた。 西アフリカで感染が確認された国は、ギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリアに続き 5 カ国目になった。 セネガル政府によると、隣国ギニアの首都コナクリから来た学生の感染が確認された。 ギニア政府から「エボラ出血熱の感染者と接触していた可能性のある学生が 3 週間前からいなくなっている」との連絡を受けて捜したところ、セネガルの首都ダカールで治療を受けていたことがわかったという。

学生は病院側にはエボラ出血熱の感染者と接触した可能性を告げていなかったといい、セネガル当局が学生と接触した人の追跡を急いでいる。 西アフリカの交通の要所であるセネガルには、国連機関や援助団体などが拠点を置く。 同国で感染が広がると、西アフリカ全体の感染の封じ込めが難しくなる可能性がある。 セネガル政府は先週、感染の拡大を阻むため、隣国ギニアとの国境を封鎖。 リベリアやシエラレオネとの空路や海路も閉鎖している。 (ヨハネスブルク = 三浦英之、asahi = 8-30-14)


エボラ出血熱ワクチン臨床試験へ 米衛生研究所

米国立衛生研究所 (NIH) は 28 日、西アフリカで猛威をふるうエボラ出血熱について、開発中のワクチンの臨床試験を来週から始めると発表した。 エボラ出血熱のワクチンや治療薬は、動物実験などで効果が確認された候補が複数あるが、実際に薬として承認されたものはまだない。

NIH によると、臨床試験をするのは英国の製薬会社「グラクソ・スミスクライン」が開発中のワクチン。 サルでの実験では「極めて良好な効果が確認されている」という。 健康な大人 20 人を対象に安全性を中心に調べ、年内に初期の結果が得られるという。 薬の臨床試験は 3 段階あり、大勢の患者を対象に効果を確認する最終試験を経て承認される。 今回の臨床試験に関わる専門家は「我々はまだ入り口に立ったにすぎない」とコメントしている。 (ワシントン = 小林哲、asahi = 8-29-14)


エボラ未承認薬「提供の用意」 富士フイルム傘下社開発

西アフリカでエボラ出血熱の感染者が急増している問題で、菅義偉官房長官は 25 日午前の会見で、エボラ出血熱に有効な可能性がある日本企業が開発した未承認薬について、「提供する用意がある」と述べた。

提供が検討されているのは、富士フイルムホールディングス傘下の富山化学工業がインフルエンザ治療薬として開発した「アビガン」。 エボラ出血熱に効果がある可能性が指摘され、各国から日本に照会が寄せられている。 菅氏は「世界保健機関 (WHO) からの要請があれば未承認薬を提供する用意がある」と説明。 さらに「WHO の結論が出る前であっても、緊急の場合は一定の条件下で個別の要請に応じる用意がある」と語った。 (asahi = 8-25-14)


コンゴでもエボラ熱発生、西アフリカの流行とは「無関係」

アフリカ中部・コンゴ民主共和国(旧ザイール)は 24 日、同国内で今年初となるエボラ出血熱の感染者を 2 人確認したと発表した。 ただ、西アフリカ4か国で猛威を振るっているエボラ熱の流行とは無関係としている。 コンゴのフェリックス・カバンゲ・ヌンビ保健相は AFP に対し、謎の熱病によって死亡した患者らから採取した検体 8 件のうち、2 件からエボラウイルスが検出されたと語った。

エボラウイルスは、1976 年にコンゴ民主共和国のエボラ川近くで初めて確認された。 同保健相が後に公共テレビで発表したところによると、今回のエボラ熱発生は同国史上 7 回目。 だが、西アフリカで発生しているエボラ熱の流行とは「つながりはない」といい、感染者 2 人から検出されたウイルス株もそれぞれ異なっていたという。 今回のエボラ熱発生が確認されたのは、首都キンシャサから 1,200 キロ余り北東にある赤道州 Jera 近郊。 当局は直ちに発生地域を隔離する措置を取った。 (フリータウン/シエラレオネ、AFP = 8-25-14)


エボラ熱、1 世紀ぶりの「防疫線」 西アフリカ 3 ヶ国

西アフリカで発生したエボラ出血熱は、制御できない状況になっている。 被害が集中しているギニア、シエラレオネ、リベリア 3 カ国政府は、この感染病との闘いで 1 世紀近く使われてこなかった戦術を復活させた。 「防疫線 (cordon sanitaire)」である。 感染地域の周辺に防疫のための非常線を張り、誰も外に出さないようにするのだ。

防疫線はヨーロッパで 14 世紀に大流行した黒死病(ペスト)で知られる。 だが、最近では 1918 年、発疹チフスの流行を阻止するためポーランドとソ連(当時)の国境に引かれて以来のこととなった。 防疫線は、残酷で非人道的なものになる危険性をはらんでいる。 数世紀前には、防疫線内に留め置かれた人びとが流行が止まるまで、死ぬか生きるかの極限状況のなかに取り残されるという極端なケースもあった。 (ニューヨーク・タイムズ・ニュースサービス、asahi = 8-24-14)


エボラ感染の米国人 2 人が退院 「奇跡のよう」

西アフリカのリベリアでエボラ出血熱に感染し、米アトランタのエモリー大学病院に入院していたケント・ブラントリー医師が 21 日、無事回復して退院した。 ブラントリー医師は病院職員らと握手やハグを交わし、記者会見で「今日は奇跡のような日だ」、「生きて家族と再開できて本当にうれしい」と喜びを語った。

同病院は、ブラントリー医師と共に入院していたナンシー・ライトボルさんも 19 日に退院したことを明らかにした。 本人の希望で発表はしなかったという。 ライトボルさんの夫のデービッド・ライトボルさんは、「ウイルスは消えたが、妻は闘病のために衰弱が激しい」、「休養して回復してもらうため、退院の発表はしなかった」とのコメントを出した。

ブラントリー医師とライトボルさんはリベリアで医療活動に従事していてエボラ出血熱に感染し、隔離施設を搭載した特別機で今月、米国に帰国。 実験段階の治療薬「Zmapp」を投与されていた。 エモリー大学病院感染症病棟のブルース・リブナー医師は同日記者会見し、2 人の退院が「公衆の安全を脅かすことはない」と強調。 臓器の障害を起こすことなくエボラ出血熱から回復した患者は一般的に、「完全な回復」が見込めると説明した。 Zmapp の効果については「助けになったのかどうか、違いがあったのかどうかは分からない」と慎重な見方を示した。 (CNN = 8-22-14)


リベリアでエボラ熱隔離施設を群衆が襲撃、患者連れ去る

[モンロビア] エボラ出血熱の感染が拡大している西アフリカ・リベリアの首都モンロビアで 16 日、感染者の隔離施設が襲撃され、備品や食料が略奪されたほか、患者が連れ去られた。 医療関係者らが明らかにした。 関係者によると、同日夜に群衆が石を投げるなどして施設を襲ったという。 施設のあるウエストポイントでは、政府に対する住民らの信頼は低く、隔離施設を通じて地域にエボラ熱が広まるのではないかと不安もある。 こうした不安の背景には、情報の不足やウイルスがもたらす影響への恐れがあるとみられる。 リベリアのほか、ギニア、シエラレオネ、ナイジェリアでは 3 月以降、死者が 1,000 人以上に上っている。 (Reuters = 8-18-14)


エボラ出血熱、封じ込めに 6 か月 … 現地の医師団

【ジュネーブ = 石黒穣】 エボラ出血熱の感染者が増え続ける西アフリカの現場で活動する「国境なき医師団」のジョアンヌ・リュー会長は 15 日、ジュネーブで記者会見し、感染封じ込めまでに「少なくとも 6 か月かかる」との見通しを示した。 現地では医療支援のための臨時施設や人員の数が追いついていないと強調し、「戦時下のようだ」と述べた。

世界保健機関 (WHO) の 15 日の発表によると、西アフリカのギニア、リベリア、シエラレオネ、ナイジェリアの 4 か国で 13 日現在、エボラ出血熱の感染者は 2,127 人、死者は 1,145 人となった。 集計は、各国の保健当局の報告に基づいており、WHO は実態について、はるかに大きい数字の可能性があるとしている。 (yomiuri = 8-17-14)


エボラ熱、日本でも「万が一」へ警戒 空港は監視強化

西アフリカで猛威をふるうエボラ出血熱。疑い例も含む患者数は 2 千人を超え、半数以上が亡くなった。 世界保健機関 (WHO) が国際的な緊急事態を宣言し、国際医療 NGO 「国境なき医師団」の会長は 15 日、「戦争」と訴えた。 緊張が高まるなか、約 1 万 4 千キロ離れた日本でも「万が一」への備えが始まった。

シエラレオネ東部のエボラ出血熱専門の治療施設。 ここには生後数カ月の赤ちゃんから 70 - 80 代の高齢者まで、多い日で 20 人の患者が運ばれてきた。 だが、承認された治療薬はなく、看護師たちは解熱剤や点滴といった対症療法しかできない。 「治りますよ」と言ってあげることもできないまま、発症後、1 週間から 10 日で多くの人が亡くなり、なかには入院後数時間で死に至った人もいた。 (野中良祐、asahi = 8-17-14)


未承認のエボラ治療薬、WHO が使用認める見解

世界保健機関 (WHO) は 11 日、エボラ出血熱の治療を巡って医学倫理の専門家らによる会合を開き、未承認の実験的な薬の使用を容認するとの立場を示した。 WHO によると、西アフリカで流行しているエボラ出血熱の感染者は 1,848 人、死者は 1,013 人に達している。 会合は全会一致で、効果や副作用が確認されていない薬を患者に使っても倫理上問題はないとの結論を出した。

WHO のキーニー事務局長補は、今回の流行では従来と違い、防護服や接触者の追跡調査といった通常の手法のスピードが追いついていないようだと指摘。 発生国の医療体制が整備されていないため、対策に限界があるとも語った。 会合では「命を救える治療薬があるなら使うべきではないか」との意見が出たという。 キーニー氏によれば、開発段階の薬やワクチンは数種類あるものの、いずれも臨床試験に至っていないうえ、在庫も限られている。

治療薬がないという事実の背景には市場の原理があると、キーニー氏は話す。 エボラ出血熱の患者は貧困国に住む貧しい人々が大半を占めるため、市場が成立しない」という。 キーニー氏は、この問題を今こそ是正すべきだと強調した。 WHO は今月末に再び会合を開き、限られた薬の投与対象をどのように決めるかについて話し合うという。 WHO は供給を仲介せず、情報提供にとどめる方針だ。

エボラ出血熱の治療ではこれまでに、米カリフォルニア州のマップ・バイオファーマシューティカル社が開発している未承認の薬「ZMapp」が、リベリアで感染した米国人医師ら 2 人とスペイン人神父に投与された。 米国人 2 人は快方に向かっているとされるが、神父は 11 日朝に死亡した。 リベリア政府は国内の医師 2 人の治療のため、ZMapp の供給を要請。 米食品医薬品局 (FDA) がこれを承認し、薬は週内にも同国へ送られることになっている。 米ケンタッキー・バイオプロセシング社が ZMapp の量産に取り組んでいるものの、実現までには数カ月かかるといわれている。 (CNN = 8-13-14)


エボラ熱、中国人医師ら 8 人感染か 死者 1,013 人に

西アフリカのシエラレオネで、大流行しているエボラ出血熱の感染者を手当てしていた中国人の医師ら 8 人が、感染の疑いがあるとして隔離されていることが分かった。 AFP 通信が 11 日、現地の中国大使の発言として伝えた。

隔離されているのは医師 7 人と看護師 1 人で、症状は不明。 エボラ出血熱による死者はシエラレオネなど西アフリカ 4 カ国で約 1 千人に上る。 医療関係者の感染も深刻で、100 人以上が感染しているとみられる。 シエラレオネ政府は緊急事態を宣言し、軍部隊 1,500 人を感染集中地域に配備して、人の往来を規制するなどの封じ込め策を取っている。(ヨハネスブルク = 杉山正、asahi = 8-12-14)


エボラ出血熱、ナイジェリアも非常事態宣言 2 人死亡

西アフリカでエボラ出血熱が大流行していることを受け、ナイジェリアのジョナサン大統領は 8 日、国家非常事態を宣言した。 AFP 通信が報じた。 これまでシエラレオネとリベリアが非常事態を宣言している。

宣言に際し、ジョナサン大統領は感染を防ぐために大規模な集会を控えることや、学校の夏休みを延長することなどを要請した。 緊急対策として 19 億ナイラ(約 12 億円)の資金を拠出。 新たな隔離施設を建設するほか、国境での検疫態勢を強化する。 ナイジェリアでは 7 月、感染した米国籍の男性がリベリアから最大都市ラゴスの空港に到着後に倒れて死亡。 手当てをした医療関係者も感染して死亡した。 政府は 8 日、死亡した 2 人を含め感染者は 9 人に上り、139 人を観察下に置いていると発表した。 (杉山正、asahi = 8-9-14)


エボラ熱死者 932 人に サウジ、感染疑いの男性死亡

【ロカルノ(スイス)】 世界保健機関 (WHO) は 6 日、西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱について、感染が確認または疑われる死者が 4 日までにリベリアなど 4 カ国で計 932 人に上ったと発表した。 死者は今月 2 - 4 日の 3 日間に 45 人増えた。

サウジアラビア保健省は 6 日、エボラ熱への感染が疑われていた 40 代のサウジ人男性が西部ジッダの病院で同日死亡したと発表した。 中東での死者は初めてとみられる。 WHO は 6 日、エボラ熱に関する専門家による緊急委員会をジュネーブで開催。 7 日までの予定で、感染状況が「国際的な公衆衛生上の緊急事態」に該当するかどうか判断する。 (kyodo = 8-6-14)


エボラ熱、死者 887 人に WHO 「緊急事態」宣言検討

世界保健機関 (WHO) は 4 日、西アフリカ諸国で流行中のエボラ出血熱の死者が 887 人に達した、と発表した。 WHO は 6 日と 7 日に専門家による緊急委員会の会合を開き、緊急事態を宣言するかどうかなどを検討する。 感染が広がっているのは、ギニアとリベリア、シエラレオネ、ナイジェリアの 4 カ国で、感染者数は疑い例も含めて計 1,603 人になった。 国別の死者数は、ギニアが 358 人、リベリアが 255 人、シエラレオネが 273 人、ナイジェリアが 1 人。

緊急会合に先駆け、WHO のマーガレット・チャン事務局長は 1 日、ギニアで関係国の首脳と協議し、数百人規模の医療従事者を各国に派遣することを柱とした 1 億ドル規模の対策案を発表していた。 WHO の広報担当者によると、緊急委員会の検討結果は 8 日に公表される。(ジュネーブ = 松尾一郎、asahi = 8-5-14)


エボラ出血熱拡大、各国が非常事態宣言 国境封鎖も

西アフリカでエボラ出血熱の感染拡大が止まらない。 世界保健機関 (WHO) によると、死者は 729 人に達した。 前例のない規模の流行に各国が非常事態を宣言し、学校の一時閉鎖や国境封鎖などの緊急対策がとられているが、終息する見通しはない。 AFP 通信によると、WHO のマーガレット・チャン事務局長は 1 日、関係各国を集めて開かれた首脳会合で「我々の努力を超える早さで拡大している。 状況悪化が続けば、人的被害に加え、社会経済的に甚大な影響が出る。 さらに他国への拡大の恐れがある。」と対策強化の必要性を訴えた。

エボラ出血熱の流行は、今年 2 月ごろにギニアで確認されて以降、リベリア、シエラレオネに拡散。 ナイジェリアでは先月、リベリアから来た男性が最大都市ラゴスの空港に到着後に倒れて病院で死亡した。 これを受けて一部航空会社がリベリアとシエラレオネへ乗り入れる全便を運航停止にするなど混乱が広がっている。 (カイロ = 杉山正、asahi = 8-2-14)


エボラ流行は「悪化の一途」、ボランティアも退避

西アフリカのエボラ出血熱流行で、現地で活動していた米支援団体は 30 日、感染が広がっている国からボランティアを出国させると発表した。 リベリアは学校をすべて休校とするなど感染拡大防止策を強化している。 世界保健機関 (WHO) が 7 月 23 日までに確認した感染者は 800 人を超え、感染の疑いがある症例も含めると 1,200 人に達する。 このうち感染が確認された死者は 456 人、感染の疑いのある患者の死者はさらに 216 人に上る。

しかし現地で治療に当たっている国境なき医師団の代表は、「感染者が出ていながら、我々がまだ把握できていない場所が多数ある」と指摘する。 「これほどの流行は前例がない」、「制御できないまま、状況が悪化し続けている」と述べ、「すぐにも状況が改善しなければ新たな国々が真の危険にさらされる恐れがある」と危機感を示した。

米途上国支援団体の「平和部隊」は 30 日、リベリア、シエラレオネ、ギニアの 3 カ国で活動していたボランティア 340 人を出国させると発表した。 活動再開のめどは明らかにしていない。 現時点で同団体のボランティアの感染は確認されていないものの、エボラ出血熱で死亡した人と接触していた米国人ボランティアが 2 人いるという。 この 2 人は発症はしておらず、念のために隔離して経過を観察している。 安全が確認された時点で米国への帰国を手配する方針。

さらに、メンバーの米国人 2 人が感染したキリスト教系の「サマタリアンズパース」などの人道支援団体も、緊急に必要としない要員をリベリアから出国させていることを明らかにした。 感染した 2 人はまだ重い症状が続いているが、「過去 24 時間でやや改善がみられる」という。 リベリアは国境の封鎖に続き、国内の学校をすべて休校とし、国境地帯の市場を閉鎖する措置を取った。 国民に対しては人の集まる娯楽施設などを避けるよう呼びかけ、31 日に全公共施設の消毒を行うと発表した。 (CNN = 7-31-14)


エボラ出血熱、リベリアで米医療関係者 2 人が感染

西アフリカでエボラ出血熱の感染が拡大するなか、リベリアで患者の治療に当たっていた米国人の医療関係者 2 人が感染したことが 28 日までに分かった。 リベリアの首都モンロビアで支援活動を実施しているキリスト教系人道団体が 26 日、米インディアナ州出身の男性医師 (33) の感染を発表した。 この医師は昨年 10 月以降同国の病院で活動し、エボラ出血熱が発生してからは治療センターの責任者を務めていた。 先週発症し、自発的に隔離病棟に入ったという。

この団体と共同で対策に当たっている別のキリスト教系団体でも、米ノースカロライナ州出身の女性の感染が確認された。 女性は夫とともに昨年 8 月からモンロビアに滞在し、団体の人事部門を担当していた。 夫婦には成人した子どもが 2 人いるという。 西アフリカで 4 カ月前から感染が広がっているエボラ出血熱では、今月 20 日までに疑い例を含めた死者が 660 人、感染が確認された死者は 442 人に上り、過去最悪の規模に達している。 (CNN = 7-28-14)


ナイジェリア大都市の病院でエボラ死者、感染拡大を懸念

ナイジェリアの最大都市ラゴスの病院で、エボラ出血熱の感染が確認された患者が死亡したことが 27 日までに分かった。 これまでに患者が確認されたギニア、シエラレオネ、リベリアの 3 カ国以外への感染拡大が懸念されている。 地元保健当局によると、死亡したのは 40 歳のリベリア人男性。 リベリアの首都モンロビアで西アフリカの地域機関に勤務していた。 20 日にラゴスの空港に到着し、エボラ出血熱とみられる症状を示したため同市内の病院に隔離された。 エボラ出血熱の患者に接触したり、遺体の埋葬に立ち会ったりしたことはないと話していた。

ナイジェリアのチュク保健相は 25 日、男性が死亡したと発表し、「精密検査の結果、エボラ出血熱のウイルスに感染していたことが確認された」と述べた。 地元当局は 24 日の時点で「患者の容体は安定し、回復に向かっている。 検査の結果は確定していない。」と発表していた。 世界保健機関 (WHO) が 20 日に発表した統計によると、西アフリカのエボラ出血熱では過去 4 カ月間に疑い例を含め 1,093 人が感染、660 人が死亡した。 検査で感染が確認された患者は 786 人で、このうち 442 人が死亡している。

シエラレオネでは対策を指揮していた医師が感染し、国際医療支援団体「国境なき医師団」の治療を受けている。 エボラ出血熱は致死率の高い出血性疾患。 感染から症状が出るまでの潜伏期間中、感染者が気づかないまま移動してウイルスを広めてしまう恐れがある。 (CNN = 7-27-14)


エボラ死者 600 人超に、感染拡大止まらず

西アフリカで流行しているエボラ出血熱の感染拡大が止まらない。 世界保健機関 (WHO) などは流行を食い止めるため、対策の強化に乗り出している。 7 月 12 日までにギニアとリベリア、シエラレオネの 3 カ国で確認された感染者の累計は 964 人に達し、このうち 603 人が死亡した。 死者の数は、350 人だった 6 月中旬から 1 カ月でほぼ倍増している。

ギニアの首都コナクリには調整センターが設置され、WHO が専門家を派遣。 訓練を受けたボランティアも、感染の疑いがある患者の発見や感染者の隔離などの活動を支援している。 ギニアでの流行は今年 3 月、米疾病対策センター (CDC) に最初の症例が報告され、ユニセフは同月末までに感染者 80 人のうち少なくとも 59 人が死亡したと発表した。 4 月にはコナクリや、隣国のリベリアとシエラレオネに感染が広がった。

エボラ出血熱に感染すると、通常は 90% が死に至る。 しかし今回の流行では早期治療が奏功して致死率は 60% 程度にとどまる。 CDC は流行の拡大を食い止めるのが難しい理由として、医療インフラの不備や地域社会が抱く不信感、感染が広がっている国での抵抗を挙げる。 WHO によれば、西アフリカでエボラ出血熱が大流行したのは初めてで、現状に対する混乱や恐怖が広がっている状況だという。 (CNN = 7-17-14)


エボラ出血熱の死者 350 人に、「制御不能」 西アフリカ

西アフリカでエボラ出血熱の感染が拡大している問題で、現地で治療に当たっている国際医療支援団体の「国境なき医師団」は、流行が前例のない勢いで広がり、制御できない状況に陥ったと発表した。 世界保健機関 (WHO) の最新の統計によると、流行が始まった 3 月以降に確認された患者は 567 人で、死者は 350 人に上る。

過去のエボラ出血熱の流行は、都市から離れた地方部にとどまり、拡大を食い止めやすいのが普通だった。 しかし今回は状況が異なり、ギニア、シエラレオネ、リベリアの 60 カ所で患者が確認されているという。

原因の一端は、最初にウイルスが見つかった地点が、ギニアの首都コナクリなどの都市部に近いジャングルだったことにあるとみられる。 コナクリの人口は 200 万人で、国際空港もある。 エボラ出血熱には 2 - 21 日の潜伏期間があるため、感染者が気づかないまま渡航している可能性もある。 エボラ出血熱は、感染すると頭痛や発熱など風邪のような初期症状が出て、やがて激しい下痢や嘔吐に見舞われ、血液が凝固できなくなって体内や体外で出血する。 多くは平均 10 日で死に至る。

現時点で現地入りして治療に当たっている援助団体は国境なき医師団のみ。 3 月の発生以来、300 人以上を派遣し、40 トンあまりの物資を送り込んできた。 しかしそうした対策は既に限界に達し、「もはや新たな流行が発生した場所にチームを派遣できなくなった」と説明。 流行を食い止めるためには、地元政府や支援団体などの大規模な動員が必要だと呼びかけている。

WHO は 7 月 2 - 3 日に衛生当局による高官級協議を開き、現地への物資輸送や専門家の派遣について話し合う。 エボラウイルスのワクチンや治療法は存在しない。 しかし初期段階で手当てを受ければ命を落とさずに済むこともある。 致死率は通常 90% に達するが、今回の場合は 60% 程度にとどまっている。

ウイルスに感染しても、発症していなければ他人に感染させる恐れはないとされる。 衛生当局などは住民に対し、かぜのような症状が出た場合は地元の医師や国境なき医師団の診察を受けるよう促している。 (CNN = 6-24-14)


エボラ出血熱の死者 100 人超、「最も厳しい」と WHO

世界保健機関 (WHO) は 8 日、西アフリカ沿岸部で発生したエボラ出血熱の流行がギニアとリベリアに広がっていることを確認した。 死者は両国で 100 人を突破している。 シエラレオネとマリ、ガーナでも症例が報告されているが、まだ確認はとれていないという。

ギニアで感染が疑われる患者は 157 人に増え、101 人が死亡。 67 人がエボラ出血熱と確認された。 リベリアでは 21 人の症例が報告されて 10 人が死亡、うち 5 人のエボラ感染が確認されている。 流行はギニア南東部の森林地帯で発生して急拡大し、シエラレオネやリベリアとの国境に近いゲケドクで多数の死者が出ている。 また、ギニアの首都コナクリでも 20 人に感染の疑いがある。

WHO のフクダ事務局長補は、「これまでに直面した中で最も厳しいエボラ出血熱の流行の 1 つ」との見方を示した。 西アフリカでエボラ出血熱の流行が表面化したのは今回が初めて。 医師や医療関係者はエボラウイルスに対応した経験がなく、恐怖や不安が広がってデマが流れる恐れもある。

WHO は現地に派遣している職員を現在の約 50 人からさらに増やし、感染防止などの対策に当たる。 マリ政府はエボラ感染が疑われる 3 人の試料を確認のため米疾病対策センター (CDC) に送っていたが、WHO によれば、うち 2 人は陰性で、残る 1 人は結果待ちだという。 同国では 9 人の感染が疑われている。 (高木真也、CNN = 4-9-14)


ギニアのエボラ出血熱で 59 人死亡、高致死率のザイール型か

[ダカール] 西アフリカのギニアで感染症のエボラ出血熱が流行し、2 月初めからの死者が少なくとも 59 人に上っている。 研究者らによると、最も致死率の高いザイール型ウイルスとみられるという。

最初の感染はギニア南東部で確認され、これまでに 6 人からエボラウイルスが検出された。 首都コナクリで感染が疑われる患者からは、今のところウイルスは検出されていないが、隣国シエラレオネでも疑わしい感染例が報告されるなど、保健システムがぜい弱な周辺国への感染拡大が懸念されている。

ウイルス検査などを行っている仏パスツール研究所は声明で、「初期の遺伝子解析によると、ウイルスはザイール型と一致している」と指摘した。 エボラ出血熱は、風邪に似た痛みから内臓疾患による出血まで症状はさまざまで、コウモリなどの動物から人間に感染した後、血液や体液などを通じて感染が拡大する。 ザイール型ウイルスでは、コンゴ共和国で 2007 年に発生した大規模感染で 187 人が死亡。 ギニア保健省の責任者によると、同国で感染が疑われる例は 24 日までに 86 人に増加したという。 (Reuters = 3-25-14)