福島の洋上風力発電、全撤退へ 600 億投じ採算見込めず

政府が、福島県沖に設置した浮体式洋上風力発電施設を全て撤去する方針を固めたことが 12 日、関係者への取材で分かった。 東京電力福島第 1 原発事故からの復興の象徴と位置付けて計約 600 億円を投じた事業で、民間への譲渡を模索していたが、採算が見込めないと判断した。 経済産業省は、来年度予算の概算要求に撤去関連費 50 億円を盛り込んだ。 再生可能エネルギー関連の産業を推進する福島県にも痛手となりそうだ。 浮体式洋上風力発電施設は 2012 年から、原発事故で一時全町避難となった楢葉町の沖合約 20 キロに 3 基を順次設置した。 最大の 1 基は今年 6 月、不採算を理由に撤去済み。 (kyodo = 12-12-20)

前 報 (7-8-16)


レジ袋辞退率は 7 割、義務化前の倍以上に 環境省が公表

プラスチック製レジ袋の有料化をすべての小売店に義務づけた結果、過去 1 週間でレジ袋を店頭で受け取らなかった人が 72% に達し、94% の人がマイバッグを持っていることがわかった。 環境省が 9 日、東京都内のイベントで公表した。 11 月下旬、北海道や関東、九州などに住む 15 - 79 歳の男女を対象に 2 千人規模のウェブ調査をした。 環境省は義務化で辞退率を年内に 60% にする目標を掲げており、平尾禎秀・リサイクル推進室長は「正直『できるのかな』と思っていたが、無事達成できた」と話した。 義務化前の今年 3 月の辞退率は 30% だった。

辞退率が最も高かった年代層は 60 代以上で 84%。 最も低かったのは 20 代の 57% だった。 全体では女性の辞退率が高かった。 レジ袋を受け取った理由は「マイバッグを忘れた」、「ごみ袋として必要」が多かった。 持ち手がないものなどプラ製レジ袋の一部は今も無料だが、「もし有料だったらどうしていたか」と尋ねると、約半数が「購入しなかったと思う」と答えた。 マイバッグを常に携帯している人は 52% だった。 環境省は「義務化に一定の効果があった」とした。 義務化をきっかけに、プラごみ問題への関心について「高まった」などと答えた人は 8 割だった。 レジ袋の辞退率は小売店側でも調べており、コンビニ大手 3 社の 7 月の調査でも、義務化前の 3 割から 7 割超になっている。 (戸田政考、asahi = 12-9-20)


洋上風力、世界最大手が国内 2 社と共同応札へ 政府公募事業

政府が洋上風力発電を推進する新法「再エネ海域利用法」に基づき初めて公募した着床式の洋上風力発電事業に、世界最大手のオーステッド(本社デンマーク)が日本の陸上風力大手の日本風力開発、ユーラスエナジーの 2 社と共同で応札する方針を固めた。 近く発表する。 オーステッドによる日本での公募応札は初めて。 菅首相は洋上風力などで温室効果ガス削減を推進する方針で、3 社は事業拡大を通して日本で関連産業の育成も目指す。

政府は 11 月 27 日、発電事業者に一般海域の 30 年間の占有を認める同法に沿って秋田県沖と千葉県沖の計 4 区域で公募を開始。 3 社は秋田の「能代市・三種町・男鹿市沖」、「由利本荘市沖北側」、「同市沖南側」の 3 区域に応札する。 発電機の土台を海底に直接建てる着床式は風車の大型化が可能で、発電規模は同 3 区域で計 114.5 万キロワットと原発 1 基分に相当する。 3 社は共同出資会社を日本に設立し、新たな公募にも応札する。

2050 年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指す首相は、3 日の国際会議で「洋上風力発電など海洋の力を活用し脱炭素社会の実現に向けた国際社会の取り組みを主導する」と強調。 4 日の記者会見では環境分野の技術革新を支援する 2 兆円の基金創設を表明するなど、環境対策を通して国内産業を伸ばし雇用創出を図る考えだ。 3 社はこうした政府の意向に対応し、施設建設や部品調達などで地元企業の参画を最大限に進め産業育成を後押しする方針。 すでに日本風力開発は秋田県企業と国内初の洋上風力発電メンテナンス専門会社を同県能代市に設立し、地元金融機関からの資金調達や産学連携、市民ファンドの設立なども計画している。

関係者によると、ユーラスエナジーと日本最大の風力発電メンテナンス専業会社を傘下に持つ日本風力開発の国内陸上風力における合計シェアは約 3 割を占めており、洋上風力の世界最大手と組むことで洋上風力事業の拡大を図る。 公募が有望視される青森県沖や山形県沖の事業にも応札する方針だ。 今回の公募受け付けは来年 5 月までで、来年 10 月頃に事業者を選び、数年内の運転開始を目指す。 東京電力ホールディングスと中部電力が出資する JERA や、再エネ開発大手のレノバなども参入を目指す構えで競争激化は必至だ。 政府は約 2 万キロワット(19 年)の洋上風力の発電能力を 30 年までに 1,000 万キロワットに拡大することを目指している。 (sankei = 12-7-20)

◇ ◇ ◇

「洋上風力発電」促進区域で発電希望する事業者の公募始まる

再生可能エネルギーとして普及が期待されながら、日本では普及が遅れている「洋上風力発電」について、促進区域に指定された秋田県沖と千葉県沖の 4 区域で発電を希望する事業者の公募が始まりました。 風車の土台を海底に固定する「着床式」での公募は初めてです。 洋上風力発電は、陸上と比べて大型の施設を使って安定した発電ができるのが特徴ですが、日本ではヨーロッパなどに比べ普及が遅れているため、政府は全国で法律に基づく促進区域の指定を進めています。

このうち、千葉県の「銚子市沖」と、秋田県の「能代市・三種町・男鹿市沖」、「由利本荘市沖の北側」と「由利本荘市沖の南側」の合わせて 4 つの区域で 27 日から、新たに公募が始まりました。 公募の受け付けは来年 5 月までで、選ばれた事業者は 30 年間、該当する海域を使用できます。 洋上風力発電には、風車の土台を海底に固定する「着床式」と、海上に浮かべる「浮体式」の 2 種類があり、浮体式は長崎県五島市沖で、すでに公募が始まっていますが「着床式」の公募は今回が初めてです。 洋上風力発電をめぐっては、普及を目指して、政府が民間とともに将来的な導入見通しや、送電線や港湾といったインフラ整備の目標などについて検討を進めています。 (NHK = 11-27-20)


土中で分解、100% 天然由来の「環境にも懐にもやさしい」竹プラスチックに注目

近年、廃棄プラスチックが環境問題になる中、鳥取県八頭町郡家の金型製作業「ケイケイ」が開発した竹を主な原料にしたプラスチック素材に注目が集まっている。 土の中で生分解し、燃やしても有害物が発生しない 100% 天然由来なのが特色。 この素材を使った環境にやさしい商品が県外の企業と組んで開発され始めている。 この商品名は「フューセロン」。 竹の幹や枝、葉をそのまま破砕して固めたペレットを原料に、コーンスターチ(トウモロコシのでんぷん)など天然由来のものを結合材として加えて樹脂を作る。 製品を加工する際はこれまでの機械や金型をそのまま使える。 開発した会長の内藤邦武さん (70) は「コストも通常のプラスチック製品を作るより少し高いくらい。 環境にも、企業の懐にもやさしい。」と胸を張る。

内藤さんは約 20 年前、サラリーマンを辞めて兄からプラスチック製造会社を引き継いだ。 「町は衰える一方だが、山と田んぼは無限にある。 ここにある資源を生かした製品を作ろう。」 本業のかたわら、会社の周囲にたくさんある自然を生かしたプラスチック作りの研究をすぐに始めた。 国や県のアドバイスを受けながら、木やもみ殻などさまざまな素材で樹脂を試作。そんな中でも注目したのが竹だった。 地元でも放置された竹林が広がる「竹害」が問題になっていた。 「原料として安く手に入り、しかも無尽蔵」と研究の中心にすえた。

竹を 1 本そのまま破砕するため、できあがった樹脂には枝や葉がわずかに残る。 このためプラスチック製造時の高温で熱すると焦げついてしまった。 一方、温度を下げると流れが悪くなり、金型全体に樹脂が広がらなかった。 そこで熱する温度を低くする一方、あらかじめ金型を温めておき、焦がさずに流動性を保った。 そんな工夫を重ね、約 10 年かかって製造法を確立した。 製造にめどが立った 2013 年、県内で開かれた全国植樹祭で県がフューセロンを使った鉢を採用。 土の中の微生物により分解されるため、鉢ごと植樹された。

時代に沿い世に貢献する製品。 それでも内藤さんは「会社や私の営業力が低くて、なかなか広まらなくて …」と頭をかく。 「皆さんに広く使ってもらい、製造技術もどんどん広めたい」と期待する。 問い合わせはケイケイ (0858・72・1122) へ。

県外から引き合い

素材のすばらしさを知った県外の企業からの引き合いで、環境がキーワードの製品に採用され始めている。 岡山県津山市の緑化工事業「日本植生」は、のり面の緑化などで使うシートを留める道具として、フューセロンで作った「E-ピン」を昨年夏に商品化した。 鹿児島・奄美大島のベンチャー企業「ムズラ社」は、野菜の種と培養土を入れた「カプセルトイ」の容器に採用。 9 月から本格発売され、フューセロン製の容器がそのまま鉢になって好評だ。 (安恒勇気、yomiuri = 11-23-20)


環境省、自然体験促進へ財政支援 登山道整備、手続き簡素化

環境省は 14 日、国立公園や国定公園内で動植物の観察などをする自然体験プログラムを促進するため、登山道など環境整備の費用を財政支援するとともに、必要な手続きを簡素化する方針を固めた。 次期通常国会への提出を目指す自然公園法改正案に反映させる。 コロナ感染拡大に伴い、各地の国立、国定公園では訪日外国人を含む観光客が激減。 ガイドや宿泊施設といった観光関連業者が打撃を受けた。 国内では自然の中での活動や、ワーケーションへの関心が高まり、収束時には、訪日客を中心とした観光需要も再び上向くと予測。 プログラム目当ての利用者が増えれば地元経済の回復にもつながると判断した。 (kyodo = 11-14-20)


気温上昇 2 度と 1.5 度では大違い 温室効果ガス削減

温室効果ガス排出 0 への道

記事コピー (10-30-20)


温室効果高いメタンの放出量増加 国際研究チーム

温室効果ガスのメタンの放出量が、2017 年は世界で 5 億 9,600 万トンに上り、00 - 06 年の年平均放出量と比べて 9% 余り増えた。 こんな推計結果を世界の炭素循環を国際共同研究する「グローバル・カーボン・プロジェクト」がまとめ、独科学誌に発表した。 メタンは二酸化炭素に次いで気候変動に影響を与える温室効果ガスで、チームは「排出源に対し強い対策が必要」と指摘する。 今回の研究には日本を含む 15 カ国の 69 研究機関が参加した。

大気中のメタン濃度は産業革命以降急増。現在の濃度は産業革命前と比べて 2.5 倍になった。 国連気候変動に関する政府間パネル (IPCC) の報告書によると、産業革命以降の世界の平均気温上昇に対しメタンが与えた影響は 23% を占める。 発表によると、17 年のメタン放出量は 5 億 9,600 万トンで、00 - 06 年の年放出量 5 億 4,600 万トンより 9% 余り増えた。 1 番多かったのは廃棄物や農業からの放出で、2 億 2,700 万トン (38%)。 2 番目は自然界の湿地からで 1 億 9,400 万トン (32.5%) だった。 酸素が少ない湿地や水がはられた水田にいる微生物は、土中の有機物を分解しメタンを作ってエネルギーを得るため、湿地や水田は放出が多い。

3 番目が化石燃料の製造と使用で 1 億 800 万トン (18%)。 天然ガスや石炭の採掘時、メタンが漏れることも多いという。 一方、メタンは大気中の別の物質との化学反応や、土壌中の微生物が食べるなどして消滅するため、寿命は 10 年程度という。 17 年の消滅量は 5 億 7,100 万トンで、放出量が 2,500 万トン上回った。放出量と消滅量がつり合いがとれなくなり、放出量が上回って大気中の濃度が上昇している。

研究に参加した国立環境研究所地球環境研究センターの伊藤昭彦室長は「人間活動による放出の削減対策を強め、放出量と消滅量のつり合いがとれれば、確実に放出を実質ゼロにすることが可能」と指摘する。 人間活動のメタン削減対策としては、イネを育てる途中で土を乾かす期間を延ばしたり、牛のゲップを減らす研究が行われたりしている。 化石燃料採掘時にメタン漏出を減らす対策も有効だ。 (神田明美、asahi = 10-24-20)


「空気中から CO2 だけを取り除く膜」が登場! 地上の "温室効果ガスを捕獲できる可能性" あり

地球温暖化などの観点から、温室効果ガスの削減・コントロールは全世界が考慮すべき大きな課題点となってきました。 この点に関して、アメリカ・マサチューセッツ工科大学化学工学科の T・アラン・ハットン氏ら研究チームは 10 月 16 日、科学誌『Science Advances』にて、CO2 を選択的に取り除く膜を作成したと発表。 彼らが開発した特殊な膜は、排気ガスや空気中から CO2 のみを集めて取り除くことができます。 これはつまり CO2 排出のコントロールが可能になったことを意味するのです。

目次
ガスゲーティングメカニズムと膜の構造
空気中から CO2 だけを取り除く
ガスゲーティングメカニズムのメリット

ガスゲーティングメカニズムと膜の構造

新しく作られた膜は、ハチの巣状の六角構造になっています。 1 つ 1 つの穴が通気口となっており、普段は空気などのガスが自由に行き来できます。 そしてこのハチの巣構造の表面は金属の膜(ガスゲート)で覆うことが可能。つまり、金属膜の有無で通気を制御できるのです。この仕組みは研究チームによって「ガスゲーティングメカニズム」と呼ばれています。 さらにこのガスゲートの開閉は、電圧の極性の切り替えによって簡単に行なえるとのこと。 つまり、電気エネルギーで簡単に空気の流れをコントロールできるのです。

ただしここまでの状態だと、CO2 を制御していることにはなりません。 そのため研究チームは、2 つのガスゲート膜の間に酸化還元反応を活性化させるカーボン吸着材を入れることにしました。 これにより、流入してきたガスから二酸化炭素のみを集めることができるのです。

空気中から CO2 だけを取り除く

ガスゲーティングメカニズムによって、空気中や排気ガスから CO2 のみを集める過程を簡単に紹介しましょう。 最初、2 つのガスゲートは片方だけが開いた状態です。これにより片方からガス(空気、排気ガスなど)が流入してきます。ちなみにこのガスに含まれるCO2の割合は大きくありません。 次に、内部にある吸着材の働きによって CO2 のみが集められ、容量限界に達するまで CO2 を吸収し続けます。

その後、電流の極性(+ 極と - 極)が切り替わることで、先ほどまで開いていたガスゲートが閉じ、もう片方の閉まっていたガスゲートが開きます。 このゲートチェンジにより排出が可能になりました。吸収して集まった濃度 100% の CO2 を放出できるのです。

ガスゲーティングメカニズムのメリット

ちなみに、このガスゲーティングメカニズムは従来のメカニズムでは難しかった連続稼働が可能です。 仕組みを見ると分かるように濃度 100% の CO2 を排出したあと、そのまま低濃度の CO2 の吸収を行うことができます。 これにより切り替えによる稼働停止が生じません。いつでも片方のセクションがガスを吸収する役目を果たし、もう片方がガスを放出する役目を果たせるのです。 そしてこの連続性は、電流の極性により膜中を移動できる金属膜ガスゲートによってのみ実現可能です。

加えて、この金属膜は他の素材と比べてガスバリアとしての高い効果を発揮し、安価で豊富に存在している亜鉛が材料になっています。 さらに電気を用いた金属膜の形成法は、膜を維持するためのエネルギーが必要ないというメリットもあります。 膜を切り替える時のみエネルギーが必要なのです。 さて、今回開発されたガスゲーティングメカニズムは、排気ガスや空気から CO2 のみを容易に分離させることができるので、様々な技術への応用が可能だと思われます。 将来、この膜のメカニズムを利用した CO2 コントロールが環境問題の改善に役立つかもしれませんね。 (大倉康弘、ナゾロジー = 10-21-20)


二酸化炭素の 300 倍も温室効果が高い「亜酸化窒素」が地球の未来を危うくしている

2020 年は 1 月、5 月、9 月が「各月の観測史上最も気温が高かった」と報じられたように、近年は地球温暖化の影響が顕在化しています。 そんな地球温暖化について語るときには二酸化炭素 (CO2) が着目されますが、CO2 の 300 倍も強力な温室効果を持つ「亜酸化窒素 (N2O)」も地球の将来を危うくしているという共同研究をオーストラリア連邦科学産業研究機構のペップ・カナデル事務局長らなどの著名な気候学者が発表しました。

N2O は地球の大気に放出された場合には紫外線によって分解されて一酸化窒素を生成し、それによってオゾン層を破壊してしまうという気体です。 また、温室効果は CO2 の 300 倍もありますが、大気中に数千年間も残留し続ける CO2 に比べると 116 年と残留期間が短いことや大気中の濃度が低いことから、温室効果の強さを定める地球温暖化係数においては、CO2 とメタンに次ぐ 3 位に位置づけられています。

カナデル事務局長ら世界各地の 44 機関より 70 人の気象学者が参加した合同研究チームは、人類による N2O の総排出量について調査を行い、N2O 排出量が過去 40 年間で 30% 増加したことを突き止めました。 西暦 200 年から大きな変化がみられなかった濃度が、1800 年代半ばから突如急上昇したことが示されています。 2018 年時点の N2O 濃度は、1750 年頃に比べて 22% も上昇しているとのこと。

合同研究チームの調査によると、土壌や海洋などから自然に放出される N2O の量はほとんど変化していないとのこと。 合同研究チームは N2O 濃度が急上昇した主な原因として、農業や畜産などを挙げています。 農業における窒素肥料の使用や、家畜からの堆肥製造などが N2O を急激に増加させているほか、化学工業や排水、化石燃料の燃焼などの人間のさまざまな活動も、N2O 濃度の上昇に関係しているそうです。 研究チームは、地域別の N2O 濃度の変化率も求めています。 調査によると、ブラジル・中国・インドなどの急速な経済成長を遂げている国は作物生産や家畜頭数が急増しているため、N2O 排出量の増加が特に著しいとのこと。

上昇を続ける N2O 濃度について、合同研究チームは「規制が存在しない」という問題があると指摘しています。 オゾン層を破壊するおそれのある物質についての規制を定めたモントリオール議定書では、エアコンや冷蔵庫の冷媒、電子部品の洗浄などに用いられていたクロロフルオロカーボンやハロン、ハイドロクロロフルオロカーボンなどのフロンガスやドライクリーニングの溶剤や冷媒として使われていた四塩化炭素などが規制されましたが、N2O に関する規制はなし。 パリ協定では CO2 や N2O の削減目標が定められましたが、これはあくまで目標であるため、拘束力が存在しません。

研究チームは現状の N2O 濃度は予想を超える速度で増加しているとして、温室効果ガス排出量を削減する取り組みについて論じる際には N2O にも着目すべきだと主張。 具体的な手段として、N2O 濃度の急増の主要因となっている農業・畜産について、「家畜からの堆肥について管理を強化する」、「植物に最適化された肥料を使う」、「肥料の使用量を削減するため、マメ科植物などの土壌を改善する作物を輪作する」、「N2O 排出量の低い肥料を使う」といった方法を挙げています。

人類の活動によって放出される N2O は年間 7.3 テラグラム(730 万トン)ほどで、そのうち農業が 3.8 テラグラム(380 万トン)と高い割合を占めています。 一方、自然によって放出される N2O は年間 9.7 テラグラム(970 万トン)ほどで、大気中の化学反応によって消滅する N2O は年間 13.5 テラグラム(1,350 万トン)。 人類の活動によって、大気中に存在する N2O が増加していくことが視覚的に示されています。 合同研究チームは、適切な農業政策を実施したとしても合成肥料と堆肥は現状必須だとして、温室効果ガスの実質排出量をゼロにするような新技術が求められると記しています。 (Gigazine = 10-18-20)


グレタ・トゥーンベリ氏が鋭い指摘 「気候変動への見解ない」と答え続けるバレット氏に

地球温暖化に対する EU と米国の差

記事コピー (9-10-20〜10-16-20)


レジ袋有料化、関東での環境意識が高いと判明 〜レジ袋有料化に関する意識調査 東西比較〜
関西より関東の方が、環境を意識した何かしらの具体的な行動をとっていることが明らかに

株式会社アスマーク

マーケティングリサーチ会社の株式会社アスマーク(旧株式会社マーシュ、東京都渋谷区東、代表取締役:町田正一)は、東西の 20 - 50 代の男女に「レジ袋有料化に関する意識調査 東西比較」を実施し、その結果を 10 月 1 日に公開しました。 * 調査日は 2020 年 9 月 11 日(金) - 9 月 15 日(火)です。

調査目的

2020 年 7 月から全国でレジ袋有料化がスタートしました。 レジ袋が有料になったことで、消費者の環境意識・購買意識にどのような変化があるのでしょうか。 制度施行前後での消費者行動・環境問題やプラスティック包装容器・製品に対する意識の変化、コンビニという身近な場での消費行動の変化・経験したことなどを調べてみました。

トピックス

関東の方がレジ袋有料化が環境問題に有効だと考えている
レジ袋有料化をポジティブにとらえている人は環境に対する意識も向上
関東の方が環境を意識した何かしらの具体的な行動をとっている
ゴミ袋の代用ができないこと、レジ袋の購入、レジの混雑 がゴミ袋有料化に対するネガの上位

ピックアップ

レジ袋有料化に関する消費者意識

Q. 2020 年 7 月から施行されたレジ袋有料化についてお伺いします。 あなたは、レジ袋有料化が「地球温暖化や海洋プラスティック問題などの環境問題」の解決の第一歩になると思いますか。(1 つ選択)

レジ袋有料化が環境問題に有効だと考える人の割合は関西よりも関東に多い
関東女性は比較的レジ袋の有料化に肯定的だが、40 代のみネガティブの割合が高い
関西男性はレジ袋有料化の効果に対して懐疑的であることがうかがえる

環境問題に対する意識の変化

Q. あなたは、レジ袋有料化が施行されてから、環境に対する意識や関心は変化しましたか。(1 つ選択)

レジ袋有料化をポジティブにとらえている人は環境に対する意識も向上
関東・関西ともに男性より女性のほうが環境意識の向上がみられる
関東男女・関西女性では特に 20 代の意識向上が顕著にみられ、若年層にとって制度の施行が環境問題を考えるきっかけになったことがうかがえる

他のプラスティック包装容器・製品に対する意識

Q. 以下のプラスティック包装容器・製品について、不要・過剰/必要だと感じるか、あなたの考えをそれぞれお知らせください。(それぞれ 1 つずつ選択)

「野菜や果物を包むネット」、「家電製品などの緩衝材」、「お菓子の個包装」は過剰・不要
環境意識向上者ではこの 3 製品に対して、不要・過剰派が必要派をやや上回っている
ただいずれの製品でも必要との回答が半数以上を占めており、プラスティック製品に対する依存度の高さがうかがえる

すべての調査結果はこちら

https://www.asmarq.co.jp/data/ex202008shopping_bag/
* 上記ページにて、レポートおよび集計表を含むデータを無料でダウンロードしていただけます。 (PR Times = 10-12-20)


ドローンで除草剤散布に賛否 「地獄」解消か環境破壊か

佐賀県は、人材不足が深刻化する林業の省力化を図ろうと、ドローンで除草剤を散布する試みを進めている。 夏場の過酷な草刈り作業の負担を軽くし、担い手の確保につなげたいためだ。 しかし実証実験を知った人たちから「自然環境が壊される」と声が上がり、事業反対の署名も集まっている。 9 月初旬、太良町の多良岳山系にあるスギ林で、森林組合の職員たちが草刈りをしていた。 ただ、職員の本田圭汰さん (23) は「1 年で一番きつい、地獄の作業。 林業を始める若者にとっては鬼門です。」と明かす。

作業は毎年夏場。 植えたスギ・ヒノキの苗木が成長するまでの約 5 年間、青々と伸びた下草で日陰にならないよう、刈り取る。 同町の組合では、約 2 カ月かけて 50 ヘクタールほどを回る。 草刈り機を背負い、虫に刺されるのを防ぐため長袖と長ズボンを着る。 2 メートルほどになった苗木が並んだ傾斜地は足場が悪く、日差しを遮る大きな木々もない。 空調機能付きの服を着るなど熱中症対策は取るが、今夏は途中で気分が悪くなる人が出たり、安全のために午前中で作業を切り上げたりしたという。 本田さんは「作業を軽くする方法があるなら使いたい」と話す。

県有林に色つけた水まき実験

林野庁の 2017 年 3 月末時点の統計では、県の面積のうち森林は 45%。このうち人工林が 67% を占め、その割合は全国一高い。 県によると、林業の現場で働く県内の技術者は 18 年度で 294 人。 10 年前の 08 年度は 392 人で、100 人近く減った。 危険を伴う力仕事で、給与水準も高くないことから、定着が課題という。 そこで県は昨年度から、ドローンを使って山林に農薬を散布する実証実験を始めた。 国が認可する除草剤などを薄め、下草の成長を抑える薬剤を作る。 苗木が下草を超える高さになるまでの約 5 年間まくことで、作業の省力化を期待する。

ドローンは、田畑での農薬散布で活用が進んでいる。 一方、山地は傾斜があり、見通しも悪い。 ドローンが安全に飛べるか、農薬が周辺に飛散しないかといった技術的な課題がある。 実験では、ドローンで県有林に色を付けた水をまき、飛行の安全性や、散布の広がり方を見る。 ほかに手動の噴霧器を使い、農薬を散布。 下草だけに効果が出るか、土壌に残らないかなどを調べている。

地域おこし隊員「絶対やらないでほしい」

ただ、18 年度に同様の実験をした宮崎県では、環境への影響を不安視する県民から中止を求める声が上がった。 県に電話やメールが相次いだほか、林業関係者が始めたネット上の署名に 5 千人以上が賛同。 県は技術やコスト面の課題とともに、「県民から賛否両論がある」として、19 年度以降は散布を取りやめている。 佐賀市三瀬村の門脇恵さん (35) は昨年秋、佐賀県が実証実験をすでに始めていたことを知った。 宮崎県のことを先に聞いていて、「佐賀では絶対にやらないでほしい」と思っていたので、驚いたという。

東京都出身。 14 年に地域おこし協力隊として同市富士町に移住した。 緑にあふれ、手入れが行き届いている佐賀の山に魅力を感じたことが理由だった。 「林業女子会@さが」を立ち上げ、枝打ちなどの作業を手伝ったり、木材で家具づくりをしたりしている。 「山は全ての水の源。 除草剤を散布している山なら、自分はここに来なかったはず。」 まずは地元で知ってもらおうと、町内で説明会を開くよう県に依頼した。 開催数日前の告知となったが、約 80 人も集まった。 参加者へのアンケートには「自然や人体に影響が出るのでは」、「他にやり方があるはずだ」といった懸念の声が並んだ。

日本野鳥の会の宮原明幸・県支部長 (66) は今春、事業の中止を求める署名活動を始め、約 2,250 人分が集まった。 10 月中にも山口祥義知事に提出したい考えだ。 宮原さんは「山から川に薬剤が流れれば、水生植物が死に、オケラや魚が死に、鳥が死ぬ。 回り回って、必ず人に帰ってくる。 自然を壊した責任は誰が取るのか。」と訴える。 こうした状況の中、山口知事は先月 25 日、県有明海漁協と、森林環境保全活動に関する「豊かな自然を未来へつなぐ森川海人(もりかわかいと)っ協定」を結んだ。 「森・川・海はひとつ」とうたい、水源となる森の保全が「宝の海」を守ることにつながるとして、こうしたプロジェクトの展開に力を入れている。 (福井万穂、asahi = 10-6-20)


食べられるストロー、ブルボンが開発 あのお菓子元に

今年度のグッドデザイン賞(公益財団法人日本デザイン振興会主催)が 1 日発表され、受賞 1,395 件のひとつに、菓子大手・ブルボン(新潟県柏崎市)がつくった、ストローとしても使えるクッキーが選ばれた。 プラスチックごみによる海洋汚染が問題になるなか、開発された「食べられるストロー」だ。 商品名は「コロネクッキー」。 長さ 20 センチ、直径 12 - 13 ミリで、中は内径 8 - 9 ミリの空洞になっており、15 - 30 分間の耐水性がある。 同社は「シェークやスムージーなどに使える」として、今年 1 月に業務用として販売を始めた。

同社によると、すでに市販していた中空のスティッククッキー「チュエル」をベースに、ストローのような機能を持つお菓子が作れたら、との提案が社内からあり、2018 年夏から開発が進められた。 生地の素材選びや、耐水性をもたせる手法の確立に時間を要したという。 生地を巻き上げてつくる点から「コロネ」と名付けられた。 同社は「お客さまの声をもとに、一般向けの販売も今後検討していきたい」と話している。 (戸松康雄、asahi = 10-3-20)


ヤマダ HD / リユース製品 30 万台販売「環境資源開発事業」拡充

ヤマダホールディングスグループは 10 月 1 日付で、ヤマダホールディングスとして事業を推進するにあたり、家電、家具、インテリア製品等の販売事業、住宅事業等における環境関連事業の強化を進め、これらの製品や設備のリユースやリサイクル等の事業を拡充すると共に、あらたに廃棄物焼却発電プラントを建設し、グループ内での資源循環体制を拡充すると発表した。 グループ内に 3 月に設立したヤマダ環境資源開発ホールディングスを中心に、環境・資源循環関連のグループ会社 3 社(シー・アイ・シー、インバースネット、東金属)が、「家電製品等のリユースの促進」、「使用済家電の回収と再資源化」、「リサイクルされた素材の活用」、「廃棄物焼却発電施設の建設」の 4 つの事業を展開する。

年間販売目標約 30 万台「リユース製品」販売

使用済家電製品のリユース促進を図るため、リユース製品を販売する「ヤマダアウトレット店」の店舗網を拡大し、テレビ、冷蔵庫、洗濯機等のリユース製品の販売台数目標を年間約 30 万台とする。 また、小型家電、デジタル家電のリユース製品の販売を拡大する。 ヤマダホールディングスグループの各店舗で買取した家電製品やデジタル家電等のリユース工程の効率化と生産能力向上のため、ヤマダホールディングスグループのシー・アイ・シーとインバースネットの既存リユース工場の拡大・新規工場建設を進める。 現在、2021 年度に既存工場の拡大、2022 年度に新規工場建設を予定している。

ヤマダホールディングスグループの東金属は、小型家電リサイクル法の認定事業者として小型家電リサイクル事業を展開している。 今後、その他の使用済製品等のリサイクル事業において素材選別機能と処理能力を向上させ、鉄・銅・アルミ・その他非鉄類の資源物、廃プラスチックなどの再資源化に取り組む。 2022 年度までに東金属リサイクル工場の設備増強を予定している。 東金属が回収し、生産した再資源化素材を、ヤマダホールディングスグループのオリジナル製品や店舗備品の原料として使用し、再利用する。 ヤマダホールディングスグループ内で資源をリサイクルし、再利用することを通じて、グループ完結型資源循環体制の構築を目指す。

2024 年度までに東金属の現施設を撤去し、新たに廃棄物焼却発電施設「ヤマダ資源エネルギープラント」の建設を計画する。 プラントは最新の排ガス処理システムを導入した国内最大量(270t/日 * 1 炉あたり)の産業廃棄物の焼却施設となる予定で、8,000kW/h の発電能力を有する見込み。 今後、災害廃棄物の受入なども行い、自治体と連携して地域の自然災害への対応能力の拡充に寄与する取り組みにつなげる。 世界的に循環型経済(サーキュラー・エコノミー)に向けての取り組みが進む中、電子機器廃棄物やプラスチック廃棄物等の増加が課題となっている。

ヤマダホールディングスグループでは、家電製品等のリユースやリサイクル、再資源化等を通じて、お客様のニーズに応えると共に最終廃棄物の減量を進め、「循環型社会の構築と地球環境の保全」に取り組み、SDGs の達成に向けた事業を推進する。 2021 年 3 月期のヤマダホールディングス連結業績に与える影響は軽微だが、今後、環境資源開発事業を推進することにより、中長期的な業績向上に資するという。 (流通ニュース = 10-2-20)


ボルボ、電動バスの使用済みバッテリをビルや住宅向けの充電デバイスへ再利用

Stena Recycling 傘下の Batteryloop は、Volvo Group の Volvo Buses から不要になった電動バスの使用済みバッテリを買い取り、各種充電設備用のバッテリとして再利用する。 電動バスのバッテリは、長期間使われると性能が低下し、容量が減るため、新しいものと交換する。 古いバッテリの容量は、バスの運行に使えないほど少なくなっているものの、そのほかの用途にはまだ十分使えるそうだ。 そこで、Batteryloop は、Volvo Buses から使用済みバッテリを買い取り、電力貯蔵用デバイスで再利用する。 すでに、アパートの太陽光発電システムで作った電力の充電デバイスとして導入された事例があるという。 (佐藤信彦、Cnet = 9-14-20)


花王とライオンがタッグ 中国廃プラ規制が背中押す

花王とライオンは 10 日、洗剤などの詰め替え容器を回収して同じ容器に戻すリサイクル技術を共同開発すると発表した。 詰め替え容器はリサイクルが難しく、使用後は処分されていた。 廃プラが世界で問題となり、中国が輸入を規制するなか、ライバル企業が解決へ異例のタッグを組む。 2025 年までに、使用済み容器を回収して同じ容器を再生産する「水平リサイクル」の実現を目指す。 まずは両社合わせて 40 人ほどの組織を立ち上げる。

年内をメドに自治体と連携し、使用済み詰め替え容器の回収も始める。 これまで他のプラ製品と混ぜて廃棄され、焼却されるのが一般的だった。 ペットボトルのように個別に回収する仕組みを作り、効率的に集める。 競合関係にある花王とライオンがここまで本格的に手を組むのは異例。 「競合だが、ESG (環境・社会・企業統治)の視点では協業相手(花王の沢田道隆社長)」として関連技術の共有を決断した。

ペットボトルは透明な単一素材で作るため水平リサイクルが比較的容易だ。 一方、詰め替え容器はポリエチレンとポリアミドなど複数の素材を組み合わせて作る。 洗剤に含まれる界面活性剤などを考慮し、強度や保存性を確保する必要があるためだ。 水平リサイクルの実現には素材を分離する手間がかかる。 ペットボトルと異なりメーカーや商品ごとに容器の設計が異なるのも難点だ。

詰め替え容器の設計統一も視野

両社は樹脂ごとの融点の違いを活用した分離手法などを共同で検討する。 リサイクルが容易な単一素材の開発も進める。 将来は詰め替え容器の設計を一定程度統一したい考えだ。 これまで日用品メーカーは廃プラの量を減らすことに力を入れてきた。 詰め替え容器は通常の製品容器に比べてプラ使用量が 2 - 3 割ほどに抑えられる。 日本石鹸洗剤工業会によると、製品全体に占める詰め替え用の比率は 1998 年に 28% だったが、18 年に 79% と 20 年で 3 倍に増えた。

花王の沢田社長は「リサイクルが進めば循環型社会の実現につながる」と期待を込める。 スーパーなどの購買データを収集する日経 POS 情報によると、ハンドソープの詰め替え用の販売個数シェアは 2 社合わせて 7 割に上る。 衣料用洗剤や食器用洗剤も 6 割を占め、影響が大きい。 今後はメーカーや自治体に連携を呼びかけ、25 年に詰め替え容器のプラ使用量の 2 割にあたる 1 万トンの回収を目指す。

日本石鹸洗剤工業会の調べでは、洗剤など日用品のプラ使用量は国内のプラ使用量全体の 100 分の 1 にすぎない。 「消費者に身近な商品だけにライフスタイルを見直す契機になれば、他の業界への広がりも期待できる(ライオンの掬川正純社長)」とみる。 プラスチック循環利用協会によると、18 年の国内のプラごみ排出量は 891 万トン。 リサイクル率は 84% と世界的にみても高い水準といえる。 ただ廃プラを燃やして焼却時のエネルギーを回収する「サーマルリサイクル」が 6 割以上。 サーマルリサイクルは二酸化炭素 (CO2) 排出量が多い点が課題となっている。

バーゼル条約改正で輸出厳しく

リサイクルを急ぐ背景には中国などの廃プラ輸入規制もある。 日本は 16 年に廃プラの 6 分の 1 にあたる約 150 万トンを輸出、その半数が中国向けだった。 だが 17 年末に中国が規制を開始。 タイやマレーシアなど東南アジアでも規制が広がり、日本の輸出量は 18 年には約 100 万トンまで減った。 また越境汚染に関する「バーゼル条約」の改正で 21 年から汚れた廃プラの輸出は相手国の同意が必要となり輸出は難しくなる。 廃プラをリサイクルして国内で循環させる必要性が高まっていた。

海外では英蘭ユニリーバが 18 年、インドネシアで使用済みの薄いフィルム容器を同じ容器に再生した事例もある。 ただペットボトル以外の水平リサイクルは難易度が高く、世界的にも緒に就いたばかりだ。 日本政府が 19 年にまとめた「プラスチック資源循環戦略」は、一度きりの利用で役目を終える「ワンウェイ」プラスチックの削減と再利用を基本原則とした。 水平リサイクルの拡大は国の資源循環戦略の推進においても重要な意味を持つ。 (川井洋平、nikkei = 9-10-20)

水平リサイクル : 回収したプラスチックを細かく砕いて洗浄し、もとの容器と同じ用途で使う方法。 主にペットボトルで活用されており、「ボトル to ボトル」と呼ばれる。 12 年にサントリーホールディングスが 100% 廃ペットボトル原料の樹脂を使ったペットボトルを実用化した。 19 年にはセブン & アイ・ホールディングスと日本コカ・コーラが水平リサイクルを活用して緑茶を発売するなど飲料業界では広がっている。