遠隔診断、薬はドローンで 106 人の島が未来の世界に

長崎県五島市三井楽町の離島、嵯峨島(さがのしま)で、インターネットやドローンを利用した遠隔医療の実証事業が進んでいる。 市と長崎大、ANA ホールディングス株式会社、NTT ドコモ九州支社が協力して進めているプロジェクトだ。 診療から薬の輸送までの一連の流れが報道機関に公開された。 国土交通省が進めるスマートアイランド推進実証調査業務の一環で、五島市(野口市太郎市長)を代表団体とする 4 者で構成する五島スマートアイランド実証推進調査協議会が、10 月 5 日から来年 2 月 12 日までの予定で取り組んでいる。

嵯峨島は五島列島・福江島の西約 5 キロ、65 世帯 106 人が暮らす 2 次離島だ。 島の出張診療所には看護師 1 人が常駐し、医師は週 1 回、水曜午後に福江島の三井楽診療所から通っている。 実証事業のオンライン診療は月 - 金曜(医師がいる水曜午後を除く)の指定した時間帯に実施中だ。 11 月 5 日は、男性の住民が嵯峨島出張診療所で診療を体験。 アバター(分身)ロボットのタブレット端末画面に、三井楽診療所にいる医師の顔が映し出され、男性は医師と実際に対面しているような様子でやりとりした。

診察後、男性は福江島にいる薬剤師からオンラインで服薬指導も受けた。 処方した薬は嵯峨島から約 5 キロの貝津港でドローンに積み込まれ、10 分ほどで島に到着。 看護師が薬を受け取り、男性に手渡した。 厚生労働省の指針では、これまでオンライン診療は「初診は対面診療」が原則だったが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、特例で初診から受診が可能となった。 実証事業は、遠隔医療モデルの効果を確かめ、コロナ収束後の恒久的な規制緩和の必要性を検証するのが狙いだ。

三井楽診療所の田中孝和医師は「表情がわかり症状も伝わりやすい。 病人が船で渡り病院まで来るという負担も軽減される。 音声が途切れたり、光の当たり方によって見えづらかったりする課題を検証し、役立つツールにする必要がある。」と述べた。 診療を体験した男性は「いつも受診している医師の顔を見ながら話ができ、安心感がある。 普段と変わらず違和感はなかった。 薬をドローンで運ぶ様子は昔みていた未来の世界のようだった。」と話していた。 (asahi = 11-21-20)

前 報 (1-13-20)


秋田米の新品種は「サキホコレ」 2 年後に市場デビュー

秋田県は 17 日、2 年後の市場デビューに向けて準備を進める秋田米の新品種「秋系 821」の名前を「サキホコレ」に決めたと発表した。 全国公募に寄せられた約 25 万件から選ばれた。 響きがよくてメッセージ性が高く、明るい未来を感じさせるとの選考理由だという。 発案者には賞金 100 万円と「サキホコレ」 30 キロが贈られる。 この日、東京都内で開かれた発表イベントには佐竹敬久(のりひさ)知事のほか、秋田市出身のタレント佐々木希さんも参加した。 試食した佐々木さんは秋田弁で「しったげうめぇ(すごくおいしい)」と感想を話した。

秋系 821 は「あきたこまち」が主力の秋田米の新たな顔となる品種を目指して開発された。 佐竹知事は新品種を「秋田米のフラッグシップ(最上位品種)」と位置づける。 ターゲットは首都圏の富裕層や、味にこだわる料理店など。 各地でブランド化をめざす新品種が登場するなか、作付け地域と生産者を限定し、「魚沼コシヒカリ」のような全国のトップブランドに育てることを狙う。

応募 25 万件余

名称をめぐって県は 4、5 月に「秋系 821」の名前を全国公募し、25 万 893 件の応募があった。 コメの名前募集では全国最多といい、県は「最優秀賞に賞金 100 万円」がツイッターで全国に拡散されたことが効いたとみている。 県によると、これまで名称案を公募した他県産米で最多は福井県の「いちほまれ(約 10 万 7 千件)」。 次いで山形県の「つや姫(約 3 万 4 千件)」だった。

約 25 万件の応募から、秋田米新品種ブランド化総合プロデューサーを務めるデザイナーの梅原真氏が 20 案に絞った。 そして、料理系雑誌や米穀専門誌の編集者、農業関係団体幹部ら 6 人からなる名称選考部会が審査。 最終候補として秋うらら、あきてらす、秋の八二一(はちにいいち)、稲(いな)王、サキホコレ、べっぴん小雪の 6 案を選び、特許庁に商標登録を出願した。 この6案について消費者アンケートを首都圏と秋田県内で実施。 結果を参考に、知事が名称を最終決定した。 (増田洋一、asahi = 11-17-20)

どんな米?

「あきたこまち」が主力の秋田で生まれたサキホコレは、「コシヒカリよりおいしいコメ」をめざして秋田県農業試験場が開発。 10 月に農林水産省に品種登録を出願した。 県は「際立つ白さとつや、粒感がありふっくらとした食感、上品な香り、かむほどに広がる甘さ」を特徴に挙げる。 消費者を対象とした試食調査で、甘み、粘り、柔らかさ、香り、外観、総合評価の全てでコシヒカリを上回ったという。 あきたこまちよりも成熟期が 10 日以上遅い「晩生(おくて)」であるため、気象条件によっては成熟不良になる恐れがある。 このため、栽培試験の結果や気象データによって設ける推奨地域に作付けを限る。

今春発表された推奨地域には県央・県南 15 市町村の全域または一部が入り、県北は外れた。 ただ、推奨地域以外でも、栽培試験をして一定の品質を確保できる場合は、推奨地域への編入を検討する。 栽培は減農薬を標準とする。 高い品質のコメを安定供給するため、栽培技術の高い生産者に栽培を限る。 2031 年度には県産主食用米の約 1 割にあたる 4 万トンの生産をめざしている。 現在、県内の水稲作付面積の約 7 割はあきたこまちが占めている。 1 キロあたりの小売価格の目標は、デビュー当初は一般コシヒカリ並みの 450 円に設定。 あきたこまち(393 円)との価格帯でのすみ分けと、コシヒカリ消費者の獲得を図る。 31 年度にはトップブランドの魚沼コシヒカリ(621 円)に迫る 600 円をめざす。


市民二分 複合図書館計画どうなる? 柳井

山口県柳井市が旧柳井商業高校跡地に計画する複合図書館建設計画の賛否をめぐって、市民を二分するような状況が続いている。 当初予定の 2021 年度完成は困難な状況で、新型コロナウイルスの影響もあって先行きは不透明。 来年 2 月の市長選ではその是非が最大の争点となりそうだ。 JR 柳井駅から北へ 600 メートルほど。 市中心部にある旧柳井商業高校跡地は、観光名所の一つ白壁の町並み近くの住宅街の高台にある。 旧校舎やプールなどは既に解体され、県から無償で譲り受けた約 3 万 5 千平方メートルの更地が広がる。

「市民の意見も踏まえて考えていきたい。」 井原健太郎市長がこう述べて跡地の整備計画を発表したのは 2017 年。 カフェや多目的スタジオを備えた複合図書館はその中核施設で、鉄骨一部2階建て延べ約 2,200 平方メートル。 周辺には公園なども整備する。 これに待ったをかけたのが、18 年に結成され、1 万人余りの反対署名を集めた「柳商跡地図書館建設に反対する市民の会」。 島元三雄代表は「まちづくりで大切なのは過去を調べて未来を考えること。 計画には将来のビジョンが示されておらず、優先すべき事業とはいえない。」と指摘する。

市は理解を求めて昨年 4 - 5 月、計画の説明会を市内 14 カ所で開催したが、市議会は翌月の定例会で建設に反対する請願を賛成多数で採択。 市は予定していた 9 月定例会への建設費の計上を見送り、以後、提案保留が続く。 一方で、19 年には跡地の利活用計画のコンセプト「子ども教育環境の充実」を支持する人たちでつくる「複合図書館の実現をめざす市民の会」が発足。元市教育長の高井孝則代表は「既存の図書館は手狭で老朽化している。 子どもたちの将来も見据え、一般の住民も含めて本を読む環境を広げたい。」と話す。

今年 8 月には、市内外合わせて 1 万人以上が趣旨に賛同したとして、同会が建設の早期実現を求める要望書を井原市長に提出した。 これに先駆けて市長は 5 月臨時会で「当面はコロナ対策を最優先にする」と表明し、賛否の議論はストップしている。 ただ、市は既に設計費や旧校舎の解体などで約 3 億 8 千万円を投じており、来年 2 月 28 日投開票の市長選での論戦が注目される。 井原市長は9 月、4 選をめざして立候補表明。 その約 3 週間後には同市出身の新顔、下村太郎氏 (37) が立候補を表明し、整備計画について「一度立ち止まって検討したい」と話している。

幅広い年齢層の集客をめざし、複合施設などに図書館を設ける自治体は各地にある。 2013 年、佐賀県武雄市は市図書館の活性化の起爆剤に、レンタル大手「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ (CCC) を指定管理者に運営を始めたことで注目された。 こうした施設では通信環境が整ったカフェを併設する事例も多い。 周南市が 18 年に整備した徳山駅前図書館は CCC が指定管理者で、スターバックスが入る。 JR 徳山駅前の立地条件を背景に開館 1 年で入館者 200 万人を突破した。

しかし、ここにきて新型コロナによる影響が各地の図書館を直撃した。 日本図書館協会は感染症対策の対処方針を打ち出し、徳山駅前図書館も、今春以降は休館もあって入館者は前年比で 3 割ほど落ち込んでいるという。 国の文化審議会は今月 9 日、新型コロナによる休館や利用制限が相次いだことを踏まえ、図書館が電子データを利用者のパソコンやスマートフォンに送れるようにする報告書をまとめた。 コロナ禍で、図書館のあり方を模索する論議も迫られている。 (具志堅直、asahi = 11-15-20)

柳井市の複合図書館計画〉 旧柳井商高跡地を利活用する整備計画の中核施設。 蔵書は 15 万冊で、年間来館者は 10 万人を想定。 標高 10 メートル以上の高台を生かした防災機能を備えた芝生広場のほか、弓道場なども整備する。 概算の総事業費は 18 億 5 千万円。 図書館建設費は 10 億 3,600 万円。


獺祭、84 万円で落札 「最高を超える」酒米で醸造

日本酒「獺祭(だっさい)」の最高級品が 10 日、香港のオークションに出品され、4 合瓶 1 本が 6 万 2,500 香港ドル(約 84 万 3,750 円)で落札された。 醸造する旭酒造(山口県岩国市)が、コンテストで選んだ高品質の酒米を使ってつくり、世界でどう評価されるか知りたいと考えて出品した。 落札されたのは純米大吟醸酒「獺祭 最高を超える山田錦 2019 年優勝米」。 この日は、4 合瓶 6 本が競売大手「サザビーズ」の香港のオークションに出品され、10 日午後の締め切りまでに、会場やインターネット経由で、それぞれ 6 万 2,500 - 5 万 6,250 香港ドル(84 万 3,750 - 75 万 9,375 円)で落札された。 旭酒造本社では、社員らがオークションの行方をネット中継で見守った。

原料の山田錦は、栃木県大田原市の坂内(さかうち)義信さん (56) が生産した。 旭酒造が昨年初めて企画したコンテスト「最高を超える山田錦プロジェクト」で、各地から集まった 45 点の中から粒の整い具合や色つや、「心白(しんぱく)」と呼ばれる中心部分の割合などの評価で、グランプリに選ばれた。 1 俵(60 キロ)につき市価の約 25 倍にあたる 50 万円で、50 俵(3 トン)が買い取られた。 市販されている旭酒造の日本酒では、山田錦を 10% 台まで磨いて仕込んだ「獺祭 磨き その先へ」が 1 本 3 万 3 千円と最高。 「優勝米」の精米歩合は非公表だが、「その先へ」よりも磨き込んだという。4 合瓶で 1 千本ほどの量の酒を仕込んだが、瓶に詰めたのは 23 本だけで、ほかは「その先へ」に混ぜて出荷。 残り 17 本は市販しないという。

桜井一宏社長 (44) は「私たちが最高と信じるものが世界でどういう評価を受けるか見たいと考えた。 日本酒がワインとは違う新しい価値を作ることができ非常にうれしい結果。」 桜井博志会長 (69) は「常識外れのコストがかかり、値段が付かなかったらどうしようと思い、非常に怖かった。 これだけの評価がされて満足している。」と話した。 (伊藤宏樹、asahi = 11-10-20)


関西みらい FG、上場廃止へ りそなが完全子会社化方針

記事コピー (10-24-20 & 11-9-20)


ズワイガニ 1 匹 250 万円 初競り、過去 2 番目の高値

日本海の冬の味覚、ズワイガニの漁が解禁された 6 日、但馬の各漁港で初競りが行われた。浜坂漁港(兵庫県新温泉町)では、1.5 キロの「松葉ガニ(雄)」に県内で過去 2 番目に高い 1 匹 250 万円(税抜き)の価格が付いた。 最高価格は昨年、同漁港の初競りで付いた 300 万円(同)。  浜坂漁協諸寄支所の漁船「美寿丸(濱根秀樹船主・船長)」が水揚げした。 同漁協が極上の松葉ガニのみを選ぶブランド「浜坂がに光輝」に認定され、正午に始まった競りで、ご祝儀相場となりやすい 1 匹目に出品された。

落札したのは、神戸市中央区で日本料理店を営む男性 (44)。 東京の知人に贈るといい、「浜坂の松葉ガニは身の締まりが良く、甘みが強い。 但馬自慢の味が関東でもさらに広まれば。」と話した。 ズワイガニ漁の漁期は、雌の「セコガニ」が 12 月末まで、「松葉ガニ」が来年 3 月 20 日まで。 (金海隆至、末吉佳希、神戸新聞 = 11-6-20)


ハロウィーン人出「西高東低」 栄、天神などにぎわい

ハロウィーンの全国主要各駅の人出をスマートフォンの位置情報から推計したところ、「西高東低」の傾向がわかった。 ソフトバンクの子会社アグープによる位置情報をもとに、31 日午後 9 時の人出を感染拡大前の 1 - 2 月の休日平均と比べると、名古屋市の栄駅は 37% 増、福岡市の天神駅は 25% 増、大阪市のなんば駅は 14% 増だった。 いずれも各駅の半径 500 メートルの範囲で、栄町商店街、警固公園、道頓堀などハロウィーンの人出が集中するエリアが含まれる。

各駅とも、午後 3 時台の人出は感染拡大前に比べて 1 - 2 割ほど少なかったことから、夜間のハロウィーンの人出が影響しているものとみられる。 一方、東京の渋谷センター街を含む渋谷駅周辺の人出は 14% 減。 札幌市のすすきの駅、仙台市の勾当台(こうとうだい)公園駅も各 17%、5% 減だった。 (嘉幡久敬、asahi = 11-1-20)


クマ出没情報、この 5 年で最多に 8・9 月に異例の事態

環境省は 26 日、今年 4 - 9 月のクマの出没情報が 1 万 3,670 件となり、比較できる 2016 年度以降、同期間で最多となったと発表した。 特に、減るはずの 8、9 月の件数が例年と比べて多く、同省は引き続き警戒を呼びかけている。 今年 4 - 9 月の半年間のクマ類の出没情報は、この 5 年で最も多かった 16 年 4 - 9 月の 1 万 3,190 件を上回った。 今年は 8 月が 3,289 件、9 月は 2,513 件で、いずれも最多だった。 例年は 6、7 月以降は減少傾向になるが、今年は 8 月まで増え、9 月も高止まりが続いた。明らかな要因はわからないが、環境省の担当者は「これまでと少し違う傾向が見えている。 10 月に入っても多い状況で、まだまだ警戒を緩められない。」と話す。

また、クマによる人への被害が相次いでいることを受け、環境、農林水産、林野、警察の 4 省庁が 26 日に対策会議を開き、都道府県に対し、環境省の「クマ類出没対応マニュアル」の周知や、出没した際の連絡体制の整備、放置している果実の除去などを求める通知を出すことを決めた。 会議では、クマの生息分布が拡大していることを裏付ける調査結果も示された。 03 年度までと 17 年度までを比べると、生息分布は全国で約 39% 増えた。中国地方は 2.7 倍、近畿地方も 1.7 倍に増え、減少は四国地方だけだった。 過疎化や高齢化が進み、人が山林などを使わなくなったため、クマがすむ地域が広がり、人と遭いやすくなったことが出没の要因の一つとされる。 (川田俊男、asahi = 10-26-20)


四万十川が水風呂に 移動サウナ登場、汗を流しに清流へ

清流・四万十川を水風呂として楽しむサウナが 18 日、登場した。 軽トラックに乗ったサウナと、約 5 分で組み立てられる移動式のサウナ。 四万十川とサウナをこよなく愛する男性 2 人が考案した。 2 人は、高知県四万十市の木工業宮崎聖さん (42) と、四万十町の地域おこし協力隊員吉田健一さん (31)。

宮崎さんのサウナは四万十ヒノキで作った高さ 150 センチ、幅 140 センチ、奥行き 190 センチ。 軽トラの荷台に乗る。約 70 度の温度でじわっと汗が出る。「汗をかいてすぐに四万十川に入れるには軽トラがいいと考えた。 川まで 10 歩です。」と笑う。 吉田さんのサウナも四万十ヒノキ製で、高さ 1.6 メートル、1.6 メートル四方。 70 - 80 度の温度設定だ。

2 人はこの日、同市のカヌーとキャンプが体験できる施設「かわらっこ」周辺で開催されたイベントに参加した。 家族連れもサウナを体験。同市の宮本梓左さん (35) と次女の中学 1 年生琴音さん (12) も汗を流した後、川の冷たい水に飛び込んだ。 「最高です。 水も風もとても気持ちいいです。」と笑顔で話した。 (笠原雅俊、asahi = 10-19-20)


石油タンク漏れ? 大地震の前兆? 青潮? 横須賀・横浜の異臭で深まる謎

神奈川県内で 6 月から断続的に続く異臭騒ぎが、10 月に入っても収まる気配が見えない。 県南端の三浦半島から始まった騒動は、次第に北上するかのように今月、横浜市に達した。横浜、横須賀両市内で採取された空気からはガソリンの成分が検出されたものの、発生源は依然不明。 専門家の見方も石油タンクや船のガス抜き、「地震の前兆説」など決め手を欠き、謎は深まるばかりだ。

三浦、横須賀、逗子、横浜 … 北上する異臭

「ゴムが焼けたような臭いがする」、「シンナー臭い」。 6 月 4 日、三浦半島に位置する三浦市や横須賀市、逗子市の消防に、そんな通報が相次いだ。 200 件以上あったこの日を起点に、地元消防にはその後も月に 1 回のペースで通報が続いている。 10 月に入ると、横浜市内での通報が増え始めた。 12 日には横浜駅周辺で異臭騒ぎがあり、一部改札口を規制する騒ぎに。 駅から 2.5 キロほど内陸に離れた保土ケ谷区の市消防局でも職員が異臭を感じ、空気を採取。 分析の結果、ガソリンなどが気化した際に出る「イソペンタン」が通常の 10 倍以上、「ブタン」が 3 倍程度の濃度で検出された。

石油タンク漏れ? 石油運搬船のガス抜き?

「イソペンタンは通常ではあり得ない濃度。 人工的に出たものだろう。」 横浜国立大の浦野紘平名誉教授(環境安全学)が推測する。 通報が広範囲に及ぶことから、浦野さんは沿岸に点在する石油タンクが原因ではないかとみる。 「石油をタンクに入れるたびに、タンク内の排ガスが外に押し出される。浄化装置があり、通常はガスが外に出ないが、亀裂などがあれば漏れて異臭がする場合がある。」 東京湾を航行する石油などを運搬する船が、ガス抜きしているからではないかとの説もあるが、浦野さんは「港のそばでガス抜きは禁止されており、考えにくい」と否定的だ。

大地震の前触れか

三浦半島では関東大震災など大地震の前に異臭がしたという記録があることから、「地震の前兆説」を唱える研究者もいる。 立命館大環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授(災害マネジメント)は「地下で岩石などが割れた際には焦げた臭いがする。 巨大地震の前触れと断定できないが、警戒はしておくべきだ。」と指摘する。

異常増殖したプランクトンによる「青潮説」も

異常増殖したプランクトンが分解される過程で硫化水素を発する「青潮説」を唱えるのは、海洋問題に詳しい東海大の山田吉彦教授。 青潮は通常、春から夏にかけ東京湾で多く発生するが、「今年は海水温が高かったため、10 月でも発生してきた可能性はある」という。 ただ、通報する人によって臭いの感じ方に違いがあり、全ての通報が同じ原因かも不明だ。 山田教授は「有害な物質がないのか、原因を 1 つに特定せずに、丁寧に確認していく必要がある」と話している。 (土屋晴康、丸山耀平、東京新聞 = 10-16-20)

◇ ◇ ◇

ついに横浜市で "異臭" の採取に成功、分析の結果も判明! 度重なる "異臭騒ぎ" の正体とは

6 月以降神奈川県で毎月のように起きている原因不明の異臭騒ぎ
横浜市の研究施設で成分を分析 「ガソリンに含まれる物質」検出

住民 A : 普通のガスの臭いじゃない
住民 B : お魚が腐ったみたいな臭い
住民 C : なんかゴム臭いねって、なんか燃えてんじゃないって

この異臭、これまでは消防などが到着した時にはすでに消えていて、正体がなかなかつかめなかったが、12 日についに横浜市消防局の職員が消防局 4 階の渡り廊下で異臭のする空気を採取することに成功した。 どのように採取されたのか、取材班は横浜市役所へ向かった。

横浜市役所 大気・音環境課 鈴木孝課長 : こちらにあるポンプとビニール袋を使いまして、保土ケ谷区の方でサンプリングをしております。 消防隊が行った時にはもうすでに臭いがなくなっているという状況がずっと続いてましたので、今回はサンプリングできたというのは大きな成果だと思っております。

今回の採取で期待されるのが異臭の原因の特定。 実際に採取された空気は現在どうなっているのだろうか。

同上 : こちらでは分析できませんので、横浜市の環境科学研究所の方に持ち込んでただいま分析中です。

異臭の分析は横浜市の研究施設

取材班はさらに分析が行われている横浜市環境科学研究所へ向かった。 案内されたのは分析室が見える部屋。

横浜市環境科学研究所 百瀬英雄所長 : 向こうの壁側にあります。 2 台 2 セットの分析機器を使って分析をしております。

実際に採取されたものはどちらに?

同上 : 採取されたものはもうすでに分析のために移し替えました。 昨日採取された時の容器はこちらに置いてあるこの 2 つの袋です。

実際に異臭のする空気を採取した袋はすでに空。 現在、採取された空気は、分析装置の一部、銀色の容器の中に入っているという。

同上 : 空気の中に含まれている成分を分離して、どういう物質が入っているかというものを調べております。

空気の分析はすでに始まっていた。 これまでに分かったことはあったか。

同上 : 分析して大体の目安というところはつけてきてるんですけど、我々としては市民の方の安心安全ということで仕事をさせていただいておりますので、結果に関してはしっかりと確認をした上で公開をしたいと思っております。

「ガソリンに含まれる物質」検出

その分析結果について夕方、横浜市が会見し、異臭についてガソリンなどの蒸発ガスに含まれる物質が検出されたことを発表した。 横浜市によると、消防局の庁舎でも同じような異臭が確認されたため、空気を採取し分析した結果、ガソリンなどの燃料の蒸発ガスなどに含まれる、イソペンタンやペンタン、ブタンが通常の大気中よりも高い濃度で検出されたという。 発生源は分かっていないが、直ちに健康への影響はないという。 神奈川県では、これまでに横須賀市や三浦市などでも異臭騒ぎが起きていて、今後、横浜市は、神奈川県などと連携し調査を続ける方針。 (FNN = 10-13-20)


茨城県、8 年ぶりに魅力ビリ県脱出 かわりは北関東の …

民間調査会社による 2020 年の 47 都道府県の「魅力度ランキング」が 14 日に発表され、昨年まで 7 年連続で最下位だった茨城県が 42 位に順位を上げた。 茨城県に代わって最下位となったのは栃木県だった。 ランキングは、「ブランド総合研究所(東京都港区)」が、6 月下旬から約 1 カ月、インターネット上で約 3 万 2 千人から回答を得た。 茨城県は 2013 年から昨年まで最下位が続いていた。

県は、霞ケ浦周辺に整備したサイクリングロードや、メロンなどの農産品の魅力を積極的に発信してきた。 今年 7 月には、民間主導の「いばらきビリ県脱出連携会議」も発足。 汚名返上に、官民による取り組みが続いてきた。 同研究所によると、茨城県を「とても魅力的」とする回答が、昨年の 2.3% から5・0%に上昇。 中でも 20 代が 2.2% から 7.8% と急伸しているという。 茨城県の大井川和彦知事はこの日の結果発表を受けて報道陣の取材に応じ、「42 位ではなく、もっともっと伸びる県だと確信している」と期待を込めた。

最下位となった栃木県の福田富一知事は県庁で記者団の取材に応じた。 「結果に『えっ』と驚いた。 魅力や実力を測るのに適正な指標なのか、改めて疑問を感じた。 (回答者には)栃木県にあまり縁がなかった人が数多く選ばれたということだと思う。」と述べ、調査への不満を示した。 ランキングの 1 位は 12 年連続で北海道で、2 位も前年と同様に京都府、3 位は沖縄県(前年 4 位)、4 位は東京都(前年 3 位)で、3、4 位が入れ替わった。 (久保田一道、asahi = 10-14-20)

魅力度ランキングの上位・下位の
都道府県
ブランド総合研究所の調査
() は昨年の順位
1 位北海道(1)
2 位京都府(2)
3 位沖縄県(4)
4 位東京都(3)
5 位神奈川県(5)
42 位茨城県(47)
42 位岐阜県(36)
44 位福井県(37)
45 位佐賀県(46)
46 位徳島県(44)
47 位栃木県(43)


外国人客 99% 減だけど … 世界一魅力的な都市、京都に

米国の旅行専門誌コンデナスト・トラベラーは、読者投票による「世界で最も魅力的な都市(米国を除く)」で、2020 年は京都が初の 1 位(前年 2 位)に選ばれたと発表した。 16 年から 4 年連続で首位だった東京は 6 位に後退した。 投票は今年 4 - 6 月に実施。 同誌は、京都が「10 世紀に建てられた寺や芸舞妓(げいまいこ)を身近に感じられる古都ながら、今も新しく生まれ変わっている」と評価した。 「日本酒とともに(蒸留所が京都市内にできた)ジンの人気が高まり、ミシュランの星をもつ約 100 軒のレストランがある」とも。

京都は、ほかの米大手旅行誌「Travel + Leisure (トラベル・アンド・レジャー)」の読者投票でも 14、15 年に連続で首位に輝くなど、世界中の観光客に人気がある。 ただ、今年は新型コロナウイルスの影響でインバウンド(訪日外国人)が激減。 7 月に京都市内の主なホテルに泊まった外国人は前年同月比 99.8% 減の延べ 579 人にとどまるなど、苦戦が続いている。 門川大作市長は、読者投票結果を受けて「安心・安全が確保される『新しい観光スタイル』の推進に力を尽くす」とコメントした。

2 位以下のランキングは以下の通り。 A リヨン(仏、前年 10 位以下)、B シンガポール(同 3 位)、C シドニー(オーストラリア、同 10 位)、D ウィーン(オーストリア、同 4 位)、E 東京(同 1 位)、F ポルト(ポルトガル、同 10 位以下)、G ヘルシンキ(フィンランド、同 10 位以下)、H コペンハーゲン(デンマーク、同 6 位)、I リスボン(ポルトガル、同 10 位以下) (向井光真、asahi = 10-11-20)


最も遅いサンマ水揚げ、不漁続いたけどひと安心 気仙沼

不漁が続いていた秋の味覚サンマが 10 日早朝、宮城県の気仙沼港(気仙沼市)に今季初めて水揚げされた。 例年は 8 月下旬ごろに1番船が入るが、10 月にずれ込んだのは初めて。 市によると、記録が残る 1974 年以降でこれまで最も遅かったのは 9 月 11 日(2013 年)だった。 魚市場によると、多くは 130 グラム前後で平均的な大きさ。量は 37 トンにとどまったが、待ちかねた関係者は「やっと来たか」と笑顔を見せた。 さっそく市場で競りにかけられ、昨年並みの 1 キロ 700 - 800 円で取引された。

気仙沼漁業協同組合の斎藤徹夫組合長は「いつ来るのか不安だったが、ひと安心。 不漁は海洋環境の変化などが影響しているとみられるが、今後の水揚げに期待したい。」と話した。 昨年、気仙沼に水揚げされたサンマは 5,380 トン(約 15 億円)で全国 3 位。 (星乃勇介、asahi = 10-10-20)


星野リゾート「九州は重要拠点」 コロナ禍でも積極展開

星野リゾート(長野県軽井沢町)が九州・山口で宿泊施設を積極的に展開している。 新型コロナウイルスの影響で宿泊業界は厳しい状況にあるが、旅館やホテルを次々と開業させる。 温泉や自然など豊富な観光資源がある九州に注目し、国内旅行客に加え、将来的な訪日客の取り込みも視野に入れている。 大分・由布院で8日、星野リゾートが手がける新たな宿泊施設の起工式が開かれた。 展開するのは高級旅館ブランド「界」。 九州・山口では 5 カ所目となる。

建築家隈研吾さんの設計で、約 3 万 6 千平方メートルの敷地に棚田に似せた庭園を設置。 施設全体を自然豊かな農村風景に溶け込んだ造りにするという。 客室は五つの平屋と 3 階建ての客室棟からなり、計 45 5室。 宿泊料金は 1 泊 2 食付きで 1 人 3 万 - 4 万円を想定し、2022 年夏の開業をめざす。 星野佳路代表は式典で「由布院温泉は小さい旅館が多く、個人客中心で高単価という理想的な観光地。 地域が大事にしてきた要素を守ってプロジェクトを進めていきたい。」と話した。

星野リゾートは、大分県九重町の宿泊施設を引き継いで 11 年に「界 阿蘇」の運営を始めた。 今年 3 月には山口・長門湯本温泉で老舗ホテル跡地を開発した「界 長門」を開業。 来年は 1 月に鹿児島・霧島温泉、夏に大分・別府温泉と相次いで「界」ブランドの旅館を開業させる予定だ。 長崎・雲仙温泉でも開発計画を予定しているという。 このほか、23 年には山口・下関で都市観光型ホテル「OMO 下関(仮称)」を開業予定。 沖縄でも今年 7 月に開業した「星のや沖縄」など 4 施設を運営する。

「大きな観光資源がある九州は重要な拠点だ。」 福岡市で 5 日にあった会見で、星野代表は温泉や豊かな自然が多い九州での開発意欲をこう表現した。 九州で新規計画が相次ぐ「界」ブランドは現在、全国で 16 カ所運営する。 客室数が少なく、ゆったり過ごせる空間が特徴だ。 コロナ禍で近場旅行の「マイクロツーリズム」に注目が集まり、近隣の利用客が増えて高い稼働率を維持する施設もあるという。 星野代表は「需要の変化を感じる。 コロナ禍を乗り越えていく方法が見えてきた。」と語る。

新たな開発で力を入れるのは施設だけではない。 山口や鹿児島では自治体と協定を結び、施設を中心に地域全体で観光客誘致につなげる取り組みも進める。 九州には地域として一つにまとまって PR できる強みがあり、各地を周遊できる旅プランも描く。 国内旅行客に加えて、コロナ後に回復が期待される訪日客の利用も取り込んでいくといい、星野代表は「九州の魅力発信に星野リゾートは貢献できる」と話す。 (田幸香純、asahi = 10-9-20)


尾瀬 草紅葉 変わらぬ秋

群馬、福島、新潟の県境に広がる尾瀬ケ原で、湿原を黄金色に染める草紅葉(くさもみじ)が見頃を迎え、多くのハイカーを楽しませている。 標高約 1,400 メートルにある湿原ではヌマガヤは明るい茶色に、キンコウカはオレンジ色へと変わり、湿原に点在する池溏(ちとう)のヒツジグサも色づいていた。

今季はコロナ禍の影響で入山自粛が続いたり、一部の山小屋が休業したりと異例のシーズンとなったが、最近は大勢のハイカーが訪れるようになっている。 尾瀬保護解説ガイドの杉原勇逸さん (69) は「植物はいつも通りに花を咲かせ、実をつけ、1 年の終わりを迎えようとしている。 変わらぬ姿を見て気持ちが穏やかになる」と話した。 (張春穎、asahi = 10-6-20)


実ったよ、ワインのぶどう 函館で収穫作業

七飯町のワイン醸造会社「はこだてわいん」が 2 日、自社の農園でブドウの収穫を始めた。 2018 年から赤ワイン用のメルロー、白ワイン用のシャルドネなど5品種の栽培を始め、今年は自社農園のブドウだけを使った試験醸造に初めて挑む。 同社は余市町などの農家にブドウ栽培を委託するほか、海外産の果汁も使ってワインを生産している。 近年、「地元産のブドウだけで作ったワインを飲みたい」との要望が多く、18 年に本社近くの傾斜地 1.7 ヘクタールを借りて栽培を始めた。 この日は社員 9 人が農産物収穫用の作業車に乗り、手作業でブドウを摘んだ。 同社製造部の加持正和さんは「将来は道南のワインで、道南の美味を味わってもらいたい」と話した。 (三木一哉、asahi = 10-3-20)

〈編者注〉 余市のウィスキーに、七飯のワイン! 良い組み合わせです。 ぜひ、いいワインを生産してください! 大いに期待しています。


風の盆の 362 日を発信 U ターンで気づいた粋な暮らし

記事コピー (9-22-20)


地銀・地方紙・地場百貨店、「地方エリート没落」の不安と絶望

記事コピー (9-21-20)


急患のたらい回しなくせ 時間短縮へ高崎市の取り組み

群馬県高崎市等広域消防局の救急車が昨年度、高崎市内の患者を病院まで運ぶ時間が、前年度より約 1 分半短縮されたことがわかった。 市は、昨年度に救急隊を 1 隊増やしたことや、これまで続けてきた受け入れ病院への補助金支給などの助成策が奏功しているとみている。 消防局のまとめによると、昨年度の市内患者の搬送件数は約 1 万 4 千件で前年度より微減した。 119 番通報を受けた時刻から病院の医師に引き渡すまでの「収容時間」は 34 分 38 秒で、全国平均 39 分 30 秒、県平均 36 分 42 秒より早かった。

昨年度に北消防署の救急隊を 1 隊から 2 隊に増設。 司令塔となる救急係を課に格上げし、3 人から 5 人に増員したことなども短縮の要因の一つという。 消防局は 7 年前から、多くの病院で受け入れを拒否される「たらい回し」をなくそうと様々な事業を展開してきた。 救急隊は現場到着後、受け入れ病院を探すが、市内約 20 病院とのネットワークを構築し、端末を見ればどこが受け入れ可能か一覧できるようにした。 市は病院に受け入れの可否を 1 日 2 回以上更新するよう求め、月 6 万円補助している。

また、夜間・休日に受け入れた救急搬送患者の数に応じて補助金を出しており、昨年度の補助額は計 7,700 万円。 救急専門の医師を配置した病院には年間医師 1 人分 2 千万円を補助している。 市は、こうした補助事業が収容時間の短縮を後押ししたとみている。 (野口拓朗、asahi = 9-19-20)


仮面神メンドンが島の厄払い コロナ終息願って 鹿児島

鹿児島県三島村の硫黄島に伝わる「硫黄島八朔(はっさく)太鼓踊り」が 17、18 日に島内であった。 国内の「来訪神」の一つとして、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された仮面神「メンドン」が現れ、島の厄払いをした。 メンドンの面は、赤と黒の格子柄から渦巻き模様の耳が飛び出す奇怪な形相。 太鼓踊りの場に 4 体が乱入し、スッベと呼ばれる神木の枝で集まった住民たちをたたいて回った。 18 日夜は踊り手たちと集落を巡り、悪霊を海に追い出す「たたき出し」をした。

硫黄島などの離島からなる三島村は新型コロナウイルスへの対応で不要不急の来島自粛要請を継続中。 今月上旬の台風 10 号の際は「県本土」の鹿児島市へ初の島外避難をした。 行事の保存会長の徳田保さん (65) は「開催が危ぶまれたが、災いの多い年だからこそ、やりたかった。 メンドンがコロナも追っ払ってくれるでしょう。」と話した。 (奥村智司、asahi = 9-19-20)


「短命県返上に …」 住民 1 千人を毎年健診しデータ解析

住民健診で蓄積したビッグデータを健康づくりに生かす弘前大学のプロジェクトが、優れた地域産業支援の取り組みを表彰する「イノベーションネットアワード 2020」の文部科学大臣賞に選ばれた。 解析したデータを生活習慣病などの早期発見や予防に生かす取り組みで「健康意識改革が図られ、短命県返上に貢献した」と高く評価された。 全国の産業支援機関や大学で作る全国イノベーション推進機関ネットワークが 8 日に発表した 9 回目の同アワードで、「弘前大学 COI 研究推進機構」の取り組みが受賞した。

弘前大などは、弘前市岩木地区の住民約千人を対象にした大規模健診を 2005 年から毎年実施し、3 千項目にわたる健康データを蓄積する「岩木健康増進プロジェクト」を進めている。 このデータを解析し、予防や医療に生かす弘前大学 COI の取り組みが健康寿命改善に貢献し、参加企業などを巻き込んだ健康機能食品やサプリメントの開発、市場活性化を実現したと評価された。 弘大 COI のプロジェクトは内閣府などが主催する「第 1 回日本オープンイノベーション大賞」を 18 年度に受賞。 19 年度は日本が直面する課題の解決へ向けた革新的な地域の取り組みを表彰する「プラチナ大賞」を受賞している。 同アワードの表彰式は、29 日に東京都内で開かれる。 (林義則、asahi = 9-15-20)