JR 九州、4 割の区間「維持困難」平均利用者 4 千人割れ

JR 九州は、2018 年度の鉄道路線・区間ごとの利用状況を公表した。採算の目安となる 1 日 1 キロあたりの平均利用者数(輸送密度)で、全体の 4 割を超える区間が「維持するのは困難」とされる 4 千人を下回った。 これらの区間を含む路線では今後、路線を維持するかどうかの議論が浮上する可能性がある。

JR 九州は 17 年に初めて輸送密度を公表し、今回で 3 回目。 全 22 路線・61 区間のうち、26 区間の輸送密度が 4 千人を下回った。 うち 17 区間は 2 千人を下回った。 区間でみると、豊肥線の宮地 - 豊後竹田(101 人)は前年より微増したが、2 年連続で最も低かった。 肥薩線の人吉―吉松(105 人)、日南線の油津 - 志布志(193 人)が続き、ともに前年より減らした。

JR 九州の青柳俊彦社長は昨年、輸送密度 4 千人未満の区間について、路線ごとにコストが異なるなど一概には言えないとしつつ、「基本的には鉄道で維持するのは困難なエリア」との見方を示した。 JR 北海道は 16 年、2 千人未満について「単独では維持が困難な線区」としている。 JR 九州の 18 年度の鉄道事業(単体)の営業損益は実質 8 億円の赤字。 在来線の収支は、13 - 17 年度の平均実績で 18 区間のうち 1 区間を除いて赤字だった JR 四国と「ほとんど差はない(青柳社長)」という。 今後、路線ごとの収支についても明らかにする方針で、鉄道の維持について地元自治体と議論を深めたい考えだ。

一方、在来線でも鹿児島線の小倉 - 博多(8 万 2,713 人)や博多 - 久留米(6 万 8,269 人)、筑肥線の筑前前原 - 姪浜(4 万 6,283 人)など福岡市近郊の輸送密度が高い傾向は変わらない。 好調な九州新幹線は、博多 - 鹿児島中央で 1 万 9,275 人だった。 (山下裕志、女屋泰之、asahi = 7-23-19)

輸送密度が 4 千人未満の区間 * 災害で不通だった区間は除く
路線名区 間輸送密度(人)
日豊線佐伯 - 延岡889
日豊線南宮崎 - 都城3,584
日豊線都城 - 国分1,438
筑肥線伊万里 - 唐津222
宮崎空港線田吉 - 宮崎空港1,918
筑豊線若松 - 折尾3,980
日田彦山線城野 - 田川後藤寺2,471
後藤寺線新飯塚 - 田川後藤寺1,315
久大線久留米 - 日田3,437
久大線日田 - 由布院1,756
久大線由布院 - 大分2,294
唐津線久保田 - 唐津2,203
唐津線唐津 - 西唐津1,005
豊肥線宮地 - 豊後竹田101
豊肥線豊後竹田 - 三重町951
豊肥線三重町 - 大分3,877
肥薩線八代 - 人吉455
肥薩線人吉 - 吉松105
肥薩線吉松 - 隼人656
三角線宇土 - 三角1,242
吉都線吉松 - 都城465
指宿枕崎線喜入 - 指宿2,537
指宿枕崎線指宿 - 枕崎291
日南線南宮崎 - 田吉3,770
日南線田吉 - 油津1,160
日南線油津 - 志布志193


新しい「スカイライン」を発表 国内初の機能を搭載

日産自動車は 16 日、高級セダン「スカイライン」を一部改良して発表した。 ハイブリッド車 (HV) には、高速道路上でハンドルから手を放した状態で運転できる機能を国内メーカーで初めて搭載。 5 年ぶりに日産のエンブレム(マーク)も復活させた。 9 月に発売する。 スカイラインは、1957 年に初代が発売された、同社で最も歴史の古い車種で、現行のモデルは 13 代目にあたる。

手放し運転ができるのは、高速道路上での同一車線。 速度を設定して走り続ければ、ハンドルやアクセル、ブレーキ操作を自動で行う。 車内の赤外線カメラでドライバーが前方を注視していることが確認されれば、ハンドルから手を放した状態でも走り続ける。 運転手が前から目をそらし続けたり、目を閉じていたりすると、警報音が鳴る。 目線が戻らないと緊急停止する。

また、設定速度で走行中に前方に車を検知して追いつきそうになった場合や、カーナビで設定した目的地にたどり着くのに高速道路で分岐する必要がある場合は、車線変更を車内のモニター上で提案する。 車線を変える場合、ドライバーはハンドルを握ったうえで手元のスイッチを押すだけで、車線を変えられる。 詳細なデジタル地図を使ったカーナビや、高機能なセンサーと連動させることで実現したという。 こうした機能をあわせ持つ車は世界初だとしている。

さらに、最高速度や走行範囲をあらかじめ設定しておけば、これを超えて運転した場合に、運転手の家族などがスマートフォンに通知を受けられる機能をつけた。 高齢の運転手による事故などが相次いでいることに対応した。 外観も大きく変えた。 2014 年発売の現行モデルからは、海外限定の高級車ブランド「インフィニティ」のエンブレムを使っていたが、今回の改良で日産のエンブレムに戻した。

手放し運転ができる機能がつくのは HV だけで、価格は消費税込み 547 万 4,520 円から 632 万 7,720 円。 ガソリン車は 427 万 4,640 円から 552 万 3,120 円。 日産は、北米での販売不振などから業績が低迷。 カルロス・ゴーン前会長の逮捕を受け、6 月末に経営体制を一新し、再建を急いでいる。 その柱が、自動運転につながる運転支援や、電動化といった先端の技術だ。 今後、手放し運転の機能は他車種にも広げる考えで、第 1 弾となるスカイラインの売れ行き、同社の今後にとっても重要な意味を持ちそうだ。 (森田岳穂、asahi = 7-16-19)


E195-E2、日本初飛来 "TechLion" アジア太平洋ツアーで羽田到着

リージョナルジェット機世界最大手であるブラジルのエンブラエルが開発した最新型機 E195-E2 の飛行試験機が 7 月 15 日夕方、羽田空港に到着した。 同社が「TechLion (テックライオン)」と呼ぶ塗装が特徴的で、アジアツアーの一環として、日本に初飛来した。

E2 シリーズは従来のエンブラエル 170 (E170) と E175、E190、E195の 4 機種で構成する「E ジェット」の後継機で、E195-E2 のほか E175-E2 と E190-E2 の 3 機種で構成する。 このうち E195-E2 は、シリーズで胴体がもっとも長い機体で、メーカー標準座席数は 1 クラス最大 146 席、3 クラス 120 席。 新型エンジンや新設計の主翼、主脚の格納した際のドアなどで、燃費を向上させ、最大航続距離は 4,815 キロ(2,600 海里)となる。

今年 4 月には、機体の安全性を各国の航空当局が証明する「型式証明 (TC)」を、ANAC (ブラジル民間航空国家機関)と FAA (米国連邦航空局)、EASA (欧州航空安全局)から同時取得している。 エンブラエルは、今月 8 日から E195-E2 のアジア太平洋ツアーを開始。 中国・アモイからスタートし、これまでにマカオ、ソウル(金浦)を巡っており、羽田の A 滑走路には 15 日午後 3 時 39 分に着陸した。 6 月に開催されたパリ航空ショーにも出展された機体で、ツアーでは PRZIQ という登録記号に基づいたコールサインを使用している。

エンブラエルは、E2 シリーズのキャッチフレーズとして「プロフィット・ハンター」を掲げており、猛獣の顔を機首に描いてきた。 2017 年 6 月開催のパリ航空ショーに出展したE195-E2 はイヌワシ、2018 年 3 月開催のシンガポール航空ショーではトラを描いた E190-E2、同年 7 月開催のファンボロー航空ショーにはサメの E190-E2 が出展され、この機体は同年 10 月に伊丹と羽田へ飛来し、E2 シリーズの日本デビューとなった。 TechLion と呼ぶ今回の機体は、コンピューター基板のようなライオンを機体全体にデザインしている。

E2 のエンジンは、三菱航空機が開発を進めているリージョナルジェット機「三菱スペースジェット(旧 MRJ)」と同じく、低燃費と低騒音を特徴とする米プラット・アンド・ホイットニー (PW) 製 GTF エンジンを採用。 推力の違いにより、E175-E2 が PW1700G、E190-E2 と E195-E2 が PW1900G を搭載する。 座席数で比較すると、E175-E2 は 1 クラス 92 席の「SpaceJet M90 (旧 MRJ90)」と競合する。 一方、エンブラエルには 3 クラス 65-76 席の「SpaceJet M100」にあたる次世代機が存在せず、E170 が座席数で同じサイズになる。

日本の航空会社で E2 シリーズの採用を決定した航空会社はないが、E ジェットは日本航空 (JAL/JL) グループで地方路線を担うジェイエア (JAR/XM) と、鈴与グループのフジドリームエアラインズ (FDA/JH) が採用。 このうち、ジェイエアは、E190 を 2016 年 5 月から運航している。 (Tadayuki Yoshikawa、AviationWire = 7-15-19)


大分で半世紀ぶりに SL が快走 愛好家ら 1 日限定で実現

JR 久大線など大分県内の鉄路に 9 日、蒸気機関車 (SL) がおよそ半世紀ぶりに復活した。 沿線は詰めかけた見物客や写真愛好家らでにぎわった。 久大線は SL の運用を止める「無煙化」が 1970 年に終了。 SL が釜に火を入れ煙を吐いて走るのは 72 年以来という。 SL は「湯けむり号」。 大分県内での SL 定期運行をめざす「大分に SL を走らせる会」が、JR 九州の「SL 人吉」をリースした。客車は 3 両で、水分峠など勾配がきつい場所があるため、最後尾に後押し役のディーゼル車を付けた。

この日はツアーやクラウドファンディングで予約した約 100 人の乗客を乗せ、日田駅(日田市)を午前 9 時 20 分に出発。 大分駅から日豊線を経て別府駅(別府市)まで走った。 途中の豊後森駅(玖珠町)では、かつて SL 運行の拠点だった旧豊後森機関庫をガイドが案内。 由布院駅(由布市)では 45 分停車し、乗客らは近隣の散策なども楽しんだ。 大分 - 別府間では別府湾を望む国道 10 号と並走。 観光名所の高崎山や水族館「うみたまご」などを横目にラストスパートした。 会では将来的には自前の SL を買い、JR に委託する形で日豊線や豊肥線などでも定期運行したい考え。 今回の走行で県内外の機運が高まることを期待している。 (寿柳聡、asahi = 7-11-19)


「車離れ」叫ばれる若者 なぜかあのアメ車だけが人気

若者の車離れが言われて久しい。 自動車メーカー各社は若者に受ける車を出そうと四苦八苦しているが、最近、日本では意外な車が若者に受けている。 それは米ゼネラル・モーターズ (GM) のスポーツカー「シボレー・カマロ」。 ドイツ車が主流の輸入車市場では少数派の「アメ車」だが、若者に熱狂的なファンがいるという。 いったい何がその心をつかんでいるのか。

カマロは 1960 年代に初代モデルが登場し、現行車は 2017 年発売の 6 代目。 低い車高に広い横幅、力強いボディーラインの「アメ車ならではの個性的なザイン(GM 日本法人)」だ。 かつての憧れの存在だった往年のアメ車を思わせるデザインで、当時を知る高めの年齢層に売れるかと思われた。 しかし、GM 日本法人によれば、18 年に売れた約 600 台を購入者を年代別に見ると、20 代が 29% でトップ。 10 代も合わせるとちょうど 3 割を占めた。 輸入車でも、ここまで若い年齢の購入者が多い車種は珍しいという。 GM の広報担当者は「当初は 50 代以上をターゲットにしていただけに驚いた」と話す。

いったいどんな若者が買っているのだろうか。 日本メーカー車では、たとえばホンダで最も若者の購入割合が高い車は 10 - 20 代が 22% を占める「シビック」だという。 価格は 280 万円からだ。 日産自動車では、200 万円台のスポーツ用多目的車 (SUV) 「エクストレイル」が若者に人気だ。 一方、カマロは消費税込み 529 万円からと高額で、若者が買いやすい値段とはいえない。 国内メーカーの広報担当者は「お金に余裕があるかなり特殊な層が買っているだけでは」という。 しかし GM によると、現金での購入は全体の 3 割ほどで、「ローンを組む購入者が多く、車マニアではないサラリーマンも多い」という。

意外な若者の「カマロ人気」。 そのヒントは映画にあった。 07 年公開のハリウッド映画「トランスフォーマー」。 カマロから変形してロボットになる「バンブルビー」と呼ばれるキャラクターが活躍する。 映画の効果で、米国ではカマロに着目する若者が増えたとされ、その流れがに日本にも波及したようだ。 長野県松本市の会社員吉沢茂樹さん (23) は小学生の時に見たトランスフォーマーでカマロを知り、2 年前に購入したという。 「車好きでなかったのですが、映画で衝撃を受けた。 人とかぶらない個性が、日本車にはない魅力。 3 年間貯金したかいがありました。」

モータージャーナリストの石井昌道さんは「趣味的な車は 50 - 60 代が主な購入者。 ここまで若い人が買う車は珍しい。 カマロは昔からアメリカらしさを大切にしていたので、米国車の中でも特にアメリカンな感じが強い。 個性を強く打ちだせば、決して安くない車でも若者の購入意欲を引き出せる可能性があるのでは。」と話す。 思わぬ人気を獲得したカマロ。 とはいえ、販売台数自体は日本の輸入車全体の 1% にも満たない。 若者からの支持をきっかけに、アメ車が復活ののろしを上げるのか、今後の販売動向に注目だ。 (森田岳穂、asahi = 7-10-19)


SUV 競争、次はフランス勢が新型 おしゃれな「DS」

プジョーやシトロエンを傘下に置く仏自動車大手、グループ PSA の日本法人は 10 日、新型の SUV (スポーツ用多目的車)「DS3 クロスバック」を発表した。 全長 4.12m の 5 ドアハッチバックで、SUV としては比較的コンパクトな車体に、最新の安全運転支援機能を備える。 DS ブランドで特徴的な、デザイン性の高い車体や室内のデザインも売りだ。 1.2 リットルのガソリンターボエンジンで消費税込み 299 万 - 404 万円。

DS は、PSA が 2014 年にシトロエンから独立させてつくったブランドで、「ラグジュアリー」がテーマ。 今回の新型 SUV では、前の車との車間距離を保つ機能や、衝突軽減ブレーキなどの安全運転支援機能をつけた。 日本法人のクリストフ・プレボ社長は「セダンと SUV のいいところを凝縮したような車だ。 妥協は一切ない。」と話した。 SUV は世界的な人気が続いており、独メルセデス・ベンツや BMW、アウディなどの高級車メーカーがこぞって新型を投入しており、競争が激しくなっている。 (森田岳穂、asahi = 7-10-19)


ボーイングの納入機数、4 割減る 主力機の事故が響く

米航空機大手ボーイングは 9 日、2019 年 1 - 6 月の商用機の納入機数が前年同期より 37% 減り、239 機になったと発表した。 墜落事故が相次いだ主力小型機「737MAX」の納入を 3 月から見合わせていることが響いた。 一方、ライバルの欧州エアバスは同 28% 増の 389 機。 通年でもボーイングが 8 年ぶりに世界首位をエアバスに明け渡す公算が大きくなった。

ボーイングの納入機数のうち、事故を起こした最新鋭の「MAX」を含む 737 シリーズは 113 機。 前年同期の 269 機から 6 割も減った。 今年 3 月にエチオピアで 2 度目の墜落事故が起きた後、737MAX は世界中で運航停止となり、ボーイングは同型機の納入停止と 2 割減産を続けている。 稼ぎ頭の 737MAX の急減速は、ボーイングが今月下旬に発表する予定の 19 年 4 - 6 月期決算に大きく影響しそうだ。 墜落事故につながったとみられる飛行システムをめぐり、米航空当局は 6 月、別の問題も新たに発見したとしており、運航再開は秋以降にずれこむ可能性が高い。 これに伴い、737MAX を納入できない期間も長引く見込みだ。 (ニューヨーク = 江渕崇、asahi = 7-10-19)

Boeing 737MAX 欠陥問題


ベンツ初の電気自動車は SUV 航続距離 400 キロ

独メルセデス・ベンツの日本法人は 4 日、ベンツ初の電気自動車 (EV) 「EQC」後展開していく電動車のシリーズ。 「EQC」はその第 1 弾だ。 二つの電気モーターをのせた四輪駆動車。 時速 60 キロメートルまで 2.5 秒で、100 キロメートルまで 5.1 秒で加速する。 最高速度は 180 キロメートル。 急速充電なら、80 分で充電できる。 車内には大型のタッチパネルをつけ、独自開発の AI (人工知能)による音声認識機能も載せた。 高速道路の上で自動で車線変更する機能や、前の車との距離を自動で調整する機能もついている。

内外装のデザインが異なる 55 台限定の特別仕様車(消費税込み 1,200 万円)の予約の受け付けをインターネット上で 18 日から始める。 通常モデルは来年春以降の納車の予定。 独メルセデス・ベンツの日本法人の上野金太郎社長は「一目で EQ とわかる印象的なデザインだ。 今後、順次 EQ シリーズを日本に投入していく。」と話した。 欧州勢ではすでに、独フォルクス・ワーゲンや BMW、英ジャガー・ランドローバーが EV を日本で発売済み。 独アウディとポルシェは 2020 年に EV を日本市場に投入する予定で、輸入車市場でも EV の競争が激しくなりそうだ。 (森田岳穂、asahi = 7-4-19)


ホンダ 13 年ぶり V F1・オーストリア GP 30 日

F1 シリーズ第 9 戦はオーストリア・シュピールベルクのレッドブル・リンクで決勝が行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン (21) = オランダ = が優勝し、ホンダにとって 2015 年に始まった F1 活動第 4 期における初勝利を記録した。 ホンダ製エンジンは第 2 期(1983 - 92 年)に 69 勝をマークして黄金期を築いた。 第 1 期 - 第 3 期の活動では通算 72 勝(ホンダ単独チームの 3 勝含む)を挙げており、F1 通算 73 勝目。 ホンダ単独チームで勝った 06 年ハンガリー GP 以来、13 年ぶりの優勝となった。 (jiji = 7-1-19)


前面に窓がない? NASA の超音速ジェット機「X-59」

超音速機、再び

記事コピー (3-2-16 〜 6-28-19)


カーシェアに EV 本格導入 タイムズまず 100 台

カーシェア最大手のタイムズ 24 は 26 日、8 月から電気自動車 (EV) の貸し出しを本格的に始めると発表した。 まずは 100 台を導入し、利用状況などをみて拡大も検討する。 カーシェア大手で EV を本格的に導入するのは初めて。 導入するのは日産自動車の EV 「リーフ」。 駐車場には充電スタンドも設置する。 料金体系などは検討中。

一部の EV には同社で初めて、WiFi (ワイファイ、無線 LAN)をつける。 運転せず車内で休憩するなどの使い方が一部の利用者の間で広がっていることに対応する。 同社はこれまでも 4 台の EV を試験的に導入していた。 世界的に環境規制が高まり、EV の普及が見込まれる中、今後、EV の需要も増えるとみて先手を打った。 カーシェアを担当する斎藤章部長は「EV であればアイドリング時の騒音もなく、利用方法の幅が広がる。 (カーシェアでは)ハイブリッド車などがすでに人気なので、利用したいという人は多いと思う。」と話した。 (森田岳穂、asahi = 6-26-19)


ボンバルディア小型機事業、三菱重工が買収 590 億円

三菱重工業は 25 日、カナダ・ボンバルディアの小型旅客機「CRJ」事業を買収することで同社と合意したと発表した。 買収額は約 5.5 億ドル(約 590 億円)。 2 億ドル(約 210 億円)ほどの債務も引き受ける。 顧客基盤を引き継ぎ、国産初のジェット旅客機「スペースジェット」の受注強化につなげる。 CRJ は座席数が 50 - 100 席ほどの小型旅客機。 1,900 機以上の納入実績があるが、エンブラエル(ブラジル)に押されて受注に苦戦していた。 ボンバルディアは旅客機事業から撤退する方針で、CRJ 以外の旅客機事業は欧州エアバスなどに売却済み。 CRJ も売却先を探してきた。

買収は 2020 年上半期に完了する見込みで、三菱重工はスペースジェット事業をテコ入れする。 スペースジェットの機体は CRJ とサイズが重複するため、CRJ を使う航空会社の買い替え需要を取り込む考えだ。 また、機体の修理や保守といったアフターサービス事業も引き継ぐことができる。 買収によって、納入実績のないスペースジェットの弱点を補うこともできそうだ。

スペースジェットは「MRJ」の名前で、08 年に始まった国産初のジェット旅客機事業。 当初は 13 年に初号機を納入予定だったが、設計変更などで納期を5度延期。 20 年の納入をめざす。 今年 3 月からは、当局からの「お墨付き」となる型式証明を得るために米国で試験を繰り返している。 (初見翔、asahi = 6-25-19)

◇ ◇ ◇

MRJ、スペースジェットへの改名を発表

三菱重工業の子会社・三菱航空機は 13 日、開発中の国産ジェット旅客機「MRJ」の名前を「スペースジェット」に変更すると正式に発表した。 開発が遅れたイメージを払拭し、受注拡大をめざす。 MRJ は「ミツビシ・リージョナル・ジェット」の頭文字。 「地域の」という意味のリージョナルには、座席が狭いイメージがあるとの指摘もあった。 新名称は「広々とした」という意味の英語「スペーシャス」にちなんだという。

これまで「MRJ90」としてきた、座席数が 90 席級の機体は「スペースジェット M90」に変更。 定員は 76 - 92 人で、2020 年半ばの納入開始を予定する。 一方、「MRJ70」としていた 70 席級の機体は「スペースジェット M100」とする。座席数は 65 - 88 席。 2 種類の機体をまとめたシリーズとしての名前は「三菱スペースジェット」とする。 これらの詳細は 17 日に開幕する「パリ航空ショー」で説明するという。

MRJ は 08 年に事業化。 13 年に初号機を納入する計画だったが、安全確保のための設計変更などが相次ぎ、納入時期を 5 度延期している。 三菱重工業は事業を加速させるため、競合するカナダ・ボンバルディアの小型航空機事業の買収交渉も進めている。 (初見翔、asahi = 6-17-19)

◇ ◇ ◇

70 席規模の MRJ、機体概要をパリ航空ショーで発表へ

三菱航空機の水谷久和社長は名古屋市内で会見し、国産初のジェット旅客機「MRJ」の 70 席規模の機体について、17 日に始まるパリ航空ショーで概要を発表する方針を示した。 MRJ は 2020 年半ばに初号機の納入を目指しており、90 席規模の機体開発が大詰めを迎えている。 ただ、最大市場の米国では、航空会社の労使協定によって、この機体が運航できない状況が続いている。 そのため、三菱航空機は協定に該当しない 70 席規模の機体の開発を急ぐ。水谷氏は 7 日の会見で「市場に投入するならどういうものがいいか、我々の考えを世界の皆さんに話したい」と述べた。

また、親会社の三菱重工業が、カナダの航空機大手ボンバルディアから小型航空機事業を買収する方向で交渉している件については、「検討中」とした上で「答えが出ているわけではない」と話した。 このほか、海外生産については「一つの製造ラインで追いつかないとなれば、将来の選択肢としてはありうる」と説明した。 具体的な検討はしていないという。 (初見翔、asahi = 6-10-19)

◇ ◇ ◇

MRJ の設計変更、6 月に完了へ 初号機引き渡し 20 年

国産初のジェット旅客機 MRJ を開発する三菱航空機(愛知県豊山町)の水谷久和社長は 16 日、機体の設計変更を 6 月末までに完了させる考えを示した。 当初の見通しより作業が複雑で時間がかかっていたが、完成のめどがたったという。 新たな試験機をつくって米国での飛行試験に臨む予定だ。 この日、名古屋市内で記者会見を開いて明らかにした。

設計の変更は、安全性を高めるために計器類や電線の配置を改めるもので、当初は 2017 年秋に終える見通しだった。 しかし、電線の配置を見直す作業が複雑で手間取った。 そのため、同時進行で試験機も製造してきた。 水谷氏は新しい試験機について、「なんとか早く完成させて飛行試験につなげたい。第 2 四半期(4 - 6 月)あたりに試験に組み込むことになりそうだ」と述べた。

MRJ は 08 年に三菱重工業が開発を始めたものの、作業が難航。 13 年を予定していた初号機の引き渡し時期は 5 度延期され、現在は 20 年半ばを目指している。 今年 3 月からは、国土交通省が安全性を証明する「型式証明」を得るための飛行試験を米国で受けている。 ただ、これは設計変更を行う前の試験機。 型式証明を取得するには、設計変更後の機体を使う必要がある。 そのため、三菱航空機は新たな試験機をつくり、安全性が確認でき次第、米国に持ち込む。 (初見翔、asahi = 4-16-19)

前 報 (12-25-18)


マツダの「思わせぶり」特許、ファン興奮 RE 車復活か

マツダの看板技術、ロータリーエンジン (RE) で走る車が復活するのか。 ファンたちが盛り上がっている。 来年、100 周年を迎えるから、というだけではない。 今年 1 月末に公開された特許が「思わせぶり」だというのだ。 「ここ 2 - 3 年に公表された特許と比べると、排気位置などがらっと変わった。 試行錯誤の後に、落ち着いた印象だ。 いよいよ新車が出るのかと、期待してしまう。」 RE 車を扱うチューニングショップを経営する茨城県下妻市の浜口康志さん (41) は声を弾ませる。

RE は、空気を圧縮するためにピストン運動を行うふつうの自動車エンジン(レシプロエンジン)と異なり、回転運動をするのが特徴だ。 このため振動が少なく音が静かだという特徴がある。 小型の割りに、出力も大きい。 運転したときの加速感は独特で、ファンも少なくない。 一方で、燃費が悪いという欠点もあった。 加えて以前の RE のターボは、低速域での反応が遅かった。 信号が多い街中での運転には向かなかったのだ。

世界で唯一の量産メーカー

RE は 1957 年、西ドイツ(当時)の自動車メーカー、NSU などが開発に成功した。 技術供与を受けたマツダ(当時は東洋工業)は 67 年に、RE を積んだコスモスポーツを発売。 70 年代、石油危機に見舞われると、各社は燃費の悪い RE 開発から撤退し、結果的にマツダが、世界で唯一の量産メーカーとなった。 マツダはその後、RE を積んだ車を次々に市販したが、経営危機に見舞われるとスポーツ車の開発にブレーキがかかった。 2012 年に RX-8 の生産が終了したことで、ファンに惜しまれつつ、市販車から RE 車が消えた。

マツダはその後、ヒット車が相次ぎ、業績が回復していった。 そして昨年秋、RE の復活が発表される。 だがこれは、電気自動車 (EV) のバッテリーを充電するための小型 RE を積んだ車だ。 RE で走る車については丸本明社長が「将来の夢」と説明するにとどまっていた。

思わせぶりなターボと排気方式

前置きが長くなったが、今回の特許は、そんな長い経緯を経て公開された。 ファンが色めきだったのは、その内容だ。 特徴は大きく 2 つある。 ターボを搭載したことと、排気方式を変えたことだ。 ターボは、エンジンの排気量以上に出力を上げることができる。 一方、排気方法の変更は、排出されたガスどうしが干渉し合って流れが悪くなる課題を解決したものだ。 これにより、燃費の悪さや低速域での反応の悪さといった、RE の欠点が補える。

関西で RE 車が集まるイベントを主催する中村英孝さん (54) は、今回の特許に、マツダのターボ開発の中心的人物が名前を連ねたことにも注目している。 新 RE に電動モーターも併用するハイブリッド車を想定しながら、「環境基準をクリアしながら、RE でなければできない車を期待したい」と話す。 マツダの広報担当者は、「量産が決まったわけではない」と話し、具体的な説明は避けている。 だがファンたちはすでに、復活時期や搭載モデルの予想で盛り上がっている。

根強い「エンジン楽しみたい」の声

最近の自動車開発は、燃費などの環境面と、自動運転技術などの安全面が重視されている。 だが自動車ファンの間では、「エンジンを楽しみたい」という願望は根強い。 音や震動や乗り心地、運転する楽しさを求めているのだ。 今春、トヨタ自動車が 17 年ぶりにスープラを復活させたのも、そんな声に耳を傾けたからではないか。 スポーツカーの登場に必要な「社会的機運」も確実に高まっていると感じる。 マツダが創業 100 周年を迎えるのは来年だ。 今年の秋には、2 年に 1 度の東京モーターショーがある。 重要な発表には絶好の機会だが、果たしてファンの期待は現実のものとなるのだろうか。 (神沢和敬、asahi = 6-20-19)


ブレーキの踏み間違い防止 ホンダが後付け装置発売へ

ホンダは、アクセルとブレーキの踏み間違えによる事故を防ぐため、販売済みの車にも取り付けられる装置を近く発売する。 ホンダによると 19 日の定時株主総会で、装置の発売を求める株主に対して、八郷隆弘社長が「後付け機能も、できるだけ早く販売したい」と答えた。 すでに開発に取り組んでいることも明らかにしたという。 具体的な発売時期や価格、対象車種などは未定。

ブレーキをするつもりで誤ってアクセルペダルを強く踏み、急加速して事故につながる例が目立つ。 事故を防ぐため、後から車に取り付けられる装置があり、費用は数万円かかるのが一般的だ。 東京都が高齢者による購入・設置費の 9 割ほどを補助すると決めるなど、自治体の支援制度が拡大しつつある。 こうした装置は一部の部品メーカーや自動車用品会社が販売するのにとどまっていたが、昨年 12 月にトヨタ自動車が新たに発売し、対象車種を拡大する方針も示している。 トヨタの子会社のダイハツ工業も同様の装置を販売している。 (友田雄大、asahi = 6-19-19)


翼を振りトゥールーズをフライパス JAL A350 初号機受領

日本航空のエアバス A350-XWB の初号機となった A350-900 国内線仕様機。 現地時間 6 月 13 日に、仏トゥールーズでデリバリーセレモニーを終えると、日の丸の小旗を振るエアバスや JAL の関係者に見送られて出発した。 離陸時も音は静かで、右旋回後は空港上空を翼を左右に振ってフライパスし、羽田空港へ向かった。 JAL がエアバス機を受領するのは、統合前の日本エアシステム (JAS) が発注した中型機 A300 を除くと初めてで、ロールス・ロイス製ジェットエンジンも初導入だ。

A350-900 は、初号機から 3 号機までが特別塗装機。 機体後部に A350 のロゴを大きく描き、初号機は "挑戦" を示す「レッド」、2 号機は "革新" の「シルバー」、3 号機は "エコ" の「グリーン」を採用した。 翼端はいずれも JAL のシンボルカラーである赤を配した。 エンジンは英ロールス・ロイス製トレント XWB を搭載する。 座席数は 3 クラス 369 席で、ファーストクラスが 12 席(2-2-2 席配列)、クラス J が 94 席(2-4-2 席)、普通席が 263 席(3-3-3 席)。 全クラスに新シートを導入し、全席に電源コンセントと充電用 USB 端子、個人用画面を備え、機内インターネット接続「JAL Wi-Fi サービス」を無料で提供する。

羽田へ向かうフェリーフライト(回航便)の JL8102 便には、社長時代の 2013 年に A350 を発注した JAL の植木義晴会長も搭乗。 機体に乗り込む際は、黄金の鶴丸ロゴを掲げ、満足そうな笑みを浮かべていた。 JL8102 便は、13 日午後 0 時 35 分に出発し、同 47 分に離陸。 羽田には 14 日午前 7 時 46 分に B 滑走路へ着陸し、同 56 分に格納庫前の 211 番スポット(駐機場)に到着した。 (Tadayuki Yoshikawa、AviationWire = 6-15-19)


高齢者向け新免許創設 メーカーは安全機能の開発競う

政府は 75 歳以上の高齢ドライバーを想定し、新しい運転免許制度を創設する方針です。 安全運転の支援システムを搭載した自動車に限定して運転を認める枠組みで、新免許は新型車の買い替え需要を促しそうです。 75 歳以上の高齢ドライバーは 2018 年末時点で 563 万人で、18 年の高齢者による死亡事故は全体の約 15% を占めています。 最近でも福岡市や東京・池袋で高齢ドライバーによる死亡事故が相次ぎ発生。 高齢ドライバー対策を求める世論が高まったことから、政府も制度面の検討を急ぐ必要があると判断しました。

企業も対策に動き始めています。 08 年に富士重工業(現 SUBARU)が安全運転支援システム「アイサイト」を開発。 10 年に乗用車「レガシィ」に搭載しました。 トヨタ自動車は 15 年から先進安全システム「トヨタセーフティセンス」を導入。 「アルファード」や「ヴェルファイア」といった上級ミニバンなどに夜間の歩行者を検知する自動ブレーキを標準搭載しました。 トヨタとデンソーはアクセルとブレーキの踏み間違いなどによる事故を防ぐ後付け装置を開発。 19 年内には「プリウス」や「ヴィッツ」など 12 車種に取り付けられるようにします。 (nikkei = 6-11-19)


日産「誠に遺憾」、ルノーの棄権方針に不快感

日産自動車が今月下旬の株主総会にはかる、指名委員会等設置会社への移行のための定款変更の議案に、大株主の仏ルノーが棄権の意向を示した問題で、日産の西川(さいかわ)広人社長兼 CEO (最高経営責任者)は 10 日、「ルノーの意向はコーポレートガバナンス(企業統治)強化の動きに完全に逆行する。 誠に遺憾」とコメントを出した。 ルノーの事実上の反対表明に対し、不快感を示した形だ。

西川氏はコメントで「取締役会にはルノー指名による代表者も加わり、議論を尽くし、取締役全員が賛同していたにもかかわらず、ルノーからこのような意向が示されたことは大変な驚き」とした。 日産は、カルロス・ゴーン前会長による不正を長年許してきた企業体質を改革しようと、社外取締役の権限を強めて経営の監督と執行の分離を進めるため、指名委員会等設置会社への移行をめざしている。

移行は先月、ルノー出身者も入った日産の取締役会で決議している。 移行に必要な定款の変更は今月 25 日の定時株主総会にはかる予定だ。 日産関係者によると、ルノーが議案に棄権する旨の書簡は、ルノーのジャンドミニク・スナール会長から西川氏に 7 日付で送られてきた。 定款変更には出席株主の 3 分の 2 以上の賛成が必要。 棄権しても出席株主にカウントされるため、日産株の 43% を握るルノーの棄権は、事実上の反対表明となる。

日産は「いずれにしても当社は、すべての株主利益のために、ガバナンス強化のための指名委員会等設置会社への移行の必要性について、理解が得られるよう最善の努力をしていく」としている。 (asahi = 6-10-19)

◇ ◇ ◇

不振の日産、純利益 57% 減 ゴーン前会長の戦略頓挫

日産自動車が 14 日発表した 2019 年 3 月期決算は、売上高が前年比 3.2% 減の 11 兆 5,742 億円、本業のもうけを示す営業利益は 44.6% 減の 3,182 億円、純利益は 57.3% 減の 3,191 億円だった。 カルロス・ゴーン前会長が進めた拡販戦略が行きづまり、世界販売の 3 割を占める米国事業が低迷したことが響いて大幅な減益を強いられた。

同日発表した 20 年 3 月期の業績予想は、売上高が前年比 2.4% 減の 11 兆 3 千億円、本業のもうけを示す営業利益は 27.7% 減の 2,300 億円、純利益は 46.7% 減の 1,700 億円。 収益の回復が遅れ、売上高は 2 年連続、営業利益は 4 年連続の減少となる見込みだ。 日産はリーマン・ショックの影響で 09 年 3 月期に 1,379 億円の営業赤字に転落したが、営業利益の水準は翌 10 年 3 月期以降で最も低い水準に落ち込む。 業績不振から抜け出せない状況が続きそうだ。

19 年 3 月期は 1 株あたり年間 57 円の配当を出すが、20 年 3 月期は 40 円にする予定も発表した。 減配は 10 年ぶり。 日産は上場企業有数の高配当銘柄として知られるが、業績が低迷するなか、中長期的な成長を実現するには先端分野への研究開発などに資金を振り向ける必要があると判断し、株主還元を縮小する。

23 年 3 月期まで 6 年間の中期経営計画で掲げた目標も下方修正した。 23 年 3 月期の売上高を 17 年 3 月期比 3.7 兆円(約 30%)増の 16.5 兆円、営業利益率を 8% に引き上げる目標を掲げていたが、それぞれ 14 兆 5 千億円、6% 台に引き下げた。 ただ、20 年 3 月期の営業利益率は 2.0% に落ち込む見通しで、この目標も高いハードルとなる。 (友田雄大、asahi = 5-14-19)

◇ ◇ ◇

日産、2 度目の業績下方修正 3 月期、ゴーン事件も響く

日産自動車は 24 日、2019 年 3 月期の業績予想を下方修正し、営業利益が前回 2 月時点の予想を 1,320 億円 (29.3%) 下回る 3,180 億円、純利益は 910 億円 (22.2%) 低い 3,190 億円になる見通しだと発表した。 19 年 3 月期の業績予想の下方修正は今年 2 月に続いて 2 度目。 売上高の予想も前回を 260 億円 (0.2%) 下回る 11 兆 5,740 億円に引き下げた。 前期実績に比べると、営業利益は約 45% 減、純利益は約 57% 減と大幅な減益となる。

主力の米国市場の販売不振に加え、無段変速機 (CVT) に不具合が見つかった米国の一部車種の保証期間延長に伴うコスト増や、前会長カルロス・ゴーン被告が会社法違反(特別背任)などの罪で逮捕・起訴されたことによる販売面への悪影響が出たという。 世界販売の 3 割を占める米国市場では、値引きの原資となる販売奨励金を増やした結果、販売台数が増えても利益が出にくい構造に陥り、奨励金を減らすと販売台数が落ち込む悪循環に陥っている。 ゴーン前会長が進めた拡販戦略が裏目に出ており、立て直しに苦しんでいる。 19 年 3 月期決算の発表は 5 月 14 日を予定している。 (上地兼太郎、asahi = 4-24-19)