JR 西、1 万円で休日 1 日乗り放題 山陽・北陸新幹線も

JR 西日本全線に 1 日乗り放題の切符が、9 月 1 日から発売になる。 利用できるのは 10 月の土日と祝日で、大人 1 万円、子ども 1 千円。各日とも 3 千枚限定で、利用日の 1 カ月前から 14 日前まで同社のネット予約サイトから購入できる。 会社発足から 30 年を迎えたのを記念して企画した。 始発から終電まで、何度でも乗り降りできる。 山陽新幹線(新大阪 - 博多)、北陸新幹線(上越妙高 - 金沢)を含む特急の自由席も利用可能だ。 山陽新幹線の新大阪 - 博多間の片道(1 万 4,480 円)と比べても、割安になっている。 1 回の予約で最大 6 人分まで購入できる。 子どもは大人と一緒でないと利用できない。 (辻森尚仁、asahi = 8-30-17)


MRJ 試験機、エンジン 1 基停止 試験飛行中

三菱重工業子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)が開発を進める国産ジェット旅客機「MRJ」の試験機のエンジン 1 基が 22 日(日本時間)に損傷し停止したことが分かった。 試験機は急きょ目的地を変更して着陸した。 MRJ の試験飛行中にエンジンが停止したのは初めてで、同社は原因を調査している。

同社や国土交通省によると、エンジンが停止した試験 2 号機は同日午前 6 時に試験拠点の米ワシントン州の空港を離陸。 約 2 時間半後に左側のエンジンが停止し、目的地を拠点空港からオレゴン州の空港に変更した。 着陸後、エンジンの一部が破損していることが分かったという。 搭乗していたパイロットら 7 人にけがはなかった。 MRJ は米プラット & ホイットニー (P & W) の新型エンジンを採用し、低燃費を売りとしている。 三菱航空機は 2020 年半ばに MRJ の初号機納入を目指しており、「納入スケジュールに影響はないとみている(同社)」としている。 (nikkei = 8-23-17)

前 報 (1-20-17)


スカイマーク、路線拡大へ 業績回復で 3 機発注

航空会社のスカイマークが 7 月、新たに機材を 3 機発注したことがわかった。 市江正彦社長が、朝日新聞の取材に明らかにした。 路線網の拡大に向け、2020 年 3 月期までに最大で 29 機態勢にする計画だ。 経営破綻から約 2 年半。 再建から成長へと、かじを切り始めた。 15 年 1 月に経営破綻した後、新機材を入れるのは初めて。 米ボーイング製の小型機 737-800 を 19 年 3 月期に 1 機、20 年 3 月期に 2 機受け取る契約を、7 月に海外のリース会社と結んだ。 リース料は 1 機当たり年間で数億円だという。

いま保有するのはすべて 737-800 で 26 機。 いずれもリース契約している。 一部は 20 年 3 月期にリース期間を終えるが、延長する方向だ。 市江社長は「単一機材で 30 機近く持てば、スケールメリットが出る」と話す。 737-800 は生産の終了が見込まれているため、21 年 3 月期以降に別の機種を調達する検討も始めた。 ボーイングが後継機種として開発中の 737MAX が軸になるという。

攻勢の背景にあるのは、業績の回復だ。 15 年 3 月期に 170 億円の赤字だった営業損益は、16 年 3 月期に 15 億円の黒字に転換。 17 年 3 月期も 67 億円の黒字だった。 不採算路線から撤退し、エアバス製の機材を手放して機種を一本化したことで、運航や整備の効率がよくなった。 燃油安も追い風になった。 この 2 年間で、定時出発率は約 83% から大手並みの約 90% まで改善。 座席利用率も 6 割台から 85% 近くまで上がった。 20 年までを目標にする株式再上場も「18 年中にできる可能性はある(幹部)」と、想定を上回る好調ぶりに自信を深めている。 (内藤尚志、asahi = 8-22-17)


ホンダジェットが世界首位、小型ジェットの上期出荷

ホンダの航空機事業子会社である米 Honda Aircraft Company は 2017 年 8 月 16 日(米国現地時間)、同社が製造する小型ビジネスジェット機「HondaJet (ホンダジェット)」が 2017 年上期(2017 年 1 - 6 月)の同カテゴリー出荷台数で首位に立ったことを発表した。 出荷台数は米 General Aviation Manufacturers Association (GAMA) の調査発表に基づいたものだ。

機体の型式は「HA-420」。 2017 年の第 1 四半期(2017 年 1 - 3 月)に 15 機、同年第 2 四半期(2017 年 4 - 6 月)に 9 機、合計で 24 機を出荷した。 ホンダが小型ジェットで競合に位置付けるブラジル Embraer の「Phenom」シリーズ、米 Cessna Aircraft Company の「Mustang」や「M2」などを上回る数量だ。 納入価格は 1 機あたり平均 485 万ドル(1 ドル = 110 円換算で 5 億 3,350 万円)である。 年間 9,000 億円、700 機の小型ビジネスジェット市場で、ホンダは 3 割の世界シェアを目指す。 ホンダの広報担当者は「順調に生産や販売数が推移している」と自信を見せた。

ホンダジェットは 2 基のエンジンを主翼の上に配置する翼上配置の「OTWEM (Over The Wing Engine Mount)」構造を採用した。 胴体後部の両脇部分にエンジンを搭載する一般的な小型ビジネスジェット機と比べて、客室内の空間を最大で約 2 割拡大できる。 従来は胴体側に必要だったエンジンを支持する構造を不要とし、居住空間の拡大に成功した。 同機が搭載するターボファンエンジン「HF120」は、ホンダと米 General Electric の合弁会社である米 GE Honda Aero Engines が開発したものである。

航続可能距離は 2,265km で最高速度は 782km/h。 機体寸法は全長 12.99 x 翼幅 12.12 x 全高 4.54m。 客室寸法は全長 5.43 x 全幅 1.52 ×x 高 1.46m で、標準仕様機での定員は乗員 1 名と乗客 5 名である。 (窪野薫、nikkei = 8-22-17)

前 報 (11-13-16)


京阪プレミアムカー運行開始 大阪 - 京都間、全席指定

京阪電気鉄道では初めてとなる全席指定の有料車両「プレミアムカー」が 20 日、運行を始めた。 大阪 - 京都間を結ぶ京阪線・鴨東(おうとう)線で、8 両編成の特急に 1 両ずつ連結される。 予約制で、距離に応じて 400 円か 500 円の追加料金がかかる。 シートは 3 列計 40 席あり、リクライニングができるほか、コンセントも備えられている。 淀屋橋(大阪市中央区) - 出町柳(京都市左京区)駅間で、1 1日に上下 95 - 113 本を運行する。 また、21 日にはプレミアムカー以外の 7 両も全席指定にした「ライナー」も登場。 平日朝の枚方市発と樟葉発の淀屋橋行き各1本で、300 円の追加料金が必要という。 (asahi = 8-20-17)


ホームドア設置、84 駅どまり … 費用など課題

東京メトロ銀座線青山一丁目駅(東京都港区)で、ホームから転落した視覚障害者の男性が電車にはねられ死亡した事故から、1 年が経過した。 同様の事故はその後も、大阪府と埼玉県で相次いでおり、国と鉄道各社は転落防止用の柵を設けるなど対策を急いでいる。

事故は昨年 8 月 15 日午後 5 時 45 分頃に発生。 盲導犬を連れていた東京都世田谷区の会社員、品田直人さん(当時 55 歳)がホームから線路上に転落、電車にはねられた。 同駅に転落防止用のホームドアはなかった。 国土交通省と鉄道各社は 2020 年度までに、1 日の乗降客が 10 万人以上の全国 260 駅に可能なかぎりホームドアを整備する計画を決めた。 しかし、16 年度末の設置は 84 駅にとどまり、速やかな計画実施を目指している。 (yomiuri = 8-18-17)

前 報 (12-22-16)


EV 時代へ賭けた「敗者」 ゴーン氏「HV 投資はムダ」

EV (Engine Vehicle) 対 EV (Electric Vehicle)

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自動ハンドルに性能基準 各社ばらつき、国が義務づけへ

高速道路などを走行中、車のハンドルを自動で制御する機能について、国土交通省は新たに性能基準を設け、メーカーに達成を義務づける方針を決めた。 近年、様々な自動運転の技術開発が進むが、公的な基準がなく性能にはばらつきがあり、安全性の担保が課題となっていた。 同省は年内に道路運送車両法の関連規定に新基準を加える方針。 早ければ来年度以降に販売される新型車から義務化の対象となる。

自動ハンドルは車載カメラで車道の白線を把握し、車が車線内の中央を走るようハンドルを自動で制御する仕組み。 高速道路や自動車専用道路での使用が想定される。 お盆の帰省時など、長距離走行中の運転手の疲労を軽減し、事故を防ぐ効果が期待されている。 ふらつく運転を無くすことで、渋滞を緩和する効果も期待できるという。 2015 年製造の新車の 4.2% (約 18 万 6 千台)に装備され普及が進むが、性能基準がないため、メーカーや車種ごとに性能差が生じていた。 (伊藤嘉孝、asahi = 8-13-17)


日光に SL の汽笛 東武鉄道、51 年ぶり復活

栃木県日光市を走る東武鉄道鬼怒川線の下今市 - 鬼怒川温泉駅間(12.4 キロ)で 10 日、蒸気機関車 (SL) 「大樹(たいじゅ)」が走り始めた。 同社では 1966 年に SL を全廃して以来、51 年ぶりの復活だ。 午前中に下今市駅で出発式があり、大樹が大きな汽笛の音を響かせた。

SL は世界文化遺産の観光地・日光を盛り上げようと復活。 片道 35 分で、今年度は土日を中心に約 100 日運行する。 機関車は C11 形 207 号機で、客車は 3 両編成。 JR 北海道など全国の五つの鉄道会社が車両や転車台などを提供した。

鬼怒川線は福島県を走る会津鉄道ともつながっており、観光で東日本大震災の復興に一役買うことも期待されている。 一番列車に乗った埼玉県行田市の堀口正翔(まさと)君 (12) は 3 歳からの鉄道ファン。 母和子さん (52) と乗り「SL の音が迫力があった。 いい思い出になりました。」と笑顔だった。(梶山天、asahi = 8-11-17)


JR 東、英国の鉄道運営権を獲得 海外事業を強化

JR 東日本は 10 日、英国中部の鉄道路線網約 900 キロの運営権を、三井物産と、オランダで鉄道運行を手がけるアベリオと共同で獲得したと発表した。 今年 12 月から約 10 年間、列車の運行管理やダイヤ編成などの業務を担う。 JR 東が海外の鉄道の運営に参加するのは初。

運営権を獲得したのは、英在来線「ウェストミッドランズ」。 ロンドン、バーミンガム、リバプールなどを結ぶ約 900 キロの路線で、年約 7,360 万人が利用する。 英国は線路の管理と運行を分ける「上下分離方式」を採用し、運行を担う企業は入札で選ぶ。 入札の結果、JR 東と三井物産がそれぞれ約 15%、アベリオが約 70% を出資した新会社が運行を任されることになった。

ロンドン周辺では通勤混雑や列車の遅れが激しく、JR 東の混雑緩和や定時輸送のノウハウも評価されたとみられる。 従業員や車両は現行を引き継ぎ、運賃徴収や列車の運行管理、IC カードの導入拡大などを行う予定。 JR 東は、国内で鉄道事業の大きな伸びが見込めないため、海外事業を成長の柱に位置づけている。 タイ・バンコクでは 2016 年開通の都市鉄道のメンテナンス事業を始めた。 (石山英明、asahi = 8-11-17)


ベンツ、「S クラス」受注開始 スマホ操作で縦列駐車も

独メルセデス・ベンツ日本法人は 9 日、最上位車種の新型「S クラス」の受注を始めた。車外からスマートフォンで操作して、狭い駐車スペースから車を出したり、縦列駐車したりできる機能を初めて搭載。 運転支援機能も充実させた。

排気量 3.0 - 6.0 リットルの 7 モデルで、消費税込み 1,128 万 - 3,323 万円。 1 千万円を超す高級車市場について、上野金太郎社長は「落ちているとは思っていない。 予約もかなりもらっている。」と話した。 親会社の独ダイムラーによるディーゼル車の大量リコール(回収・無償修理)をめぐっては、日本で販売した分も対象に含まれることになったが、車種などはまだ決まっていないという。 7 月の国内販売台数は前年同月を上回り、「リコール問題で大きな波は出ていない(上野氏)」という。 (asahi = 8-10-17)


マツダ、環境対応車拡充へ ロータリーエンジンの技術も

マツダは 8 日、環境対応車の品ぞろえを拡充すると発表した。 2019 年に米国で電気自動車 (EV) を発売し、独自のロータリーエンジン (RE) 技術も活用する。 エンジン性能を高める方針は維持しつつ、トヨタ自動車との提携強化により、世界的な電動化の流れを取り込む戦略だ。 同日発表した 30 年までの技術開発ビジョンで明らかにした。 EV は一般的なものに加え、RE を使って走行距離を長くしたモデルも選べるようにする。 車載電池の電気を使い切っても、RE が補助発電機となって動かすしくみで「マツダ色」を生かす。 外部充電できるプラグインハイブリッド車 (PHV) の投入時期が 21 年になることも明らかにした。

小飼雅道社長は「トヨタとの EV、途中にあるハイブリッド車 (HV) も、我々の DNA をもった商品を訴求しながら存在感を維持したい」と話した。 事故を減らすための自動運転のレベルを上げていく。 20 年に実証実験を始め、25 年に高度な自動運転技術を標準装備にするという。 マツダは、エンジン性能を極限まで高める「一点突破」で生き残りを図り、開発費がかさむ電動化技術と距離を置いてきた。 だが、米カリフォルニア州で今秋から排ガスが出ない車を多く売らなければならないなど、各地で環境規制が厳格化。 マツダも電動化を加速させる必要に迫られた。

そのために必要だったのがトヨタ自動車との関係強化だ。 4 日に発表した資本提携では、EV 技術の共同開発も盛り込まれた。 HV 市場を切り開いたトヨタのバックアップを得ることで、マツダは環境対応車の開発負担を軽減。 その分、強みとするエンジン改良にも磨きをかけられるようになった。 この日公表したビジョンでは、燃費を今より 2 - 3 割改善させた新型エンジンを 19 年発売の車から載せることも掲げた。 (神沢和敬、山本知弘、asahi = 8-9-17)

マツダが掲げる技術開発長期ビジョンのポイント

・二酸化炭素排出量を 2030 年までに 10 年比で半減させ、50 年までに 9 割削減
・エンジン技術を磨き、電動化技術と組み合わせる
・燃費が 2 - 3 割よい新型エンジン「スカイアクティブ X」を 19 年に導入
・ハイブリッド車 (HV) と電気自動車 (EV) を 19 年に発売 ロータリーエンジンを発電用に使う EV も用意
・外部充電できるプラグイン HV を 21 年に
・高度な自動運転システムの実証実験を 20 年に始め、25 年までの標準装備化をめざす


米空軍、次期大統領専用機に元トランスアエロの 747-8 購入 新古機でコスト削減

米空軍は現地時間 8 月 4 日、次期大統領専用機について、ボーイングと 747-8 型機 2 機を改修する契約を結んだ。 2019 年に機体改修を開始し、2024 年には初期運用能力を獲得できる見通し。 CNN によると、2015 年に破綻したロシアのトランスアエロ航空が発注したものの、引き渡されずボーイングが保管していた 2 機を改修する。 米空軍は 2015 年 1 月 28 日に、次期大統領専用機として 747-8 を基にした機体を導入すると発表。 2016 年 1 月 29 日に初契約を結んだ。 米大統領専用機は、大統領搭乗時のコールサインから、「エアフォース・ワン」とも呼ばれている。

トランスアエロは、2013 年 12 月 27 日に 747-8 の旅客型「インターコンチネンタル」を発注。 ボーイングの受注リストによると、3 機を発注していた。 CNN によると、次期大統領専用機の改修母機として購入されるのはこのうちの 2 機で、試験飛行などを終え、カリフォルニア州ビクタービルにあるボーイングの施設で引き渡しを待っていた機体だという。 今後、大統領専用機としての内装や、機器増加に伴う電源系統の強化、通信機器や医療施設の設置、空港のタラップなしに乗降できるなど自機のみで地上作業に対応できる装備、自衛システム設置などの改修を実施していく。

トランプ大統領は 2016 年 12 月に、次期大統領専用機について 40 億ドル(約 4,430 億円)以上の費用がかかっていると指摘。 ツイッターで「発注をキャンセルする」と発言していた。 米空軍は今回の契約について、元トランスアエロ機を導入することで、新造機を購入するよりもコストを抑えられるとしている。

現在の大統領専用機 VC-25A は、747-200B を基に開発。初号機(テールナンバー 28000)は 1990 年 8 月 23 日に、2 号機(同 29000)は同年 12 月 23 日に引き渡された。 コールサイン「エアフォース・ワン」が最初に用いられたのは同年 9 月 6 日で、当時のジョージ・H・W・ブッシュ大統領が使用した。 すでに受領から 27 年が経過しており、老朽化が懸念されていた。 民間航空機市場では、747-8 の販売は旅客型と貨物型 (747-8F) ともに低迷。 ボーイングは 2016 年 9 月からは月産 0.5 機に生産レートを落としている。 今後受注が見込めない場合、製造中止を検討する。 (Tadayuki YOSHIKAWA、Aviation Wire = 8-6-17)


長崎新幹線、長崎県知事が全線フル規格化を要望

長崎県の中村法道知事は 28 日、九州新幹線長崎ルート(長崎新幹線)の全線フル規格化を求める意向を初めて表明した。 一方、佐賀県の山口祥義知事は財政負担増を理由に反対した。 フル規格化した場合、事業費は現在の 5 千億円からほぼ倍増する見込み。 都内であった与党の非公開の委員会で、中村知事は「一番効果が期待でき、安定的な運行が実現されているフル規格の形で実現してほしい」、入れ替わりで出席した山口知事は「地元負担の課題があって難しい」と話したという。 委員会後に両知事が明らかにした。

長崎ルートは当初、車輪の幅を変えられるフリーゲージトレイン (FGT) の導入を前提に、@ 博多 - 新鳥栖間(26 キロ)は鹿児島ルートを共用、A 新鳥栖 - 武雄温泉間(51 キロ)は在来線の線路を活用、B 武雄温泉 - 長崎間(66 キロ)はフル規格で整備する計画だった。 だが FGT の開発が難航し、JR 九州は技術面とコスト面から導入を断念。 全線フル規格化を要望していた。

財源などの問題からフル規格化には慎重な言い回しを続けてきた中村知事も、FGT による開業が頓挫したことを受け、A の区間についてフル規格での新設要望に踏み切った。 中村知事は報道陣に「FGT 完成を待つのは街づくりや民間の投資意欲へ影響がある」と説明した。 (堀田浩一、浜田祥太郎、湯地正裕、asahi = 7-28-17)

◇ ◇ ◇

長崎新幹線フリーゲージ断念の方向 安全性や費用ネック

九州新幹線長崎ルート(長崎新幹線)での新型車両フリーゲージトレイン (FGT) 導入について、JR 九州が断念する方向で検討していることがわかった。 安全性への不安のほか、車両の費用も高く、収益が確保できないとみている。 国などにも今後、こうした考えを正式に伝える見通しだ。 FGT は、線路幅が違う新幹線と在来線を、車輪の間隔を変えて直通できる新型車両で、国の外郭団体が開発を進めてきた。 国や地元自治体などと長崎新幹線への導入でいったん合意しており、JR 九州が方針転換するとなれば反発も予想される。

長崎新幹線は 2022 年度までに、博多 - 武雄温泉間を在来線特急が走り、武雄温泉駅で新幹線と乗り換える「リレー方式」で暫定開業の予定だ。 FGT は 25 年度の全面導入を目指していた。 ただ、400 億円超の国費が投入されてきた FGT の開発は、耐久走行試験での不具合などで難航しており、JR 九州は安全性を懸念している。 維持管理などの費用も一般の新幹線より高く、「効果的なコスト削減策が見つかっていない。(JR 九州幹部)」

ただ、FGT をやめると長崎新幹線の将来像は一気に不透明さが増す。 開業時のリレー方式のままで運転することには反発が予想される。 博多 - 長崎間をすべてフル規格にするには財源のめどもなく、佐賀県は地元負担が増えるため難色を示している。 国土交通省には「JR 九州が考える落としどころがわからない(幹部)」との声もあり、今後の協議は難航する可能性がある。 (asahi = 6-14-17)

フリーゲージトレイン〉 線路幅が異なる新幹線と在来線区間を、車輪の間隔を変えて直通運転できる新型車両。 最初の試験車両の完成が 1998 年で、開発にはこれまでに 400 億円超の国費が投入されてきた。

前 報 (12-4-16)


ホンダ、9 月に新型「シビック」 国内戦略の試金石に

ホンダは 27 日、新型「シビック」を 9 月 29 日に売り出すと発表した。 2011 年に国内販売を中止して以降、限定販売を除くと 6 年ぶりの復活となる。 運転や見た目へのこだわりが強い自動車ファンに訴え、ブランド力を高めるねらい。 ただ、消費者は実用重視の傾向を強めており、今後の戦略を左右する「試金石」となりそうだ。

シビックは、1972 年発売の初代から数えて世界で計 2,400 万台以上売れた。 16 年までに累計 1 億台が売れたホンダの四輪車の約 4 分の 1 を占め、ホンダの現役の車種としては最も歴史が長い。 初代の改良型は米国の環境規制「マスキー法」を世界で初めてクリアした CVCC エンジンを搭載。 四輪車事業で後発だったホンダが海外で飛躍するきっかけになった。

売り出すのはセダンのほか、後部に窓と一体型の扉を備えたハッチバック、スポーツモデル「タイプ R」。 海外では 15 年秋の米国から順次、中国やタイなどでも販売を始めている。 流線形の外観や加速性能などが人気を呼んで、北米では 60 万台以上売れる大ヒットとなり、16 年にはセダンが「北米カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた。 (木村聡史、asahi = 7-27-17)


ドイツ自動車大手 5 社、大規模カルテルか 90 年代から

独誌シュピーゲルは 22 日号で、フォルクスワーゲン (VW) など独自動車大手 5 社が 1990 年代から、広範囲に及ぶカルテルを結んでいた可能性があると報じた。 ディーゼル車の排ガス不正につながる分野も含まれており、ドイツの経済史上、最大のカルテル事件に発展する可能性があると指摘している。

報道によると、カルテルに加わっていたとされるのは、VW、アウディ、ポルシェ、BMW、ダイムラーの 5 社。 部品の価格や納入業者の選定のほか、詳細な技術データの情報も交換していた疑いがある。 ディーゼル車については、排ガスを浄化するためのタンクを容量の小さいものとすることで合意し、後の排ガス不正につながった可能性があるとしている。 5 社は分野ごとに「5 社会」と呼ばれる約 60 の作業部会をつくり、約 200 人の社員らが関与。 会合は過去 5 年間で 1 千回以上に及んだという。 (ベルリン = 高野弦、asahi = 7-22-17)


ゆふいんの森、代替ルートで再開 九州豪雨で運休

豪雨の影響で運休していた JR 九州の観光特急「ゆふいんの森」が 15 日、代替ルートで運行を再開した。 JR 大分駅では観光関係者が手をふって出迎えた。 博多から久留米を経由して由布院に向かう途中で通る大分県日田市の鉄橋が豪雨で流失。 小倉と大分を経由するルートに変更した。 1 日 2 往復する。 2 時間余りだった運行時間は 4 時間半 - 5 時間 50 分に延びる。 由布院温泉観光協会の職員は「その分、すてきな旅が長く味わえる。 楽しんでもらえれば。」 (asahi = 7-15-17)


1 - 6 月新車販売、「N-BOX」初の首位 軽で 3 年ぶり

自動車販売会社の業界団体が 6 日まとめた 1 - 6 月の車名別新車販売台数(軽自動車を含む)で、ホンダの軽「N-BOX」が初の首位となった。 2 位はトヨタ自動車のハイブリッド車 (HV) 「プリウス」で排気量 660cc 超の登録車トップだった。 6 月単月では、プリウスが全体の 1 位、N-BOX が 2 位だった。 1 - 6 月で、軽が全体の 1 位となるのは 3 年ぶり。

N-BOX は 2011 年 12 月発売で今年秋に初めて全面改良される予定だが、モデル末期でも前年同期比 1 割増の 10 万 6,231 台と台数を伸ばした。 ホンダ車が首位になるのは 11 年 1 - 6 月の「フィット」以来。 新モデルを投入した車種が好調だった。 3 位の日産自動車の小型車「ノート」は昨年 11 月に HV を追加したほか、トヨタが昨年 12 月に発売した小型多目的スポーツ車 (SUV) 「C-HR」が 5 位。 ダイハツ工業の軽「ムーヴ」は女性をターゲットにした派生車種が好調で、7 位に入った。 (nikkei = 7-6-17)


新幹線、目指せ時速 360 キロ JR 東、試験車両新造へ

JR 東日本は 4 日、時速 360 キロで営業運転できる新幹線の新型車両を開発するため、新たに試験車両(10 両編成)を造ると発表した。走行試験を繰り返したうえで新型車両を量産し、2030 年度に予定される北海道新幹線の札幌延伸までの投入を目指す。

騒音や揺れの原因になるトンネル突入時の圧力波をどの程度抑えられるか試すため、先頭車両を 2 種類造る。ノーズの長さを、一方は現在国内最高の時速 320 キロで走る東北新幹線「E5 系」の約 15 メートルより長くし、一方は同程度とする。 騒音が少ないパンタグラフやブレーキディスクも開発する。 地震発生時に素早く停止し、脱線しにくくする新たな装置も搭載する。 完成は 19 年春の予定で、試験走行時の最高速度は 400 キロ程度になる見込みだ。 (宮山大樹、asahi = 7-4-17)


木の枝でショートが原因 JR 東日本「四季島」の 8 時間立ち往生

豪華寝台列車

記事コピー (7-3-17)


なぜ AT 車のギヤは多段化するのか 新型「アコード」ついに 10 速 AT、その狙いとは?

ホンダの新型「アコード」には 10 速 AT が搭載されるといいます。 MT 車では見られないギヤ数ですが、なぜこれほど多段化したのでしょうか。

クルマの AT、ついに 10 速が市販車へ搭載

北米から、次の新型「アコード(ホンダ)」には 10 速の AT (オートマチックトランスミッション)が搭載されるというニュースが聞こえてきました。 AT の多段化の流れは、近年のトレンドでしたが、とうとうふた桁まで段数が増えるとは、驚くばかりです。 ひと口に AT とは言いますが、これにはさまざまな種類があります。 ここで言う「多段化する AT」は「ステップ AT」とも呼ばれるもので、内部に「遊星ギヤ」が入っており、このギヤの数が増えているのです。 ステップ AT が普及した当初は、3 速や 4 速が主流でしたが、ここ最近は 6 速 AT が標準的な存在になっていました。

AT の発明は古いのですが、普及は第二次世界大戦後。 アメリカが先行し、日本では 1980 年代に普及が進みました。 いまではごく当たり前である「AT 限定免許」の導入は 1991 (平成 3)年です。 つまり、それ以前に免許を取得した人は、みんな MT で練習していたのです。

多段化の対極 CVT と多段化が止まった MT

一方、日本には軽自動車を中心に「CVT」と呼ばれる方式の AT が数多く使われています。 こちらはふたつの「プーリー」の間にベルトを通し、それら「プーリー」の直径を変化させることで変速します。自転車に前と後ろのギヤがあって、その直径を変化させて変速するのと似ていますね。 1 速や 2 速という段階がないため、「無段変速」とも呼ばれます。 ところが、CVT は、世界市場では少数派。 そのため、世界で勝負するクルマの多くは、ステップ AT が採用されています。 ホンダの「アコード」も北米市場が販売の中心なので、ステップ AT を搭載しています。

ちなみに MT (マニュアルトランスミッション)も、かつては 4 速や 5 速が中心でしたが、今や 6 速が標準的な数になっています。 ポルシェに 7 速はありますが、ほかのブランドに 7 速が広がる気配はありません。 高性能スポーツカーは AT 化が進んでいますし、もう少し小さくて安いスポーツカーには 7 速の必要性がそれほど高くないからでしょう。 また、実際のところ、あまりにギヤ数が多すぎると使いにくいもの。 それも MT の多段化を抑える理由になっているはずです。

6 速から 7 速で止まった MT の多段化に対して、AT の多段化は止まりません。 メルセデスベンツやレンジローバー、ジープなどには 9 速 AT が搭載されています。 その理由は簡単です。 段数を増やすと、燃費が良くなるからです。

多段化の理由、「燃費の目玉」とは?

クルマのエンジンには、走行に必要な出力に対して、燃費の良くなるエンジン回転数域というものがあります。 業界的には「燃費の目玉」といわれるところです。 走行中に、エンジンの回転を、その目玉の回転数内におさめておくと燃費がよくなります。 そして、走行中に大きく変化する出力と回転数を調整するために、あるのが変速機。 つまりギヤです。 そのギヤの数が多ければ多いほど、エンジン回転数を「燃費の目玉」の中にとどめやすくなります。 そのためにギヤの数は、増える一方なのです。

ホンダは近い将来に 10 速 AT を市場に投入するようですが、トヨタも昨年の秋に 10 速 AT を開発したことを発表しています。 6 速が常識だったときに 7 速や 8 速の話が出たころは、「多段化は重量増になるので限界がある」と言われたもの。 しかし、その後も 9 速が登場して、10 速も登場間近。 いったい限界はどこのあたりにあるのでしょうか。 厳しい燃費向上の要望が続く限り、もしかすると多段化の流れは止まらないかもしれませんね。 (乗りものニュース = 7-2-17)


「認知症の恐れ」 1 万人超 免許停止や取消し 2 千人以上

75 歳以上の高齢ドライバーの認知機能検査を強化した改正道路交通法が 3 月 12 日に施行されてから 5 月末までに、43 万 1,338 人が検査を受け、2.7% の 1 万 1,617 人が「認知症の恐れがある」と判定された。 警察庁のまとめで分かった。 このうち医師に認知症と診断されて運転免許の取り消しや停止の処分対象になるのは 2 千人以上にのぼるとみられる。

認知機能検査のほか、事故捜査などがきっかけになる人も含めると、年間約 5 万人が医師の診断を受け、うち約 1 万 5 千人が免許取り消しなどになると同庁は推計。 昨年の 1,845 人から大幅に増える見込みだ。 また、免許の自主返納が増えており、今年 1 - 5 月で 20 万 1,350 件にのぼる。 そのうち 75 歳以上は 10 万 6,218 件で、年間で 16 万 2,341 件だった昨年の 1.6 倍のペースだ。

75 歳以上の運転者による死亡事故は 5 月までに 151 件で、昨年同期より 25 件少ない。 年間では昨年より約 100 件少ない計算で過去最少ペースという。 警察庁は「相次ぐ高齢運転者による事故や改正法の施行で、社会的関心や安全運転意識が高まっているのではないか」としている。 (編集委員・吉田伸八、asahi = 7-1-17)


大雨警戒、レッドサラマンダー初出動 愛知・岡崎

愛知県岡崎市消防本部に配備されている全国で 1 台しかない全地形対応車「レッドサラマンダー」が 21 日、大雨による警戒のために出動した。 2013 年の配備以降、出動したのは初めて。

この日は、低気圧と前線の影響で気象庁が市内に大雨・洪水警報を発令。 これを受け、市消防本部は降雨の予想量が多かった額田地域への警戒出動を決めた。 全地形対応車は同日午後 0 時 50 分、運搬車に乗せられ市消防本部を出発し、東消防署額田出張所へと向かった。 市消防本部によると、現場では要請があれば活動する予定だったが、災害は発生せず、午後 4 時 45 分ごろに任務を解除したという。

全地形対応車は東日本大震災後、国が配備。 全国の緊急消防援助隊が出動する災害での運用が期待されているが、4 年間で出動の機会はなかった。 国や県、市は 6 月から県内で大雨や洪水の警報が出された際に警戒出動させる運用を始めていた。 (asahi = 6-21-17)

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国内唯一の全地形対応車、配備 4 年で出動ゼロ

愛知県岡崎市消防本部に配備されている全国に 1 台しかない全地形対応車「レッドサラマンダー」の幅広い活用方法を探るため、市と国、県は 6 月から検証を始める。 2013 年 3 月に配備されてから出動はまだ 1 回もなく、県内で大雨・洪水警報が発令された段階で出動を試みるという。

全地形対応車は、津波による浸水被害のあった地域でも活動ができるよう、がれきの上や水深 1.2 メートルの水中も走行できる。 東日本大震災を教訓に総務省消防庁が配備した。 南海トラフ地震で想定される津波被害を受けないとされ、高速道路のインターチェンジが近く、全国への移動が容易という立地条件から、岡崎市に配備された。

全国の緊急消防援助隊が出動する災害で、国の求めに応じて活動することになっているが、この 4 年間は出動する機会がなかったという。 こうした状況を踏まえ、国や県、市は有効な活用策を探ろうと、昨年秋ごろから検討を開始。大規模災害だけでなく、県内で気象庁の大雨や洪水などの警報が発令された際、その地域に警戒のために出動させる取り組みを始めることにした。 (大野晴香、asahi = 6-1-17)


JR 西、料金安めの長距離列車導入へ 20 年夏までに

JR 西日本は 20 日、京阪神と山陽、山陰地方を結ぶ長距離列車を新しく導入すると発表した。 既存の電車を改造し、2020 年夏までに走らせる。 料金は現在の運賃や特急料金などをベースとし、17 日に運行を始めた豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス瑞風(みずかぜ、1 人 25 万 - 125 万円)」と比べると、かなり安い設定となりそうだ。

新列車は、旧国鉄時代から走り、滋賀県や岡山県で普通・快速電車として運行している 117 系を改造。 6 両編成の約 100 人乗りで、5 両に個室やフルフラットシートなど車両ごとに異なる指定席を設け、残り 1 両は食事や歓談ができるスペースにする。 駅では沿線の飲食物を販売し、夜行の運転も予定している。 JR 西の来島(きじま)達夫社長は 20 日の記者会見で、「地域と一体となり、瑞風とは別の気軽に乗れる列車にしたい」と述べた。 料金については、「一つの物差し」として大阪 - 出雲市駅間(約 7 千 - 約 2 万 3 千円)を例に挙げた。 (広島敦史、asahi = 6-20-17)


高速で自動走行、スバル標準装備へ 120 キロまで対応

スバルは 19 日、高速道路で一定の車間を保ちながら前車に追従できる自動走行機能を、今夏発売の新型ワゴン「レヴォーグ」とスポーツセダン「WRX S4」に標準装備すると発表した。 従来は時速 60 キロ以上で使えたが、新型は時速 120 キロまでの全車速域で追従可能で、渋滞でのノロノロ運転にも対応できる。 二つの車載カメラで立体的に前方の状況を捉え、渋滞時やカーブを曲がる際、スムーズに前車を追いかけられるようにした。 一定の車間を保ちながら、ハンドルに手を添えていれば車線も維持しながら走れる。 ハンドルには常に手を添えておく必要があり、離すと 10 秒ほどで警報が出る。

今後、日本で売るスバルの全車種で標準装備とする計画。 「レヴォーグ」や「WRX S4」の現行モデルに比べ、価格の上乗せ分は数万円程度にとどまる見通しだ。 スバルの大抜哲雄常務執行役員は「ふつうの人が高速道路のほとんどの場面で使えるようにしたい、と考えて開発した」と話している。 スバルは、人の安全運転を助ける技術と位置づけ、無人運転は目指さない方針だ。 同様の自動走行機能は、日産自動車がミニバン「セレナ」などで採用している。 (青山直篤、asahi = 6-19-17)


普通免許、「マニュアル」はもう不要なのか?

普通免許取得者のうち、AT 限定の割合が半数を超えています。 加えて、2017 年 3 月の「準中型免許」新設で、MT の取得者はさらに減っています。 そうしたなか、あえて MT で免許を取るメリットは何なのでしょうか。

都内教習所、約 7 割が AT 限定

2017 年 5 月現在、国内における乗用車のほとんどが、クラッチ操作などが不要な AT (オートマチックトランスミッション)車です。 カーディーラーの業界団体である日本自動車販売協会連合会(東京都港区、自販連)によると、2016 年に国内で販売された乗用車(軽自動車と輸入車除く)のうち、じつに 98.4 パーセントが AT 車で、この 7 - 8 年は同程度の割合で推移しているといいます。

これに呼応するように、普通免許(一種)を「AT 限定」で取る人も年々増加。 警察庁の「運転免許統計」における「都道府県別指定自動車教習所の合格者数」によると、AT 限定免許の合格者の割合が限定なし、すなわち MT (マニュアルトランスミッション)車も運転できる普通免許(以下「MT 免許」)の合格者を上回ったのは2009 (平成 21)年で、2016 年(平成 28 年)には 59 パーセントまで伸びており、東京都に限っていえば、67 パーセントに達しています。

AT 限定が約 4 割の地域も

その一方で、先述の「都道府県別指定自動車教習所の合格者数」によると、青森と岩手、秋田、鳥取の 4 県では、2016 年度の MT の合格者数が AT 限定を上回っています。 4 県の中で AT 限定の割合が約 39 パーセントと最も少ないのは青森県ですが、それはトラックなど運送業や土木建設業などで使うクルマに MT 車が多いことや、大半の免許取得者は就職を控えた地元高校生ということもあり、福島や宮城、山形と異なり都市部の大学生が免許合宿に多く来ないため、そういった差があります。 秋田と岩手も、青森と同じことがいえるのではないでしょうか。

トラックを想定した需要は「準中型」へ

しかし、2017 年 3 月 12 日の「準中型免許」の新設にともない、車両総重量 5 トン未満の「2 トントラック」は普通免許から準中型免許の区分に割り振られたため、上述のようなトラック運転などの需要も減少する可能性があります。 新設後の現状について、平和橋自動車教習所では「準中型免許は 18 歳から取得できるため、高校生などの関心が MT免許から準中型免許に移っている」と話します。 2017 年 5 月現在、同教習所における MT 免許と準中型免許の生徒の割合は 6 対 4 とのことです。 このような背景からも今後、MT 免許の取得数はますます減少し、AT 限定免許の割合が増していくと考えられます。

普通免許で運転できる自動車の範囲が狭まったが、これまでの中型自動車の一部を 18 歳から運転できるようになった。 なお、旅客を乗せた営業運転には 2 種免許が必要だが、準中型は 2 種免許が設定されていない。 (乗りものニュース = 6-11-17)