「西武」船橋店・小田原店閉鎖へ 基幹店に経営資源集中

セブン & アイ・ホールディングスは 25 日、グループの百貨店「そごう・西武」の、「西武船橋店(千葉県船橋市)」と「西武小田原店(神奈川県小田原市)」を、それぞれ来年 2 月 28 日に閉鎖すると発表した。 百貨店業界を取り巻く環境が厳しさを増すなか、不振店を閉じ、基幹店に経営資源を集中させて収益を改善させる。 西武船橋店は 1967 年に開店。 17 年 2 月期の売上高は 169 億円で、従業員は 294 人。 跡地に複合商業施設をつくる検討を進めるという。 西武小田原店は 2000 年、「ロビンソン小田原店」として開店。 17 年 2 月期の売上高は 74 億円で、従業員は 163 人。 (asahi = 8-25-17)

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ユニー・ファミマとドンキ、資本提携で合意 店舗協業も

ユニー・ファミリーマートホールディングス (HD) とドンキホーテ HD は 24 日、資本・業務提携で合意したと発表した。 ユニー・ファミマが、100% 子会社で総合スーパーを運営するユニー(本社・愛知県稲沢市)の株式の 40% を 11 月にもドンキに譲渡する。 また、店舗運営などでの協業を行う。 苦戦する総合スーパーをドンキのノウハウも入れて再建する。

具体的には、ユニーが東海地域を中心に運営する総合スーパーの「アピタ」、「ピアゴ」の一部を、ドンキの看板も掲げる新業態に衣替えするほか、ユニーが閉鎖予定の店の一部をドンキの店に変える。 また、コンビニのファミマをドンキの一部店舗で展開する。 このほか、店舗運営や商品の仕入れでの協力、ポイントサービスの共通化なども検討する。 両社は 6 月に業務提携の検討入りを発表し、年内の提携契約締結に向けた作業を進めていた。 (asahi = 8-24-17)

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伊勢丹松戸店、市が 4 階フロアを賃借へ 撤退の懸念払拭

縮小や閉店が取りざたされる伊勢丹松戸店について千葉県松戸市は 22 日、来年 10 月から 9 年 9 カ月間、同店 4 階フロアを賃貸借する契約を締結し、テナント料として約 21 億円を支出する方針を明らかにした。 近く結ばれる契約書には「途中解約不可」という条項が入る。 金銭的な支援に乗り出すことで市総務部は「今後 10 年以上は撤退しない見通しだ」としている。

市が借りるのは本館の地上 11 階地下 1 階のうち、4 階部分の約 6 割に当たる約 1,700 平方メートル。 既存施設が老朽化している「まつど市民活動サポートセンター」、公民館講座の拡大を図る「市文化ホール別館」、18 年度末で県から移管される見通しの旅券事務を行う「旅券事務所」の 3 施設が入る予定だ。 昨年秋ごろ、伊勢丹側からフロアの賃貸の話があり、今年 7 月に合意したという。 市公共施設再編課はサポートセンターの利用者が昨年度約 5 万 6 千人、市のパスポート申請、受領者が計約 3 万人あったことから、市文化ホール別館の利用者を加えると、同店がある松戸駅西口周辺の人の行き来が年間 10 万人以上増加すると試算している。

伊勢丹松戸店とのテナント契約は 28 年 6 月 30 日までの 9 年 9 カ月間で 21 億 600 万円を支出する。 29 日から始まる定例市議会に提出される一般会計補正予算案に盛り込まれる。 本郷谷健次市長は「市と伊勢丹の事業との相乗効果を生み、周辺商店会の活性化につながることを期待する」とし、三越伊勢丹ホールディングス総務部広報担当は「日ごろから市民にはご愛顧いただいている。 議会で正式に通った段階で話が進められると認識している。」と話している。 (青柳正悟、asahi = 8-23-17)


宮城県、壇蜜さんの PR 動画削除へ 「性的」批判に配慮

宮城県の村井嘉浩知事は 21 日、タレントの壇蜜さんを起用した県の観光 PR 動画を 26 日に動画サイトから削除すると明らかにした。 同知事は、動画が一定の役割を果たしたとしつつ、性的と受け取れる表現への批判を踏まえ、「不快に思っている人にも配慮する必要がある」と述べた。 動画は約 2 分半で、県や仙台市、JR 東日本などでつくる協議会が 7 - 9 月の観光キャンペーンの一環として制作。 涼しい宮城を意味する「涼・宮城((りょう・ぐうじょう)の夏」と題し、県は 2,300 万円の予算をつけた。

動画サイトでは再生回数が 310 万回を超えたが、壇蜜さんの唇のアップやせりふが性的だとして、県議や女性団体などが配信中止を要請。 県に寄せられた約 480 件の意見のうち、8 割が批判的だった。 壇蜜さんを仙台市に招いて開く 26 日のイベントを節目に、キャンペーン期間を約 1 カ月残して削除する。 (森治文、asahi = 8-21-17)


「暮らしやすさ」 1 位は佐賀市 野村総研 100 都市比較

野村総合研究所が国内 100 都市を対象に実施した「成長可能性都市ランキング」で、「都市の暮らしやすさ」 1 位に佐賀市が選ばれた。 生活コストの安さや地域の共助意識が根付いていることが評価された。 調査は同研究所が、各都市の「強み」や「弱み」、産業を生み出す力を探ろうと実施した。 転入者数や資本金 3 億円以上の事業所、交通機関の利便性など 131 の指標をそれぞれ数値化。 各都市の住民を対象にしたウェブアンケートも実施して、項目ごとにランキング形式にし、7 月 5 日に発表した。

「都市の暮らしやすさ」は、住宅価格や物価の安さ、生活の満足度などを他都市と比較した。 佐賀市は家賃や物価などの生活コストが全般的に安く、日常生活の満足度が高かった。 人口あたりの医療機関や飲食店数も他都市と比べて多かった。 地域コミュニティーの絆の強さを感じている人や困ったときの相談相手がいる人の数も多く、「子育てしながら働ける環境がある」の項目でも 3 位だった。

一方、都市としての課題も見えた。 「外国人の活躍」は 87 位、「教育・人材の充実」は 76 位、「地域の経済力」は 73 位だった。 評価では、「暮らしやすい都市環境を生かし、福岡や久留米など周辺都市と連携・役割分担し、企業誘致や産業づくりに取り組むことが望まれる」とされた。 佐賀市企画政策課の担当者は「客観的なデータで、参考にしたい」と話している。 (浜田祥太郎、asahi = 8-19-17)


長崎・対馬にカワウソ 国内で 38 年ぶり確認 琉球大

琉球大学は 17 日、長崎県対馬で今年 2 月 6 日にカワウソの動画を撮影したと発表した。 環境省が 7 月に実施した調査でふんなどを採取し、分析した結果、カワウソの DNA が検出された。 カワウソの生息が国内で確認されたのは 38 年ぶりで、種の特定を進める。 ニホンカワウソは明治時代まで川辺に広く生息していたが、毛皮を目的とした乱獲などにより減少。 国内では 1979 年に高知県内で目撃されたのを最後に生息が確認されておらず、2012 年に絶滅の恐れがある野生動植物を示した「レッドリスト」で既に絶滅した「絶滅種」に指定されていた。

同日会見した琉球大学の伊沢雅子教授は「顔や尾の特徴などからカワウソであるのは間違いないが、ニホンカワウソかどうかは分からない」と述べた。 大学の説明によると、カワウソは対馬でツシマヤマネコの生態調査のために設置した自動撮影装置で確認。 動画からは種の特定まではできなかったが、対馬で生き残っていた可能性や韓国から泳いで渡ってきた可能性などを指摘しており、この点も含め調査する。

琉球大から報告を受けた環境省は 7 月中旬に専門家を派遣して調査を実施し、ふんなどを分析した。 二つのふんからニホンカワウソを含むユーラシアカワウソの DNA を検出。 うち一つは韓国などで確認された種の DNA に近いという。 同省はニホンカワウソかどうかなど詳細を調べるため、今月下旬にも人数や範囲を拡大して調査を再開する方針だ。 (jiji = 8-17-17)


養殖トラフグ 27 万匹死ぬ 長崎・伊万里湾で赤潮、4 億円被害 クロマグロ、ハマチも大量死

長崎県松浦市沖の伊万里湾で赤潮が発生し、特産の養殖トラフグ 27 万匹が死ぬなどの漁業被害が出ていることが 8 日、分かった。 地元漁協によると、同市のフグ生産量は全国一を誇り、被害額は現時点で 4 億円。 中和剤を散布しているが、被害はさらに増える見通し。

同市の新松浦漁業協同組合によると、赤潮は 7 月下旬から発生し湾全域に拡大。 大量発生した有害プランクトンが魚のえらに張り付いて呼吸困難を招いたことが大量死の原因。 トラフグのほかに、クロマグロやハマチなどの養殖魚計 6 万2 千匹が死んだのも確認された。 伊万里湾では、計 110 万匹のトラフグが養殖されており、高級魚として関東や関西へも出荷されている。 農林水産省の統計によると、平成 27 年の同市の養殖フグ生産量は全国の 15% を占める 596 トンだった。 (sankei = 8-8-17)


豪雨で止まった三連水車、動き始める 福岡・朝倉

九州北部豪雨で被害を受けた福岡県朝倉市の国指定史跡「三連水車」が 2 日、再び回り始めた。 7 月 5 日の豪雨では、水車がある堀川用水が土砂と流木で埋まり、水車にも流木が絡みついたため、取り除く作業を進めていた。 早朝、堀川用水に通水すると、しばらくはうまく回らなかったが、数人がかりで人力で回すと、三つの水車が自然に回転を始めた。 管理する山田堰土地改良区の徳永哲也理事長 (70) は「感無量。 朝倉のシンボルだけに、ほっとした。」 (渡辺松雄、asahi = 8-2-17)

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防災情報の端末停止 避難指示の伝達不十分か 大分 日田

記録的な豪雨によって大きな被害を受けた大分県日田市の小野地区で、自治体からの防災情報を知らせるため住宅内に設置された端末の機能が停止して、結果として 300 余りの世帯に避難指示の情報が十分伝わっていなかったと見られることが市の調査でわかりました。 土砂崩れで通信ケーブルが切れたことが原因だということで、市は改善策を検討したいとしています。

大分県日田市では、屋外の防災行政無線の放送が大雨や強風で聞こえなくなった場合に備えて、市が運営するケーブルテレビの加入者には住宅内に専用の端末を設置し、防災情報を音声で提供しています。 しかし、記録的な豪雨によって大きな被害を受けた日田市小野地区では、当時、この端末の機能が停止していたことが市の調査でわかりました。

市によりますと、今月 5 日の午後 6 時半ごろに小野地区で通信設備に何らかの異常が起きたというシステム上の警告があり、およそ 50 分後に地区内での通信の機能が完全に停止していることを市の担当者が確認したということです。 小野地区に避難指示が出されたのは、システム上の警告があった直後の午後 6 時 45 分で、日田市はすでにこのときには、地区内の端末の機能が停止していた可能性が高いとしています。

避難指示については防災行政無線でも周知が図られましたが、市は「激しい雨音にかき消された可能性が高い」としているほか、地区の複数の住民も NHK の取材に対して「聞こえなかった」と証言していて、結果として端末を設置している 300 余りの世帯に避難指示の情報が十分伝わっていなかったと見られています。 市によりますと、端末の機能の停止は情報を配信するためのケーブルが土砂崩れによって切れたことが原因だということです。 これまでに復旧作業はほぼ終えたということですが、日田市は避難情報を伝達するうえでの課題が浮かび上がったとして、改善策を検討したいとしています。

福岡 東峰村は全世帯に受信機貸与

一方、福岡県東峰村では村内に設置された防災行政無線のスピーカーの 1 つが土砂に流されて機能しなくなっていたことが村への取材でわかりました。 村はすべての世帯に無線の放送が流れる受信機を貸与していて、避難勧告などの情報伝達は迅速に行われたとしています。 東峰村では災害時に気象や避難に関する情報を伝えるため、村内の 30 か所に防災行政無線のスピーカーを設置しています。 しかし、村によりますと、今月 5 日の記録的な豪雨で大規模な土砂崩れが発生した屋椎地区に設置されたスピーカーは土砂に流されて機能しなかったということです。

一方、村では大雨の際には放送が聞こえにくい場合があり、複数の伝達手段を設ける必要があるとして、無線の放送が流れる受信機をすべての世帯に貸与していて、避難勧告などの情報伝達は迅速に行われたとしています。 東峰村福井に住む 75 歳の女性は 1 人で自宅にいたところ、テレビの横に置いた受信機から流れる放送を聞いて避難したということです。 女性は「よく聞こえるようにふだんから受信機の音量を最大に設定しています。 当時は雨と雷の音で屋外の防災行政無線の放送がだんだん聞こえなくなったので、家の中に受信機があって助かりました。」と話していました。

福岡 朝倉 7 か所で防災行政無線が故障

記録的な豪雨で大きな被害を受けた福岡県朝倉市で、市内に設置された少なくとも 7 か所の防災行政無線のスピーカーが故障していたことがわかり、市は今後、携帯電話のエリアメールなど、複数の方法で情報を伝えたいとしています。 朝倉市は市内 116 か所に防災行政無線のスピーカーを設置し、今月 5 日の豪雨の際にも避難勧告や避難指示を呼びかける放送を流しました。 ところが、市が今月 10 日にスピーカーを点検したところ、高木地区の 3 か所と松末地区の 4 か所の合わせて 7 か所が故障していたということです。

市が今月 5 日に確認した際には正常に作動していたということで、市は大雨や土砂で電線が切れたことによる停電が故障の原因と見ています。 すでに一部のスピーカーは復旧しているということで、朝倉市消防防災課は「大規模災害時に故障を防ぐのは難しく、携帯電話のエリアメールなど複数の手段を使って情報を確実に伝えたい」としています。 (NHK = 7-17-17)

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窯元被災で創作ストップ 九州豪雨、小鹿田焼が苦境に

九州北部を襲った豪雨で、大分県日田市の国指定重要無形文化財「小鹿田(おんた)焼」の窯元も被災し、創作活動がストップしている。 川の流れを利用して陶土をたたく唐臼(からうす)が流されたり、壊れたりしたためだ。 材料となる土の多くも流失し、毎秋開かれる祭りの開催も危ぶまれている。 小鹿田焼は江戸時代中期の発祥。 市最北部の高塚山(620 メートル)のふもとで 10 軒の窯元が創作をしている。 その技術は、一子相伝で約 300 年にわたり引き継がれてきた。

大きな特徴の一つが、近くの川の流れを利用した「ししおどし」の原理で、原料となる土を木製の杵(きね)でたたく唐臼を使うこと。 それぞれの窯元の作業場に置かれていた。 今回の豪雨では、高塚山周辺でも土砂崩れが発生。 陶工らでつくる小鹿田焼協同組合によると、窯元 10 軒が持つ唐臼約 40 基のうち、6 基の杵が流失した。 窯元の近くを流れる河川も氾濫したためだ。 (平塚学、asahi = 7-13-17)

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携帯つながりにくい状況続く 九州豪雨、被災地の一部

豪雨で被災した福岡県朝倉市や大分県日田市などの一部で、携帯電話がつながりにくい状況が続いている。 メールやライン、インターネットも同様。 土砂崩れや倒木などで電線が切れた可能性が高いが、立ち入りできない地域が多く、復旧のめどはたっていない。

NTT ドコモ、KDDI、ソフトバンクによると、5 日午後から携帯電話が通じにくくなった。 ドコモは 8 日午後 6 時現在、福岡県の朝倉市、東峰村、熊本県の小国町、大分県の日田市の一部でつながりにくい状況だ。 KDDI とソフトバンクも朝倉市や東峰村などで同様の状況という。 基地局をつなぐ電線が切断されたか、停電で基地局から電波が送れなくなった可能性が高いという。 臨時的に移動基地局車を投入しているが、カバーできる範囲は基地局よりも狭いうえ、台数は限られる。

電話を持つ人の位置がわかる GPS (全地球測位システム)機能がついている携帯電話もあるが、基地局を経由して情報を伝える場合は機能しないという。 熊本地震や東日本大震災の時も同じような状況になったという。

3 社は「災害用伝言板」の利用を勧めている。 インターネットから親族や知人らに向けて安否に関する情報を登録したり、確認したりできる。 災害の発生直後、電話が殺到すると、通信会社が規制をかけてつながりにくい状況が発生する。 このシステムは通話でなく、データ通信を利用するので、こうした事態を避けられる。 ただ、今回のように、電線の切断などで、通信がそもそもできない状態になると、使えない。 (柴田秀並、asahi = 7-8-17)

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福岡上空、高度 1 万 5 千メートルに達する巨大積乱雲 九州豪雨

防災科学技術研究所(茨城県つくば市)は 6 日、九州北部を襲った豪雨で大きな被害を受けた福岡県朝倉市の上空に、巨大な積乱雲が連続して発生していたとして、解析結果に基づく立体図を公開した。

最も大きなものは高度 1 万 5 千メートルに達した。 積乱雲が帯のように連なった「線状降水帯」が、上空に長時間とどまったことで降水量が増え、被害が拡大したとみられる。

国土交通省のレーダーによるデータを防災科研が 3 次元解析した。 雨が激しかった 5 日午後 3 時ごろの上空の積乱雲を解析すると、気温が零下約 15 度の高度 8 千メートルの高さまで凍らずに雨粒が持ち上げられていたことがわかった。 気流の勢いの強い積乱雲だったことが大雨の一因となったとみられるという。

線状降水帯は西風に乗って東に移動していたが、午後 1 時から 5 時にかけては特に移動スピードが遅く、長時間にわたって豪雨をもたらしたと考えられるとしている。 (竹野内崇宏、7-7-17)

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福岡 朝倉 電話やインターネット回線使えず

記録的な大雨の影響で、福岡県内の一部の地域では、午後 3 時半ごろから電話やインターネット回線が利用できない状況になっています。 NTT 西日本福岡支店によりますと、電話やインターネット回線が利用できなくなっているのは、朝倉市と東峰村の一部です。 これらの地域では、電話がおよそ 480 回線、インターネットがおよそ 150 回線で利用できなくなっているということで、NTT 西日本が詳しい状況を調べるとともに復旧を急いでいます。 (NHK = 7-5-17)


ロボットが接客「変なホテル」 都心進出を加速

旅行大手エイチ・アイ・エス (HIS) は、ロボットが接客する「変なホテル」を 2018 年度までに東京都に 6 カ所、大阪府に 2、3 カ所開業する。 ビジネスと観光の両面で需要が見込めるため、都心部への進出を加速する。 1 日に開業した「変なホテル ラグーナテンボス(愛知県蒲郡市)」でグループ幹部が会見して明らかにした。 HIS の沢田秀雄会長兼社長は「東京や大阪のホテルはビジネススタイルになる」と話した。

変なホテルは、受付やコンシェルジュの業務をロボットが担当する。 1 号店は 15 年 7 月、長崎県佐世保市のハウステンボス隣接地にオープンした。 国内では千葉県浦安市にもある。 海外では台湾や中国・上海にも進出する方針を明らかにしている。 蒲郡のホテルは 100 室。 8 月は予約で 8 割超の部屋が埋まった。 東海地方の客が 6 割を占めるという。 (asahi = 8-1-17)

前 報 (8-4-16)


小高で 7 年ぶりの騎馬武者行列 「相馬野馬追」開幕

福島県相馬地方の伝統行事で国の重要無形民俗文化財「相馬野馬追(のまおい)」が 29 日、開幕した。 原発事故に伴う避難指示が昨年 7 月、一部を除いて解除された南相馬市小高区では、事故後中断していた騎馬武者行列が 7 年ぶりに再開された。 31 日まで。

29 日は相馬小高神社に武者姿の人々が集まり、出陣式が行われた。 地元の武者たちを率いる松本充弘さん (70) は「震災前のように行列ができることは感激の極み」とあいさつ。 騎馬武者たちはその後、約 2 キロの道のりを勇壮に進んだ。 馬は約 110 頭に上り、原発事故前の参加数に近づいた。 避難先から帰還した住民らは沿道から盛んに拍手を送った。 30 日は本祭りがあり、主会場で甲冑競馬や神旗争奪戦が繰り広げられる。 31 日には相馬小高神社で裸馬を素手で捕らえて奉納する神事「野馬懸(かけ)」が行われる。 (江川慎太郎、asahi = 7-29-17)

前 報 (7-24-16)


「湯〜園地」ほんとに実現 資金募り 3 日間限定 大分

温泉と遊園地を一体化させた「湯〜園地」が 29 日、大分県別府市の遊園地「別府ラクテンチ」にオープンした。 浴槽をしつらえたメリーゴーラウンド、温泉成分が入った泡を座席に敷きつめたジェットコースター …。 訪れた人たちは厳しい暑さを吹き飛ばすかのように笑顔をはじけさせ、3 日間限定の 12 のアトラクションを楽しんだ。

別府市は昨年 11 月、遊園地を温浴施設に仕立てた PR 動画をインターネット上で公開。 「100 万回再生されれば計画を実行する」と宣言すると、3 日間で目標を達成した。 同市は実行委員会を立ち上げ、今年 2 月から「クラウドファンディング」やふるさと納税、一般の寄付などで約 8,200 万円を集めた。 29 日は午前 7 時に入園が始まり、来場者はぬれてもいい格好に着替え。 午前 10 時までにすべてのアトラクションがスタートした。 入場できるのは主に 8 千円以上の支援金を出した人たち。 当日券は売られていない。 別府市は計 1 万 2 千人の来場を見込んでいる。 (女屋泰之、asahi = 7-29-17)

クラウドファンディング〉 英語の「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を合わせた造語。 特定の使い道を示したうえで、インターネットを通じて賛同した人たちから資金を幅広く募る手法。 小口でも集められることが特徴で、個人や企業だけではなく、行政の間でも広まっている。 ▽ 開発された商品やサービスを出資者が受けられる「購入型」、▽ 見返りのない「寄付型」、▽ 新興企業の未公開株などを買う「投資型」 - - の 3 パターンに主に分類される。

前 報 (11-24-16)


「アートに泊まる」宿続々 長屋改造、扉開くと天空の庭

芸術作品に囲まれながら眠る - -。 そんな宿泊スペースが九州で相次いで誕生している。 室内や館内に作品が並び、その世界にどっぷり浸れるのが魅力だ。 全身で味わう体験は、アートとの新しい出会いの形としても注目を集めている。

大分県別府市の浜脇地区は別府温泉発祥の地とも言われ、昔ながらの風情が残るエリア。 狭い路地を抜けた先にある「浜脇の長屋」は、築 100 年以上の長屋を改築した宿泊施設だ。 「天空の庭」と名付けられた部屋の扉を開けると、目の前に紺碧の海のような幻想的な景色が広がる。 2 階にある床が透明な強化ガラスの寝室では、下からの青い光に包まれながら眠ることができる。

伊ミラノを拠点に活躍するアーティスト・廣瀬智央さんの作品で、2012 年に別府で開かれた国際芸術祭「混浴温泉世界」で披露した。 その後、NPO 法人「BEPPU PROJECT (別府市)」が管理運営を担い、13 年から宿泊施設として開放してきた。 今年 4 月末には新しい部屋「白い箱」が加わった。 外観は長屋だが、中には、白壁のギャラリーのような空間が広がる。 壁にはフィリピン出身のアーティスト、ラニ・マエストロさんの 10 枚の絵画が並ぶ。 09 年の「混浴温泉世界」で制作されたもので、静寂の中で心ゆくまで作品と向かい合える。

若手芸術家が部屋のデザインを手がけ注目を集めているのが、福岡県筑後市の JR 羽犬塚駅前にあるビジネスホテル「MEIJIKAN」だ。 100 年以上続く老舗ホテルだったが、オーナーが「人々が集う場所にしたい」と福岡市のデザイナーに相談。 九州在住の若手アーティスト 4 人に、「筑後」をテーマに制作を依頼した。 4 階建ての最上階で 1 人 1 部屋をプロデュースした「アートホテル」だ。 (安斎耕一、asahi = 7-23-17)


沖ノ島、一般の上陸全面禁止へ 現地大祭を中止

宗像大社(福岡県宗像市)は、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産への登録が決まった沖ノ島を保護するため、毎年 5 月に島で開催してきた現地大祭を来年から中止する方針を固めた。 原則入島禁止で、年に 1 度だけ一般の上陸が認められる機会だったが、遺産登録に合わせて運用を厳しくする。

宗像大社によると、大祭は日露戦争の日本海海戦が 1905 年に沖ノ島近海であり、日本が勝利したのを記念。 戦前は本土の宗像大社で式典をしたが、58 年からは大社の沖津宮(おきつみや)がある沖ノ島で海戦のあった 5 月 27 日に開催し、両国の戦没者を慰霊してきた。 沖ノ島に一般男性の参拝が認められているのはこの日だけで、毎年、全国から公募で選ばれた 200 - 250 人が参拝していた。 (馬郡昭彦、asahi = 7-15-17)

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沖ノ島、世界遺産に 事前勧告から一転、8 資産登録決定

ポーランドのクラクフで開かれているユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界遺産委員会は 9 日、福岡県の「沖ノ島」を世界文化遺産に登録することを決めた。 構成 8 資産のうち、ユネスコ諮問機関が 4 資産について「除外」を事前勧告していたが、世界遺産委は一転して 8 資産の一括登録を認めた。 今回の登録で国内の文化遺産は 17 件、自然遺産と合わせた世界遺産は 21 件になる。 九州からは 2015 年の「明治日本の産業革命遺産(九州・山口地域など 8 県)」以来となる。 (asahi = 7-9-17)

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上陸制限・女人禁制 … 沖ノ島、保護と観光の両立は?

世界遺産への登録勧告を受け、沖ノ島は観光スポットとしても注目が集まりそうだ。 しかし島は全体がご神体で、上陸は原則不可。 女人禁制の宗教的タブーもある。 「行くことのできない島」の観光と保護の両立に向け、地元の関係者も知恵を絞っている。 島を所有する宗像大社では、神宝館での出土品の展示のほか、様々な催しを通じ、宗像や沖ノ島への理解を深めてもらう考えだ。 「守るべきものと公開するものを今まで以上に峻別(しゅんべつ)することになる」と宗像大社の葦津敬之宮司。 こうした条件の中で、魅力を多くの人にどう伝えるか、試行錯誤が始まっている。

新たな試みとして、沖津宮遥拝(ようはい)所のある大島では 7 月、沖ノ島との歴史などを紹介する「大島交流館」が開設予定。 約 50 キロ離れた沖ノ島のイメージを映像で伝えるなど、観光拠点としての役割を担う。 宗像市の郷土文化学習交流館「海の道むなかた館」は祭祀(さいし)の変遷や出土品を紹介するパネルなどを充実させ、福岡県も今後、沖ノ島の祭祀遺跡の映像を制作するなど、登録後を見すえた取り組みに乗り出した。 (馬郡昭彦、安斎耕一、asahi = 5-6-17)

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宗像・沖ノ島と関連遺産群、世界遺産登録へ 条件付きで

ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に、福岡県宗像(むなかた)、福津(ふくつ)両市の「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」が登録される見通しとなった。 事前審査する諮問機関が「登録」を勧告したためだが、認められたのはおおむね沖ノ島だけで、それ以外の主な構成資産は除外するとの条件が付いた。 7 月 2 日からポーランドである世界遺産委員会で最終的に判断される。

フランス・パリの世界遺産センターが 5 日、諮問機関の国際記念物遺跡会議(イコモス)の勧告を日本政府に伝えた。 勧告は、▽ 「登録」、▽ 追加情報の提出を求めた上で次回以降の審議に回す「情報照会」、▽ より綿密な調査や推薦書の本質的な改定が必要な「登録延期」、▽ 登録にふさわしくない「不記載」の 4 段階で評価される。

遺産群は、▽ 「日本書紀」にも登場する海の女神が鎮座する宗像大社沖津宮(おきつみや)がある沖ノ島、▽ 本土から約 11 キロ沖の大島にある中津宮(なかつみや)と沖津宮遥拝(ようはい)所、▽ 本土にある宗像大社辺津宮(へつみや)、▽ 信仰を支えた宗像族の墓とされる新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群 - - など。 「古代祭祀(さいし)の変遷を示す考古遺跡がほぼ手つかずの状態で残されている」などとして 2009 年、国内候補の一覧表「暫定リスト」に記載され、15 年の文化審議会で国内推薦候補に決定。 イコモスが昨年 9 月、現地で調査した。

文化庁によると、イコモスは登録の条件として「宗像大社沖津宮遥拝所、中津宮、辺津宮、新原・奴山古墳群」を除外することを勧告したという。 (後藤洋平、asahi = 5-6-17)


消費者庁の徳島拠点、7 月下旬オープンへ 3 年後に再判断

松本純消費者相は 27 日の閣議後会見で、消費者庁が徳島県に設ける「消費者行政新未来創造オフィス」を同県庁内に 7 月 24 日、オープンすると発表した。 この新拠点には約 50 人の職員を配置し、地域の現場に根ざした先駆的な調査やモデル事業などを実施する予定。 河野太郎・前消費者相時代に全面移転を模索したが、東京から離れて国会対応や危機管理をすることは困難と判断。 3 年後に移転の可否を再判断することとした。 (asahi = 6-27-17)

前 報 (3-22-16)


おんぶひも「もっこ」、密着感が人気 熊本地震でも活躍

熊本県天草地方で「もっこ」の名前で受け継がれてきた、おんぶひもが人気を集めている。 広めたのは、実際に使ってみた熊本のお母さんやお父さんたち。 熊本地震の被災地でも活躍した「もっこ」を現代風にアレンジしてネットで売り出したところ、各地から注文が相次いでいる。

もっこは、熊本県天草市牛深町で幾世代にもわたって作られ、使われてきた。 大きな四角い布で赤ちゃんをくるんで担ぎ、布についたひもを赤ちゃんの尻の下で交差させ、前か後ろで結んで固定する。

熊本市東区の田代健太郎さん (44) と佳織さん (41) 夫婦は 7 年ほど前、もっこに出合った。 天草出身の知人が、軽やかに子どもを背負う姿に「何それ?」。 使ってみると、子どもとの密着度が高い。 互いのほおが触れあうほど高く背負うため、腰の負担も和らいだ。

育児サークルのメンバーで手作りして使うと、評判が広まり、2014 年 10 月に製品化。 使いやすく、持ち運びしやすいように薄手の布で作った。 前でひもを交差して結ぶことを嫌がる人もいたため、ひも部分にパットを入れてリュックのように背負いやすいようにした。

今年 1 月には田代さんが社長となって株式会社化し、会社名と商品名を「グランモッコ」にしてデザインなども一新。 販売枚数は約 1 万 4 千枚になった(4 月末時点)。 長男 (0) がいる東京都杉並区の南粉琴さん (44) は「子どもが寝たらふとんに、椅子に巻き付ければチェアベルトにもなり、授乳ケープにもなる」と便利さを実感している。 長女 (1) に使っているという熊本県菊陽町の野崎由貴恵さん (37) は「市販の抱っこひもをおんぶに使うと腰あたりまで下がってしまうが、もっこだと高く背負えて、娘と目を合わせられるのがいい。」

おんぶの仕方が分からない人も多いため、使い方を伝える「アンバサダー」も養成中だ。 田代さんは「おんぶに限らず、子育てのさまざまな知恵や工夫が伝わる場になればうれしい」と話す。 (山下知子、asahi = 6-25-17)


愛知環状鉄道、三セクなのに絶好調 実は沿線に …

愛知県の春日井市と岡崎市を結ぶ第三セクター・愛知環状鉄道(45.3 キロ)の 2016 年度の輸送人員が 1,711 万人に達した。 開業直後の 1988 年度の 4 倍超。 沿線のトヨタ系企業の業績が好調で通勤する従業員が増え、電車利用の割合も増えているためだ。 16 年度は、愛知万博の会場アクセスで使われた 05 年度の 1,967 万人を除くと過去最高だった。 旧国鉄路線からの「三セク転換組」の大半は赤字と利用者数低迷に苦しむ。 愛環も旧国鉄の赤字ローカル線・岡多線の廃止を受けて発足したが、好調ぶりが際立つ。

トヨタ自動車本社工場が目の前にある同県豊田市の愛環・三河豊田駅。 平日の午後 6 時過ぎ、ホームは白いワイシャツ姿の会社員らであふれる。 名古屋市の自宅へ帰る 40 代男性は、6 年前に自動車通勤から切り替えた。 「渋滞に巻き込まれずに済むし、乗り換えで歩くのでダイエットになります。」 愛環の 16 年度の輸送人員は前年度より 3% 伸びた。 少子化で学生の利用が減っているものの、通勤客が増えているため、右肩上がり。 決算は黒字基調だ。 「沿線の人口は増え続けている。 環境への配慮から電車通勤に変える人も多い。」と担当者。 (臼井昭仁、asahi = 6-20-17)


セブン-イレブンが「全国制覇」 19 年度に沖縄出店へ

セブン-イレブン・ジャパンは 9 日、2019 年度をめどに沖縄県に出店すると発表した。 5 年で約 250 店舗をめざす。 コンビニ大手では最後になるが、47 都道府県全てにセブンの店舗ができる。 沖縄を、プライベートブランド (PB) 商品をアジアに輸出する拠点にする計画も進める。 今年中に県内で事業を展開する 100% 子会社を設立する。 年間 50 店ずつ出す方針だが、本島のみで離島への出店計画はない。

沖縄の既存コンビニは、「タコライス」や「ポークたまごおにぎり」など独自の定番商品も多い。 9 日に現地で会見した古屋一樹社長は「沖縄では作りたてへの嗜好(しこう)が強い。 レジカウンターまわりのファストフードを強くする。」と語った。 弁当やサンドイッチを作る工場や配送センターも県内に新設する。 税制が優遇される経済特区を生かし、PB 「セブンプレミアム」の菓子や雑貨を、アジア各国のセブン-イレブン向けに輸出することも検討している。

セブンは、製造や物流の効率を良くするため、一定の地域に店を密集させる「ドミナント戦略」にこだわってきた。 独自の物流網を整備しなければならない沖縄への出店は遅れていた。 ファミリーマートは約 320 店、ローソンは約 210 店、すでに沖縄県で展開している。 人口や観光客が増えている沖縄県で、コンビニ大手の競争が激しくなりそうだ。 (山下裕志、asahi = 6-9-17)


「お嬢サバ」に「唐津 Q サバ」 ブランド化するサバたち

大衆魚として食卓を支えてきたサバの「ブランド化」が進んでいる。 傷みやすいことなどで福岡県などを除くと、生で食べるのは敬遠されてきたが、その風景も変わりつつある。

鳥取県北東部、岩美町の網代(あじろ)漁港で、JR 西日本がマサバの養殖に取り組む。 拠点となる同社の養殖センターの開所を祝う式典が 7 日あった。 生で食べられるブランド魚「お嬢サバ」として売り出す狙いだ。 県によると、地下からしみ出した海水をくみ上げた「井戸海水」を使う。 これを使ったマサバの陸上養殖に事業として取り組むのは全国初。 海水が砂で濾過され、食中毒の原因になるアニサキスなどの寄生虫がつきにくいのが特徴という。

県栽培漁業センターが 2012 年度から研究していたが、コスト面で事業化の道筋が見えていなかった。 JR 西日本が市場調査による共同研究を県に提案。 同センターから陸上養殖のマサバを買い取り、2 年前から消費者の反応や採算性を調べている。 網代漁港に開所した JR 西日本の陸上養殖センターは、同社が 6 千万円をかけて 9 基の飼育用水槽や 7 カ所の井戸を整備。 県と町が助成した。 県栽培漁業センター研究員の水本泰さん (34) は「スタートラインに立ったばかり。 想定していなかった課題も出てくるだろうし、まだまだ目が離せない。」と話した。

関西でも生食広がる

農林水産省の統計によると、サバ類(マサバ・ゴマサバ)の漁獲量は 1960 年代から 70 年代に大きく伸びた。 ピークは 78 年の 162 万 6 千トン。 乱獲などの影響で 90 年代初めには 25 万 - 27 万トン台に落ち込んだが、漁獲制限などでいくぶん持ち直した。 2016 年は 48 万 9 千トン(概数)という。 養殖は九州などで進み、佐賀県唐津市と九州大が共同研究。マサバを「唐津 Q サバ」として出荷している。 長崎県でもハーブ入り飼料で育てた「長崎ハーブ鯖」が売り出されている。

福岡県などでは、新鮮な生のサバを胡麻じょうゆにつけ込む「胡麻サバ」が人気。 関西では主に酢で締めて食されてきたが、最近ではサバを刺し身で出す店もみられる。 サバ専門の料理店「SABAR (サバー)」もその一つ。 大阪市北区の大阪天満店でサバの刺し身を初めて味わったという会社員、島田昇さん (52) は「飽きない味。 ビールがすすむ。」と満足げだ。

SABAR を経営する「鯖や」は、京阪神や東京、名古屋などで 13 店舗を展開する。 主に青森県八戸市で水揚げされるサバを厳選。 冷凍保存して仕入れる。 鳥取の「お嬢サバ」の市場調査も担い、本格的な仕入れも検討するという。 右田孝宣社長 (42) は「十分に安全管理されている。 サバの概念を良い意味で裏切っていきたい。」と話す。 週末は予約がいっぱいになる時もあり、30、40 代の女性客の比率が高いという。 (柳川迅、神元敦司、asahi = 6-7-17)


ブラタモリが来る、ざわつく名古屋 「宿敵」に期待も?

NHK の人気紀行番組「ブラタモリ」名古屋編が 10、17 日午後 7 時半から放送される。 名古屋の人にとってタモリさんといえば、かつて「エビフリャー(エビフライ)」のギャグなどで方言や気質を揶揄されたという因縁もあり、注目が集まっている。 番組は、タモリさんが街をブラブラ歩きながら知られざる歴史や人々の暮らしに迫るもの。 NHK によると、名古屋編では名古屋城や熱田神宮などをめぐったという。 「ついに」、「歴史的な出来事」 - -。 放送決定が発表されると、インターネットにはタモリさん来訪の衝撃を物語る書き込みが相次いだ。

昨年、名古屋市の調査で国内主要 8 都市で名古屋が「行きたくない街ナンバーワン」となり、市民の多くも「仕方がない」などと受け止めていることが明らかに。 要因や打開策が論じられる中、タモリさんの過去の「イジリ」が負のイメージや人々の「地元コンプレックス」に大きな影響を与えたとの見方がある。 名古屋に関する著書も多いフリーライターの大竹敏之さんは地元の盛り上がりについて「自分の街に対する自信を失いかけているこのタイミングだからこそ、かつての『宿敵』タモリさんが魅力を発見してくれることに期待を寄せる方が多いのでは」とみる。

撮影には市も協力した。 市ナゴヤ魅力向上室は「市のウェブサイトでロケ地のルートを紹介するなど、放送が内外の方に名古屋の魅力を知っていただく起爆剤になってほしい」と期待を寄せている。 (原知恵子、asahi = 6-5-17)