農業改革の行方 生乳の出荷ルート広がる?

酪農家が生産する、しぼったままの「生乳(せいにゅう)」。 これを殺菌処理などして飲むのが牛乳だ。 バター、チーズといった加工乳製品の原料にもなる。 2014 年秋ごろ、日本では深刻なバター不足が起きた。 家庭のほかパン店や洋菓子店も困り、政府は緊急輸入でしのいだ。 背景には、生乳生産量が 20 年ほど減り続けていることがある。 生産者保護のため、日本は輸入乳製品に高関税をかけてきた。 それでも朝晩の搾乳など労働環境が過酷とされる酪農の担い手は減り、生産量が落ちてしまった。 新鮮さが求められる飲用生乳の方が高く売れるので、加工用に流れにくい事情もある。

政府は、生乳を加工用に出荷した酪農家に補助金を出してはいる。 ただ、条件がある。 農協がつくった全国 10 の流通業者「指定団体」に卸すことだ。 日本の生乳の 97% が、酪農家からの委託という形で指定団体経由で乳業メーカーなどに流れる。 飲用と加工用にどれだけ回すかの調整役にもなっている。 本来、流通業者として指定団体を使うかどうかは酪農家の自由だ。 ところが、補助金の制約が立ちはだかる。 加えて指定団体は、酪農家と全量の委託を受ける契約を前提としており、他業者への出荷は原則として認めていない。

生乳の生産減は、流通経路の硬直化も一因なのでは - -。 政府の規制改革推進会議は昨年、指摘した。 一時は指定団体の廃止案まで打ち出した。 昨秋の「農業競争力強化プログラム」では、現在の流通を見直す方針が示された。 こうした経緯を踏まえ、農林水産省はいまの国会に生乳流通の改正法案を提出した。 加工向け補助金を、指定団体経由でなくても出すようにする。

加工用を高値で買ってくれる業者への出荷、メーカーへの直接販売、自ら作った加工乳製品の消費者への販売に酪農家が取り組みやすくなる。 乳業メーカーも、産地の特色を打ち出した商品など開発の選択肢が増えそうだ。 農水省は、担い手や生産量減少の歯止めにもつながると期待する。 ただ、新たな出荷ルートを選ぶ酪農家がどれほど出てくるかは見通せていない。 遠くにある酪農家のもとへ集荷に行ける能力のある業者は、指定団体以外にはまだ少ない。 効果が出るとしても時間がかかりそうだ。 (野口陽、asahi = 3-10-17)


ハイヒールで商店街疾走、「街を元気に」 和歌山・新宮

ハイヒールを履いた女性たちがリレー競走をする、一風変わった催しが 5 日、和歌山県新宮市の仲之町商店街であった。 シャッターが下りたままの店が目立つ商店街だが、800 人もの観客で大盛り上がりとなった。

「新宮ハイヒールラン 2017」と銘打ち、女性の視点や女性の力で地域を活性化させようという市職員や公募女性でつくる新宮市魅力発信女子部が初めて企画した。 発案者の一人でフラダンス教室運営の司空慧子さん (38) は「高いハイヒールを履けばなぜかテンションが上がる。 女性の元気な姿を見せ、街も元気にしたい。」と狙いを語る。 継続的に開催し、将来的に全国大会も開きたい考えだ。

この日は職場仲間や学校の同級生など、市内外から 3 人 1 組の 15 チームが参加。 アーケードの下の 90 メートルのコースを 30 メートルずつバトンをつないで走り、速さを競った。 優勝したのは幼なじみとその飲み友達という 40 代のチーム「シ・ジウ」。 西友紀さん (43) = 三重県紀宝町 = は「次回はコスプレに力を入れたい」と喜んでいた。 (東孝司、asahi = 3-6-17)


西郷どん、鹿児島空港に砂像 明治維新 150 年を PR

来年の大河ドラマの主人公西郷隆盛と桜島の砂像が 4 日、鹿児島空港に現れた。 5 月の南さつま市・吹上浜砂の祭典と来年の明治維新 150 年を PR する。 52 歳の双子の愛好家、大工園(だいくぞの)昭則さんと望さんが約 8 時間かけて制作した。 祭典は 30 回目を迎え、海外の彫刻家の作品を含めて約 100 基が展示される。 砂像は幅 1.2 メートル、高さ 1.1 メートル。 「目元と眉を力強くして風格を」と表情にこだわったという。 「空港を利用したら、像の前で思い出に写真をどうぞ。」 (asahi = 3-5-17)

◇ ◇ ◇

広末涼子さん「維新博の勢いにわくわく」 高知で開幕

大政奉還から 150 年となる今年にあわせて、歴史博覧会「志国高知 幕末維新博」が 4 日、高知県で始まった。 これに合わせてメイン会場の高知城歴史博物館(高知市)が開館し、昨年見つかった暗殺 5 日前の坂本龍馬の書状が初めて一般に公開された。 公開は 5 月 7 日まで。 幕末維新博は今後約 2 年間、「龍馬の生まれたまち記念館」や「中岡慎太郎館」など各施設で、幕末志士ゆかりの品々の展示などを企画している。 高知城下であったセレモニーでは高知市出身の広末涼子さんが出席。 「維新博の勢いにわくわくしている」と話した。 (高木智也、asahi = 3-4-17)


パリの女性市長来日、くまモンと語る 渡仏に感謝

「明るいパリを伝えてくれてありがとう!」 日本を訪問したパリ市のアンヌ・イダルゴ市長が 28 日、東京・南麻布のフランス大使公邸で熊本県営業部長のくまモンと面会。 パリ市が招致活動中の 2024 年夏季五輪などについて歓談した。 くまモンとフランスの縁は深い。 毎年 7 月にパリで開かれる日本文化の博覧会「ジャパン・エキスポ」には 2013 年から 4 年連続で参加。 昨年は秋にも熊本産ワインの魅力を PR するためにボルドー地方やパリなどを訪れ、地元の人々と交流する姿が伝えられた。 フランスでもくまモンの知名度は高まり、市長は対面を心待ちにしていたという。

この日はフランス各地の観光名所を元気に跳びはねるくまモンのビデオが披露され、イダルゴ市長は「シュペール(素晴らしい)!」と感嘆しきり。 くまモンは熊本で開催される 2019 年世界女子ハンドボール選手権大会の記念グッズなどをプレゼントし、市長からは 2024 年五輪招致のシンボルとなっているエッフェル塔の模型が贈られた。 「くまモンのポジティブさは今の世の中に必要なもの。 お会いできて本当によかった。」とイダルゴ市長は話していた。

イダルゴ市長は 26 日に来日し、2020 年夏季五輪の準備を進める小池百合子都知事や、日本の旅行業界関係者らと意見交換した。 フランス観光開発機構によると、2015 年 11 月のパリ同時多発テロの影響で減少していた日本からの観光客数も回復の兆しを見せており、くまモン人気を借りてさらに元気を取り戻したいという。 (戸田拓、asahi = 3-1-17)


広島の原爆資料館、入館者数が過去最多 オバマ氏効果か

広島平和記念資料館(広島市中区)は 24 日、今年度度の入館者数が、1991 年度の 159 万 3,280 人を上回り、過去最多を記録したと発表した。 前米大統領のオバマ氏が昨年 5 月、現職の米大統領として初めて広島を来訪。資料館も見学し、折り鶴を寄贈するなど世界的に関心が集まったことが、入館者数を押し上げたとみられる。 入館者数は 2011 - 14 年度には 120 万 - 130 万人台で推移していたが、戦後 70 年の節目となった 15 年度は 149 万 5,065 人となっていた。 (加治隼人、asahi = 2-24-17)


人気の移住先、3 位静岡・2 位長野 1 位は常連のあの県

NPO 法人ふるさと回帰支援センター(東京都千代田区)は東京都や神奈川、埼玉県など首都圏に住む人に希望する移住地域を聞いたランキング(2016 年)を発表した。 山梨は前年、「ライバル」の長野に奪われた首位を 2 年ぶりに奪還した。 ふるさと回帰支援センターは、東京・有楽町の「ふるさと暮らし情報センター」で移住を考えている人に全国各地の情報を提供している。 昨年の来場者 6,777 人に移住を希望する都道府県を尋ね(複数回答)、ランキングにまとめた。

山梨は 14 年に初めて首位となり、今回は 2 年ぶり。 11 年から 3 年連続 1 位で、15 年にも 1 位だった長野が 2 位、静岡が 3 位だった。 その後は広島、福岡、岡山、大分と続いており、西日本の人気がうかがえる結果となった。

ふるさと回帰支援センターによると、上位 3 県に共通する特徴は中高年からの人気が高いこと。 山梨への移住希望者の年齢別内訳は、30 代以下が 34.0% で全国平均 (45.9%) を下回るのに対し、60 代以上は 25.2% で全国平均 (15.7%) を約 10 ポイント上回った。 長野、静岡にも同様の傾向が見られるという。 それに対して 4 位以下の西日本を希望する人の半数以上は 20 - 40 代だという。 嵩(かさみ)和雄副事務局長は「若年層は距離にこだわりがない一方、中高年は遠くに行きたがらない。 東京から近いことが選ばれる理由の一つだろう。」と分析する。

山梨は 13 年に 2 位に浮上し、以後、長野と首位を争う。 首位奪還は昨年 11 月、山梨のほとんどの市町村が参加する「オール山梨移住セミナー&相談会」を東京で開いたことなどが効果を上げたとみられるという。 山梨は今後、子育て世代への PR にも力を入れる。 県地域創生・人口対策課の宮崎正志課長は「横綱のような存在の長野に競り勝てたことは励みになる。 今後も謙虚に、着実に一歩ずつ取り組んでいきたい。」と話した。 (北見英城、asahi = 2-23-17)

2016 年の移住希望地域ランキング (カッコ内は前年順位 福岡は前年ランキング外)
1 位山梨(2)
2 位長野(1)
3 位静岡(4)
4 位広島(6)
5 位福岡(-)
6 位岡山(5)
7 位大分(9)
8 位新潟(15)
9 位長崎(12)
10 位宮崎(10)

前 報 (2-16-16)


走者から激励も 熊本城マラソン沿道に過去最多 23 万人

地震にみまわれた熊本

記事コピー (4-20-14 〜 2-19-17)


和紙の人形や桃の花、竹の中に 「かぐやびな」づくり

桃の節句を前に、兵庫県上郡町のまつい工芸社では「かぐやびな」づくりが最盛期を迎えている。 日本の伝統的な風習を手軽に楽しめるようにと、高さ 20 センチ、直径 12 センチの竹の中に、京都の友禅和紙でつくった男女の人形や桃の花を入れたコンパクトなつくりが人気だという。 問い合わせは同社 (0791・52・3913) へ。 (内田光、asahi = 2-11-17)


興福寺中金堂の大雪像完成、映像投影で神々しい姿 札幌

札幌市中心部の大通公園に 5 日、奈良市で 300 年ぶりに再建される「興福寺中金堂(ちゅうこんどう)」の大雪像が完成した。 6 日から始まる「さっぽろ雪まつり」の目玉の一つ。 5 日夜のプロジェクションマッピングでは同寺の国宝「阿修羅像」も映し出され、本物より一足早く神々しい姿を現した。

興福寺中金堂は 710 年の平城京遷都の際に藤原不比等によって建てられた。 平安時代以降、平氏の焼き打ちや失火などによる焼失と再建が繰り返され、1717 年の 7 回目の焼失後は再建されずにいた。 2010 年の創建 1,300 年を前に再建計画がスタートし、2018 年に落慶予定だ。

大雪像を制作したのは北海道テレビ放送 (HTB) と陸上自衛隊第 18 普通科連隊(札幌市)で、延べ約 3,800 人が約 30 日間かけて精巧に再現した。 5 日は奈良市から興福寺の多川俊映貫首(かんす)が訪れ、「天平時代の興福寺が、見事に札幌でよみがえりました。 細部が想像以上に精巧で、相当な技術を感じます。 ぜひいろんな角度から見ていただきたい」と感心していた。 (大山稜、asahi = 2-5-17)


「天空の山城」見えるツタヤ図書館オープン スタバ併設

レンタル大手「TSUTAYA」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ (CCC) が指定管理者となった岡山県高梁市の新図書館で 3 日、報道向け内覧会があった。 JR 備中高梁駅直結で、来館者の目標は年間 20 万人。 街の活性化の拠点としても期待される施設は 4 日、オープンした。 CCC が指定管理者となる図書館は、佐賀県武雄市、神奈川県海老名市、宮城県多賀城市に次いで全国で 4 番目となる。

図書館は、駅直結の 4 階建ての複合施設の 2 - 4 階。 1 階にはバスセンターがあり、飲食店なども営業している。 駅の方から 2 階に入ると、目を引くのが 4 階までの吹き抜けで、棚にずらりと本が並ぶ。 2 階には、カフェ「スターバックス」、蔦屋書店があり、観光案内所で高梁の物産も販売される。 2 階は、旅行や料理などの本、3 階は文学書や専門書、新聞などが並び、学習室もある。 4 階は児童書で、読み聞かせスペースもある。 4 階の展望テラスからは、「天空の山城」として人気の備中松山城を眺められる。 ふた付きの飲み物であれば、館内で飲むことができる。 (西江拓矢、asahi = 2-5-17)


女子高生の「変面師」初登場 長崎ランタンフェス

色鮮やかな衣装に身を包み、軽やかに舞う踊り手の仮面が一瞬で切り替わる「中国変面ショー」。 28 日から長崎市で始まる長崎ランタンフェスティバルの人気イベントの一つだ。 門外不出とされる技を身につけ、昨秋デビューした高校 1 年の藩彩華(ばんさやか)さん (16) も初登場する。 得意のダンスを生かし、「自分らしい変面」をめざす。

今月上旬、中国の歴史や文化を伝える同市の長崎孔子廟。 ショーが始まると、来場者が変面師の仮面に目を凝らした。 「変わった、変わった!」 猿やキツネなど、着け替えた仮面に応じて踊りも変わる。 マントで顔を覆った一瞬、最後の仮面が消えて、あどけなさの残る素顔が現れた。 2 年前、ランタンフェスのショーで「旗振り」役として変面師と同じ舞台に立った。 「お客さんが喜んでくれる」と変面師にあこがれた。 変面は「一子相伝」の技と言われる。 長崎での貴重な後継者として華僑 5 代目で若い藩さんの名前が挙がり、仕掛けを口外しない契約を結んで昨年 4 月から練習を始め、10 月にデビューした。

中国から訪れた先生に教えてもらえたのは、たった 2 日間。 仕掛けや基本動作を覚え、あとは長崎孔子廟中国歴代博物館館長で長崎華僑総会副会長を務める父親らの助言を受けながら独学で技を習得した。 (田部愛、asahi = 1-26-17)


ゆめぴりか・金色の風 … ブランド米が続々誕生、今なぜ?

「青天の霹靂、ゆめぴりか …。 近年、新しい品種の高級ブランド米が、各地で誕生している。 「コメ離れ」が指摘されて久しいが、いまなぜ? 「10 年かけて開発したお米。 白くてつやがあり、今まで食べたことがないような味ですよ。」 東京の三越銀座店。 岩手県が昨年販売を始めたブランド米「銀河のしずく(2 キロ 1,340 円)」の昨秋の PR イベントで達増拓也知事がアピールした。 試食した主婦 (67) は「もちもちしすぎず、甘みがあって冷めてもおいしい。」

冷害に強い品種と食味が良い品種を掛け合わせ、ブランド化への登竜門とも言える日本穀物検定協会の食味ランキング(2015 年産)では、流通前の参考品種ながら岩手県の独自米として初めて最高位の「特 A」を取得。 県内のメジャーな品種よりも高値だ。 県は「農家の高齢化による担い手不足も課題。 所得向上につなげ、生産意欲を高めたい。」と意気込む。 今年秋にはさらなる高級米「金色の風」も市場に投入する予定だ。

ブランド米ブームの先駆けは、山形県が 10 年に販売を始めた「つや姫」とされる。 「お米はここまで美味しくなれる」を掲げ、栽培に適さない農地への作付けを許可しないなど厳しい出荷・栽培基準を導入。 平均価格は 5 キロ 2 千円以上で、高品質で知られる新潟産の一般のコシヒカリを上回る。 県の担当者は「一度信頼を失えばブランドは一瞬で消える。 管理は徹底したい。」と言う。 青森県は 15 年秋、農薬使用の制限などを農家に課した「青天の霹靂」を発売し、特 A を取得。 小売価格は 5 キロ 2,500 円ほどだ。 県内の大手スーパーでは同県で主に作付けするコメより 500 - 700 円ほど高く売っている。

代表品種のコシヒカリから脱却する動きも加速している。 全国一の米どころの新潟県では今年、粒が大きく甘みが強い「新之助」がデビューする。 県内の作付けの 7 割がコシヒカリだが、暑さに弱い。 県の担当者は「猛暑で品質が大きく落ちた年もある。 温暖化によるリスク回避のため、暑さに強くておいしいコメの開発が急務だった。」 昨秋に試験販売した東京・日本橋三越本店では国内最高峰の同県魚沼産コシヒカリ並みの 5 キロ 3,500 円の値がついた。 コシヒカリ発祥の福井県も「ポストコシヒカリ」と位置づける新品種を 18 年度に投入する予定だ。

でも、コメ離れに歯止めはかかっていない。 日本人のコメ消費量は 1 人当たり年間約 55 キロで、ピークの 1960 年代前半の半分ほど。 総務省の 15 年の家計調査では、2 人以上の世帯あたりの平均購入金額は 2 万 2,981 円で、パンを 8 千円弱下回る。 なぜ新種開発が相次ぐのか。 22 年に新品種を市場に出す予定の秋田県の職員は「後継者の確保のためにも高値で稼げるコメは欠かせない。」 農業産出額の半分以上はコメだが、代表品種「あきたこまち」は誕生から 30 年以上がたち、価格は下落傾向にある。

国が生産量を抑える「減反」が 18 年度から廃止されることで、コメ余りが進むとの見方もある。 岩手県は「大消費地のスーパーの棚を確保する競争は激しくなる。 この数年は極めて大事だ。」

味だけで勝てる時代も終わった。 15 年産の特 A は 46 産地品種と、10 年前の 17 から急増した。 「コク」、「ボディ感」など独特の評価項目で PR する産地も増えつつある。 コメ専門店「スズノブ(東京都目黒区)」の西島豊造社長は「全国のコメの中で勝ち残るには、綿密な販売戦略が大事。 炊き方や合うおかずなど、消費者目線で具体的に提案する力が強いところが勝つだろう。」と話す。 (東郷隆、asahi = 1-25-17)

前 報 (2-25-16)


ハーバード、東北被災地に熱視線 儲けではなく志学ぶ

世界各国の有名企業にリーダーを送り出している米ハーバード・ビジネス・スクール (HSB) が、学生の学びの場として、東北の被災地に注目している。 2008 年のリーマン・ショックを機に、社会のためになるリーダーのあり方を見直したとき、参考になる姿がそこにはあった。 1 月 3 日、HBS の学生 43 人が日本に到着した。 東京での企業訪問の後、5 人前後のグループに分かれ、宮城や岩手の清酒メーカーや NPO 法人など 9 カ所の協力先に向かった。

HSB が 12 年に導入したプログラムでは、協力先で経営計画や課題の解決策を提案する。 海外 5 カ所程度から学生が 1 カ所を選ぶ。 毎年人気なのが日本の東北地方で、これまでに約 150 人が参加した。 今回は 11 日間の日程で、福島では高校生と交流も。 50 万 - 60 万円の費用はほとんどが学生の負担だ。

宮城県女川町でスペインタイルを作る NPO 法人「みなとまちセラミカ工房」には、米国とホンジュラス出身の男女 4 人がやってきた。 投資銀行などで働いた経験がある 27 - 29 歳のエリートたちだ。 このうちの一人、ヒラリー・クレンツマンさん (27) は「被災した人たちが立ち上がる姿に刺激を受け、学びたいと思って来ました。」 (長谷川陽子、山田理恵、asahi = 1-16-17)


プレハブ一転、木のぬくもり 被災地の小学校に新校舎

東日本大震災の津波で大きな被害が出た宮城県東松島市野蒜(のびる)地区に、市立宮野森小学校の新校舎が完成した。 木のぬくもりを感じられる校舎で、10 日から児童が学び始める。 1 年生のときから仮設のプレハブ校舎で学び続けてきた児童もいて、最後の 3 学期に間に合った。 校舎は木造一部 2 階建てで、使った材木は約 5 千本。梁(はり)や柱を隠さず温かな雰囲気を出した。 教室は廊下側がガラス張りで、窓から里山が見える。

宮野森小は児童数 143 人。 野蒜小と宮戸小が昨春、統合して開校した。 9 日には落成式があり、6 年生の阿部来春(こはる)さんは「プレハブは音が響くので、廊下をゆっくり歩かないといけない。 そんな気遣いも、もういらない。」と喜んだ。(茂木克信、asahi = 1-9-17)


漆 100% のコップできた 一見プラスチック、薄さ極限

「漆 100%」のコップ作りに愛知の伝統工芸品・名古屋仏壇の漆職人が成功した。 木の器に漆を塗る従来の漆器と異なり、完全に漆だけ。 非常に薄く繊細だが、しなやかでガラスよりも丈夫という。 「逆転の発想」から生まれた特許出願中の技法とは - -。

一見するとプラスチック製のコップだが、手にすると光沢の深みに気がつく。 厚さ 1 ミリほど。 飲み物の冷たさが手に伝わる。 冷酒に合う「うすはりグラス」の漆器版といえそうだ。 木や紙に塗る従来の漆器の製法では、薄くしようにも 2 ミリほどが限界だった。 開発したコップは素地がないため、段違いの薄さを実現できたという。 (斉藤太郎、asahi = 1-5-17)


「超愛的青森!」 台湾タレントが入れ込む魅力とは

台湾で女優、歌手、バラエティー番組の司会と幅広く活躍する陳美鳳(チンメイフォン)さん (60) は、公私を問わず(青森に)来県するほどの「青森通」だ。 台湾に陳さんを訪ね、外国人の視線から観光地・青森の魅力を語ってもらった。

- - これまでに旅番組のロケで 4 回、ドラマのロケで 1 回、青森を訪れているとか?

日本国内では東京や北陸、九州も仕事で行ったことがありますが、青森は何度も来ているので特別です。 ロケで訪れたところをゆっくり楽しみたいと思い、友人とプライベートで来たこともありますよ。

- - 旅番組では、感情豊かに県内の名所を PR していますね。

収録中は自然体を心がけています。 青森でつい口をついて出る言葉は「超愛的(大好き)!」。 いつも自然の美しさに感心させられます。 弘前公園の桜の下でお弁当を食べている人たちを見れば「地元の人はなんて幸せなんだろう」、十和田湖でカヌーに乗れば「この景色を忘れないでおこう」と。

- - 台湾から県内を訪れる観光客は年々増え続け、2015 年には延べ約 3 万人を数えました。 国・地域別では韓国や米国をおさえ、最も多いです。

台湾は親日家が多く、東京以外の日本の地名も知られています。 青森はその中でも、高級リンゴの産地として浸透しています。 ただ、マグロの大間町など、まだまだ台湾で PR する余地のある名所もたくさんあると思います。

- - ロケの後はフェイスブックやインスタグラムなどの SNS に写真を投稿して、ファンに紹介しています。 1 千人から反応が来ることもあるそうですね。

「両親を連れて青森に行ってきました」というコメントをもらうこともあり、うれしいですよ。 (asahi = 1-2-17)


「逃げ恥」ロケ地、参拝客 10 倍 山梨の寺、初詣の準備

ぶどう寺として知られる山梨県甲州市勝沼町の大善寺で 29 日、大掃除が行われ、10 人で境内を掃き清めた。 30 日には正月の飾り付けをして初詣に備える。 大善寺は今秋放送された民放の人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」第 3 話のロケ地となり、全国から若者が押し寄せた。 11 月の参拝客は約 5 千人で、昨年同時期の約 10 倍。 年間の参拝者も 2 万人から 2 万 5 千人以上に増える見通しという。

29 日は準備のため拝観ができないはずだったが、家族連れや若者らが訪れ、「ここは主人公がワインを飲んだ場所」などと言いながら、見学していた。 拝観料は 500 円で、三が日だけは無料。 大善寺では「山梨県にもこんな場所があると知ってもらえた。 新年もロケ地効果が続いてほしい。」と話していた。 (asahi = 12-30-16)


「この世界の片隅に」監督らロケ地マップ作成 無料配布

戦時下の広島を描いたアニメ映画「この世界の片隅に」の舞台となった広島県呉市と広島市のロケ地マップを、監督の片渕須直氏らが作製した。 映画のタッチで描かれたイラストが多数あしらわれた「絵地図」で、両市の観光案内所などで無料配布中だ。

地図は A3 判で、片面に戦中の呉市の地図、もう片面には昭和 8 年以降の広島市の旧中島本町と江波(えば)地区の地図が描かれ、主人公の「すず」らキャラクターと、原爆や空襲で消滅した商店や理髪店などのスポットをイラストで表している。 「ヤミ市があった所」、「すずさんとすみちゃんが貝を売っていた参道」など細かな場面も描かれている。

キャラクターデザインの経験もある浦谷千恵監督補がイラストを担当し、片渕監督が監修。 作製にあたり片渕監督は「この地図をたよりに全国の人が広島と呉を訪れる姿を思い描いた」と説明したという。 (高島曜介、asahi = 12-28-16)

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5 億円の観光浮桟橋、3 年使わず 非常時も「役立たず」

地域活性化などを目的に造られた静岡県伊東市の伊東港の観光浮桟橋が完成から 3 年経った今も、一度も使われていない。 2013 年にいったん完成したものの、台風で壊れ、約 1 億円の改修費も含めた総工費は 5 億円近くにのぼる。 今年 8 月の台風でも再び壊れ、コストはさらに膨らむ見通しだ。

秋の昼下がり。 港一帯は平日にもかかわらず、30 - 40 人がイカやアジ釣りを楽しんでいた。 彼らの目と鼻の先にある港の入り口には、海面から高さ約 7 メートルの杭 4 本が突き出ている。 間に浮桟橋を係留するための設備。 だが、浮桟橋は対岸の防波堤付近に移されており、活用されている様子はない。 既存の観光桟橋と浮桟橋をつなぐ連絡橋の先端は宙に浮き、所在なさそうに見える。

台風で破損し修復

県港湾整備課によると、浮桟橋は、中が空洞のコンクリートブロック 32 個で構成。 20 メートル四方で高さは約 3 メートル、重さ 850 トンほど。 県が 11 年 1 月から 2 年 7 カ月かけて約 3 億 6 千万円(うち国の交付金約 1 億 4,500 万円、市が約 9 千万円を負担)で完成させた。 (細見卓司、asahi = 12-25-16)


大火でもけが人少数 防災無線と地域のつながり 糸魚川

新潟県糸魚川市の大規模火災で、死者は出なかった。 けが人は、消火活動中の消防団員 9 人のほかは住民女性 2 人にとどまった。 いずれも煙を吸ったり、避難中に転倒したりと比較的軽いけがだった。 防災行政無線の定着や地域の強い結びつきが、人的被害が大きくなるのをくい止めた。

22 日午前 10 時半ごろにラーメン店から出火した直後、防災行政無線が火災を知らせた。 その後、避難勧告や延焼の危険があるという情報も何度も流れた。 アナウンスの前には火災発生を意味する「ピンポン」という音が 3 回鳴った。 大町 2 丁目で菓子店を営む小池昭夫さん (70) は「普段から 3 回鳴れば夜中でも気づく。」 防災無線は屋外にあるスピーカーだけでなく、希望者が 5 千円で設置できる戸別受信機があり、市内のおよそ半数に普及しているという。 (asahi = 12-24-16)


地方 15 空港の訪日誘客支援 国交省、着陸料軽減や施設整備

国土交通省が 2017 年度に実施する地方空港の活性化策が 21 日、判明した。 格安航空会社 (LCC) などの誘致に積極的な 15 程度の空港を「訪日誘客支援空港」に認定し、国際線の着陸料軽減を 3 年間にわたり支援。 17 年度は税関など受け入れ施設の整備費を補助する。 都市部に集中している訪日客が地方に向かう流れをつくる狙いだ。 有識者から意見を聞くなどして、来春以降の早い時期に選定に入る。 17 年度予算案に約 10 億円を計上する。 新千歳や福岡などの主要 7 空港を除く地方空港から入国する外国人を、20 年に現在の 3 倍の 300 万人に増やすことを目指す。 (西日本新聞 = 12-21-16)


公立小中の給食無償化、全国 55 市町村 朝日新聞社調査

公立小学校や中学校の給食を無償で提供する自治体が、全国で少なくとも 55 市町村あることが朝日新聞社の調査でわかった。 うち半数以上がこの 3 年間で無償化。 さらに 2 市町が来春から始める。 大半が、家計の負担軽減による子育て支援や少子化対策として取り組む。 朝日新聞社が全都道府県教育委員会に実施市町村を尋ねたうえで、個別市町村に取材し、12 月 1 日時点の状況をまとめた。

給食費を全額補助して無償にしているのは北海道三笠、栃木県大田原、滋賀県長浜、兵庫県相生の 4 市と 28 町 23 村。 人口 1 万人未満の市町村が 4 分の 3 を占める。 大半は小中学校とも実施しており、小学校のみは 2 市 1 町 1 村。 開始時期は 2015 年度が 14 町村と最も多く、14 年度が 9 町村、今年度が 7 市町村だった。 さらに、来年 4 月から群馬県みどり市と鹿児島県長島町が予定している。

今年度の予算規模(対象人数)は、大田原市が 2 億 7 千万円(約 5,300 人)で、長浜市が 1 億 6 千万円(約 6 千人)、相生市が 1 億 790 万円(約 2,400 人)。 みどり市は来年度分を約 2 億 2 千万円(想定約 4,200 人)と試算している。 ただ、全国の公立小中学校の児童・生徒数に対する無償化の対象人数は 1% 未満で、まだ少ない。

教育委員会や給食センター担当者は無償化の効果として、保護者の負担軽減に加え、結果として給食費の滞納や未納トラブルがなくなったことなどを挙げる。 給食費の負担を部分的に補助する制度を導入する自治体も増えており、全 1,741 市区町村のうち、少なくとも 396 市区町村あった。 第 3 子から無償とし、子育て支援を前面に出す自治体もある。 (河合真美江、小河雅臣、中塚久美子、asahi = 12-19-16)

給食費の補助の例

・一定割合を補助(半額、3 分の 2 など)
・一定額を補助(年 1 万円、月 500 円、1 千円など)
・1 食あたりで補助(20 円、40 円、半額など)
・主食や牛乳代にあたる月 2 千円を補助
・第 3 子以降は全額免除
・きょうだいが全員 18 歳未満の家庭を対象に、第 2 子は半額、第 3 子以降は無償

学校給食費〉 文部科学省の調査(2014 年 5 月 1 日現在)で全国平均の月額は、公立小学校高学年で 4,277 円(1 食あたり 246 円)、中学校 4,882 円(同 286 円)。 同省の徴収状況調査(12 年度)では保護者の口座引き落としが 7 割を占めるほか、学級担任に直接手渡す方法が 8%、振り込み 5% など。 低所得世帯は、生活保護を受けているか、就学援助制度を使えば、給食費が支給される。 学校給食は 1889 年に貧困の子どものために現在の山形県鶴岡市で始まったとされる。 1954 年に学校給食法が成立、給食が教育の一環と位置づけられた。


政活費不正の富山市議会、領収書ネット公開など条例改正

政務活動費(政活費)の不正で 13 人が辞職した富山市議会は 16 日、領収書のインターネット公開など再発防止策を盛り込んだ条例改正案を全会一致で可決した。 領収書は今年度分から対象になり、来年中に市議会のホームページに公開される。 今回の改正で、議員 1 人あたり月 15 万円とは別に、3 人以上の会派に所属議員数に応じて月 15 万 - 45 万円支払われていた加算分も廃止する。

また、使途が適正か審査する第三者機関を各会派共同で来年 6 月に設置する方針。 第三者機関が承認した支出のみ、各会派から議員の口座に振り込むことにし、領収書、政活費が使われた現場の写真といった第三者機関に提出する証拠書類の内容など制度の詳細を今後詰める。 同市議会では 8 - 10 月に政活費不正で自民 10 人、民進系会派・民政クラブ 2 人の計 12 人が辞職し、11 月に補欠選挙が実施された。 さらに補選直後に自民 1 人が辞職し、現在欠員 1 になっている。

自民会派主導で 6 月に可決した議員報酬の月 10 万円増額は、政活費不正も加わって市民の批判が高まり、今月撤回した。 (吉田真梨、asahi = 12-16-16)


若冲モチーフ漆ステアリング ネットで資金募る

国産漆を保全し、漆の良さを PR しようと、盛岡市の漆精製・漆製品製造会社「浄法寺漆産業」がインターネット上で広く支援者と資金を募るクラウドファンディングで、伊藤若冲の絵を施した自動車ステアリングの制作に挑戦している。 「日本文化に欠かせない国産漆に多くの人に関心をもってもらい、国産漆の振興につなげたい」という。 クラウドファンディングの目的は、漆を施したステアリングの制作費や、完成したステアリングの展示会の経費、そして漆の木の植栽事業の資金を広く賛同者から集めることだ。 目標金額は 500 万円で、今月 29 日まで募る。

「漆かき職人不足や漆の木の減少などで危機的となっている国産漆に関心をもってもらおう」と、同社の松沢卓生社長が実用化をめざしている漆塗りの自動車ステアリング制作を思いついた。 握ることで漆の滑らかさや温かみを肌で感じてもらえると考えた。 イメージ画像を 3D 技術で作り、それを基に漆職人が漆を塗っていくという。 漆絵と、金属粉を施した蒔(まき)絵の 2 種類で計 4 本のステアリングを制作する。

デザインのモチーフは、写実的描写と鮮やかな色使いで知られる江戸中期の画家・伊藤若冲の「鳥獣花木図びょうぶ」。 2013 年に県立美術館で松沢さんが鑑賞し、強烈な印象を受けた。 今年 10 月、来日した米国の若冲作品収集家のプライス夫妻に直接会い、使用の許可を得た。 完成したステアリングは盛岡市や東京などで開く展示会で披露し、その後は販売も検討する。 支援者には金額に応じて、展示会の招待券やステアリングと同デザインのオリジナルキーケース、酒器などがプレゼントされる。

松沢さんによると、国内で使われる漆の 98% は中国産で、国産はわずか 2%。 その 7 割近くが二戸市浄法寺町産だ。 国宝など文化財の修復には欠かせないが、このままでは需要を満たすだけの原料を確保するのも難しくなるおそれがある。 松沢さんは「少しでも国産漆の生産が安定し、日本文化が後世に引き継がれていくために力を貸してほしい」と呼びかけている。 詳細は クラウドファンディングのホームページ か、浄法寺漆産業 (019・656・7829)) へ。 (斎藤徹、asahi = 12-16-16)


長崎地裁和解協議 諫干の外堀埋める 国の基金 100 億円

国営諫早湾干拓事業(諫干、長崎県)の潮受け堤防排水門の開門問題を巡る長崎地裁の和解協議が 12 日にある。 開門せずに和解することを条件として国が先月末にまとめた「有明海振興基金」案の賛否について、地裁が有明海沿岸 4 県(福岡、佐賀、熊本、長崎)の漁業団体の意向確認をする考えを示す見通しで、協議を巡る動きは新たな局面に入る。 長崎を除く 3 県の漁業団体は「開門の旗は降ろさない」姿勢を堅持し、和解を取り巻く状況は混迷したまま。 しかし一部で基金案を受け入れるべきか迷いの声が漏れ始めており、各団体の動向に注目が集まりそうだ。

8 日、和解協議に参加する漁業者らがメンバーの市民団体が福岡市で記者会見し、「開門しない前提の和解協議は行き詰まっている」と訴えた。 長崎地裁に対し開門についての協議開始を求める要請書も提出しており、基金案を提出した国のペースで進まないようにけん制した格好だ。 一方で国は訴訟当事者ではない県漁連など漁業団体に対し、基金案の「説明」として接触を図る。 基金は 100 億円で国が全額拠出。 養殖施設の整備などに活用でき、基金の運営は団体側に委ねるスキームだ。 団体の中に基金案を望む声を増やし、司法の場で向かい合う漁業者らの外堀を埋めようとする国の「青写真」が浮かぶ。

熊本市では 3 日、熊本県漁連会館に集まった漁連役員ら 24 人に、九州農政局の堀畑正純・農村振興部長が基金案の概要を説明した。 ある漁協組合長からは「もっと基金案について議論した方がいい」との提案が出たといい、農水省の担当者は「まだ理解は得られていないが、基金案に前向きな意見が出てきている」と語る。

基金案に揺さぶられているのは佐賀県有明海漁協も同じ。 これまで国や自治体が計 430 億円以上を投じても有明海再生は目立った成果がなかったため、基金活用による再生も困難とする意見が大勢ながら、一気にまとめて 100 億円という提案を簡単に拒否してこのまま和解が成立しなければ、基金の芽が摘まれて開門の見通しも立たない。 佐賀市のノリ漁業者 (38) は「開門を求めたいが、どうしても無理なら再生のための資金が必要」と苦悩する。 佐賀県内のある漁協の幹部も「国のやり方はずるい」と戸惑う。【関東晋慈、中尾祐児、吉住遊、mainichi = 12-11-16】

前 報 (1-23-15)