ビックカメラ、中国のネット通販参入 現地大手と提携

ビックカメラは 4 日、中国の家電量販大手の国美電器と提携し、中国でのネット通販に参入した。 中国では販売されていない日本製の小型家電およそ 450 点を国美のサイトに出し、日本製家電をより安く買えるようにする。 訪日客への知名度アップも狙う。 ビックカメラが海外のネット通販に参入するのは初めて。 国美の通販サイト「国美材線」は会員が 1 億 2 千万人おり、その中にビックカメラが専用サイトを設けた。 ほかの通販サイトでの販売に比べ、国美の物流網を利用するためコストが抑えられ、中国の消費者はより安く日本製の家電が手に入るようになる。

中国の量販店でも日本の家電は買えるが、品ぞろえが限られている。 そのため、日本を訪れた中国人観光客は、中国にはないモデルの炊飯器やドライヤーなどを「爆買い」している状況だ。 ビックカメラはこうした売れ筋情報を店頭で把握し、中国での通販事業にリアルタイムで生かす。 ビックカメラでは、すでに売上高の約 12% を中国などの訪日外国人が占めている。 国美は中国での家電量販の「2 強」。 もう一つの大手・蘇寧雲商集団は、傘下にラオックスを持つ。 (岡林佐和、asahi = 12-4-15)


ホンダ新車、中国で初の 100 万台販売へ SUV が好調

ホンダの中国の新車販売台数が来年、100 万台の大台を初めて超える見通しになった。 スポーツ用多目的車 (SUV) が来年も好調な販売を続け、主力車種の全面改良による上積みも見込んでいる。 ホンダは中国に、広汽ホンダと東風ホンダという合弁会社をもつ。 広汽は今年を 5 万台上回る 60 万台以上を来年に売る方針。 今年 40 万台を売る計画の東風も、好調な小型 SUV 「XR-V」に加え、世界戦略車「シビック」を全面改良した新型車を来春に売り出す予定で、拡販が期待できる。

日系メーカーでは、日産自動車(今年の販売計画 125 万台)、トヨタ自動車(同 110 万台)に次ぐ「100 万台プレーヤー」の仲間入りをしそうだ。 ホンダが 2 日発表した 11 月の中国の新車販売台数は前年同月比 32.7% 増の 9 万 836 台で、11 月として過去最高を更新した。 今年の販売目標(95 万台)の達成もほぼ確実だ。(榊原謙、斎藤徳彦、asahi = 12-3-15)

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日産・ホンダ、中国で快走 新車販売 2 割増、SUV 人気

中国の自動車市場で、日産自動車とホンダの乗用車が好調だ。 10 月の新車販売台数では、市場全体の減速が目立つ中、両社は前年同月比で 2 割前後の増加という高い伸びを見せた。 いずれもスポーツ用多目的車 (SUV) を軸に据えた戦略が当たっている。 日系各社が 4 日までに発表した 10 月の販売数によると、トヨタ自動車は前年同月比 1.2% 減の 10 万 3,400 台で、7 カ月ぶりの前年割れ。 一方、日産は 16.8% 増の 10 万 9,600 台、ホンダは 25.2% 増の 8 万 3,111 台だった。

ホンダは 6 カ月連続で前年同月を 20% 超上回る躍進だ。 その立役者が、昨年 10 月と 12 月に相次いで投入した SUV 「ヴェゼル」と「XR-V」。 いずれも月 1 万台前後を売る「柱」に成長した。 夏場まで前年割れが続いていた日産も、8 月に大型 SUV 「ムラーノ」、10 月に若者向けの小型 SUV 「キャシュカイ(日本で一時「デュアリス」として販売)」を投入し、息を吹き返した。 商用車の不振は続いているが、中国での合弁会社、東風日産乗用車の打越晋社長は「乗用車は新車種が大きく貢献している。 今年の販売目標 100 万台は手中にある」と話す。

レジャー志向も高まりつつある中国の消費者に、大きくて存在感があり、運動性能も高い SUV が受け始めている。 中国市場全体の販売台数は 1 - 9 月までの累計で前年比 0.3% 増にとどまり、減速が鮮明だ。 その中で SUV だけは 46.7% 増と高い伸びを見せる。 (北京 = 西尾邦明、斎藤徳彦、asahi = 11-6-15)

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ホンダ、中国の新工場建設を先送りへ - 需要鈍化で

ホンダは中国での 8 億 2,200 万ドル(約 990 億円)規模の新工場建設を先送りする。 世界最大の自動車市場である中国で需要が鈍化している。 ホンダはこれまで、中国の合弁相手である東風汽車との第 3 工場を湖北省武漢で年内に着工する計画だった。 合弁会社の陳斌波副社長が 22 日の電話インタビューで明らかにした。

ホンダは今年 1 - 9 月の中国販売を 34% 増やしたものの、生産能力拡大は見送る。 景気減速や株式相場下落、新車登録規制で業界全体の中国乗用車販売は 1 - 9 月に 3 年ぶりの低い伸びとなっている。 陳副社長は 2017 年前後の着工となる可能性が高いと説明。 生産開始が 18 年 7 月より遅くならないことが目標だと述べた。 最終的な決定は今年末に下されるという。 日刊工業新聞が同日、ホンダの中国新工場建設計画棚上げを先に報じていた。 (Bloomberg = 10-22-15)

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ホンダ新車販売台数、中国が日本上回る見通し 今年度

ホンダが今年度、中国で売る新車の台数が、日本での販売を初めて上回る見通しとなった。 ホンダが 9 日発表した今年度上半期(4 - 9 月)の中国での販売は前年同期より 3 割超多い約 46 万台。 一方、国内の新車販売は低迷している。

ホンダの 9 月の中国での販売台数は前年同月より 28.5% 増の 8 万 2,531 台。 9 月としては過去最高で、前年超えは 7 カ月連続。 現地では、昨年末に売り出されたスポーツ用多目的車 (SUV) 「ヴェゼル」、「XR-V」が人気だ。 今年度の販売が 90 万台を超えるのは確実とみられている。 10 月からは、排気量 1.6 6リットル以下の車にかかる税金を優遇する制度も始まる。 これが、こうした SUV などの販売をさらに後押しするとの期待もある。 (榊原謙、北京 = 斎藤徳彦、asahi = 10-10-15)


三菱製鋼室蘭特殊鋼、70 人を一時帰休 中国経済減速で

三菱製鋼室蘭特殊鋼は 1 日、室蘭製作所(北海道室蘭市)で、従業員 257 人のうち 70 人の一時帰休を始めた。 中国経済の減速で受注が減ったためだ。 ギアなど産業機械用の特殊鋼の生産部門を対象に、最長 1 年間、月 4 回休んでもらう。 国の雇用調整助成金を申請し、需要が回復すれば解除する。 雇用確保を条件に労働組合から同意を得たという。 同社は三菱製鋼の子会社。三菱製鋼は今回の一時帰休などで、約 1 億円のコスト削減を見込む。 (asahi = 12-2-15)


「中国依存度が高い国」ランキング 5 位に日本

中国経済の減速が続いている。 中国政府は GDP の伸び率を 6% 前後であると主張するが、世界の投資家はその数値を疑っている。 来年さらに成長が鈍化すれば、対中輸出への依存度が高い国は、主要産業において利益率の低下にさらされる。 オーストラリアの鉱業会社、BHP ビリトンや台湾の鴻海精密工業はもちろん、以下に挙げる 10 ヵ国は、大きな影響を被ることになりそうだ。

企業の信用力に影響が出る可能性は高く、更には国の財政を揺るがすことにもなりかねない。 対中輸出が減少すれば、それに依存する国々は、中国に代わる輸出先を見つけなければならない。 それに当たる経済圏が存在するかどうかは不透明だ。 もし、中国の景気が急激に減速すれば、中国への輸出は困難になる。 一方、中国からの輸入が多ければ、国はデフレ圧力にさらされる。 以下に、対中輸出への依存度が高い国のトップ 10 をリストアップした。 (Kenneth Rapoza、Forbes = 12-1-15)

対中輸出への依存度が高い国のトップ 10 「対中輸出比率」は輸出額全体に占める中国への輸出の割合
1 位オーストラリア対中輸出比率 34%/GDP の 6%
2 位台 湾対中輸出比率 26%/GDP の 16%
3 位韓 国対中輸出比率 25%/GDP の 11%
4 位チ リ対中輸出比率 23%/GDP の 8%
5 位日 本対中輸出比率 19%/GDP の 3%
6 位ペルー対中輸出比率 19%/GDP の 4%
7 位ブラジル対中輸出比率 18%/GDP の 2%
8 位マレーシア対中輸出比率 12%/GDP の 10%
9 位タ イ対中輸出比率 12%/GDP の 7%
10 位インドネシア対中輸出比率 10%/GDP の 2%


漢方薬の原料、国内調達に各社注力 中国産の価格高騰で

ツムラなど漢方薬をつくる各社が、原料となる生薬の国内での調達を増やそうと動いている。 漢方薬が見直され、国内の需要は伸びているが、生薬は約 8 割を中国産に頼っており、価格も高騰しているためだ。 医療用の漢方薬で約 85% のシェアを持つツムラは 27 日、北海道夕張市の工場で新たに動かし始めた設備を報道陣らに公開した。 生薬についた土や石などの不純物を機械や人の手で取り除く選別工程を新設したほか、生薬の保管能力を約 2 倍の約 2 千トン分に広げたという。

同社は北海道を国内調達の約半分の量をまかなう重要拠点に位置づける。 今年に入り、自社農場の栽培面積を 60 ヘクタールから約 150 ヘクタールに拡大した。 今後も契約農家などを増やし、2014 年時点の栽培面積 250 ヘクタール、生産量 710 トンを、20 年ごろを目標にそれぞれ 1 千ヘクタール、2 千トンに伸ばす方針。 杉田亨専務は「(拡張で)工場の基盤は整ったが緒に就いたばかり。 生産者と協力して生薬の生産拡大に励む。」と話した。 生産品目もいまの 10 から 28 に増やす方向で試験栽培中。 全調達量に占める国内比率を 20 年以降、いまの約 15% から 20 - 25% に上げる方向だ。

医師の処方箋(せん)なしに買える一般医薬品 (OTC) で漢方薬シリーズを売るロート製薬も今秋、奈良県宇陀市で生薬の試験栽培を始めた。 小林製薬は OTC で使う生薬の栽培技術の開発で農家に協力する。 化学最大手の三菱ケミカルホールディングスは 7 月、最も使用量が多い生薬のカンゾウを国内で量産する技術にメドをつけたと発表した。 (伊沢友之、asahi = 11-28-15)


日中関係は良くないのに、中国人が日本にとどまるのはなぜか 中国ネット

11 月 25 日、中国のインターネット上に、「日中関係は良くないのに、なぜ中国人は日本にとどまるのか」と題する記事が掲載された。 歴史や領土問題で緊張状態が続く日中両国だが、日本政府の統計では、2015 年時点で日本に滞在している中国人は約 65 万人に上っている。 これは、30 年前と比較すると 10 倍に増えていることになる。 日本は生活コストの高い国で、多くの中国人は幼いころからの教育によりこの国を嫌っている。 その上、日本経済は低迷し、中国経済は発展している。 にもかかわらず、どうして多くの中国人が日本に行くのだろうか。 記事はその理由を三つ上げている。

一つは、中国で良い仕事を探すのが難しいこと。 中国人留学生の多くは日本の名門大学を卒業できるわけではなく、そうした留学生らはアルバイトに精を出すばかりで日本語レベルもそれほど高くない。 日系企業の管理職などには手が届かない。

二つ目は、金銭的な問題。 たとえ良い仕事が見つかったとしても、収入面ではやはり日本と比べようがない。 日本の月収は平均すると中国の 4 - 5 倍。 将来的なことを考えると、日本で働いてお金をためるのが現実的な選択となる。

三つ目は、生活環境の問題。 特に、日本で長く生活した人は、国内の不衛生で秩序のない生活に適応するのが難しい。 一度帰国した人の中には、再び日本に戻る人もいるのだという。 (RecordChina = 11-27-15)


日本に行きたいかー? 難問続出、中国で日本通クイズ

日本語を学ぶ中国各地の学生たちが日本の知識を競うクイズ大会が 14 - 15 日、吉林省長春市の吉林大学であった。 日中両国間で関係改善に向けた動きが見られるなか、過去最多の 94 大学約 300 人の学生たちが参加し、日本への招待旅行をかけて戦った。

大会は日本科学協会(東京)と会場の大学との共催で 2004 年に始まり、ほぼ毎年各地で開催されてきた。 15 日の決勝戦では、「林羅山はいつの時代の儒学者ですか(正解・江戸時代)」、「お湯の量が日本一の温泉は?(同・別府温泉)」などといった難問が日本語で出され、正解すると会場から拍手が起きた。

団体戦で優勝した武漢大学の梁丹●(= 王偏に路)さん (22) は「半沢直樹」など日本のドラマやアニメを毎日見て日本語を学ぶという。 神戸大学に留学経験があり、「神戸の先生や学生たちは思いやりの気持ちがあって感動した。 民間交流が進めば、両国の関係はもっと良くなると思う。」と話した。(長春 = 平賀拓哉、asahi = 11-17-15)


上海の企業が「星野リゾートトマム」買収 183 億円

中国の商業施設運営会社「上海豫園旅遊商城(本社・上海)」は 11 日、北海道のリゾート施設「星野リゾートトマム(北海道占冠(しむかっぷ)村)」の全株式を、183 億円で買収すると発表した。 海外からの人気も高まり、売り上げ増が続く施設の将来性を見込んだという。 星野リゾートトマムはホテルや大型スキー場、ゴルフ場がある。 施設の運営はこれまで通り、星野リゾートが担う。 これまで株式は、アメリカ系ファンドが 8 割、星野リゾートが 2 割を持っていた。

上海豫園は不動産などへの投資を手がける復星集団(フォースン・グループ)の傘下。 フォースンは世界各地で主要都市にある著名な不動産の買収に乗り出しており、昨年は東京・天王洲の大型ビルを買収した。 上海豫園は 11 日の公表文で、「星野リゾートトマムは過去 5 年、営業収入が 10% 伸び、2014 年の純利益は 7.1 億円だった」として成長力を強調した。 訪日客が急増している中国でも、自然が豊かな北海道は特に知名度が高く、施設を訪れる中国人客も増えると期待する。 (北京 = 斎藤徳彦、asahi = 11-11-15)


トヨタが中国市場に「カローラ」と「レビン」のハイブリットモデルを投入 = 香港メディア

トヨタ自動車の中国における合弁会社である一汽トヨタおよび広汽トヨタは 10 月末にカローラおよびレビンのハイブリッドモデルをそれぞれ中国市場に投入した。 これに合わせ、トヨタは中国でメディア関係者を対象としたイベントを開催し、同イベントに参加したという香港メディアの鳳凰網は「わずか半日程度の短い時間だったが、非常に有益で多くの情報を得ることができた」とし、その "有益な情報" を読者に向けて伝える記事を掲載した。

トヨタの企業サイトによると、同社のハイブリッドシステムは「発進時にはモーターの低速トルクを活かす」、「低速走行時にはエネルギー効率に優れたモーターで走行する」、「通常走行時は、エンジンの効率が良い速度域でエンジンを主動力とした低燃費走行する」ほか、エンジンとモーターを効率的に使い分けるシステムだ。 トヨタはこれまで日本から中国に輸出していたハイブリッドシステムを中国国内で生産することを決め、同時に中国国内で生産されるハイブリッドシステムの品質を確保するため、一汽トヨタおよび広汽トヨタ、さらにはサプライヤーとともに生産を厳格に管理している。

鳳凰網は、トヨタが中国国内でハイブリッドシステムを生産するにあたって、「日本製より安く、日本製より高い品質」を実現することを目標に掲げていると伝えたほか、イベントではカローラおよびレビンのハイブリッドモデルに試乗する機会を提供したことを紹介。 鳳凰網の記者が実際に試乗した感想について、記事は中国の読者に向けて詳しく紹介すると同時に、トヨタのハイブリッドシステムは「中国で日常的に乗る車にぴったり」と評価し、ガソリンエンジン車のような運転の楽しみも得ることができたと伝えた。

また、ハンドルの操作感覚のほか、アクセル、ブレーキを踏む感覚、総合的な操作性についても高く評価したうえで、中国人の運転習慣に合わせたクルマづくりが行われているとし、「カローラおよびレビンのハイブリッドモデルは中国の消費者の視点に基づいて作られた車」と高く評価した。 (SearChina = 11-4-15)

前 報 (10-22-11)


日本で暮らす中国人女性、「多くは帰国を望まない」と中国メディア

中国メディアの騰訊新聞は 20 日、日本在住の中国人のうち、男性に比べて女性のほうが日本を好きだという人の割合が多いと主張し、中国に帰国することと日本に残ることを選ぶ場合、「多くの中国人女性は日本に残ることを選択するはずだ」と主張、その理由について考察した。

記事は、中国人女性が「中国に帰国することを望まない」理由として、まず「中国では家事をすることが日本より大変であること」を挙げ、中国では食材の安全性が担保されていないとして、野菜を購入しても自宅でしっかり洗わないと安心して口に入れられないと主張。 日本では食材の残留農薬などを懸念する必要もないうえに、カットされた野菜や魚なども多く、調理も非常に便利だと指摘した。 また、食事を作りたくない場合、日本では簡単に外食ができるのに対し、中国では外食も安心できないうえに、大手レストランは非常に高額だと論じた。

さらに、中国は衛生面も日本に非常に劣るとし、特に中国のトイレは酷いと指摘。 日本で暮らす中国人の子どもも中国に一時帰国すると「中国は汚い」、「中国はトイレが臭い」などと話すことを紹介し、中国では子どもに公衆トイレを使わせることができないと論じた。

また記事は、日本で 10 年以上も暮らしているという中国人女性の話として、中国では何をするにも「誰かに頼み込まないと話が進まない点が煩わしい」と指摘。 子どもが学校に入学するにも、病院で医者に診察してもらうにも、親が介護施設に入るにも、「誰かコネのある人に頼まないと事が運ばない」と伝え、日本はその点、非常に手続きが簡単であり、日本で長く暮らせば暮らすほど中国のコネ社会に適応できなくなると論じた。

そのほか、日本は職場の人間関係が中国よりも複雑ではないと指摘。 年末の挨拶を例に、中国では上司に「付け届け」を送ることは必須であるのに対し、日本では年賀状を送るだけで済むのは非常に楽だと紹介。 上司や同僚とのつきあい方においても日本は中国ほど圧力がないとし、仕事面から見ても日本で働きたいと考える中国人女性は少なくないことを指摘した。 (SearChina = 10-26-15)


中国高官「日本の政治家や学者は中国人の声に耳を傾ける気ない」

中国ネットの怒りは中国政府に「某党も同様だろ」、「日本もきっと同じ感想」

10 月 26 日、中国メディア・新浪によると、中国の全国人民代表大会(全人代)外事委員会の傅瑩(フー・イン)主任委員はこのほど、人民日報に寄稿し、「日本の政府関係者や学者との交流で感じるのは、彼らが中国人の声に耳を傾けようという意欲を持たないことだ」などと指摘した。 傅氏は、尖閣諸島問題を例に挙げ、「日本側はずっと独り言を言うのみで、中国側の声は何も聞こえないかのようだ」とした。 この報道について、中国のネット上には次のようなコメントが寄せられている。 (RecordChina = 10-26-15)

「政府高官なんてみな同じ。 独り言を言うばかりさ。」
「某党も同様だろ。」
「(中国共産)党はいつ、人民の声に耳を傾けたというのか。」
「厚かましい顔をした人が、耳を傾けない人を非難することはできない。」
「日本人も(中国側に対して)まるっきり同じ感想を抱いているだろう。」


「世界の工場」では魅力薄れるも、中国は「世界の市場」へ = 中国メディア

中国メディアの新浪財経は 21 日、日本の対中投資が減少するなか、中国から撤退する日本企業が増えつつあることを伝える一方、「日本企業が中国から撤退するのは経済的な事情によるもので、政治によるものではない」と論じる記事を掲載した。 記事は、現在の日中関係は国交正常化以降としてはもっとも冷え込んだ状況にあると伝え、中国としては歴史問題や尖閣諸島(中国名 : 釣魚島)問題で日本に譲歩する考えはないとしつつ、日本も米国との同盟関係を強化していると指摘。 政治や安全保障の分野において、日中両国は相互不信の状況にあると論じた。

続けて、日中の政治は「難しい局面に陥っている」としながらも、日本企業が中国から撤退しているのは政治が理由ではなく、中国の労働市場の変化が理由であると指摘。 日本企業の撤退は「決して、すべての企業が困難に直面していることを意味するわけではない」としながらも、工場を撤退させる日本企業は中国での人件費の上昇を嫌気しているとの見方を示した。

さらに記事は、日本の対中投資額は 2012 年にピークに達し、その後減少に転じたと指摘。 また、日本をはじめとする外資メーカーは中国の安価な労働力を求めて中国に工場を設置したとしながらも、中国で人件費が上昇し、多くの企業が利益をあげられなくなってきていたことを伝えた。

続けて、日本企業による対中投資は減少しているとする一方、中国を市場としてみた場合は魅力的であるはずとし、日本の自動車メーカーなどは中国で売り上げを伸ばしていると指摘。 撤退する日本企業があることは事実であるものの、企業は工場を撤退させているだけで、中国の人件費および消費者の購買力が伸びるなかで中国は「世界の工場」から「世界の市場」への変化しているのだと論じた。 (SearChina = 10-23-15)


中国への直接投資 25% 減 企業に慎重姿勢か

ことし 1 月から先月までの、日本から中国への直接投資の累計額は、去年の同じ時期に比べて 25% 余り減少し、中国経済の減速が鮮明になるなか、日本企業の間で中国への投資に慎重な姿勢が広がっていることなどが影響しているものとみられます。 中国商務省の発表によりますと、ことし 1 月から先月までの、日本から中国への直接投資の累計額は 25 億 4,000 万ドルで、去年の同じ時期に比べて 25.2% 減少しました。

直接投資は、月ごとの数字の変動が比較的大きく、先月は去年の同じ月を上回ったものの、全体としては減少傾向が続いています。 これは、人件費の高騰や、ここ数年の円安・人民元高を受けて、製造業を中心に中国で生産しても利益が出にくくなっていることに加え、中国経済の減速が鮮明になるなか、日本企業の間で中国への投資に慎重な姿勢が広がっていることなどが影響しているものとみられます。

日系企業で作る団体の幹部は「個人消費の拡大を期待してサービス業での投資には動きがあるが、製造業と比べると一般に1件当たりの投資額は小さい。 今後は、中国も対策の強化に乗り出した環境関連の分野で、投資が伸びるかが注目点だ。」と話しています。 一方、ことし 1 月から先月までの、外国全体から中国への直接投資の累計額は 949 億ドルで、ヨーロッパからの投資が伸びたことなどから、去年の同じ時期より 9% 増加しました。 (NHK = 10-20-15)


サントリー、青島ビールとの合弁解消を正式発表 売却額は 156 億円

サントリーホールディングス (HD) は 19 日、中国ビール 2 位の青島ビール(山東省)との合弁契約を解消したと発表した。 いずれも 50% を出資する生産会社と販売会社の株式は青島ビールに来年春までに全て売却する。 売却額は約 156 億円(8 億 2 千万元)。 上海市や江蘇省で約 3 割のシェアがある人気ビール「三得利(サントリー)」は青島ビールにライセンスを供与し、現地における生産・販売は続ける。

サントリーの中国法人と青島ビールは 2013 年 4 月に合弁会社を設立したが、約 2 年で解消とした。 サントリー HD は合弁会社解消の理由について、「現地のビール市場が縮小し、競合との競争も厳しくなってきているため」としている。 今後はワインやウイスキーなど成長分野に経営資源を集中するとしている。 (sankei = 10-19-15)


中国で納豆ブーム ラーメンと同価格、プチぜいたく品

納豆や畳といった日本を代表する品物が中国で広まりつつある。 ブームの担い手は、経済発展で生活水準が上がった都市部の住民たち。 日中両国政府の関係はここ数年冷え込んでいるが、旅行などを通じて日本の生活や文化に触れた人たちの間で、粘り強い人気を保っている。

「納豆(ナートウ)を食べてから病気になったことがないのよ。」 中国東北部の遼寧省瀋陽市に住む郭佩環さん (62) は 2 年前、インターネットで家庭用の納豆製造器を購入し、納豆を作り始めた。 大豆 500 グラムを 24 時間水に浸した後、2 時間蒸す。 それを製造器に入れ、市販の納豆菌をふりかけてさらに 22 - 24 時間。 ふたをあけると納豆の香りが広がる。

郭さんは日本在住経験がある知人から納豆を勧められた。 「最初は臭いと思ったが、次第に慣れた。 今では自分が周囲に勧めている。」と郭さん。 しょうゆ、砂糖、ネギを混ぜ、ご飯とは別に納豆だけで食べるのがお気に入りだ。 中国では「豆チー(トウチー)」と呼ばれる豆の発酵食品はあるが、粘って糸を引く納豆を食べる習慣はなかった。 納豆は日本食レストランか日本食品を扱う商店にしかなかったが、最近は都市部の大型スーパーで冷凍されたパック入り納豆が売られており、価格は中国産で 3 パック入り 1 セット 10 元(約 190 円)程度、日本からの輸入品は 1 セット 20 元(約 380 円)を超える。

ただ、中国の庶民的な食堂ではラーメン 1 杯が 10 元程度で食べられるため、納豆はちょっとしたぜいたく品。 このため中国では家庭用の納豆製造器も人気があり、納豆菌とセットで 100 元(約 1,900 円)程度でネット販売されている。 テレビの情報番組も納豆に注目。 国営の中国中央テレビが昨年放映した番組では、「日本人の寿命が長いのは、納豆を食べていることと密接な関係がある」などと紹介した。 こうした情報がインターネットや口コミで広がり、健康への関心が高い都市部の住民が食べるようになったようだ。 (瀋陽 = 平賀拓哉、asahi = 10-19-15)


WTO 中国に是正勧告 ステンレス製のパイプ関税で

WTO = 世界貿易機関は、中国が日本から輸入するステンレス製のパイプに追加の関税をかけているのは、WTO のルールに違反しているとして日本の主張を認め、中国に対し是正を勧告する最終判断を示しました。 この問題は、中国が火力発電所に使われる日本メーカーの高性能のステンレス製のパイプについて、不当に安い価格で販売され、自国の産業に損害を与えるとして追加の関税をかけているものです。

WTO の紛争処理の小委員会は、ことし 2 月、日本の主張を認める判断を示しましたが、中国側がこれを不服として上訴していました。 WTO の最終審に当たる上級委員会は 14 日、中国国内には同じような高性能の製品を作る競合する企業はないので、中国の産業に損害を与えているとは言えないなどとして、日本の主張を認め、中国に対し、追加の関税を撤廃するよう是正を勧告する判断を示しました。

経済産業省によりますと、去年、日本から中国への高性能のステンレスの輸出額はおよそ 166 億円で、日本メーカーは現在、年間 5 億 3,000 万円を超える追加の関税の負担を強いられてきたということです。 WTO で日本の主張が中国を相手に認められたのは希少な資源、レアアースの輸出制限の是正に次いで 2 例となり、経済産業省は今回の WTO の判断について、「中国による自国産業への過剰な保護政策をけん制する効果がある」としています。 (NHK = 10-15-15)

前 報 (12-20-12)


「日本による満洲開発」、中国メディアが大きく紹介 満洲事変の前日、写真記事で

中国の大手ポータルサイト「新浪網」は 17 日、「"九一八事変" 前夜の中国東北」と題する写真記事を掲載した。 同記事は日本による満洲開発も多く紹介。 中国では珍しい。 9 月 18 日は 1931 年に満州事変が勃発した日だ。 「新浪網」は写真計 23 枚による記事を掲載した。 日本が大連旅順地区に建設した龍王塘水ダム(旧名 : 官房水庫)については、高さは 33.9 メートルで幅は 326.6 メートルと説明。 さらに、2 年後にはダム周辺に、日本から移植した桜 5,000 株あまりによる桜園も完成したことにも触れた。 「桜は余り残っていないが、それでも中国初の桜の園と高く評価されている」と紹介した。

一連の記事で、南満州株式会社の建物については「日本の中国東北における経済侵略活動の司令センターになった」などと批判。 さらに、日本からの開拓団についても、「計画的な移民で侵略の序幕」などとしたが、日本が建設したホテルの建物が現在も使われていることも紹介。 全体的に、「日本の侵略」を基調とするトーンだが、1932 年の満州国成立前に、東北地方の産業の発展が始まっていたことを認める内容になっている。 当時の満洲にアヘン中毒者が多かったことにも触れた。 (SearChina = 9-17-15)


原付きバイク、国内回帰 ホンダ、熊本に生産移す

海外でつくって日本に逆輸入されている原付きバイク(排気量 50cc 以下)の生産が、国内に戻りつつある。 最大手のホンダが 11 日、中国やベトナムでの生産の大半を、熊本製作所(熊本県大津町)に移すと発表したためだ。 現地の人件費が上がり、円安も進んで、海外でつくる利点は薄れてきているという。 ホンダの熊本製作所では 11 日からさっそく、中国でつくっていた原付きバイク「ジョルノ」を大幅改良した新型の生産が始まった。 年産 1 万 8 千台で、来月 16 日から売り出す。 生産ラインには、できたばかりの水色や茶色など 6 色のジョルノが並び、作業員たちが車体にきずがないかなどを丹念にチェックしていた。

エンジンはベトナム製を使うため、国内産の部品の割合は 24% ほどだが、順次増やす。 工場内での式典で、青山真二・二輪事業本部長は「コミューター(小排気量)バイクの国内回帰の第 1 弾だ。 為替の変化もあり、日本で生産してもお求めやすい価格を実現できる」とあいさつした。 村田信一・熊本県副知事も、「製造業の国内回帰の象徴だ」と持ち上げた。 ホンダは 2016 年度末までに、ベトナムでつくっている別の 2 機種の生産も熊本に移す予定で、国内生産は年 7 万台分増える。 年 10 万台超の国内出荷台数のうち、8 割程度が「熊本産」になる見通しだ。 (榊原謙、asahi = 9-13-15)


日産の中国合弁会社に罰金 23 億円 販売価格を強制

中国・広東省の独禁法当局は 10 日、日産自動車の中国での合弁会社「東風日産乗用車」が、省内の販売店に販売価格を強制していたとして、1 億 2,330 万元(約 23 億円)の罰金を科したと発表した。 中国では外資系自動車メーカーへ同様の処分が相次ぐが、日系完成車メーカーへの処分は初めてとみられる。

当局の公表文によると、東風日産側は 2012 年から 14 年 7 月にかけて、販売店が顧客に示す価格を強制的に決め、競争を妨げていたという。 対象市場での同社の年度販売額の 3% を罰金として科された。 東風日産は 10 日、「処分を誠実に受け止め、再発防止につとめる」とするコメントを発表した。 中国の独禁法当局は昨年、外資系メーカーの独禁法違反を相次いで摘発した。 同様の価格操作ではこれまでに、独アウディやダイムラー、米クライスラーが処分を受けている。 (大連 = 斎藤徳彦、asahi = 9-10-15)


爆発被害の中国天津のイオンモール、20 日から営業を順次再開

[東京] イオンは 9 日、中国天津市で先月発生した爆発で営業を一時休止していた「イオンモール天津 TEDA」について、20 日から順次営業を再開すると発表した。 20 日には、1 階にある食品など生活必需品の販売を先行して再開する。 その後、安全確認ができ、販売体制の整った売り場・テナントから順次再開し、11 月上旬の全面復旧を目指している。 「イオンモール天津 TEDA」は爆発現場から 2 キロメートルの場所に位置しており、大きな被害を受けていた。 (清水律子、Reuters = 9-9-15)

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トヨタ天津工場、27 日から順次再開 安全や復旧にめど

トヨタ自動車は 26 日、中国・天津市の爆発事故を受けて、操業を計 9 日間見合わせていた同市内の 2 工場を、27 日から順次再開すると発表した。 「従業員の安全や設備の復旧にめどがたった(広報)」という。 爆発現場から約 2 キロと近く、建物や生産設備が破損した工場は、まず 27 日に従業員を出勤させて復旧した設備のチェックなどを行い、28 日に生産を再開する。 現場から約 70 キロ離れたもう一つの工場は、27 日から生産を再開する。

両工場は爆発事故が起きた 12 日は夏季休暇中。 当初は休み明けの 17 日から再開する予定だったが、安全確認などに追われてきた。 また、長春市にある工場の一つも、天津港の税関が滞って日本からの部品輸送が遅れた影響で、2 日間生産を見合わせた。 一連の操業停止で、2 万台程度の生産に遅れが出るとみられる。 ただ、トヨタ幹部によると、「今後の残業などで取り戻せる範囲内」という。爆発事故で現場近くに置いていた出荷待ちの新車約 4,700 台も被害を受けたが、別の幹部によると、保険が適用される見通しという。 このため、今回の事故では、トヨタの業績には大きな影響は出ないとみられる。 (高橋諒子、asahi = 8-27-15)

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中国 : 天津爆発 日系企業、影響が拡大 操業再開は流動的

中国天津市で発生した大規模な爆発事故で、日本企業に影響が広がっている。 現場周辺では依然立ち入り制限が続いており、生産や販売などの正常化に時間がかかる恐れもある。

トヨタ自動車は天津市内にある 2 工場について、夏休み明けの 17 日から 19 日まで 3 日間、操業を停止すると決めた。 周辺では避難勧告が続いており、20 日以降も操業再開は流動的だという。 トヨタは中国の自動車大手、第一汽車集団と合弁で、天津の 2 工場で主力車種のカローラなどを生産している。 2 工場の最近の生産実績は年 44 万台。 3 日間の操業停止による直接の影響は 5,500 台程度と見られるが、停止が長期化すれば中国事業への悪影響は避けられない。

富士重工業は現地工場を持っていないが、天津港を上海、広州と並ぶ主要な荷揚げ港として利用している。 爆発事故により、現場から約 2 キロ離れた物流拠点に保管していた新車百数十台が被害を受けた。 天津港も当面使用できない可能性が高く、荷揚げ場所の振り替えなどの検討を本格化する。

大塚製薬は天津市内にポカリスエットの製造工場があり、従業員の安全を考慮して 15 日まで操業を停止した。 ただ、工場は現場から約 4 キロ離れているため大きな被害は受けておらず、17 日以降の操業再開を検討している。 また、イオンによると、現場から 2 キロ離れた「イオンモール天津 TEDA」で、爆風によりガラスが割れるなどの被害が生じた。 (赤間清広、竹地広憲、mainichi = 8-17-15)

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トヨタ、天津工場を 3 日間生産見合わせ 爆発事故で規制

トヨタ自動車は 16 日、中国・天津市の「浜海新区」で起きた爆発事故を受け、同市内の工場での生産を 17 日から 3 日間見合わせることを決めた。 現地の当局が、有毒な危険化学物質への懸念から、工場がある事故現場周辺への立ち入りを規制しているため。 20 日以降については未定で、今後の動向を踏まえて改めて決める。

トヨタと現地の自動車メーカーによる同市内の合弁工場は二つあり、うち一つは事故現場から約 2 キロしか離れていない。 夏季休業明けの 17 日から生産を再開する予定だったが、ひとまず 19 日まで見合わせる。 もう一つの工場は約 70 キロ離れているが、現場に近い工場からの部品が届かず、操業ができなくなるという。

3 日間の停止で、生産への影響は約 5 千台にのぼる見通し。 今回の爆発をめぐっては、現場に近い工場などのガラスが爆風で割れたほか、近くの寮などに住む従業員 50 人以上が負傷。 陸揚げされて、内陸への出荷を待っていた新車が爆風に巻き込まれたこともすでに明らかになっている。 (大日向寛文、asahi = 8-16-15)


一番搾り : 中国プレミアムビール市場で人気 キリンの戦略

「日本品質」アピールし浸透

キリンビールの看板商品「一番搾り」が中国のプレミアム(高価格帯)ビール市場を席巻しようとしている。 麦とホップだけを使用したこだわりの製法が、食の安全に関心を高める中国の富裕層の心を捉えた。 キリンが中国市場に本格参入したのは、1996 年。 現地企業と合弁でビール工場を作り、「最」などの銘柄名で独自ブランドを展開した。 しかし、地場メーカーが格安のビールを大量投入する中、思うように売り上げを伸ばすことができなかった。

戦略を一新したのは 2011 年。 競争が激しい低・中価格市場の商品と差別化を図るため、「日本品質」を売りにプレミアム市場の攻略に乗り出した。 その切り札となったのが一番搾りだった。 中国からの訪日客の増加で、日本で一番搾りのおいしさに触れた消費者が帰国後に買い求める好循環が生まれた。 販売価格は 500 ミリリットル缶で 9 元(約 180 円)前後と、1 本 1 元程度のビールもある中国ではかなり割高だが、売り上げは年 1 - 2 割ペースで伸びているという。

中国で特に一番搾りの存在が目立つのが、経済の中心都市・上海だ。 コンビニエンスストアや高級スーパーに加え、料理店のメニューやジョッキにも一番搾りマークが輝いている。 缶に桜の花びらをあしらうなど日本品質をアピールし、これから消費のけん引役となる 20 代、30 代を中心に「プレミアムビールの代表格」になりつつある。

ネット通販も大きな力になっている。 口コミで人気が広がり、昨年 1,000 人程度だったソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS) のキリンサイトの登録者はわずか半年で 5 倍に急増した。 「製法、品質、味にこだわった一番搾りの良さが、徐々に中国で受け入れられてきた。」 キリンの中国戦略を担当する同社の大塚正光さんは強い手応えを感じている。 (赤間清広、mainichi = 9-6-15)

原料厳選、こだわりの製法

「一番搾り」は 1990 年発売。 通常のビールは米などの副原料を用いるが、一番搾りは原料を麦とホップに厳選。 さらに砕いた麦芽を糖化させた「もろみ」から最初に流れる一番搾り麦汁だけを使用するため、他のビールに比べて 1.5 倍もの麦が必要になるという。 こだわりの製法がファンの心を捉え、瞬く間に国内を代表するビールブランドに。 その味は海外でも評判となり、中国を含め世界 44 カ国・地域にブランドを展開。 製造拠点も欧米やアジア、ブラジルなど 18 カ所に拡大している。