中国が有人船を打ち上げ 宇宙協力を加速、月のサンプルは大阪大にも 中国の有人宇宙船「神舟 20 号」が 24 日、中国北西部の酒泉衛星発射センターから打ち上げられた。 宇宙ステーション「天宮」での要員交代が定期的に進み、月や火星での探査も成果を上げる中、中国は宇宙分野での国際協力を加速させている。 国営中央テレビによると、神舟 20 号は日本時間の 25 日未明に天宮にドッキングし、3 人の飛行士は半年間かけて科学実験や船外活動に取り組む。 中国有人宇宙プロジェクト弁公室は打ち上げに先立つ記者会見で、香港・マカオ出身の飛行士が早ければ 2026 年に初飛行するほか、パキスタン人の飛行士の選抜を行っていると明かした。 同国とは 2 月に外国人飛行士を天宮に送るための初めての協定を結んでおり、他国とも協議を進めているという。 無人機探査の分野でも協力を進める。 中国国家宇宙局は 24 日、月探査機「嫦娥(じょうが) 5 号」が持ち帰った月のサンプルを大阪大学など 6 カ国の研究機関に貸し出すと発表。 29 年頃に打ち上げ予定の「嫦娥 8 号」では 11 の国・地域が関わる 10 のプロジェクトを新たに発表した。 (上海・小早川遥平、asahi = 4-24-25) 中国、独自の衛星通信網を構築へ 軍事用にらみ米スターリンクに対抗 中国が低軌道衛星を使ったインターネット通信網の構築を急いでいる。 一部は 2025 年にもサービスが始まる計画だ。 世界では米スペース X 社の衛星通信サービス「スターリンク」の利用が進んでおり、中国は軍事面での活用もにらみ独自網で対抗する構えだ。 中国国営新華社通信は 5 日、山西省の太原衛星発射センターから複数の衛星が打ち上げられ、予定の軌道に入り成功したと報じた。 上海市政府が出資する上海垣信衛星科技が進める「千帆星座」と呼ばれるプロジェクトで、打ち上げは 8 月と 10 月に続き今年 3 回目。 30 年末までに 1 万 5 千基超の衛星を打ち上げ、全世界をカバーする計画だ。 中国共産党機関紙の人民日報系「環球時報」によると、千帆は中国の低軌道衛星通信で最も商用に近く、25 年にサービス提供を始めるという。 スターリンクは 24 年 2 月時点で、約 6 千基の低軌道衛星を持つ。 国際電気通信連合 (ITU) によると、中国の申請した低軌道衛星の総数は 5 万基超。 うち 1 万基を超える大規模な計画は千帆以外に二つある。 中国メディアの報道によると、16 日には国有大手の中国衛星網絡集団の低軌道通信衛星が初めて打ち上げられた。 完成すれば、山間部や離島などネットサービスが行き届きにくい場所で通信が可能になるほか、大規模災害などで通常の携帯基地局が壊れた際の備えになる利点もある。 ただ、中国は独自の通信網で軍事面での利用も想定しているとみられる。 米軍や自衛隊ではスターリンクの活用が進んでいる。 ロシアによるウクライナ侵攻でも使われた。 ドローン(無人機)の操作や前線での情報共有でウクライナ軍を支え、戦局にも影響を与えたとされる。 ロイター通信によると、中国はウクライナでのスターリンクの役割などについて研究しているという。 台湾有事などを念頭に置いている可能性がある。 スターリンクに対抗し、中国が独自網を構築すれば、高速通信規格「5G」と同様に中国の技術を採用する国と、排除する国で二分されることになりそうだ。 米戦略国際問題研究所 (CSIS) は 22 年 12 月の報告書で、衛星インターネット分野で「中国は米国の最大の競争相手」と定義。 巨大経済圏構想「一帯一路」参加国の多くで中国の経済的な存在感が大きく、外交工作や安価な料金設定で「中国企業と競争することは難しくなるだろう」と指摘した。 ブラジルのルラ大統領が 11 月に習近平(シーチンピン)国家主席と会談した際、一帯一路に協力することで一致。 ブラジルの国営通信会社と協力し、中国の千帆がブラジル市場に参入することが決定した。 海外では初の正式採用とみられる。 スターリンクはすでにブラジルでサービスを提供しており、今後競合することになる。 (北京・井上亮、asahi = 12-23-24) 民間宇宙企業のロケット、エンジン燃焼試験中に誤って発射台から切り離され山中に墜落 - 中国 中国メディアによると、中国の民間宇宙企業、北京天兵科技は 6 月 30 日夜、同社が開発した液体燃料ロケット「天龍 3 号」が河南省鞏義市の試験センターでエンジンの燃焼試験を行っている最中に誤って発射台から切り離され、空中を飛行し、同センターから南西に 1.5 キロ離れた山の中に墜落したと明らかにした。 事故は同日午後 3 時 43 分に起きた。 同センターは鞏義の市街地から遠く離れた場所にあり、試験前に地元政府と協力して安全対策を講じ、事前に周囲の住民を避難させていたため、この事故によるけが人はいなかったという。 SNS 上には、ロケットが黒煙をあげながら山の中に墜落して爆発する様子をとらえた映像が複数投稿された。 天龍 33号は、米スペース X のロケット「ファルコン 9」と同等の性能で、直径 3.8 メートル、打上げ時の重量 590 トン、打ち上げ能力は地球周回低軌道 (LEO) が 17 トン、太陽同期軌道 (SSO) が 14 トン。 (柳川、Record China = 7-1-24) ◇ ◇ ◇ 中国ロケットの断片か 集落近くに落下、逃げ惑う住民 上空で猛毒の煙噴出 香港 : 中国南西部貴州省で 22 日、ロケットの断片と思われる物体が集落の上空で黄色い煙を噴出しながら地面に落下した。 SNS に投稿された映像では、空を見上げながら住民が逃げ惑っている。 CNN は現地の目撃者から映像の提供を受けた。 中国はこの直前の現地時間 22 日午後 3 時に、「長征 2C」ロケットを隣接する四川省の西昌衛星発射センターから打ち上げていた。 同ロケットは中国とフランスが共同開発した人工衛星の軌道に投入された。 長征 2C を開発した中国航天科技集団 (CASC) は、22 日の打ち上げを「完璧な成功」と位置付けている。 中国の動画投稿サイト「快手」に投稿された動画には、長い円筒形の物体が黄色い煙を吹き出しながら集落の上空を突き抜けて近くの山林に落下する様子が映っている。 CNN はこの映像の位置情報を調べ、発射場のある四川省に隣接する貴州省の村で撮影されていたことを突き止めた。 映像は貴州省の IP アドレスから投稿されていた。 中国の SNS に投稿された動画を CNN が分析した結果、落下する断片が複数の角度から撮影されていた。 子どもを含む村の住民が、上空から落下するオレンジ色の物体を振り返りながら逃げている映像もあった。 中には落下の衝撃に備えて耳を手で覆う住民もいる。 そうした動画の一部は 24 日午後までに削除された。 断片が地面に落下すると大きな爆発音が聞こえたという証言も SNS に書き込まれている。 CNN の取材に応じた目撃者は、ロケットの落下を「自分の目で」見たと証言。 「強い刺激臭があって爆発音が聞こえた」と話している。 打ち上げ直後に地元住民が投稿した政府の通知では、現地時間の 22 日午後 2 時 45 分から 3 時 15 分の間に「ロケットの残骸回収作業」を行うと予告していた。 この通知はその後削除された。 通知では住民に対し、打ち上げの 1 時間前に屋外に出て開けた場所に散らばり、空を観察するよう指示していた。 「有毒ガスと爆発」の被害を防ぐため、破片に近寄ってはいけないとも警告していた。 さらに、破片の写真撮影や関連動画をネットで拡散することは「厳禁」とされた。 地元当局から負傷者の報告はなかった。 ストックホルム国際平和研究所の専門家によると、動画に映っている断片は長征 2C ロケットの第 1 段ブースターと思われる。 同ロケットは四酸化二窒素と非対称ジメチルヒドラジン (UDMH) を混合した液体推進剤を使っている。 「この組み合わせは常にオレンジ色の煙を残す。 これは猛毒で発がん性がある」、「その物質を生きている者が吸い込めば、近い将来苦しむことになる」と専門家は解説し、中国では発射場の場所が原因で、そうした事態が頻繁に発生していると指摘した。 過去にはロケットの破片が集落に落下したこともある。 国営通信によると、 2023 年 12 月、湖南省で打ち上げられたロケットの破片によって住宅 2 棟が損壊した。 02 年には衛星打ち上げの破片が陝西省の集落に落下して、住民の男の子が負傷していた。 (CNN = 6-25-24) 月の裏側の土を採取し地球に帰還 中国の無人探査機、史上初 月の裏側の土を採取した中国の無人探査機「嫦娥 6 号」が 25 日、地球に帰還した。 国営中央テレビが同日午後 2 時 5 分(日本時間午後 3 時 5 分)すぎごろ、内モンゴル自治区に着陸する様子を報じた。 月の裏から試料を持ち帰る「サンプルリターン」は史上初で、今後の分析結果が注目される。 月は常に同じ面を地球に向けており、裏側の探査は難易度が高いとされる。 中国国家航天局や中国メディアによると、嫦娥 6 号は 54 日間の飛行中、中継衛星を介して地球と交信しながら月面に着陸。 試料を採取した後に上昇機を打ち上げ、軌道上の周回機とドッキングして、地球に戻った。 帰還機には、約 2 キロの試料が積まれているとみられる。 嫦娥 6 号が試料を採取した場所は、月の南極に近く、別の天体が衝突して生まれたとされる「エイトケン盆地」。 試料を分析することで、太陽系初期の天体の成り立ちや月の裏側の地殻構造、極域に凍っているとされる水資源などについて分かるのではないかと期待されている。 中国は 2019 年の「嫦娥 4 号」で史上初めて月の裏側に着陸したのに続き、サンプルリターンにも成功したことで、裏側探査でのリードを印象づけた。 一方、今年に入って、日本の探査機「SLIM」や米国の民間機も月面着陸しており、月をめぐる各国の競争は一層厳しさを増しそうだ。 (蘇州・小早川遥平、asahi = 6-25-24) ◇ ◇ ◇ 中国の無人探査機「嫦娥 6 号」、月の裏側に着陸 香港 : 中国の無人月探査機「嫦娥(じょうが) 6 号」が北京時間の 2 日朝、月の裏側への着陸に成功した。 月への有人飛行に向けた大きな前進と位置付けられる。 国家航天局の発表によると、月の南極に近い「南極エイトケン盆地」に着陸し、表面からの試料採取を開始する。 世界で初めて、月の裏側から試料を持ち帰ることを目指す。 2019 年には中国の嫦娥 4 号が、史上初の裏側への着陸に成功していた。 6 号の打ち上げに先立ち、3 月に中継通信衛星「鵲橋(じゃっきょう) 2 号」を月周回軌道に投入していた。 嫦娥 6 号は 5 月 3 日に打ち上げられ、月周回軌道に投入されていた。 着陸機は月面に 2 日間とどまり、ドリルとロボットアームで土や石の試料を計 2 キロほど採取して、上昇機に格納する。 上昇機は月周回軌道に戻り、帰還機とドッキングして試料を引き渡す。 内モンゴル自治区に帰還するまでの全行程は 53 日間の予定。 中国は 30 年までに有人月面探査を成功させ、水氷の存在が指摘される南極付近に研究基地を建設するとの目標を掲げている。 月面探査をめぐっては近年、各国の競争が激化している。 昨年はインドが無人探査機の着陸に成功する一方、ロシアの「ルナ 25 号」は着陸に失敗した。 今年 1 月には日本の SLIM (ムーン・スナイパー)が月面着陸を果たした。 2 月には、米航空宇宙局 (NASA) が出資する米インテュイティブ・マシーンズ (IM) の着陸船「オデュッセウス」が月の南極付近に着陸した。 NASA は 26 年の有人着陸と、月面基地の建設を目指している。 (CNN = 6-2-24) ◇ ◇ ◇ 中国が月裏側の探査機打ち上げ「成功」 試料持ち帰れば史上初めて 月の裏側の土の試料採取をめざす中国の無人探査機「嫦娥(じょうが) 6 号」が 3 日、南部・海南島の文昌宇宙発射場から打ち上げられた。 試料を地球に持ち帰える「サンプルリターン」を月の裏側で成功すれば、史上初となる。 国家航天局は打ち上げの 1 時間後、「探査機が月への軌道に正確に乗り、打ち上げは成功した」と発表した。 月は常に同じ面を地球に向けて回っており、裏側は地球との交信が難しい。 3 月に先行して打ち上げた衛星「鵲橋(じゃっきょう) 2 号」が通信の中継を担う。 探査機は月の南極付近のクレーターに着陸し、エリアや年代の異なる試料を持ち帰ることをめざす。 欧州宇宙機関 (ESA) やフランス、イタリア、パキスタンの装置も載せている。 習近平指導部は世界の宇宙開発をリードする「宇宙強国」の目標を掲げている。 2019 年に「嫦娥 4 号」を世界で初めて月の裏側に着陸させ、裏側探査をリードしてきた。 2020 年には「嫦娥 5 号」が月の表側の試料のサンプルリターンに成功。 月の火山活動がそれまでの想定より遅くまで続いていた可能性が高いことが分かるなど、成果を上げた。 科学的には、月の極域付近で凍っているかもしれない水の存在や、表と裏との地殻構造の違いが大きな謎になっている。 今回の探査が順調に進めば試料が地球に届くのに 50 日間あまりかかるといい、謎の解明につながるかが注目される。 (上海・小早川遥平、asahi = 5-3-24) 中国宇宙ステーション「天宮」損傷、宇宙ゴミ衝突が原因だった 中国の宇宙ステーション「天宮」は、太陽電池パネルが損傷したが、その原因が宇宙ゴミ(スペースデブリ)の衝突によるものだったことが、国営新華社の新華網で報じられた。 報道によれば、デブリが天宮の太陽電池パネルに衝突し、電源が部分的に喪失したという。 宇宙飛行士が 2 回、合計 8 時間の船外活動で損傷を修復した。 今回のデブリが隕石など自然に由来するものなのか、人工的なものなのかは、明かされていない。 政府機関の中国載人航天工程弁公室 (CMSA) は、軌道上でのデブリの問題を防ぐために、将来的な取り組みが必要だと強調した。 天宮は 2021 年に運用が開始された宇宙ステーションで、コアモジュールの「天和」を中心に、2 つの実験モジュール「問天」、「夢天」が左右に合体している。将来的には、6 モジュールへの拡張も検討されている。 (UchuBiz = 4-26-24) 中国が有人宇宙船を打ち上げ 宇宙での本格滞在に向け魚の飼育実験も 中国の有人宇宙船「神舟 18 号」が 25 日、中国北西部の酒泉衛星発射センターから打ち上げられた。 中国は 2 年前に独自の宇宙ステーション「天宮」を完成させて以降、約半年おきに交代要員を送り込んできた。 今回は 3 人の飛行士が魚の飼育に取り組むなど、宇宙空間での本格的な滞在に向けた動きを強めている。 中国有人宇宙プロジェクト弁公室によると、3 人は 1980 年代生まれで人民解放軍の所属。 半年間の滞在中、宇宙空間で自立した生態系を確立するため、ゼブラフィッシュなどの飼育に取り組む。 また、宇宙デブリ(ごみ)対策を施すために船外活動を 2 - 3 回予定している。 同弁公室は前日の記者会見で、2030 年を目標としている月面着陸を担う次世代の宇宙飛行士の採用が進んでいると発表。 宇宙空間での本格的な滞在に向け、人材育成と実験の両面を進めていることをアピールした。 (asahi = 4-25-24) 中国、宇宙ステーション拡大へ 外国にも開放で影響力拡大狙う 中国の有人宇宙船「神舟 17 号」が 26 日、中国北西部の酒泉衛星発射センターから打ち上げられた。 宇宙当局は、昨年完成した独自の宇宙ステーション「天宮」を拡張し、他国から宇宙飛行士を受け入れる計画も表明。 先行してきた米国に並ぶ「宇宙強国」への取り組みを加速させる。 中国有人宇宙プロジェクト弁公室によると、同日夕に神舟 17 号は天宮に接続。 今回参加した宇宙飛行士 3 人は平均年齢が 38 歳と、今までで最も若いという。 半年ほど滞在し、科学実験のほか、宇宙ごみでわずかに損傷を受けた太陽光パネルを船外に出て修理する活動を初めて実施するという。 宇宙ステーションの運用で着実に経験を積む中国は今後、宇宙空間でのさらなる影響力拡大を狙う。 打ち上げに先立つ 25 日には、同弁公室の林西強副主任が天宮の拡張計画を公表。天宮は日米ロなどが運用する国際宇宙ステーション (ISS) に次ぐ存在だが、滞在人数は ISS の半分程度と手狭だった。 現在は中核施設に二つの実験棟が接続した「T 字形」の構成だが、もう一つの中核施設をつなげて「十字形」にするという。 中国メディアによると、2027 年までにさらに二つの実験棟を接続する。 宇宙空間でも進む分断 宇宙科学実験を専門とする中国科学院の倉懐興顧問は「生態系の実験を増やすべきだとの意見がある。 成果が出れば、将来的な火星などへの移住に対する意義は大きい。」と話す。 また、林氏は「宇宙ステーションのミッションに外国の宇宙飛行士を招待する用意がある」と述べた。 2030 年を目指す有人月面探査についても、条件が整えば外国人宇宙飛行士の参加を歓迎するという。 米国が主導する ISS はこれまで国際協調が保たれてきた。 だが、近年は地上での国際関係が宇宙空間に反映されており、分断が進みつつある。 ISS は日本や欧州などの同意で運用期間が 2030 年まで延びたが、ウクライナ侵攻で西側諸国と関係が悪化したロシアは 28 年までの参加としており、足並みがそろっていない。 一方、中国はロシアのほか、南アフリカ、パキスタンなどと月面基地の共同開発で合意。 今後も、単独では開発が難しい途上国などを取り込む可能性がある。 今年は中国の宇宙飛行士、楊利偉氏が初めて有人宇宙飛行に成功してから 20 年の節目の年。 同氏は朝日新聞など外国メディアの取材に「人類社会の進歩に対して中国はより貢献していきたい」と話した。 (酒泉衛星発射センター = 井上亮、asahi = 10-26-23) 中国、有人宇宙船打ち上げ 独自ステーション完成後初 - 軍関与、米が警戒 【北京】 中国の有人宇宙船「神舟 16 号」が 30 日、北西部の酒泉衛星発射センターから打ち上げられ、昨年末に完成した中国独自の宇宙ステーションとドッキングした。 搭乗した 3 人は T 字形の基本構造を持つステーションに移り、完成後初の人員輸送が成功。 完成に携わり地球帰還を控える 3人の宇宙飛行士と合流した。 中国の宇宙開発には軍が深く関与しており、米国を中心に警戒感が強まっている。 中国の宇宙飛行士はこれまで軍関係者から選ばれてきたが、今回は宇宙関連の研究をする大学教授が初の民間人として加わった。 約半年ごとにステーションへ交代要員を送り込み、日本を含む各国と協力して科学実験を加速させる計画だ。 中国は一方で、宇宙の軍事利用を重視。 先行する米国を強く意識し「宇宙強国」になる目標を掲げ、李尚福・国務委員兼国防相が有人宇宙飛行プロジェクトなどで中心的役割を担ってきた。 (jiji = 5-30-23) 中国の有人宇宙船「神舟 14 号」、帰還モジュールが無事着陸 【北京】 中国の有人宇宙船「神舟 14 号」の帰還モジュールは 4 日、内モンゴル自治区の東風着陸場に無事着陸した。 (中国・新華社 = 12-4-22) 中国、無人補給船を打ち上げ 宇宙ステーション長期滞在へ物資運搬 中国は 12 日午前 10 時(日本時間午前 11 時)ごろ、海南省の文昌宇宙発射場からロケット「長征 7 号」で無人補給船「天舟 5 号」を打ち上げた。 3 日に基本構造が完成した中国独自の宇宙ステーションには、今月末にも宇宙飛行士が 3 人送り込まれる予定で、天舟 5 号は長期滞在のための物資を届ける。 共産党機関紙・人民日報によると、天舟 5 号は打ち上げから約 2 時間後にステーションへの接続に成功した。 ステーションには、現在 3 人の宇宙飛行士が滞在している。 月末には別の 3 人が送り込まれ、現在の 3 人と入れ替わる計画だ。 天舟 5 号は、3 人の飛行士が 6 カ月間滞在するための消耗品や実験装置などの物資を載せている。 中国の宇宙ステーションは、12 月ごろ本格的な運用に入る計画だ。 (上海 = 井上亮、asahi = 11-12-22) 中国、またもロケットを無制御で大気圏落下 ヨーロッパでは空域を一時閉鎖する事態に 中国が、自国の宇宙ステーションのコンポーネントを軌道に届けるべく打ち上げた大型ロケット「長征 5 号 B」の最上段モジュールを、11 月 4 日に放置状態で大気圏に再突入させた。 これに伴い、落下地点に近い南欧諸国は万一に備え、安全が確認されるまで空域を閉鎖する対応に追われた。 中国国家航天局 (CNSA) は 10 月 31 日に、天宮宇宙ステーションの 3 つめと最後のモジュールを長征 5 号 B ロケット 4 号機に搭載して打ち上げた。 ミッションは問題なく進行し、13 時間後にモジュールはステーションへのドッキングに成功した。 しかし、中国はこれまでのモジュールの打上げと同様に、役目を終えた長征 5 号 B ロケットの最上段をそのまま放置。 重力に引き寄せられたロケットは高度を下げ、11 月 4 日に大気圏に再突入することが、EU の宇宙監視・追跡システム EUSST の予測などから判明した。 これを受けた欧州航空安全機関 (EASA) は金曜日未明、落下してくるロケット最上段が上空を通過すると予測されるスペイン北部の空域の一部と、フランス・コルシカ島の南の空域を閉鎖する措置を実施した。 それ以外にもポルトガルのリスボン、スペインのバルセロナとマドリード、フランスのマルセイユ、イタリアのローマなどが不測の事態になった場合に影響を受ける可能性があり、各国の航空当局はロケットの予測ルート両側 70 - 120km の範囲を、予測される時刻の前後数分間、空域制限するよう勧告した。 再突入時刻を正確に予測せず、前後数分間の枠で管理しているのは、落下してくる物体の軌道が大気の抵抗の揺らぎから、どの程度減速・減衰するかを見極めるのが難しいから。 地球低軌道を回るオブジェクトは、おおよそ 1 秒間に 8km 近くも移動しているため、数分予測が狂えば影響区域は 1,000km 以上もずれることになる。 最近 Nature Astronomy に発表された論文によると、中国がいまのような使用済み大型ロケットの処分方法を続けた場合、10 年間にひとり以上の死傷者が出る可能性が 10% にのぼるという。 今回の落下により、過去に制御不能状態で大気圏に再突入した最大の物体のうち、4 つを長征 5 号が占めることになった。 このロケットより大きなオブジェクトは、1979 年の米 Skylabと、1991 年のソビエト連邦・サリュート 7 号という 2 つの宇宙ステーションだけだ。 長征 5 号 B の次の打ち上げは、2023 年末 - 2024 年初めに予定されている。 (GadgetGate = 11-7-22) ◇ ◇ ◇ 中国の大型ロケット残骸、無制御で今夜落下の恐れ … 2 年前はアフリカの民家に落下 【瀋陽 = 川瀬大介】 米国の調査研究機関「エアロスペース・コーポレーション」によると、中国が 10 月 31 日に打ち上げた大型ロケットの残骸が日本時間 4 日午後 8 時 20 分の前後 3 時間に大気圏に再突入する見通しだ。 同機関はロケットの主要部分(約 22.5 トン)が無制御のまま大気圏に再突入し、残骸の一部が燃え尽きずに地表に落下する恐れがあると説明している。 ロケットは中国独自の宇宙ステーション建設用に開発された「長征 5 号 B (全長約 54 メートル)」で、実験棟「夢天」を搭載して打ち上げられた。 中国が 2020 年 5 月に同型のロケットを打ち上げた際には、残骸の一部が西アフリカ・コートジボワールの民家に落下したとロイター通信などが報じていた。 (yomiuri = 11-4-22) 中国、衛星「遥感 33 号 02」打ち上げに成功 【酒泉】 中国は 3 日午前 7 時 44 分(日本時間同 8 時 44 分)、リモートセンシング衛星「遥感 33 号 02」を搭載した運搬ロケット「長征 4 号 C」を、酒泉衛星発射センターから打ち上げた。 衛星は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功した。 同衛星は主に科学試験や国土資源調査、農産物の生産高予測、防災・減災などに使用する。 (中国・新華社 = 9-3-22) 大型ロケット「長征 5 号 B」の残骸、フィリピン近海に落下か 【ワシントン = 冨山優介】 米軍は 30 日、中国が打ち上げた大型ロケット「長征 5 号 B」の残骸が、インド洋上空で大気圏に突入したと発表した。 人口密集地を避けるような制御はされずに、フィリピン近海に落下したとみられる。 ロケットは、24 日に中国南部・海南島から打ち上げられ、中国が独自に建設中の宇宙ステーションと連結する実験棟「問天」を搭載していた。 落下したのは、切り離されたロケットの第 1 段部分で、重さは約 20 トンと推定されている。 中国が昨年、大型ロケットを打ち上げた際は、残骸がインド洋の島国モルディブ付近の海域に落下した。 この時も、制御はされていなかったとみられている。 米航空宇宙局 (NASA) のビル・ネルソン長官は 30 日、声明を出し、「中国は落下の際の具体的な軌道の情報を共有しなかった。 事前に共有し、宇宙ごみ衝突リスクの予測を可能にするよう、役割を果たすべきだ。」と批判した。 (yomiuri = 7-31-22) ◇ ◇ ◇ 中国の大型ロケット残骸、来週前半に地球落下か … 米軍予測「具体的な落下地点は不明」 【ワシントン = 冨山優介、瀋陽 = 川瀬大介】 米 CNN は 26 日、米軍の予測として、中国が打ち上げた大型ロケットの残骸が来週前半に地球へ落下する可能性があると報じた。 無制御の状態で落下するとみられ、具体的な落下地点は不明という。 同様の事例は昨年もあり、中国の宇宙ごみの管理に対し、国際的な批判が出そうだ。 ロケットは、24 日に中国南部・海南島から打ち上げられた「長征 5 号 B」で、中国が独自に建設中の宇宙ステーションと連結する実験棟「問天」を搭載していた。 落下が予測されているのは、切り離されたロケットの第 1 段部分で、重さは約 20 トンとみられる。 米軍は、ロケットが再突入する地点が「数時間前まで特定できない」としている。 米メディアによると、通常は落下による被害を防ぐため、海洋の遠く離れた場所へ制御して落とすという。 中国外務省の趙立堅(ジャオリージエン)副報道局長は 27 日の記者会見で、「ロケットの一部を大気圏に再突入させて燃やすことは国際的に通用する方法だ」と主張した。 その上で「このロケットは特殊な技術設計を採用しており、ほとんどが大気圏再突入後に燃え尽き、航空や地面に危害を与える可能性は極めて低い」と述べた。 中国が昨年、大型ロケットを打ち上げた際は、残骸がインド洋の島国モルディブ付近の海域に落下した。制御されていなかったとみられ、米航空宇宙局 (NASA) は非難する声明を出している。 (yomiuri = 7-27-22) ◇ ◇ ◇ 中国、宇宙実験施設の打ち上げに成功 年内に宇宙ステーション完成か 中国国営中央テレビによると、中国は 24 日、宇宙実験施設「問天」の打ち上げに成功した。 独自に建設中の宇宙ステーションに連結させ、年内の完成に向けて作業を加速させる。 問天は 24 日午後 2 時 22 分(日本時間午後 3 時 22 分)、南部・海南省の文昌宇宙発射場からロケット「長征 5 号」で打ち上げられた。 中国有人宇宙プロジェクト弁公室がその後、打ち上げの成功を発表した。 中国は 6 月上旬に、宇宙飛行士 3 人を宇宙ステーションに送り込んでいる。 問天が中核施設「天和」に連結した後、宇宙飛行士が乗り移って生命科学に関する実験などを行う予定だ。 10 月にも別の実験施設を打ち上げる計画。 成功すれば宇宙ステーションの基本的な構造が完成する。 今秋に予定される共産党大会前の完成となれば、異例の 3 期目を視野に入れる習近平国家主席にとってはアピール材料となりそうだ。 (上海 = 井上亮、asahi = 7-24-22) ◇ ◇ ◇ 中国の宇宙ステーション建設、着実に進展 【北京】 中国航天科技集団はこのほど、中国の有人宇宙プロジェクトの宇宙ステーション建設が着実に進んでいることを明らかにした。 このうち実験モジュール「問天」が今月打ち上げ予定となっており、実験モジュール「夢天」はフライトモデル(実機)の熱試験を終了したという。 北京航天飛行制御センターはこれに先立ち、実験モジュール「問天」の訪問に備え、宇宙ステーション結合体に位相調整の指示を送った。 「問天」は計画に従い、今月中に海南省の文昌宇宙発射場から打ち上げられる予定。 「問天」を迎えた後、宇宙飛行士はモジュール内に入り、生命維持システムを作動させ、科学実験キャビネットの組み立てを完了し、領域横断的な実験を行う。 また、新たな宇宙授業も「問天」で行われるほか、宇宙飛行士は時期を見て、「問天」のハッチから初めて外に出る。 宇宙ステーションの実験モジュール「夢天」も、このほど天津でフライトモデル(実機)の熱試験を無事完了した。 真空熱試験大綱の要件に従って、「夢天」は全ての作業条件試験を順番に終え、試験プロセスに差し込む形で、密閉されたモジュール内での有害ガス収集試験と騒音試験も実施した。 試験の全過程において、「夢天」のモジュール上の設備と地上試験設備はいずれも正常に動作し、試験条件は試験大綱に定められた試験要件を満たした。 定められた作業条件は全てクリアし、試験データは有効で、試験目的を達成し、搬出に向けて確実に準備が進んでいる。 中国の宇宙ステーションプロジェクトで使用される宇宙ステーション各モジュールのセクション、有人宇宙船、貨物宇宙船、中継衛星、およびこれらの宇宙機を打ち上げるために使う長征シリーズの運搬ロケットは全て、航天科技集団が開発・製造。 プロジェクトのその他のサブシステムも、同集団所属の関連部門が参加している。 (胡普A宋晨、中国・新華社 = 7-15-22) ロケット残骸が月に衝突か、2 つのクレーター形成 … 米専門家「中国のロケット」 【ワシントン = 冨山優介】 米航空宇宙局 (NASA) は 24 日、月面に二つの新しいクレーターを発見したと発表した。 米国の専門家が今年 1 月、ロケットの残骸が 3 月 4 日に月の裏側へ衝突するとの予測を公表しており、NASA も、実際に衝突が起きてクレーターが形成されたとみている。 NASA によると、月観測衛星「ルナー・リコネサンス・オービター」が 5 月に撮影した画像を確認したところ、月の裏側の北半球地表面に、直径が 18 メートルと 16 メートルの二つのクレーターが一部重なるように形成されていた。 このクレーターは 2 月の撮影時にはなかった。 米国の専門家は当初、7 年前に打ち上げられた米スペース X 社のロケットの残骸が衝突すると予測していたが、その後、中国のロケットだと修正した。 中国当局はこの見解を否定している。 NASA は、1 機のロケットの残骸が二つのクレーターをつくった特殊な事例とみているが、「ロケットの特定には至らなかった」と説明している。 (yomiuri = 6-26-22) 中国、有人宇宙船打ち上げ成功 年内に宇宙ステーション 【北京 = 多部田俊輔】 中国国営中央テレビ (CCTV) によると、中国は 5 日、有人宇宙船「神舟 14 号」の打ち上げに成功した。 中国が独自に建設している宇宙ステーションに宇宙飛行士 3 人が約 6 カ月滞在し、年内に宇宙ステーションを完成させる。 米国に対抗できる「宇宙強国」をめざす。 神舟 14 号は 5 日午前 10 時 44 分(日本時間同 11 時 44 分)、中国北西部にある酒泉衛星発射センターからロケット「長征 2 号」で打ち上げられ、当局は打ち上げが成功したと発表した。 宇宙ステーションにドッキングし、宇宙飛行士を送り込む。 中国は 7 月に実験施設「問天」、10 月に実験施設「夢天」をそれぞれ打ち上げ、宇宙ステーションに連結させる。 神舟 14 号の宇宙飛行士 3 人が連結作業に携わり、各種設備の据え付けや試運転を担う。 年末までにT字型の宇宙ステーションを完成させる。 習近平(シー・ジンピン)指導部は米国に対抗できる「宇宙強国」をめざしており、宇宙ステーションの建設は月面探査や火星探査と並ぶ柱だ。 2013 年に月面探査機が軟着陸し、21 年 5 月に火星探査機の地表探査に成功した。 宇宙ステーションの建設には21年4月に着手した。 中国の宇宙開発は、人民解放軍と深いつながりがある。 宇宙飛行士 3 人は空軍パイロット出身で、宇宙ステーションやロケットは国有の軍系企業が手掛ける。 21 年には打ち上げた大型ロケットの残骸がインド洋に落下する問題も発生し、米バイデン政権が批判した。 (nikkei = 6-5-22) |