中国 SNS 上では非難 米スペース X 衛星の宇宙ステーション接近に

中国外務省の趙立堅副報道局長は 28 日の定例会見で、イーロン・マスク氏が率いる米宇宙企業「スペース X」の人工衛星が今年、2 度にわたって中国の宇宙ステーションに接近したと明らかにした。 中国政府は今月 3 日、国連に通報したという。 中国の SNS では、スペース X を非難する投稿が相次いでいる。 中国は、来年の運用開始を目指す独自の宇宙ステーションに、宇宙飛行士や物資を送り込み、建設を加速している。

中国側の発表によると、今年 7 月と 10 月、スペース X の人工衛星がステーションに接近。 この際、ステーション内では宇宙飛行士がミッションを行っていた。 安全確保のため、ステーションは緊急回避措置を取ったという。 こうした状況について、中国は国連宇宙条約に基づき、国連事務総長に対し、締約国に注意喚起するよう求めた。 ネット上では、同じくマスク氏が経営する米電気自動車大手テスラと結びつけて批判する投稿もあり、影響も懸念される。 (上海 = 井上亮、asahi = 12-28-21)


中国、有人宇宙船の打ち上げ成功 飛行士 3 人が 6 カ月滞在へ

中国は 16 日午前、有人宇宙船「神舟 13 号」を打ち上げた。 約 6 時間半後に、中国独自の宇宙ステーションの中核部分「天和」とのドッキングに成功。 女性 1 人を含む宇宙飛行士 3 人が中国で過去最長となる 6 カ月滞在する。

神舟 13 号は、中国北西部の酒泉衛星発射センターから、ロケット「長征 2 号」で打ち上げられた。 飛行士 3 人は、ステーションの建設を進めつつ、長期滞在しても健康に過ごせるかどうかなどの検証も行う。 中国の有人宇宙船の打ち上げは今年 6 月以来、8 回目。 前回は 3 人の飛行士が 3 カ月滞在し、9 月に帰還したばかり。 短期間に打ち上げを重ね、2022 年の完成に向けてステーションの建設作業を加速させる。 (上海 = 井上亮、asahi = 10-16-21)


中国の宇宙ステーションでの女性宇宙飛行士滞在は必然的な流れ

有人宇宙船「神舟 12 号」のクルー 3 人が 17 日、地球に帰還し、東風着陸場に無事着陸した。 中国の宇宙ステーションには今後、女性宇宙飛行士が滞在するかという点について、国際宇宙航行連盟 (IAF) 宇宙輸送委員会の副会長を務める中国航天科工集団二院の研究員・楊宇光氏は最近、「女性宇宙飛行士は、取って代わることのできない重要な存在。 今後、中国の宇宙ステーションに女性宇宙飛行士が滞在することを期待している。 それは必然的な流れだ。」との見方を示した。 中国新聞社が伝えた。

楊氏は、「女性宇宙飛行士は取って代わることのできない重要な存在だ。 人類が宇宙に行くのは、さらに多くの科学実験を行い、さらに深く宇宙について知るため。 この視点から言えることは、男性宇宙飛行士だけでは不完全だということだ。 また、女性は言語能力における優位性を含めた細やかな操作といった面などにおいて、男性よりも優れている点が多い。 長期間宇宙に滞在する点から考えると、心理面での代償を、男女が互いに補い合うというのは、宇宙飛行においても非常に重要となる。」と説明した。

そして、「海外の例を見ると、女性宇宙飛行士が数多く宇宙ステーションに長期間滞在している。 なかには、宇宙船の操縦士、さらには、飛行任務全体の責任を担う女性宇宙飛行士もいる。 劉洋さんや王亜平さんは中国の神舟 9 号、神舟 10 号で宇宙飛行を経験した。 その時間は十数日と、決して短くない。 今後、中国の宇宙ステーションに女性宇宙飛行士が滞在することを期待している。 これは必然的な流れだ。」との見方を示した。

さらに、「中国はすでに、第三陣の宇宙飛行士を選抜した。 宇宙船操縦士のほか、宇宙飛行ミッションの専門家、ミッションエンジニアなどがそこに含まれている。 第一陣の宇宙飛行士は、いずれもパイロットから選出された。 第三陣の宇宙飛行士は、宇宙ステーションのミッションにおいて科学研究の割合がますます高くなっているため、さらに多くのエンジニア、科学者が軌道上で、より複雑な宇宙科学研究や実際の操作を行うことが必要になっている。」と説明した。 (人民網、RecordChina = 9-18-21)

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中国が有人宇宙船打ち上げ成功 ステーション建設加速

中国の有人宇宙船「神舟 12 号」が 17 日午前、中国北西部の酒泉衛星発射センターから打ち上げられ、同日夕、4 月に打ち上げた中国独自の宇宙ステーションの中核部分「天和」とのドッキングに成功した。 国営中国中央テレビなどが伝えた。 宇宙飛行士 3 人が 3 カ月滞在し、来年のステーション完成に向けて建設を加速する。

中国の有人宇宙船打ち上げは 2016 年以来、約 5 年ぶり 7 回目。 宇宙飛行士がステーションに滞在して建設作業をするのは初めてで、船外活動も行うという。 完成までに、有人宇宙船 4 回を含む計 11 回の打ち上げを計画している。 「宇宙強国」を掲げる習近平指導部は、宇宙開発で先行する米ロを猛追している。 5 月には米国に次ぐ 2 カ国目となる火星の表面調査に成功した。 7 月の中国共産党結党 100 年を控え、国威発揚の狙いもありそうだ。 (asahi = 6-17-21)

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補給船のドッキング成功 中国宇宙ステーション

【北京】 中国独自の有人宇宙ステーションに物資を運ぶ無人補給船「天舟 2 号」が 30 日午前 5 時(日本時間同 6 時)ごろ、地球周回軌道上で、4 月 29 日に打ち上げたコアモジュール「天和」とのドッキングに成功した。 国営中央テレビが伝えた。 6 月には宇宙飛行士 3 人を乗せた有人宇宙船の打ち上げを予定。 2022 年の完成・運用開始に向け、実験モジュールなどの打ち上げも計画している。

天舟 2 号は 29 日夜、海南島の文昌発射場から運搬ロケット「長征 7 号」で打ち上げられた。 全長 10.6 メートル、最大直径 3.35 メートル。 飛行士 3 人が 3 カ月間滞在する際に使う酸素や水、船外活動用の宇宙服など約 6.6 トンの物資を搭載している。 (jiji = 5-30-21)

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ロケット長征 5 号の残骸がインド沖に落下 中国が発表

中国政府の有人宇宙プロジェクト弁公室は 9 日、大型ロケット「長征 5 号」の残骸が、同日午前 10 時 24 分(日本時間同 11 時 24 分)に大気圏に再突入し、インド沖の海上に落下したと発表した。 同弁公室によると、落下地点は北緯 2.65 度、東経 72.47 度で、「ほとんどの部品は大気圏に再突入した過程で燃え尽きた」としている。 (北京 = 西村大輔、asahi = 5-9-21)

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中国の大型ロケット、制御不能状態で大気圏突入へ 米国防総省が追跡

ワシントン : 米国防総省は、制御不能になった中国の大型ロケット「長征 5 号 B」がこの週末にも大気圏に再突入するとみて、追跡を続けていることを明らかにした。 残骸の落下地点をめぐる懸念も浮上している。 国防総省報道官の発表によると、長征 5 号 B は 8 日前後に地球の大気圏に突入する見通しで、米宇宙軍が軌跡を追跡している。 正確な突入地点は数時間前になるまで特定できない見通しだが、第 18 宇宙管制隊はロケットの位置に関する最新情報を毎日ウェブサイトに掲載する。

長征 5 号 B は、中国が宇宙ステーションの部品の打ち上げに使用した。 宇宙ごみは大半が大気圏で燃え尽きる。 しかし 22 トンもある長征 5 号 B の場合、大型部品が人の住む場所に落下すれば被害が発生する恐れもある。 しかし米ハーバード大学の宇宙物理学者ジョナサン・マクダウェル氏は CNN の取材に対し、「警戒すべき状況だとは思わない。 何らかの被害が生じたり、誰かに当たったりするリスクは非常に小さい。 皆無ではなく、可能性はあるが、あなたに当たる可能性はものすごく小さい。」と指摘、「それよりももっと心配すべきことはある」と言い添えた。

ロケットの現在のスピードを考えると、残骸がどこへ向かうかを正確に予測することは不可能だとマクダウェル氏は説明する。 状況がほんの少しでも変われば、ロケットの軌跡は大きく変化する。 「だから『この場所に落ちるらしい』という話を聞いたとしても、少なくとも突入の数時間前までは、その話を信じてはいけない」と同氏は強調した。 その上で、ロケットの残骸は地球の表面の大部分を覆う海に落下する可能性が最も大きいと予想している。 (CNN = 5-5-21)

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中国、宇宙ステーション中核施設打ち上げに「成功」 … 22 年メドに組み立て終了

【瀋陽 = 川瀬大介】 中国中央テレビによると、中国は 29 日、地球上空を周回する独自の宇宙ステーション「天宮」の建設に向けて、制御などを担う中核施設「天和」の打ち上げに成功した。 天和は南部・海南島の文昌衛星発射センターから打ち上げられた。 中国は今後、実験棟などの設備の打ち上げを重ね、2022 年をメドにステーションの組み立てを終える計画だ。 (yomiuri = 4-29-21)


中国の火星探査車「祝融号」から初画像が到着!


探査車がランダーから火星の地面へと降りるために使う上陸用の傾斜路

早くも初仕事。 現地時間の 5 月 15 日、中国の探査機「祝融号」が火星着陸に成功しました。 現在は埃っぽいユートピア平原に腰を下ろしている火星探査車が火星で撮影した初画像がさっそく公開されています。 中国国家航天局 (CNSA) のニュースリリースで公開された画像は、探査車がなんの調査に着手するかを決めるうえで重要です。 NASA が火星に送った 5 つ目の探査車で、化石化された微生物を探すというミッションを負ったパーサヴィアランスとは異なり、祝融号のスケジュールはゆったりとしています。

1枚目の画像は白黒で、探査車の前方についている障害物を避けるためのカメラで撮影したもの。 傾斜路がランダーから火星の地表へと延びていて、画像の下の方には探査車の車輪が見えます。「火星に着いたぞ」と言わんばかりの構図ですね。 2 枚目の画像は最近すっかりおなじみになった岩っぽくて赤い土壌を捉えたカラー写真で、探査車背面のナビゲーションカメラが撮ったそう。 祝融号のソーラーパネルがスムーズに開いた状態で写っています。 探査機は着陸時にオービターからランダーと探査車が分離する様子を捉えた動画も送ってくれています。

NASA のビル・ネルソン長官は水曜に出した声明文で「中国国家航天局が火星探査車祝融号からの初画像を受信したことにお祝いを申し上げます。 火星における探査ロボットの国際的な科学コミュニティが育つなかで、アメリカと世界は祝融号の発見が人類の火星の知識を向上させてくれることを楽しみにしています。 私は人間が火星に上陸するために必要な能力を知ることや、開発の一助となる今後の国際的な発見に期待しています。」と述べていました。

中国の探査車は NASA のパーサヴィアランスから 1,000 マイル(約 1,610km)以上離れていて、特定の地域に留まるという探査車ミッションの性質を考えると、2 機が出会うことはなさそうです。 パーサヴィアランスはジェゼロ・クレーターの干からびた三角州を探索していますが、祝融号のいるユートピア平原はほぼ平地。 そこには研究者たちが特に興味を持っている特徴がいくつかあります。 火星の周回機からの衛星画像に見られる砂丘のような構造や火星の霜の証拠、Nature によれば古代の溶岩か泥火山かもしれない円錐形の特徴などです。 もし泥火山なら、火星の大気にメタンが多い理由を説明できるかもしれません。

祝融号のミッションはたった 90 日ほどの予定なので、その期間内に詰め込むことはたくさんあります。 探査車パーサヴィアランスとキュリオシティ、そして探査機インサイトも火星で任務にあたっていますから今後数カ月は火星からたくさんのニュースを期待できそうです …! (Isaac Schultz、Gizmodo = 5-21-21)

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中国の無人火星探査機が着陸成功 米ソに続く 3 カ国目

中国の火星着陸、NASA も祝福 「赤い惑星の理解へ」

火星には米航空宇宙局 (NASA) も今年 2 月、探査車「パーサビアランス(忍耐)」を着陸させた。 搭載していた小型ヘリコプター「インジェニュイティ (創造力)」の飛行実験も成功させるなど、高度な探査を始めている。 米国はほかにも 2 機の探査機を火星で運用中。 米宇宙企業スペース X を率いるイーロン・マスク氏が火星移住を構想するなど、世界の宇宙開発を大きくリードしている。 NASA の科学ミッション本部のトーマス・ズルブチェン副本部長は中国の成功を受け、「おめでとう。 このミッションが赤い惑星の理解に重要な貢献をすることを期待している。」とツイートした。

中国は、習近平(シーチンピン)国家主席の大号令のもと、米国に対抗しようと宇宙開発にアクセルを踏んでいる。 2019 年には探査機「嫦娥(じょうが) 4 号」を世界で初めて月の裏側に着陸させ、昨年には米国と旧ソ連に続いて 44 年ぶりに月の土を地球に持ち帰ることにも成功した。 水が見つかる可能性がある月の南極付近の探査にも挑んでおり、月面の有人探査や基地建設も想定している。

月は米国が「アルテミス計画」でアポロ計画以来となる月面有人探査を計画するなど、有人探査の実験場や火星に行くための中継地点として重要性が増している。 中国はさらに、米国がロシアや日本などと建設した国際宇宙ステーション (ISS) とは別に、独自の宇宙ステーション建設にも乗り出した。 ただ、その一部を打ち上げた大型ロケットを今月、無制御で地球に落下させるなど、荒っぽい開発は批判も受けている。 NASA のビル・ネルソン長官は「中国が宇宙ごみの取り扱いについて責任ある基準を満たしていないのは明らかだ」とする声明を出した。 (ワシントン = 合田禄)

三つのミッションに一気に挑む

火星は着陸が難しいことで知られている。 これまでに旧ソ連や欧州宇宙機関なども挑んだが、ほとんどが失敗してきた。 日本も、火星軌道への投入を目指した探査機「のぞみ」が失敗に終わっている。 火星は大気があるものの、地球の 1% ほどと薄いため、パラシュートだけでは十分な減速ができない。 ロケット噴射を併用した複雑な減速方法をとる必要がある。 重力も大きい。 地球の 3 分の 1 とはいえ、月の 2 倍にあたり、減速に大きなエネルギーがいる。

大気圏に突入し、パラシュートを開き、地表近くでロケット噴射をする。 これらのタイミングを一つでも間違えれば探査機は地表に激突してしまう。 火星は月よりはるかに遠く、通信に片道 10 分以上かかるため、トラブルが起きても地球からの支援は間に合わない。 2 月に探査機を着陸させた米航空宇宙局 (NASA) ですら、大気圏突入から着陸までを「恐怖の 7 分間」と表現した。

そんな火星に対し、中国は今回、火星を回る軌道に探査機を投入し、火星に着陸させ、さらに今後、探査車で地表を走らせるという三つのミッションに一気に挑んだ。 宇宙航空研究開発機構 (JAXA) の的川泰宣名誉教授は「政府が総力をあげて取り組んだのだろう。 技術は非常に高いレベルにあると言える。 先行した米国やロシアの情報を手に入れてもいるだろうが、三つのミッションを同時に行うのは従来の計画の立て方から考えると常識外れ。 たいしたもんだ。」と舌を巻いた。 (小川詩織、asahi = 5-15-21)



月のサンプル、44 年ぶり地球に 中国の探査機が帰還

中国の無人月探査機「嫦娥(じょうが) 5 号」が 17 日午前 2 時(日本時間同 3 時)ごろ、23 日間の飛行を終えて地球に帰還し、月の土を収容した回収機が同国北部・内モンゴル自治区に着陸した。 国営の中国中央テレビが伝えた。 月の試料を持ち帰る「サンプルリターン」に成功したのは、米国、旧ソ連に続いて 3 カ国目。 1976 年の旧ソ連以来、44 年ぶりとなった。

嫦娥 5 号は 11 月 24 日に打ち上げられ、今月 2 日には中国として初めて月の土壌などの採取に成功したと宇宙局が発表していた。 約 2 キロのサンプルが回収機に入っているとされ、同局が分析に入る。 土などを採取した周辺などの写真も撮影しており、科学探査に加え、月の資源開発や利用の可能性も探るとみられる。 嫦娥 4 号までの月面着陸と異なり、5 号は月面でロボットアームなどを使って月の土壌などを採取。 サンプルを集めた小型機を月面から発射させ、月の軌道上で待機している周回機にドッキングさせて地球に帰還するなど、これまでより難度が高かった。 5 号は打ち上げ前の予定通り、23 日間で地球に帰還した。 (広州 = 奥寺淳、asahi = 12-17-20)

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中国の無人探査機、月に軟着陸 サンプル採取し地球へ

中国の無人月探査機「嫦娥(じょうが) 5 号」が中国時間 1 日午後 11 時 11 分(日本時間 2 日午前 0時 11 分)、月への着陸に成功した。 中国の宇宙当局によると、この後、約 2 日かけて月の土などを採取し、今月中旬に地球への帰還を目指す。 月の試料を持ち帰る「サンプルリターン」が成功すれば中国として初めてで、1976 年の旧ソ連以来 44 年ぶりとなる。 中国は昨年 1 月、「嫦娥 4 号」を世界で初めて月の裏側に着陸させることに成功した。 今回の嫦娥 5 号は、着陸した探査機周辺の土壌などをロボットアームなどを使って採取。 その後、サンプルを収めた小型発射機だけを月面から発射させ、月の軌道で待機している周回機にドッキングさせるなど、これまでより難度が高い任務に挑む。 (広州 = 奥寺淳、asahi = 12-3-20)

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中国の月探査機、嫦娥 5 号発射 サンプルリターンなるか

月の土を採取して地球へ持ち帰ることを目指す中国の無人月探査機「嫦娥(じょうが) 5 号」が 24 日未明、打ち上げられた。 月の試料を持ち帰る「サンプルリターン」は難度が高く、成功すれば米国、旧ソ連に続いて 3 カ国目、44 年ぶりとなる。 習近平(シーチンピン)指導部は「宇宙強国」の方針を掲げており、月や火星の探査のほか、独自の宇宙ステーションを 2022 年に完成させる計画も進めている。 嫦娥 5 号が発射されたのは、同国南部・海南島の文昌宇宙発射場。 午前 4 時半(日本時間同 5 時半)すぎ、嫦娥 5 号を載せた大型ロケット「長征 5 号」が点火され、赤い炎を噴きながら宇宙に向け上昇した。中国の宇宙当局によると、発射から約 36 分後に探査機が予定の軌道に乗り、打ち上げは成功したという。

中国は 04 年に月探索プロジェクトを始め、13 年 12 月に「嫦娥 3 号」が旧ソ連以来 37 年ぶりに月面に着陸。 19 年 1 月には世界で初めて「4 号」が月の裏側に着陸した。 しかし、今回の「5 号」は月面着陸後の任務が多く、難度が高い。 宇宙当局の計画によると、打ち上げロケットから切り離された探査機は月に着陸後、ロボットアームなどで約 2 キロの土などを採取し、サンプルを収めた小型発射機だけが探査機から分離して月面から飛び立つ。 その後、月の上空で待機している周回機にドッキングして地球に向かい、サンプル回収機だけを切り離して大気圏に再突入する。

月には豊富な鉱物や水資源などがあるとされ、中国は将来の資源利用も視野に入れているとみられる。 国家宇宙局の月探査プロジェクトチームの裴照宇副主任は「月探索の目的は、科学的な研究や(将来の)開発に向けた技術を蓄積させることだ」と指摘。 今回の全行程は 23 日間を想定しているとし、12 月中旬に月の土を収納した回収機が地球に戻る予定という。 月からのサンプルリターンは、1969 年に米国の「アポロ 11 号」が初成功。 その後は、76 年に旧ソ連の「ルナ 24 号」が実施したのを最後に途絶えている。 (文昌 = 奥寺淳、asahi = 11-24-20)


無人シャトル打ち上げ成功 軍事利用視野か - 中国

【北京】 5 日付の中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報英語版によると、中国は再利用可能なシャトル型宇宙船の打ち上げに成功した。 米国の軍事用無人シャトル「X37B」と似た形状とみられ、何度も地球と宇宙を往来できるもようだ。 中国は「平和目的」と強調するが、軍事利用を視野に入れているとみられる。 打ち上げは 4 日に北西部の酒泉衛星発射センターで行われた。 詳細は不明だが、一定期間軌道を運航した後、中国の着陸場に戻る。 環球時報は「速く信頼性があり安価な宇宙輸送」に道を開く可能性があると伝えた。 将来的には人を乗せ宇宙観光に使うことも検討されているという。 (jiji = 9-5-20)


中国、火星探査機打ち上げ成功 「宇宙強国」めざす

【北京 = 多部田俊輔】 中国国営の新華社によると、中国当局は火星探査機の打ち上げに成功した。 米国だけが成功した火星での軟着陸と探査を実現することで「宇宙強国」をアピールする。 米国も近く火星探査機を打ち上げる予定で、宇宙分野でも米中の覇権争いが激しくなりそうだ。 中国の火星探査機「天問 1 号」は 23 日午後 0 時 41 分(日本時間同 1 時 41 分)、大型ロケット「長征 5 号」に搭載されて海南省の文昌宇宙発射場から打ち上げられ、予定軌道への投入に成功した。

火星の周辺に到達するには約 7 カ月かかる見通しで、火星の周りの軌道に入り、着陸機を分離して表面に軟着陸する計画。 火星は地球外生命体の痕跡が見つかる可能性がある惑星で、火星表面なども探査する。 火星への探査機の軟着陸と表面の探査は米国しか成功していない。 ロシアは旧ソ連時代、火星探査で米国に先行したが失敗が続き、本格的な探査はできなかった。 16 年には欧州宇宙機関 (ESA) の探査機も着陸に失敗しており、中国が成功できるかに注目が集まる。

火星探査を巡っては、アラブ首長国連邦 (EAE) が 20 日に火星探査機を打ち上げたばかり。 米国も近く火星探査機を打ち上げる予定で、岩石のサンプルなどを地球に持ち帰る計画だ。 米中対立が激化するなかで、宇宙空間にも覇権争いが広がるのは確実だ。 火星探査機が探査を始める 21 年は中国共産党結党から 100 年を迎える節目の年。 習近平(シー・ジンピン)指導部は米国に対抗できる「宇宙強国」をめざしており、火星探査の成功で国威発揚も狙う。 (nikkei = 7-23-20)


宇宙でも米国を脅かす中国、GPS の「北斗」が完成

北斗のコストは推計 100 億ドル超 - −宇宙大国に向けた新たな節目
幾つかの点で中国は宇宙大国として米国と肩を並べているとの指摘も

中国四川省から 23 日、衛星利用測位システム (GPS) 「北斗」を構成する最後のパーツとなる人工衛星が打ち上げられた。 宇宙分野で米国に挑む中国は、外国に頼らず新たなテクノロジーを自国で開発する力を強めている。 北斗のコストは推計 100 億ドル(約 1 兆 700 億円)を超える。 5 5トンの人工衛星を軌道上に載せ、中国版 GPS が完成したことは、数十年にわたり宇宙大国を目指してきた中国にとって新たな節目となる。

中国メディアは 5 月、中国人宇宙飛行士を月に運ぶ次世代宇宙船の試験飛行に成功したと報道。 中国は今夏、火星にロボット探査機を送り込むロケットを打ち上げる予定で、独自の宇宙ステーション建設計画も進めている。 ハーバード・スミソニアン天体物理学センターの天文学者ジョナサン・マクダウェル氏は「中国が宇宙分野での長きにわたる野心の達成感を得るのが今年だ」と指摘し、 「幾つかの点で中国は宇宙大国として米国と肩を並べている」と述べた。 (Bloomberg = 6-24-20)


中国最大ロケット、打ち上げ成功 「宇宙強国」へまた前進

【北京】中国は 27 日、同国最大の運搬能力を持つ大型ロケット「長征 5 号」を、海南省の文昌発射場から打ち上げ、成功した。 2017 年 7 月の打ち上げはエンジン故障により失敗しており、約 2 年半ぶりの再挑戦となった。 20 年に予定する初の火星探査機打ち上げや 22 年ごろの運用開始を目指す宇宙ステーション建設に利用する計画で、習近平指導部が目指す「宇宙強国」に向けまた一歩前進した。 長征 5 号は全長 57 メートル、直径 5 メートル。地球低軌道へ最大 25 トンの貨物を送り込むことができる。 27 日は、積載した新世代通信衛星を予定の軌道に投入した。 (jiji = 12-27-19)


中国宇宙実験室 19 日に落下 = 制御下、破片は南太平洋に

【北京】 中国の有人宇宙プロジェクト弁公室は 13 日、宇宙実験室「天宮 2 号」を 19 日に制御下で大気圏に再突入させると発表した。 燃え残った少量の破片が、南太平洋の予定海域(西経 90 - 160 度、南緯 30 - 45 度)に落下する可能性があるという。 昨年 4 月に南太平洋に落下した「天宮 1 号」は、予想落下地点が二転三転。 中国側は認めていないが、制御不能になったとみられ、世界中を振り回した。 同弁公室は今回、「大気圏突入後、適時情報を開示し、大国としての国際義務を責任を持って履行する」と強調している。 (jiji = 7-13-19)


中国、極秘軍事衛星の打ち上げに失敗 SNS 動画で判明

中国は 5 月 23 日(現地時間)、トップシークレットの軍事衛星の打ち上げを試みた。 だが中国のソーシャルメディアに投稿された動画や写真によると、長征 4 号丙の打ち上げは失敗に終わった。 国営メディアの新華社通信は 15 時間後に失敗を伝えた。 原因はおそらくは最上部の 3 段目に問題が起きたため。 中国のロケット打ち上げ失敗は 2019 年に入って 2 度目。 1 度目は同国のスタートアップ企業ワンスペースによるもの。 中国は 5 月 23 日朝、トップシークレットの軍事衛星の打ち上げたが、大量の残骸をばらまく結果となった。

中国は打ち上げに先立ち、空域閉鎖や安全対策に関する通知を行った。 だが、周知のことだが、ミッションを公式には発表しなかった。 ロケットは現地時間 5 月 23 日朝 6 時 49 分頃、山東省北部にある太原衛星発射センターから打ち上げられた。 だが数分後に、中国のソーシャルメディアサイトに投稿された動画や写真によると、ロケットは急激に予想外の方向に向きを変えた。 そしてジグザグの白煙が空に現れ、その後、微博に投稿された動画を見ると小さな白い点が急速に落下する様子が映っている。

「中国のソーシャルメディアに投稿された動画と画像などのおかげで、この打ち上げを追跡し、断片情報をまとめることができた」とスペースニュースの寄稿者、アンドリュー・ジョーンズ氏は 23 日、ツイートした。 新華社通信は打ち上げの約 15 時間後に失敗を伝えた。 ウェブサイトへの投稿で新華社通信はロケットの 1 段目と 2 段目は順調に作動したが、衛星を軌道に送る最上部の 3 段目で問題が発生したと記した。 またロケットの残骸が地上に落下する様子が観測されたと伝えた。

23 日朝、ツイッターに投稿された未確認の写真には、炭素繊維複合材の破片や金属製パネルなど、ロケットの残骸と思われるものが写っていた。 ソーシャルメディアへの投稿によると、打ち上げ失敗の直後に発射センターから離れた町や村に落ちてきた。 中国の長征 4 号丙は、中国の衛星や探査機などの打ち上げに約 20 回、成功している。 スペースフライト・ナウによると、直近の、そして今回以外で唯一の失敗は 2016 年 8 月。

今回の打ち上げは、遥感 33 号を軌道に送るためのものだった。 遥感衛星について、新華社通信などはしばしば資源調査と農作物の収量調査が目的と記述している。 だが西側諸国の見方は異なる。 「外部のアナリストは、軍事偵察目的の光学・合成開口レーダー衛星と理解している」とジョーンズはスペースニュースに記した。 (Dave Mosher、BusinessInsider = 5-24-19)


中国の探査機、世界初「月の裏側」着陸 米との競争激化

中国の無人月探査機「嫦娥(じょうが) 4 号」が 3 日午前 10 時 26 分(日本時間同 11 時 26 分)、世界で初めて月の裏側に着陸した。 国営の中国国際テレビ (OGTN) がツイッターで伝えた。 月の裏側は地球から直接見えず、地下構造などに未解明な点が多い。 中国には将来の資源開発などで優位に立つ思惑があるとされ、宇宙開発でも米国との覇権争いが激化しそうだ。

着陸した地点は、月の裏側の南極付近。嫦娥 4 号に搭載されている探査車が周辺を走行し、地形や地下構造、埋蔵されている鉱物などを詳しく調べる予定。 月の裏側は、表側と比べてクレーターによる起伏が多く、地殻も表側と比べて厚い特徴があるが、詳しくわかっていない。 嫦娥 4 号が実際に着陸して調査することで、月の成り立ちなどについて新たな知見が得られる可能性がある。 (益満雄一郎 = 1-3-19)


中国で 2020 年までに「人工の月」を打ち上げる計画が明らかに

中国共産党中央委員会の機関紙「人民日報」によると、人工衛星や打ち上げロケットなどを開発・製造する国営企業「中国航天科技集団公司 (CASC)」の●(= 口の下に天)燕生会長は、2018 年 10 月 10 日、成都市で開催された「全国起業・イノベーション活動ウィーク」において、「2020 年までに "人工の月" となる人工衛星を打ち上げる」と発表した。

衛星の表面にコーティングした反射膜に太陽光を反射させて月の 8 倍の明るさで地表を照らし、街路灯の代わりに活用するというものだ。 直径 10 キロメートルから 80 キロメートルのエリアを照らすことができ、その範囲は地上で制御できる仕組みとなっている。 この "人工の月" は、「上空に巨大な鏡のネックレスをかけて太陽光を反射させ、パリの街を一年中照らす」というフランス人アーティストのアイデアから着想を得、数年にわたって技術開発がすすめられてきた。 ●(= 口の下に天)会長は「ようやく技術が成熟した」と自信を示す。

動植物の概日リズムへの影響は?

しかしながら、宇宙からの反射光が動植物の概日リズムに悪影響をもたらしたり、地球の大気を観測する天文観測システムの障害になるのではないかとの指摘もある。 これらの懸念に対して、ハルビン工業大学のカン・ウェイミン氏は「この人工衛星が反射する光は夕闇に似たもので、動物の概日リズムに影響するものではない」と述べている。

反射鏡を用いて太陽光を反射させ、街の明かりとして活用する事例としては、ノルウェー南東部の谷底にある小さな町リューカンで 2013 年に創設された「ソールスピーレット(ノルウェー語で「太陽の鏡」の意味)」が広く知られている。 急な山の斜面に 17 メートル四方の巨大な鏡を 3 枚設置し、太陽光を反射させることで、日照時間が短い冬の間、町の中心部にある 600 メートル四方の広場を明るく照らす仕組みだ。

"人工の月" の打ち上げに向けた具体的なスケジュールや打ち上げ後の運用方針など、詳細についてはまだ明らかにされていないが、成都市では、街路灯の設置コストやエネルギーコストの削減につながると期待を寄せている。 (松岡由希子、NewsWeek = 10-19-18)



中国の月探査機にシステム異常、夜間に「凍死」の恐れ

中国が月面に着陸させた探査機「玉兎(ぎょくと)号」がトラブルに見舞われ、故障したまま復旧できない可能性も出てきたことが 28 日までに分かった。 国営新華社通信が伝えた。 玉兎号は昨年 12 月に着陸機「嫦娥(じょうが) 3 号」と共に月面に着陸。 3 カ月かけて月面を探査する予定だった。

しかし新華社によると、機械制御システムに異常が見つかり、担当者が夜を徹して修理を試みたものの、このまま月の夜に入れば復旧できなくなる可能性があるという。 月の夜は地球時間で約 14 日間続き、月面の温度はマイナス 180 度にまで低下する。 この環境で持ちこたえるためには「冬眠状態」に入って電力を節約する必要があるが、故障でうまく冬眠ができなければ、そのまま「凍死」する恐れがある。

玉兎号、嫦娥 3 号とも、12 月下旬から 1 月第 2 週まで続いた月で最初の夜は切り抜けていた。 嫦娥 3 号は 24 日から無事に冬眠状態に入り、あと 1 年は正常に動作できる見通し。

新華社通信は玉兎号自身の声を伝える形で、「もし私が修理できなかったら、みんなで嫦娥をなぐさめてあげて」と呼びかけ、「太陽が沈み、温度は急速に下がっている。 でも私はそれほど悲しいとは思わない。 これが私の冒険物語で、どんなヒーローにもあるように、ちょっとした問題に突き当たった。」 「地球よ、おやすみ。 人類よ、おやすみ。」と締めくくった。 (CNN = 1-28-14)


宇宙大国へ中国誇示 月面探査、米国は台頭警戒

中国の無人月探査機「嫦娥(じょうが) 3 号」が 14 日夜、着陸に成功した。 月面着陸は、旧ソ連による「ルナ 24 号」以来 37 年ぶりで、旧ソ連、米国に次いで 3 カ国目。 15 日には、無人探査車「玉兎(ぎょくと)号」が月面に降ろされた。 宇宙開発での中国の台頭を、先行する米国は警戒する。 日本は中国に追い抜かれ、技術的優位を失いつつある。

国威発揚・権益確保狙う

【北京 = 金順姫】 中国の習近平(シーチンピン)国家主席と李克強(リーコーチアン)首相は 15 日深夜、北京宇宙飛行管制センターを訪れた。 嫦娥 3 号と玉兎号が、それぞれ中国国旗があしらわれた機体を互いに写真に撮る様子を見守り、成功が伝えられると拍手で祝った。 習政権には、今回の月面着陸で科学技術の発展ぶりを誇示し、国威発揚を図る思惑がある。 国民の愛国心にも訴え、政権の求心力アップにつなげる構えだ。

国営中央テレビは 14 日夜も、嫦娥 3 号が月面に着陸する約 70 分前から特集番組を組んだ。 午後 9 時 11 分(日本時間同 10 時 11 分)の着陸の瞬間、管制センターでは拍手が起き、関係者が喜び合う姿が中継された。 15 日に玉兎号を月面に降ろしたニュースも繰り返し放映された。 嫦娥は中国の伝説で月に住む仙女、玉兎はそばにいたウサギとされる。

中国は政治や経済分野だけでなく、「宇宙大国」としても国際社会で米国などと並ぶ存在感を目指す。 2020 年前後の独自の宇宙ステーション建設を目標に置き、25 年ごろまでに有人の月面着陸を実現させる構想を立てる。 月にある資源などの権益確保で発言権を強める狙いも指摘される。 技術的には難しいが、実現すれば膨大なエネルギーを生み出す核融合発電の燃料「ヘリウム 3」の獲得を、早くもにらんでいるとみられる。 (asahi = 12-16-13)


中国の無人探査機が月面着陸 3 カ国目 宇宙開発アピール

中国が打ち上げた無人月探査機「嫦娥 3 号」が 14 日午後 9 時 10 分(日本時間同 10 時 10 分)ごろ、月面に着陸した。 探査機の月への軟着陸成功は中国初で、旧ソ連や、アポロ計画で初の人類月面着陸を成し遂げた米国に続く 3 カ国目。 米航空宇宙局 (NASA) などによると、無人探査機の軟着陸は 1976 年、旧ソ連のルナ 24 号以来。

中国は宇宙開発大国としての存在感を誇示し、国威発揚と習近平指導部への求心力につなげたい構えだ。 将来のエネルギー源として期待される核融合発電の燃料、ヘリウム 3 の採掘を狙っているとの見方もある。 探査機は 2 日午前、四川省の西昌衛星発射センターから打ち上げられた。 探査機には月にウサギがすむという伝説から命名した無人探査車「玉兎」を搭載。 探査車は地形や地質構造のデータを収集する。 (kyodo = 12-14-13)


中国が失敗 … 長征 4 号 B、ブラジルの資源探査衛星の打ち上げ

新華社など中国メディアは 9 日、山西省内の太原衛星発射センターで打ち上げたブラジルの資源探査衛星を軌道に乗せることに失敗したと報じた。 打ち上げには長征 4 号 B 型ロケットを用いた。 打ち上げは午前 11 時 26 分だった。 飛行中のロケットに故障が発生し、衛星を予定の軌道に投入することができなかったという。 中国、ブラジル双方の専門家が故障の原因を分析している。 今後の協力については、双方とも問題を感じていないという。

長征 4 号 B による衛星打ち上げが失敗したのは 1988 年 9 月の初打ち上げ以来初めてとされる。 長征シリーズとしては 187 回目の打ち上げで、失敗は 2011 年 8 月の長征 2 号 C の打ち上げ以来とされる。 (サーチナ = 12-10-13)


中国の月探査機、打ち上げ成功 月面着陸目指す

【北京 = 林望】 中国の無人月探査機「嫦娥(じょうが) 3 号」が 2 日未明、四川省の西昌衛星発射センターから打ち上げられた。 搭載した無人探査車「玉兎号」などによる初の月面着陸を目指しており、成功すれば旧ソ連、米国に次いで 3 カ国目。 将来の有人月面探査に向け、大きな一歩となる。

国営新華社通信によると、嫦娥 3 号は 2 日午前 1 時 30 分(日本時間同 2 時 30 分)、「長征 3 号 B」ロケットで打ち上げられ、予定の軌道に入った。 月面着陸はおよそ 10 日後の予定。 「玉兎号」による地質・資源調査のほか、搭載した望遠鏡が月からの天体観測もする。

中国は 2007 年に初の月探査衛星「嫦娥 1 号」を打ち上げ、10 年には「嫦娥 2 号」が、月を周回飛行しながら鮮明な月面の立体写真の撮影に成功。 月面着陸への準備を整えてきた。 香港紙などによると、30 年までに有人の月面着陸を実現させる計画だ。 (asahi = 12-2-13)