"ケータイ" は女子高生から普及した? KDDI に聞く携帯電話の平成 30 年

1989 年 1 月 8 日に始まった平成の時代は、2018 年で 30 年目を迎えます。 この 30 年で私たちの身の回りではいったい何が変わり、何が変わっていないのか。 今項は「携帯電話」の発達に目を向け、「au (KDDI)」で携帯電話の企画・デザインに長く携わる砂原哲さんに、平成とともに花開いた "ケータイ" の文化を振り返ってもらいました。

"ケータイ文化" の始まりは女子高生

砂原さんが現代の "ケータイ文化" の始まりと語るのは、意外にも「ポケットベル(ポケベル)」です。 ポケベル自体は 1960 年代からありましたが、利用者は外回りの営業マンや医療関係者が中心でした。 1990 年ごろから若者の間で流行り始めると、1994 年 4 月に端末買取制度で低価格化が進み爆発的に普及。 1996 年にはポケベル加入者数はピークに達します。

おじさんたちのビジネスツールだったポケベルを、女子高生たちが同世代の友人同士の連絡に使うようになって、それからどんどん変わっていきました。 コミュニケーションが、音声から文字に切り替わり始めた瞬間です。 なお、この頃の携帯電話はまだまだ仕事用の道具でした。

軽量化競争からデザイン重視、多機能化

ポケベルの流行と PHS の普及を経て、90 年代終盤から 2000 年代前半にかけて、いよいよ "ケータイ" が若者の生活に定着し始めます。 メーカー各社も、若者を意識した新機種の開発にしのぎを削りました。 90 年代は軽量化競争でした。 同時にバータイプだった端末が、大画面化の流れで二つ折りタイプに変わっていって。デザイン面でも、利用者の主役が女子高生になってメーカーがキュートな「カワイイ」デザインを目指すようになりました。

一方で、トレンドに敏感な人たちが「デザインがいいケータイがないよね」と「かっこいい」を求めるようになりました。 街にもセレクトショップが増えてきた頃です。 「au Design project (2001 年)」はそういうニーズに応えようと始まりました。 2000 年には、携帯電話の加入者数が固定電話を上回ります。 日本の携帯電話は世界初のカメラ機能、おサイフケータイ、ワンセグなど海外メーカーの追随を許さないほどの多機能化を実現します。

節目は 2007 年

日本でのちに「ガラケー(ガラパゴス化したケータイ)」と称される機能満載の携帯電話が広がる一方、アメリカでは 1990 年代中頃から現在のスマートフォンの源流となる、電子手帳のような小型パソコン「PDA (パーソナル・データ・アシスタント)が発達していました。 通話機能が付いた「スマートフォン」も誕生。 一部の日本企業も国産機を開発・販売していましたが、ガラケーで事足りる中で普及には至りませんでした。

潮目が変わったのは、2007 (平成 19)年 1 月に米アップル社の「iPhone」の発表です。 直感的に動かせる文字通り「スマート」な機械が世界中を魅了します。 それまでは PDA とガラパゴスケータイが併存していました。 ちょうど au Design project のケータイ「INFOBAR」はじめ 4 機種がニューヨーク近代美術館に収蔵された 2007 年 1 月に iPhone が米国で発表されていました。 偶然ですが、振り返ると印象深いですね。

時代は一気に SNS へ

2008 年には Twitter、Facebook が日本語版サービスを開始し、iPhone 端末が国内で発売。 コミュニケーションの中心はメールから SNS へと移っていきます。 2009 年には Android 端末が発売され、2010 年には Instagram や Ustream がサービスを始めます。 コミュニケーションが音声から文字になって、さらに映像と画像でも手軽にできるようになりました。 誰でも街を歩きながら生中継ができる。 インターネットが登場した 1994 - 95 年あたりと同じくらいの盛り上がりを感じました。

砂原さんが SNS の力を実感したのは 2010 年、イタリアを訪問していた際にアイスランドで火山が噴火し空港が閉鎖。 砂原さんは Twitter を駆使して飛行機の運航状況や現地の情勢などを探ったといいます。 2011 年 3 月の東日本大震災時には音声通話に通信規制が掛かり、マスコミ報道も混乱する中で、多くの人が砂原さんのように SNS を頼りにしました。 SNS が個人間のコミュニケーションツールから、新しい情報を得る方法として広く社会に浸透するきっかけとなりました。

ある面では退化したかも?

デザイン性も機能性も進化を続けてきた携帯電話ですが、この 30 年で砂原さんが「むしろ退化ですよね」と考える一面があります。 バッテリーは、相変わらずリチウムイオン電池が主流です。 ここ 30 年間は革新的なイノベーションが起きていません。 もちろん充電できる容量は格段に増えました。 でも、ガラケーの時代は 1 回充電したら 1 週間くらい持ったけど、スマホは毎日充電して 1 日持つか持たないか。 さらに外付けバッテリーまで持ち歩くのが当たり前になっちゃった。 そういう点では、むしろ退化ですよね。 未だに、デザインではバッテリーの大きさを考慮しなければなりません。

2008 年に本体にソーラー発電機能が付いた端末が出ましたが、あれは消費電力が少ないガラケーだからこそできた機能。 スマホの外付けのソーラーパネルは、かなり大きい必要がありますね。(笑)

さらに 30 年後は「テレパシー」に?

30 年で劇的に変化したケータイ。 さらに 30 年後には、どのような形になるのでしょうか。 そうですね〜、どうなるんでしょうね〜?(笑) 私が小学生の頃に想像した未来は、程度の差こそあれ、ここ 30 年でほぼ実現したと思いますよ。 とりあえず、IoT (モノとインターネット)や VR、AI などは正常に進化していくと思います。 あと、身体にデバイスを付ける「ウェアラブル端末」のブームは昔から繰り返し起こっています。

GoogleHome のようなスマートスピーカーが流行っていますが、30 年後には音声を発しなくても、頭の中に思い浮かべるだけでコントロールできるようになっているかもしれませんね。 脳波を読み取る基礎研究が進んでいるので、頭に IC チップを埋め込んで「テレパシー」みたいにメッセージを伝えることも実用化レベルに至っているかもしれません。

よく言われますが、人間がイメージできる範囲のことはだいたい実現できます。 ただマーケットに受け入れられるかは、また別かなと。 身体的な負荷が小さくないから。個人的には埋め込まれるのはイヤなんです、コンタクトレンズすら怖い人間なので。(笑)

逆にこの 30 年でずっと変わっていないことは?

うーん … 何だろうなあ … もともと携帯電話が普及したのって「大切な人とつながりたい、つながっていたい」という気持ちがあると思うんです。 そうしたコミュニケーションに対する欲求は、この 30 年変わっていないことですよね。 SNS で何百人、何千人と友達になれても、本当に大切な人って数人じゃないですか。 そういう人とつながっていたいという気持ちは、30 年後も変わっていないんじゃないでしょうか。 ケータイの発達で世の中は様変わりし、これからも変化を続けるでしょう。 しかし、"ケータイ" を持ち始める理由は、案外ずっと変わらないのかもしれません。 (漆舘卓海、IRORIO = 1-2-18)

砂原哲(すなはら・さとし)】 1970 年、埼玉県出身。 2000 年に KDDI 入社。 2001 年に「au Design project」を立ち上げ、「INFOBAR」等の開発に携わる。 画期的なデザインの端末は 4 機種がニューヨーク近代美術館 (MoMA) の永久収蔵品となった。



スマートフォンの機能、車の画面でも KDDI 研が開発

車でスマートフォン(多機能携帯電話)を使うシステムを KDDI 研究所(埼玉県ふじみ野市)が開発した。 車に取りつけたタッチパネル式モニター画面に、無線 LAN を通じてスマートフォンの画面情報を送る仕組み。 モニター画面に触れて操作すれば、スマートフォンに入れた音楽を聴いたり、インターネットに接続したりできるという。

「ワイヤレスなので、電話を胸ポケットに入れたままでも操作できる(KDDI研)のが売り。」 さらに、カーナビゲーションがついていない車でも、スマートフォンにナビゲーション機能のソフトを入れておけば、カーナビとして使えるという。 電動歯ブラシなどで使われている充電技術を使い、スマートフォンをワイヤレスで充電できるようにもする。 車のダッシュボードに取りつけた充電台に電話を置くと充電できるようになる。

25 日から韓国・釜山で開かれる道路交通システムの国際会議でお披露目する。 操作性などをより改善させ、商品化を検討するという。 (asahi = 10-23-10)


マイクロソフトが新スマートフォン 30 カ国以上で投入

【ニューヨーク = 山川一基】 米マイクロソフト (MS) は 11 日、携帯電話用の新型基本ソフト (OS) 「ウィンドウズフォン 7」を搭載したスマートフォン(多機能携帯電話)を今月以降、世界 30 カ国以上で発売すると発表した。 米アップルやグーグルに出遅れていたスマートフォン分野での巻き返しを図る。

「7」搭載の携帯は、MS のビジネスソフトやゲーム機「Xbox」、音楽サービス「Zune (ズーン)」などとの連携が簡単にできるのが特徴。 アップルの「iPhone (アイフォーン)」と同様に大型のタッチスクリーンやカメラ機能ももつ。 欧州では今月 21 日から、米国では 11 月 8 日から順次投入予定。 韓国サムスン電子、台湾 HTC、米デルなどが本体を製造し、米通信大手 AT & T や英ボーダフォンなど世界 60 以上の通信会社が販売する。 日本での発売時期や投入機種は未定。

MS は、今年 5 月に米国で発売したばかりの若者向けスマートフォン「KIN (キン)」について、売れ行き低迷からすでに販売中止を表明。 「7 はまったく新しいスマートフォン事業のスタート(同社)」と位置づける。

MS はパソコン向け OS で圧倒的なシェアをもつが、MS の携帯向け OS における世界シェアは 7% にとどまる(米調査会社 IDC 調べ)。 最近はメールや交流サイトでのやりとりだけでなく、ビジネスでも携帯を利用する人が増えており、同社にとって携帯市場でのシェア拡大が成長への大きな課題となっている。 (asahi = 10-12-10)


スマートフォンにナビ機能 パイオニア・ドコモが来春

パイオニアと NTT ドコモは 5 日、スマートフォンをカーナビとして使える新サービスを来年 3 月をめどに始めると発表した。 駐車場の空車状況やガソリン価格などの情報も提供する。 スマートフォンをカーナビ代わりにする使い方は米アップル製の iPhone で広がっており、両社もスマートフォンの「目玉機能」にする考えだ。

ドコモのスマートフォン用のカーナビソフトなどを、パイオニアが開発する。 パイオニアがドライバーから集めた渋滞情報を取り込み、経路案内の精度も高められるという。 利用料などのサービスの詳細は今後詰める。 (asahi = 10-5-10)


スマートフォン利用者、5 年後 4 割に拡大 MM 総研予測

調査会社の MM 総研が、携帯電話の年間販売台数に占める多機能携帯電話(スマートフォン)の割合が、直近の 6.1% から、2015 年に 54.6% に拡大するとの予測を発表した。

総研によると、09 年度に 217 万台だった国内のスマートフォン販売台数は、15 年度は 10 倍近くの 2,030 万台に伸びると予想する。 現在は米アップルの「iPhone」が市場を引っ張るが、国内メーカーがワンセグやおサイフケータイなど日本独自の機能付きスマートフォンを出しており、5 年で携帯利用者の 4 割に普及するとみる。 (asahi = 9-5-10)


海外版 iPhone4、ドコモ回線で利用可能に

通信ベンチャーの日本通信は 6 日、輸入された米アップルのスマートフォン「iPhone4」を、NTT ドコモの回線で使えるようにするサービスを月内に始めると発表した。 国内では iPhone はソフトバンクモバイルが独占的に提供しているが、ドコモの通信網でも使いたい利用者の獲得を目指す。

ドコモの通信回線を借りてサービスを展開する日本通信は、ドコモ回線に対応し、電話番号情報などが記録された「SIM カード」を提供する。 国内で売られる iPhone4 はソフトバンクしか使えないようロックされているため、利用者は海外で 6 万円程度で売られるロックなしの端末を手に入れる必要がある。 毎月の通信費は基本料 3,785 円(1,050 円分の無料通話を含む)。 データ通信専用は同 2,980 円。 (asahi = 8-6-10)


iPhone4 受信障害で陳謝 専用ケースを無料配布

米アップルのジョブズ最高経営責任者 (CEO) は 16 日、カリフォルニア州北部の本社で記者会見し、新型の多機能携帯電話機「iPhone (アイフォーン) 4」の電波受信障害をめぐり「迷惑を被った利用者におわびする」と陳謝した上で、購入者には端末に装着して障害を防ぐ専用ケースを無料配布すると表明した。

アイフォーン 4 をめぐっては、画面に向かって左下の外縁部の継ぎ目を手でふさぐと、通話音声が途切れたり、インターネット接続が遅くなったりするとの苦情が米国で多発。 アップルによると、ジョブズ氏は会見で「われわれは完全ではない。 電話も完全ではない。」と釈明したが、受信感度の問題は「携帯端末業界共通の課題」として、設計ミスとの見方を明確に否定した。 (時事 = 7-17-10)


iPhone4 の購入「推奨しない」 米消費者情報誌

【ニューヨーク = 山川一基】 米消費者情報誌「コンシューマー・リポート」は 12 日、米アップルが日本や米国で先月発売した新型スマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone (アイフォーン) 4」について、受信機能に問題があるとして「購入を推奨しない」と評価した。

同誌の調査によると、本体側面の左下を指か手で触れると受信能力が落ち、電波の弱い地域では接続が途切れる可能性があるという。 iPhone4 は側面を覆う金属部分がアンテナになっている。 アップルはこの問題について 2 日、「受信状況を実際より良く表示してしまうソフトに問題があった」として、受信状況を適切に表示する修正ソフトを近く無償配布すると発表した。 しかし、受信機能そのものを改善するものではなく、同誌は、アップルの説明を「疑問視する」とした。

同誌は解決策として、電気を流しにくいテープなどを左下部に張ることを提案。 「ものすごくではないが効果はある」とし、「テープなしでうまく作動する iPhone が欲しいなら、(1 世代前の)『3GS』を推奨する」と結論づけた。 同誌は消費者団体が発行。 「中立」をうたって広告を載せず、支持する米消費者は多い。 今年 4 月にはトヨタ自動車の高級車に対し、安全性の問題から「買うな」と呼びかけ、トヨタが即日販売中止する事態に発展した。 (asahi = 7-13-10)


iPhone4、握り方で受信障害 修正ソフト配布へ

【ニューヨーク = 山川一基】米アップルは 2 日、先月 24 日に日米などで発売した新型スマートフォン(多機能携帯電話)の「iPhone (アイフォーン) 4」について、握り方によっては電波の受信が困難になるとして、数週間以内に無料の修正ソフトを配布する、と発表した。 iPhone4 は、側面を囲む金属部分がアンテナになっていて、さわり方によっては受信状況に影響が出る。 アップルによると、受信状況を表示するプログラムに問題があり、実際よりも受信状況を良く表示してしまうという。

修正ソフトは受信機能を改善するものではないが、受信状況を正確に示すようになる。 利用者は受信が困難になる持ち方をしていることがすぐにわかるようになるため、持ち方を変えて受信しやすくして欲しいとしている。 また、壊れていない電話に対しては、購入後 30 日以内なら全額返金するとしている。

米メディアによると、この問題を巡っては、同社と通信会社に対し「問題を認識していたはずなのに消費者に明らかにしなかった」として、販売中止などを求める訴訟が米カリフォルニア州などで複数起こされている。 (asahi = 7-3-10)


マイクロソフト携帯、iPhone に完敗 2 カ月で撤退

【ニューヨーク = 山川一基】 米マイクロソフト (MS) は 6 月 30 日、5 月初めに発売したばかりの若者向けスマートフォン(多機能携帯電話)「KIN (キン)」の販売を近く取りやめることを明らかにした。 米アップルの「iPhone (アイフォーン)」などに押され、販売が低迷していた模様だ。

朝日新聞の取材に対し、現在米国にある KIN の在庫は販売するが、秋に予定していた欧州販売は中止すると答えた。 KIN の開発部隊は、今後投入予定の携帯電話「ウィンドウズフォン」のチームに統合する。 KIN は MS が初めて自社ブランドで発売した携帯電話で、日本のシャープが製造を担当。 ネット接続機能を充実させて若者への売り込みを図ったが、2 カ月足らずでの打ち切りとなった。 (asahi = 7-1-10)


iPhone4 世界販売、3 日で 170 万台突破

【ニューヨーク = 山川一基】 米アップルは 28 日、新型携帯電話「iPhone (アイフォーン) 4」の世界販売台数が、24 日の発売から 3 日間で 170 万台以上となったと発表した。 100 万台突破に 74 日間かかった初代と比べ、爆発的な勢いで売れている。 スティーブ・ジョブズ最高経営責任者は「アップルの歴史の中で最も成功した新製品の発売だ」と述べた。 (asahi = 6-28-10)


iPhone4 求め徹夜の列 当日発売は「若干」

米アップルの新型スマートフォン(多機能携帯電話)、「iPhone (アイフォーン) 4」の発売を 24 日午前に控え、大阪市中央区のアップルストア心斎橋前では 24 日午前 0 時までに約 60 人の行列ができた。 予想を上回る人気で予約受け付けが 18 日に中止されたが、若干の当日発売分が用意されているという。

23 日午後 2 時から並んだという大阪市内の男子大学生 (22) は「旧型に比べて機能が増えて動きも速そう。 手に入れるのが楽しみです。」 iPhone4 は現行機より 3 ミリほど薄く、画面の解像度は 4 倍となり、新たにテレビ電話機能もついた。 本体価格は 32 ギガバイトモデルが 5 万 7,600 円、16 ギガバイトモデルが 4 万 6,080 円。 (asahi = 6-24-10)


iPhone4、予約を一時中止 再開のめど立たず

ソフトバンクモバイルは 18 日、米アップルのスマートフォン(多機能の携帯電話)の「iPhone (アイフォーン) 4」の予約を、同日の受け付け分でいったん中止すると発表した。 15 日の予約開始から「予測を超える予約があったため」としている。 24 日の発売日は、一部店舗で当日販売分を用意するという。

これまでの予約数は公表していないが「ソフトバンクとして過去最大の数(広報)」という。 予約再開のめどは立っていない。 先月発売したタブレット型端末の「Ipad (アイパッド)」も予約が集中し、受け付け開始から 3 日で店頭予約が中止になっていた。 (asahi = 6-18-10)


「iPhone4」 16 ギガ 4 万 6,080 円 24 日発売

ソフトバンクモバイルは 14 日、アップルのスマートフォン(多機能携帯電話)の新型機「iPhone (アイフォーン) 4」の価格を発表した。

本体価格は 32 ギガバイトモデルが 5 万 7,600 円、16 ギガバイトモデルが 4 万 6,080 円。 割賦販売の場合、2 年契約で「パケットし放題フラット」などのプランに入ることを条件に、端末代金の実質負担金を 16 ギガモデルでは 0 円、32 ギガモデルでは月 480 円にする。 15 日午後 5 時から全国のソフトバンクやアップルの店舗などで予約を受け付け、24 日に発売する。 ソフトバンクはインターネット予約も受け付ける。 (asahi = 6-14-10)


NEC が「アンドロイド」搭載のタッチ式端末 今秋投入

NEC は、今秋発売する新しい小型情報端末を、千葉・幕張メッセで開催中の展示会で公表した。 画面サイズは 7 インチで、重さ 400 グラム。 画面に指で触れて操作するタッチパネル式で、電子メールや電子書籍、音楽視聴などに使える。 米グーグル製の基本ソフト「アンドロイド」を搭載している。

現時点では企業向けに販売する方向で、価格は未定。 ソフトウエアをネット経由で使う「クラウド・コンピューティング」の端末機器として、お年寄りの健康管理や、住宅の防犯設備の操作、電子新聞などの用途を見込む。 (asahi = 6-10-10)


スマートフォン市場、乗り遅れる日本勢 巻き返し懸命

米アップルが新型携帯電話「iPhone (アイフォーン) 4」を 24 日、日米などで発売する。 洗練されたデザインや多様な機能を武器にさらに販売拡大を目指す。 アイフォーンのような多機能携帯電話(スマートフォン)は世界で販売が伸びており、その主役は米国のインターネット関連企業だ。 日本企業は独自の強みを見つけられず、乗り遅れている。

「初代を 2007 年に発売して以来、最大の飛躍になった。」 アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者 (CEO) は 7 日、サンフランシスコの開発者会議で iPhone4 をこう紹介した。 目を引くのは画像の鮮明さだ。 解像度は今の機種の 4 倍。 人の目の網膜で認識できる細かさを超えているといい、写真や文字がなめらかに表示される。

カメラを表と裏にそれぞれつけたのも特徴だ。 表のカメラで自分の顔を撮りながら、無線 LAN を使った無料のテレビ電話「フェースタイム」を楽しめる。 基本ソフト (OS) も一新し、ゲームや電子メール、インターネット検索などいろいろな作業が同時にできるようになった。 それなのに、機械の厚さは今の機種より 3 ミリ薄くした。

ネットにつなぎ、パソコンと同様の作業ができるスマートフォンの市場は急速に大きくなっている。 米調査会社 IDC によると、今年 1 - 3 月期のスマートフォンの出荷台数は前年同期より 57% 増になった。 携帯電話機全体に占める割合も 19% に達した。 中でも急速に伸びているメーカーがアップルだ。

ただ、ライバルも増えている。 米マイクロソフトは 5 月に自社ブランドでスマートフォン「KIN」を発売した。 グーグルもスマートフォン用の OS 「アンドロイド」を開発し、台湾の携帯大手 HTC などが採用している。 また、米検索大手ヤフーと携帯最大手のフィンランドのノキアは 5 月、携帯向けのネット事業を統合すると発表した。

日本では携帯電話が NTT ドコモなど通信会社主導で独特の発展を遂げ、それと深く結びついた国内メーカーが圧倒的なシェアを保ってきた。 その独特さは「ガラパゴス」とも揶揄(やゆ)される。 だが、最近はスマートフォンの登場で、アップルなど海外メーカーの存在感が増している。 日本勢は開発で出遅れており、海外勢の攻勢に悩まされそうだ。

日本では「i モード」など通信会社ごとのネット接続サービスが一般的だが、スマートフォンはパソコン並みの機能が受け、普及しつつある。 MM 総研の調べでは、09 年度にスマートフォンは前年度の 2 倍強の 234 万台が出荷され、iPhone が 7 割強を占めた。 10 年度のスマートフォンの出荷台数は約 3 割増の 300 万台と予測する。

NTT ドコモも巻き返しに躍起だ。 4 月に発売した英ソニー・エリクソン製の「エクスペリア」は人気が出て品薄の状態になった。 今秋には、韓国のサムスン電子が iPhone に対抗するため開発した「ギャラクシー S」を日本でも発売する。 KDDI もスマートフォン 2 機種を発売し、本格参入する方針。 海外勢の後を追う国内メーカーの動きも活発になりつつある。 (山川一基 = サンフランシスコ、橋田正城、asahi = 6-9-10)


新型 iPhone、日米など 24 日発売 薄く高機能に

【サンフランシスコ = 山川一基】 米アップルは 7 日、スマートフォン(多機能携帯電話)の新型機「iPhone (アイフォーン) 4」を、日本や米国など 5 カ国で今月 24 日に発売すると発表した。 今のモデルよりも薄くなり、画面の解像度を向上させた。 前面にもカメラをつけ、無料でテレビ電話機能を楽しめる。

価格は米国で 199 ドル(約 1 万 8 千円)から。 米国以外の日本、英国、ドイツ、フランスの価格は公表していない。 日本ではソフトバンクモバイルが、米国では AT & T がそれぞれ引き続き販売する。 厚さは現行機より 3 ミリほど薄い 9.3 ミリで、ステンレスの枠に囲まれ角張ったデザイン。 画面のサイズは同じ 3.5 インチだが、解像度は 4 倍になった。 色は白と黒の 2 種類。

背面のカメラにはフラッシュをつけ、ハイビジョンの動画撮影も可能。 前面のカメラと無線 LAN を使い、相手の顔を見ながら通話できるようにした。 基本ソフト (OS) も刷新し、ゲームやメールの送受信、ウェブ検索など、複数の作業を同時にできるようになった。 電子書籍サービス「iBooks (アイブックス)」にも対応した。

スマートフォンは携帯電話世界最大のフィンランドのノキア、「ブラックベリー」のカナダのリサーチ・イン・モーションに加え、グーグル、マイクロソフトも参入し競争が激化している。 アップルは iPhone4 を今年 9 月までに 88 カ国・地域で発売し、さらにシェア拡大を狙う。 (asahi = 6-8-10)


スマートフォン ソフトバンクにドコモ・KDDI 反撃

携帯電話各社が 5 月下旬から本格的に売り出す今年の「夏モデル」が、出そろった。 NTT ドコモは多機能型のスマートフォンをアピールし、ソフトバンクは簡易投稿サイト「ツイッター」を手軽にできる機種で攻勢をかける。 KDDI は、操作パネルを自分仕様に変えられる機種が目玉だ。

ドコモは、5 インチと大きめのタッチパネル液晶画面にキーボードが付いた「LYNX (リンクス)」などスマートフォン 3 機種を投入。 米グーグルの基本ソフト「アンドロイド」を搭載し、ブログや交流サイトを楽しみやすくする。 全 20 機種を売り出すが「スマートフォンへの期待の高まりと購入者の広がりを感じている(山田隆持社長)」と、とくにスマートフォン販売に力を入れる。

米アップルの「iPhone (アイフォーン)」を独占販売し、スマートフォン市場で先行するソフトバンクは 20 機種を発売。うち 14 機種で「ツイッター」が、ボタン一つで手軽に操作できるようにした。 KDDI は、利用者のキーの押し方のクセに応じて 3 種類の操作パネルから選べる日立製作所の「beskey (ベスキー)」を発売。 出遅れたスマートフォンでは、6 月にアンドロイド搭載の「IS01」を売り出す。 全 13 機種の発売。 (和気真也、asahi = 5-20-10)


ソフトバンク過去最高益 iPhone 効果、業界 2 位に

ソフトバンクが 27 日発表した 2010 年 3 月期連結決算は、本業のもうけを示す営業利益が前期比 29.7% 増の 4,658 億円と、5 期連続で過去最高益を更新した。 国内通信業界では、営業利益が 4,438 億円だった KDDI を初めて抜き、来月に発表を控える NTT (営業利益予想は 1 兆 1,100 億円)に次いで 2 位となる見通しだ。

売上高は 3.4% 増の 2 兆 7,634 億円、純利益は 2.2 倍の 967 億円だった。 主力の携帯事業の営業利益は 52.2% 増の 2,609 億円。米アップル製の「iPhone (アイフォーン)」の契約者数が増え、大幅増益につながった。 契約者 1 人あたりの平均収入も、インターネット操作が簡単なアイフォーン効果でデータ通信料が伸び、音声通話料の落ち込みを補った。

連結子会社のヤフーが手がけるコンテンツ事業も増収増益。 ブロードバンド事業はメタル回線を利用した ADSL の契約者数が減ったが、コスト削減で減収増益だった。 孫正義社長は同日の決算発表の席上、「アイフォーンはまだ右肩上がりで伸びる」と指摘。 11 年 3 月期の連結営業利益予想は、5,000 億円の大台に到達するとの見通しを示した。 (asahi = 4-27-10)


スマートフォン出荷倍増 iPhone 一人勝ち状態

2009 年度のスマートフォン(多機能携帯電話)の国内出荷台数が、前年度の 2 倍超の 234 万台となったことが、民間調査会社 MM 総研のまとめでわかった。 米アップルの「iPhone (アイフォーン)」が 7 割以上を占める一人勝ちの状態で、引き続きスマートフォン市場の先導役となっている。

MM 総研は昨年 4 月の段階で、09 年度のスマートフォンの出荷台数を約 140 万台と見込んでいたが、予想を約 100 万台上回った。 10 年度は 300 万台と予想。 米グーグルなどの携帯電話向け基本ソフト (OS) を搭載した新機種が増え、アイフォーンとの競争が激化すると見込む。

一方、従来型を含めた携帯電話全体では、09 年度の国内出荷台数が 4% 減の 3,444 万台と、2 年連続の前年割れとなった。 メーカー別のシェアは、シャープが 26.2% で 5 年連続の首位。 2 位パナソニック(シェア 15.1%)、3 位富士通(同 15.0%)、4 位 NEC (同 10.5%)の順だった。 (asahi = 4-22-10)


マイクロソフトもスマートフォン参入、5 月に米で発売

【ニューヨーク = 山川一基】 米ソフトウエア最大手のマイクロソフトは 12 日、様々な情報処理ができる「スマートフォン(多機能携帯電話)」を 5 月に米国で発売する、と発表した。 機器は日本のシャープと共同開発した。 同社が自社ブランドで携帯電話を出すのは初めて。

発売するのは手のひらサイズの「KIN ONE (キン・ワン)」と、画面がより大きな「KIN TWO (キン・ツー)」。 画面の下にあるキーボードをスライドさせて文字や数字を打ち込めるほか、カメラも搭載している。 主に、インターネットの交流サービス (SNS) の利用を狙っている。

シャープが製造を担当し、米国では携帯大手のベライゾン・ワイヤレスが販売する。 欧州は今年秋に発売予定だが、日本での発売は未定。 スマートフォン市場は、米国のオバマ大統領も愛用するカナダ RIM 社の「ブラックベリー」や、アップルの「iPhone (アイフォーン)」がヒットし、急拡大している。 主に、若い世代がメールや SNS などのネット機能を利用している。

マイクロソフトは、買収した子会社がスマートフォンを手がけているが、今回は自社による本格参入となる。 日本でも携帯大手 3 社がそろって参入し、携帯電話でも成長分野と目されている。 (asahi = 4-13-10)


ドコモ、スマートフォン市場巻き返しへ 4 月に新製品

NTT ドコモとソニー・エリクソンは、4 月に国内向けスマートフォン(多機能携帯電話)「Xperia (エクスペリア)」を発売する。 21 日に発表した。 スマートフォン市場は各国で急拡大しているが、日本ではソフトバンクモバイルの「iPhone」の一人勝ち。 巻き返しはできるのか。

ソニー・エリクソンのエクスペリアは、タッチパネル式。 液晶画面を指でなぞる操作で、ネット閲覧やゲーム、音楽再生などもできる。 写真から人の顔を認識する機能もある。 名前や電話番号とともに顔写真を登録しておけば、その人が写っている別の写真を表示したときに名前も示され、触れると、その人に電話やメールができる。

端末からデータを送信する速度は iPhone の 5 倍(規格上の最大値での比較)。 会見で iPhone との比較を尋ねられたドコモの山田隆持社長は「通信もより速く、画面も高精細だ」と述べた。

基本ソフト (OS) は米検索大手グーグルが開発した「アンドロイド」で、ゲームやビジネス向けなど様々なソフトをネット上の「アンドロイド・マーケット」から取り込める。 ただ、英語表記のソフトも多いため、ドコモは別途「ドコモマーケット」を開設。 ソフトを 100 本程度紹介し、「IT に詳しくない人でも簡単に使えるようにしたい」という。

携帯の売れ行きが頭打ちになるなか、スマートフォンは国内でも着実に伸びている。 業界団体「モバイルコンピューティング推進コンソーシアム」は、2008 年度に 133 万台だった国内出荷台数が 12 年度には 329 万台まで増えると予想。 これまでスマートフォンに力を入れていなかった KDDI (au) も、年内にアンドロイドを搭載した端末を発売する計画だ。

ドコモの契約者数は昨年末時点で 5,543 万人。 国内首位を保っているが、年間の契約純増数では、iPhone の勢いに乗るソフトバンクに、2 年続けて敗れている。

iPhone は 08 年 7 月に初代が発売され、すでに累計で 100 万台以上が売れた。 一方、ドコモはスマートフォンでは、OS に「ウィンドウズ・モバイル」を搭載した機種やカナダ RIM 社の「ブラックベリー」シリーズを販売。 昨夏には、台湾 HTC 社製のアンドロイド端末を投入したが、売れ行きは「数万台規模(関係者)」とされ、iPhone の背中は遠い。

これまで日本の携帯会社は、端末や「i モード」などのサービスを自社の利用者だけが使えるようにして顧客を囲い込んできた。 だが、スマートフォンでは、こうした独自機能は使えない。

一方、iPhone の強みの一つは世界で 10 万本以上あるソフト群で、日本語対応のものも増えている。 アンドロイド向けも世界で 2 万本以上あるが、国内市場にどう浸透させていけるのか。 「オープン化」したサービスをどう生かせるかが、ドコモの課題になる。 (asahi = 1-22-10)


MS、スマートフォンにソフト配信 ドラゴンボールも

マイクロソフト (MS) は 12 日、多機能携帯電話(スマートフォン)向けの新しい基本ソフト (OS) を搭載した端末を対象に、12 月上旬からゲームや音楽などを配信すると発表した。 新しい端末は 12 月から順次発売される。

サービス開始時に約 100 種類のソフトを用意する。 すでに国内で約 30 社からソフトの供給を受けることが決まっているという。 集英社は 12 日、MS と連携し、新しいサービス向けとして 12 月中には人気マンガ「ドラゴンボール」の無料配信を始めると発表した。 北米などに英語版での配信も予定している。 (asahi = 11-13-09)