コメ価格の見通し、先安感いっそう強まる 備蓄米放出直後より低水準

コメの卸売業者らでつくる公益社団法人・米穀安定供給確保支援機構は 4 日、コメ価格の見通しなどを取引関係者に聞いた 11 月分のアンケート結果を発表した。 向こう 3 カ月の価格の見通しを示す指数は、前月の 39 から 32 に下がった。 随意契約による備蓄米を放出した直後よりも低い水準で、先安感がいっそう強まっている。 アンケートは、生産者や農協などの集荷業者、卸・小売業者、外食業者などを対象に実施。 計 13 7件の回答を得た。

指数は 50 が横ばいで、0 に近づくほど価格が低くなるとの見方が強いことをあらわす。 50 を下回るのは 2 カ月連続。 随契備蓄米を放出した直後の 6 月の指数は 35 だった。 今回の 32 は、2021 年 9 月の 27 に次ぐ低水準となっている。 判断する上で考慮した要因としては「国内の在庫水準」の割合が 41% (前月は 32%)。 農林水産省は今年産のコメの生産量が需要を大きく上回り、来年 6 月末時点の民間在庫量が適正量を超えると見込んでいる。 (井東礁、asahi = 12-4-25)


ホタテ高騰 鮮魚店はお手上げ、ふるさと納税にも影響 年末も高値か

日本の水産物輸出の主力を担うホタテが、中国や米国との国際情勢に揺さぶられている。 それでも値上がりが続き、食卓に影響をおよぼす水準にまでなった。 年末に向けても下がりそうにないと、多くの関係者はみている。

「高すぎて売れない」

札幌市内のスーパーに店を出す吉本水産の島村謙一店長は、ホタテの高騰にお手上げの様子だ。 市場では日ごとに値上がりし、この 1 年で倍近くになったという。 今夏からは仕入れていない。 「刺し身の盛り合わせに欠かせないものだったが、仕方ない」と話す。 消費への悪影響は、ふるさと納税でも見て取れる。 長く全国一の寄付件数を誇った紋別市で、人気を集めるのが冷凍ホタテ貝柱だ。 ところが、多くの自治体が受け入れ額を伸ばした今年 9 月、想定していたほどには集まらなかった。

その原因が「原料(ホタテ)価格の高騰(市の担当者)」だ。 貝柱の大きさが不ぞろいで割安の「バラエティサイズ」 1 キロパックは同月、寄付額が 2 万円の大台にのった。 寄付する人が敬遠しがちな心理的目安とされる。 それでもおさまらず、翌月にはさらに 2 万 4 千円にまで急騰した。 国の制度やパック内容が変更された影響で単純比較はできないが、わずか 3 年ほど前は半額程度だった品だ。 この先も仕入れ値の下落は見込めず、「今後 2 年ぐらい水産物の返礼品はかなり厳しい」と担当者は危機感を募らせる。

手をこまねいているわけにはいかない。 少量パックで寄付額をおさえたものや、ほかの海産物とのセットの返礼品を増やすなど対策を打つ。 首都圏に遠く配送費が高いという立地上の不利な点を和らげる経費削減策も検討している。 価格高騰の要因は、輸出が堅調なことに加えて、水揚げ量の減少が見込まれていることにある。 中国政府が日本の水産物の輸入を事実上停止することが明らかになった 19 日、北海道内の関係者たちは冷静だった。

道産ホタテなどの中国向け輸出が一部再開されたばかりだったが、ほとんどの業者はまだ再開許可を得られていない。 それでも輸入停止から 2 年以上たち、ほかの国への販路拡大が定着している。 おかげで、輸出額の回復は続く。 業界内では、輸出が急増したアジア各国を経由して中国に入っている分もあるとみられている。 北海道水産物加工協同組合連合会の斉藤貢専務理事は「今回の中国の対応が、輸出に大きく響く状況にはない」と話す。

むしろ価格高騰に加えてトランプ政権の相互関税 15% が乗る米国向けへの心配が募る。 今夏になって、輸出が急減しているからだ。 一方、水揚げ量の減少のほうは、回復が見通せない。 原因は不明だが、海水温の上昇が懸念されている。 このため、先を見越して買い付ける商社などはまだ多いようだ。 加工業者らには「価格が下がる気配はない」との声がある。 (丸石伸一、asahi = 11-24-25)


新米の業者間取引価格、また値上がり 2 カ月連続で最高値を更新

2025 年産の新米について、農林水産省は 18 日、10 月の業者間取引価格が玄米 60 キロあたり税込み 3 万 7,058 円となり、前月より 163 円 (0.4%) 上がったと発表した。 比較できる 06 年以降の最高値を 2 カ月連続で更新した。 農家からコメを集めた農協 (JA) などの集荷業者が、出荷先の卸売業者と契約した際の価格の平均を出した。 昨夏のコメ不足を受けて値上がりが加速した前年の 10 月と比べると、1 万 3,238 円 (55.6%) 高くなっている。

一方、契約数量の合計は約 33 万 7 千トンで、10 月としては 12 年以来の 30 万トン超えとなった。 契約の多さは需要が強いことを示唆しているが、農水省は「理由はよくわからない(農産局)」という。 卸売業者の間では、今年の新米の大幅な増産によって供給過剰になり、値崩れが起きるとの見方も出ている。

また、農水省は 18 日、25 年産の主食用米の予想収穫量(10 月 25 日時点)が、前年実績より約 1 割多い 718 万 1 千トンになったと発表した。 9 月 25 日時点の概算値から 2 万 8 千トン上ぶれした。 九州の一部地域などで想定を上回る豊作だった。 ただ、より小粒のコメも対象にする従来の基準の予想収穫量は 746 万 8 千トンで、9 千トン下ぶれした。 修正幅は小さく、前年から 1 割ほどの増産に変わりはない。 (内藤尚志、asahi = 11-18-25)


コメまた値上がり、過去最高の 4,316 円に 銘柄米は 4 週連続最高値

農林水産省は 14 日、3 - 9 日に全国のスーパー約 1 千店で売られたコメ 5 キロの平均価格は税込み 4,316 円で、前の週より 81 円 (1.9%) 高く、2022 年の調査開始以降の最高値を更新したと発表した。 これまでの最高値は今年 5 月 12 - 18 日の 4,285 円で、値上がりは 2 週連続。 産地と品種が明示された「銘柄米」は 4,573 円で、前の週より 33 円上がり、4 週連続で過去最高となった。 政府備蓄米を含む「ブレンド米など」も 3,732 円で、前の週より 176 円上がり、2 週連続で値上がりした。

これまでの最高値は随意契約で備蓄米を放出する直前の時期で、5 月末の放出以降は一時 3,500 円台にまで値下がりした。 だが、新米が出回り備蓄米の販売量もピークを過ぎると、再び値段は上昇し、9 月以降は 10 週連続で4千円を超えている。 (井東礁、asahi = 11-14-25)


年 4 回、新米食べられるかも? 「未来のイネ」が秘める大きな可能性

おいしいコメをいつでも、どこでも、たくさん食べたい。 飽くなき願いをかなえようと、「未来のイネ」を生み出す研究が各地で続いている。 京都、大阪、奈良の 3 府県にまたがる「けいはんな学研都市」にある京都府立大精華キャンパス(同府精華町)。 その一角に拠点を持つ新興企業「未来食研究開発センター」の研究室に足を踏み入れると、まるで小さな植物工場だった。 LED の光に照らされ、多段のラック棚で、2013 年に品種登録されたイネ「京のゆめ」が青々と育っていた。 最大の特徴は「矮性(わいせい)」と呼ばれる性質だ。

背丈はわずか 20 センチ

目いっぱい育っても、背丈は 20 センチほど。 普通のイネの 5 分の 1 - 6 分の 1 にしかならない。 種まきから 3 カ月で実り、計算上は年に 4 回、新米を味わえる可能性がある。 食味は「さっぱり、あっさり」という。 「矮性は自然界で突然変異によってまれにみられるもの」という。 「ジベレリンと呼ばれる成長ホルモンが欠損して起きる現象で、遺伝子組み換えではないんですよ」と社長の増村威宏さん (65)。 京都府立大の副学長でもある。 ジベレリンは、ブドウを種なしにする時などに使う植物ホルモン液剤として知られる。

「面白いイネがあるよ。」 コメのたんぱく質を研究していた増村さんは 30 年ほど前、知人が田んぼで見つけた矮性イネを譲り受け、栽培してきた。 実りが早く、研究用に好都合だったが、食用は考えていなかった。 転機は 22 年。 環境に負荷をかけない農業システムの構築をめざすとして、同社を起業し、京のゆめの実用化に挑戦することに。 そして今、「令和の米騒動」という追い風で、注目を浴びる存在となった。

第二の「緑の革命」起こせるか

かつて、大きく育たない植物が人類を救ったことがある。 第 2 次世界大戦後の食料危機を救った「緑の革命」だ。 背丈が高くて倒れやすく、収量が落ちる小麦に、半矮性を持った岩手産小麦「農林 10 号」を掛け合わせて品種改良が重ねられた。 小麦の生産量が世界各地で飛躍的に伸び、米国の農業学者ノーマン・ボーローグ博士は 70 年にノーベル平和賞を受賞した。 京のゆめも、そんな「革命」を起こせるのか。

最大の利点は農地がいらず、水耕栽培で屋内で育てられることだ。 誰でも、都会のど真ん中でも取り組める。 害虫被害にも遭いづらく、無農薬栽培で環境負荷が抑えられる。 猛暑による高温障害で収量や品質が落ちることも少なくなる。 ただ、課題もある。 イネ 1 株あたりの収量は 100 - 150 粒で、通常の 10 分の 1 程度。 それでも増村さんは「例えば 4 段の棚で年 4 回育てれば、単位面積当たりで通常のイネを上回る収量を得ることも夢ではない。」 電気代もまた課題だ。 太陽光の波長に似た LED の光を 1 日 13 時間ほど当て、室温を 28 度ぐらいに保つ必要があるためだ。

消費電力を抑える方法は、工夫次第でひねり出せそうだ。 「全国各地に、廃校になった小学校の校舎があるでしょう。 教室の窓は、光をたくさん取り込めるよう、大きく取ってある。 そんな場所をうまく活用できるとよいのですが。」 すでに複数の企業に種もみを提供し、実用化に動く。 増村さんは、25 年度日本植物バイオテクノロジー学会で、イネのたんぱく質に関する研究で学術賞も受賞した。 大きくならないイネが秘めた、大きな可能性。 食卓で出会える日が待ち遠しい。

「猛暑が大敵」ならば …

酷暑がイネの生育に打撃を与えるなら、いっそのこと、酷暑が来る前の涼しいうちに収穫できるイネをつくればよいのでは - -。 北海道大大学院農学研究院の貴島祐治教授と三重県農業研究所の太田雄也氏らでつくる研究グループは、こんな発想で「超早場米」の研究を進めている。 本州のイネは、日照時間が短くなると茎から穂を出し、開花する「感光性」と呼ばれる性質を持つ。 秋に実るのは、このためだ。 一方、冷害と戦ってきた北海道のイネには、発芽からの積算温度が一定に達すると出穂する「感温性」がある。

研究グループは、三重県伊賀市と宮崎市で 2018 - 19 年、20 度以下の低温でも育ち、種まきから 100 日以内で収穫できるわせ系統の北海道のイネを試験栽培した。 2月下旬に種まきをしたところ、6 月下旬 - 7 月初めには成熟した。 比較のため、同様に時期をずらして栽培した本州の品種と遜色ない収量が得られたという。 結果をもとに、貴島さんは、暑さを避けて収穫する「避暑型水稲」という新たな栽培方法を提案する。

札幌の平均気温を参考にしつつ、関東平野でつくると想定すると、2 月下旬に種をまき、田植えは桜の開花前の 3 月下旬 - 4 月初旬。 6 月上中旬には出穂し、早ければ 6 月下旬か 7 月初旬には収穫 - -。

品薄の真夏に新米

「高温障害を避けられるだけでなく、病害虫や台風被害も避けられる」と貴島さん。 さらに、コメが 1 年のうちで最も品薄となる真夏に新米を供給できる付加価値もつき、差別化を図れる可能性もあるという。 課題の一つは、まだ寒い時期の苗作りだ。 加温設備やビニールハウスが必要となり、コスト増が想定される。 また、水田へ水を引き入れる時期を早められるかもある。 長く慣れ親しんだ栽培日程を改めることへの生産者の心理的抵抗も予想される。

こうした課題を克服できれば、北海道のイネを本州のブランド米に交配していくことで、食味も兼ね備えた超早場米の生産が可能になる。貴島さんはそうみている。 (日比野容子、asahi = 11-12-25)


コメ価格下落の「予兆」に戦々恐々 「ババ抜き」、「逆チキンレースだ」

これは米価下落の「予兆」なのか。 「高値で買ったコメの販売先がない。 売れないコメを買い取ってくれないか。」 関東地方でコメ卸売業を営む代表男性 (59) のところには最近、各地の集荷業者から相談の電話が次々と舞い込むようになった。 高値が続いたことから、足元ではコメの増産が進んでいる。 2025 年産の主食用のコメの収穫量は前年より 1 割ほど増え、16 年以来の高水準になる見通しだ。 飼料用などから切り替えて作付けした農家も相次いだとみられる。

コメ余りでいつか暴落するのではないか - -。 そんな見方が広がり出し、本来なら卸売業者が多くの量を仕入れる時期にもかかわらず、取引が急に減り出したという。 代表の男性は「いまの米価は高すぎるが、もし大幅に下がれば、つぶれる業者も出てくるかもしれない」と話す。 ただ、店頭では依然として高いままだ。 昨年の在庫不足の二の舞いを避けようと、集荷業者などが農家などに高値を提示してコメをかき集めたためだ。 その分、販売価格も高くなる。

石破茂前首相は「5 キロ 3 千円台」を目指し、随意契約による備蓄米の放出や増産の方針が打ち出された。 いったん米価は下がったものの、半年ほどで元に戻った。 10 月 20 - 26 日に全国のスーパー約 1 千店で売られたコメ 5 キロの平均価格は税込み 4,208 円。 過去最高水準が続く。 東京都江東区の総合スーパー「イオンスタイル南砂」では 10 月から、新米のあきたこまちが棚に並び始めた。 価格は 5 キロ税込みで 4 千円台。 購入した 50 代女性は「せめて 3,500 円くらいになってくれないと」とため息をついた。

コメ卸の「異変」は店頭価格に波及するのか。 下落は買う側にとっては大歓迎でも、高値で仕入れてしまった集荷業者や卸業者は不安を募らせ、予防線をはり始めた。 農協の全国組織・JA 全中の山野徹会長は 10 月の会見で「備蓄米の買い入れや買い戻し、機動的な対応が必要だ」と訴えた。 国内コメ卸最大手・神明ホールディングスの藤尾益雄社長は言う。 「正直、3 万 5 千円で買ったものを、2 万 5 千円では売れない。 国が買い取って安く売るしかないのではないか。」

石破首相が退陣し、高市早苗政権では軌道修正が進む。 農水省が 10 月 31 日の審議会に提出した「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針案」には、今後の需給状況を見定めたうえで、備蓄米の買い戻しや買い入れを行うことが明記された。

「誰がババを引くのか」

「(コメは余り始めたのに)なんで価格が下がらないのか。」
「本当に理由が思い当たらない。」
「(対策は)喫緊の課題だ。」

10 月 31 日に開かれた農水省の「食料・農業・農村政策審議会」の食糧部会では、高止まりする米価について、多くの委員が口々に疑問を投げかけた。 「令和の米騒動」が起きて 1 年超。 この間、コメを確保しようと卸売業者などが競い、値段のつり上がる「チキンレース」の様相を呈した。

「お米の生産者のみなさまへ 7 年産米の買取はじまりました?」

8 月 11 日、福井新聞朝刊に大型広告が載った。 有数のコメどころ福井県の農家に、新米を買い取らせてほしいと呼びかけるものだった。 広告を出したのは、卸売りを手がける福井精米(福井市)。 樋田光生社長 (40) は言う。 「農協 (JA) にコメを納めている農家を、こちら側に動かそうと思った。」 広告では、早場米のハナエチゼンの買い取り価格として 60 キロあたり税込み 3 万 2 千円を掲げた。 競業する JA 福井県が農家に示したコシヒカリの概算金の最低保証額は 2 万 2 千円。 それより安いはずのハナエチゼンに、1 万円上乗せしたかなり高値の設定だ。

広告掲載から 1 週間後、JA はコシヒカリの概算金を 2 万 9 千円にした。 競合他社も次々と引き上げ、福井精米は最終的にハナエチゼンを 3 万 3,500 円で調達した。 ただ、樋田社長はコメの売れゆきには確証を持てないでいる。 高値づかみしたものの売れずにどこが泣くことになるのか。 「誰がババを引くのかという感じですよ、今年のコメは。」

コメ卸の仕入れ値が高くなれば、卸からコメを買う販売店の仕入れ値も高くなる。 神戸市に店舗を構える米穀店「いづよね」の川崎恭雄社長 (52) は、9 月に届いた新米の見積書の数字をみて言葉を失った。 兵庫県産コシヒカリなど銘柄米が、去年の同じ時期より倍のものもあったためだ。 だが、見積書を送ってくれた取引先の信用を失うのを恐れ、購入した。 農水省は新米が増産になるとの見通しを示している。 供給過剰になったら値崩れを起こす可能性もある。 農水省の見立てを信じるなら、急いで買わなくてもいいはずだ。

福井精米の樋田社長は、コメ卸として最重要視するのは安定供給なので、高値であってもコメを確保するとしたうえで、農水省については一言こう言った。 「信用できない。」 「猫の目農政。」 ころころ変わる政策を揶揄した言葉だ。 もともと信頼されているとはいえないところに、コメ高騰に関する農水省の見立ては外れ続けた。 「新米が通常より早く出回り始めている。 不足感は徐々に減少していく。(昨年 8 月)」、「需要に見合うだけのコメの量は確実にある。(今年 2 月)」 高騰の理由としていた「投機目的の中小業者の売り渋り」も結局は確認できなかった。

そのため、農水省の言うことをそのまま受け入れるのは難しい状況だ。 不信感が高まっていることが、混迷を深める一因にもなっている。 そして 10 月 31 日、農水省は放出備蓄米の買い戻し・買い入れも検討すると表明。 高値で国に買い取ってほしい流通業者と、安くなってから買いたい国との間で、綱引き・心理戦が起きる可能性がある。 政府関係者はこう見る。 「これまでは、価格が上がると思って売り惜しんだり、高い価格で買ったりするチキンレースだった。 これからは、その逆のチキンレースが始まる。」 (山田暢史、井東礁、内藤尚志、asahi = 11-1-25)


コメ平均価格 2 週ぶり低下、5 キロ 4,208 円に 銘柄米は最高値更新

農林水産省は 31 日、20 - 26 日に全国のスーパー約 1 千店で売られたコメ 5 キロの平均価格は税込み 4,208 円で、前の週より 43 円 (1.0%) 低く、2 週ぶりに値下がりしたと発表した。 産地と品種が明示された「銘柄米」の価格は最高値を更新したものの、全体の販売量に占める割合が減ったため、平均価格は低下した。 銘柄米は4523円で、前の週より22円上がり、2週連続で過去最高となった。全体の販売量に占める割合は69%で、前の週の72%から縮小した。 一方、政府備蓄米を含む「ブレンド米など」は 3,495 円で、108 円下がった。 (井東礁、asahi = 10-31-25)


25 年産コメの収穫量、前年から 9.7% 増 作況単収指数も初公表

農林水産省は 10 日、2025 年産の主食用米の収穫量について、9 月 25 日時点の概算値を発表した。 前年実績より 63 万 4 千トン ( 9.7%) 増の 715 万 3 千トンで、16 年の 732 万 2 千トン以来の高水準。 増加は 2 年連続で、伸び率は比較できる15年以降で最も大きい。 今後はコメの値下がりが進むかが焦点になる。 今回から農家の実態に近づけて、収穫する米粒の基準をより厳しくした。 従来の基準では 68 万 5 千トン (10.1%) 増の 747 万 7 千トンで、見通しの「728 万 - 745 万トン」から上ぶれした。 一部の地域は稲刈り前で、12月発表の確定値までに増減する可能性はある。

農水省はあわせて、コメの出来栄えを示す「作況単収指数」も初めて公表した。 廃止した「作況指数」の後継の指標だ。 25 年産は 102 で、近年では良いほうだった。 小泉進次郎農水相は記者会見で、「需要を大きく上回るだけの十分な供給量を満たし、最終的に米価の安定につながっていく、新たなステージに入ったといえるのではないか」と語った。

とはいえ、コメが余り気味になって価格の下落が進むかは、まだ見通せない。 懸念材料は猛暑の悪影響だ。 米粒の育ち方が悪くて崩れやすくなっていれば、精米後に目減りする量が増え、品薄感が再び強まる可能性もある。 農水省は次回の収穫量(10 月 25 日時点)公表時から、崩れやすい粒などの割合も示す予定だ。 また、農水省は 10 日、9 月 29 日 - 10 月 5 日に全国のスーパー約 1 千店で売られたコメ 5 キロの平均価格は税込み 4,205 円だったと発表した。 前の週より 6 円 (0.1%) 安く、3 週連続で値下がりしたが、2022 年の調査開始後の最高値 (4,285 円)に近い水準が続く。 (内藤尚志、asahi = 10-10-25)


米農家の作業を大幅に減らす「節水型乾田直播」とは 新潟で実証実験

深刻な農家の人手不足の解決につなげようと、米どころ新潟で水田に水をためない「節水型乾田直播(ちょくは)」の実証実験が進んでいる。 田植え機で苗を植える田植え作業がいらず、田んぼに水を入れるのも数回だけと、大幅に作業を減らせる利点があるが、課題もある。 10 月 2 日、収穫期を迎えた新潟市北区の水田。 集まった報道陣を前に、農業生産法人「ベジ・アビオ」の加藤和彦取締役が話した。

「これから遊休地が増えていく。 これ(節水型乾田直播)が社会実装(実用化)できたら、1 人当たり倍の面積が管理できるとされている。」 同社は実証実験のメンバー。 水田の一角では 5 月上旬にこの方法で種をまいて育てられた稲が黄金色に輝いていた。 高温耐性があり収量に優れた「にじのきらめき」。 この日はコンバインでの収穫作業が行われた。

苗箱を移す作業の繰り返しを省く

「直播」は、種を田んぼに直接まく栽培方法だ。 水稲で広く行われている一般的な方法は、育苗ハウスで種から苗を育て、その苗を水田に「移植」する方法で、田植え機で行う。 育苗ハウスから苗箱を軽トラックに積んで水田まで運び、田植え機に移す作業を繰り返すため、高齢化が進む農家にとって大きな負担になっていたが、こうした作業が省ける。

「直播」には「湛水(たんすい)直播」と「乾田直播」がある。 「湛水直播」は、田んぼに浅く水を入れ、トラクターなどで攪拌(かくはん)して土を柔らかくする代かきをしてから種をまく。 「乾田直播」は代かきは不要。 十分に田んぼを乾燥させる必要はあるが、種を入れたタンクをトラクターの後部に取り付け、トラクターが進むのに合わせてタンクから自動的に種がまかれていく。

「乾田直播」では苗が 10 センチほどの大きさに育ったところで田んぼに水を張るが、「節水型乾田直播」は水を張らず、土の乾燥状態を見ながら、時折、排水口を開いたままにして水路から水田に水を流すだけでいい。 この作業は「水を走らせる」といい、今回の実証実験では収穫までに 5 回で済んだ。 農家にとって神経を使う水管理の手間が減らせる効果も期待できる。

収量が落ちる課題も

一方、「直播」は出芽や苗立ちが不安定で、通常の「移植」より収量が落ちる。 水田に水をためることで、稲を暑さから守る効果や雑草の生育を抑制する効果が期待できる。 水を張らない「節水型乾田直播」は除草剤が溶けて水田全体に行き渡る効果が得られにくく、雑草が増えてしまう恐れがある。 雑草はカメムシなど害虫のすみかになる。

「直播」は全国で広がっている。 農水省によると、2023 年の全国の水稲の直播面積は 3 万 8,638 ヘクタール(うち乾田直播が 1 万 9,678 ヘクタール)。 03 年の 1 万 3,139 ヘクタール(同 4,796 ヘクタール)から 3 倍近くに増えた。 「節水型乾田直播」は「乾田直播」よりもさらに労力を削減できる手法としてにわかに注目を集めている。

背景には、「令和の米騒動」で改めて浮き彫りになった深刻な農業の担い手不足がある。 「ベジ・アビオ」とともに実証実験に取り組む総合化学会社「BASF ジャパン」の坂田益朗さんは、「急激に離農が進んでいる中で、一つの生産団体に離農された方の農地が集まっている。 乾田直播と移植の両方を行うことで作業時期の分散もしやすくなる。 節水型の技術を農地を引き継ぐ生産者さんを支えることにつなげられれば。」と話す。

「初の試み、失敗や苦労も」

実証実験には JA 新潟市や農機具メーカーの新潟クボタも参加。 生育調査には新潟食料農業大学(新潟県胎内市)なども加わっている。 今回の実証実験で収穫された量は「移植」の場合の半分ほどと見られるという。 「ベジ・アビオ」の加藤取締役は「初の試みで播種(はしゅ)の際の機械操作で失敗したり、除草で苦労したりした」と振り返りつつ「何もしなければ担い手が減って農地も減少していく状況は変えられない」と話す。 今後、収穫した米の正確な収量や品質などを検査し、来年度の実証実験に役立てる方針という。 (井上潜、asahi = 10-7-25)


今年の早場米、1 等米比率は前年上回る 猛暑の悪影響は深刻化せず

2025 年産のコメについて、農林水産省は 30 日、8 月末時点の全国の検査結果(速報値)をまとめた。 整った粒が多めの「1 等米」は 66.5% で、例年よりやや低めだが、前年の 63.7% は上回った。 同省は「極端に悪くはない(農産局)」とする。 今のところ猛暑による悪影響は深刻化しておらず、米価の急騰につながる可能性は低いとみられる。

8 月末時点の結果は早場米が中心で、その年の検査量全体の 5 - 6% ほどにとどまる。 秋以降に主要な産地で検査が本格化すると、1 等米の比率が高まる傾向がある。 24 年産では、今年 3 月末で 75.9% (速報値)になっている。 ただ、猛暑の悪影響が大きかった 23 年産では、8 月末で 69.0% だったのが、確定値である翌年 10 月末には 60.9% まで悪化した。 (内藤尚志、asahi = 9-30-25)


新米価格 5 キロ 4 千円台で定着か JA 「今後も高値推移の見通し」

新米の季節がやってきた。 茨城県内でも収穫や販売が本格化している。 9 月中旬、水戸市内のスーパーにも新米が並んでいた。 価格は 5 キロ 4,500 円以上。 安くはない。 今秋以降も、コメ価格は高値が続く可能性があるとみられている。 農協 (JA) が農家に支払う前払い金(概算金)が各地で引き上げられている。 JA 全農いばらきも今年 8 月、2025 年産で県内主力のコシヒカリについて、概算金を例年より大幅に引き上げた。 農協関係者によると、1 等米の概算金は玄米 60 キロ当たり 3 万円とし、近年で最も高い金額にしたという。

JA グループ茨城によると、24 年産の場合、昨年 8 月に設定した当初概算金は同 1 万 8 千円だったが、コメ価格の高騰で追加払いが続き、今年 6 月末時点の最終精算見込み額は同 2 万 6,600 円だった。 新米の高値の背景には、農家からコメを集める各地の農協の動きがあるとみられている。 昨年はコメの買い付けで、高値を提示した新興の業者に農協が買い負ける例が目立ったという。 そのため今年は各地の農協が概算金を大幅に引き上げている。 そのコストが小売価格に反映された可能性がある。

農林水産省によると、今年 9 月 15 - 21 日に全国のスーパー約 1 千店で売られたコメ 5 キロの平均価格は税込み 4,246 円。 前の週より 29 円下がったものの高値で推移し、3 週連続で 4 千円を上回った。 4 千円台の価格は、前々週の「大台」が今年 6 月 2 - 8 日以来 13 週ぶりだった。 農水省が調査会社のデータをもとに算出しており、26 日に公表したもの。 政府が随意契約で放出した格安の備蓄米の流通量が減り、高値の新米が本格的に出回り始めたことが影響しているとみられる。

産地と品種が明示された「銘柄米」の平均価格は 5 キロ 4,377 円で、前の週より 24 円上がった。 新米の多くは銘柄米として売られたとみられる。 政府備蓄米をふくむ「ブレンド米など」は同 3,843 円で、150 円の値下がりとなった。 JA 全農いばらきの担当者は今後の見通しについて「25 年産は現時点で増産傾向だが、高温障害や水不足、カメムシ被害などで豊作という状況にはない」といい、高値で推移するのではないかとの見方を示す。 担当者は「生産者も物価高で生産コストが上がっている。 生産者がコメ作りを続けられ、消費者も継続的に購入できる適正な価格を引き続き探っていくことになる。」と話した。

暑さに強いコメが人気

記録的な猛暑が続くなか、茨城県内では高温に強いとされる新品種「にじのきらめき」の栽培が増えている。 従来の主力品種「コシヒカリ」では高温による品質悪化が著しいことから、販売価格の低下を敬遠する生産者が栽培品種の見直しを進めているという。 にじのきらめきは、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(つくば市)が開発。 県では 2021 年に準奨励品種に指定した。 265 ヘクタール(20 年)だった作付面積は 5 年で 16 倍に広がった。 今年は 4,400 ヘクタール以上と、全面積の 7% にまで増える見込みだ。

県産地振興課によると、22 年から続いた猛暑で、米どころの県西部を中心に主力品種のコシヒカリで粒が白濁する「白未熟粒(しろみじゅくりゅう)」などの被害が増えた。 24 年産コシヒカリの 1 等米比率は 48.8% に低迷したものの、にじのきらめきは 71.9% だったことから、栽培する生産者が急増したという。 県農業研究所水田利用研究室の池田千亜紀室長は、今後も夏の暑さがひどくなる可能性はあるとみており、「さらに高温になっても収量や品質が落ちないような栽培方法を研究して、生産者に広めていきたい」と話している。 (張守男、羽賀和紀、asahi = 9-28-25)


"スルメイカフィーバー" 不漁続きから一転、水揚げ好調 クロマグロも豊漁 … 厄介者に?

今年はサンマが豊漁ですが、実はスルメイカも各地で豊漁になっています。 スルメイカは近年、不漁が続いていたのですが、おもわぬ豊漁になり、漁獲枠を拡大する動きもでています。

記録的な不漁が一転 "スルメイカフィーバー" に

産地直送で旬のにぎりがウリのすし店の大将は、変化に気づいていました。 普段、スルメイカは北海道産を使っているそうですが、26 日は …

「最近、福島産・福島沖でイカがかなりとれている話を聞いて、最近、福島産(スルメイカ)を使っている。 お値段も 2 - 3 割安く仕入れられる。(淳ちゃん寿司 地引淳大将)」

今、大量に福島で水揚げされているというスルメイカ。 仕入れ値も安く、北海道産と比べて味の違いもほとんどないといいます。

「おいしいです。 歯ごたえ系。(客)」

福島でスルメイカがとれることは?

「とれるはとれるけど、今年は異常にとれてる。(淳ちゃん寿司 地引淳大将)」

スルメイカは今年、記録的な不漁となっていました。 名産地・北海道函館の初水揚げはわずか数匹で、初競りも中止となる事態になっていました。 しかし今月に入ってから、状況は一転。 函館市場の取扱量は好調となり、青森や福島など太平洋側でスルメイカが豊漁。 水産庁が漁獲枠を急きょ拡大する異例の事態になったのです。 まさに "スルメイカフィーバー" です。

関東でも「イカのパニック」 豊漁の理由は?<\b>

関東の海でもスルメイカは豊漁だといいます。 茨城県の鮮魚店を訪ねると、スルメイカ 7 - 8 杯でなんと 500 円。 「大漁のため助けてください」と書いてありました。 店主に話を聞きました。 茨城の海で何が起こっている?

「イカのパニックが起きている。(井戸道丸漁業 原口昂大代表取締役)」

近くの漁港では、スルメイカが連日、大漁です。

「きのう、約 5 トン、5,400kg とか。 普段、揚がる時で 200 - 300kg。(井戸道丸漁業 原口昂大代表取締役)」

全然違う。

「全然違う。 大漁なんですよね。 うれしい悲鳴。 処理するのも大変なので、多くのお客さんに食べてもらって。(井戸道丸漁業 原口昂大代表取締役)」

近くの店でも、新鮮なスルメイカをその場で提供していました。

「肝の濃厚さも感じられて最高。(客)」
「ここ数年高かったです。(客)」
「豊漁にとれるんですね。(客)」

豊漁の理由について、専門家に聞きました。

「一番考えられる要因は、黒潮の大蛇行が終了している状況。 流の流れ方・交わり方がスルメイカにとって都合のいい環境に。(水産業に詳しい近畿大学・有路昌彦教授)」

「海のダイヤ」も異例の豊漁 "厄介者" の一面も

海流の変化によるものとみられる異変は、マグロの王様「クロマグロ」にも起きています。 "海のダイヤ" ともいわれる高級魚ですが、こちらも、各地で異例の豊漁になっているのです。 新潟の佐渡市では一時、水揚げ量が例年の 80 倍ほどに急増。 京都でも 120 キロ前後の大型を中心に、1 日 60 匹以上水揚げされるなど。

「過去に例を見ない初めての経験。(漁業関係者・京都府)」

まさに、とれすぎ状態。 そのクロマグロはスルメイカが大好きで、イカにとって今、"厄介者" になっている一面もあるのです。 実際、イカ漁師は …。

「マグロがすごくて。 これほどマグロで被害を受けた年はない。(イカ漁師・酒田港)」

イカが仕掛けごとマグロに食いちぎられる被害が相次いだといいます。 異例の豊漁は、いつまで続くのでしょうか。 (日テレ = 9-26-25)


新米の集荷競争が過熱 「JA より数千円増」に対抗、相次ぐ 3 万円超

スーパーでのコメ 5 キロの販売価格が再び 4 千円を超える中、新米をめぐる JA と他の業者と集荷競争が過熱している。 各地の JA が農家に前払いするコメの概算金はすでに過去最高の水準で、さらに追加で支払う動きもあり、新米価格の高騰の一因となっている。 「業者がかなりの高額で買い集めている。 それを超えた額でないと勝負できない。」 JA 福岡京築(福岡県)の担当者は焦りを見せる。 ブランド米「夢つくし(早期)」の概算金は 60 キロあたり 2 万 8,440 円だったが、8 月末に 3 万 1,920 円に引き上げた。

例年は納入予約をしたほぼ全ての農家からコメが集まったが、昨年は 7 割ほどに落ち込んだ。 九州の農業法人の経営者は「概算金が出た直後から、『プラス 2 千円で買い取る』と業者がまわっている。 新米は奪い合いになっている。」と話す。 同様の動きは各地で広がる。 JA 阿蘇(熊本)では、コシヒカリの 1 等米で 60 キロあたり 3 万 0,240 円の概算金を示したが、9 月には 3 千円増の過去最高の 3 万 3,240 円に引き上げた。 高級米で知られる「魚沼コシヒカリ」の概算金(3 万 2500 円)よりも高い。

JA 全農みやぎは 8 月 20 日に主力品種の「ひとめぼれ」 60 キロの概算金を前年より 1 万 1,500 円高い、2 万 8 千円に決めたが、今月に入って追加で 3 千円支払うことを決めた。 JA 全農あおもりや JA 全農いわても、8 月に過去最高の概算金を示したが、わずか数週間で 3 千 - 4 千円の増額を決めた。 記事の後半では、高騰する各地の JA の概算金をまとめました。 専門家は、JA と他の業者の集荷競争を「価格のつり上げ競争になっている」と懸念を示しています。

背景には、夏の記録的な猛暑と、東北を中心とした渇水の影響で、一時広がったコメの収穫への不安を指摘する声もある。 JA 内部からも「今年の概算金は、正直言って非常に高い。 消費者あってこその農業生産で、生産者といえども高かったら良いというもんじゃない。(滋賀県のJA幹部)」と懸念も聞かれる。

各地の JA が示す概算金

概算金の高騰も一因で、農林水産省が 19 日に公表した全国のスーパーでのコメ 5 キロの販売価格は前週よりも 120 円高い 4,275 円で、2 週連続で 4 千円台となった。 農水省は、増産の影響で今後 1 年の主食用米は需要を上回る生産量が確保されると見込む。 また、来年夏の民間在庫量は最大で 229 万トンと、直近 10 年で最も高い水準との見通しを示し、小泉進次郎農水相は 19 日の閣議後会見で、コメを扱う事業者に「冷静に対応頂くようにお願いしたい」と呼び掛けた。

東北大大学院の冬木勝仁教授(農業市場学)は「JA と他の業者との競争が過熱し、価格のつり上げ競争に陥っている。 どの程度の需要があるのかを見通さず、今の状況が続ければ、コメ価格の暴落につながるおそれがあり、農家にとってもプラスではない。」と話す。 (山田暢史、座小田英史、asahi = 9-19-25)